島村卯月「島村卯月っ! ウルトラマンゼロですっ!」ゼロ「それ俺のセリフ……」 (39)

前作 島村卯月「島村卯月、アイドルも、ウルトラマンも頑張ります!」の続きとなります


あらすじ

ババルウ星人バリアンを追ってアイマス次元の地球に訪れたウルトラマンゼロ

バリアンが町を攻撃した際、未央と凛を庇って死亡した卯月とゼロは一体化し

たまに、卯月の代わりに生活をしながらも、バリアンを探しているのだった。


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島村卯月「はっ、はっ、はっ……」 タタタタタ

ウルトラマンゼロ「卯月、随分と張り切ってるな」

卯月「だって、だって! CDデビュー、ですよ!」

卯月「張り切っちゃうに決まってます!」 ピョン!

ゼロ「あ、バカ!」

卯月「え、あわわわわわ!」 ビヨーン

ゼロ「気を付けろ。俺と融合している以上、出力は人間の比じゃないんだぜ」

卯月「うぅ、丁度いいビルに着地できてよかったです……。さっきの高さから着地失敗したら、痛そうです」

ゼロ「ま~、俺と融合しているから痛いで済むだろうが。そろそろ帰ろうぜ。卯月のお袋さん、ご飯を用意してくれてる頃だ」

卯月「はい! ……ところでここ、どこですか? 山が見えますけど」

ゼロ「さっきの標識を見ると、高尾山って書いてあったな」

卯月「そんなところまで走ってきちゃったんですね。ゼロさんと一緒だと、何処まででも走れます!」

ゼロ「走り過ぎに注意だな。道は俺が覚えてるが、どうする? 帰りは俺が走るか? それとも、テレポートするか?」

卯月「う~ん。テレポートはこの間お願いしたので、今日はゼロさんの過激な走りでお願いします!」

ゼロ「わかった。ちょっと身体を借りるぜ」

卯月(ゼロ)「朝飯に間に合う速度で行くぜ!!」 ビュウン タン タン タン

卯月(ジェットコースターいらずですね~!)


サラリーマン「可愛いのに目つきが鋭い女の子が建物を蹴り飛ばしながら飛んでる……!?」


 346プロダクション

武内P「ユニット名を考えておいてください。3人らしい名前を」


本田未央「う~ん、何がいいかな~」

ゼロ「ウルティメイトフォースゼロ」

渋谷凛「却下。それ、明らかにゼロの何かじゃん」

ゼロ「俺が組織した新しい宇宙警備隊だ!」

卯月「そうなんですか? ゼロさん、すごいですね!」

ゼロ「まぁな!」

未央・凛(絶対、組織活動してなさそう)

卯月「けど、私達はアイドルですし……。格好良い名前だとは思いますけど」

ゼロ「それもそうか。可愛い名前、か。エメラナにでも聞けば、考えてくれそうなんだが」

凛「エメラナ?」

ゼロ「俺が前に行ったアナザースペース、別宇宙・惑星エスメラルダのお姫様なんだぜ」

未央「お姫様! ゼロ、他の星のお姫様と知り合いなんだ!」

ゼロ「一緒に旅をして、伝説の武具、バラージの盾を探して、ベリアルと戦ったんだ」

凛「へぇ~。舞台が宇宙なのに、何かのRPGみたい」

未央「そのバラージの盾がなくてもゼロなら勝てそうだけど……。見つかったの?」

ゼロ「それがこの、卯月のつけてるウルティメイトブレスレットだ」

未央「ブレスレットが? バラージの盾?」

ゼロ「盾どころか、俺の鎧にもなるし、星をも切り裂く剣も収納されているし、強力な攻撃を繰り出す弓矢にもなるんだぜ」

凛「万能すぎ。ていうか、星を切り裂くって……」

卯月「さすが、伝説の盾ですね!」

未央「盾とは一体……」


ゼロ「お、そうだ。チーム名はバラージで、どうだ?」

卯月「う~ん、神秘的な感じはありますけど」

ゼロ「じゃあ、エメラル。エスメラルダにある、高純度のエネルギーを秘めた、綺麗な鉱石なんだ」

凛「見たことがあればイメージできたけど……」

ゼロ「なら、親父の所属していた組織を拝借して、ウルトラ警備隊だ!」

未央「この世界はウルトラセブンが放送してたんだから、制作会社に怒られちゃうよ!」

ゼロ「くっ、何故いつも俺の意見が採用されない……!」

卯月「前に何かあったんですか?」

ゼロ「ピグモンの名前を決める時に、俺がナイスな名前『モロボシくん』と名付けようとしたら却下された」

凛「ゼロの仲間、正しい判断だね」

ゼロ「はぁ!? 有機生命体8号よりよっぽどいいだろうが!」

未央「それをつけようとしたのは誰!? ていうか、それと比べないでよ!」

ゼロ「なら、お前らの意見はどうなんだよ! どんなユニット名をつけたいんだよ?」


未央「フライドチキン! 窮地を救ってくださったお肉様に感謝を込めて」

ゼロ「食いに行けよ」

凛「……プリンセスブルー」 ボソッ

ゼロ「……っ! いいセンスだ」

凛「ごめん。つまり、ダメってことだね」

ゼロ「おい!!!」

未央「しぶりんがプリンセスブルーって! あはははは~!」

卯月「凛ちゃん可愛いですね!」


・・・ ・・・ ・・・


未央「決まらない……」

卯月「ですね……」

ゼロ「ていうか、何で食べ物の名前ばっかなんだ? 俺の案と凛のプリンセスブルーが一番マシじゃないか!」

凛「お願い、蒸し返さないで」

 ガチャ

武内P「決まりましたか?」

卯月「全然ですぅ……」

未央「よかったらプロデューサーも一緒に考えてよ……」

武内P「……わかりました」


・・・

・・・・・・ 

未央「ニュージェネレーションズって……」

武内P「仮のユニット名です。何かしら書く必要があったので」

未央「ピンと来た!! ユニット名、それでいいよね」

卯月「はい!」



ゼロ「新たなる世代か。俺にも当てはまる言葉だ」

卯月「そうなんですか?」

ゼロ「俺やメビウスはウルトラマンから生まれたウルトラマンだからな」

卯月「どういうことですか?」

未央「あ、聞いたことあるかも。ウルトラ兄弟最強の戦士が、タロウって奴だよね」

ゼロ「多分、それだな。大隊長、ウルトラの父もウルトラの母も、俺の親父も、昔は人間だった」

凛「そうなの? 最初からそういう種族じゃなくて?」

ゼロ「俺達は人間に限りなく近い種族だった。だが、俺達の宇宙の太陽の消滅と共に、人工太陽を作り上げた」

未央「メビウスでもそんな話、やってたような。人工太陽の強すぎる光が、人間を進化させちゃったんだっけ」

卯月「なるほど! セブンさんは昔は人間でしたが、ゼロさんは生まれた時からウルトラマンということなんですね」

凛「だから、ゼロもタロウも新たなる世代ってことなんだね」

ゼロ「ニュージェネレーション同士だな!」

卯月「はい! よろしくお願いしますね!」


トレーナー「卯月! またペースが速くなっているぞ!」

卯月「は、はい!」

トレーナー「凛は丁寧だが少し遅い。未央は雑だ!」

凛・未央「はい!」

武内P「どうですか?」

トレーナー「最近の卯月は絶好調だ。ペースは少し速くなるが……それを除けば、ほぼ仕上がっている」

トレーナー「未央と凛もミニライブまでには、大丈夫だろう」

武内P「そうですか」

トレーナー「よし、今日は終了だ! 各自、柔軟を怠るな」

「「「はい!」」」


未央「疲れたぁ~」

凛「卯月は……大丈夫そうだね」

卯月「はい。ゼロさんのお陰ですね」

未央「いいなぁ。ゼロ、私とも融合してよ~」

ゼロ「冗談でもそういうことを言うと、怒るぞ?」

未央「うっ。ゴメンナサイ」 カク

ゼロ「分かればいい。それに、卯月の治療はもう少しかかるからな」

卯月「ゼロさんと一緒の生活は楽しいです!」


 ガチャ

三村かな子「お疲れ様です! 練習後の、甘いお菓子はどうですか?」

卯月「わぁ、ありがとうございます!」

緒方智恵理「の、飲み物もどうぞ。練習後だから……スポーツドリンクですけど」

かな子「CDデビューのお祝いですから、いっぱい食べてくださいね♪」

卯月「かな子ちゃんのクッキーは美味しいですね~!」 モグモグ

ゼロ(いや~、美味いぜ!)

凛「練習後なのに、よくそんなに食べれ……あ」

未央(ゼロが食べてるんだ……)

智恵理「卯月ちゃん、最近、いっぱい食べてますね……」

かな子「美味しいから大丈夫だよ~」

卯月「あははは。色々と燃費の問題がありまして。すぐにお腹が減ってしまうんです」 ムシャムシャ

双葉杏「燃費? 卯月ちゃんって、そんなに食べてたっけ?」

新田美波「確かにいっぱい食べてるけど、卯月ちゃんの身体、引き締まった? 何か運動とか始めた?」

卯月「はい! 最近は朝や夜に走ってます!」

ゼロ(食べた分の消化を手伝うのは当然だからな)

卯月(私だって、自分の意思でも走ってますよ!)

ゼロ(調子に乗って、自分でも知らない場所に行っちゃったりな)

卯月(ぁぅ……///)


前川みく「朝はともかく、夜に一人で走るなんて危なくないかにゃ?」

多田李衣菜「うん、卯月ちゃんは可愛いし……」

卯月「あ、それは大丈夫です! 宇宙最強のボディーガードがついてるので」

李衣菜「ボディーガード?」

アナスタシア「パパと一緒に、走ってるのですか?」

ゼロ(卯月には指一本、触れさせないぜ!)

未央(逃げて! 不良さん達、逃げて!)

凛(相手は可愛い女の子じゃなくて、宇宙最強の生命体だから!)

城ケ崎莉嘉「あたしもお姉ちゃんと一緒にやろうかな~」

ゼロ(莉嘉は本当に、美嘉が好きだな。カフェを占拠した時も、美嘉に迷惑がかかるからやめるくらいだからな)

卯月(私も莉嘉ちゃんみたいな妹が欲しいです)

ゼロ(頼れる兄貴分ならいるだろ?)

卯月(ですねっ! ゼロお兄ちゃん♪)

ゼロ(卯月みたいな可愛い妹なら、大歓迎だぜ)

卯月(ホントですか? えへへ~)


諸星きらり「卯月ちゃんがぱわーあっぷあっぷ! したのはぁ、そういうことなんだにぃ☆」

みく「ダンスなんか見習うレベルにゃ! さすが、みくのライバルにゃ!」

みりあ「最近、いっぱい褒められてるよね! トレーナーさんも、卯月ちゃんを見習うようにって言ってたよ!」

美波「私達も負けてられないわ」

アーニャ「ダー。一緒に、ミニライブ、頑張りましょう」

卯月「はい、島村卯月、一回死んでから絶好調です!(ちょっと、ズルっぽいですけど)」

未央(ゼロと融合してしまむーの身体能力、大幅強化されてるからな~。羨ましいけど……)

凛(デビューライブの心強い味方で羨ましいけど……)


未央・凛(トイレやお風呂も一緒なのは……)


アーニャ「いっかい、しんで?」

卯月「死んだつもりで頑張ってますっ!」


ゼロ(最近はお風呂どころかトイレすら、卯月は慣れたからな)

卯月(よくよく考えたら私、ゼロさんのこと大好きだし、命の恩人だし、ウルトラマンだし、別にいいかなと)

ゼロ(そう言ってもらえると嬉しいぜ!)

卯月(はい! 島村卯月、ゼロさんと一心同体ですっ!)


赤城みりあ「私も運動したいな!」

美波「じゃあ、今度みんなで何かしよっか」

みりあ「ホント? わ~い!」

アーニャ「どんなこと、しますか?」

美波「そうね~。みんなで一緒なら、室内プールにでも行く?」

神崎蘭子「おお! 人魚たちの楽園か(プール、いいですね!)」

美波「それとも……ハイキングとか?」

蘭子「おお! 天空の果てを目指すか!(ハイキングもいいですね!)」

ゼロ(蘭子は相変わらずいいセンスしてるな)

卯月(そ、そうですか?)

李衣菜「二人とも、どうしたの?」

未央・凛「え?」

みく「なんだかこう、ツッコミたいのを我慢してるような……」

未央「な、なんでもないよ?」

凛「う、うん。卯月は等価交換しているからね」

莉嘉「何それ?」

蘭子「ほほぅ、闇の儀式を行ったか(それだけ努力しているんですね)」

卯月「私はそんな儀式はしてませんよ!?」

ゼロ(闇がメインなのが頂けないが……それ以外はいいセンスしてるんだがな)


卯月「……」

ゼロ(どうした?)

卯月(い、いえ、何でもないです!)

みりあ「なんだか、卯月ちゃんがそのブレスレットを見てること、多いよね~」

アーニャ「綺麗な青、です。ズヴェズダの、星の輝きに似てます」

蘭子「星々の輝きを纏う、時の宝具か(なんだか、神秘的で綺麗ですね!)」

ゼロ(時の宝具、か。蘭子の奴、意外と鋭いかもな)

卯月(何でですか?)

ゼロ(ウルティメイトイージスはただの武器じゃない。時空を超える力を持つ)

卯月(時空、ですか? その力で、この地球まで来たってことですか?)

ゼロ(ああ、そうだ。他にもエネルギーを安定して供給してくれるからな、この地球風に言うならば、俺は変身した状態でも三分以上いることができる)

卯月「えぇ! 3分だけじゃないんですか!」

かな子「卯月ちゃん?」

杏「3分って、何? カップラーメン? カラータイマー? 杏のカラータイマーはいつも点滅気味だよ」

未央「ドキッ! も、もう、しまむー、家にカップ麺でも置いてきちゃったのかな~?」

凛「さ、最近のカップ麺は5分とかもあるよね」

莉嘉「そうなんだ」

きらり「美味しそうなのも多いにぃ」


未央「しまむー、どうしたの? ゼロと何を話したの?」 ヒソヒソ

卯月「ゼロさん、ウルトラマンだけど、3分以上いれるそうなんです」

未央「そうなの!?」

凛「この間は3分以内に決着ついちゃったからね……。あれ、変身しなくても倒せた気がするし」

ゼロ「ああ、俺はこのイージスの力でな。何処にいても、安定してエネルギーが供給される」

凛「無敵じゃん……」

未央「てことは、地球に滞在する目的もあって融合してるわけじゃなくて、しまむーを蘇生させるためだけに、融合してくれてるんだ……」

卯月「ゼロさん、ありがとうございます!」

ゼロ「気にするな。卯月の行動に、俺は心打たれたんだ。デビューライブ、頑張っていこうぜ!」

卯月「はい!」


・・・

・・・・・・

 346 屋上

卯月「はぁ、はぁ……」

ゼロ「卯月、練習し過ぎじゃないか?」

卯月「私……ゼロさんが融合してくれているお陰で踊れてますけど、一人じゃきっと……失敗しちゃうんです」

卯月「褒められているのは、ゼロさんのお陰であって、私の実力じゃないんです……」

卯月「ゼロさんと融合してても、いつもひっかかりそうになるし……。だから、少しでも多く練習しなきゃ……」

ゼロ「……卯月、お前は立派だ」

卯月「え? 私がですか?」

ゼロ「与えられた力に奢ることなく、自分の想いを抱いたまま、未来を目指す」

卯月「……」 カァァァ

ゼロ「卯月がしている努力は、卯月を裏切らない。俺がいなくても、卯月は未来を掴めるさ」

卯月「はいっ! 島村卯月、頑張ります!」 

凛「一人で練習してたんだ」

卯月「あっ、凛ちゃん、未央ちゃん」

未央「しまむー、一緒に練習しよ!」

卯月「っ! はい!」

ゼロ(かけがえのない仲間が……いつも、卯月を支えてくれるぜ。勿論、俺もな)


 ミニライブ当日

ゼロ「今回も収穫はなさそうか……」

卯月「私達のプラスエネルギーじゃ足らないんでしょうか……」

ゼロ「いや、ババルウ星人バリアンの傷が癒えていないんだろうな。尚更、今の内に何とかしたいんだが……」

卯月「打つ手なしですね……」 シュン

ゼロ「気にするな! いざとなったら、俺が真っ向からぶっ飛ばしてやるさ!」

ゼロ「だから、卯月は今日のライブをしっかりな!」

卯月「はい!」


ゼロ「それにしてもここは……デビューするアイドルのミニライブ会場にしては、随分と立派な部類じゃないのか?」

卯月「そうなんですか? ライブ経験が美嘉ちゃんのライブしかないので……」

ゼロ「俺が洒落で仲間と小惑星でライブやり始めた時は、誰も来なかったからな! ただのカラオケみたいなもんだぜ」

卯月「何やってるんですか……」

ゼロ「最後の方は、通りすがりの怪獣が拍手くれたぜ。……憐れんでくれたんだろうな」

卯月「切ないです……」

アーニャ「卯月、誰と、話しているんですか?」

卯月「ひゃっ! あ、あの、えっと、骨伝導スピーカーでママと電話を!」

アーニャ「ダー。そうですか」

卯月(誤魔化せました!)

ゼロ(こういう時、未央が近くにいないと危ないな。まぁ、安全が確認できたメンバー内なら正体がばれても問題はないが)

スタッフ「そろそろ、準備をお願いします」

卯月「はい!」

アーニャ「行きましょう」 タタ


スタッフ「……」 ジュルリ


ゼロ「お前ら、また緊張なんかしてないだろうな? してたら、俺が一人でライブしちまうぜ?」

凛「本当に何でもありだよね。ウルトラマンって」

未央「誰が! このライブも大成功させて、ゼロにダンスとカラオケ勝負でリベンジするからね!」

ゼロ「ふっ、期待してるぜ。卯月! お前の活躍、特等席で見せてもらうぜ」

卯月「はい! 島村卯月、頑張ります!!」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

パチパチパチパチ


卯月(うぅ、最後まで笑顔でできませんでした……)

ゼロ(けど、見ろよ。新人の卯月達の為にみんなが足を止めて、これだけの人が拍手をくれたんだぜ?)

卯月(はいっ! 次はもっと、もっともっと頑張りますっ!!)

未央「ありがとう……ございます」

卯月(未央ちゃん?)

ゼロ(未央?)

凛「NG、これからもよろしくお願いします」

同級生「未央~!!」

未央「……っ!」 ダッ

ゼロ(おいおい、どうしたんだ? 大きなミスをしたようには見えなかったが)

卯月(わかりません……)


武内P「本田さん、どうしました?」

未央「お客さんめちゃくちゃ少ないじゃん」

武内P「十分です」

未央「前のライブと全然違うじゃん……。凄いライブやるからって、友達に言ったのに……私バカみたいじゃん」

城ケ崎美嘉「それって……私のライブに出た時のこと……?」

ゼロ(なるほど。そういうことか)

卯月(私もさっき、ゼロさんに言われて気付けましたけど……。私達は、今日NGとしてデビューしたんですよね)

ゼロ(全く。未央の奴、俺が受けた悲しみを見せてやりたいぜ)

卯月(私は既に、合体した影響で見えちゃったんですけど……)


 回想 ゼロの記憶

ゼロ「誰もいねぇ……」

   ヒュ~……

グレンファイヤー「え~、マジかよ?」

ミラーナイト「冷静に考えてみれば、宣伝とかしていませんでしたね」

ジャンボット「していなかったのか!?」

ジャンナイン「ただのカラオケ大会だ」

通りすがりの宇宙怪獣「パチパチパチ」

グレン「あ、どうも~」

ミラーナイト「明らかに同情の拍手ですね……」

ゼロ「切なすぎるぜ……。よし! 次はもっと大々的にやろうぜ。俺達、実力的にはイケてる気がするし!」

ジャンボット「姫様に無様な姿はお見せできないからな!」

ジャンナイン「やれやれ」

 回想 終わり


※ゼロの仲間達 ウルティメイトフォースゼロ
ファイヤーマン、ミラーマン、ジャンボーグA、ジャンボーグナインのリメイクキャラクター
見比べると「誰だお前ら!?」というほどの、時代の差を感じる。
興味のある人は是非とも見比べてみてね!


卯月(そもそも、宣伝してないとかダメすぎますって……)

ゼロ(あっちの宇宙を救ってるし、きちんと宣伝すればもっと集まったよな~)

卯月(完全に知名度だけで呼ぼうとしてますね)

ゼロ(まあ、それは置いといて)

卯月(置かれました)

ゼロ(武内は良い大人だ。その辺、きちんと説明して、未央を落ち着かせてくれるだろ)

卯月(そうですよね! プロデューサーさん、顔は怖いですけど、大人ですし)

ゼロ(みくの籠城事件の時も、しっかりと言ってくれてたからな! NGのミニライブは、大成功の部類なのは俺も保証するぜ!)



武内P「今日の結果は当然の物です」



ゼロ「うそ~ん」

卯月「ゼロさん!?」

美嘉「ゼロ?」



未央「当然……? なんで……私がリーダーだったから?」


ゼロ「いやいや! 落ち着けって! 勘違いしそうになるが、そういう意味じゃ」

卯月「そ、そうですよ! 未央ちゃんは一生懸命やってくれてますよ!」


未央「もういいよ……。私……アイドル辞める……」


ゼロ「おい! 人の話を聞け!」

卯月「あわわわ、ど、どうしましょう!?」

美波「と、とりあえず、卯月ちゃんも落ち着いて」



武内P「……っ!」


ゼロ「武内! お前はさっさとフォローしろ!? ショック受けてる場合じゃねぇだろ!」

卯月「あわわわわ! デビューしたその日に解散の危機です!」

きらり「卯月ちゃんも、一回落ち着いて……」


ゼロ「未央! 落ち着けって!」

未央「うるさい! 宇宙人に私の気持ちなんてわかるわけないじゃん!」

ゼロ「……っ! わかった」

卯月「え? ゼロさん?」

ゼロ「実力行使だ!! 卯月、身体借りるぜ!!」

卯月「えぇっ!?」

凛「ゼロ!?」

卯月(ゼロ)「ウルトラ卯月パンチ!!」

未央「ぐふっ!?」 ガク、パタ

卯月(ゼロ)「ウルトラ卯月キック!!」

武内P「がっ……はぁ」 バタ

美嘉「う、卯月……?」

卯月(ゼロ)「お前ら、正座だ」

未央「お、お腹が……」

武内P「し、島村さん……?」

卯月(ゼロ)「正座!!」

未央・武内P「は、はい!」


美波「卯月ちゃん、どうしちゃったの……?」

アーニャ「とても綺麗な、飛び蹴り、でした」

きらり「そういう問題じゃないと思うなぁ」

智恵理「別人みたいというか……」

かな子「別人?」

卯月(ゼロ)「まず、未央!! 今回のライブは何だ! 言ってみろ」

未央「は、はい! NGのデビューミニライブです!」

卯月(ゼロ)「そう、『ミニ』ライブだ! その割には会場は破格だと思うが……。そして、デビューライブだ!!」

李衣菜「明らかに男口調……。卯月ちゃんじゃないよね!?」

蘭子「け、けど、声は卯月ちゃん……ひっ、と、取り憑かれてる?」

卯月(微妙にあってます)

卯月(ゼロ)「未央……お前は、先輩の美嘉より、大人気アイドルなのか?」

未央「え? あ……」

卯月(ゼロ)「あの時のライブは見事だった。けどな、客は未央達を見に来たわけじゃない。……お前達は主役じゃなかったんだ」

凛「……っ!!」

卯月(ゼロさん……)





卯月(ギンガとエックスで主役より目立ってた人が、それ言っちゃいます?)




ゼロ(突然のメタ発言はやめろ)




未央「それは……」

凛「未央……私たちの認識不足だよ。ちょっと、夢を見過ぎてたんだよ」

未央「……うん」

きらり「NGのライブが良かったのは、本当なんだにぃ☆」

蘭子「素晴らしき宴ぞ(良いライブでした!)」

美嘉(卯月の中身ってもしかして……)

卯月(ゼロ)「それから、武内! お前、口下手過ぎんだろ!」

武内P「じ、自覚はしているのですが……」

卯月(ゼロ)「俺もお前の仕事ぶりは見させてもらったが、みんなの為に一生懸命やってくれてると思うぜ」

卯月(ゼロ)「だけどな、さっきの言葉は明らかに勘違いするだろ!」

美波「あ……プロデューサーは、『デビューライブとしては』って言いたかったのね」

卯月(ゼロ)「そういうことだ。全く、頼むぜ? 俺は卯月と一心同体! 卯月の危機は俺の危機だぜ」


武内P「申し訳ありません。……あの、あなたは一体? 島村さんは一体、どうしたのですか?」

未央「あ、その、しまむーは……」

卯月(ゼロ)「未央、気にしなくていい。きちんと説明する。だが、その前に……ふん」 ゴン!

スタッフ「っ!?」

李衣菜「え? え? えぇ?」

かな子「裏拳でスタッフの人を!?」

美嘉「あのスタッフさん、いつの間に……」

スタッフ「う、うぐ……人間の、小娘の力じゃないな」

卯月(ゼロ)「そういうお前も、人間じゃなさそうだな」 ビシ

きらり「卯月ちゃんの動きや言動がイケメンすぎるにぃ」

卯月「どういうことですか? まさか、ババルウ星人?」

アーニャ「あ、卯月が、います」

蘭子「人格が二つ?」

卯月(ゼロ)「さっきからこそこそとみんなの周りをつけやがって……正体を現せ! ウルトラ卯月パンチ!」

凛「それでいくんだ!?」

スタッフ「ぐぅぅ……」

吸血植物ケロニア「貴様……!」


智恵理「ひっ!」 

かな子「智恵理ちゃんしっかり!」

きらり「葉っぱ……? 植物……人間……?」

卯月(ゼロ)「あまり見たことない奴だが……確か、光の国のデータにあったな。吸血植物ケロニア、だったか」

凛「もしかして、ゼロが急に実力行使に出たのって」

卯月(ゼロ)「怪しい人影に気付いたんでな。一人になろうとしてる未央を狙っていたみたいだから、ちょいと無理矢理止めさせてもらったぜ」

未央「助けてくれたのは嬉しいけど、お腹まだ痛いって……」 グスン

卯月(ゼロ)「うるせぇ! 俺がライブやった時なんて通りすがりの怪獣が拍手くれただけなんだからな!」

凛「優しい怪獣だね……」

ゼロ「まずはこいつをぶっ飛ばすのが先だ! いくぜ! 卯月!」

卯月「はい!」 

アーニャ「卯月のブレスレットから、メガネ?」

美嘉「あ……確か、ウルトラセブンの変身方法も」

卯月「今度は格好良く変身しちゃいます! デュワ!!」 ドゥゥゥン、シャキン、シャキン


アーニャ「プラシーバ! 本当に、変身しました!」

李衣菜「う、ウルトラマン? 本物?」

武内P「どことなく、ウルトラセブンに似ていますが……」

きらり「見たことないウルトラマンだにぃ」

ケロニア「お前は……!」

ゼロ「改めて、自己紹介しとくぜ! 俺はゼロ! ウルトラマンゼロ! セブンの息子だ!」

かな子「セブンって、あのウルトラセブン?」

智恵理「ほ、本物のウルトラマン……しかも、セブンの……」

蘭子「英雄を継ぐ者!!?(セブンの息子!?)」

美嘉「この間助けてくれたウルトラマン! 卯月が……あ、卯月と合体してるんだ」

ケロニア「あの噂に名高いウルトラマンゼロか……!」

ゼロ「お前はこの地球にはいない植物だ。バリアンの手先か」

ケロニア「バリアンの命令は、私にも都合がいい。私は美味い人間の血が吸える。彼はプラスエネルギーが手に入る」

ゼロ「なるほど。一応聞くぜ。バリアンの居所を教えな」

ケロニア「誰が! アイ・スパーク!」 ビィィ

李衣菜「目からビーム!?」

ゼロ「そうか。ウルトラゼロディフェンサー!」(盾ではなく、ゼロの出すバリア)

かな子「わ、光のカーテンみたい」

蘭子・智恵理「綺麗……」

武内P「私達を護るために……」


ゼロ(ストロングコロナ)「なら、遠慮なく行かせてもらうぜ!!」

凛「色が変わった!」

アーニャ「ソーンツェ、太陽みたい、です」

未央「光の国のウルトラマンなのに、タイプチェンジできるの!?」

ゼロ「ストロングコロナゼロだ! 俺はダイナとコスモスから力を貰ってな! タイプチェンジできるんだぜ」

未央「ダイナと、コスモス!? それで3分以上いれるとか、強すぎでしょ!」

ゼロ「さてと、お前が植物なら……」 ボワッ

蘭子「紅蓮の拳か!(拳から炎が!)」

ケロニア「なっ」

ゼロ「こいつが効きそうだな! おらぁ!!」 ゴン! ドン! バコン!

ケロニア「ぐあぁっ!?」

未央「ケロニアって強い怪獣だった気がするけど」

凛「ゼロの強さと相性の問題でもう終わりそう」

ゼロ「一気に決めるぜ! ガイネスト……は、建物内で危ないか」

ケロニア「こ、こうなったら、巨大化して……」

ゼロ「させるかよ! ウルトラゼロランス!!」 ヒュン、ドシュ!

ケロニア「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!!」 ドゴーン!! ポト

美嘉「やっぱり、強い……」

未央「人形になった……?」

ゼロ「こいつは……スパークドールズか」


凛「すぱーくどーるず?」

ゼロ「俺はアナザースペースにいて難を逃れたんだが、闇の支配者を名乗る存在が多くの怪獣やウルトラ戦士をこれに変えたらしい」

未央「じゃあ、セブンも?」

ゼロ「……親父も、力だけを利用され、黒いセブンとして出現したそうだ」

きらり「けど、元に戻ったんだにぃ?」

ゼロ「ああ。程なくして、未来から来たと言うウルトラマン、ウルトラマンギンガに闇の支配者は倒されたそうだ」

蘭子「闇の支配者……。いつの世も、正しき心が勝るもの(悪は滅びる、ですね!)」

武内P「では、何故その人形がここに?」

ゼロ「その時の影響で怪獣もデータだけが多くの次元に散らばったとも聞いたが、その内の一体かもしれないな」

卯月「だとすれば、敵の狙いは……強い怪獣さんを復活させることでしょうか?」

美嘉「あ、卯月の声」

ゼロ「そいつは不味いな……。ハイパーゼットンのスパークドールズでもあったら、厄介だな」

未央「は、ハイパーゼットン? ただでさえ強いゼットンがハイパーって……」

凛「ゼットンは私も知ってる……」

卯月「うぅ、断固阻止ですね!」

ゼロ「これからも頼むぜ! 卯月!!」

卯月「はい!」


ゼロ→卯月「今回は格好良く変身できました!」

美嘉「あ、戻った」

きらり「おっつおっつ☆」

美波「ウルトラマンって正体は隠しておかなくていいの……?」

ゼロ「え? いや、別に」

李衣菜「かるっ!」

ゼロ「ここにいるメンバーの確認できてるからな。悪戯に広めないでくれれば、それでいい」

アーニャ「ウルトラマン、日本の、ヒーローですよね?」

美波「宇宙人って設定だから、本当にいる確率も……」

ゼロ「こうして、俺は本当に存在するわけだ。よろしく頼むぜ!」

アーニャ「宇宙人!」 キラキラ

智恵理「よ、よろしくお願いします!」

かな子「卯月ちゃんがいっぱい食べてたのは、ゼロさんが食べてたからなんだね」

蘭子「光の戦士と融合せし、新たなる勇者か(だから、卯月ちゃんの様子が少し変だったんですね)」


未央「……あの、みんな、ごめんなさい!」

卯月「未央ちゃん」

未央「私、お客さんの数ばっかり気にして……。私のせいで、しまむーとしぶりんにも迷惑をかけて……。リーダー、失格だよ……」

武内P「いえ、本田さんは悪くありません。私が……あなたを、きちんと導いてあげられなかった……!」

未央「プロデューサー……」

ゼロ「未央、本当に悪いことは、過ちを犯してそのままにしていることだ」 

未央「ゼロ……」

ゼロ「……俺も、大きな過ちを犯したことがある」

未央「えっ! ゼロが?」

ゼロ「俺は強かった。そう思い込んでいた。それで調子に乗って、更なる力を得ようと人工太陽プラズマスパークに手を伸ばした」

ゼロ「結果は、情けないものだ。その時はまだ親父だって知らなかったセブンに殴られて、ウルトラ兄弟に呆気なく拘束されて、おしまいだった」

凛「ゼロがレオに修行をつけてもらってたのって」

ゼロ「更生させるための修行さ。そして、俺はその中で気づくことができた。この力の使い方を、本当の強さを学んだ」


ゼロ「未央は俺と違って、最初から知っているはずだ。仲間の大切さに、アイドルとしての大事なことを。それを、忘れないでくれ」

未央「ゼロ……」

ゼロ「ふっ、ちょっと格好つけすぎちまったかな? ケロニアがいたとはいえ、二人とも殴って悪かったな」

未央「う、ううん! それは、私が悪かったわけだし……」 

武内P「私が未熟でした。ウルトラマンゼロ、あなたには感謝しています」

未央「私の方こそごめん! ゼロにひどいこと言っちゃって……」

ゼロ「気にするな! 俺は卯月と一心同体。そして、NGの活躍を特等席で見守る、ファン一号だ」

武内P「本田さん、みなさん。一緒に、一歩ずつ階段をのぼっていきましょう」

未央「……うんっ!」 グス


ゼロ「……行こうぜ、ニュージェネレーションズ! 夢を、未来を掴んでいこうぜ!」


ゼロ「卯月の、未央の、凛の、みんなの想いは必ず明日へと届く! 多くの人に、響かせよう!」


卯月「はいっ! 島村卯月、アイドルも、ウルトラマンも! ゼロさんと一心同体で頑張ります!」


未央「うんっ!! 本田未央、今日から伝説を作っていくぞー!!」


凛「えっと、あの、渋谷凛! アイドルとしての新しい時代、作っていきます!///」


ゼロ「美嘉、蘭子、きらり、美波、アーニャ、かな子、智恵理、李衣菜。そして、武内! これからよろしく頼むぜ!」

「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」

武内P「よろしくお願い致します」


ゼロ「これからも卯月達の活躍、特等席で見させてもらうぜ!」

卯月「はい♪」



おしまい


以上で終了です。

この程度のスレ数ならまとめるべきだった・・・
申し訳ない

期待

>>35
夜分遅くにご視聴あざっす!!

まだ、話は続く予定です!
話しが切り替わるので、また別スレになると思いますがよろしくお願いします!!

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