大淀「あっ、司令官さん。お疲れ様です」 (31)
ガチャッ
大淀「提督、おはようございます」
提督「ああ、おはよう…ん?」
大淀「どうなさいました?」
提督「…大淀。君、眼鏡変えた?」
大淀「あっ、はい。この前新しい物を買ってきたんです」
提督「ふむ、そうか。新しいのもよく似合っていて何よりだ」
大淀「…そう言っていただけると、私も嬉しいです」
提督「…」
大淀「ええと…まだ何かご質問が?」
提督「その眼鏡、どこかで見たような気がするのだが。気のせいかな」
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大淀「…気のせいですよ。このタイプの眼鏡はありふれていますし」
提督「そうか、変に勘ぐって悪かった」
大淀(…ほっ)
提督「そうだ大淀。今日の朝食はもう出来ているかな?」
大淀「勿論です。今日のお味噌汁は庄内麩にしてみました」
提督「ほう。いつものとはまた違うが、きっと美味しいのだろうな」
大淀「!?」
提督「…どうした大淀。なんだか驚いているようだが」
大淀「い、いえ…」
大淀(なんてこと…お味噌汁にはお麩を使っていると聞いていたけど、種類までは確認してなかったわ)
○
提督「…ごちそうさまでした」
大淀「お味の方はどうでしたか?」
提督「とても美味しかったよ。ただ…」
大淀「ただ?」
提督「味付けが変わったような気がするんだが、どうかな?」
大淀「…流石ですね提督。変えたといっても、少し目分量を変えてみただけなのですが」
提督「いろいろ試してみるのはいいことだ。私で良ければいつでも味見させてもらうよ?」
大淀「ほ、本当ですかっ!?」
提督「…大淀?」
大淀「…申し訳ありません。少し気が動転していたようです」
提督「…」
大淀「…」
提督「…大淀よ」
大淀「はい」
提督「私に何か隠し事をしているのかな?」
大淀「隠し事…ですか?」
提督「どうしてだろうか、君の振る舞いに違和感を感じている」
大淀「…」
提督「そうよそよそしくされると、こちらも辛いな」
大淀「…申し訳ありません」
提督「…こちらこそ申し訳ない。どうやら込み入った事情のようだ」
大淀「ご配慮、痛み入ります」
提督「だが気がかりなのに変わりはない。私で良ければ、どうか打ち明けて欲しいものだ」
大淀「…ありがとうございます、し」
提督「…し?」
大淀「…い、いえ。何でもありません、提督」
提督「…もう一つだけ気になることがあるのだが、訊いてもいいだろうか?」
大淀「はい」
提督「今日の君は、少し窮屈そうな顔をしているように見える」
大淀「窮屈…ですか」
提督「ああ。まるで何かを無理やり押し込めているようだ」
大淀「…」
大淀(…くっ、やはり慣れない補正下着では無理がありましたか)
提督「もし気分が優れないなら、今日はゆっくり休んでくれてもいい」
大淀「そ、それは出来ません!」
提督「無理がたたれば疲労がたまり、怪我だってしやすくなる」
大淀「…仰る通りです」
提督「それが命取りにもなりうるのだ。だから楽になって…」
大淀「いえ、大丈夫です」
提督「…大淀」
大淀「大丈夫です!」
提督「…」
提督「全く…仕方ないな」
ガタッ
大淀「あ、これって…」
提督「大本営からいただいた高級菓子だ」
大淀「わあ…」
大淀(ここでゴディバのチョコレートとは…私の計算では、こんな事ありえない……!)
大淀「ですがこのようなもの、私が頂いても良いのでしょうか?」
提督「いいさ。甘いもので身体の疲れが取れる訳ではないが、いい気分転換にはなるだろうから」
大淀「…では遠慮無く。いただきます」
パクッ
大淀「…」
モグモグモグモグ...
大淀「……」
提督「…美味しいかい?」
大淀「…はい。これは…気持ちのよいものですね」
提督「うん?」
大淀「…あっ」
提督「…」
大淀「…あ、あの」
提督「その言葉遣い…まさかとは思うが君、鳥海か?」
大淀「え、ええっ!」
提督「勿論声は違うが、そう考えると納得がいくんだよ」
提督「普段の大淀はいつもアンダーリムを使っているし、違う種類のものを買ったとも聞いていない」
提督「それに大淀は大和麩を好んで使う。あれの舌触りと食感が気に入ったみたいでな」
大淀「そ、それが事実だとしても、現段階では単なる憶測にすぎません」
提督「君の言う通りだ。今はまだ憶測の域を出ない」
大淀「邪推はもう止めてください。私のことを気になさるのならどうか…」
提督「ならば訊かせてくれ」
大淀「何でしょう?」
提督「…知れたことよ。君の、勝負下着だっ!」
大淀「なっ!?」
提督「どうかね大淀?いつもの君なら恥じらいつつも、はっきり答えてくれるはずだ」
大淀「…うっ」
提督「答えられないのかな?」
大淀「いえ、そういう訳ではないのですが…」
提督「…いてない」
大淀「?」
提督「君、はいてないんだろう?」
大淀「」
提督「で、どうなんだね?」
大淀「な、なななな…どこでそのような事を……///」
提督「なに、ちょっと小耳に挟んだだけさ」
大淀「…随分と、いかがわしい情報源なのですね……!」
提督「言っておくが…大淀がはいてこなかった事はないし、無論そうさせた事もありはしない」
大淀「そんなの当然ですよ、司令官さん!」
提督「…」ニヤリ
大淀→鳥海「…ま、参りました」
提督「で、大淀は大丈夫なんだね?」
鳥海「はい…枕元に忍び込んで、適量の麻酔薬を注射しただけですから」
提督「…いや、いやいやいやいや」
鳥海「大丈夫。私の計算では、昏睡状態に陥らせる事などありえません」
提督「だとしても普通はやっちゃダメだから。間違いなく事案だから」
鳥海「…はい」
提督「…声はどうやって変えたんだい?」
鳥海「その…明石さんのお店に行ったら、特注の変声機を売ってくれたので」
提督「何を売ってるんだアイツは…」
鳥海「ですが彼女は悪くありません。遊び程度に留めておけと、念を押されましたから」
提督「…信用されていた訳だ」
鳥海「はい。ですが私はそれを裏切ってしまいました……」
提督「…終わってしまった事は仕方ない。まずは大淀が起きたら謝りに行こう」
鳥海「そうですね…」
提督「その時は私も一緒だ」
鳥海「そんな…司令官さんを煩わすなんて」
提督「いいんだよ、そんなの」
鳥海「どうして?」
提督「部下の君が間違ったら、上司である私が正してやろうと手伝えばいい」
提督「逆もまた然り。持ちつ持たれつでいかなきゃ、一緒に居る意味が無いじゃないか」
鳥海「司令官、さん」
提督「だから改めて訊いておきたい。どうしてこんな真似をした?」
鳥海「…羨ましかったんです」
鳥海「いつも近くで貴方を見ていられるあの人のことが、妬ましくなるくらいに」
提督「…手段は誉められんが、君にそこまで想われた事は光栄に思うよ」
鳥海「ほ…本当、ですか?」
提督「ああ。そうでなければ、わざわざ改装させてあげようなんて思わない」
鳥海「司令官さん…」
提督「…だが、君だけを大切に思うことは立場上出来ない。それは他の皆も同じだ」
鳥海「…」
提督「だからこそ…今この時くらいは、君の事を一番に考えていたい」
鳥海「!」
提督「どうしてそこまで想ってくれたのか…鳥海の気持ち、まだ何も知らないからな」
提督「ぶしつけな頼みだが…どんなものか聞かせてくれると、とてもありがたい」
鳥海「……」
鳥海「…分かりました。私の想い、司令官さんにちゃんと伝わるように頑張りますね」
○
提督「…鳥海」
鳥海「はい…司令官さん」
提督「もうしばらくでいいんだ。私はまだ、君と繋がっていたい」
鳥海「…はい」
提督「まだ…いけるか?」
鳥海「ちょっとだけ辛いですけど、大丈夫…大丈夫です」
提督「…分かった」
鳥海「もう。あんなに乱暴な扱いをしたのに、今更遠慮だなんて」
...クチュッ
鳥海「あっ…」
提督「具合はどうかな?」
ズズズ...
鳥海「…司令官さんの、あれだけやってもまだこんなに逞しいんですね」
提督「逞しいなんて、まさか。単に盛りが付いただけだ」
鳥海「ふふ…確かにそうかもしれませんね」
提督「…」
鳥海「大淀さんとも、こんな風にしているんですよね?」
提督「…まあな」
鳥海「きっと、私とこうしている時よりも…ずっと激しいんでしょうね」
提督「それは…」
鳥海「いいんです。あの人と私では、貴方とこうしていられた時間に差があるんですから」
提督「…すまない」
鳥海「謝ったりしないで。二人の間に割り込んだのは、私だから」
提督「……」
鳥海「ですが私…きっと大淀さんに追いつきます。いいえ、絶対追いついてみせます」
鳥海「なるべく長い時間、司令官さんの中で私が一番になれるように…溺れさせてあげます」
提督「はは…恐ろしい話だ」
鳥海「それはお互い様だと思いますけどね…司令官さん」
○
鳥海「司令官さん、司令官さんっ!」
パンパンッ
提督「鳥海…!」
ズッポズッポ
鳥海「ああ!いい!いいですっ!司令官さんが、私の奥まで届いてきてっ……!」
...ガシッ
鳥海「あっ、またそんな乱暴に!」
グニャグニャッ
鳥海「そんなにっ、胸を揉み回さないでっ」
提督「君のは揉みがいがあるからなっ…!」
鳥海「い、今はあの人のことなんてっ!ああっ、でも…こんな風にして貰えるなら、悪くないかもしれません……!」
ズプププププ!
鳥海「んっ…!そんな、更に深くだなんて」
提督「…溺れさせてくれ、君にっ!」
ジュポッジュポッジュポッ!
鳥海「あっ、ああ…あ……!」
提督「……」
ズズズズッ!
鳥海「か、ひっ…わ、私もう……ああっ!」
ドピュピュピュピュ!
鳥海「……あ、あ……あっ……」
グテッ
提督「おっと…」
鳥海「……」
...zzz
提督「…気持ちよさ気な顔になってくれてよかったよ、鳥海……」
...ズコォ!
提督「えっ」
「やれやれ…まさか鳥海さんまでそうだったとは」
提督「そ、その声はお淀!」
大淀「止めてくださいその呼び方。うう、私が不覚を取った隙にこんな…」
「私も居ますよ、提督」
提督「明石!」
明石「青葉の情報がこうも当てにならないとは…まあ、鳥海さんは丁寧で奥ゆかしいタイプだと誰もが評していましたからね」
大淀「とんだ伏兵だったわ……!」
提督「…仕事をサボって情事にかまけていたのは悪かった。だがな、鎮守府を破壊するのは良くない。良くないぞ」
大淀「こうするしかなかったんですよっ!」
明石「けれど着いたらもう手遅れ…提督、これからどうするんですか?」
提督「…極力責任は取る!」
明石「一応言っときますけど、ケッコンカッコカリなんて所詮仮でしかありませんし、何の解決にもなりませんからね!」
提督「買いかぶるなよ…これ以上私に迫ってくる相手なんて、そうそう現れんだろう」
明石「ですが万一の場合もあります!」
提督「ない!」
大淀「それに提督は押しが強いですが、押しに弱い!」
提督「う……」
明石「なのでこれから、提督を私達二人で修理した方がいいみたいですね」
提督「修理なら間に合っているぞ…」
大淀「患者は皆そう言うんです!」
提督「…ああ、もう!めんどくせえ!二人まとめてヤってやらあ!」
艦!
前作
大淀「あの・・・どこを見ていらっしゃるんですか?」
大淀「あの・・・どこを見ていらっしゃるんですか?」 - SSまとめ速報
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過去の失敗はなるべく忘れないようにして、今後に活かそうと思います
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