保奈美「『私と付き合いたくないの…?』」 (365)

※モバマスSS
複数P世界、安価スレ
エロ・鬼畜は安価下
誤字脱字・駄文・亀注意
オリジナル設定注意
かなりの表現の変更や独自解釈があります……もはやタイトルだけを借りた別物だと思ってください……


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1441324344

亜季「『皆の者、私に付き合え!』」
亜季「『皆の者、私に付き合え!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441100838/)


の続きです
本番の100-2作目
『新訳 風と共に去りぬ』始まります
>>1なりに原作や資料は読み込んだつもりですが、色々と問題点だらけと思われます………何卒お許しください……

タラ農園



音葉(ナレーション)「…時は今を遡る事18世紀半ば……ここはアメリカのとある大農園………」

音葉「…ある少女の物語はこの場所始まります…………」

音葉「………人は……自分の周りの風景を世界の姿であると…そして…………それがまるで永遠であるかのように信じてしまいがちです…………」

音葉「…………季節が移り変わるように…時代もまた……移り変わると言うのに………………」

音葉「……風は必ず去るものなのです………………」

保奈美(スカーレット・オハラ)「………………♪」スタスタスタスタ……

音葉「……今やってきた少女こそが…………この物語の主人公……スカーレット・オハラ…………」

保奈美「ふふっ…やっぱり春のタラは最高の場所ね!これ以上素晴らしい場所があるはずがないわ。……うう…………」グググ……!

音葉「…………………………………

保奈美「息を吸い込むと春風が胸に入ってくるみたいでとても気持ちがいいわね………ふふっ………私をお祝いしてくれているのかしら?」

音葉「……彼女の毎日は満たされていました………自分の美しさと若さに自信を抱いていた彼女に、何も不安は…存在しなかったのです……」

保奈美「こんな日は、馬で遠乗りをするのもいいかもしれないし、森へ散歩に行くのもいいかもしれないわね♪……あっ、でもそんな事をしたらマミーに怒られちゃうかしら…?」

音葉「………………………………」

保奈美「……それとも、アシュレのところに遊びに行ってあげようかしら?……うふふふふ♪」

音葉「………風は……目には見えないものでもあるのです………」ペコリ……スタスタスタスタ…………

保奈美「うふふふふふ♪そしたらアシュレはきっと喜ぶわ!」

保奈美「まったく……アシュレったらこんな日にまで家にこもって……本なんか読んでて何が楽しいのかしら…?絶対にお喋りやパーティーのほうが楽しいのに。」

保奈美「…精神的な世界に遊んでいる……とか言っていたけど、……精神的な世界とやらはタラの春より素晴らしいのかしら?」

保奈美「…アシュレの言っている事はよく分からないわ………………まあ……そこが他の男の人たちやなんかと違っていいんだけど………………」

保奈美「………………アシュレ…………今頃何をしているかしら…………?」

保奈美「……はぁ……………………」

保奈美「………………………………」

パカラパカラパカラッ!

保奈美「……………まあ…」

サラブレッド「ヒヒーン!」ピョーン…!

友紀(ジェラルド)「あははははははは!!イヤッホー!」

保奈美「……………………………」

サラブレッド「ブルルル……」スタッ!

友紀「あははははははは!いやー、さすがはアタシのスタメン!お前よりいい馬なんてこの郡にはいないぞー、このこのー!……あ、たっだいまー、スカーレットー!」

保奈美「……はぁ……また帰ってくるときに垣根を飛び越して…お母さんに怒られても知らないわよ?」

友紀「>>10

友紀「大丈夫、大丈夫 !エレンも昨日こそっとやってるの見たから!」

保奈美「嘘を言っちゃダメよ、お母さんがそんな事するわけないじゃない?」

友紀「いやいやいや、ほ、ホントだからね!……あ、あ、アイルランド人がそんな嘘つくと思うの?!」

保奈美「………………………………」

友紀「ホントだよ?!エレンが垣根をポーンって、そりゃあもう場外ホームランかってぐらい…………!」

保奈美「…………お父さん?」

友紀「……………う、嘘じゃないもん……!だいたい……アタシのコントロールは知ってるでしょ…?」

保奈美「…………そういう問題じゃ……」

友紀「ビール飲んでたって落馬なんかしないもん!エレンもみーんな、心配してるけど、アタシはまだまだ現役だもーん!」

保奈美「…はぁ………………」

友紀「このタラ農園だって、毎日酒盛りしてみんなで元気を出してたから出来たんだもん、さすユキ!あははははははは!!」

サラブレッド「………ブルル………」

保奈美「………お父さんもう歳なのに何を言ってもどうせ聞かないから……首の骨を折らないように気を付けてあげてね?」

サラブレッド「ヒヒーン!」

保奈美「うん、あなたは頭の賢いいい子ね♪」

友紀「エレンに怒られるのなんか怖くなーい!怖いのはマミーにお酒を控えさせられちゃう…………」

保奈美「……じゃあ…お母さんに言っても大丈夫ね?」

友紀「…………(話題を)切り替えていく。…アタシは今買い物から帰ってきたところだけど………スカーレットは何してたの…?」

保奈美「…あんまりにもいい天気だから、散歩してただけよ。ほら、春のタラはとっても綺麗でしょ?」

友紀「タラはアタシが育てた!」

保奈美「……はいはい……………」

友紀「でもさー、スカーレットも人の事言えないよね?散歩って言ってたけど、本当はアシュレでも遊びに誘おうと思ってたんでしょ?」

保奈美「まっ……?!……別に……だったら何だって言うの…?」

友紀「スカーレットもそれがマミーにバレたらお説教されちゃうでしょ?……だから……ここはお互いに…………って事にしない?」

保奈美「………マミーにお説教されるのは……嫌ね…………分かったわ、契約成立よ。」

友紀「それでこそアタシの娘!あははははははは!」

保奈美「>>16

(順調ね…後はここで風と夕陽を…って茜ちゃん、風強すぎ⁉︎)

保奈美(順調ね…後はここで風と夕陽を…って茜ちゃん、風強すぎ!?)

茜(特殊効果)「ボンb………!!!」モガモガ!!

茜P(茜の抑え役)(こら!裏方が叫ぶな!)サッ!

茜(……あっ…………!!す、すみません!!!)モガモガ!!

茜P(ふぅ……危なかった…………)

茜(………………あっ…)シュン……

茜P(………………………………)

茜(………あの…………私………もう少しで……舞台を台無しにしちゃうところで………………)

茜P(大声を出すなとは言っていない!)

茜(……へっ………?!)

茜P(…何にでも熱くなれるのは茜のいいところだ!それは間違ってない!大声を出したくなる気持ちも分かる!……だから……心の中でで大声で叫べ!)

茜(心の……中で……………どう言うことですか…?!)

茜P(それはだな……………気合いだ!!)

茜(?!)

茜P(気合いがあれば心の中でも燃え上がった気持ちを根性で表現できるはずだ!!)

茜(…………気合い……根性………!!)

茜P(心で叫べ!!)

茜(……………は、はい……!!ぼ、ボンバァァァァァア!!!できました!!)

茜P(よし!熱くなる気持ちを外に出せたら、仰ぐ勢いも少し弱めろ!まだ焼け野原のシーンじゃない!分かったか!)

茜(分かりました!!弱くします!!)

茜P(…………保奈美ちゃん、これでいいかな?)←ハンドサイン

保奈美(ええ……これぐらいです。これぐらいを維持してください。)

茜P(……茜!!)

茜(はい!!弱めに扇ぎます!!!ボンバー!!!)

茜P(………………………………)

保奈美「(…演技に集中し直しましょう。)…私はお父さんと違って悪い事はしてないのに………」

友紀「あー……マミーにとってはいい事じゃないんじゃないかな…?マミーは真面目だから…………」

保奈美「アシュレの事を考えるのは不真面目って言うの?!」

友紀「マミーの中では結婚する前の娘がそう言う事をしちゃダメ、ってなってるんだよ。さらに、相手がアシュレだしね。」

保奈美「相手がアシュレだと……何なのよ?!」

友紀「そ、そう息を荒げないでよ!」

友紀「何ていうかさ……アシュレって南部の男っぽくないじゃん?乗馬や狩りになんか全然興味ないみたいだs………」

保奈美「アシュレはそんなのよりもっと高尚な読書や芸術の世界に生きてるのよ!」

友紀「……いや、それが悪いって言うんじゃなくて……単純にスカーレットには合わないって話だよ…スカーレットは読書や芸術は分かんないでしょ?」

保奈美「勉強さえすればきっと私にだって分かるわ…………多分……」

友紀「………もし仮に無理して合わせられたって意味ないじゃん。…趣味って相手に合わせるものじゃない…………ってアタシは思うなー……なんて、あはは…………」

保奈美「………………………」

友紀「>>23

↑(あっ……ヤバい、アルコールが切れた……手が震えてる……)

安価把握

一応大枠だけは原作に沿っている…………つもりです……

一時中断します

1部→公演準備
2部→公演本番
3部→後日談

かな?

>>25
……の予定とさせていただいておりますが…………



再開します

友紀「ほら、仮にキャッツの成績が振るわなくて人気が落ち目でもさ、だからって乗り換える必要なんてないわけじゃない……本当のファンなら落ち目の時こそ応援しなくちゃ…」

保奈美「……つまり、何が言いたいの…?」

友紀「えーっと……ゴホン……つまりだな、今はスカーレットの中ではアシュレがよく見えるかもしれないけどさ、あたしはさ、やっぱり南部らしい男を応援したいんだよね。」

保奈美「お父さんまでマミーみたいな事を言うのね。……南部らしくないぐらい大した事じゃないじゃない!私はアシュレがいいの。」

友紀「いやいや、南部の男にも良い選手いっぱいいるよ!スチュアートもブレントも良い選手だと思うんだけどなぁ…………」

保奈美「……スチュアートとブレントなんてこの前ジョージア大学を追い出されたばっかりじゃない。……嫌いじゃないけど。」

友紀「そ、そんなのどうでも良い事じじゃん!勉強なんてここではなんの役にも立たないもん!あたしが保証する!」

保奈美「まあ……勉強が出来ても農場の経営や乗馬やダンスには関係ないものね。」

友紀「でしょ?勉強なんて北部の人間がやる事だよ。…工場や銀行の仕事には役立つのかもしれないね、分かんないけど。」

保奈美「北部の人たちって分からないわ…………はぁ…大学を退学になるぐらい何でもないのは知ってるわ。言ってみただけ。」

友紀「そーそー、そんな暇があれば野球した方が絶対楽しいよ!」

友紀「ね、アシュレなんか北部の人の真似をしてるような………悪くは言いたくないけど、あたしたちとは違う人間なんだよ、分かるでしょ?」

保奈美「……アシュレは乗馬だって誰より上手いし、狩りだって負け知らず、お喋りだって面白いわ!」

友紀「むー…………そ、そんなにアシュレがいいの?!地元の人間なら地元のチームを応援すべきでしょ?!」

保奈美「アシュレは南部の立派な男の人よ!」

友紀「そ、そーだけど……そーじゃ……!!(あっ……ヤバい、アルコールが切れた……手が震える………)」

保奈美「……お父さん…?!」

友紀「な、なんでもないよ!スカーレットの分からず屋!うう……あたしはもう母屋に帰ってビール飲んで寝る!」

保奈美「……お父さん……買い物のついでに飲んできたでしょ?」

友紀「ビールは話をスムーズにする商売道具なの!…ひっく……軽く2、3杯やってきただけだもん!」

保奈美「……また戦争の話に花でも咲かせてたのね……戦争の話ってそんなに楽しいの…?」

友紀「だーかーら、商売の話しかしてないって………ああ、もう、そんな事にまで一々口を出さないでよ!」

保奈美「な、何よ……?!せっかく心配してあげてるのに………」

友紀「あたしはまだまだ心配されるような歳じゃない!150kmだって投げられるよ!」

友紀「もういい、もういい!スカーレットだって明日のパーティーに出席するつもりなんでしょ、早く寝なよ!」

保奈美「……言われなくてもそうさせてもらうわ。はぁ……アシュレだったらこんな時に………」

友紀「アシュレ、アシュレって……!ふん、だったら良い事教えてあげるよ!……今日アシュレはね、いとこのメラニーと婚約したんだよ!」

保奈美「……えっ………?!……い、今なんて……?!アシュレが……?」

友紀「メラニーと結婚するの!ふん、あの二人だったらお似合いだよ!」

保奈美「>>33

嘘よ、嘘嘘嘘!アシュレは私と結ばれるに決まっているんだもの!そんな…メラニーとなんか…

保奈美「嘘よ、嘘嘘嘘!アシュレは私と結ばれるに決まっているんだもの!そんな…メラニーとなんか…」

友紀「あの一族はいとこと結婚するのがルールだし、性格的にもいいバッテリーになれるんじゃない?!」

保奈美「そ、そんな………………」

友紀「こう言ったらアレだけど……メラニーは美術や音楽にも詳しいんでしょ?スカーレットとは大違いじゃん!」

保奈美「……っ……!で、でも………私の方がメラニーより可愛いし、愛嬌だってあるわ!」

友紀「若い女の子はみんなそう思ってるの。……ひっく…………うう…………早く迎え酒しないと頭痛い………………………………」

保奈美「……そんな…………そんな………………どうして…………?!」

友紀「とにかく……これでアシュレへの思いはすっぱり諦められたでしょ?!もう……だからムダだって言ってたのに…………」

保奈美(そんな…………アシュレは私と話すとき……あんなに楽しそうにしてくれてたのに…………………)

友紀「……はぁ…………スカーレットには見合う良い南部の男の人を見繕ってあげるから……あー…………気持ち悪い………………」

保奈美「………………………………」

友紀「じゃ……今日は早く寝なよ…?……はい、行くよー……話し込んだせいで疲れちゃったよ……」

サラブレッド「ヒヒーン!」

保奈美(…………アシュレが…………私のアシュレが……………………メラニー…………なんかと…………?)

2年前 オハラ家玄関前ポーチ



保奈美「…………♪」

パカラパカラパカラッ…!

保奈美「…………あら…?」

パカラパカラパカラ……

???「せいや!」

栗毛の馬「ヒヒーン!」ピタッ

???「…………ああ、やっぱり間違いない!ずいぶんと大きくはなっているけど……」

保奈美「え、えっと………………?」

???「懐かしいな…………僕の事を覚えてくれてはいませんか?」

保奈美「………あの…………私たちどこかで…………(…誰かしら…………?少なくとも…私の知り合いにはこんなに……不思議な感じがする人は………………)」

???「あはは……分かってはいましたか……………………」

保奈美(………灰色のシャツに黒いネクタイ………………それに、貝殻のネクタイピンと縁の広いパナマ帽…………………………)

???「…………では、改めて帽子を取って自己紹介から始めた方が良いのかな、スカーレット…?」スッ……

保奈美「………………あっ……!あなた…………もしかして……アシュレ…………?」

櫂(アシュレ)「ふふっ……やっと気付いてくれましたか、あはは……本当に忘れられてしまっていたのかと不安になってしまいましたよ…………」

保奈美「いいえ………違うの…!……何だか…………えっと……………………」

櫂「?」

保奈美「…………ふ、雰囲気が昔の印象と……あまりに違っていたものだから……………………」

櫂「>>39

そう思うのも無理はありません。暗黒の烙印【スティグマ】を刻まれて以来、たくさんの神話【けいけん】をしましたからね……くっ、静まれ……我が邪眼【バロール】よ……

櫂「そう思うのも無理はありません。暗黒の烙印【スティグマ】を刻まれて以来、たくさんの神話【けいけん】をしましたからね……くっ、静まれ……我が邪眼【バロール】よ………」

保奈美「………………………………」

櫂「ああ……すみません……ヨーロッパ旅行中に色々ありまして…………どうかしましたか…?」

保奈美「………うん……絶対三年前のアシュレはこんなじゃなかったわ……」

櫂「いやぁ……旅は人を成長させると言いますし……………あ、右腕には触らないでくださいね、封印【ホーリーロック】が解除されてしまいますので。」

保奈美「……………あ……うん……
(アシュレ………きっと長旅で疲れているのね…………)」

櫂「あはは…………まさか僕も、いざ旅が終わってみれば、こんな事になっているとは思ってもみませんでした。」

保奈美「ええ……私も想像もしていなかったわ……その……こんな事になっているだなんて…………」

櫂「本当にそうです、まさかスカーレットがこんなにも美しくなっているだなんて。」

保奈美「えっ…………?」

櫂「ふふっ…最初なんか『あれ、ヴィーナスはミロだけでなくアトランタにも居たのか!』とまで思ってしまいましたよ。」

保奈美「………………………………」

櫂「………………………………あ、ミロにはヴィーナスの像があるんですが…………」

保奈美(……何かしら……今、アシュレの言葉を聞いた瞬間………胸の奥が熱くなって………………)

櫂「……スカーレット?……はっ、まさかあなたも【瞳】を……?なんという事だ……これが運命石の扉の選択…………」

保奈美(………そう………迫真のポエムが完成した時のような………………胸の高鳴り………………!)///

櫂「くっ……これも運命だと言うのか……?!……まさか……スカーレットが…………」

保奈美「………………あ、あの…………?」///

櫂「…ああ……【瞳】ですか……それは…………え、えっと……………」

保奈美「……………………………………」

数週間後ウィリクス家 アシュレの書斎



保奈美「ねえ、アシュレ!ここの読み方って……?」

櫂「傷付いた悪姫【ブリュンヒルデ】」

保奈美「ぶ、ブリュンヒルデ………………!か、カッコイイわ………………」///

櫂「ふふっ……ありがとう……スカーレットと話すのは本当に楽しいな……」

保奈美「私もよ!家には分かってくれる人が居なくて…………」

櫂「僕もだよ、……スカーレット…………」

保奈美「>>47

このままあなたと二人で暮らすことができたらどれだけいいかしら

保奈美「このままあなたと二人で暮らすことができたらどれだけいいかしら…………」

櫂「あはは……若い娘がそんな事を言ってはいけませんよ?」

保奈美「ちゃんとした南部の淑女らしくないから…?だとしたら、淑女って自分の気持ちも自由に言えないのね。」

櫂「そうではないのです……えっと……上手くは言えないのですが……僕たちは今のままが一番なのです。」

保奈美「……アシュレは私が嫌いなのかしら……?」

櫂「嫌いではありません……むしろ…………ですがダメなのです……」

保奈美「………………………………」

保奈美「……アシュレの言ってる事は……偶に難しくてよくわからないわ。」

櫂「すみません………ですが、それが僕の言葉であり、世界の表し方なのです。」

保奈美「あなたの見ている世界は……きっと難しい世界なのね。」

櫂「そうです……何一つとして実体が感じられない…………いえ、口が過ぎてしまいました…………こうして、時々一緒にスケッチをしたり、詩を作る、それだけではいけませんか?」

保奈美「………………………………」

櫂「あなたと居るのは楽しいです…………でも、一緒になる相手はそうやって選ぶ者ではない…………なんて…………僕のわがままなのですが…………」

保奈美「…………分からないわ……でも、アシュレが言うんだから……きっとそうなのね。……うん、そうなんだわ。」

櫂「…………………………………」

保奈美「……そろそろ家に帰らないと遅いって怒られちゃうわ。……今日は楽しかったわ。また……お話したりしましょう。」

櫂「……はい…………そうしましょう…」

保奈美(……愛し合う2人が一緒になる事の何がいけないのかしら………?)

櫂「………………………………」

現在 スカーレットの部屋



保奈美「……私はダメで……メラニーならいいの…………どうして……?」

保奈美「…………どうしてなのよ?!……私はアシュレを愛しているし……アシュレだって………………」

保奈美「…………とにかく……何とかしないと……正式な婚約発表は明日って言ってたから…………それまでに………………」

???「………………様……………………様!」コンコン

保奈美「………アシュレは……メラニーになんかには絶対…………」

???「……スカーレット嬢様!!」
コンコン

保奈美「?!」

???「いるんだったら返事をしてください!まったく……これだから最近の若い子は…………プンプン!」

保奈美「…………はぁ…………居るわよ!入りたければ勝手に入って……」

ガチャ

???「それじゃあ失礼しますよ、スカーレット嬢様!……ってなんて格好をしてるんですか?!」

保奈美「………今はそんな事にかまってる場合じゃな…………」

???「そんな事とは何ですか、そんな事とは!まったく……おばあさまが今のを聞いていたら悲しまれますよ!」

保奈美「………………………………」

???「服装は女の命です!それぐらい私も小さい時から教えてきたはずですよ!スカーレット嬢さ……」

保奈美「…………分かったわよ……マミー…………」

菜々(マミー)「…………………………」

保奈美「………………はぁ……」

菜々「>>55

さてはあの男のことで……

安価把握

50レス超にして1部のまだ半分も終わっていないという事実…………

先は長いようです………………

下手すると100-2-2……のような謎の状況に陥る可能性が…………

お休みなさい

改めてアニマススタッフの優秀さと自分の筆力不足を実感しました……

再開します

菜々「さてはあの男のことで………」

保奈美「………………………………」

菜々「はぁ……最近の若い子って言うのはどうしてこうですかね!口を開けば、恋だの何だの……レディとしてはしたない…………」

保奈美(またマミーのお説教が………………)

菜々「ちょっと、聞いてるんですか、スカーレット嬢様!私は大事な話をしてるんですよ!」

保奈美「…………聞いてるわ……」

菜々「………………………………」

菜々「とにかくあの優男の事でウジウジしてるのは分かりましたから、とりあえず着替えてください!ドレスにしわをつけられちゃたまりません!」

保奈美「背中がボタンが一人じゃ外せないのよ。……あーあ、レディって本当に窮屈!」

菜々「退屈でも何でもレディじゃなきゃお嫁の貰い手がいませんよ。着替えさせてあげますから、立ち上がるぐらいはしてください。」

保奈美「…………はぁい…………」
ノソッ……

菜々「実に立派なご返事ですね、スカーレット嬢様。立派すぎて涙が出てきますよ!」

保奈美「……………………………」

菜々「ナナが若い頃は南部の女の子たちはみーんな素晴らしいレディだったんですがね。時代は変わってしまいました。」

保奈美「女の子は必ずレディじゃなきゃいけないって言う方がおかしいのよ……自分に合ったように生きるのが正解だってアシュレが…………」

菜々「はいはい、アシュレ、アシュレっておうむみたいに繰り返さないでください。こっちはもう耳にタコができてるんです。……こっちに背中を向けてください。」

保奈美「………………ん。」クル

菜々「じっとしててくださいよ、破れたら困りますから。それぐらいは出来ますよね、スカーレット嬢様。」

保奈美「出来る限りやってみるわ。」

菜々「ぜひお願いします。」

菜々「スカーレット嬢様は見た目はいいんですから、あとは中身の問題なんですけどねぇ……まるで殻だけ立派な落花生です。」

保奈美「………そうよね?」

菜々「そうですよ!早く南部に相応しいレディに…………」

保奈美「マミーの言う通り、私って見た目は良い方よね?ドレスだってこんなに着こなしてるし。」

菜々「そっちですか……都合の良いお耳ですね。…それはエレン様の血を引いてらっしゃるんだから当たり前です。見た目だけなら……まあ、タラでは一番ですね。」

保奈美「>>65

(何を言っても話にならない……やはりアシュレを手に入れるには、メラニーと戦うしかないというの?)

保奈美(………何を言っても話にならない……やはりアシュレを手に入れるには、メラニーと戦うしかないというの?)

菜々「だからと言って別段良い事つまたは思えませんけどね、結局いくらチヤホヤされたところで結婚できる相手は1人なんですから。」

保奈美「……でも……美人じゃないよりは美人な方がいいでしょ…?」

菜々「それはスカーレット嬢様と将来結婚なさる旦那様次第ですね……おや、ウェストが細くなりました?」

保奈美「毎日マナー、マナーって言われて、小鳥が突っつくみたいな量しか食べれないんだから当然よ。それぐらいのメリットがなきゃやってられないわ。」

菜々「スカーレット嬢様……あなたはまたそんな事を…………」

>>66訂正



保奈美(………何を言っても話にならない……やはりアシュレを手に入れるには、メラニーと戦うしかないというの?)

菜々「だからと言って別段良い事だとは思えませんけどね、結局いくらチヤホヤされたところで結婚できる相手は1人なんですから。」

保奈美「……でも……美人じゃないよりは美人な方がいいでしょ…?」

菜々「それはスカーレット嬢様と将来結婚なさる旦那様次第ですね……おや、ウェストが細くなりました?」

保奈美「毎日マナー、マナーって言われて、小鳥が突っつくみたいな量しか食べれないんだから当然よ。それぐらいのメリットがなきゃやってられないわ。」

菜々「スカーレット嬢様……あなたはまたそんな事を…………」

保奈美「…男の人は型通りのマナーができる南部のレディとしか結婚したがらないなんて、男の人でも無いのにどうしてわかるのよ?」

菜々「昔からそうと決まってます。スカーレット嬢様がまだよく分かってないだけです。若いんですから当然ですけど。」

保奈美(また『昔からそうと決まってます。』だわ!何で昔の人なんかに食事の仕方まで決められなきゃいけないんかしら!ただ、昔に生まれたってだけじゃない!)

菜々「……もっとも、最近じゃ若くて見た目が良い女の子なら誰でもいいって旦那様が増えてらっしゃいますがね!そんな旦那様方ならスカーレット嬢様をもらってくださるかもしれないですけど。」

保奈美「…好きになった相手と結婚したらいけないの…?ヨーロッパなんかではそれが普通ってアシュレが……」

菜々「それはヨーロッパ人が結婚の意味を分かっていないんですよ。」

保奈美「…………………………」

菜々「現にそのウィリクス家の後継様だって、ちゃんとしきたりを守った結婚をなさるわけじゃないですか。」

保奈美「アシュレは優しいから、周りから無理強いされたら断れるような……………………あっ…!(そうよ、アシュレがしきたりだけの愛が無い結婚なんてしたい訳がないじゃない!)」

菜々「無理強い?責任のある立場にいる方がルールを守るのは当然じゃないですか。」

保奈美(……そうよ……そうに決まってるじゃない!……周りから無理強いされて、嫌って言えなくて仕方なくメラニーなんかと結婚しなきゃいけなくなっちゃったのよ!ああ、かわいそうなアシュレ!)

菜々「…………聞いていますか?」

保奈美「ええ、聞いているわ。(……アシュレが愛しているのはメラニーなんかじゃなくて私に決まってる。…メラニーみたいな地味でちょっとした知識しかない女の子なんて、アシュレには見合わないにもほどあるわ。)

保奈美「…マミー、わがままを言って悪かったわ。私が間違ってたわ。確かに……マミーの言う通りね。」

菜々「おや……急にどうしたんです?」

保奈美「マミーと話してたら、自分が少し興奮してただけだって気付いたの。」

菜々「はあ……やっと分かってくれましたか。それでこそ正しい南部の娘です。」

保奈美「こんな事に頭を使ってるぐらいだったら、明日のパーティに来ていくドレスの準備をしなきゃ!そうよね、マミー。」

菜々「そうです、そうです。明日は大事なパーティなんですから、南部のレディに相応しい、来ていくべきドレスを今から選ばなきゃならないんです。」

保奈美「……オハラ家の長女として恥ずかしくないようにしないとね……そうね………『私が一番美しく見えるようなコーディネート』、をしていきたんだけど。」

菜々「オハラ家の娘の服装がみすぼらしければ恥ですからね。……明日は旦那様のご友人も大勢いらっしゃるそうですし………それぐらい気合いを入れた方がいいかもしれませんね。」

保奈美「そうそう、会場にいる誰よりも美しく………(…例えば『メラニー』なんかより……ずっとずっと………)

菜々「そう言う事なら私もお手伝いしますよ。旦那様もそうなれば家格を示せると言うものです。」

保奈美(家格ね………はぁ………くだらない……………でも…今は…………)

菜々「……ああ、飛びっきりの上物が確か下にあったはずです。…サイズは会うはずですから……取ってきますね。」

保奈美「ありがとう、マミー。(………………………………………)」

〜〜〜


保奈美「……今までの私は確かに間違ってたわ。………ちゃんと、アシュレを愛してるって言葉にして伝えなかったんですもの。今思えば、それがアシュレに迷いを生ませてしまったのね………」

保奈美「アシュレは私が本気かどうか自信が無かったのよ。それが分かっていたら、アシュレが私の気持ちに答えてくれない訳がないもの。」

保奈美「………………………」

保奈美「……メラニーからアシュレを取り返すなんて簡単だわ。ただ、メラニーなんかより私がずっと美人でスタイルもいいって目の前で示してあげればいいだけなんだから。」

保奈美「そして、それから愛を告白するの!……そしたらアシュレは分かってくれる……誰が一番アシュレに相応しいかって。メラニーなんか全然だって。」

保奈美「ああ、あんなに憂鬱だった2人が婚約を発表するパーティー……それがこんなに楽しみになるなんて…!」

保奈美「>>74

我がタラの守り神・ピニャコラドールよ……私の血を差し上げます……私とアシュレを導いてくださいましね……
(机の上に置かれたぴにゃこら太像の眼が怪しく光る)

保奈美「我がタラの守り神・ピニャコラドールよ……私の血を差し上げます……私とアシュレを導いてくださいましね…… 」

ピニャコラドール像「………………」

保奈美「…ここまでするのはやりすぎかしら……?だって、結果なんて明らかなのに。」

ピニャコラドール像「……………」

保奈美「……でも………万が一……いえ、そんな事ありえないけれど…………そうね、アシュレが突然来られなくなる…なんて事が無いとは限らないし………一応……ね?……よろしくお願いします、ピニャコラドール様………………」

ピニャコラドール像「…………」

保奈美「……お祈りはこれで良し、と。」

保奈美「……あとは…………明日に備えて寝ましょう。肌が荒れたら困るもの。……ううん…………メラニーったらどんな顔をするかしら…?ふふっ………………」

保奈美「……私からアシュレを取ろうとした意味を……きっちり教えてあげるわ。」

ピニャコラドール像「………」
ブゥン…………

保奈美「……………………?」

ピニャコラドール像「………………」

保奈美「…………気のせい…………よね……?」

ピニャコラドール像「………………」

公演会場二階 関係者席




凛P「あ、あれって本当に大丈夫なんですよね…………?一応他社のキャラクターなのでは…………?」」

時子P「何がー?」

凛P「いえ……その……あの様な形で使用しても………………?」

時子P「うーんとねー…………知らなーい!あははは、その時はその時でしょー。」

凛P「ええっ…………?!」

時子P「いやー、だって僕そーゆーの分かんないし。いざとなったら裁判とかじゃなーい?」

凛P「………………………………」

泉P「著作権等に関しては、権利元との交渉は完了しています。安心してください。」

凛P「…………泉Pさん……!」

時子P「へー、そうだったんだー。」

泉P「『ぴにゃこら太』であれば、どの様な使用形態であれ、自由に使用して構わない、との事です。」

凛P「よ、良かった……………………」

時子P「えっとー…………要はぴにゃこら太になら何してもいいって事ですかー?」

泉P「>>80

はい。もちろん良識の範囲内ではありますが……あれならまず大丈夫でしょう

安価把握

ぴにゃこら太ェ……

一時中断します

最近ぴにゃが冗談抜きで可愛く見えるんですが…………


再開します

泉P「はい。もちろん良識の範囲内ではありますが……あれならまず大丈夫でしょう。」

凛P「あれは良識の範囲内なんですか…?」

時子P「泉Pさんが言うならそうなんでしょー。」

泉P「…問題が存在していれば公演は開催出来ていません。」

凛P「あ、ああ………言われてみれば確かにそうですね…………」

泉P「ご安心していただけましたか?」

凛P「あ、は、はい………………」

凛P(…………あれで大丈夫なら…………逆に何がダメなんでしょうか…………?)

時子P「爆破はー?」

泉P「大丈夫だそうです。」

凛P「大丈夫なんですね…………」

泉P「……まだ何かご質問が……?」

凛P「いえ…………良識って何か……少し考えてしまっただけです……」

泉P「……?」

時子P「よし、ピニャコラドール像問題も解決したしまじめーな観劇に戻りましょうー。」

凛P「……で、ですね……レポートとかの作成もしなくてはいけないですし……」

時子P「いやいや、まじめにしてないと眠っちゃいそうで…………」

凛P「……………………………………」

時子P「…………じっとしてるの苦手なんだよねー…まじめって難しいなぁ……………………」

泉P「……なら別段真面目に見なくてもよろしいのでは?」

時子P「あっ…………す、すみませ………………」

泉P「…真面目になどと考えていては肩が凝ります、まずは楽しみましょう。」

凛P・時子P「へっ…………?!」

泉P「……と、私も泉に言われたもので…………」

凛P・時子P「……ああ………………………」

泉P「……取り敢えず、一観客の立場を楽しみませんか?」

凛P「…………ですね。」

時子P「……ですねー。」

泉P「…………ふふっ……………」

翌朝 オハラ家



保奈美(…………いよいよ、今日が来たわ………ああ…もうすぐ私がアシュレと………………)

???「おはよう、スカーレット。今日は早いのね?」

保奈美「……あ、お母さん。…おはよう、お母さんも早いのね?」

???「ふふっ……主人が寝坊をしていてはみんなに示しがつかないでしょう?」

保奈美((…これだけで分かる………この人をエレンに選んで間違いなかったって……))

???「朝ご飯ならもう出来ていますよ、パーティに差し障りがないように軽く作りました。」

保奈美「ええ、ありがとう。……お父さんも呼んで来たほうがいいかしら?」

???「お願い。きっと綿花畑にいるから。(最初はムリだわ、芸能界から消えるわマジで……って思ってたけど…………意外と成り切ればやれるもんだな☆)」

保奈美(はぁ…………本当に佇まいから何から完璧なエレンだわ………………佐藤さん……)

心(スエレン)「ふふっ……ついでにみんなにも朝食だって教えてきてくれますか?(…どこもおかしくないよね……ないよな☆あったらヤベェ☆)」

保奈美「分かってるわ、お母さん。」

心「>>92

私はピニャコラドール様への朝のお勤めをしてくるわ

心「私はピニャコラドール様への朝のお勤めをしてきます。今日もまたみんなが無事に暮らせますように…と。」

保奈美「………ねえ、お母さん。」

心「……何でしょうか…?」

保奈美「…もし戦争になったら、ピニャコラドール様はタラを守ってくれるのかしら?」

心「……ピニャコラドール様はタラの土地を愛してらっしゃるもの。……必ず守ってくださるわ。急にどうしたの…?」

保奈美「い、いえ……ピニャコラドール様って本当に願いを叶えてくれる力があるのか気になっただけよ。」

心「…正しいお願いなら必ず叶えてくれますよ。」

保奈美「……そ、そう………(…正しいお願い……なら…私は間違って…………ないわよね…………?)」

保奈美「じゃあ…私……お父さんたちを呼んで来るか……」

心「………スカーレット。」

保奈美「…………な、何……?!」

心「………ピニャコラドール様は全部知ってらっしゃいます。」

保奈美「…………………………!」

心「………………………………」

保奈美「……分かってるわ、お母さん。」

心「……そうですか。」

保奈美「…………………………」

オハラ家 朝の食卓



友紀「あはははは、今日はいい日だ、ビールが美味しい!!……んく…………ぷはぁ…………!!あはははは!!」

保奈美(……お父さんったら朝からお酒を飲んで…………)

心「………あなた。」

友紀「分かってる、分かってるって!でもさー、お祝いの時ぐらいいいでしょ?!」

心「…アシュレとメラニーの婚約の事ですか?」

友紀「それもそうだけどさー!ほら、知らない?また南軍が北軍の砦を一個落としてさー!いやー、もう向かうところ敵なしだね、これは!あははははははは!!南部サイコー!!」

友紀「もうね、北軍とか全っ然敵じゃないね!こっちの姿を見ただけで逃げてくんだから!あははははははは!!」

心「…それは良かったですね。」

友紀「いやー、早く戦争開幕しないかなー!そしたら北軍に南部同盟の猛打線が突き刺さるのを見れるのに、スエレンとキャリーンもそう思うでしょ?!」

麗奈(スエレン)「…………アホらし。」

聖(キャリーン)「え、えっと………………」

友紀「だよねー!そう思うよねー!あはははは!!」

保奈美「…………………………」

麗奈「戦争の話なんて何が楽しいのよッ!まったく、そんな事よりオシャレの話の方が100倍楽しいに決まってるじゃないッ!」

聖「……あ、あの………そ、そう言うのを………あんまり言うのは…………」

麗奈「あぁん、キャリーンごときが生意気言ってんじゃ………」

心「朝食は静かに食べるものです。」

麗奈「……………フン……」

聖「うう………………」

保奈美(……キャリーンには悪いけど……これだけはスエレンに賛成ね。……スエレンと意見が同じなのは最悪だけど。)

保奈美(戦争なんて私には関係ないんだから、どこか他所でやってくれればいいのに…………)

友紀「あははははははは!!勝利の美酒はこの世で一番美味しい飲み物だね!!」

保奈美(男の人たちはみんな戦争の話ばっかり。何がそんなに面白いのかしら?……その点アシュレは退屈な戦争の話なんか全然しないし………ああ……やっぱりアシュレは特別だわ………)

麗奈「……何ニヤニヤしてんのよ、気持ち悪いわねッ!料理が不味くなるじゃない。」

保奈美「あら、ごめんなさい。スエレンなんか視界に入ってなかったわ。」

麗奈「…アンタねえ…………」

聖「>>100

あ、あの…喧嘩は…喧嘩……戦争……?……ひっ、や、やめ……(何を思い出したのか演技でなく本当に怯えて気温を急激に下げてしまいオーロラなど場違いな幻想的な風景が)

聖「あ、あの………喧嘩は…喧嘩……戦争……?……ひっ、や、やめ………………」
パキ……パキパキパキ…………

保奈美・麗奈・友紀・心「?!」

聖「せ、戦争は………………だめ……………………!」ヒュォォォォ……!

保奈美・麗奈・友紀「………………」

聖「…………うう……………………」
ヒュォォォォ……!

心「(チッ…………!手間のかかるガキどもだな☆)…『キャリーン、二人とも別に本気ではないから安心なさい。』

聖「…………本気じゃ…な………………あっ………………!え、えっと……………………」

舞台裏


劇場スタッフ1「アクシデント発生です!」

茜P「分かってる!アクシデントの時こそ冷静に対処法を考えるんだ!原因は聖ちゃんか…………よし、茜!!」

茜「はい、何ですか?!」

茜P「好きだ!!」

茜「……………………へっ…………?!」//////ボンッ!!

スタッフ1「あ、あの…………?!」

茜P「よし、音声一瞬全部落とせ!!それから換気を最大にしろ!!……ふぅ……茜、大好きだ!!愛してるぞ!!!」

茜「へっ…………あっ…………はわわわわわ……………………」//////
シュワァァァァァァ…………

茜P「…………これで………」

オハラ家 朝の食卓



聖(…あ…………ど、どうしよう…………?!……え、えっと…………………………)

シュワァァァァァァ…………

保奈美(…熱気…………?!)

麗奈(な、な、な、何なのよッ……?!一気に寒くなったと思ったら………今度は急に暑くッ……?!)

友紀(夏の球場……?!)

心(……なるほど……冷気に熱気をぶつけて相殺…………って、解決策ムチャクチャすぎだろ☆)

保奈美(………そう言う事ね……じゃあ……次のセリフは…………)

舞台裏



茜「はわ…………はわわわわ…………わ……」//////シュゥゥゥゥゥゥ……

茜P「…ふぅ…………アクシデント解決か………れ、冷却剤だぞ……さすがに…………み…………耳が痛い…」
キーン……

茜「ふぇ…………しゅ…………しゅみま…………はわわわわわ……………………」//////
シュゥゥゥゥゥゥ……

茜P「……き、気にするな!気合いがあれば……大丈夫だ!!……生存者!!」

劇場スタッフ「う、ウォォォォォォォ!!!」

茜P「…全員の生存を確認!!よし、まだまだ気合い出して行くぞ!!気合いだあああああ!!」

劇場スタッフ「オオオオオオオオオオ!!!」

観客席



観劇客1「ふむふむ……これはオハラ家の状態を表したのだよ、私には分かる。」

観劇客2「すごい演出だな…………どうやったんだ………………?」

観劇客3「バッカ……それは晶葉えもんの秘密道具だろ。」

観劇客2「あっ……そうか。晶葉えもんの秘密道具ならこれぐらい当然か。」

観劇客4「聖ちゃんの演技、背筋が凍るかと思いましたわ………」

観劇客5「舞台の全員から熱気が伝わってくる…………すごい…………」

観劇客6(アイドルが演劇なんぞ……という評価は取り下げないといけないようだな……)

オハラ家 朝の食卓




保奈美「……ふん、キャリーンの顔を立ててあげるわ。(……アドリブのセリフ……だけど…………?)」

麗奈「…ふ、フンッ……!今日はキャリーンに免じてこのぐらいにしておいてあげるわッ!(レイナサマにはアドリブぐらい楽勝に決まってるでじゃないッ!)」

友紀「(……ジェラルドは酔っ払い……酔っ払いなら…………)あははははは!!2人は仲がいいな!」

心(……やるじゃねえか、ガキども☆)

聖(……私の失敗を…………みんなが…………助けてくれてる……………)

保奈美「>>110

とにかく……私たちはもう戦争の話なんか聞きたくないわ。うんざりよ

安価把握

零式美食炉ぐらい解放しそうな勢いになってきました……

一時中断します

チェイス……自爆って死ぬほど痛いだけなんだろ?!そうだと言ってくれ……!


再開します

保奈美「とにかく……私たちはもう戦争の話なんか聞きたくないわ。うんざりよ。」

聖「………うん……戦争の話は……怖い、から………もっと……優しい話が、いいな………」

麗奈「どうせ今日のパーティでもその話ばっかりなんでしょッ?今する意味が分かんないんだけどッ!」

心「……朝食が冷めてしまいますよ?」

友紀「あ、あははは……今日は本当に仲が良いね……じゃ、じゃあ……そうしよっかなー………?」

保奈美((よし……自然な流れになった……!))

友紀「……んく……んく……ぷはー……!よし……祝い酒はこれぐらいにしておこうかな…?うん、パーティで本格的に飲むんだもんね!いやー、あはは、ここであんまり酔うのも…ね?」

保奈美「そうよ、パーティで好きなだけ飲めるじゃない。それこそ酔い潰れるぐらい……」

友紀「そうだよ、そうじゃん!あははははははは!おし、じゃあ早速パーティに……!」

心「その前に、ある程度はお腹に入れていってくださいね。」

友紀「あっ……はい…………」

心「……スカーレット、スエレン、キャリーン、パーティのルールは分かってるわよね?」

保奈美・麗奈・聖「は、はい……」

心「ちゃんと南部のレディらしく振舞うのよ。(………ふぅ……やっとこれでしばらく出番なしか………)」

ウィルクス農場への馬車での道中


ガタコト…ガタコト

聖「……せっかくの楽しいパーティなのに………お母さんとマミー……来れなくて…かわいそう…………」

保奈美「ふふっ……ええ、それはとても残念だわ。(…喜んじゃ悪いけど……これは喜ばずにはいられないわ。だって……私の計画を邪魔する人は誰もいないってことなんですもの。)」

麗奈「その理由があの役立たずの農場監督なんだから。やっぱり南部以外の男はダメねッ!」

保奈美(スエレンはどうせ自分がどれだけ目立てるかしか考えてないんだもの邪魔にすらないわ。後からお母さんに告げ口はするだろうけど……そんなの計画が成功しさえしたら些細な問題よ。)」

友紀「♪~ふんふんふんふんふーん!!」

保奈美(お父さんは戦争の話をしながらお酒が飲めるので頭がいっぱいみたいだし。)

友紀「つーよーいぞ南部同盟!北軍なんかーやっつけろー!」

保奈美(ふふっ……お父さんったら…………子どもみたいにはしゃいじゃって……きっと今日はもっと酔っ払って帰るんでしょうね………)

友紀「かっとばせー、南部!行け行け南部、行け行け南部♪」

保奈美(…ふふっ……今日は好きだけ飲ませてあげましょう…………ああ……トゥエルヴ・オークスに着けばいよいよアシュレと結婚できる!…アシュレ……私の大好きなアシュレ………………ああ……野バラやスミレがなんて美しく咲いているのかしら……きっと……私を祝福してくれているんだわ……♪)

麗奈「…ったくッ……今日はいつにも増して間抜け面だけど、いったい何がそんなにうれしいわけ?」

保奈美「>>118

面白いものが見れるからね……

保奈美「面白いものが見れるのだもの……」

麗奈「はぁ?」

保奈美「ふふっ……とびっきり素敵で愉快な事よ。その事を考えただけで笑顔になるのが抑えられないぐらいにね。」

聖「……とてもすてきな事………舞踏会や……みんなとのお話…ですか……?」

保奈美「それも楽しみだけど、もっと楽しみな事があるの。…そうね、すぐにキャリーンたちにも分かるわ。」

聖「…舞踏家やお話より、素敵なこと……………何だろう………?」

麗奈「スカーレットの考えてる事なんだから、くだらない事に決まってるわ。はぁ……聞くだけ時間の無駄だったわッ!」

聖「……え、えっと………スエレン姉様………そう言う言い方は…………」

保奈美「ふふっ……いいのよ、キャリーン。」

麗奈「……あ…?」

保奈美「スエレンには私の話が退屈だったってだけだもの。(だって、スエレンみたいな男の人の注目を引く事にしか興味がないバカな子には、どうせこの計画の素晴らしさは理解できないもの。)」

聖「そ、そう………ですか…………」

麗奈「……………チッ……………」

保奈美「ふふふ………ごめんなさい、スエレン。(スエレン……………恋の素晴らしさも知らない可哀想な子…)」

麗奈「わ、わかればいいのよッ!(……今日はやけに気持ち悪いだけじゃなくて物分かりがいいわね………?)」


友紀「コラコラコラー!姉妹で喧嘩なんかしたらだめだよ!ちゃんと仲良く……しなさい!」

保奈美「はーい♪」

麗奈「………はいはい…」

聖「……は、はい………すみません…………」

友紀「将来は仲良く姉妹でタラを守っていってもらわなきゃ困るんだからね!……まったく……南部人同士は仲良くなきゃ。」

サラブレッド「ヒヒーン!」

友紀「ん、どうしたの……?」

ガタコト…ガタコト ……ガタコト…

友紀「ああ、この馬車の音は……タールトンさんの家か。よし、一時停止!」

サラブレッド「ヒヒーン、ブルル……」


保奈美「……?どうしたの、早くトゥエルヴ・オークスに行きましょう?」

友紀「もー、蹄の音が聞こえなかったの?…向こうから来てる馬車が見えるでしょ?

麗奈「……あら、タールトン家の連中の馬車じゃないッ!」

友紀「そ!おお、タールトン夫人は自分で手綱を握ってるよ…!いやぁ……あんなに馬の扱いが上手な女の人はあたしはタールトン夫人以外見たことないよ!」

聖「…うん……ネリーちゃんみたいに立派な馬も………他には知りません………」

保奈美「……………………………」

〜〜〜


愛結奈(ビアトリス・タールトン夫人)「やっぱりジェラルドさんたちだったわ!ネリーの言った通りね!」

ポニー(ネリー)「ヒヒーン!」

愛結奈「いい子いい子、あなたは本当に賢い子ね!ハァイ、ジェラルドさん!それにスカーレットにスエレンにキャリーン!それにあなたもね!」

サラブレッド「ブルルル……!」

友紀「おっはよー!ビアトリスさん!蹄の音が聞こえたからビアトリスさんだと思ったんだよねー!」

愛結奈「>>126

愛結奈「まあ、蹄の音と言えばワタシだしね!そういえば、今日はアシュレの結婚式だっけ?」

ありす(ヘティ)「違います。婚約発表パーティです。招待状にそう書いてあります。」ヒョコ

晴(カミラ)「バーベキューパーティじゃなかったのか?」ヒョコ

みりあ(ランダ)「どっちにしろ楽しいパーティだよっ☆」ヒョコ

千枝(ベッチー)「え、えっと………夕方からは舞踏会って聞いたような気がするんですけど……」ヒョコ

愛結奈「あら、そうだったかしら?」

友紀「あはははは!タールトンさん家の馬車はずいぶんと華やかだね!」

麗奈「アンタたち…その馬車に四人もよく詰まってるわね……」

晴「本当だよな……中はすっげぇギュウギュウ詰めだよ。」

聖「…おはようございます……私……みんなに会えて………嬉しいな………」

みりあ「私たちもとーっても嬉しいよっ♪えっと…一週間ぶりだねっ!」

ありす「いいえ、二日ぶりです。はぁ……こういう時に手帳は便利ですね。」

保奈美「……おはよう。(……早くアシュレに会いたいのに……お喋りはパーティですればいいじゃない……)」

愛結奈「…それにしても、随分とセクシーな格好してるわね?」

千枝「スカーレットさん……大胆で大人っぽいです………」///

保奈美「えっ……あっ……あ、ありがとう…」

愛結奈「ワタシとワタシののネリーも負けないぐらいセクシーだけどね☆ねえ、ネリー?」

ネリー「ブルルル……!」

愛結奈「オトコたちのシセンを集めるのなら負けないわよ♪ねえ、ジェラルドさん、ワタシもかなりセクシーでしょ?」

ありす「もう……やめてください。オハラのおじさんに色目を使うとお父さんに言いつけますよ?」

みりあ「お母さんだけオハラのおじさんをユウワクしてずるーい!ランダもやーるー!ランダもやーるー!」

晴「張り合ってどうすんだよ…?!もう、母さんはいい加減にしろよな!」

愛結奈「だって、ジェラルドさんがあんまりにも魅力的だから……」

友紀「あははははは、ありがとー!」

麗奈「アンタらバカでしょ……」

聖「…ふふっ……みんなのお話は…いつも面白いな………」///

千枝「わ、私たちにもチャンスをください…!お母さんったら、お母さんといたら私たち全員結婚できません…!」

愛結奈「うふふっ、自分のムスメにだって手加減はしない主義なの♪」

保奈美(……タールトン家の人たちは変わってるわ…こんな風に母親に姉妹の1人みたいに接するなんて………母親に対する態度って言うのはもっと………いえ、でも尊敬してない訳じゃないのは分かるわ……)

麗奈「ザコどもがピーピーうるさいのよッ!一番はアタシに決まってるでしょッ?!」

ありす「一番と言うのは何を基準にして言ってるんですか?そもそも公正な審査の計画なんですか?そうでなければ一番かなんて分かりませんよ、はい論破。」

麗奈「うっ…………あ、相変わらずアンタはウザいわねッ……!」

ありす「論理的と言ってください。」

ネリー「ヒヒーン!」

愛結奈「………うふふっ……ネリーったら………スカーレットを見てトリコにならないオトコはいない、ですって♪ネリーが言うんだから間違いないわ☆」

保奈美「>>133

↑周子「だ、誰か美嘉ちゃんに血ぃあげたって~!」美嘉「あの馬車…ふひ…ひ…★」(周子がビビるレベルの大出血)

保奈美「嬉しいけど、所詮馬の言うことだしね……一応ありがたく受け取っておくわ。(それに、そのセリフはアシュレに言われたいし…)」

愛結奈「所詮馬って言うのは聞き捨てならないわね!いい、馬って言うのは、特にネリーはとーっても賢いのよ?ねえ、ネリー?」

ネリー「ブルルル……!」

愛結奈「ネリーは人の言葉だって分かるし、そこらへんの給仕ぐらいなんかよりはずっと物分かりがいいのよ?そもそも、馬って言うのは…………」

麗奈「スカーレットのバカッ!何でよりにもよって馬の悪口を言ったらこの世で一番面倒な相手に言うのよッ!」

保奈美「あっ…………(アシュレの事しか考えてなかったわ……)

愛結奈「いい、ワタシは今までたくさんの馬を育ててきたからこそ分かるの。馬って言うのは愛情を持って大切に育てれば………………」

ありす「これは今までの経験から言うと、かなり長くなりますね…」

晴「母さんは馬の話をし出したら終わんねーんだよ……」

千枝「え、えっと……お、遅れちゃいますよ……?」

みりあ「もうお母さん置いていこっか☆」

聖「……そ、それは……かわいそうって……思います…………」

友紀「……スカーレット…」

保奈美「ご、ごめんなさい…………」

愛結奈「ネリーはワタシが大切に育ててきた子の中でも一番賢くて美しく馬なの……ね?この段階で『所詮』は馬じゃないのは分かるでしょ?」

保奈美「え、ええ…………(……つまらない失敗をしてしまったわ……えっと…………)」

周子「う、うわっ……?!誰かミカちゃんに血ぃあげたって~!!」

保奈美・麗奈・聖・ありす・晴・千枝「?!」

周子「あわわわ…………ど、どないしよ?!」

美嘉「あの馬車…ふひ…ひ…★」
ダクダクダクダク…………

周子「ミカちゃん、しっかりしい!」

美嘉「あ、アタシの生涯に……一片の悔い…………無し…………ふひ…………★」ダクダクダクダク……

保奈美「…………あの人たちは……?」

友紀「何か慌ててるみたいだね……ここら辺では見ない顔だけど…………」

みりあ「私ちょっと話を聞いてくるね。」ピョン タタタタタタ……

千枝「ら、ランダちゃ……?!」

みりあ「ねえねえ、お姉さんたち、どうかしたの?…何だか血塗れで大変そうだけど……」

周子「……!!あっ、えっと………アタシらアトランタから、あるパーティに招待されていく途中だったんだけど………」

美嘉「…ふ、ふひひ………★.……アタシ……あの馬車になりたい ………」

周子「……一緒に来たミカちゃんが………まあ……持病の発作を起こしちゃって………」

みりあ「……大丈夫……じゃないよね?」

周子「そ、そうなんよ!しばらく横にしてたら治るんだけど………はぁ……せめてウィルクスさんの家にさえ着ければ…………」

美嘉「ち、ちっちゃい女の子………ふひひ………★」

みりあ「………………………」

周子「…ちゃ、ちゃうねん……これは病気の症状で………アカン……このままだとミカちゃんがロリ=コーン病の発作で……!(うん、もしかしなくてもこの設定かなりひどいよね。……美嘉ちゃんはええんかな……、)」

美嘉(…この角度からだとみりあちゃんのスカートの中が……ハァ……ハァ……み、みりあちゃん可愛い、みりあちゃん!ふひひ……………★)

みりあ「ねえ、ウィルクスさんの家って言ったよね?あのね、私たちも今からそこに行くところなんだけど……」

周子「えっ?!連れて行ってくれるん?!」

みりあ「放ってはおけないし……いいよね、みんな?」

愛結奈「う、うーん……どこの誰かも分からないような人たちを馬車に一緒に乗せるのは…………」

周子「いやー、もーそんな立派な赤毛の雌馬……うわっ……よく見たら本当にすごい立派……が引いてくれる馬車に乗せてくれるなr…………」

愛結奈「ぜひ乗っていきなさい、ネリーなら二人増えたぐらいなんともないわ!うん、ネリーぐらい立派な馬ならね!」

友紀「>>142

↑(舞台袖の清良に助けの視線)

安価把握

登場人物が多くて分かりづらいかと思われます……申し訳ありません……

一時中断します

整合性などからなるべく60名程度に登場人物は抑えたいのですが…………

再開します

友紀「い、いいんじゃない?ほら乗りなよ。(褒めたから収まるといいんだけど………)」チラッ

清良(合ってるわよ、タールトン夫人は無類の馬好きだから。)コク

友紀(続投のサイン……サンキュー、清良さん!)

清良(その調子でお芝居がんばってね♪)
フリフリ

友紀「(バッチコーイ!)……コホン…具合が悪いお嬢さんを乗せるなら、安定した走力を見せるネリーの馬車がベストでしょ!……ね?」

保奈美「そうね!そ、それにビアトリスさんより馬車の運転がうまい人はいないもの!」

愛結奈「うふふっ、よく分かってるじゃない!ワタシより馬を愛してる人間なんて滅多にいないもの☆」

愛結奈「さあ、二人とも遠慮しないで馬車に乗っ……!」

ありす「あの………その………す、すみませんが…………ネリーのパワーは余裕だとしても………馬車にはこれ以上は入らないかと………」

愛結奈「………あっ…………」

麗奈「はぁ?!そんなの適当に押し込みなさいよッ!今さら一緒でしょッ!」

ありす「物理的に無理なんですっ!」

晴「じゃあ、オレ馬車から降りるよ。そしたら一人分空くだろ?ちょうど体を動かしたかったところだしさ。」

ありす「走ってパーティー会場に行くなんてはしたないです!」

晴「じゃあ、どうしろって言うんだよ?!」

周子「……あー……やっぱりジャマだった……かな……?」

美嘉「ふ、ふひ…………★……一緒に馬車……ハァ……ハァ…………」

愛結奈「そんなことはないわ!ネリーに出来ないことなんて無いんだから!……えっと…………」

聖「………あ、あの………………」

晴「はしたないとか言ってる場合かよ?」

みりあ「場所は問題ないよ。私と……ベッチーちゃんが降りるもん。」

千枝「ええっ……?」

麗奈「アンタバカァ?!馬車から降りるなんてレディのする事じゃ……」

みりあ「…おじさんたちの馬車にはまだ余裕があるよね?」

友紀「うん、農園を回るときに道具を詰まないといけない分、がね。」

みりあ「だから、私たちはそっちに乗って、ミカさんとシューコさんはネリーに連れて行ってもらう……っていうのはどうかな?」

聖「うん……それなら……全員乗れます………」

麗奈「えっ……それって最初からそこの二人をこっちに……もごもご……!」

保奈美(話がまとまりかけたのに蒸し返すんじゃないわよ、スエレンのバカ!)

美嘉「えっ…………一緒に乗れな…………」

周子「うん、こっちとしてもそれがいいかも。……そこの子たちといたら……多分ミカの発作がひどくなっちゃうから。」

美嘉「」

保奈美「はい、決まり決まり!それじゃあ、二人ともこっちに移って!キャリーン、少しだけ奥に詰めてくれるかしら?」

聖「…………はい……スカーレット…姉様…………」

愛結奈「うーん……何かがおかしい気がするけど……まっ、いいわ☆」

保奈美(はぁ……これでやっと……トゥエルヴ・オークスに行けるわ………)

舞台袖



清良「ふふふ……友紀ちゃんも含めてみんな頑張ってるわね。……はぁ……私の出番はまだかしら……なんて♪」

沙紀「…出番が待ちきれない気持ちは分かるっす!みんなのアーティスティックな演技を見てると、早くあたしもエンターテイメントしたい気持ちになるっす!」

加蓮「あはは!まあまあ、あたしと沙紀の出番はもうすぐだから。それまでの辛抱だよ?」

清良「うふふ……うらやましいわ。私のコールはまだかしら……」

沙紀「くぅ……待ちきれないっす!」

加蓮「…清良さんも沙紀も緊張とかしないんだね…?」

清良「>>154

清良「私は元々ナースで、命がけの緊張感が常にあったし、沙紀ちゃんは……ほら、デザインとかの〆切があるから……」

沙紀「いやー、それが単にあたしって緊張しないタイプなだけみたいなんす!」

加蓮「えっ、何それうらやましい!」

沙紀「あはは、こう……エンターテイナーとしてのワクワク感の方が緊張感によりずっと大っきいって言うか……と言うか緊張とかした事ないっす!」

清良「それはすごいわね……」

沙紀「あたしのちょっとした自慢の一つっす!パフォーマーは度胸で勝負っすから!」

沙紀「……って言うか、加蓮ちゃんだって緊張してるようには見えないんだけど……」

加蓮「そんな事ないよ、もう緊張しまくってるよ。……本当だよ?」

沙紀(どこがっすか……?)

加蓮「ただ単に手術の時の緊張に比べれば大した事ないってだけだし。……舞台で失敗しても最悪死にはしないじゃん、なんて……あはははは!」

清良「あらあら……うふふ…………」

沙紀(そ、その例えはガチすぎて笑えないっす………………)

加蓮「まあ、あの頃のおかげで変な度胸がついたのかも、あはは☆」

沙紀「…………う、うん……」

奈落の転落事故(ボソッ)

さんざん怪獣やらアンノウンやらと戦ってきて何が緊張だって気もする

清良「もし失敗しても医療ミスにならないって考えると、あんまり緊張しないのよね?」

加蓮「そう、そんな感じ!あはは、さすがはナースさん☆」

清良「ふふっ…………」

沙紀(なんと言うか……会話のレベルが高いっす……)

清良「うふふ、ありがとう加蓮ちゃん。今のでさらに緊張が解けてきたわ♪」

加蓮「……って、うわっ、自分の相談してたはずなのに…………?!」

清良「うふふふふ…………」


清良「さて、二人ともそろそろ出番じゃないかしら?トゥエルヴ・オークスにスカーレットたちが到着したわよ。」

沙紀「いよいよっすか…!……あたしの付け髭おかしくないっすか……?」

加蓮「ばっちり似合ってるよ。付け髭が似合うアイドル界のトップを目指せるよ?」

沙紀「そのトップは目指したくないっす……」

加蓮「あはは、冗談だって!…じゃ、行ってくるね♪」

沙紀「……ゴホン……『私は少し出かけて来ます。』」

清良「…ふふっ、行ってらっしゃい。」

トゥエルヴ・オークス屋敷



保奈美「……着いた…………トゥエルヴ・オークス屋敷!」

友紀「あははははは!スカーレットはよっぽどパーティーが楽しみだったんだね!」

保奈美「……ええ……とっても…♪(タールトン家の人たちは、さっきのアトランタの人たちと行ってしまったから……後は…………)」

麗奈「アタシにふさわしいパーティーだといいんだけどッ!」

聖「……人がいっぱい…………」

保奈美「>>163

↑そしてアシュレ……アシュレを探さないと……

保奈美「…ふふふ…見てなさいメラニー…目に物を見せてやるんだから……
…そしてアシュレ……アシュレを探さないと…………」

聖「………スカーレット姉様……?」

保奈美「ふふっ……ふふふ…………ああ、とても素晴らしいパーティーの楽しみ方を考えていたのよ。」

聖「そ、そう……………………」

友紀「あははははははは!若い女の子はパーティーが大好きだね!」

麗奈「大好きよ、アタシの素晴らしさを男どもに知らせてやる絶好の場所だもの。」

保奈美(…とにかくアシュレを探して……二人きりになる機会を………ああ……アシュレ…)

聖「…………………………」

比奈(南部紳士 ※特別出演)「やー、どもどもオハラさん、待ってましたよ。」

由里子(南部紳士 ※特別出演)「もう、遅いよジェラルドさん!とっくにみんな盛り上がってるじぇ!」

友紀「あっ、二人ともおっはよー!って言うかみんなもう飲んじゃってるの?!ズルい、あたしが到着する前に飲むな!」

比奈「あはは……無茶言わないでくださいよ…………」

由里子「あっはっは!まるで北軍の騎兵部隊みたいにやって来るのが遅いのが悪いじぇ!」

友紀「ふん、今から飲むからいいもん!遅れた分ぐらいすぐに取り戻すんだから!…………あっ、あたしはちょっと飲み歩……挨拶回りしてこないといけないから!」

保奈美「ええ、行ってらっしゃい!(そして……そのまましばらく話し込んでいてね。……アシュレと上手く行くまで……)」

由里子「おっほー!スカーレットちゃんは今日もきれいだネ!おじさんもうメロメロだじぇ!」

保奈美「ふふっ、ありがとうございます。(…早く行ってくれないかしら……)」

麗奈「……………………」

由里子「…あっ、スエレンちゃんも綺麗だネ!」

麗奈「……ッ……ありがとうございますッ!(…またスカーレットからだわッ!)」

由里子「キャリーンちゃんはキャワイイねぇ………見ているだけで癒されるじぇ………………」

聖「………………ありがとうございます…………」//////

比奈「もー、いい歳して何やってんスか……」

由里子「素敵なレディを見たら声をかけたくなるのは紳士の習いだからね、仕方ないじぇ!……ジェラルドさん、娘さんを………」

友紀「神さまの寝間着め!お前なんかにー……うちの娘はやらん!……なんちゃって、あははははははは!!」

比奈「もう奥さんと娘さんいるじゃないっスか…」

由里子「てへぺろ。」

保奈美(早く行って!……アシュレが人ごみに紛れちゃうじゃない!)

麗奈「>>169

(フン……スカーレットの奴、何か他のこと考えてるみたいね。なら……)

麗奈(フン……スカーレットの奴、何か他のこと考えてるみたいね。なら……)

由里子「あ!そう言えば思い出したんだけど昨日南部同盟がまた北部の砦を攻め落としたらしいじぇ!えっと………」

比奈「サムター要塞。」

由里子「そ、そ、サムター要塞を………」

友紀「あははははははは!あたしはもう昨日のうちに祝杯をあげといたよ!」

保奈美(戦争の話……!ここで始めないでよ……朝までだって話してるんだから……!)

麗奈「………………………………」

保奈美(ああ……どうしましょう……スエレンとキャリーンも追い払わないといけないのに………)

麗奈「ゴホン、あんまり既婚者が若い娘の近くにいると疑われても知りませんがッ!さっさと、どこかに行かれてはどうですかッ……!」

比奈「うっ……返す言葉が…………」

由里子「ヒェー………痛いところ突いてくるじぇ……!」

聖「……す、スエレン姉さ………」

友紀「スエレン、もうちょっと優しく言えないのか?

聖「…………あう……」

麗奈「アタシは事実を言っているだけなんですがッ!何か間違ってるッ?!」

比奈「あはは……痛くもない腹を探られる事になっちゃ確かに困りまスからね…………」

由里子「まずあそこさぁ、テラスあんだけど……話して行かない?」

友紀「その方が思いっきり飲んで話せるしね!よーし、じゃあ行軍開始ー!あははははははは!」スタスタスタスタ……!

由里子「まったねー!……それで南部同盟ガー………」 スタスタスタスタ……!

比奈「あはは……失礼しまス。」
スタスタスタスタ……!

保奈美(……!やっと消えてくれたわ!……スエレンは何のつもりで………)

麗奈(クックック………スカーレットが何を考えてるか知らないけど……これはチャンスだわッ!)

保奈美「…………………………」

麗奈(スカーレットは別の事に気を囚われてる………つまり、このパーティー会場でアタシが一番目立つチャンスじゃない。)

聖「……戦争のお話…………ちょっと怖いな………男の人…………戦争のお話ばっかり…………)

麗奈(キャリーンはこんなな上にお子様でお話にさえならないわッ!クックック……ここでスカーレットより男どもを支配下にさえ置ければ、アタシの方がスカーレットより優れているって事がやっと証明できるわッ!)

保奈美(…………ああ……なるほど。……ふふっ……そういう事ね。)

麗奈(クックック……アーハッハッハッハッゲホゲホッ……スカーレットがマヌケなおかげで…………)

保奈美(スエレンが馬鹿なおかげで………)

麗奈・保奈美(助かったわ。)

麗奈(あーあ……スカーレットの間抜け面を想像したら笑えてきたわ!アーハッハッハッハッゲホゲホゲホッ………)

保奈美(……なんて考えてるんでしょうね。はぁ……馬鹿なスエレン。私の目的も計画も、何一つ分からないなんて。男の人たちなんかこっちからアシュレ以外願い下げだって言うのに。)

聖(……バーベキューのお肉……姉様たちに、とってきてあげようかな…………)

麗奈「スカーレット、今日は楽しいパーティーになりそうねぇ!」

保奈美「ふふふ……そうね。(考えが浅すぎて同情すらしちゃうわ。)」

聖「>>176

一時中断します

……? 客席にあの子の気配……

脳内でもむせるレイナ様w

舞台ならこれもセリフなんじゃ(1人だけにスポット当たって他停止してる的な

再開します

聖(………?……客席に…あの子の気配………)

麗奈「アーハッハッゲホゲホッ…!アンタと気が合う事もあるのね!」

保奈美「本当ね。ふふっ、一応は姉妹と言う事かしら?」

聖(…………見に来て……くれたの………………?………………そう………………ありがとう…………)

麗奈「キャリーン、アンタは適当にいい感じに何かしてなさいッ!ジャマすんじゃないわよッ!」

聖「…は、はい…………!(……なら…見ててね…………?)」

観客席



観劇客7「…うう……………」グググ………ゴッ

観劇客7「……あっ、すみませ……!」

空席「………………………………」

観劇客7「……空席…………?」

空席「………………………………」

観劇客7(………?……今背伸びをした時に確かに誰かに当たった気がしたんだが…………………まあ……いいか。)

空席「………………………………」

観劇客7「芝居を見逃したら大変だからな。」

空席「…………………………………」

トゥエルヴ・オークス屋敷



保奈美(……はぁ……どうしてこうなっちゃうのよ……!)

有香(南部青年)「お肉を取ってきました!さあ、どうぞ食べてください!」

みちる(南部青年)「あ、これうちの農園の畑の小麦で作ったパンなんですけど………」

保奈美「え、ええ………」

法子(南部青年)「この料理はドーナツ
と言ってですね………」

麗奈(………どうして…ドイツもコイツも………スカーレットッ!)ギロッ!

保奈美(……そう睨まれたって困ってるのは私なのよ……)

保奈美(……早くアシュレと……メラニー…を探しに行かなきゃいけないのに、こんな風に取り囲まれたらどうしようもないじゃない……)

有香「あ、ひょっとして食べづらかったですか…なら、切り分けてあげましょうか?」

みちる「今年の春小麦上手に出来たと思うんですよねー。見てください外はパリッと、中はモチっと……」

法子「いいですか、ドーナツは完全食なんです。つまりドーナツだけを食べていればいいわけで、あたしはこれを軍隊食に推薦してるんですが………」

保奈美「あ、あの……私は大してお腹は空いてないんだけど………!(あなたたちには用はないのよっ!)

聖「………皆さん………スカーレット姉様は……その………………」

有香・みちる・法子「まあそう言わずに…!」

保奈美「…………っ……!!」

保奈美(はぁ…怒鳴り散らせばいいなくなってくれるかしら……?でも……そんな事をしたらアシュレに聞かれるかもしれない……ああ……アシュレ………あなたはこの屋敷のどこに………」

櫂「あはははは、それは実に興味深いね…!」

保奈美(……!!)

櫂「そんな見方もあったのか……なるほど、なるほど……」

保奈美(…………居た……!この弾けるような……少年みたいに無邪気な笑い声……!これは……アシュレしかいない……!…誰かと話してるみたいだけど相手は…………………」

加蓮(メラニー)「ふふっ……でしょ?きっとディケンズみたいな人なのよ…!」

保奈美(………………メラニー…!!)

加蓮「>>186

(スカーレットをチラ見して)……アシュレ、ちょっといいかしら?

加蓮「……………」チラッ

保奈美「………………………」

加蓮「……アシュレ、ちょっといいかしら…?」

櫂「何だい?……ああ、メラニーはフランス文学の方が好みだったかな?」

加蓮「いえ、そうじゃないの…………あの…スカーレットと…………」

保奈美「……………?!」

櫂「スカーレットがどうかしたのかい…?」

保奈美(…あっ、私の悪口でも言うつもりなのね!何て女なのかしら!)

加蓮「……………その……私たちはこれからも好きなだけ話せるんだから………(…スカーレットがこっちを見てる……きっとアシュレと話したいんだわ……)」

櫂「そうだね、僕たちは結婚して夫婦になるのだから。でも、だからと言って今お喋りを楽しんではいけない理由にはならないて思わないかい?」

加蓮「そうじゃないの……えっと…………………………」

保奈美(…ああ……あのメラニーの白い肌をひっかいてやったら
、どんなにすっきりするかしら…!)」

加蓮「………………………………」

櫂「……………?」

加蓮「…スカーレットとお話をしてきたら?……ほら、せっかくのパーティーなんだから私とばっかり話しててもつまらないでしょう?」

保奈美(メラニー……!私にお情けをかけてやろうって言うの?!メラニーの分際で!)

加蓮「だから…………ね?その…スカーレットみたいな綺麗な人と…………」

櫂「あははは……スカーレットは僕なんかよりずっと素敵な男性たちに囲まれているじゃないか。僕が行ったって邪魔なだけさ…」

保奈美(………!!違うのアシュレ……!私が話をしたいのはあなただけなの…………!)

櫂「それに、メラニーを一人にする訳にはいかないしね。大丈夫だよ、メラニー。僕は君と居るのを心底楽しんでる。」

加蓮「ありがとう、アシュレ……でも………………」

櫂「(メラニーはまだ、スカーレットのような女性が僕の好みだと思っているのだね……安心させてあげないと……)君だって十分魅力的だよ、綺麗な瞳、白い肌、何より僕たちは性質がよく合う。」

保奈美(瞳も…肌も……私の方が美しいのに…!私はスタイルだって良いし、ダンスだって踊れるわ!)

加蓮「………褒めてくれるのは嬉しいけど……それよりも……ゴホゴホッ……!」

櫂「メラニー!今すぐどこか人が少なくて静かな場所に行こう!」

加蓮「…わ、私は大丈ぶ……ゴホゴホッ……!……ゴホッ……!」

保奈美(卑怯だわ!アシュレがいくら優しいからって、具合が悪い振りをして同情を引くなんて!)

加蓮「ゴホッ……ゴホッ……ゴホゴホッ……!(こんな時に……!)」

役者は演技に命を懸けるというが…

櫂「えっと……よし、あっちの方で少し休もう。……じっとしてて。」ヒョイ

加蓮「…ゴホッ…………アシュ………………」

櫂「パーティーからはしばらく抜けさせてもらおう…」

保奈美(……!!アシュレが行ってしまう!……そしたらチャンスが………!」

櫂「涼しい場所で横になっていれば楽になるはずだからね。」スタスタスタスタ…

加蓮「うう…………ゴホゴホッ……」

保奈美(…………アシュレ……待って、アシュレ……!)

櫂「…メラニーは僕が守るからね。」
スタスタスタスタ…

保奈美「ああ…………」

みちる「どうしましたか?……はっ、まさか大麦パン派でしたか……?!」

保奈美(………行ってしまった…………)

法子「パーティーで疲れてしまいましたか?なら、ドーナツを…………」

保奈美(……………………………………)

有香「お肉切り分けましたよ!一口大にしてみました!」

保奈美(……………………………………)

聖「………………………………」

保奈美(…………アシュレ……)

保奈美(……………一体…………どうすれば……………………)

???「………………ふふっ…………」

保奈美(………………あの男の人……確かに今、私を見て笑ったわ…!)

???「………………………………」

保奈美「…………(……私が惨めって事に……気付いているんだわ…………)」

有香「…………スカーレットさん…?」

保奈美「>>196

あなたは誰なの!?

保奈美「……あなたは誰なの!?」

有香「あ、あたしは………!」

保奈美「ああ……しまった…!そうじゃなくて……今の…今の男の人は誰なの…?!」

みちる「今の男の人……?誰ですか、それ……?」

保奈美「あの……あの……あそこにいる何だか恐ろしい男の人よ…………!」

法子「………ひょっとして、あの男の事ですか?…………あの人は確か…レット・バトラーとか言う人ですよ、スカーレットさん。」

保奈美「レット……バトラー…………」

沙紀(レット)「…………ふふふ………」

保奈美「…………どんな人……なの……?」

法子「…何だかとっても評判の悪い男の人ですよ。」

みちる「あんな人には絶対パンをあげたくないです。」

有香「今すぐ正拳突きを食らわしてやりたいぐらいです!オリャーッ!」

保奈美「…大した嫌われようね……あなたたちは、どうしてそんなにあの人が嫌いなの?」

みちる「言うまでもありませんよ。あのバトラーとか言う人は紳士じゃないからです。」

法子「生まれはチャールストンの良い家柄らしいですけど、その家族の人たちはあの人とは口もきかない……とか。」

有香「ウェスト・ポイントの士官学校を追い出されもしたそうです!士官学校を追い出されるなんてよっぽど悪いヤツに決まってます!」

みちる「他にも結婚しなきゃいけない令嬢と結婚しなかったらしいです。」

保奈美「どういう事……?」

みちる「知らないんですか?まあ、知らない方がいいです。聞いたら卒倒しちゃいますよ!」

法子「キャリーンちゃん……はちょっと席を外してくれる…?」

聖「…………は、はい…………」
テコテコテコテコ…

法子「………………………………」

保奈美「…キャリーンが居たら話せないなんてどんな話なの?」

法子「ドーナツが美味しくなくなるぐらいの話です!何でもある時…どこの誰かは知りませんが……ある令嬢を夕方近くに馬車に乗せて森に出かけたらしいんです。」

みちる「それでどうなったと思います?あの男ったら一晩中帰ってこないで、明け方になってからその令嬢と2人で歩いて帰って来たんです。馬が暴れて馬車が壊して森の中で迷ってしまった……って言ってるらしいですけど、…………何があったと思います?」

保奈美「想像も付かないわ。話してみてよ。」

みちる「何とその令嬢と結婚しなかったんです。信じられますか?」

保奈美「……ああ、そうなの。(……別に大した話じゃないじゃない。)」

みちる「何もしてないのに、何で結婚しなきゃいけないのかって言うんだそうです。紳士なら責任を取るのは当たり前じゃないですか。」

保奈美(…何もしてないんだったら、何も責任は取らなくてもいいと思うわ。……南部のルールが面倒なのよ。)

有香「それでその娘さんのお兄さんがバトラーを呼びつけると、バカな娘と愛のない結婚をするぐらいなら銃殺された方がマシだって鼻であしらったんです!何て男でしょう!」

保奈美(…愛のない結婚より銃殺がマシ……って言うのは賛成ね。……かわいそうなアシュレ…………)

有香「それでとうとう決闘する事になって、そしてバトラーはその娘さんのお兄さんを撃ち殺したんです!許せません、オリャーッ!」

保奈美「まあ…………それは怖いわね……」

みちる「それで、チャールストンには居られなくなって社交界からも締め出しを食らったらしいです。フゴ……フゴゴ……ゴクン!あの人はならず者です!」

保奈美(……バカな娘と結婚しなかったのは偉いと思うけど………少なくとも南部の男の人にはそんな大それた事は出来ないわ。)

法子「バトラーにドーナツみたいに穴が開けば良かったのに。」

沙紀「………………………………」

保奈美(…………レット・バトラー…………)

沙紀「……………………」ニコッ

保奈美(…………!今度は私に微笑みかけてみせている…………)

沙紀「…………………………」ニコニコ

保奈美「>>205

ちょっとあなた(バトラー)、さっきからニヤニヤこっち見て何のつもり?

安価把握

取りづらい安価ばかりで申し訳ございません……

一時中断します

シリアス安価は難しいけど、その分ストーリーに大きく影響するから気合い入るよね。

>>157
あばらが2、3本行くだけで済みます
(漫画的表現)

>>158
仮面ライダーだってデートでは緊張する
つまり、そういう事

>>177
むせないレイナサマなんてメガネ抜きの【あの人】

>>178
素の時は脳内、芝居口調の時は心情セリフ…………と見分けてください……………………

>>191
え、演技ですから………………たぶん……

>>207
ありがとうございます……>>1も励みになります……



再開します

保奈美「…ちょっとあなた…さっきからニヤニヤこっち見て何のつもり?」

有香・法子・みちる「?!」

沙紀「…………………」

保奈美「……ねえ、聞いてるの?そこのあなたに質問をしているんだけど。」

沙紀「ふむ……お嬢さん、まさかとは思いますが『そこのあなた』とは私の事ですか?」

保奈美「……他に誰が居るっていうの?」

沙紀「これはすみません。このパーティーに参加してから、どなたにもお相手にしていただけていなかった物ですから。」ツカツカツカツカ

保奈美「………………………………」

沙紀「いやぁ、これは光栄の至りですね。まさか、私のような者が南部の立派なレディに話しかけていただけるなんてね。」

有香・みちる・法子「………………」

沙紀「私の顔に何か?ああ、すみませんねぇ!『紳士』の方々の『ルール』は分からないもので。」

法子「あっ……いや…………」アセアセ!

有香「え、えっと……………」アセアセ!

みちる「…それは…………その…………」アセアセ!

保奈美(……全員さっきまであんなに息巻いてた癖に…………)

沙紀「………………ふん…」

沙紀「それで、『美しく』、『気高く』、『誇り高く』、『品性を兼ね備えた』お嬢さん。」

保奈美「……お世辞なら間に合ってます。」

沙紀「そうですか、私もお世辞を言うのは苦手なので助かります。」

保奈美「………………っ…………」

沙紀「では改めまして、お嬢さん。私に何の用ですかな?」

保奈美「用なんか一つしかないに決まってるじゃない…!…さっきから私をニヤニヤ見て何のつもりかって聞いてるのよ!」

沙紀「おや?美しい花を見て笑みがこぼれるのは当たり前ではありませんか?」

保奈美「茶化さないで…!」

沙紀「……………」ヤレヤレ

保奈美(…………っ!一々腹の立つ男ね……!)

沙紀「はぁ、半分ほど本気だったんですがねぇ?」

保奈美「いいから早く理由を言いなさい!(…こんな態度を私に取る男の人なんて初めてだわ…!)」

沙紀「ふふふ……若い女性はせっかちでいけない。待つ事も時には重要ですよ?」

保奈美「…………………………」ギロ

沙紀「おお、怖い怖い!これは正直に話さざるを得ないようですなぁ。ふふっ…………」

保奈美(何なのよ、この男は……?!)

沙紀「ふふふっ…………」

沙紀「白状しましょう。私は頭の良い女性が好きでしてね、つい、見かけると頬が綻んでしまうんです。」

保奈美「…ど、どういう意味よ………?」

沙紀「ははははは!ご冗談を……あなたはパーティーの最初からずっと計算を行なっていたではありませんか。何のとは言いませんが。」

保奈美「…………?!(やっぱり…………気付かれていた…………?!)」

沙紀「いやはや、尊敬に値しますな。ふふっ………あなたは、南部の女性には珍しいタイプのようですねぇ。」

保奈美「……っ………!何が言いたいのよ………………?!」

沙紀「>>215

なら教えてあげましょう。……こういうことですよ!
(ズキュゥゥゥンとキス)

沙紀「なら教えてあげましょう。……こういうことですよ!」ズキュゥゥゥゥン!

保奈美「〜〜〜?!」

有香・法子・みちる「?!」

沙紀「……ふふ………私はならず者ですか…………」パァン!

保奈美「ハァ……ハァ…………何するのよ?!……こ、この……恥知らず!」

沙紀「否定はしませんよ。……痛た…あなたが聞いてきたから教えて差し上げたのに………」ヒリヒリ

保奈美「………っ……!!!」

みちる「な、何て礼儀知らずな人なんですか……?!……あ、ありえません………!」

法子「何をするんだ?!……い、い、いきなりアンタは……!」

有香「す、スカーレットさんから離れろ…!じゃないと……!」

沙紀「何故怒るんです?あなた方としては話の種が増えて結構な事じゃないですか?」

みちる・法子・有香「……っ?!」

沙紀「私は『紳士』ではありませんから。それとも、乙女の唇を奪ってはいけない法律でもあるのですか?」

みちる・有香・法子「………………」

保奈美「……い、今すぐ……私の前から消えて……!さ、さもないと………さもないと………!」

沙紀「ボーイフレンドにでも言い付けますか?」

保奈美「………っ!!……あ、あ、あなた………!」

沙紀「あっはっは、言われなくても消えますよ。決闘を吹っかけられたらたまりませんからねぇ!では、さようなら。……ふふっ…………」スタスタスタスタ…

保奈美「……………はぁ…………はぁ…………はぁ……………………ああ………(……何なのよ…………一体………………)」

有香・法子・みちる「スカーレットさん………!」

保奈美「……………………っ…………」

保奈美(……アシュレは行ってしまうし……得体の知れない男にはキスを奪われるし…………ああ……もう……!)

有香「今すぐ追いかけて正拳突きを……!」

法子「ドーナツとおんなじ穴を……!」

みちる「小麦みたいに挽いて粉に……!」

保奈美「あなたたちも一緒よ!みんな……みんなどこかに行って!」

有香・法子・みちる「えっ………」

保奈美「ああ……ごめんなさい……!えっと……しばらくお願いだから一人にさせて…………」

有香・法子・みちる「………………」

屋敷 樫の巨木の木陰



保奈美「…………はぁ…………とっさにここに来てしまったけれど………………まったく……とっさになんて日よ…………」

保奈美「………最悪だわ……………」

保奈美「………………………………」

保奈美「……………どうして……私がこんな目に遭わなくちゃならないの………………?」

保奈美「…………もう…………嫌…………………何から何まで………………」

珠美(チャールズ)「あの…………スカーレットさ…………」

保奈美「……誰っ?!」

珠美「ひっ…………?」

保奈美「…………ああ…………チャールズ………驚かせてしまってごめんなさい……」

珠美「い、いえ……僕も悪かったですから…………」

保奈美「(落ち込んでる所を誰かに見られたら死んじゃうと思っていたけど……チャールズならいいかしら…?ええ……だってチャールズですもの)………何、チャールズ…?」

珠美「……あっ……えっと………す、スカーレットさんが…何か落ち込んでいるように見えたので……その………」

保奈美「………ありがとう。…心配してくれて。」

珠美「……!(スカーレットさんが僕にお礼を……!)た、大したことでは…………えへへ………」///

保奈美(……ちょっとお礼を言っただけでデレデレしちゃって……相変わらず子供ね。そんなだから一人前に見てもらえないのに。)

珠美「>>224

演技の上では怒ってたけど、内心はドキドキ?

安価は、(えへへ…///スカーレットさんに誉められた///これって、もしかして脈あり……!?)

>>223
西川さんは演技なら「マイスウィートハニー」ぐらいは余裕で言える人…………つまり………………




珠美(えへへ…///スカーレットさんに誉められた///これって、もしかして脈あり……!?)

保奈美(…コリー種の犬みたいに喜んでるわ。………そうよ、アシュレとあのバトラーとか言う男が特別なだけで、私が声をかけた時の正しい反応はこれよ!)

珠美(えへへ………えへ……勇気を出して話しかけてみてよかったな………いつもはあんまり構ってくれないから………大人として見てもらえてないのかと思ってたけど……………)///

保奈美「……ふふっ……困ってるときに声をかけてくれるなんて、チャールズは優しいのね。」

珠美「…そ、そんな………紳士として当たり前です………えへへ………」///

保奈美「(……楽な物ね。張り合いがないくらい。でも……私に魅力がないわけじゃない事は分かったわ。)」

珠美(どうしよう……いつも読んでる恋愛小説みたいな展開に………)///

保奈美「………………………………」

珠美「あ、あ、あ、あの…………!(こういう時は…………えっと……何かロマンチックな言葉を…………はわわ…………!)」///

保奈美(すぐに会話に詰まっちゃって……つまらないわ。……アシュレならすぐにロマンチックな事を言ってくれるのに……)

珠美(え、えっと…………えっと…………あう……はわわわわ…………)//////

保奈美(……まあ、アシュレと比べるのは可哀想かしら。……アシュレの妹のハネーの婚約相手だから……将来は親戚になるにしても……ねぇ…………)

珠美(な、何を話したらいいんだっけ……?ああ……こういう時に言葉が出てこないから…………せっかくスカーレットさんが……なのに………………)//////

保奈美(オドオドしてて、まるで屠殺場の牛みたい。……はぁ…………)

保奈美「(まあ……チャールズのおかげで自信……は失ってはいないけど……取り戻せたし……)あなたみたいな人が一緒に居てくれたら……心強いかもしれないわね。」

珠美「…………?!」//////

保奈美(……これぐらいは言っておいてあげましょう。義務は果たしたわ。)

珠美「あ……あ…………(スカーレットさんは…………はわわわわわ…………!!)//////

保奈美「(……何をやってたんでしょ。……アシュレはまだ屋敷の中にいるんじゃない。……よし、チャールズなんかに構ってる暇はないわ。)

珠美(……はわわ………………)//////

保奈美(……はぁ…………まるっきり子供。)

屋敷 中庭



保奈美(アシュレ……アシュレ……アシュレは…………)

友紀「そんな事あり得ないよ!北部との決着を戦争以外で決めるなんて!もうサムター要塞で勝ち星をもぎ取っちゃったんだよ?」

保奈美(…………お父さん………ああ……戦争の話に釘付けなのはありがたいけど………………)

友紀「北部との平和的解決?そんなの向こうに勝ちを譲ってもらったみたいじゃん!ちゃんと実力で勝たないと!」

保奈美(……よくまあ……あんなに飽きずに話せるわね…………)

友紀「どうせ戦争が始まれば勝ちは当確なんだからさ!」

未央(ジョン・ウィルクス)「あー……ごほん………ううん……その話はご婦人方にはいささか退屈ではないかと……:

友紀「サムター要塞!ここからVやねん!」

由里子「(北部)もう許さねぇからなぁ(豹変)!」

比奈「もう何も怖くないって言いまスか……勝てまスよ、これは。」

友紀「一人の南部紳士は北軍1チームに匹敵するからね!いや、もう……戦っちゃっていいの、逆に?」

未央「……あー……そう言えばこの前の狩りで………」

友紀「そうそう、狩猟の名人ばっかの南部紳士が負けるわけないんだよなぁ……」

未央「………………あ、はい………」

保奈美(……男の人って…………)

櫂「紳士諸君、もしジョージア州が戦うなら僕だって戦います!その為に騎兵隊にだって入ったのですから!」

保奈美(………?!アシュレ……!!)

南部紳士「おお………!!」ドヨドヨ

櫂「……ですが、僕もまた父と同じく、出来るなら平和的な解決を……戦争が起きない事を望んでいます…………」

未央「……ごほん、アシュレの言うとおりですぞ!戦争なんてしないに越した事は無いでしょうに…!」

櫂「>>232

そのために僕はヨーロッパで学び、そして完成させました。戦争を終わらせるための最後の抑止力……ピニャコラドール様を象った機械人形を!

珠ちゃん死んでまうん?

安価把握

>>233
珠ちゃんは犠牲になったのだ……
物語の展開上、キャラの死亡などが……と言うか……「風と共に去りぬ」に登場する男性はかなり…………
不快な思いなどをされましたらすみません…………

>>1の遅筆が深刻です……

お休みなさい

まあ逆にアイドルの死亡シーンなんてこんな機会でもないと見れないし、架空だから安心して観れるし。
彼女らが死をどのように演じるのかには大いに興味があるので期待してますよん

南部:農業中心 貴族主義的
北部:工業、商業中心 資本主義的

以上が南部と北部の主な違いです
これを頭の片隅に留めておいてください


再開します

櫂「確かに…ジョージア州騎兵隊が勇敢で精強なのは知っています!ですが…それだけでは北部とは戦えません!……北部はすでに機械人形を大量投入しているとも…………」

有香「そんなの北部が臆病なだけです!機械人形、と言うのはよく分かりませんが、自分の拳で戦ってこそだと思います!」

悠貴(南部紳士)「え、えっとっ……機械に頼るなんて……何だか卑怯な気がしますっ……」

乃々(南部紳士)「機械は信用できないんですけど………というか…北部が何をしたところで、一緒だと思うんですけど…………」

櫂「……………っ…………(…ここの人たちは……工業の…北部のすごさを理解していないんだ…………)」

保奈美(みんなひどいわ!どうしてアシュレの話を聞いてあげないのよ!)

未央「あー……み、皆さんの気持ちも分からないではありません…!ただ、今だけ息子の言う事を聞いてやってください!…………アシュレ。」

櫂「…………は、はい……」

>>238の前にお願いします…………


櫂「そのために僕はヨーロッパで学び、そして完成させました。戦争を終わらせるための最後の抑止力……ピニャコラドール様を象った機械人形を!」

南部紳士「………………」ドヨドヨ

櫂「…僕の持てる技術の全てを注ぎこんで作りました……ああ、機械人形と言うのはですね…………」

みちる「そんな物になんか頼らなくたって、南部同盟には無敵の騎兵隊があるじゃないですか。」

法子「機械なんて北部の人たちが使う物だよ。そんな物には頼りたくないな。」

南部紳士「…………」ドヨドヨ

櫂「…皆さん、少しで構いません!僕の話を聞いてください!」

保奈美「………………………………」

櫂「……紳士の皆さん!僕は……ヨーロッパで様々な物を見てきました!…北部に対する抑止力になるのは…使いたくはないですが………機械人形だけなんです!信じてください!」

比奈「…そんな物があるなら攻め込めばいいじゃないっスか。」

由里子「抑止力?なんかに使う意味が分かんないじぇ。」

櫂「…………っ……!戦争をして、何が得られると言うのですか?!世界の悲惨さの大半は戦争が原因です!そして、戦争は終わってみれば何のために戦ったか誰にも分からなくなるのが常なんです!」

友紀「何のため?そんなの栄光ある南部同盟のためじゃん!アシュレ……君だってジョージア州のためなら戦うって言ったじゃん!」

櫂「……そうでは……ないのです…………!」

櫂「焼けた大地を見てからでは遅いのです……考えてみてください皆さん…北部の人たちだって同じアメリカの人間じゃありませんか……相手の立場になって考えてはみれませんか…?」

乃々「ほ、北部の人たちとわかり合うとか……むーりぃ………………」

櫂「…僕は……!……僕は自分が北部の立場だったら、今の北部と同じ対応を取らざるを得まいと思います……あなたたちは……唯々諾々として、分離を認めますか?!」

保奈美(…また、相手の立場に立って考えるのね……正しい方はどちらかしかないのに。)

南部紳士「……………」

未央「………………………………」

櫂「……皆さん……戦争は…人が死ぬんですよ……?なのに……どうして……!」

沙紀「……紳士諸君、一言言わせていただけますか?」

保奈美(……レット・バトラー……!!)

南部紳士「………!!」ドヨドヨドヨドヨ

沙紀「…あなた方の中に北部の工業力について考えられた事のある方は一人でもおられますか?南部の製鉄所の少なさについては?我々には一隻たりとも軍艦がない事については?」

櫂「………………………………」

沙紀「ああ、すみません。ここにおられる紳士諸君はそんな単純な事は、とっくに熟慮されたに違いない。いやぁ、これは失礼しました。」

南部紳士「……………っ………!!」

沙紀「>>244

それに……彼の言葉に水を差すつもりはありませんが、北部はすでに火を吹く巨大な機械人形をも実用化させているんですよ。そのピニャコラドールとやらでも太刀打ちできるか……

沙紀「それに……彼の言葉に水を差すつもりはありませんが、北部はすでに火を吹く巨大な機械人形をも実用化させているんですよ。そのピニャコラドールとやらでも太刀打ちできるか……」

櫂「…………っ……………………」

沙紀「他にも空を飛ぶ機械人形、海を割る機械人形、様々の物が実用化されています。この数年来、私はチャールトン生まれでありながら、北部で暮らして参りました。その間に見聞きした情報だから確かな物ですよ?」

友紀「そ、そんなの怖くないもん!……そ、そもそもそんなのがあったら
サムター要塞に投入したはずじゃん!」

由里子「満足な兵力すらなかったそうじゃん?!」

沙紀「捨て試合って知りませんか?別に北部にとってはあんな要塞幾らでも建造できますからねぇ。あ、わざわざ言うまでもないとは思いますが。」

沙紀「それとも、まさか、あんな辺境の砦を落とした事に意味があると本気で思われておられるんですか?北部を挑発する意味はありましたから、まるっきり無意味とは言えませんでしたが。」

比奈「こ、ここから快進撃が始まるんでス!」

沙紀「機械人形相手に騎兵隊と歩兵隊と……少々の砲兵隊で?ふむ、紳士諸君なら可能なのかもしれませんね。私ならいくら積まれたってごめんですが。」

有香「……つまり、あなたは北軍には勝てないって言いたいんですか?!」

沙紀「はい。勝てるわけがないじゃないですか?」

南部紳士「……………………………」
シーン……

沙紀「………………………………」

保奈美(………あの男ったらハッキリ…………)

沙紀「北部には工場、製鉄所、造船所、鉄鉱に炭鉱…全て南部は持っていません…があります。南部が持っているのは綿花と奴隷と驕慢だけじゃないですか。彼らが我々をやっつけるのに一ヶ月もかかりませんよ。」

南部紳士「…………………………」

沙紀「ウィルクスさん方も私と同意見だと嬉しいのですが。」パサ ポンポン

櫂「……………………………………」

未央「………………ううむ…………」

沙紀「失礼、袖に塵がついてしまっていたもので。」

南部紳士「………………っ!!!!」

友紀「誰だか知らないけど……!南部が負けるなんてそんな訳ないじゃん!」

由里子「何だその偉そうな……すわわっ!マジムカツクなこいつぅ……」

比奈「言っていい事と悪い事がありますスよ!」

有香「あなたは正拳突きをされたいとしか思えません!!」

法子「北部の人たちに小麦畑を奪われてドーナツが食べられなくなってもいいって言うの?!」

みちる「フゴ……!フゴゴゴゴ…………!ゴクン……!これが3秒後のあなたの姿です!」

乃々「そんな事を言うとか……信じられないんですけどぉ…………!」

沙紀「………………ふむ…」

悠貴「………………さ、さっきから聞かせてもらってましたけどっ……!」
ツカツカツカツカ…!

沙紀「はい、何でしょうか?」

悠貴「南部が負けるなんて……どう言うつもりで言ってるんですかっ?!」

沙紀「ナポレオンは『神は最強の軍隊に味方する』と言いました。つまりはそういう事ですよ。」

悠貴「…………っ!」

沙紀「ああ、ジョンさん。図書室を見せてくださるそうでしたね。ではお言葉に甘えさせてもらって拝見させていただいてきます。」ペコッ

未央「………………………………」

沙紀「ご傾聴ありがとうございました、紳士の皆さん。」フカブカ……

南部紳士「………………………………」

沙紀「ふふっ…………ははははははは……!」スタスタスタスタ……

保奈美(……………………………………………)

昼下がり 屋敷 ホール




保奈美「………レット・バトラーとか言う男……あいつは今まで出会った中で最低最悪の人間だわ…………」

保奈美「………このパーティーが終わったら二度と会いたくないわ!あれなら周りから嫌われて当然よ!」

保奈美「……………………ふぅ………………」

保奈美「……嫌な事に頭を使うのはこれぐらいにしましょう……だってもうすぐここには……」

櫂「…………おや、スカーレットじゃありませんか?」

保奈美「…………アシュレ……!(ここで待っていて正解だったわ…!)」

櫂「こんなところで何をしているんだい…?」

保奈美「>>253

あ、あのね…その、あなたに話があるの…

保奈美「…あ、あのね…その、あなたに話があるの………」

櫂「僕に話…………?」

保奈美「ええ……とても大事な話よ……とても大事な………大事な話なの……………」

櫂「……………そんなに大事な話なら、もう少しして今日が色々と一段落してから…………」

保奈美「今じゃなきゃダメなのよ…!その…………とにかく…………(……この近くで人のいない所は…………)……着いてきて。」

櫂「…………わ、分かったよ……」

保奈美「………………………………」

屋敷 図書室



保奈美(ここならいいでしょう……こんな本ばかりで息が詰まりそうな所には誰も居ないもの。)

櫂「………………………………」

保奈美(…ドアは閉めたし、ブラインドはいつも通りしまってる、誰も私たち以外にはここには居ない…………)

櫂「……いったい、どうしたって言うんだい…?」

保奈美(……今日は悪い事ばかりだったけど……やっと……この時が…………!!)

櫂「……どうしたって言うんだい?……こんな秘密でも話すような…………」

保奈美「…………ええ、秘密よ…とっておきの……………………私はあなたを愛しています。」

櫂「………………………………」

保奈美「………………………………」

櫂「……………………………………」

保奈美(私は何故、もっと早くこうしなかったんだろう?今までに教え込まれたレディの作法なんかよりずっと簡単な事じゃない。)

櫂「………………………………」

保奈美(……さあ……早く返事をちょうだい……アシュレ。……早く……何故黙って何も言ってくれないの……?)

櫂「……………………………………」

保奈美(……どうしてそんなに驚いた目をするの……?まるで……信じられない事が起きたみたいな……それいじにもっと…………これは……何……?)

櫂「………………………………」

保奈美(ああ、そうだ。……お父さんが脚を折ってしまった愛馬を……楽にしてあげないといけない時にこんな目を…………私ったら……何故今こんな事を…………?)

>>235訂正




櫂「……………………………………」

保奈美(私は何故、もっと早くこうしなかったんだろう?今までに教え込まれたレディの作法なんかよりずっと簡単な事じゃない。)

櫂「………………………………」

保奈美(……さあ……早く返事をちょうだい……アシュレ。……早く……何故黙って何も言ってくれないの……?)

櫂「……………………………………」

保奈美(……どうしてそんなに驚いた目をするの……?まるで……信じられない事が起きたみたいな……それいじにもっと…………これは……何……?)

櫂「………………………………」

保奈美(ああ、そうだ。……お父さんが脚を折ってしまった愛馬を……楽にしてあげないといけなかった時にこんな目を…………私ったら……何故今こんな事を…………?)

>>257訂正の訂正…………>>1ェ……




櫂「……………………………………」

保奈美(私は何故、もっと早くこうしなかったんだろう?今までに教え込まれたレディの作法なんかよりずっと簡単な事じゃない。)

櫂「………………………………」

保奈美(……さあ……早く返事をちょうだい……アシュレ。……早く……何故黙って何も言ってくれないの……?)

櫂「……………………………………」

保奈美(……どうしてそんなに驚いた目をするの……?まるで……信じられない事が起きたみたいな……それ以上にもっと…………これは……何……?)

櫂「………………………………」

保奈美(ああ、そうだ。……お父さんが脚を折ってしまった愛馬を……楽にしてあげないといけなかった時にこんな目を…………私ったら……何故今こんな事を…………?)

櫂「…………君は今日、あんなにたくさんの青年の心を掴んだではないですか…それでもまだ満足しないんですか……?」

保奈美「……………………えっ………………?」

櫂「……どうしても満場一致という事にしたいのですね?……ええ、君は昔から僕の心を奪っていた、君だってそれは知っていたはずだ。」

保奈美「…………えっ…………えっ………………(……違う……違うわ………何が……どうして……こんな風に…………?)」

櫂「………………………………」

保奈美「……アシュレ……それはつまり、本当に私はあなたの心を掴んでいるの……?ね、アシュレ……私はあなたを愛して…………」

櫂「そんな事を言っちゃいけない、スカーレット!それは君の本心じゃない!そんな事を言えば、僕らは互いを憎み合う事になる!」

保奈美「……っ!私はあなたを憎む事さ出来ないのよ?!あなたは私を愛してると、私はあなたを愛してると言いました!なら……………」

櫂「……………………………………」

保奈美「………………………」

櫂「……………………………………」

保奈美「…アシュレ、あなたは私を思ってくれている……そうよね?」

櫂「……そうだ……思っている…………」

保奈美「…………………………!」

櫂「……スカーレット……向こうへ行こう。それで……今話した事は全部なかったみたいに忘れてしまおう。」

保奈美「いいえ、私は忘れたくないわ!…私はあなたと…………」

櫂「……僕はメラニーと結婚する事になっている。」

保奈美「………………っ…………」

櫂「父が今夜婚約発表をする事になっている。君には話すべきだったかもしれないけど、とっくに知っていると思っていた…………僕は……君が僕を思ってくれているとは夢にも知らなかった…………」

保奈美「でも今……私を思ってくれているって…………!」

櫂「>>265

そこにツボがあるだろう?きっと君は割ろうとするだろうが念のために鋼鉄製にしておいたからね

安価把握

1部のスカーレットは世間知らずの田舎娘だから……訛ったんですよ……(震え声

一時中断します

再開します

櫂「………そこに壺があるだろう?きっと君は割ろうとするだろうけど、念のために鋼鉄製にしておいたからね。」

保奈美「割ろうとなんかっ………………………………」

櫂「………スカーレット……君はそう言う女性なんだ。…感情的な激しい………」

保奈美「……だ、だったら何よっ?!」

櫂「ああ……勘違いしないでくれ………スカーレット……僕はそれは悪い事とは思ってない……感情的で激しいと言う事は……魅力的で輝いていると言う事なのだから…………」

保奈美「……何よ……何が言いたいのよ…………?」

櫂「………………………………」


保奈美「…………アシュレ……」

櫂「…………僕は陶磁器の花瓶で……鋼鉄製の壺じゃないんだよ…………」

保奈美「……ねえ……アシュレ……!」

櫂「……だから……僕は君の思いには応えられない……僕みたいな…本や音楽を愛する陶磁器の花瓶の内面では、君の鋼鉄製の激しい愛には応える事が出来ないんだよ…………」

保奈美「いいえ、あなたは強い男性よ……そんな陶磁器みたいに脆くはないわ…………」

櫂「……そうじゃないんだ……スカーレット………………」

櫂「……僕たちは違いすぎるんだ……性質が違いすぎる相手同士は結婚しても幸福にはなれない…………」

保奈美「性質の違いなんて、愛の前には関係ないでしょう……?!愛する者同士が結婚して、何故幸福になれないと言うの…………?」

櫂「これ以上……それをどう説明したら良いのです?結婚の意味も分からぬほどまだ若い君に……」

保奈美「……私は………………!」

櫂「……お願いします……僕に…もう君を傷付けるような言葉を言わせないでほしいのです…………」

保奈美「………………………………」

櫂「……………………………………」

保奈美「…………メラニーとなら…あなたは幸福になれるって言うの……………?」

櫂「……彼女と僕は非常に似ている、そして互いを理解し合っている。……結婚というのは二人が似たような人間でなければ決して上手くは行くものではありません。」

保奈美「……でも……あなたは私を……思っているって言ってくれたじゃない……」

櫂「僕は言ってはならない事を言ってしまったんだ……」

保奈美「………………っ!!…そうよ!あなたは実際、それほどまでに非紳士的な人なのよ!!」

櫂「ああ、僕は確かに紳士ではなかった……あなたには悪い事をした……そしてメラニーにはもっと悪い事を………………」

保奈美「メラニー!またメラニーだわ!あなたは私より、あの口先だけで、地味で、でくの坊のメラニーの方を選ぶのね!!」

櫂「メラニーをそんな風に言ってはいけない!」

保奈美「あなたにそんな事を言えるような人なの?!卑怯者、意気地なし!今まで散々私と結婚するみたいに…………………」

櫂「……済まない…………なんと言ったらいいのか…………ただ……僕はそんなつもりはなかったのです………」

保奈美「……………っ……!!(……確かに……確かにアシュレは私と友だち以上にならないようにしていたけど……だけど…………!私なんか……最初から相手にしていなかったってこと…………?……あの……顔色の悪い、馬鹿な女のメラニーを…選んだっていうこと………………?」

櫂「……………………………」

保奈美「>>276

はっ……!声に出てしまったわ……

保奈美「はっ……!声に出てしまったわ…………」

櫂「……………………………………」

保奈美「…構うものですかっ…!あなたは……あんな『はい』と『いいえ』しか口を聞けない、馬鹿で貧相で惰弱なメラニーを……あのメラニーを……!はぁ……はぁ…………!」

櫂「……スカーレット………………」

保奈美「この……えせ紳士!……卑怯者…………卑怯者……!!」

櫂「…………スカーレット……!」

保奈美「私は……あなたを憎むわ!死ぬまでずっと!そうよ、憎み続けるわ!」

櫂「………………………………」

保奈美「馬鹿!意気地なし!卑怯者!……卑怯者、卑怯者、卑怯者……!はぁ…………はぁ…………ああ……!」

櫂「……スカーレット…………どうか……………………」

保奈美「あなたの口からはもう何も聞きたくないわ!…はぁ……はぁ…………あなたなんか……!あなたなんかっ……!」

櫂「……………………………………」

保奈美「…………ああ………もう………………」

櫂「……………………………………」

保奈美「………………………………」

櫂「……………すみませんでした………………」

保奈美「…………………………」

櫂「…………………さようなら……」スタスタスタスタ……

保奈美「………………………………」

櫂「…………………」ガチャ…バタン

保奈美「………………………………」

スタスタスタスタ……

保奈美「…………………………」ヘタッ…

保奈美「……………………何て事を……してしまったの…………私は……………………アシュレに……あんな事を……………………」

保奈美「……アシュレはこれからは私を憎む………もう……二度と微笑みかけてはくれない……………そして……私を見るたびに……私がどれだけ自分の方からは身を投げかけたかを思い出すんだわ……………………」

保奈美「…………恥知らずな真似にも……ほどがある………………ああ………………私が…………私が馬鹿だったんだわ………………」

保奈美「……この事が誰かに知られたりしたら…………きっと……みんなの目に私は無様な恥知らずと映るに違いないわ…………嘲り笑われる………………そんなの……耐えられない…………………」

鋼鉄製の壺「…………………………」

保奈美「…………………………」

保奈美「………………っ……何よ、こんな物っ!」ガシッ!…ブンッ……!

グワァァァァン……!

保奈美「はぁ…………はぁ……………はぁ………………はぁ………………!」

沙紀「おやおや…これは少々酷い仕打ち過ぎではありませんか?」

保奈美「……………………えっ……………………」

沙紀「長椅子で午睡の夢を楽しんでいたのを破られたのに加えて、先ほどの論戦まで聞かされただけでもたくさんなのに、その上生命まで脅かされなくてはならないとは。」ヒョイ

保奈美「……………………レット・バトラー………………」

沙紀「覚えていてくださってありがとうございます、いやぁ、私の頭を割れなくて残念でしたねぇ。」フカブカ

保奈美「(……全部……聞かれてしまった………………)あ、あなたは……前もってそこにいることを知らせるべき……だったと思います……」

沙紀「まあ、そうなりますかな。しかし、図書室に侵入してきたのはあなたでしたよ?私が先にここに居たのですから。」

保奈美「………………………………」

沙紀「庭園では誰からも歓迎されそうにないので、ここで静かに引っ込んでいようと思っていたのに…………ところが、いやはや、まさか鋼鉄製の壺が飛んで来るとは。」

保奈美「………ひ、人の話を………立ち聞きするなんて…………」

沙紀「いやぁ、これが立ち聞きとは実に愉快で有益なのです。」ニヤニヤ

保奈美(……嘘…………でしょう………………?)

沙紀「>>285

それで?あなたはどうしたいのですかな?

沙紀「それで?あなたはどうしたいのですかな?」

保奈美「……私を……脅迫でもするつもり…………?」

沙紀「まさか。私がその様な事をする人間に見えますか?まあ、見えるでしょうねぇ。ふふっ……そんなつまらない事をしているほど、私もさすがに暇ではありませんよ。」

保奈美「……………………っ……」

沙紀「単純に言葉通りの意味ですよ。ほら、今すぐ目の前から消えてほしいとか、私に口外しない様に誓わせたいとか、二投目こそは外さない様にしたい、とか。」

保奈美「…………あなたは…………紳士じゃないわ…………」

沙紀「まさしくご明察。私は紳士ではありません。そうしてお嬢さん、あなたも淑女ではない。」

沙紀「だが、今しがたの様な大立ち回りを演じた後ならば誰だって淑女でいる事は難しいでしょう。ですが、安心してください。淑女と言う奴は総じて魅力に欠けるつまらない者ですから。」

保奈美「…………っ………………っ…………はぁ……はぁ………………」

沙紀「彼女たちの考えは僕にはすっかり分かりますが、それを彼女たちは口にする勇気もなければ、実行に移すなんて事はまずあり得ない。然るに親愛なるスカーレット嬢、あなたは素晴らしい行動力を持っておられる。僕は脱帽しましたよ。」

保奈美「………………………………」

沙紀「あなたの様な激しい気質の女性をどうして『あの』典雅なアシュレ君が魅惑出来たのでしょうか?さっぱり分かりません。はぁ……彼はあなたを与えてくださった神に跪いて感謝すべきだった……だが、あの意気地なしでぐうたらは………………」

保奈美「あなたにはあの人の靴をふく資格だってありません!」

保奈美「あの人の事を……悪く言わないでっ!!」

沙紀「それがあなたのご要望とあらば。これぐらいにしておいてやりましょう。」

保奈美「…………………………」

沙紀「しかし最後にこれだけは言わせておいてください。……あなたは彼を一生涯憎み続ける。」

保奈美「…………っ!(……殺せるものなら……殺してしまいたいっ……!)…………っ……失礼…………したわね…………………」ズカズカズカズカ…!

沙紀「ふふっ……あははははははは……!」

保奈美「………………」ガチャッ!バタンッ!

沙紀「あははははははは………!」

屋敷 ホール二階 階段の手すりの影



保奈美「………………はぁ…………もう…………消えてしまいたい………………………」

保奈美「……気絶してしまいそうだわ……………でも……今はだめ…………今気絶したら…………アシュレに……下劣なバトラーに…………ハネーみたいな嫉妬深い連中に……とんな勝手な想像をされるか…………」

保奈美「………………惨めだわ………」

保奈美「………………はぁ…………………………」

保奈美「…………とにかく……誰かに見つからない様に……ここら出ないと……………………」

カツンカツンカツンカツン……

保奈美(誰か下のホールに来た…………!)サッ!

保奈美(……とっさに隠れたけど…………こんなところに誰が…………)

さくら(ハネー)「今日のスカーレットってぇ、若い女の子はあれ以上無理ってぐらいにぃ男の人を誘惑して回ってたよねぇ?」

保奈美(ハネー……!!)

さくら「もう逆にぃ、尊敬しちゃうぐらいだったかなぁ。クスクスクス…………ああ、面白かったぁ!」

保奈美(…………っ……すぐここから出て行ってハネーに恥をかかせてやろうかしら……?!)

加蓮「そんな事はないわよ、ハネー。」

保奈美(………………っ!)

加蓮「スカーレットはただ元気がよくて活発だっただけよ。私は一番魅力的だと思ったわ。」

保奈美(…………まぁ………あんな………あんな口も利けないチビ助にかばってもらうなんて……っ!)
ギリギリギリギリ……

さくら「あはははっ!それはメラニーちゃんが何にも見えてなかったってことだよぉ?」

加蓮「そんな事はないわ……私はスカーレットが…………」

さくら「えぇ?!あんなに捕まえられるだけの男の人を捕まえてぇ、自分の妹の彼氏にまで手を出すような人をかばうのぉ?メラニーちゃんったら優しいんだねぇ。」

保奈美(……………………………)
ギリギリギリギリ……

加蓮「……ハネー…」

さくら「私の彼氏のチャールズの後まで追いかけてたんだよぉ。クスクスクス………チャールズはぁ私と結婚するって言うのに…………」

加蓮「>>293

そうね……チャールズもあなたよりはスカーレットと結婚した方が喜ぶんじゃないかしら?

安価把握

さくらは本当は笑顔とほっぺの可愛い、良い子です……ただオタマロなだけで………………

寝落ちします……………

再開します

加蓮「そうね……チャールズもあなたよりはスカーレットと結婚した方が喜ぶんじゃないかしら?」

さくら「……それってぇ、どう言う意味なのかなぁ?私分かんないんだけどぉ。」

加蓮「……チャールズは他の人の陰口を叩くような人と結婚したいと思うかしら……?」

さくら「そんなぁ、陰口なんかじゃないよぉ。本当の事を言ってるだけでぇす。それがいけないんですかぁ?」

加蓮「少なくとも、スカーレットはそう言う風に誰かの事を言ったりはしないわ。」

さくら「自分が不利になるから言わないだけだと思いまぁす。あの女はぁ、お腹の中は真っ黒なんだよぉ?」

保奈美(……………………っ…………)

さくら「ねぇ、メラニーちゃん。メラニーちゃんはぁ、やたらとスカーレットの味方をするみたいだけどぉ……今から言う事を聞いたらぁ、考えも変わると思いまぁす。」

加蓮「…………何…?」

さくら「クスクスクス……あのねぇ……本当にスカーレットが好きなのはねぇ………アシュレなんでぇす!」

保奈美(……………っ?!)

加蓮「……………根拠のない事を言ってはいけないわ。」

さくら「根拠はありまぁす。メラニーちゃんがぁ、スカーレットなんかも贔屓目で見なかったらぁ、すぐに分かるのになぁ。」

加蓮「………………………………」

さくら「スカーレットが今までしてきた事ってぇ、他の女の子から恋人を取っちゃう事だけだと思いまぁす。今日だってぇ、スチュアートさんでしょぉ、ケネディさんでしょぉ、アシュレでしょぉ、それにチャールズわぁ、すっごぉーい!。」

保奈美(……うちへ帰りたい……!今すぐ…………うちへ…………タラへ帰って………お母さんに何もかも話せさえしたら………)

さくら「えっとぉ、なんて言うんだっけぇ?あっ、『見境なし』だぁ!クスクスクス…………)

保奈美(…………ハネーなんかに…………全部バレるなんて…………ハネーは喜んで誰彼構わず話回るに決まっている………………夕方までには私はこの地方全体の笑い者よ………………)

さくら「スカーレットに比べたらぁ、私なんか、かわいすぎて困っちゃうぐらいだと思いま……」

メラニー「ハネー・ウィルクス!」

さくら「…………?!…な、何かなぁ…………?」

加蓮「……………………………」

さくら「そ、そんな怖い顔しないでよぉ……?」

加蓮「……………ハネー。」

さくら「…………い、言ってみただけだよぉ……………………?」

保奈美(…………ハネーには…………馬鹿にされて……メラニーに…………同情されて…………助けられた…………メラニーに…………メラニーに…………メラニーに………………)
フラッ……

加蓮「………………………………」

保奈美(…………ああ…………もう嫌……………うちへ…………帰る…………………)ヨロヨロッ……

屋敷 ホール 表



保奈美「……はぁ…………ああ…………うちへ…………帰………………あっ………………」

保奈美「……そんな事をしたら…………ますます…ハネーたちに……私を攻撃する弾薬を与えるだけじゃない…………今は………………帰れない………………!」

保奈美「……私がサムソンだったら、この屋敷を根こそぎなぎ倒して、ハネーたちを全員謝らせてやれるのに…………!」

保奈美「………………………………」

保奈美「…………よし、もう……家には帰らないわ……ここにいてみんなに申し訳ないと思わせてやるわ…………お母さんにだって話すものですか………………」

保奈美「………私の価値を……理解させてやる…………!」

保奈美「……………………そうと決まれば…………また奥に………………」

珠美「スカーレットさん!スカーレットさんではないですか?!」タタタタタタタタ…!

保奈美「…………チャールズ…………?」

珠美「はぁ……はぁ……大変な事が起きたのです!……な、何と……リンカーン氏が……いよいよ……兵士を召集し始めたのです!」

保奈美(リンカーン……!戦争、戦争、戦争!……もううんざりよ!男なんて本当に大事な事は考えられないの……?!私が……心が破れ……評判が台無しになったって言うのに…………リンカーン氏の行動に興奮する事を期待している……………馬鹿なお子様ががここにいる!)

珠美「>>303

そのような顔をされてどうしたのですか?

珠美「そのような顔をされて……どうしたのですか?」

保奈美「………………いえ…………」

珠美(…スカーレットさん………とっても青い顔をしてる…………どうしてだろう…………?)

保奈美「………………………………」

珠美「(えっと…………あっ……!)すみません、スカーレットさん!ご婦人がどれだけデリケートなのか忘れていて…………あ、あの……驚かせしまって…………水を持ってきましょうか?」

保奈美「…………結構よ。」

珠美「あっ…………え、えっと…………それじゃあ………………外へ出て腰掛けましょうか……?」

保奈美(……文句を言うのも面倒だわ………………)コク

珠美「(女の人って言うのは、何てデリケートで優しいものなんだろう……戦争と聞いただけで、もうこんなにふらふらになってしまうなんて…………)立てますか……?」スッ

保奈美「………………………」スッ

珠美「(…スカーレットさんを……僕が守ってあげないと……恋愛小説の主人公が少女にするみたいに…………)…では、行きましょう。」

保奈美「…………………………」コク

珠美(…今のって少し……男らしくできたかもしれないなぁ……なんだ…僕だってやればできるじゃないか……!)

屋敷 前庭 柏の大樹の陰



珠美「……気分は少しよくなりましたか、スカーレットさん…?(…こ、こう……かな……?)」

保奈美「………ええ………ありがとう………(下手なエスコート……)」

珠美「そ、そうですか…それは良かったです……(……どうしてこんなに落ち込んでるんだろう……?…………ひょっとして、僕が戦争に行ってしまうから………………とか…………?…………いやいや、それはない……そんなのは自惚れにも程がある………!)」

保奈美「………………………………」

珠美(……でも、何でスカーレットさんはこんなに手が増えているんだろう…………?何でこんなに……愛情と羞恥にまつ毛を瞬かせてるんだろう…………?)

保奈美「………………………………」

珠美「…………………………」

手が増えて…阿修羅か何か?

>>307
チャールズが手を差し伸べる→
スカーレット、手を力なく手を掴む……の擬音です……一応
描写が下手にも程がありますね…………







珠美「…………あ、あの……………」

保奈美「………………………………」

珠美「………………あ……あう…………」

保奈美「……………………(気楽な物ね……何にも気付かないって……うらやましいわ。…………しかも、この男はたくさんのお金を………………あっ……)」

珠美(……こ、ここからは何て言えばいいんだっけ…………?)

保奈美(…………この男には……たくさんのお金があって…………しかも口うるさい両親も居ないし、アトランタに住んでいる……)

保奈美(…もし私がこの男とすぐに結婚してしまえば、アシュレはさっきの事は私の本心じゃなくて、冗談半分だったと考えるはず……それにこの男はハネーの恋人……この男を奪われたらハネーはどんなに惨めな笑い者になるかしら。)

珠美「…………あ、あの…………その…………………………」

保奈美(しかも、メラニーの兄。メラニーは大好きな兄が私と結婚してしまったらどんなに傷付くでしょう……!それから、口を開けば戦争の話しかしない馬鹿な男たちだって…………)

珠美「…………うう…………えっ……と……………………」

保奈美(私は綺麗な衣装を着て立派な馬車に乗って、みんなから羨ましがられるに違いない…………)

珠美「………………す、スカーレットさん………………!あ、あの………………!」

保奈美「>>311

もしも、もしもよ。ハネーじゃなく私と結婚できるとしたら……あなたはどうする?

保奈美「…もしも、もしもよ。ハネーじゃなく私と結婚できるとしたら……あなたはどうする?」

珠美「ふぇっ…………?!」

保奈美「………………………………」

珠美「へっ……?!へっ……?!……えっ…………えっ…………?」

保奈美「正直に答えてもらえるかしら……?」

珠美「へっ……………あっ…………えっと…………そ、その…………そんな事は万が一にもあり得ないと……お、思いますし…………は、ハネーとは…………その………………一応は…………………」

保奈美「…………そう、残念ね……私は……あなたさえ良ければ…と思っていたのに…………」

珠美「ええっ…………?!そ、そ、それは…………つ、つ、つまり…………?!」

保奈美「……これ以上を私に言わせるつもり……チャールズ?」

珠美「ふぇあ……?!…それは……… …その…………そう言う事なのですか……?!」

保奈美「………そうでなければ、わざわざこんな事を言うと思う?」

珠美「はわわわわ…………!……ぼ、僕を……愛してくださる……と受け取っても良いので…………しょうか…?」//////

保奈美「…………ええ。」

珠美「…………………………(こ、これって…………ゆ、夢…………?夢…………ではない…………?)」///

保奈美(……立ち尽くしちゃって……まるで串に刺された蛙だわ。)

珠美「…………あう…………ああ………………で、でも…………僕にはハネーが………………」

保奈美「口約束だけで婚約はまだなんでしょう?……それに、私では嫌……………………?」

珠美「……………い、嫌なんかじゃ……………!」

保奈美「……なら、良いでしょう…?」

珠美「………………………………」

保奈美「………チャールズ。」

珠美「……………………………………」

二週間後 結婚式場



友紀「あははははははは!チャールズ君、君ってばタキシードが中々よく似合ってるじゃん!」

珠美「ありがとうございます、ジェラルドさん!えっと……僕らの結婚を………………」

友紀「いいんだって、いいんだって!君みたいな勇気ある若者と、スカーレットの結婚なんて反対する理由がないよ!参加するのは南カロライナなウェード・ハンプトン大佐の連隊だっけ?」

珠美「はい!召集がかけられ次第いつでも馳せ参じるつもりです!南部同盟の自由と独立のために命をかけて戦ってきます!」

友紀「あははははははは!北軍なんて弱っちいんだから安心しなさい!戦功を挙げ損ねる心配をした方がいいよ。」

珠美「はははは……まあ……頑張ります!」

保奈美「………………………………」

二週間後 結婚式場



友紀「あははははははは!チャールズ君、君ってばタキシードが中々よく似合ってるじゃん!」

珠美「ありがとうございます、ジェラルドさん!えっと……僕らの結婚を………………」

友紀「いいんだって、いいんだって!君みたいな勇気ある若者と、スカーレットの結婚なんて反対する理由がないよ!参加するのは南カロライナなウェード・ハンプトン大佐の連隊だっけ?」

珠美「はい!召集がかけられ次第いつでも馳せ参じるつもりです!南部同盟の自由と独立のために命をかけて戦ってきます!」

友紀「あははははははは!北軍なんて弱っちいんだから安心しなさい!戦功を挙げ損ねる心配をした方がいいよ。」

珠美「はははは……まあ……頑張ります!」

保奈美「………………………………」

保奈美(…………全部…………夢みたい…………これは本当の事なのかしら…………)

心「…………スカーレット。」

保奈美「…………何…………お母さん………………」

心「…………………私は……今でもこの結婚については…まだまだよく考えるべき時間が必要だったとは思いますが……それについてはもう…何も言うつもりはありません。」

保奈美「………………………………」

心「>>319

ただ、人として恥じることのない生き方をしてくださいね……

安価把握

あまり進められておりませんが、副業に出かけて参ります……

おのれ副業……………………

一時中断します

(副業)を強いられているんだ!

再開します

心「ただ、人として恥じることのない生き方をしなさいね……」

保奈美「……………………………」

心「…他人に嘘をついたり、騙したりするような真似だけはしてはいけませんよ。……それは、人として最低の事よ。」

保奈美(……………………っ……)

心「おめでたい結婚式に水を差すような事を言ってごめんなさい。……私はこれで。あなたの幸せを祈っています。」スタスタスタスタ……

保奈美(………私は………悪くないわ…!…チャールズと全然結婚したくなかった訳ではないし…………最初に私を騙していたのもアシュレの方よ…………!)

保奈美(私は悪くない…………私は悪くない…………私は…悪くない……!)

保奈美(悪いのは全部……私からアシュレを奪ったメラニーよ!……そうよ、メラニーさえいなければ…………)

加蓮「こんにちは、スカーレット。」

保奈美「………………!…こ、こんにちは……メラニー…………」

加蓮「…………あ、もしかして今は忙しかった……?」

保奈美「……そんな事はないわ…大丈夫よ?(…………どの面を下げて……………!)」

加蓮「なら良かったわ。…お祝いをさせてほしくて。…おめでとう、スカーレット。」

保奈美(……………………っ……!)

加蓮「ふふっ……そのドレス、とっても素敵よ。よく似合っているわ。私なんかじゃとてもじゃないけど、着こなせないでしょうね。」

保奈美(ええ……そうよ!あなたみたいな魅力の欠片もないでくの坊には一生着こなせないわ!)

加蓮「………………………………」

櫂「僕からもお祝いさせてもらえるかな……?」スタスタスタスタ……

保奈美(アシュレ……!)

加蓮「…………ああ、アシュレ。」

櫂「おめでとう……その……良い相手が見つかったみたいで。(…そうだ……これでいいんだ……これで……)」

保奈美「………あり…がとう………」

櫂「チャールズは少し頼りなく見えるかもしれないけど、心根の優しい正直な青年だ。」

保奈美(……あなたに比べたら………!…アシュレ……どうしてそんな事を言うの…………?)

加蓮「ええ、きっとチャールズとなら上手く行くわ………それにしても、私とっても嬉しいの!」

保奈美「(あなたはそうでしょうねっ……!)な、何が…かしら…………?」

加蓮「だって…私たち、ほんとうの姉妹になれたんですもの。」

保奈美「………………………………」

加蓮「言ってなかったかしら…………?私たち、明日結婚式を挙げるのよ。」ギュッ

櫂「……メラニー………」ナデナデ…

保奈美(…………結婚式………………)

加蓮「…だから、そうなったら私とあなたは姉妹になれるでしょう。私ね、アシュレと夫婦になれるぐらいそれが嬉しいの……」

保奈美(……悪夢よ…………こんなの…………何か……たちの悪い夢を見ているのよ………………そうであって…………もらわなくちゃ……………………)

加蓮「>>330

幸せになりましょうね……

加蓮「幸せになりましょうね……」

保奈美(………っっ…………!)

加蓮「私たちってきっと良い姉妹になれると思うの……うん、男の人たちはしばらくしたらみんな出征してしまうけれど…………支え合って行きましょうね……」

櫂「……スカーレット……僕がいない間、メラニーの面倒をよく見てやってくれないかい?……ね?」

保奈美「……………分かったわ……(………もう………どうにでもなればいいんだわ………)」

加蓮「ありがとう!あなたがそう言ってくれると心強いわ。」

珠美「やあ、メラニーにアシュレ……!君たちも僕らをお祝いしに来てくれたのですか?」

加蓮「そうよ。ふふっ、いいお嫁さんをもらったわね、おめでとう。」

珠美「い、いやぁ……それほどでも………………」///

櫂「彼女をこれから幸せにしてあげるんだよ……と、言いたいところだけど…………」

珠美「大丈夫さ!戦争なんて一ヶ月もあれば終わるのだからね。一ヶ月、たった一ヶ月だけの我慢さ。」

櫂「……………………………………」

珠美「スカーレットさ……スカーレットのためにも戦功を立てて帰ってきます!」

保奈美(別にいらないわよ……そんなもの……馬鹿らしい…………)

珠美「……寂しいかもしれないけど、、僕は立派になって必ず帰ってくる。武勇伝を言い聞かせできるぐらいの男にはなるつもりさ。」

保奈美「………そう…」

加蓮「……無理はしないでね…?」

珠美「なぁに、今の僕には何でもできそうな気がするんだ!鉄砲も向こうから避けて通るさ!」

友紀「その通り!勇敢な精神はどんな困難をも跳ね返すのだ!あははははははは!…ひっく…!酒持ってこーい!」

櫂「…飲み過ぎでは……?」

友紀「娘の結婚の祝い酒、息子の出征祝い、それから景気付け……そして、我らが南部同盟の勝利の祝い酒!あははははははは!いくら飲んだって足りないぐらいだよ!」

保奈美「……………………………」

友紀「さあ、チャールズ君!もっと勝利の美酒に酔おうじゃないか!」

珠美「はい、お義父さん!」

一週間後



珠美「では、行って参ります!」

櫂「…行って来ます……」

加蓮「行ってらっしゃい……二人とも……!」

保奈美「……行ってらっしゃい…………」

珠美「武勲を立てて帰ってくるからね、スカーレット!」

保奈美「………期待しているわ……」

ある意味一番の幸せモンだよなあチャールズ

>>336
ケネディなんかに比べればどれだけ………………





さらに一週間後 タラの屋敷




菜々「スカーレット嬢様!チャールズ様からお手紙が届いていますよ。」

保奈美「…………そう……」

菜々「……スカーレット嬢様!戦地の旦那様からお手紙が来たって言うのに……!」

保奈美「ああ……分かった、分かった、分かったわよ………じゃあ、中身を読んでくれる……?」

菜々「………やれやれ………結婚したとたんに怠け癖がついてしまいましたね……はぁ……情けない……ええっと…………『親愛なるスカーレットへ。僕は今南カロライナにいます…………』…」

保奈美(一々書いてよこせなんて頼んじゃいないのに……………)

菜々「……スカーレットに会えないのは寂しいですが、これからこの戦線で……………………』」

『親愛なるスカーレットへ
連隊の指揮官のウェード・ハンプトン大佐はとても尊敬すべき立派な人です。この人の下で戦えてとても幸せです! チャールズ 』

〜〜〜

『親愛なるスカーレットへ
昨日あなたの夢を見ました。あなたも僕の夢を見ていてくれたら……などと想像してしまいました。愛とはいささか人を感傷的にさせるのですね。
チャールズ 』

〜〜〜

『親愛なるスカーレットへ
戦争が終わってからの事について計画を立ててみました。まずは、二人でゆっくり過ごす、と言うのはどうでしょうか?それから、タラ農園の散歩をしましょう!それから………!それから…………! チャールズ 』

〜〜〜

『親愛なるスカーレットへ
北軍との決戦は近づいています!僕らは今はハンプトン大佐の元で訓練を続けています。今に見ていてください、北部のならず者たちを一人残らず倒してみせます! チャールズ 』

〜〜〜

『○月×日 チャールズ・ハミルトン君ノ病死ヲ確認。謹ンデ哀悼ノ意ヲ示ス。 ウェード・ハンプトン 』

〜〜〜

『私は南カロライナ騎兵連隊指揮官のウェード・ハンプトン大佐であります。この度は誠に悲痛なお知らせをお伝えしなければならない事を深くお詫び申し上げます。
あなたの愛する良き夫であり、勇敢なる我々の同胞であったチャールズ・ハミルトン君は○月×日、南カロライナの宿営地において不幸な事に麻疹と、さらに加えて肺炎を併発し、本人の懸命な闘病にも関わらず、残念ながらその若い命を落とす事となってしまいました。
もっと早くお知らせしたかったのですが、チャールズ君が『直に治る病気で、自分の家族に心配をさせたくない』と最期まで言っていたもので………………』

〜〜〜

葬儀場



保奈美「………………………………」

「可哀想に…………肺炎で亡くなったんですって…………」

「あんな若さで未亡人だなんて…………本当に可哀想…………」

「……スカーレットのお腹には子供までいたんでしょう……?チャールズは自分の子供の顔さえ知らずに…………」

保奈美(………そう………チャールズは死んだのね…………………)

保奈美(喜び勇んで戦争に出かけていった結果がこれとはね…………確かに……可哀想ではあるかもしれないわね………でも、ただそれだけ。戦争に行くんだから死ぬかもしれない事ぐらい理解できていなかったはずはないもの。)

保奈美「>>343

(モノローグ)しかし、不幸は続くものだ。
戦況は日増しに悪化していった。
機械人形や車輪のついた鉄の馬……数々の兵器を投入した戦争は、南部はもちろん北部の社会をも完膚なきまでに破壊し尽くし……秩序の崩壊したアメリカ大陸は、南部も北部も関係のない、一滴の水さえ争わねば手に入らない暴力の支配する世界となった……

物語が根本から変わってしまうために安価下とさせていただきます……
誠に申し訳ありません…………




保奈美「……悲しくはないわ…ない、はずなのに……………」

保奈美「…………………………」

保奈美「……短い間でも……一応は夫だった訳だし………実感はほとんど無かったけど………………」

保奈美「………馬鹿なチャールズ……………………」

保奈美「…………………………」

保奈美「…馬鹿ね……あなたはただ…馬鹿だっのよ…………」

保奈美「もう少し……上手く人生を生きれば良かったのに。」

保奈美「……あなたのせいで私は未亡人よ……忌まわしい黒づくめの喪服を着て、陰気で悲しそうにしてなければならなくなってしまったわ。」

保奈美「………お腹の中には赤ん坊まで残してくれて…………はぁ…………短い時間でよくもまあこれだけ…………」

保奈美「………………………………」

保奈美「……あなたの事は……好きでは無かったけど……嫌いでも無かったわ……」

保奈美「………さようなら……チャールズ・ハミルトン。…次はもっと賢く産まれられるといいわね……」

保奈美「………………………………」

ピニャコラドール像「…………………」

保奈美「…神サマぐらいには祈ってあげるわ。」

数ヶ月後 タラ屋敷 寝室



菜々「おめでとうございます、スカーレット嬢様。医者によれば元気な男の子のそうです。」

保奈美「……………そう。」

菜々「今まで見てきた中でも一番あっさりしたお産でしたよ。普通の淑女はお産はもう少し苦しむ物ですが………………」

保奈美「疲れてるの。出てって。」

菜々「………………………………」

保奈美「…………………………」

菜々「…………はぁ……分かりましたよ。…赤ん坊の顔ぐらいは見ますか?」

保奈美「……いいわ。(………愛情どころか…何の興味も湧かないもの。)」

保奈美「………………………………」

菜々「……見るぐらい罰は当たらないって言いますのに………はいはい、それじゃあゆっくりしていてくださいね。」ガチャ バタン

保奈美「…………………………」

保奈美「…………はぁ…………産まれてしまったからには名前ぐらい付けなくちゃならないわね…………面倒だわ………………」

保奈美「…………最近は父親の指揮官の名前を付けるのが流行りだったかしら…………じゃあ、ウェード・ハンプトン・ハミルトンとでも名付けることにしましょう。」

保奈美「………………………………」

保奈美「…………何もかも夢ならいいのに…………」

数週間後




友紀「スカーレット……まだ立ち上がれないぐらいにはが出来ないほど具合が悪いの……?」

保奈美「…………………………」

エレン「……大丈夫…?」

保奈美「…………………………」

菜々「スカーレット嬢様ったら、私がどんなに美味しそうな料理を持ってきても食べてくれないんですよ……」

エレン「…もうもまともに食事をしなくなってどれくらいになるかしら…………」

菜々「このままじゃ痩せる一方ですよ…………」

友紀「医者のくれた薬はあんまり効果が無いみたいだし……やっぱりチャールズ君を亡くしたのが……………」

保奈美(………違うわよ……ただ………何をどうしたらいいか……分からないだけよ…………)

心「………………………………」

菜々「………………いっそ、転地療養……なんてどうでしょう…?」

友紀「……何……それ……?」

菜々「いえ……その………一度どこかへ離れてみる……と言うのはどうでしょうか…?気分が一新されて、具合も良くなるかもしれません……」

友紀「>>356

そうだな……それもありかもしれんな。何処か行きたい所はあるか?どこへでも連れていってやるぞ。

友紀「そうだね……それもありかもしないね。何処か行きたい所はある?どこへでも連れていってあげるよ。」

保奈美「……………別に…」

友紀「むむむ……どこか一ヶ所ぐらいないの……?」

保奈美「…………………………」

友紀「むむむむむむ……こうなったら何処へなりとでも連れて回って………!」

心「あなたが留守にしたら、誰がタラを守るのですか?」

友紀「あっ……………そ、それは……ごめん…………」

心「……………………………」

菜々「旦那様が農園を長く離れるわけにはいかないに決まってるじゃないですか!まったく……いくらスカーレット嬢様が心配だとは言え…………」

友紀「ご、ごめん……………」

菜々「農園主としての自覚は持って行動してもらえると、私としてもかなり助かるのですが。」

友紀「………………次から気を付ける………」

保奈美「…………………………」

心「………ねえ、スカーレット。…どこにも行きたい場所はないの…?」

保奈美「…………………………」

心「………………………………」

保奈美(どうせ……どこに行く当てもないし…………強いて挙げるなら…………メラニーがアトランタで……えっと……私の叔母さん?……と暮らしていて………心細いからって…………………)

友紀「じゃ、じゃあ……どこにでも療養させてあげるよ…?」

保奈美「………………………」

友紀「………あー………………」

保奈美「……………アトランタ……」

友紀「……………えっ……?今なんて…………」

保奈美「………行くなら……アトランタがいいわ………」

保奈美(…メラニーや……あのつまらない『ピティパット叔母さん』と暮らすのは嫌で嫌で仕方がないけど…………少なくとも……ここで何の変化も……おかしくなりそうな毎日を過ごすよりは……マシよ………)

保奈美(……アシュレの思い出の詰まった……タラからも離れられるし…………………)

保奈美(……………………………)

保奈美(…………行きましょう……アトランタへ……………)





2部へ続く

次回、100-2-2と言う謎の回へ続きます………
風と共に去りぬマジ長編小説………

かなり省略&登場人物カットをした映画でもあの長さですからね………
ちなみに原作(河出世界文学全集)では、ここまでで、1部111ページまでとなります………先が長い…………

最後までお付き合いいただけたら非常に幸いです………

ミッチェルと>>1の筆力の圧倒的差に絶望しています………
ヤムチャとベジットぐらい差がありますよ、これ……………

1ヶ月以内に何とか
「明日は明日の風が吹く」と書けるように頑張ります…………

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom