「もしかしたら全国で咲に会えるかも」 (209)

和「咲さんが全国にいきたい理由ってお姉さんのことだけじゃないんですか?」

咲「うん。お姉ちゃんとのこともそうなんだけど…実は密かに楽しみにしてることもあって」

和「へぇ、そうなんですか」


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咲「うん。私ね、昔お父さんの仕事の都合であっちこっち連れ回されてたことがあってね」

咲「一か所に長く留まることがなかったから色んな出会いと別れがあったんだ」

咲「その時に仲良くなった人たちが今も麻雀をやってたら…もしかしたら会えるかもしれないよね。それがちょっとだけ楽しみなんだ」

和「そうだったんですか。もしも本当に会えたら、素敵な話ですね」

咲「あまり期待してないけどね。でも、本当にいろんなとこに住んでたから中にはひとりふたりくらい…って思っちゃう」

和「そんなにたくさんお友達がいたんですか?」

咲「その所々では何人もいないくらいだったけど、どこに行っても一人は仲良くしてくれるお姉さんみたいな人がいたから」

和「へぇ…私もちょっと会ってみたいですね。咲さんの小さい時の話を聞いてみたいです」

咲「もう、和ちゃんったら…恥ずかしいからだめだよ」

和「ふふっ」


 大阪

洋榎「もーういーくつねーるーとーインターハイー」

恭子「洋榎うるさい」

洋榎「なんやとコラ」

恭子「どないしはったんですか主将。やけに浮かれてますけど」

洋榎「張り切ってると言ってくれや」

恭子「どないなっとんのや絹ちゃん」

絹恵「家でもこうですよ。カレンダーの前でインハイ本戦までの日数指折り数えてにやけてます」

恭子「きっしょ…」

洋榎「別にええやろ!楽しみなんやから!悪いんかオゥ!?」

恭子「まず、なにをそんな楽しみにしてるんですか」

絹恵「昔近所に何か月かだけ住んでた子が今年から高校なんですよ。お姉ちゃんは特に仲良かったから、また会えるかもしれへんのが嬉しゅうてしょうがないみたいで」

恭子「ああ…なんや聞いたことある。咲ちゃんやったかな」

洋榎「懐かしいなぁ…よううちの後ろをちょこちょこついて回ってたんやで」

恭子「その子まだ麻雀やってるんか?そもそも県予選勝ち上がってきとるかもわからへんやろ」

絹恵「その辺全然考えとらんみたいですよ。もう会える前提ですからね」

洋榎「そういう絹かて最近は夜になればそわそわして寝るの遅いやんか」

絹恵「そっ、それはあれや、最近寝苦しゅうて!」

恭子「要するに、姉妹共々咲ちゃんたらいう子に会いたくてしゃーないんやな」

洋榎「せや」

絹恵「否定はしませんけど…」

洋榎「再会したらいの一番になにするか考えるだけで小一時間は経っとるわ」

恭子「重症やな…」


 岩手

豊音「全国出場おめでと~!」

塞「こらこら…まだ予選突破したってだけだから。あんま浮かれんのも、ね?」

胡桃「そーゆー塞が一番浮かれてるけどね」

塞「えっ?そ、そう?」

白望「…ちょっとは落ち着いたら?」

塞「あんたは落ち着きすぎでしょ…」

エイスリン「サエ、ウレシイ?」

塞「や、うーん…嬉しいは嬉しいんだけど、さ」

塞「みんなで全国にいけることが一番嬉しいよ?もちろんさ。でもそれ以外にもちょっとね」

豊音「なになにー?くわしく!」

塞「う…そこまで食いつかれるとなんかはずい…」

胡桃「そーゆーのいいから!早く吐け!」

エイスリン「ハケー!」

塞「こらこら…そんな大した話でもないんだけどね。昔、すごく短い間だけ近くに越してきた子がいたんだけど」

白望「ん…?もしかして」

塞「シロはわかるよね。咲ちゃん」

白望「あー…またずいぶんと懐かしいね」

胡桃「謎の人物が登場したね…」

豊音「聴取をぞっこーだよー」

塞「私たちが麻雀を始める理由になった子なんだよねえ」

胡桃「へー」

塞「趣味とか特技は?って聞いたらすこし迷って麻雀って答えるような子でね。周りに麻雀やるような子は少なかったから、うちらが相手できるようになったげようってね」

白望「…そんなこともあったね」

塞「シロなんかその頃からこんなだったからね。世話焼きな子だったから、よくシロの世話をしてたよ」

白望「そう考えると、妹のような子だった」

胡桃「こんなだらしないお姉ちゃんとか嫌だなあ」

塞「でも本当、妹みたいな子だったよ。人見知りなんだけど人懐っこいというよくわかんない感じの子で、懐くとそりゃもう四六時中ひっついてきてねえ」

胡桃「あ、いまのおばあちゃんぽい」

塞「だれがおばあちゃんか」

豊音「その咲ちゃん、俄然興味が湧いてきたよー」

エイスリン「タノシミ、ダネ!」

塞「うん。…会えたらいいなあ」


 奈良

玄「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」

宥「なぁに?どうしたの、玄ちゃん…?」

玄「これ見てこれ!」

宥「?」

玄「ちょっと昔の写真整理してたら懐かしいものが出てきたんだぁ」

宥「わあ…」

玄「この子、覚えてる?」

宥「うん…咲ちゃん、だよね」

玄「そう!お隣にちょっとの間だけ住んでた子!」

宥「懐かしいねえ…」

玄「たしか穏乃ちゃんたちと同じ歳だったよね?だとしたら、もしかして全国で会えたりしてね」

宥「そうだったら…あったかいなぁ」フフ

玄「懐かしいねぇ…このこたつにマットをしいて、麻雀したね」

宥「うん」

玄「お姉ちゃんったら、咲ちゃんをゆたんぽ代わりにしてたよね」クスッ

宥「咲ちゃんあったかいんだもん。ぎゅってするとぎゅって返してくれてたし…」

玄「あー、話してたら会いたくなってきたよう」ソワソワ

宥「そだねえ…」


 インハイ本戦当日

久「まーた咲は迷子か」

まこ「お約束ってやつじゃな」

和「咲さん…」ハラハラ

咲(ま、また迷っちゃったよぅ…)

「あ…あれって」

「もしかして…」

「そうだよ、間違いない!」

「「「久し振りー!!」」」

洋榎「あん?」

塞「え?」

玄「はい?」

咲「えっ」

咲「あっ…ひろさん!?」

洋榎「おー覚えとったか!えらいやん」ワシャワシャ

咲「わぷ…力いれすぎですよー…変わりませんね」フフ

洋榎「そか?咲の方も…成長しとらんな」

咲「あ!どこ見て言ってるんですか!セクハラですよ」

洋榎「うちらの仲やんか。そないな水臭いこと言わんとほれ」

咲「ちょっと!いきなり触るのはだめですよ!」

洋榎「いきなりやなかったらええんか?」

咲「だめです!」

塞「…あのー」

洋榎「なんやアンタ」

塞「いや、えっと」

咲「…塞さん?」

塞「っ!」パァ

咲「やっぱり!モノクルなんてかけてるんで自信なかったんですけど」

塞「よかったぁ…忘れ去られてたらどうしようかと」

咲「塞さんのこと忘れたりなんかしませんよ」

塞「…かわいいやつめ、このこの!」

咲「わっ!ちょっと、苦しいですぅ…」

塞「シロもきてるんだよ、ちょっと呼んで」

玄「待つのです!」

塞「え?」

玄「咲ちゃん、ひさしぶりー!」

咲「…?」

玄「」ガーン

咲「えっと…」

玄「ほら!私!」

咲「うー…」

玄「…おもち、もちもち!」

咲「あ!玄ちゃ!?」

玄「そう!やっと思い出してくれたぁ」ホッ

咲「ご、ごめんね…変わったね、すごく…その、大きくなったね」

玄「そうかな?」

洋榎「ちょい待ちや」

塞「そ、そうだ!待ってよ!」

玄「なんですか!」

洋榎「なんやねんおたくら、馴れ馴れしく」

塞「そっちこそ」

玄「馴れ馴れしくって、仲良い相手にはこれがふつー…」

洋榎「仲ええやとう!?」

玄「ひっ」ビクッ

洋榎「うちが一番咲と仲がええんや!」

塞「む!それはちょっと聞き捨てならないよ」

玄「そ、そこは譲れないです!」

咲「え、えっと。みんな…?」オロオロ

絹恵「咲ちゃん?まさか本当におったんか!」

咲「あ、きぬちゃん…?」

絹恵「そうそ!覚えてたんやな、うれしいわー!お姉ちゃん探しにきたらまさかのまさかやで」

咲「あの、いろいろ話したいんだけど、とりあえずひろさんを止めて!」

絹恵「どういう流れやねんこれ…」

白望「…長い散歩だと思ったら…塞はなにやってるのさ…」

宥「玄ちゃん…」

絹恵「あれはそっちのツレですか?」

白望「まあ…あんま関わり合いたくないけど」

宥「はい」

絹恵「とりあえず止めましょか…」


 なんやかんや

咲「シロちゃん、顔色悪いよ?ごはんちゃんと食べてる?」

白望「食べてるよ…お母さんじゃないんだから…」

宥「咲ちゃん~」ぎゅう

咲「わぷ…宥さん、熱いです~…」

宥「がーん…」

咲「もう…しかたないんですから」ギュ

宥「あったかい…ふふ」

絹恵(…うらやましい)

洋榎「やんのかコラ」

塞「受けて立つ」

玄「負けません」

絹恵「やめんか」

洋榎「あい…」

咲「えと…みんな、久し振り、ですね」ペッコリン

洋榎「おっきくなったなぁ…」シミジミ

絹恵「せやなぁ…」

咲「きぬちゃんもずいぶんと…」ジーッ

玄「ですのだ…」ジーッ

咲「玄ちゃはあいかわらずだね…宥さんも」

玄「えへへ…」

宥「咲ちゃんも」フフ

塞「私だって久し振りなのに…」ブツブツ

咲「…さーえさんっ」キュッ

塞「わっ!?」

咲「ふふ…この感じ、懐かしいです」

塞「もう…この子は」フフッ

白望「…爆発しろ」

咲「シロちゃんも」キュッ

白望「いやいいから…。ていうか、そのいぬっころみたいな呼び方、もうやめない?」

咲「えーなんで?」

白望「…ダル」ハァ

咲「あ…」

洋榎「ん?」

塞「どしたの?」

咲「…」


照「…」


玄「あ…チャンピオンの宮永…照…」

宥「もしかして、咲ちゃんが昔言ってた『お姉ちゃん』って…」

絹恵「ホンマか…」

白望「…いかなくていいの?」

咲「…えへへ。きっと、話かけても無視されちゃいますから」

洋榎「なんやそれ!?ありえへんわ!」

宥「無視だなんて…あったかくない」

塞「あ、こっち向いた」


照「…」フイ


洋榎「完全にこっち気付いた上でそっぽ向いたやろ!ホンマかあいつ!」

絹恵「…どついたろか」

玄「おもちもないし」

咲「いいんです…お姉ちゃんを怒らせた私が悪いんですから」

塞「でも、それじゃ咲ちゃんが…」

白望「…ほんとにいいの?」

咲「…」

洋榎「…よし!まかしとき、うちが咲の新しいお姉ちゃんになったるわ!」

塞「ちょっ、いや私が!」

玄「待つのです!」

咲「…みんな」




智葉「ん?懐かしい顔が見えると思ったら…咲じゃないか?」

咲「え?……智葉おねぇちゃん!?」



洋榎「!?」

塞「!?」

玄「!?」



照「」ピクッ

リボ原ちゃん「カン!」

え、続くの?


照「…」

照(淡、遅い…)

照(なんか人が増えて来たし…先に戻ろうかな)

照(…あれ、なんか注目されてない?…あ)

咲「…」

照「…」

照(あの子…)

照「…」フイ

<ドツイタロカ

照「…」

照(え、なに今の。不穏な言葉が聞こえたんだけど)

淡「テルー、おっまたせー」

照「」ビクッ

淡「ん?どったの?」

照「…なんでもないよ」

淡「?ヘンなのー」

淡「あ、あれって…」

照「?」

淡「私、あの子知ってる。長野の宮永サキ…ねえテル」

照「…」

淡「あの子、テルの妹なの?」

照「ち…」

淡「…」キラキラ

照「…違うよ」

淡「えー。どーしてそんなつまんないウソつくの?」

照「ウソなんかじゃ…」


咲「智葉おねぇちゃん!?」


照「」ピクッ

照(ちょっと。どういうこと?『サトハオネェチャン』?サトハって、辻垣内さんのこと?)

淡「て、テルー?顔がこわいよー?」

照(お姉ちゃんって…血の繋がりがなくてもなれるんだっけ?…いや、私には関係ないけど?)

淡「やっぱりサキってテルの妹なんでしょ?だからそんなに機嫌悪そうなんでしょ!」キラキラ

照「私に妹はいない」プクー

淡「いやそんなカワイイ顔で言われても説得力ないけど」

照(…なんでこんなイライラするんだろ)

照「…いこ」スタスタ

淡「あ!ちょっと、待ってよー!」タタタ


智葉「どうしたんだこんなところで」

咲「えっと」

洋榎「ちょい待ち」

智葉「うん?お前は…姫松の愛宕」

洋榎「オウ、せや。そないなことより、さっきの智葉お姉ちゃんってどゆことや」

智葉「はあ?どういうとはどういう意味だ?」

洋榎「まんまや。なんであんたがお姉ちゃんやねん!」ビシッ

咲「ひろさんっ…」オロオロ

智葉「…ああ。なにか勘違いしてるようだが、私は別に咲の実姉ではない」

洋榎「そんなもんわかっとるわ!なんでお姉ちゃんって呼ばれとんのかっちゅーことや!」

智葉「そんなことは咲に聞いてくれ」

洋榎「なんでや咲ぃぃぃ!うちじゃあかんのかっ?」

咲「えっと…あまり深い意味は…しいて言うなら、なんとなく私のお姉ちゃんに似てたから、というか」モジ

智葉「ほう…そうだったのか」

洋榎「宮永照と辻垣内智葉が?」

塞「似てる?うーん?」

玄「麻雀が強いところは似てる…?」

智葉「姉とは宮永照のことだったのか。似てるか?」

咲「あ、うん…ちょっとぶっきらぼうなとことか、…やさしいところ、とか」


絹恵「あんな態度のどこがやさしいんや」

咲「喧嘩してなかった頃はすごいやさしかったから…」

宥「…それなら余計あったかくないよ。昔はやさしく接してたのに、いまはそっけないなんて」

咲「それは私が…」

智葉「詳しくは知らんが、咲は姉である宮永照と喧嘩しているのか?」

洋榎「みたいなんや。せやから、うちが咲のお姉ちゃんになったろうとやな」

智葉「なにを言っているんだお前は…そんなことできるわけないだろ」ズバッ

洋榎「ウッ…真顔で否定せんでも…」

智葉「そんな代替品で慰めたところで意味なかろう。やはり本物と仲直りするのが一番だ」

塞「それはそうだけどさあ…」

智葉「それは咲の問題だ、咲が頼ってこない限り、他人は首を突っ込んでいい筋合いはない」

白望「すごい正論…」

智葉「そんなに力になりたいなら、友人として支えてやれ。咲もそっちの方が喜ぶんじゃないのか」

洋榎「ぐぬぬ…」

絹恵「うーん…なんか姉御肌っちゅーの?そういう意味では姉っぽいわこの人」

咲「…ありがとう、みんな。心配してくれるのは嬉しいけど、私はだいじょうぶだから」

宥「ほんとに?」

白望「…つらかったら言いなよ」

咲「うん、ありがとう。それに私、みんなのことはお姉ちゃんと同じくらい、大好きだから」ニコッ

洋榎「なんやこの天使」

塞「咲エル降臨」

玄「この笑顔、守りたい」

智葉「ずいぶんかわいらしくなったな」フッ

咲「からかわないでよ…もう」

智葉「からかってなどいないが?」ジッ

咲「…もぅ」カァ

洋榎「ええ…なんやこの桃色空間は」

咲「あっ、えっと、私もういくね。きっと友達が心配してると思うし」

玄「咲ちゃんにもちゃんと友達ができたんだね」シミジミ

咲「うん!また会えるよね?みんなにも紹介するから」

玄「楽しみにしてるね!」

宥「またお話しようねぇ」

咲「約束ね!」

塞「…行っちゃった、か」

白望「…ダル」

洋榎「…はっきり言うとくで」

塞「?」

洋榎「今年こそは姫松が優勝する!そんで咲に捧げる!」

塞「む!そんなこと、させないよ!うちだって!」

玄「こっちだって負けませんよ!」フンス

智葉「いや…お前たちなんの為に麻雀やってんだ…?というか、咲だって参加校のメンバーなんだろ」

シロ絹宥「うんうん」

洋榎「退くに退けんのや」

絹恵「そんなことやと思うたわ…」


和「あっ!咲さん!」

咲「和ちゃん!」

和「どこに行ってたんですか!心配しましたよ!」

咲「えへへ…ごめんね。迷っちゃって…でも、前話した昔の友達に会えたんだよ!それもたくさん!」

和「ほんとですか?すごいじゃないですか!」

咲「うん!懐かしかったなぁ…和ちゃんにも後で紹介してあげるね!」

和「それは楽しみです」

咲「あっ…おトイレにいこうと思って迷ってたの忘れてたよぅ…」ブルッ

和「そうだったんですか…しょうがない人ですねもう…。今度は私がついててあげますから」

咲「ごめんね和ちゃん」

和「いえ。それではトイレは…向こうですね」

咲「急がなきゃ!」

和「すぐそこですからだいじょうぶですよ」

咲「それじゃ済ませてくるから…待っててね?」

和「はい」

咲「じゃ…」ガチャ バタン

和「…」

和(咲さんの昔の…いったいどんな人たちなんでしょうか?)

和(昔の…。穏乃たちは…元気にしてるかな)


 「和…!?」

和「」ハッ

穏乃「やっぱり…和!」

憧「え、マジ…?」

和「穏乃…憧…」

穏乃「和ぁっ!」ガバッ

和「わっ…」

憧「ひさしぶりっ!」

和「はい…おひさしぶりです」

 ワイワイ

 ―――
 ――
 ―


咲「おまたせー…あれ?和ちゃん?」

咲「…いない」

咲(ど、どうしよう…?和ちゃんになにかあったのかな?探した方が…でも見つけられる自信がないよう…!)オロオロ

咲「と、とりあえず近くを探すだけ探してみよう…あまり遠くにいかなきゃ、戻ってこれる…よね?」


咲(それにしても、やっぱり人が多いなぁ…)

 「わりーね。ついてきてもらっちゃって」

 「へーきへーき。ガッコでも連れションとかふつーにしてるし」

 「や、会場とガッコをいっしょにしたらいかんしょ…」

咲(…こわそうな人たちだな…)チラッ


 「ん?」

 「どした?」

 「ちょい…あれ」

 「え?…おやおや?」

咲(え…こころなしか見られてるような…?)

 「おいおいマジ?ハラショー…」

 「唐突なロシア語なんでだよ。それよりちょっと声かけてきなって」

 「お、おう。いこいこ」

咲(ちょ…こっちきた!?逃げるべき…?)オロオロ


 「ちょっと!」ガシッ

咲「は、はぃ!?」

 「…」ジー

 「…」ジー

咲「あ、あのぅ…ひ、人違い…ですょ…」タジ

 「やっぱそうじゃん!」

咲「え…」

爽「咲っしょ!?」

揺杏「ほら、覚えてない~?ほらほら」

咲(え…なんか見覚えがあるような…?)

咲「…」ジッ

爽「おっ…凝視されるとはずい」

揺杏「ほら頑張って思い出せ!『さ』で始まり『や』で終わる、アイツだ!」

咲「もしかして…揺杏さん?…と爽さん?」

揺杏「あ、私が先に出てくるんだ」

爽「悲しいなぁ…」

咲「え?え、ほんとに?」

揺杏「マジマジ」

爽「咲ー!」ガッシ

咲「うあっ…このノリは間違いない…」

爽「よし。いま時間あるよな?ちょっと拉致るぞ」ギュッ

咲「えっ!?ちょっと、待って!」

揺杏「諦めなって。忘れたわけじゃないっしょ?爽の強引さをさー」ケラケラ

咲「…えぇー」

リボ原ちゃん「もいっこカンや!!」


咲「有珠山かぁ…賑やかで楽しそうなとこだったなぁ…」

咲「そろそろ和ちゃんと合流できないとまずいよね…」キョロキョロ

咲(あ…あれってもしかして…)

咲「あ、あのっ」


小蒔「はい?」

咲「えっと…」

霞「あら?小蒔ちゃんのファンかしら?」

巴「姫様の知名度も今や全国区ですもんね」

初美「わかりませんよー?私のファンかもしれません」

小蒔「サインですか?誠心誠意、一筆取らせていただきますっ!」

咲「あ、そうじゃなく…」


春「はい」っ黒糖

咲「あ、ありがとうございます春さん…」ポリ

霞「まさかの春ちゃん…!」

初美「とんだ伏兵ですよー…」

小蒔「な、なんという思い上がりを…恥ずかしいです…」

巴「春ちゃん、知り合いなの?」

春「?」

巴「え、なにその反応」


春「この子、咲ちゃん」

巴「え」

霞「あら?」

小蒔「ほんとですか!?」

咲「はい」

初美「え、あの、姫様ソックリだったあの咲ちゃんですか?」

咲「えっと…そんなに似てたかなぁ」


巴「びっくりですよ…大きくなりましたね」

霞「そうねぇ…昔は私たちでさえ間違えそうになるほど小蒔ちゃんソックリだったのに」

咲「やっぱり小蒔ちゃんたちだったんですね」

小蒔「おひさしぶりです!その…すぐに気付けなくてすみませんっ」

咲「そんな、私の方が名乗りもせずいきなり話かけたんだし、しょうがないよ!…それより、その…」

小蒔「?」

霞「?」

咲「皆さんも、すごく大きくなられました、ね…」アハハ


初美「そうですかー?」フフン

咲「ハッちゃんはかわいいねー」ナデナデ

初美「コラー!それはおかしーですー!」

巴「それにしても、懐かしいですね…」

霞「そうねぇ」

巴「いまでも鮮明に思い出せますよ。なんせ、迷子でうちに迷い込んだのは後にも先にも宮永さんくらいでしょうし」

霞「しかも姫様に瓜二つだったものだから、これまでにないほどの騒ぎになったのよね」

巴「たぶん、有史以来で見ても数少ない、御座敷にまで通された外部の者ですよね」

春「…そう考えるとすごい」


咲「ごめんなさいごめんなさいっ」

初美「甘く見るとメッですよー」ゴゥ

小蒔「私の陰に隠れてくださいー!」

咲「小蒔ちゃん!」サッ

初美「むー…さすがにそこに隠れられたらお手上げですよー」

霞「ふふ…微笑ましいわね」

巴「はい。頬が緩む光景ですね」クスッ

春「…」フフッ

これで許されたという風潮
だじぇ


咲(小蒔ちゃんたちと話し込んでたら結構時間経っちゃった…)

咲(…それと、ここがどこかもわからなくなっちゃった)

咲「私一人じゃ和ちゃんを探すどころかみんなのところに戻れるかどうかすら怪しいんだよね…」

咲「とりあえず誰かに聞いて清澄のみんながいたところに戻ろう。もしかしたら和ちゃんも戻ってるかもしれないし…」


咲「あのっ、すみません!」

怜「はい?」クルッ

咲「えっと、ちょっと道を…」

怜「…」

咲「あ、あれ?」

怜「咲?」

咲「お、園城寺さん?」


怜「おー。やっぱ咲かぁ。久しぶりやんね?」

咲「はい。いつぶりでしたっけ…あ、お身体はだいじょうぶなんですか?」

怜「うん。全然だいじょゴッホゴホ」

咲「わーっ!?全然だいじょうぶじゃない!?」

怜「こほ。だいじょうぶやて。最近は調子ええんやから」

咲「調子よくてこれって余計だいじょうぶじゃないような…」サスサス


怜「ありがとさん。だいぶラクになったわ」

咲「ほんとにもういいんですか?だれか呼んだりとかした方が」

怜「ええって。たぶんそろそろツレがくるし」

竜華「怜ー!」

怜「ほら」

咲「あ…同じ学校の人ですか」

怜「ん。竜華や」


竜華「遅いから心配したやん!なにやっとんの!」

怜「やーちょっと昔の知り合いに会うたもんで」

竜華「知り合い?この子?」

咲「あ、どうも」

怜「竜華に言うとらんかったっけ。竜華より前にうちに膝枕させてくれてた子。咲いうねん、むっちゃええ子やで」

竜華「なっ…!うちより先に…!?」

咲「えっと…す、すみません…」

竜華「…謝らんで。気が狂いそう」

怜「どんなけやねん」


咲「で、でもちょっとだけですから。それにさせてたというか、私が木陰で本を読んでたら勝手に潜り込んできてたっていうか…」

竜華「そ、それって怜から求めてたってこと…?」ワナワナ

怜「竜華、考えすぎ。もうどんなんだったかもうろ覚えやし、竜華の膝が一番やから、安心し」

竜華「そ、そっか。ならええかな。うん」

咲(無理やり納得した感がすごい…)


咲「えっと…とっても仲良しさんなんですね、お二人は」

竜華「え?そ、そう?」

怜「照れるわ」

咲「はい。なんだかうらやましいです」

竜華「咲ちゃん…ってええ子やんな怜」

怜「そう言うとるやん」


竜華「咲ちゃんもインハイに出るんやな?」

咲「あ、はい」

竜華「応援するで!もううちら友達や!怜繋がりでな!」

咲「ありがとうございます。うれしいです!」

竜華「ええ子やな咲ちゃんって!な、怜!」

怜「あかん、竜華が壊れた…」

これであらかた出尽くしましたか…?

???「ちゃちゃのんの出番はまだかのう」

>>135
考慮しとらんよ


 ガヤガヤ

怜「なんや人増えてきたなあ」

竜華「戻る?」

怜「せやなあ」

咲「あ、気にしないでください。私はだいじょぶですから」

怜「できれば咲も連れてきたいけど」

咲「え!?」

竜華「え!」キラキラ


怜「…ま、さすがにな」

咲「で、ですよね」

竜華「えー…」

怜「竜華ももっと話したいみたいやし、あとでまたゆっくりな」

咲「そうですね。園城寺さんと竜華さんのお話も聞きたいですし」

怜「むっ」

咲「?」


怜「竜華は名前なのにうちは名字かぁ」

咲「え、あ、それはほら、竜華さんの名前しか聞いてなかったから」

怜「うちの方が付き合い古いんになぁ」

竜華「妬いてる?妬いてるん怜?」

怜「そら妬くよ。咲?」

咲「えっと…」

怜「咲ぃ…」ジー

咲「と…とき、さん…」

怜「ん。まぁええ。次までに慣らしとくんやで」

咲「えぇ…」

怜「ふふっ。楽しみやなぁ」


竜華「ほんじゃまたね咲ちゃん!近いうちにやで!絶対!」

咲「は、はい。また」

怜「~」

竜華「怜、ほんとに嬉しそうやね」

怜「んー?」ニコニコ


 ガヤガヤ

咲「そうだよね…予想以上にいろんな人たちと再会できたし、時間を見てみんなとゆっくりお話したいなぁ」

咲「…それにしてもほんとにすごい人だなぁ…いきなり増えたけど、なんだろ?」ヒョイ



理沙「…がんばって!」

哩「ありがとうございます。野依さんも解説のお仕事なんですよね」

理沙「…うん!」

姫子「それにしてもすごかですね。野依プロ目当てか人がよんにゅー集まってきましたよ」チラッ

咲「あっ」

姫子「あっ」


哩「どげんしたと?姫子」クルッ

姫子「や、いまなんか懐かしか顔が」

哩「…知らん顔しかおらんぞ」

姫子「見間違いですかね…?」

咲(とっさのことで隠れちゃったけど…理沙姉に哩さん、姫ちゃんだったよね?)

咲(そっかぁ…あの二人は新道寺にいくって言ってたし…理沙姉はプロなんだから、三人がここにいても不思議じゃないんだね)


咲(…一回隠れちゃったし人も多いから話しかけづらいなぁ)

 ザワザワ

咲「…え?」

理沙「…」スタスタ

モブ「うわこっちきた…」ササッ

モブ「すご…近くで見ると威圧感が」

咲「あ」

理沙「…」ピタッ


咲「あ、えっと」

モブ「あの子野依プロの知り合い?」

モブ「さぁ?」

咲「あの…」

理沙「咲!」

咲「はいっ」ビク

姫子「あー!やっぱり!」

哩「なんやって?咲?」

理沙「ひさしぶり!」プンスコ

咲「はい、おひさしぶりです。…えっと、野依さん」

理沙「…!」ガーン

姫子「あれ?咲って理沙姉って呼んでませんでしたっけ部長」

哩「そうやけど、立場的なもんがあっけんやなかか。そいより咲は」


理沙「…理沙姉!」プンスコ

咲「で、でも…さすがに昔みたい呼ぶのはまずいんじゃ」

理沙「理沙姉」

咲「う…理沙姉…これでいい?」

理沙「うん!」ニコ

咲「うん、ごめんね…最近は雑誌とかでもよく見かけるし、なんだかちょっと遠い人みたいに感じちゃって」


哩「うちらんこては無視か」

咲「え!?」

姫子「やっ」

哩「久し振り」

咲「あ、哩さん、姫ちゃん…えっと、無視してたわけではなくて」

哩「知っとう、ぞうたんやけん」

咲「もうっ…」

姫子「さっき目合ったんに」

咲「それはいきなりのことで驚いただけで!」


哩「そいばってん、大きゅーなったな」

咲「そうですか?」

哩「うむ。そいで相変わらずやーらしか」

咲「恥ずかしいですよう…」テレッ

哩「やっぱいからかいがいがあっ」

咲「…からかってたんですか」

哩「あははっ」

姫子「部長は咲ばいぢめるん好きでしたもんね」

哩「人聞きが悪い」


咲「そんなに昔のことじゃないはずなのになんだかとっても懐かしいです」

哩「ほんなごてな」

姫子「時間があったらゆっくり話したいとこやけど」

哩「そろそろ戻らんと」

咲「あ、それじゃまたあとでゆっくり話せませんか?」

哩「ん。よかね」

姫子「くぅー楽しみですね部長」


理沙「それじゃ」ガッシ

咲「え?」

理沙「借りてく!」

咲「ええー!?」ズルズル

哩「そいぎな咲ー」

姫子「なかなかおかしな光景ですね」

哩「ざっとなかやな」

終わろ?


 休憩スペース

咲「えっと…」

理沙「飲んで!」プンスコ

咲「あ、うん、ありがとう」

理沙「…」ジー

咲(すごい見られてる…)チュー


理沙「ひさしぶりに」

咲「?」

理沙「会えて…すっごいうれしい!」

咲「…」

理沙「…」プンスコ

咲「ふふっ…あいかわらずだね理沙姉。ほっぺがリスさんみたいになってるよ」

理沙「!」プクー

咲「興奮するとむくれるの、変わらないね」

理沙「…っ」プンプン

咲「あ、ちょっと怒っちゃった…?ごめんごめん、理沙姉も気にしてるんだね」


咏「おやん?ノヨリさんじゃん、こんなとこでどしたんだい?オシゴト?」ニュ

咲(わっ…三尋木プロだ…!)

理沙「今日は後輩に激励を」

咏「へぇ。じゃァこっちの子が後輩?」

咲「へっ!?」

理沙「ううん」

咏「んー?じゃこの子は?」

理沙「…」

咏「?」

理沙「…妹!(みたいなもの!)」プンスコ

咏「なんだってー!?」

咲「違いますからっ!みたいなもの、ですから!」


咏「なんだ、びっくりしたぜい。隠し子ならぬ隠し妹かと」

咲「理沙姉もきちんと最後まで言いきらなきゃ」

咏「お?理沙姉?」

咲「あっ、いまのは違っ」

 ワイワイ

健夜「あれ?なんだろあれ」

恒子「三尋木プロと野依プロだね」

健夜「あのふたり、仲良かったんだね」スイー

恒子「ちょっと待ったぁ!」ガシッ

健夜「え、なに?どうしたの?」

恒子「こんな面白そうなシチュを放置してどこにいこうというんだね!」

健夜「お昼食べにいこうって言ったの恒子ちゃんでしょ…」

恒子「いいからいいから!」グイグイ

健夜「ちょっ、押さないでよ!」


咏「お、今度は小鍛治さんじゃん」

理沙「…どうも」

健夜「えっと…こんにちは」

恒子「どうもー!」

咲「…」ペコッ

健夜(どうするのさこれ!すごい微妙な空気になっちゃったよ!)


恒子「これはどーいった集まりなんです?」

咏「私は偶然ノヨリさんを見つけて相席させてもらっただけ。この二人は姉妹みたいなもんらしいよ」

恒子「えーっ!?野依プロって妹さんいらしたんですか!?」

健夜「みたいなものって言ってたし違うんじゃない?」

咏「あっはは、小鍛治さん、スルドい!」

恒子「へー、そうなんですねー」


健夜「三尋木さんは今日はおひとりなんですね」

咏「えりちゃんのこと言ってんなら今日は普通にお仕事してるんじゃないっすかね。知らんけど」

恒子「遠回しに私には仕事がないってディスってる?すこやん」

健夜「え、私なの!?さすがにそれは深読みしすぎだよ!」アセ

咏「おふたりは仲良いっすねー」

恒子「なんのなんの。そちらのふたりも相当仲良しと見えますぜ」

理沙「?」

咲「え?」


恒子「ほら、私たちが乱入しちゃったせいで席詰めさせちゃったじゃないですか。三尋木プロと野依プロは隣同士でもお互いに結構距離があるのに対して、そちらのふたりさんはぴったり肩がくっついてる!」

咲「あっ…」スッ

理沙「あっ…」シュン

咏「ほーう…なかなか目の付け所がいいねい」

健夜「気が付きすぎでしょ…」


恒子「ふふふ…じゃあどういった関係なのか詳しくお聞かせ願いましょうか?」

健夜「ちょっと無遠慮すぎない?」

恒子「すこやんも気になってるくせにぃー」

健夜「う…それは、たしかにちょっとは気になるけど」

咏「で、どうなんすか?ノヨリさん」

理沙「かくかくしかじか!」プンスコ


咏「へえ…そんな短期間で姉妹みたいに仲良くなれるって、よっぽど人懐っこいんだねい」ジロジロ

咲「あう…」カァ

咏「大人しそうに見えるけど、わっかんないもんだ」

健夜「一回り近く年下の人懐っこい女の子かぁ…」

恒子「おや?なんだか物思いに耽ってるねすこやん」

健夜「ん…まぁちょっとね」


恒子「なになに?今度はすこやんが語っちゃうの?」

健夜「そう言われるとなにも言いたくなくなるんだけど…」

恒子「気にしないで、ほらゲロっちゃいなよ!」

健夜「えぇー…まぁいいけど、そんなに面白くないよ?」

健夜「ただちょっと前に私にもそんな子がいたなーって思っただけ。結局名前も知らなかったけど、私のこと『お姉さん』って呼んでくれたのがなんだかすっごい印象に残ってて」

恒子「うわ…事案じゃん」

健夜「なんでさ!」


咲「…」

健夜「いまはちょうどこの子くらいなんじゃないかなぁって思ったらね。懐かしさが込み上げてきちゃって」

理沙「咲?」

咲「理沙姉…」

理沙「?」

咲「…――」ボソボソ

理沙「え…?」

健夜「どうしたの?」

咏「マジか」

恒子「え、いまの聞こえてたんですか?三尋木プロ、耳いいですね」


咏「たぶんその小鍛治プロの話に出てきた子、咲ちゃんだって」

健夜「えっ!?」

咲「あ…う」チラ

健夜(た、たしかに言われてみればそんな気も…え、ほんとに?)

恒子「でもすこやんとこの子が話通りの関係だったとして、気付かないもんですかね?仮にも有名なプロですし」

健夜「えっと、その子に私がなにやってるかとかは特に話したりしなかったから…」

恒子「あー…それなら納得。すこやんプライベートだとまったくオーラないしね」

健夜「余計なお世話だよ…」


咲「…」

健夜「…」

健夜(どうしよう…そうとわかったらなんだかきまずい…ひさしぶりでなに話したらいいか全然わかんないし…思えばこの子には結構恥ずかしいところも見られてるし…)


秋一郎「…」ヌッ

恒子「うわぁ!?」

咏「げ、もしかして…大沼さん?」

健夜「い、いきなり現れたね…というかこの人どうしてここに…」

咲「おじいちゃん!?」

理沙「え!」

健夜「おっ…!?」

恒子「おじいちゃん!?」

咏「マジで!?」


秋一郎「さっ…、…咲」

咲「ど、どうしたの?」

秋一郎「久し振りだな」

咲「う、うん。そうだね」

秋一郎「この記事、見たぞ」パサッ

咏「これ、全国出場校が出揃った時の記事…」

秋一郎「お前の名前を見つけた時は驚いた」

咲「もしかして、応援しにきてくれたの?」


秋一郎「…」スッ

咲「っ」ナデ

秋一郎「…小遣いだ。若者が東京にとなれば、それなりに入用だろう」スッ

咲「え…こんなに!?」

秋一郎「がんばれよ」スッ

咲「ちょ…おじいちゃん!行っちゃった…」


咏「お、お孫さんなの?」

咲「あ、いえ…昔九州にいたこともあって、その時に麻雀で知り合って…」

健夜「もう驚きの連続すぎてなにがなんだか…」

理沙「世界は狭い…」

咏「咲ちゃんって何モンだよ…わっかんねー」

 この日、笑顔の大沼プロがすっぱ抜かれ、紙面を賑わせたのはまた別の話。

ついにくるとこまできた感がですね

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