男「最近みんなの様子がおかしい...」(97)

男「幼馴染はやたらと家に泊まりたがるし...」

男「あのいつもツンツンしてるツンデレちゃんは僕にお弁当なんか作ってきて...」

男「あんまりしゃべらない文系少女ちゃんも僕の前では凄く可愛い笑顔見せてくれるし...」

男「ヤンデレちゃんは...ロープ持って追いかけて来るし...」

男「妹なんて朝起きたら僕の布団で寝てるし...」

男「女先輩は最近ボディタッチが多いし...」

男「後輩ちゃんは顔を赤くしながら僕に聞こえないくらいの声でなんかボソッと言ってるし...」

男「男の娘ちゃんは僕を家に入れたがるし...」

男「...みんなどうしちゃったんだろう」

っていうのを考えたから誰か続きよろしく

男「お、後輩ちゃんだ。よー……」

後輩 |彡サッ

男「あれ? 行っちまった……。何か俺嫌われてる?」

幼馴染「さぁ?」

ツンデレ「あっ、男っ……!」

男「ツンデレか、おはよう」

ツンデレ「お、お、おはよう……ッ」

男「? 具合でも悪いのか?」

ツンデレ「そ、そんなんじゃ無いんだけどぉ……、これ」

男「ん?」

ツンデレ「また……お弁当を作り過ぎちゃって、あなたが良ければ差上げてもいいけど? どうしてもって言うなら?」

男「え? じゃあそんな強烈に欲しく無いから要らんけど」

ツンデレ「ちょっ……た、食べないとぶつわよ!?」

男「お、おお……。じゃあありがたく頂戴します」

ツンデレ「じゃ、じゃあね……死ね!」タッタッタッ



男「えぇ……」

幼馴染「あの娘も何か様子が変ね」

男「これは……好意と受け取っていいんだよな」

幼馴染「知ーらない」






◆昼

男「でも弁当あると学食行く必要も無いし、ちょっとは嬉しいかな」スルスル

幼馴染「え? じゃあ私毎日作ってあげよっか」

男「は? どうしたお前まで」

幼馴染「……何でも!」バン

男「不意に叩くな」


\オトコサーン/ ドドドド


男「ん?」

ヤンデレ「今日こそ捕まえますよー!」ドドドド

男「ブーーー!」

幼馴染「あらら」

男「ちょ、ちょ、飯食ってる時は勘弁……っ」

タッタッタッ 

ヤンデレ「待って下さいーーーーー!!」

男「のわーーー!!」





幼馴染「大変ねぇ、あいつ……。私も負けてらんないわ」

男「おっべぇー……、何とか撒いたか……はぁ、はあ」

女先輩「あれ?男君?」

男「あ……、先輩。こんにちは」

女先輩「あはは、何で息切れしてんの? ウケる」

男「どこに笑い要素が」

女先輩「ランニングでもした? これ飲む?」クイッ

男「い、いや先輩のは飲めないです」

女先輩「遠慮しなくていいから、ん? ひょっとした私の口付けたのは汚くて飲みたくもないって事? それ酷くない? サイテー」

男「何で独りでコントしてるんですか、それにそこまで言ってないっすよ」

女先輩「じゃあ飲んで」

男「えっ、結局?」

女先輩「ほらほら」グイッ

男「乗り気なのは何でなんすかね……、いやっ無理……」

女先輩「大声出すよ」

男「はい!? もう無茶苦茶じゃないすか」

女先輩「喉乾いてんじゃないの?」

男「(飲まないと帰してくれそうにないな……と自分に言い訳して) 分かりました、飲みますよ」

女先輩「うわ、折れた。キモッ」

男「えぇ……」

女先輩「あ、全部飲んだらダメだよ」

男「(マジで何なんだこの人) 分かってますよ……ごくっ」

女先輩「…………」

男「あ、ありがとうございました……(何のお礼だこれ)」

\オトコサーン/ ドドドド


男「うおっ、じゃあ先輩、また後で!」パス

女先輩「うん、じゃあね」

タッタッタッ




女先輩「男の口つけゲット」

男「今度こそ撒いたな……ふぅ……」

文系少女「男くん?」

男「ああ、文系か……。お、そうだった」

文系「?」

男「これ、お前が貸してくれた本。すっげぇ面白かったわ、お陰で現国の課題が出来そうだよ、サンキューな」パス

文系「あー、良かった。男くんに合わなかったらどうしようかと思った」

男「また色々面白い本教えてくれよな、じゃ」

文系「うん、またね」ニコ






◆放課後 体育館

男「うーす」

幼馴染「よろしくお願いしまーす」

友「遅い遅い遅い、そして当たり前の如く同時入場すんな」

男「はァ? いつもの事だろ」

幼馴染「あれ、顧問先生は?」

友「職員会議で来れないってよ、今日は自主練」

女先輩「それじゃあ早速だけど幼馴染ちゃんは私と組もっか」

幼馴染「分かりました。それじゃあアンタらサボんじゃないわよ」

友・男「へいへい」



パコーン

友「全く……、お前には……ふっ! 嫉妬するな」

男「あぁん?なんで? せいっ」

友「自覚していないのも……ムカつくっ! オラァ!」スパァン

男「おっぶね!」

友「まぁ、いいけど……見てて面白いし」パコーン

男「何の話だ……よっと!」

友「お前は……選択しないといけない」

男「何を」

友「時期に分かるって……、はーきっつー、休まね?」

男「……おう」



女先輩「幼馴染ちゃんは……、男君のことをどう思ってる?」

幼馴染「へ? どういう意味ですか」

女先輩「とぼけちゃってぇ……」

幼馴染「…………」

女先輩「ふふっ」

幼馴染「それじゃあ先輩は……」

女先輩「んーー?」

幼馴染「男をどう思っていますか」

女先輩「……幼馴染ちゃんと同じ」ニコリ

幼馴染「それって……ズルいです」

女先輩「あははっ、だねー」



部長「はい今日はここまでです、各々シャトルやラケット、コートを片付けて解散してください!」

部員「はい!」

◆帰宅中

妹「二人共、おーそーいー」

幼馴染「ごめんねー」

男「お前、わざわざ中学からこっちまで来なくていいのに」

妹「別にいいでしょ、さ、幼馴染さん行きましょう」

幼馴染「私たちは買い物しにスーパーに寄るから。あんたは先に帰っててね」

男「へいへい」






◆男宅

男 「(ツンデレから貰った弁当を洗わないとな)」

ジャー ゴシゴシ

男「(前はしょっちゅう怒鳴られたのになー、不思議なモンだ)」





男「(もう今日は疲れた、少し寝る)」






◆19:00


妹「起きて、ご飯出来たよ」

男「んー……? おう」

幼馴染「起きなさいタコ」ペシペシ

男「いてて、分かった分かったよ」





妹「お父さん達は今度いつ帰って来るんだっけ」

男「……再来週じゃなかったか」パクパク

幼馴染「ねぇ、こうやって三人揃って食べるのも懐かしいね」

妹「うん、幼馴染さんが居てすごい楽しいよ」

男「まるで俺といてつまんらんみたいな言い方だな」

妹「あ、そうだ! 聞いて聞いて、今日学校でね────」

◆20:00

幼馴染「妹ちゃーん、一緒にお風呂入ろっ」

妹「今行きまーす……」

幼馴染「…………」

男「何だよ」

幼馴染「覗いたら殺すから」

男「見ない見ない」

妹「おまたせー、どしたの?」

幼馴染「何でも。さ、行こ」






◆浴室

妹「幼馴染さん、胸大きいー」

幼馴染「そう?」

妹「ちょっと触らせてください」

幼馴染「え? いやっ、そこは……あはははははっ」

妹「それそれ」

幼馴染「ちょ、ホントに……きゃっ」

妹「あは、柔らかぁい……」





◆リビング

男「(いかん危ない危ない……理性が壊れる。自室へ退避しよう)」

幼馴染「ふーさっぱりした」

妹「お風呂空いたよー」

男「うぇーい」





◆浴室

カポーン

男「…………」

男「ヤバイ、ムラムラして来た」

男「(あいつらの世話も面倒くせぇから早めに寝よ)」



◆男 自室

男「(うし、課題終わった。これも文系少女のお陰だな)」

男「あいつらは何してんだ? まぁいいか寝よ」

カチッ





妹「ねぇお兄」ユサユサ

幼馴染「ちょっと男」

男「む……? 何だ、妹……に幼馴染?」

幼馴染「妹ちゃんが一緒に寝たいんだって、川の字に」

男「……川の字?」

幼馴染「お邪魔するわよ」

妹「お兄は中央ね」

男「ちょ、ちょ、おい」

妹「またこうやって三人で寝るのも久しぶりだね」

幼馴染「10年振りくらい?」

男「……何だこれ」

妹「はいはい、お兄は静かにしてて」

幼馴染「そうだ、アンタ妙な事したらタダじゃおかないからね」

男「しねぇよ」

妹「おやすみー」

幼馴染「おやすみ」

男「…………」






妹「…………」スー

男「…………」

幼馴染「…………」クー

男「(寝れる訳ないんだよなぁ……)」

男「(うおお、こっち向くな幼馴染っ、胸が)」

男「(やっぱ無理、脱出だ。ソファで寝よ)」ゴソゴソ






妹「(お兄寝たかな……、抱きついても……バレないよね)」ギュッ

幼馴染「(!? きゃあああっ、男が抱きついて来たぁ!?)」

妹「(えへへ)」ギュー

幼馴染「(男寝惚けてるのかな……私も……抱きついてもいいかな)」

妹「(わっ、力込めて来た……。お兄ぃ……)」

幼馴染「(男ぉ……)」






◆翌朝

幼馴染「うーん……、あれ? 何で妹ちゃんが……」

妹「あれ?お兄じゃない……」

ガチャ


男「二人共起きたかー? うお!?」

幼馴染「男ッ?」

妹「お兄!?」

男「お前ら……いつからそんな仲になったんだ」

幼馴染「違っ……、これは」

妹「何でベッドでお兄が寝てないの!?」

男「え? 普通に夜中に抜け出したが」

幼馴染「(そうだったんだ……)」

妹「(すごいドキドキしちゃった……)」

幼馴染「あはは……」

妹「はは……」

◆7:00 朝食


妹・幼馴染「いただきまーす」

男「…………」パクパク

幼馴染「あ、そうだった。男、アンタに弁当作っておいたから」

男「あ? なんで」

幼馴染「学食は嫌だから弁当食べてぇ……とか言ってたじゃん」

男「改竄すんな、それにお前に作って欲しいとは言ってない」

幼馴染「そうだっけ……? えー、じゃあこれどうするの?」

男「知らねぇよ、友達にでも渡せばいいんじゃね?」

妹「……あっ、だったら私食べる!」

幼馴染「本当!? 妹ちゃんありがとうっ!」

妹「うーー、ちょっと抱きつかないでくださいよ」

男「…………」

妹「何見てんのお兄」

男「いや、見てないぞ」

幼馴染「妹ちゃんは可愛いねー」

妹「うぅ……そんな……」

幼馴染「ほら、アンタは食べ終わったら流しに置いてさっさと準備しなさい」

男「へいへい」






◆登校中


妹「そこでなぜかAちゃんが○○してですねー」

幼馴染「あはは、それおかしい」

男「ははっ、確かにすっげぇ変……。ん?」



[電柱]ヤンデレ「…………」



男「(うわっ何かいる)」

妹「それでー……」

男「二人共、ちょっと急ごうぜ、遅刻するぞ」

幼馴染「え? まだ時間あると思うけど……」

男「いいからほら」タタタ

妹「お兄どうしたのっ?」

幼馴染「ちょっと待ちなさいよっ」

◆教室


男「(ああやって四六時中監視────、されていると気が滅入るな……どうにかしないと)」ハァー

友「どうした溜息なんて、悩みか」

男「プライバシーの侵害を少々な」

友「うわぁ、結構深刻だった。恋愛とかだと」

男「まだギリギリ大丈夫だけどな。まぁヤバイ時は言うから助けてくれよ」

友「おう、いつでも待ってるからな」

男「サンキュー」


ヤンデレ「…………」


男「(って、既に居るじゃねーか)」

◆休憩時間


友「廊下にいる奴がお前の事呼んでるぞ」

男「わかった」

スタスタ

ツンデレ「…………」モジモジ

男「どうした?」

ツンデレ「あなたの為に、まぁ? 仕方なく今日もお弁当をあげたけれど? どうしてもって言うのならあげなくもないけど」

男「(なぜ上から目線なんだ) あぁ、俺、お前の弁当待ってたんだよ。サンキューな」

ツンデレ「……っ」

男「?」

ツンデレ「あぁもう死ね! キモいっ」ダーッ



男「(正解が分からないぞ、お前の相手の仕方)」

◆昼


友「食堂行こうぜ男」

男「いや俺は弁当あるから」

友「あっ、そうだったな……死ね」

男「なぜ。ああ、でも飲み物が無いから自販行くわ」

友「オーケー」





◆食堂前

ガチャコン

男「よし」

友「じゃあな。今日こそ天丼食うぞー……」

男「(教室戻ろ……)」

グイグイ

男「え?」

後輩「…………」

男「あれ、後輩ちゃん。どうした?」

後輩「…………」ガサ

男「クッキー……か?」

後輩「…………」グイグイ

男「俺にくれるのか?」

後輩「…………」コクコク

男「おぉ、ありがとう。後で食べるよ」

後輩「…………」(手を振る)

男「おう、じゃあな」

◆教室


男「(ツンデレの弁当はやっぱり美味いな)」モグ

男「(早速後輩ちゃんから貰ったクッキー食うか)」ガサ

サクサク モグモグ

男「(すげぇ……美味過ぎるぞコレ。プロレベルだ……後輩ちゃんにこんな才能があったとはなぁ……)」

友「おや、それは」

男「後輩ちゃんから貰った」

友「それマジ? 学校の女子囲い過ぎだろ……」

男「俺がジゴロみたく言うなよ」

幼馴染「あーっ! そのクッキーどうしたの?」

友「後輩から貰ったらしい」

男「ちょ、おま」

幼馴染「後輩ちゃんから……手作りクッキーを……!?」

男「別にいいだろ」

幼馴染「う、うん。何も問題なんて無いし? 嫉妬なんてしてないし……」ブツブツ

友「おー、怖」

男「は?」

◆放課後 -部活終了-


幼馴染「男ー、帰るよー」

男「すまん、俺これから委員会の仕事あるわ」

幼馴染「えぇー、そうなの?」

男「先に帰っててくれ」

幼馴染「……わかった」

男「じゃあな」



◆図書室


ガララッ

男「すみません、遅れました」

文系少女「もう、遅いよ。何やってたの? 私が半分くらい終わらせちゃったよ」

男「ごめんごめん……って、あれ? 今日の当番って俺と文系少女だっけ」

文系少女「そうだよ? しっかりしてよねー」

男「悪かったって。それで、残りはどうするんだ」

文系少女「蔵書点検だよ、ほらこっち来て」

男「おう」



文系少女「(青川次郎……八冊確認……と)」カキカキ


「・・・・・・」


文系少女「ちょっと男くん? さっきから全然作業してない様に見え……」チラ

男「……zZZ」

文系少女「寝ちゃってる……」

男「zzz……」

文系少女「男くん、ねぇ起きてよっ」ユサユサ

男「…………」グー

文系少女「爆睡してるし……起きてってば!」

男「…………」

文系少女「(困ったなぁ……これじゃ終わらないよお……)」

文系少女「(でも本当にぐっすり寝てるなぁ……)」

男「…………」

文系少女「(手とか……繋いでみても、いいかな……)」

ぎゅっ

男「zzz……」

文系少女「えへへ……大きいなぁ、温かい……」

にぎにぎ

文系少女「(幸せだなぁ……)」

男「(ん……?)」

文系少女「好きだよ、男くん」

文系「(ふふ……言っちゃった)」

男「……今、何か言った?」

文系少女「……へ?」

男「え?」

文系少女「きゃああああああああああああっ!!」

男「えぇえええええええええ!?」





文系少女「(聞かれた……言ったの聞かれちゃった……)」ズーン

男「(結局何て言ったんだ? 俺が寝てる時に言うなんて変なモンだな……)」


(沈黙)


男「……何か手を握られてた気がしたんだが」

文系少女「してない! してないからぁ!」

男「お、OKOK。わかったって」

◆三十分後


文系少女「もう、男くんのせいで今日中に終わらなかったじゃん……」

男「悪かったって。明日は俺一人でやるから」

文系少女「……わたしもやる」

男「えっ」

文系少女「……ダメ?」

男「いや別に」

文系少女「決まりだね……じゃあまた明日」

男「おう、じゃあな」



◆帰宅中


男「(っべー、すっかり遅くなった)」

男「(しっかし文系少女の言った言葉気になるなー……)」

男「(聞き間違いだと思うけど……『好きだよ』って聞こえたんだよなぁ……)」

男「(それに文系少女の恥ずかしがり具合……。やっべえ、そうとしか思えなくなって来た)」

男「(今度しっかり聞いてみるかな……やべ、意識しちまうな。俺も恥ずかしくなって来た)」





男「ん?」



[電柱]ヤンデレ「…………」



男「……ッ!!」

ヤンデレ「こんばんは、男さん」ニヤ

男「あ、あぁ……ヤンデレか。どうしたんだこんな所で……(今のマジで怖かった……)」

ヤンデレ「私は塾の帰り……かな。ふふっ、男さんはどうしたんですか?」

男「(絶対ウソだ……) 俺は委員会の仕事があったんだけど」

ヤンデレ「ふーん……そうなんだ……」

男「じ、じゃあな。俺はこれで帰……」

ヤンデレ「逃げるの?」

男「え……」

ヤンデレ「また私から逃げるんですか?」

男「いや……その」

ヤンデレ「今日はね……」

男「…………」ゴクリ

ヤンデレ「逃さないよ?」 (ナイフを取り出し)

男「うっ……」ビクッ

ヤンデレ「ふふ、待ってーー」

男「……!!」 ダダダ



ヤンデレ「……無駄だよ?」 タタタ





男「はあ……はぁ……(ヤバいヤバい、マジで殺される)」

男「(ここまで来れば……)」 クル

男「(ふぅ……撒いたか……)」

ヤンデレ「こっちですよ?」ダキッ

男「なっ……」

ヤンデレ「つーかまーえたー」ニコ

男「クソッ、離せよ……」

ヤンデレ「なんで私から逃げるんですか? 傷付きますよ?」ニコニコ

男「俺が悪かった。すまん……」

ヤンデレ「あんまり逃げるなら」

俺「……っ」

ヤンデレ「私もそろそろ怒りますよ?」

男「ひぃ……」

ヤンデレ「どうすれば男さんは逃げられなくなるんですか?」

男「う……」

ヤンデレ「足を斬り落としちゃいましょうか」

男「ま、待てッ」

ヤンデレ「こんなに好きなのに男さんは酷いですよね」

男「悪かったって……」

ヤンデレ「じゃあ私のモノになってくれるんですね?」ギュー

男「…………」

ヤンデレ「応えてください」プツ

男「痛……! ちょ、刺さってるって……!」

ヤンデレ「もっと痛い事しましょうか?」ニヤ

男「うぅ……」ゾワッ

ヤンデレ「そうですねぇ……。キスしてくれたら許してあげます。キスしてください」

男「え……」

ヤンデレ「どうしたんです? 簡単でしょ?」

男「お……俺は……」

ヤンデレ「?」

 「そこまでにしておいたら?」

ヤンデレ「誰……!?」

男「せ……」

女先輩「今回は流石に度が過ぎるんじゃないかな? ヤンデレちゃん」

男「先輩……!」

ヤンデレ「あなたには関係ないです」

女先輩「はぁー、まったく……。そしたらこっちもそれなりの手段を取るけど?」ケータイ

『ダイヤル:110』

ヤンデレ「……わかりました、今日は退きます」スッ

女先輩「ふふ、良い子だね」



ヤンデレ「……それではさよなら」ニコ





男「いやぁ、助かりましたよ先輩。ダメかと思いました」

女先輩「大丈夫? 唇とか奪われてない?」

男「何の心配ですか、まずケガの確認でしょ」

女先輩「あはは、それマジ正論。ウケる」

男「(いつもの先輩だ)」

女先輩「でもホント危なかったねー。家まで送ってこっか?」

男「いえ、もう近いんで大丈夫です」

女先輩「そう? 気をつけてね」

男「はい。さよなら……って、そうだ」

女先輩「うん?」

男「なんで先輩があの場に現れたんですか?」

女先輩「うーん……気まぐれ?」

男「何ですかそれ」

女先輩「また今度話そっか。もう遅いし」

男「あっ……はい、そうですね」

女先輩「バイバーイ」






男「はぁ……」



◆男宅

ガチャ

男「ただいま……」

幼馴染「おかえり……随分遅かったね……って、わあ!? 血が出てるよ!」

男「あぁ、転んだ」

幼馴染「転んだって……これ、刺し傷じゃないの……?」

男「……もう疲れたから放っておいてくれ」

幼馴染「ご、ごめん」

男「妹は?」

幼馴染「今はお風呂に入ってるよ。もう上がると思う」

男「そうか」

幼馴染「夕飯はどうするの?」

男「いらねぇ」

幼馴染「うん……わかった」




◆浴室

男「いてて……」ズキズキ

男「(包帯巻いておくか……脇腹なら目立たないし)」

男「まったく……ヤンデレにはお手上げだ……」




幼馴染「ヤンデレさんが……」

◆男 自室


男「(あぁ、クソ。痛えなぁ……)」ドサッ

男「(こんなんじゃ川の字に寝れないな。はは……)」

男「眠……」





幼馴染「男、寝ちゃった?」

男「……お前のせいで起きた」

幼馴染「ごめん」

男「何の用だ」

幼馴染「その傷さ」

男「!」

幼馴染「ヤンデレさんにやられたの?」

男「…………」

幼馴染「そうなんだね?」

男「さぁな」

幼馴染「何で隠すの……」

男「お前は関係ない」

幼馴染「……!」

男「出て行ってくれ」

幼馴染「……うん」




男「あー、待て。一ついいか」

幼馴染「何?」

男「告白されたかもしれない」

幼馴染「……えぇッ!? 誰誰誰誰っっ!!」

男「あぁ大声出すなっ……まだ不確定なんだよ」

幼馴染「……ドユ意味?」

男「寝てる時に呟かれたっぽい」

幼馴染「…………」

男「その目止めろ。頭は打ってない」

幼馴染「……それで誰からなの?」

男「文系少女」

幼馴染「ッ!」

男「まぁ、俺の気のせいかもしれないから広めたりすんなよ……って」

幼馴染「…………」

男「涙目なってないか?」

幼馴染「……なってない」





◆妹部屋


幼馴染「(うわぁぁぁぁ、悔しいっ! 文系少女さんに先越されたぁぁぁぁ)」バタバタ

妹「幼馴染さん、バタバタしないでください」

幼馴染「ごめんなさい」シュン

妹「まったく─────」

幼馴染「ねぇ、妹ちゃーん。慰めてぇぇっ」

妹「えぇ、何ですか急に……」

幼馴染「私の抱き枕になって」
 
妹「ダメです。って、あぁっ、許可してない! ストップ!」

幼馴染「んー」ギュー

今回はここまでです

まず更新が大きく遅れた事を謝罪します すみませんでした
七人ものヒロインをほぼ平等に活躍させるって難しいなあ、と痛感します

女同士のドロドロした男の奪い合い等は書く予定は無いので安心して見てください
ヤンデレpart以外は基本的に楽しく明るいコメディ調にやっていきます

次の更新まで応援よろしくお願いします 頑張ります

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月24日 (土) 03:31:34   ID: iXjcNjFX

面白い(o^^o)続けて欲しい(((o(*゚▽゚*)o)))

2 :  SS好きの774さん   2017年01月21日 (土) 01:45:18   ID: o6C2yLzw

ヤンデレを俺に下さい

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom