八幡「これが学年1位?」 (250)

平塚「うむ、今回も良い成績だったな比企谷。苦手だったはずの数学も克服したじゃないか」

八幡「そうですかね」

平塚「ああ、誇って良い」

八幡「誇るのならせめて学年1位になってからが良いんで」

平塚「ああ…」

八幡「1年の頃から1位取り続けてるやつがいるのは知ってますけどそれ誰なんですか」

平塚「おや?知らないのか?」

八幡「周りのことはあまりわかんないんで」

平塚「君も意固地にならず友達くらい作ってみたらどうだ?」

八幡「ぼっちだと楽だからいいっす」

平塚「…そうだな、君は学年1位を知りたいか?」

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八幡「まあ」

平塚「その返事は肯定か?ではちょっとついてきてくれ」

八幡「どこにですか」

平塚「ちょっと部室まで、な」

八幡「部活は入りたくないんですけど」

平塚「なあに、その部室に学年1位がいるんだ。しかも1人だけの部活だからその子以外いない」

八幡「学年1位がたった1人で入っている部活…何部ですか?」

平塚「それは行ってから君自身で当ててみるといい」

???部活前

平塚「ここだ」

八幡「…」

平塚「入るぞ…ってノックして返事が来る奴でもないしな…」

八幡「は?」

平塚「まあいい。失礼するぞ雪ノ下」

八幡(そういや名前は雪ノ下だったか、思い出した。いくら俺でも噂は聞いたことあるしな)

平塚「…はあ。またか」

八幡「…部室で寝そべっているこの変な女は誰ですか」

雪乃「…?」

平塚「こいつが、学年1位の雪ノ下雪乃だ」

八幡「これが学年1位?」

雪乃「…」

平塚「まあ見てくれは頭が良さそうだろう、なあ?」

八幡「いや寝そべってゴロゴロし始めたし見てくれも何もかも意味なくなったんですが」

平塚「頼むから雪ノ下、座ってくれ」

雪乃「…はい」

平塚「言葉が足りなかった。床じゃなく椅子に座ってくれ」

雪乃「はい」

八幡「…先生、この人何なんですか?」

平塚「いや、まあ…学年1位の雪ノ下雪乃だ」

八幡「信じられません」

平塚「だろうな」

八幡「だって俺が聞いた噂の雪ノ下って常に凛としてて近寄りがたいとかそういう噂だったと思うんですが」

平塚「間違ってないぞ」

八幡「噂とかけ離れてるんですが」

平塚「教室では確かにその噂通りの雪ノ下なんだよ」

八幡「じゃあこの部室に来るとこんなのになると?」

平塚「いえす」

八幡「…俺はこんな変な女に成績負けてんのか」

雪乃「…比企谷君だったかしら」

八幡「え?あ、ああ…そうだが」

平塚「比企谷を知っていたのか」

雪乃「知りませんけど…」

平塚「名前は知っているのに知らないときたか…いつものことだからいいが」

八幡「いつもかよ…」

平塚「それでだ、学年1位を面と向かってみた感想は?」

八幡「信じられない」

平塚「…だろうな」

雪乃「…学年1位は本当」

平塚「本人はそう言っているが」

八幡「いやだって…」

平塚「見ろ、今の雪ノ下を。椅子に座って凛としているだろう。これこそお前が言う噂の雪ノ下じゃないか?」

八幡「俺は背筋をピンと伸ばして椅子に座っているこいつなら確かに多少は信じられますが」

平塚「ますが?」

八幡「椅子に座ってるかどうかも怪しい体制でグデグデしてるこいつを信じる気は起きません」

雪乃「…なんで信じてくれないの?」

八幡「原因はお前にある」

雪乃「…?」

八幡「わかんねーのかよ…」

八幡「で、何で俺をこいつに会わせたんですか?学年1位が1人でやってる部活だというから気になって来たんですが」



平塚「…最近成績を伸ばしてきて友達面以外まともな君なら少し可能性があると見たのだ」

八幡「なんの可能性ですか」

平塚「比企谷!この部室にいる雪ノ下雪乃を更生してはくれないだろうか!」

八幡「断る以外のどんな返事をしたらいいんでしょうか」

平塚「もちろん、『オッケーやってやんよ』だ」

八幡「オッケー断ってやんよ」

雪乃「…私は更生する必要はないです」

八幡「いや更生自体はしろよ」

平塚「うーん…そうだな、こんなグデグデの雪ノ下がなぜ学年1位なのかはきになるだろう?」

八幡「学年1位なら確かに気になりますが」

平塚「私が保証しよう。この子は学年1位の雪ノ下雪乃だ」

八幡「…」

平塚「学年2位近くまで登りつめた君は学年1位から不動の存在である雪ノ下がどんな勉強方法で勉強しているかとか気にならないか?」

八幡「…」

平塚「そこでだ、君がこの部活に入ればその勉強方法もわかるかもしれないぞ」

八幡「…」

平塚「頼むから雪ノ下を更生してくれ」

八幡「回りくどい言い訳言ってましたけど結局更生してほしいだけか…」

平塚「今日1日、この子と過ごしてみてくれないか?」

八幡「…」

平塚「そうか!では私はこれで!」

八幡「おい」


ガラガラ ピシャッ

八幡「おい」

八幡「押し付けやがった…教師失格だろ」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「…」

八幡「…おい」

雪乃「…」

八幡「おいって、雪ノ下」

雪乃「…zzz」

八幡「寝てる…だと?」

雪乃「ひどい」

八幡「どこが」

雪乃「私を揺すって起こした、ひどい」

八幡「お前が寝るからだろ、そもそも部活やってるんだろ、寝るな」

雪乃「…ここがどんな部活か知ってるの?あなた」

八幡「知らん」

雪乃「…当ててみて。当てるまで私は寝る…」

八幡「お前が正解かどうか判定してくれなきゃ意味ない」

雪乃「…めんどくさいわ」

八幡「自分で振っておいてそれかよ!」

雪乃「…そう。ここは奉仕部。おやすみ」

八幡「はあ?奉仕部?」

雪乃「…zzz」

八幡「寝るな」 ガシッ

雪乃「はう」

八幡「その奉仕部とやらに何でお前みたいなダメ人間がいるんだ?」

雪乃「私より…成績低いあなたはダメ人間と言ってはダメね…」

八幡「その奉仕部とやらに何で雪ノ下雪乃がいるんだ」

雪乃「…覚えてない…」

八幡「…本当にこれが学年1位?」

雪乃「ええ…」

八幡「…成績表とかあるか?テストの」

雪乃「…いつの?」

八幡「ここ最近のだ」

雪乃「…そこの机の中に入ってるからとってちょうだい」

八幡「何で机に」

雪乃「持って帰るのがめんどくさくて…」

八幡「成績低い高い関係なくお前はダメ人間と呼ばせてもらう」

雪乃「私の名前は雪ノ下雪乃…」

八幡「ダメノ下」

雪乃「…」

八幡「本当に学年1位だ…」

雪乃「ふふん」

八幡「ドヤ顔すんな、お前今もまた床に寝そべってるが本当にお前雪ノ下雪乃か?この成績表はたまたま雪ノ下雪乃のものがここにあっただけじゃないのか?」

雪乃「…この部室に私と平塚先生以外来たことがない…あなたが3人目…」

八幡「…なんでこんなグデグデの奴に負けてるんだ俺は…」

職員室

八幡「本当に雪ノ下雪乃なんですね」

平塚「そうだと言ってるだろう」

八幡「信じられねー…」

平塚「で、どうだ?雪ノ下を更生させる気にはなったか?」

八幡「あんなグデグデの奴に負けてるのは心底嫌だし更生はしてほしいですが」

平塚「じゃあ頼む」

八幡「俺より先生の方が適任なんでは」

平塚「…頼みます」

八幡「失敗したのか…」

部室


八幡「…なんかお前の更生を押し付けられたんだが」

雪乃「頑張って」

八幡「お前が頑張るんだよ」

雪乃「…めんどくさいのは嫌なのだけれど」

八幡「お前めんどくさいめんどくさい言う割には学年1位だろ…めんどくさい勉強はどうなんだ」

雪乃「…そもそも学校の授業以外で勉強したことないわ」

八幡「は?」

雪乃「教室で勉強して放課後この部室で体力を補給する…」

八幡「…まじでか」

八幡「…教室で勉強ってことは教室ではこんなのじゃないのか、お前」

雪乃「こんなって…ひどいわ」

八幡「うつ伏せで寝てるお前をこんなと表現して何が悪い」

雪乃「…教室では世間の目があるから…」

八幡「世間の目がないこの部室では?」

雪乃「こうなる…」

八幡「家では?親の目があるだろ」

雪乃「…一人暮らし」

八幡「まさか家でもこんなんか?」

雪乃「…」

八幡「…沈黙は肯定か?」

雪乃「…zzz」

八幡「お前の沈黙は睡眠だな!」

八幡「俺はこんな奴に負けてるのか…ああああ」

雪乃「…ショックなのかしら?」

八幡「ああ、仰向けで寝てるお前を見て更にショック」

雪乃「…」

八幡「…お前、なんでなんだ」

雪乃「…?何が?」

八幡「教室ではちゃんとするくせになんでここではこんなんなんだ」

雪乃「…」

八幡「言えないのか?」

雪乃「…長い話は苦手よ」

八幡「…はあ」

八幡「…お前こんなのでよく部活やってこれたな」

雪乃「…あなた以外で奉仕部に来たことない」

八幡「そういやこの奉仕部はなにするところなんだ?」

雪乃「…無理、バッテリー切れ」

八幡「はい?」

雪乃「ただでさえ体力ないのにそんな質問攻めだとなくなる…」

八幡「…じゃあどうすりゃいいんだよ」

雪乃「…平塚先生が言っていたしあなたも部活に入ればいい」

八幡「はあ?」

雪乃「入るなら質問は明日聞いてあげることも出来なくはない…」

八幡「断言しろよ…平塚先生が俺に入部を勧めるからお前も俺に入部を勧めるのか?」

雪乃「そう…」



また後でくる

八幡「…まあ入部はしないが明日も来てやるよ」

雪乃「…そう」

八幡「それより無駄な時間を過ごしたからもう下校時間だな。お先」

雪乃「…比企谷くん」

八幡「なんだよ」

雪乃「…私はしてほしいことがあった」

八幡「…急になんだ?」

雪乃「そう…おんぶ…」

八幡「じゃあな、雪ノ下!」

雪乃「待って…待って…」

雪乃「…私はおんぶしてほしいのよ」

八幡「そうか、平塚先生にでも頼め」

雪乃「…平塚先生には迷惑をかけているからそんな要望は…できない…」

八幡「俺にはかけていいのかい?」

雪乃「ええ」

八幡「さ・よ・う・な・ら」

雪乃「待って…もう一回だけチャンスをちょうだい…」

雪乃「…あなたかおんぶして運んでくれるなら…明日の質問も今日より多く受け付ける…」

八幡「なんだその条件」

雪乃「…?あなたは私が知りたいのでしょう?」

八幡「ダメノ下ってことは知ったが」

雪乃「…比企谷くんは教室での私を見たことはあるかしら…」

八幡「他クラスには出歩かない」

雪乃「…なら、明日教室での私を見て」

八幡「それを見たら何か変わるのか?」

雪乃「多分…」

八幡「…」

帰り道

八幡「…なんだこれ、なんだこれ」

雪乃「…楽」

八幡「そりゃおぶさってるだけのお前は楽だろうよ…」

雪乃「ええ…快適」

八幡「…なんで引き受けたんだろ俺」

雪乃「…」

八幡「…寝るなよ?」

雪乃「…zzz」

八幡「…」



次の日の休み時間


八幡(教室での私を見ろって言われたから来たものの…)

雪乃「…」

八幡(背をピシっと伸ばしていて姿勢は良い。いかにも優等生って感じがする)

八幡(誰だあいつ)

雪乃「…」

八幡(昨日のアレみてるから信じらんねえ…)

雪乃「…あ」

八幡(…気づかれたか、じゃあもう撤退するか)

雪乃「…」

放課後、部室


八幡「おい、来たぞ」

雪乃「…ぐでーん」

八幡「…教室でのお前は幻かなんかか?ぐでーんって口に出してグデグデしてるお前が俺からしたらよっぽど雪ノ下雪乃だ」

雪乃「…きたのね」

八幡「誰かさんが来いって言うからな」

雪乃「そう…ちなみに教室での私を見てどうだったのかしら…」

八幡「教室での雪ノ下は優等生って感じがした」

雪乃「優等生だもの…」

八幡「で、なんで教室であれなのに部室でこれなんだ」

雪乃「…私可愛いの」

八幡「自意識過剰乙」

雪乃「…比企谷くんはそう思わない人?」

八幡「…知らね」

雪乃「そう…」

八幡「で、可愛いからなんだよ」

雪乃「小学校、中学校と私は…教室で優等生として立ち振る舞ってきたわ…」

八幡「…」

雪乃「…そして、私可愛いから…よく男の人に好意的な目で見られてたのよ…」

雪乃「…でもそれをよく思わない人がいて…私と同級生の女の子達だったのだけれど…」

雪乃「…上履きは隠され…リコーダーはゴミ箱に捨ててあったり…」

雪乃「…そんな毎日が続いて私は…内心疲れ果ててた…」

八幡「…なんとなくわかった」

雪乃「…ならいいのだけれど…この部室でこんなに喋るの…始めて」

八幡「つまり妬まれ続けたお前はそれでもみんなの前では優等生であったと」

八幡「しかし優等生であり続けることには疲れ果ててたお前は家では今のお前みたいにグデグデになったんだな」

雪乃「多分…そう…」

雪乃「…あまり覚えてないわ」

八幡「そうか」

雪乃「…お話しは以上」

八幡「それ平塚先生には話したのか?」

雪乃「…」

八幡「…まさかまた寝たのか?」

雪乃「…眠いのは確か…」

八幡「…」

八幡「…」

コンコン

八幡「おい雪ノ下、誰か来たぞ」

雪乃「…zzz」

八幡「…そういやこいつ昨日もノックに反応しなかったな。俺が出るか」



平塚「比企谷…やはり雪ノ下を更生させてくれる気になったんだな!」

八幡「…その確認に来たんですかね」

平塚「いや、それもあるんだが…比企谷。我が部活初めてのことだが…部活動をしてみようではないか」

八幡「そもそも俺部員じゃねえっす」

平塚「実はだな…依頼人が来てるんだ」

八幡「依頼人?何ですかそれ」

平塚「詳しい用件は依頼人本人に聞いてくれ。今お前が入ったなら奉仕部として活動できると踏んでな、早速部活としてやってもらおうと思ったんだ」

八幡「あいつ部室にいる限りあの状態なんで俺一人の部活になるんですが」

平塚「依頼人が来るからその間だけでもちゃんとしてろって言ったら少しくらいはなんとかなるんじゃないか?」

八幡「はあ…」

平塚「…すまない、少し会議があるんだ。お願いしていいか?」

八幡「最初からそう言えばいいんじゃないんですかね…じゃあ部室に来るように言ってください」

平塚「さすが比企谷だ!頼むぞ!」


八幡「というわけだ」

雪乃「…急には教室のような態度にかえれないわ」

八幡「…何分で変わる?」

雪乃「1時間は必要…」

八幡「」

???「えっと…失礼しまーす」

八幡(来ちゃったああああああ!)

???「平塚先生がここに行けって…って、ヒッキー!?なんでここにいんの!?」

八幡「…そういえば何でだろうな…別に断れば良かった話なのに…」

八幡(本当に)

八幡(つうか誰だこいつ、ヒッキーって俺のことか?)

結衣「え?へ?…はぁ」

雪乃「…あと59分」

結衣「え」

八幡「…いやもう手遅れだ雪ノ下」

結衣「な、ななな!?ヒッキーまさか!」

八幡「俺がこいつをこんなのにしたわけじゃねーよ」

雪乃「…由比ヶ浜さん…ね」

結衣「…あれ?あたしのこと知ってるの?」

八幡「俺の時も名前当ててたけど全クラスの人間知ってるのか?」

雪乃「…わからないわ…」

八幡「…あの奉仕部に依頼人が来てるんでやっぱりなんとかなりませんかね」

雪乃「…あと40分」

八幡「頑張ったつもりなのか知らねえけど長いのには変わりねえ…」

結衣「なんか…うん…何これ?」

八幡「俺も知りたい…」

八幡「よし、で、何の用だ」

結衣「いやいやいや!雪ノ下さんは!?あたしとヒッキーは椅子に座ってるけど雪ノ下さん地面に寝かせてるよ!?」

雪乃「…いいのよ…これが一番」

結衣「ええええええええええ!」

八幡「…俺も昨日雪ノ下見た時こんな感じだったっけ?」

雪乃「うー…」

結衣「な、なになに?ヒッキー、雪ノ下さん唸ってるよ?」

八幡「俺に聞かれても」

雪乃「…この部室にも四人目が来たわ…すごい…」

八幡「さいですか」

雪乃「…」

結衣「…」

八幡「…何見てんだよ」

結衣「いやあ…なんか可愛いね?雪ノ下さん」

八幡「眼科の予約をしてやる。行ってこい」

結衣「ちょ、なんでだし!」

八幡「ただのグデグデしてる変な女をどう見たら可愛いと思えるんだよ」

結衣「えー?だってなんか…保護したくなるというか…」

八幡「もしもし…ええ、予約の予定を…明日ですか?」

結衣「予約せんでいい!」


八幡「てかそのヒッキーってなんだよ、やめれ」

結衣「え?だってヒッキーはヒッキーじゃん。というかよくしゃべるね?」

八幡「…そうでもないが」

結衣「だってここ最近のヒッキー勉強ばっかしてて喋ってるところあまり見ないんだもん」

八幡「だからヒッキーやめろ、で本当に何の用だ由比ヶ浜」

結衣「あ、そうだった。用件あるんだった」

雪乃「…比企谷くん、紅茶がここでは飲めるわ…」

八幡「いきなりなんだよ、話に割り込むな」

雪乃「…飲みたい」

八幡「ご自由にどうぞ」

雪乃「…あと15分」

八幡「頑張ったな、あと15分後には自分で紅茶汲んで飲めるぞ」

雪乃「…今飲まないと50分に延期するわ」

八幡「作ればいいんだろ…作れば」

結衣「あ、あたしもー」

八幡「厚かましいわ」

結衣「扱いの差!」

雪乃「…あったまりゅ」

結衣「意外と美味しいね紅茶」

八幡「妹がいるからな」

結衣「妹さんに作ってあげてるの?」

八幡「…たまに」

結衣「いがーい」

八幡「3度目だが、何の用だ由比ヶ浜。依頼とか言ってたが見ての通り活動できそうなの誰もいないぞ」

結衣「ヒッキーは?」

八幡「俺部員じゃないしか

結衣「でも平塚先生が部室に行けば部員が2人いるはずだって」

八幡「勝手に加えやがって」

結衣「で、でね。あたしクッキー作りたいの」

八幡「あ?あー…依頼か?」

結衣「うん。あたしの依頼はクッキー作りを手伝ってって依頼…」

八幡「…それだけか?」

結衣「うん」

雪乃「わかったわ、家庭科室の使用許可を貰ってくるから待ってて」

結衣「うわぁ!?」

八幡「優等生雪ノ下だ…」

家庭科室


雪乃「…無理、限界」

八幡「…家庭科室使用許可貰っただけでもうアウトかよ」

雪乃「そもそもグデグデのあの状態から…無理やりいつとの状態にしたこと…ないわ」

八幡「はあ…由比ヶ浜の依頼は俺一人でやるか」

雪乃「いえ…私も手伝うわ…」

八幡「なんか出来んのかよ」

雪乃「あじみ…」

八幡「家庭科室の床で寝てなさい」

雪乃「ふぁい」

八幡「もう欠伸してやがる…」

結衣「家庭科室に死体が!」

八幡「あれは奉仕部の雪ノ下雪乃という女が寝てるだけである」

結衣「ね、ねえねえ…雪ノ下さんってあんなのなの?」

八幡「言いたいことはわかる…家と部室にいる限りああなるらしい」

結衣「雪ノ下さんって優等生って聞いてたからイメージと違ってびっくりしたよ…」

八幡「俺もびっくりだ」

結衣「ま、こんなに喋るヒッキーにもびっくりなんだけどね」

八幡「うるせえクッキー作るぞ」

結衣「了解!」

八幡「…上出来だろ」

結衣「す、すごおい…あたしこんなに上手くクッキー作れたの初めて!」

八幡「優秀な教え役がいたからだろ」

結衣「うん、マジありがとうヒッキー!」

八幡「はいはい」

雪乃「…出来たの?」

八幡「出来てないから寝てろ」

雪乃「…でも、クッキーの匂い」

結衣「雪ノ下さん家庭科室の使用許可とってきてくれたもんね。食べる?」

雪乃「…ええ」

結衣「はい!」

雪乃「…」

結衣「あれ?どしたの?」

八幡「…どうせ口元まで運べとかだろ」

雪乃「そう…」

八幡「そう…じゃねえ、動け」

結衣「ほらゆきのしたさーん、口開けて」

雪乃「あ」

結衣「はい」

雪乃「…おいしい」

結衣「なんか小動物みたい…可愛い!」

八幡「…おい由比ヶ浜、依頼は完了しただろ」

結衣「え?あー…うん。完了…かな」

八幡「…なんだよその詰まった言い方」

結衣「い、いやいや!完了、完了!本当ありがとね、ヒッキー!」

八幡「…おう」

結衣「じゃ、お礼はちゃんとするからね!じゃあねー!」

八幡「…依頼完了だ雪ノ下」

雪乃「…お疲れ様…」

八幡「…俺より前に奉仕部いたのにお前家庭科室の使用許可とっただけで他に何も奉仕部らしいことしたかったよな」

雪乃「…奉仕部らしい?」

八幡「…そういや奉仕部の方針ってなんだよ」

雪乃「…」

八幡「知ってる、お前が何か知ってるはずがないのを知ってるから何も言わなくていい」

雪乃「ひどい…」

雪乃「…比企谷くん。私を奉仕部の部室まで…運んで」

八幡「だが断る」

雪乃「…クッキー…上げるから」

八幡「それ俺と由比ヶ浜が作ったやつだろうが」

雪乃「…違う…正真正銘、私の…」

八幡「…マジか、色とか確かに俺達が作ったやつとは違うな。いつの間に作ってたんだお前…というかその状態で作れたのか?」

雪乃「…食べる?」

八幡「…おい、その袋なんだ」

雪乃「…クッキー」

八幡「クッキーなのはわかった。で、そのでけえ袋はなんだよ」

雪乃「クッキー…」

八幡「知ってるわ!俺が聞きたいのはそのでけえ袋の中身全てクッキーなのかってことだよ!」

雪乃「クッキー…これだけ作れば夕食にしばらく困らない…」

八幡「何個作ったんだお前…」

雪乃「形や色をそれぞれ変えた…」

八幡「だから何個だよ」

雪乃「3種類のクッキーをそれぞれ50個…」

八幡「アホかああああああああ!」

八幡「お前これ絶対夕食代わりで食うなよ」

雪乃「…部室まで運んでもらえなかったからいや」

八幡「お前が作った150個のクッキーを運んでたんだよ俺はあああああ!」

雪乃「…150個あるから明日の朝、昼、晩も…持つわ」

八幡「許さん、夕食は普通に食え」

雪乃「作るの…めんどくさい」

八幡「150個のクッキー作ったお前がめんどくさいとか言うのか?あ?」

雪乃「比企谷くん…口が悪い…」

八幡「誰のせいだと思ってやがる」

雪乃「…あれ」

八幡「クッキー自体に罪はない、そのクッキーをご飯がわりにしようとしたお前自身のみ罪がある」

雪乃「…いやあああ」

雪乃「…そろそろ帰る時間」

八幡「…そうだな、しかしクッキー持って帰れないだろ」

雪乃「…車で運んでもらう」

八幡「お前一人暮らしなんじゃねえの?」

雪乃「…ふっ」

八幡「その勝ち誇ってそうな顔は意味がわからない」

八幡(その後、車が迎えに来て、クッキーと雪ノ下を乗せて帰っていった)

八幡「車あるなら昨日もそれで帰れよアホかあああああ!」

平塚「校門の前で何をしてるんだ比企谷」

八幡「…昨日の無駄な労力の消費を嘆いてました」

平塚「…で、今日の依頼はどうだった?少し急に押し付けてしまって正直申し訳なくてな…」

八幡「じゃあ次回から依頼持ってこないでください」

平塚「ということは失敗したのか…いや、責めないさ」

八幡「別に失敗はしてないですが。ただ雪ノ下が役立たずなんで俺だけが動くことになるんで依頼は嫌です」

平塚「奉仕部員としてあるまじき台詞だな、依頼を断れとは…」

八幡「雪ノ下がなんとかすればいいんじゃないんですかね」

平塚「…てっきり君を部員に数えてたことにツッコミが来ると思ったんだが」

八幡「…まあ、少しならいいですよ」

平塚「ほ、本当か!?」

八幡(そうして俺は奉仕部の部員となった)







雪乃「…比企谷くん」

八幡「…お前俺より部室に早く来てやることが寝そべるだけって虚しくないのか」

雪乃「…ええ」

八幡「…」

雪乃「…沈黙は睡眠?」

八幡「それはお前だけだ」

ヒッキーとゆきのんのキャラが違うので原作キャラがいい人は注意


次の更新は間空くかも

雪乃「…zzz」

八幡「…」

雪乃「…あ」

八幡「…」

雪乃「…比企谷くん?」

八幡「起きたのか」

雪乃「…勉強?」

八幡「勉強」

雪乃「…そう…お休み…」

八幡「あと15分ほどで下校時間だから起きといたほうがいい」

雪乃「…めんどくさい」

八幡「起きるのがか?」

雪乃「…しゃべ…」

八幡「喋るのがかよ…」

八幡「時間だ、出るぞ雪ノ下」

雪乃「…」

八幡「帰宅準備しろ…って言おうと思ったがお前ここに来て寝っ転がってるだけだったし準備しなくていいのか」

雪乃「楽…」

八幡「出るぞ」

雪乃「…」

八幡「…出るから動け雪ノ下」

雪乃「おんぶ…それか…抱っこで運んで…」

八幡「昨日車で帰った雪ノ下を俺はまだ忘れない」

雪乃「…今日は抱っこで…」

八幡「車で帰れ」

校門前

八幡「おかしい…俺がお姫様抱っこする相手は結婚式での彼女のはずなのに…」

雪乃「…夢を見すぎ」

八幡「今から悪夢を見せてやるよ」

雪乃「…いや、落とさないで比企谷くん」

八幡「お、お前しがみつくな!更に重くなった!」

雪乃「女性に…重いは失礼よ…」

八幡「言われたくなかったら降りろ…」

雪乃「…いやよ」

八幡「本当なんなんだ、お前…」

雪乃「…雪ノ下…雪乃」

八幡「知ってます」

雪乃「学年1位の…雪ノ下…雪乃」

八幡「学年1位は今回までだな」

雪乃「…?」

次の日


八幡「うす」

結衣「あ、待ってたよ」

雪乃「…zzz」

八幡「…なんで膝枕してるんだ」

結衣「床に寝かせてあげるの可哀想だったんだもん」

八幡「…で、お前はなんでいるんだ」

結衣「この前のお礼!」

八幡「お礼?」

結衣「うん、クッキー作り手伝ってくれたからそのお礼でヒッキーとゆきのんにクッキー作ってきたよ!」

八幡「ヒッキーとゆきのんって誰だ」

結衣「ヒッキーとゆきのん」

八幡「ヒッキーはやめろ」

結衣「じゃあハッチー?」

八幡「名字で呼べばいいだろ」

結衣「じゃあヒッキー?」

八幡「どういう頭してんだ」

結衣「あ、ゆきのんはもうクッキー食べちゃったからね」

八幡「そうか」

結衣「じゃああたし行くね、ヒッキーのおかげで料理作るの上手くなったし奉仕部相談来て良かったよ!」

八幡「そうか、じゃあ今後奉仕部に依頼に来るの無しな」

結衣「ダメなの?」

八幡「当分の間…は」

結衣「んー、じゃあこうやっておすそ分けしにくるのはいい?」

八幡「…ほどほどにならいいんじゃねーの?」

結衣「わかった!じゃね!」

雪乃「ぐえ」 ガツン

結衣「ああああああ!膝にゆきのん乗せてるの忘れてた!ごめんゆきのん!」

雪乃「いたい…」

八幡「これに懲りたらもう部室で寝るのやめたらどうだ」

雪乃「…床で寝れば問題ないわ」

八幡「…」

雪乃「…比企谷くん」

八幡「?」

雪乃「…」

八幡「なんで呼びかけておいて黙る…」

雪乃「…奉仕部活動…しないの?」

八幡「そもそもお前は奉仕部活動してたっけ?」

雪乃「……私部長だもの」

八幡「お前部長なの?じゃあ俺副部長?」

雪乃「…?比企谷くん…奉仕部入ったのかしら…」

八幡「…言ってなかったか、入った」

雪乃「…そう」

雪乃「…あなたは奉仕部には入らないと…言っていた…のに」

八幡「…まあ色々と思うところがあってだな」

雪乃「…?思うところ?」

八幡「ちなみに今日は随分会話ができるんだな」

雪乃「頭がじんじんして…寝れないわ…」

八幡「じゃあ今度から頭ぶつけておけば部室で寝ないですむのか」

雪乃「いや」

八幡「話を戻すが、思うところがあって奉仕部に入ったってだけだ」

雪乃「…そう」

八幡「で、俺は元々平塚先生にお前の更生を頼まれてここに来たんだよな」

雪乃「…」

八幡「奉仕部に入ったことだしその更生をやろうかなと」

雪乃「…私のどこを…更生するの?」

八幡「部室と家での極度にグダグダするところ」

雪乃「なんで…」

八幡「本当だったらお前が部室と家でどんな生活してようと俺が関わる必要は全くないんだが」

八幡「…お前夜とかまともなご飯食べてないだろ」

雪乃「…?」

八幡「いつか栄養失調とかになる可能性も増えるぞ、その生活だと」

雪乃「…夜ご飯を作ってくれるの?」

八幡「いや、お前が夜ご飯をまともに作るようになるまで手伝う」

雪乃「…」

八幡「昨日の夜ご飯何だったか言ってみろ」

雪乃「昨日…」

雪乃「…ハム」

八幡「…まさかそれだけか?」

雪乃「ええ」

八幡「今日から自分で作った夜ご飯以外を夜ご飯代わりに食うの禁止だ」

雪乃「え」

八幡「更生しろ」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「…zzz」

八幡「嫌になるぜえええええええ!」

雪乃「…比企谷くん」

八幡「なんだ」

雪乃「起こす時はもっと優しく…」

八幡「耳を撫でて起こしたろ」

雪乃「…耳いたい…引っ張りすぎよ…」

八幡「お前はまず沈黙すると寝るのをどうにかした方がいいな」

雪乃「…それは部室だけ…」

八幡「家では大丈夫なのか」

雪乃「ええ…ベッドに入ってから…ちゃんと寝るわ…」

八幡「…何時に」

雪乃「眠い時」

八幡「前途多難すぎませんかね」

雪乃「…!」

雪乃「…比企谷くんは…私に更生してほしいのかしら…」

八幡「どっちかというとした方がいいだろ」

雪乃「…更生には部室での私から教室での私になる以上の時間が必要」

八幡「何分だ」

雪乃「何年も必要」

八幡「しかし俺が手伝うから何年もはかからないな」

雪乃「…え」

八幡「更生って言ったって俺は雪ノ下に夜ご飯をまともに食えとしか要求してないだろ」

雪乃「…そうなの?」

八幡「部室で沈黙すると寝るのもどうにかしないといけないが何よりも優先すべきはご飯だ」

雪乃「…熱血」

八幡「家で夜ご飯を作って食べる、ってだけなら雪ノ下が意識してやれば嫌でも習慣付くだろう」

八幡「…その意識させるのが途方もない道のりな気がするが」

雪乃「…」

八幡「じゃあ早速今夜から」

雪乃「え」

八幡「え、じゃない」

雪乃「…いや」

八幡「…なんでだ」

雪乃「…めんどくさい…から?」

八幡「本当ブレないなお前…」

雪ノ下宅

八幡「おかしい」

雪乃「…最近、帰る時…比企谷くんおかしいって…ばかり言ってるわ」

八幡「いや今日は今までのより度を超えておかしい」

雪乃「…?」

八幡「なんで俺が雪ノ下の家にいる?」

雪乃「…回想するのめんどくさいわ」

八幡「…」

回想


雪乃「…お手伝いしてくれると比企谷くんは言った…」

八幡「夜ご飯なんとかできれば手伝いはそれで終わりだ」

雪乃「…じゃあ、なんとかできるまでの間、私の家来て」

八幡「…はい?」





雪乃「そうして…比企谷くんが…私の家に来た…」

八幡「なんで?なあなんで俺ついてきたの?」

雪乃「…ではお願いするわ…」

八幡「は?」

雪乃「意識が変わるまでの間…比企谷くんが夜ご飯を作ってくれる」

八幡「はあ?」

雪乃「比企谷くんの料理が美味しかったら…私も負けまいと…料理頑張る」

八幡「はああ?」

雪乃「そして…いつの間にか私は料理を作るように更生してた…」

八幡「お前は何を言ってるんだ」

八幡「そもそも今の雪ノ下が俺に料理負けまいと頑張るって発想になるわけないだろ」

雪乃「…?」

八幡「料理作ってくれてる、ラッキーこの人に全部任せよう、ってなる」

雪乃「…」

八幡「図星かよ!」

雪乃「…なら私は料理ができないわ」

八幡「流れるように嘘が出るな!」

雪乃「…嘘…じゃないわ」

八幡「この前クッキー大量に作ってたの誰だよ」

雪乃「…あ」

八幡「わかったら早く作れ、折角作り終わるまでこの家で待ってる」

雪乃「…」

30分後

雪乃「…」 ぐでーん

八幡「…」

雪乃「…」 ぐでーん

八幡「30分間あってそれで出てきた料理がハムだけってどういうことだ雪ノ下」

雪乃「食材がないわ…」

八幡「言えよ!ないのに料理できるわけないだろ!」

雪乃「…ハムはあったわ…でも体力が切れてもう何も出来ないのよ…」

八幡「30分の間ハムを冷蔵庫から出して皿に乗せるのに全部使ってたのか!」

雪乃「…」

八幡「…前途多難すぎるだろ」

雪乃「はむ」

八幡「…結局夜ご飯ハムだしな」

雪乃「むしゃむしゃ」

八幡「体力ないとか言って俺にハム口元に運ばせてるし」

雪乃「もぐもぐ」

八幡「座ってるのも億劫と言い出してから俺の膝の上からどかねえし」

雪乃「ごく」

八幡「そもそもここベッドだし」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「…あーん」

八幡「更生なんて不可能なんじゃないだろうか」

レスが意外についてて驚いた、あざす

後はゆきのん更生させるだけの話だし長く続かず終わる予定、ここまで

次の日



八幡「また雪ノ下の面倒を見るという部活動の時間が来てしまった」

平塚「おや?もう断念するのか?」

八幡「別に断念するとは言ってないですが」

平塚「なら頑張ってくれたまえ。応援してるぞ比企谷」

八幡「応援じゃなく支援を要請したいんですが」

平塚「…応援してるぞっひきがや!」

八幡「うわ」

平塚「可愛い声をだした女性への対応として間違っているぞ」

八幡「だって…ねえ」

平塚「ええい、とっとと部活に行けい!」

八幡「へいへい」

八幡「そう、そもそも俺は雪ノ下という学年1位のやつがある部活に1人で入っていると言われたから気になって行ってみただけなんだよな」

雪乃「…」

八幡「なのに更生を任されて」

雪乃「…任されなかったら?」

八幡「…俺はお前の食事栄養バランスが悪すぎると判断したから更生に踏み切ったわけだからな」

雪乃「…そう」

八幡「それはそうと雪ノ下」

雪乃「…?」

八幡「…お前、何を手に持っている」

雪乃「本」

八幡「…」

雪乃「…」

八幡「…本?」

雪乃「本」

八幡「お前が部室で読書するはずがないな、誰のだ?」

雪乃「…勝手に判断しちゃダメよ」

八幡「それ以外に考えられん」

雪乃「…私だって続きが気になる本があるなら部室だろうと…」

雪乃「…読書くらい、するわ」

八幡「…意外とお前の更生に役立つ情報か」

雪乃「…だから、静かに。比企谷くん」

八幡「…まあ今日の分の復習終えたら俺も読みたい本あるしな、静かにしてやるよ」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「…」

八幡「…終わった、読書すっか」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「…」

八幡「…」

雪乃「……」

八幡「…」

雪乃「………」

数十分後


八幡「…あっけなく終わっちまったな、今度から念の為に本は常に2冊手元に置いておくことにするか」

雪乃「…」

八幡「お前のはまだ読み終わらないのか」

雪乃「…zzz」

八幡「知ってたよ、お前が黙ってるってことは寝てると同義だもんな、知ってたよ」

八幡「…一応本は読み終わってるみたいだな」

八幡「読み終えてから寝たのか、やっぱり続きが気になる本が手元にあると例え部室だろうとグデグデにはならないんだな」

八幡「…今どんどん椅子からずり落ちて行ってるが」

雪乃「…zzz」

雪乃「…zzz」

八幡「おい、そのままずり落ちていくと椅子から落ちるぞ」

雪乃「…zzz」

八幡「…」


どすんっ


雪乃「ひぅ」

八幡「起きたか」

雪乃「…!?え、ひ、比企谷くん、私に…何をしたの…?」

八幡「なんでテンパってるんだよ、お前が勝手に椅子から落ちただけだ」

雪乃「…そ、そう」

八幡「で、雪ノ下。何の本読んでいたんだ」

雪乃「…?知りたいの…?」

八幡「部室でのお前が続き気になる程の本は気になるな」

雪乃「…これよ」

八幡「…なになに、『好きな人と距離を縮める方法』…は?」

雪乃「…」

八幡「雪ノ下、お前好きな奴とかいるのか」

雪乃「…いないわ」

八幡「じゃあなんでこんなの読んでるんだよ、しかも続きが気になるほど熱心に」

雪乃「…口動かすのめんどくさい」

八幡「ようするに喋る量が多いってことか。分けながらでいいから言ってみろ」

雪乃「…聞きたいのかしら」

八幡「お前の好きな奴とか想像できないからな、そいつに特徴とかねえのか」

雪乃「だから…いないわ。好きな人は…」

雪乃「私が読んでたのは…ここ」

八幡「…」

『距離を縮めて相手をオトしてしまえばあとはこっちのもの!メロメロな彼と存分にお楽しみあれ!』

八幡「見てるだけで頭が痛くなりそうなバカみたいな文章だがこれがどうした」

雪乃「間違えた…別のページ」

『彼が料理を作ってくれた場合』

八幡「…なんだこれ」

雪乃「…男の人が料理を作ってくれた時の対応の仕方が…ある」

八幡「読むのは嫌だし説明頼む」

雪乃「…めんどくさい」

雪乃「…相手が料理を作ってくれた時に…相手の方が自分より上手かったら…料理を教わる体で一緒に料理を作ろう。」

八幡「相手の方が下手だったら?」

雪乃「…自分のために作ってくれたのは間違いがない…はずだなら…優しくアドバイスなどして彼が次も料理を作りやすい雰囲気をつくろう。」

八幡「なんだそのわけわからん文章、本当に書いてあったのか?」

雪乃「多分…そう書いてある…」

八幡「で、これがなんだってんだ」

雪乃「相手が自分より料理が下手だった場合…相手にもう一回料理を作らせる雰囲気をつくることが大事って書いてあった…」

八幡「で?」

雪乃「…大丈夫、比企谷くんなら次こそは美味しい料理作れるはずよ、さあ…また頑張りましょう」

八幡「色々回りくどかったがようするに俺に料理を作ってって言いたいんだろ」

雪乃「…アドバイスはするから頑張りましょう」

八幡「お前と俺のどっちの方が料理上手いかなんてわからんだろ、実際に作りあって食べあったわけじゃない」

雪乃「…そんなことないわ…私料理上手よ」

八幡「上手だとしても俺より上手いかはわからんだろう。回りくどいことしないではっきり言え」

雪乃「…夜ごはん作るのめんどくさい作って」

八幡「そうか、アドバイスやるから一緒に頑張ろう」

雪乃「…作って」

八幡「自分の飯くらい自分で作れ」

雪乃「めんどくさい」

八幡「めんどくさいから離れないなお前…」

雪乃「…比企谷くん。あなたが読んでいた本は…なにかしら」

八幡「なんだ唐突に…これだが」

雪乃「私はこれを読むわ…あなたは料理を作って」

八幡「全くもってわけがわからない」

雪乃「料理を作って」

八幡「もしかして俺がうんと言うまでずっとそれ言いつづけるつもりか?」

雪乃「料理を」

八幡「言いつづけるつもりか…」

雪乃「作れ」

八幡「命令形にしやがった」

こ↑こ↓まで

ある日の放課後


雪乃「zzz…」

八幡「…呑気なもんだな、テストまであと1ヶ月切ったと言うのに」

結衣「まだ1ヶ月もあるじゃん」

八幡「1ヶ月しかないんだよ、こんなグデグデの奴が1位だと知ったからには是が非でも1位を狙いたい」

結衣「でも教室でのゆきのんピシっとしてるし学年1位って言われても不思議じゃないよ?」

八幡「お前も雪ノ下の教室姿見に行ったのか」

結衣「うん、お昼一緒に食べようかなーって。部室で食べたんだけど」

八幡「…あ、そうだ由比ヶ浜。その昼休みの部室にいた雪ノ下はどうだった」

結衣「どうって?」

八幡「いつも通りのグデグデか教室での姿を保ったままだったか、だ」

結衣「前者の方だよ!」

八幡「…時間ではなく場所か」

結衣「場所?あ、ダメのんになる場所ってこと?」

八幡「ああ、ダメノ下になる条件は時間ではなく場所だってことだ」

雪乃「…私は雪ノ下雪乃」

結衣「やっはろー、ゆきのん」

雪乃「…私が寝た後に来たのね…いらっしゃい」

八幡「なあ、一つ気になることが」

結衣「どしたの?」

八幡「お前…雪ノ下だ、お前朝ごはんどうしてるんだ」

雪乃「…朝ごはん?」

結衣「あ、ごめんねー、今日はもう帰るね」

八幡「おお、帰れ帰れ」

結衣「捻くれた客人の返し方だなあ、全くもう。それじゃあね、ヒッキー、ゆきのん!」

雪乃「…さようなら」

八幡「で、だ。お前朝ごはんは」

雪乃「…めんどくさい」

八幡「…今日食べた朝ごはん言ってみろ」

雪乃「…牛乳」

八幡「…」

雪乃「…?以上」

八幡「固形物食べろよ…」

雪乃「…朝から家で口動かすのがめんどくさいのよ…その分牛乳は飲むだけだもの…」

八幡「本当偏りまくってるな、栄養バランス」

雪乃「…それに…牛乳は発育が良くなる効果もあるはず…」

八幡「まともな食事取ってない奴が発育が良くなることなんてありえねえよ」

雪乃「…がーん」

八幡「なんだよ、身長伸ばしたいのか」

雪乃「胸が…ほしい」

八幡「…」

八幡「雪ノ下、この生活続けてるとそのうちおかしくなるぞ」

雪乃「…それでも…めんどくさいものは…めんどくさいのよ」

八幡「…朝だからめんどくさいじゃないってのがまたこっちとしてもめんどくさいんだよな」

雪乃「…朝ごはん…私の…朝ごはん…」

雪乃「…作って…みる?」

八幡「更生させてやるから自分で作れるようになれ」

雪乃「…比企谷くん。私がこの前呼んでいた本を覚えているかしら…」

八幡「好きな人がどうちゃらこうちゃらってやつだろ。それがなんだ」

雪乃「私は比企谷くんのことがすきー…だから毎朝、夕とご飯作って…

八幡「嘘つくんじゃない」

雪乃「…証明必要?」

八幡「なんの証明だよ」

雪乃「…私が比企谷くんを好いていること…」

八幡「いらん」

雪乃「…」

酉つけました




八幡「…雪ノ下」

雪乃「…?」

八幡「少し思ったんだが、お前、俺に興味があるんじゃないか?」

雪乃「?…?」

八幡「…すまん、自分で言ってて小っ恥ずかしくなってきたから忘れろ」

雪乃「…話の続きお願い」

八幡「忘れろ」

雪乃「…比企谷くん」

八幡「…」

雪乃「私は…確かにあなたに…興味があるわ」

八幡「……そうか」

雪乃「ええ」

八幡「俺の予想では部室状態の雪ノ下を知ってる人間ってところに興味があるんじゃないかと思うが」

雪乃「…もう少し内容を噛み砕いて」

八幡「…ダメノ下を知った人の反応が気になるから興味があるんじゃないかと思ったわけだ」

雪乃「…それだと平塚先生も由比ヶ浜さんも…当てはまるわ」

八幡「だから俺と由比ヶ浜と平塚先生に興味があるんだろ」

雪乃「…」

八幡「まあ誰でも自分のダメなところを知られたら、その知った人間がどういう反応とってくるかは気になるしな」

雪乃「…比企谷くんはどうなのかしら。私の…これを見て」

八幡「いつか死ぬんじゃないかと思う」

雪乃「…あなたは特殊なのね」

八幡「なんの話だいきなり」

雪乃「…実際にあったことはないから…わからないけれど」

雪乃「…普通のこの私を見た人の反応は、引いていくと思うわ…」

八幡「…まあそういう人間もいるかもしれないな」

雪乃「…でも。あなたと平塚先生と由比ヶ浜さんは違うわ」

雪乃「…平塚先生は私を更生させようとしてくれた。途中で…折れたけど」

雪乃「…由比ヶ浜さんも、こんな私を…知ってなお、友達と言って慕ってくれているわ…作ってくれる料理がたまに壊滅的になるのがキズだけれど…」

八幡(俺がクッキーを一緒に作ってやらなかったら料理スキル少しも身につかなかったんじゃないかあいつ)

八幡(…クッキー作りに料理スキルがあるのかどうかだが)

雪乃「…あなたはこんな私を知って…更生させようとしてくれて…料理も美味しそうなものを作れるし…素晴らしいわ」

八幡「やっぱ1番重要なのは料理が出来るかどうかなんだなお前にとっては…」

雪乃「…だから、毎朝味噌汁を作ってほしいわ」

八幡「どこでそのプロポーズ発言知ったんだ」

雪乃「…でも、料理は関係なしに…あなたは平塚先生と由比ヶ浜さんと違うところがあるわ…」

八幡「なんだよ」

雪乃「…平塚先生は途中で折れた。由比ヶ浜さんは…無理する必要はないと言っていて、更生の推奨は強くしないわ…」

八幡「…俺は更生を推奨しまくって尚且つ折れてないところがあの2人と違うってか?」

雪乃「…そう。更生が私のためになることは間違いないはず…私のことを心配してくれて言ってくれるのも気づいた」

八幡「…心配というわけじゃ」

雪乃「…何より異性。私を心配して手を差し伸べてくれるおとこのひと…手を差し伸べるって表現では優しすぎるけれど」

八幡「…荒っぽい更生方法で悪かったな!」

雪乃「…現に、部室にいるのに…喋る量が圧倒的に多くなっているわ…」

雪乃「…これもあなたのおかげだと私は思うわ…」

八幡「…ずいぶんべた褒めするな、何が言いたいんだ?」

雪乃「…そんなあなたを興味がある以上の感情で見てもおかしくはないわ…」

八幡「は?」

雪乃「…あなたが……が…気になる?」

八幡「気になるも興味があると同じだろ…」

雪乃「…じゃあ…好き…ってことなのかしら…」

八幡「…それは俺が知る由もないことだ」

雪乃「…ん」

八幡「…ちなみにだ。俺もお前に興味があったから奉仕部に入った」

雪乃「…?学年1位に興味があったから奉仕部にきたのでしょう…?」

八幡「当初は学年1位の雪ノ下に興味があった。今はダメノ下も含めた雪ノ下に興味があるからだ」

雪乃「…そうなの?」

八幡「…興味があるというよりは更生させるという義務感かもしれないな。平塚先生にも頼まれたことでもあるし」

八幡「つまり形はどうあれ、だ。俺もお前が更生するまでは興味があるって体で更生を手伝ってやるよ」

雪乃「…ありがとう…?」

八幡「ああ、礼を言って欲しいな」

雪乃「…ありがとう」

雪乃「…でも私は…?あなたに興味があるのか気になるのか好きなのか…わからないわ」

八幡「…別に今急いで考える必要もないだろ。さっきも言った通り俺はお前の更生が終わるまでは手伝う。その期間の間に考えればいいだろ」

雪乃「……」

八幡「雪ノ下?」

雪乃「…わかったわ。比企谷くん…手を出して」

八幡「…?」

雪乃「はい」

八幡「…なんだこれ」

雪乃「…私の家の合鍵」

八幡「はい?」

雪乃「…私の比企谷くんに対する気持ちを知るまで…同棲しましょう」

八幡「」

雪乃「…あなたが身近にいればそれもすぐわかると思ったの…」

八幡「いや、待て。同棲しなくても今だって身近にいると言えるだろ。同棲なんかする必要ない。ない!」

雪乃「…比企谷くんは私の…更生を手伝ってくれるのでしょう?」

雪乃「…その中には朝ごはんと夜ごはんも入っているのでしょう…?それも手伝って欲しいから…ちょうどいいわ」

八幡「めちゃくちゃすぎるだろ!」

雪乃「さっそく…今日から私の夜ごはんの…更生の手伝いをお願いするわ…」

雪乃「…私は、私で…あなたへの気持ちを探るわ」

八幡「 」

前に書いたときに同棲の流れまで持って行きたかったんですが寝落ちしてからズルズルとここまで伸びてしまって申し訳ない…

ではまた今度

いや、少なくとも「~が傷(キズ)だ」という慣用表現はないでしょ。
単に>>1が「玉に瑕」という慣用表現を「たまに傷(キズ)」だと勘違いしていた結果、
「たまに壊滅的になるのがキズだけど」という妙ちくりんな表現になっただけのことを
無理に庇い立てしてやる必要もないようなww

今度はわざわざIDを変えて、論点まですり替えてきましたかww
ageたことを注意するのなら最初から端的にその事実だけを指摘すればいいだろうに、
最初に提示した主張が論破されてから矛先を転じてくるなんてどこまでも見苦しい人だなあ

指摘されたところは

雪乃「作ってくれる料理がたまに壊滅的になるのがアレだけど」

といった感じで脳内変換お願いします、ミスごめんなさい

続きやります

帰り道

雪乃「…あの、比企谷くん?」

八幡「なんだ」

雪乃「…おんぶをまた…してくれるのは嬉しいけれども…」

八幡「けれども?」

雪乃「私の家…こっち側ではないわ…」

八幡「そうだな、何回か雪ノ下の家には行ったことがあるから家の場所はわかる」

雪乃「…私をどこへ連れて行くの?」

八幡「俺の家」

雪乃「…」

雪乃「へ?」

八幡「…更生する気があるなら俺の家でやった方がいいだろ」

雪乃「…?」

八幡「自宅と部室でダメノ下になるならまずは自宅と部室以外で更生を測る方が効率いいだろ」

八幡「一応聞いてみるが、夜ごはん、朝ごはんを自宅以外で食べたことあるか?」

雪乃「…ええ、あるわ」

八幡「どこで?」

雪乃「…今の家に来る前…」

八幡「自宅扱いだな、お前友達いないだろうし夜ごはん、朝ごはんを自宅以外で食べたことないだろ」

雪乃「…比企谷くんが友達いないだろうと聞くのは…」

八幡「おっと、俺を傷つけるのはそこまでだ」

雪乃「…はい」

八幡「まあ友達いないだのそんなこと気にしてないんだが」

雪乃「…そう」

八幡「話を戻すが、お前は自宅以外で夜ごはんを食べる時ならさすがにダメノ下にはならないだろうし、そうやって慣れていこうというわけだ」

雪乃「…つまり私が比企谷くんの家であなたと同棲するのね…」

八幡「しない。同棲から離れろ」

雪乃「…?しないの?」

八幡「逆に同棲する必要あるのか?」

雪乃「…」

八幡「そのまま考えてろ」

雪乃「…」

八幡「…あと家まで5分くらいか」

比企谷宅

八幡「おい、着いたぞ」

雪乃「…あ。ここが、あなたの…?」

八幡「家だ」

雪乃「…」

八幡「お前の家に比べればちっぽけだろうけどな」

雪乃「…そんなこと…ないわ」

八幡「事実だろ」

ガチャッ

八幡「帰った…ぞ…うわっ」

小町「おかえりお兄ちゃん!」

八幡「おま、バカ、前から抱きついてくるな!離れろ重い!」

小町「えー?最近小町痩せたのに…重いはずが…が…」

八幡「後ろにも1人抱えてるから重いんだよ…」

雪乃「…お邪魔します」

小町「」

雪乃「…?フリーズしたわ」

八幡「小町脳が考えることをやめたんだろう」

雪乃「ほったらかしておいて…いいの?」

八幡「たまにあることだ、ほったらかしで構わん」

リビング


小町「えー、私は比企谷八幡の妹である比企谷小町です!」

雪乃「…雪ノ下雪乃です」

小町「ブラコンです!」

雪乃「…学年1位です」

八幡「何を言ってるのかさっぱりだぜこんちくしょー」

小町「ずばり!お兄ちゃんと…えっと雪乃さんでしたっけ?の、関係は!?」

雪乃「…同棲を考えている仲よ」

小町「」

八幡「雪ノ下お前ちょっとこっち来いこの野郎」

雪乃「…歩けないわ」

八幡「なら俺の背中に乗れえええええ!」

雪乃「…なんでそのテンション?」

八幡「…俺の背中に乗れ、そして廊下まで行くぞ」

雪乃「…あなたの背中あったかくて好きよ」

八幡「…やかましい」

八幡「よし、降ろすからそこに座れ」

雪乃「…比企谷くん、あぐらをかいてほしいのだけれど…」

八幡「別にいいがなんでだよ」

雪乃「…そこに座るから」

八幡「…その心は」

雪乃「…床は固いわ…痛いのは嫌い」

八幡「なんで俺の家なのにお前はダメノ下から変わらねえんだ…」

雪乃「…部室、自宅モードからいつもの姿になるまで1時間かかる設定を忘れては…ダメ」

八幡「設定言うな」

八幡「…?1時間?お前朝学校に行く時どうしてるんだ」

雪乃「…自宅から出て散歩などして時間を稼いだ後に、車で送ってもらってるわ…」

雪乃「…だから、車から降りた時は…完全体」

八幡「無駄なことしてんな…」

八幡「よし、小町の質問をもう一回するから答えろ」

雪乃「…ん」

八幡「俺とお前の関係は?」

雪乃「…同棲を誓い合った関係」

八幡「考えてる仲から進んでるのかよ!」

雪乃「…でも、合鍵は渡したわ」

八幡「返す!」

雪乃「…いや。どちらにせよ…あなたに助けてもらう時に鍵がかかっていてはあなたが入れないじゃない…」

八幡「…さいですか」

八幡「…いいか雪ノ下。俺とお前の関係は、奉仕部の部長、副部長の関係だ。それ以上でもそれ以下でもない」

雪乃「…部室、副部長」

八幡「そうだ」

小町「お兄ちゃんと雪乃さんが消えた!小町がショートしてる間にどこ…へ…」

雪乃「…あ」 ←八幡のあぐらの上に座っている

八幡「…」

小町「…あれ?へ?あへ?」

八幡「小町が壊れた!リビングへ運ぶぞ雪ノ下!」

雪乃「…?私も運ばれる側…」

八幡「面倒くさい!面倒くさい!」

小町「…つまり、ダメ乃さんを更生させるために家に連れ込んだと」

八幡「…そうだ」

小町「小町というものがいながら!可愛い妹の小町がいながら!」

八幡「…」

小町「あの時私たちずっとシスコンブラコンでいようねって誓い合った小町たちなのに!」

八幡「お前がブラコンなのはそうだが俺はシスコンじゃないだろ」

小町「しかも雪乃さんすっごい美人さんだし!学校でフラグ建てないって言ってたじゃん!」

八幡「…フラグ建ってないが?」

小町「友達いないくせに彼女持ちとか妬みの対象まっしぐらだよお兄ちゃん!」

八幡「彼女じゃないって言っただろう」

小町「…ソウナンデスカ?」

雪乃「…///」

小町「まんざらじゃない…だと!?」

八幡「お前そんな反応今までしたことなかったろ雪ノ下!」

雪ノ下がいきなりデレてるのと小町がブラコンというキャラ崩壊


今日ここまで、お騒がせさせてしまい申し訳ありませんでした。

小町「んー、雪乃さんはお兄ちゃんに対して好印象なのは確定かなー」

八幡「…なぜそうなる」

小町「いやいや、雪乃さんのさっきまでの反応見てたらそう思うよ?お兄ちゃん」

八幡「まあなんでもいい。飯作る」

小町「雪乃さんも食べてくんですよね?」

雪乃「ええ、お言葉に甘えさせてもらうわ」

小町「あれ…?さっきより姿勢がいい?」

八幡「家帰ってきてから1時間経ったのか」

雪乃「そうみたいね」

小町「???」

小町「ふむふむなるほどほど。つまり今の雪乃さんは学校での状態と」

雪乃「ええ」

小町「なんか…あれですね。ギャップ萌え感じますよ!」

雪乃「ぎゃっぷもえ?」

小町「さっきまでの雪乃さん見てから、今の雪乃さんを見てると…さっきまでの雪乃さんが可愛く思えてくるんですよ!」

雪乃「あ、ありがとう…?」

小町「お兄ちゃんもギャップ萌え感じた?ダメ乃さん可愛いと思った?」

八幡「んなもん感じねえし思わねえよ」

小町「つまり小町が1番可愛いって思ってくれてるんだね、大好きお兄ちゃん!」

八幡「飯作ってるんだ、離れろブラコン!」

小町「つい数ヶ月前はシスコンだったくせにー、もっかいシスコンなってもええんですぜ?」

八幡「邪魔するくらいなら手伝え小町」

小町「はいよー」

八幡「出来たぞ雪ノ下」

雪乃「お疲れ様、比企谷くん」

八幡「…そういや教室でのお前と話したことなかったな」

雪乃「その言い方だと私が2人いるみたいに聞こえるわ」

八幡「実際全然違うだろ、教室と部室でのお前」

雪乃「ええ、ちなみに部室でグデグデする状態の方がはるかに楽よ」

八幡「でしょうね、お茶だすから待ってろ」

雪乃「…?比企谷くん、冷蔵庫の上に何か乗っているけれど」

小町「あ、あれカーくんですよ」

雪乃「かーくん?」

八幡「うちの猫だよ、お前もいつまでもそこにいるな猫野郎」

小町「もー、そんなんだからお兄ちゃんカーくんに好かれないんだよ」

雪乃「猫」

小町「おや?気になります?」

雪乃「…実は猫が好き」

八幡「じゃあ後で撫でるでもなんでもしてやればいい」

雪乃「ぜひそうさせてもらうわ」

小町「ではでは、いただきまーす」

八幡「いただきます」

雪乃「いただきます」



飯シーンカット




小町「洗いものは小町がするよ!」

八幡「任せた」

雪乃「うりうり…」

八幡「この猫雪ノ下に懐いているのか…?」

雪乃「…聞きそびれていたけれど、この子の名前は何かしら」

八幡「カマクラ」

雪乃「それでカーくんなのね」

八幡「で、いい時間だし猫触り飽きたらもう帰れよ」

小町「あ、ねえねえお兄ちゃん」

八幡「なんだ」

小町「明日土曜日じゃん?休みじゃん?雪乃さんさえ良ければ泊まっていくじゃん?」

八幡「泊まらねえよ…」

雪乃「いいのかしら…」

八幡「泊まらねえよ?」

小町「はい、雪乃さんとゆっくり話してみたいんですよ!」

八幡「親2人が黙ってないだろ」

小町「今日2人とも帰ってこれないって言ってたじゃん、忘れたの?お兄ちゃん」

八幡「なんというご都合展開」

小町「お兄ちゃんが雪乃さんを今日連れてきたからご都合展開起きたんだからね」

八幡「ああ、はいはいそうですか」

小町「というわけで今日は3人で寝ましょう!」

八幡「ナニイッテルノ」

小町「だっていつも小町お兄ちゃんのベッドで寝てるし、ね?」

八幡「お前が勝手に入り込んでくるだけだろ!」

小町「冗談だけどね!小町の部屋で寝ましょう。寝巻きは私とお兄ちゃんのでサイズが合うのをおかししますよー」

小町「あ、それと雪乃さんは親とか大丈夫なんですか?」

雪乃「私は一人暮らしだから問題ないわ」

小町「おお、一人暮らし…」

八幡「…夜、俺の勉強に支障が出るほど騒がしくするなよ」

雪乃「…あなた夜にも勉強してるのね…」

小町「最近の兄は勉強ばっかりで小町にかまってくれないんですよ」

小町「まああんなに勉強してるのに学年2位ってことは1位の人はお兄ちゃんよりもっと勉強してるんだろうし、1位目指してるお兄ちゃんの邪魔は小町には出来ませんし」

雪乃「そう、次回がどうなるか楽しみね」

小町「3位の人とはいい勝負できたみたいなんですけどね」

八幡「そこの1位は俺より勉強してるんでしょうかね」

雪乃「前に言った通りで学校でしか勉強しないわ」

小町「…え?マジ?さっきの自己紹介での学年1位って本当?」

雪乃「ええ」

小町「なんと、お兄ちゃんの宿敵!」

小町「てなわけでお風呂が沸きました!」

八幡「唐突だな」

小町「洗いものしてる時ついでにお風呂沸かしてたんだよ、えらいでしょ」

八幡「はいはい」

小町「じゃあ頭撫でて?」

八幡「…はいはい」

小町「んー」

雪乃「…」 ぐいぐい

八幡「…なんで雪ノ下さんは俺の手のひらに頭を押し付けてくるんですかね」

雪乃「…」 ぐいぐい

八幡「なんか言えよ…」

小町「じゃあ小町と雪乃さん先入っていい?」

八幡「…俺が入った方がいいんじゃねえの?」

小町「小町と?雪乃さんと?」

八幡「俺が1人で先入った方がいいんじゃねえのですか」

小町「なして?」

八幡「…普通女が男が自分が入った湯に入られるのが嫌なんだろ?」

小町「お兄ちゃんに対して嫌なんて思うわけないじゃん!」

八幡「そーですか、じゃあ入ってこいよ」

雪乃「…」 ぐいぐい

八幡「いやお前も入れよ」

長く続かず終わる予定だったのにダラダラと続いてしまってるなと感じる

ここまで、話の展開どないしよ

風呂後


小町「んー、折角の同級生とのお風呂イベントなのに何も起きなかったねえ。ま、起きない方が小町的にいいんだけど」

八幡「何言ってんだか」

小町「いいもん、お兄ちゃんをとられたくないという小町のこの思いが伝わらなくとも…!」

八幡「口で言ってるじゃねえか」

小町「聞いた?じゃあお兄ちゃん小町とずっと一緒にいてね!」

八幡「出来る限りで」

小町「さすがお兄ちゃん!」

八幡「やめろ、離せ。乱暴な態度は八幡的にポイント低い」

小町「こうやって甘える妹ってのが萌えるんだよーお兄ちゃん。今のは小町的にポイント高いし!」

雪乃「…ポイント?」

八幡「こいつの口癖みたいなもんだよ」

小町「口癖とはちょっと違うんですよねー」

雪乃「…仲が良いのね」

小町「共にシスコンブラコンですから」

八幡「シスコン卒業宣言しただろ」

小町「認めません!」

雪乃「シスコン…」

小町「そういえば雪乃さんは姉とか兄、弟妹とかいるんですか?」

雪乃「姉が1人いるわ」

八幡「まさかお前みたいにダメノ下なのか?」

雪乃「いえ、優秀な人よ」

小町「雪乃さんも話してて分かりましたが優秀な人ですけどね」

八幡「なら次に学年1位になる俺も優秀というわけか」

小町「はいはいその話は置いといて」

雪乃「姉さんも在学中は成績が良かったみたいね」

八幡「姉妹揃って頭脳明晰だとさ小町」

小町「むきゅ」

雪乃「それに周りに好かれるキャラクターで常に人が周囲にいたわ」

小町「だそうですよぼっちお兄様」

八幡「ばっかお前ぼっちじゃなくて一人狼だろ。勘違いすんな」

小町「はあ…」

雪乃「でも姉さんにも致命的な欠陥はあったわ」

八幡「なんの欠陥だよ」

雪乃「シスコン」

八幡「…はあ?」

雪乃「私のことが大好き過ぎる人間だったのよ、姉さんは」

小町「小町がお兄ちゃんラブみたいな感じですかね?」

雪乃「もっとよ」

小町「もっと!?」

雪乃「比企谷くんには前に異性に好かれやすいという話はしたのだけれど」

雪乃「その時に私に対して嫉妬をした同学年の女子達が私の上履きを隠したり嫌がらせをしてきたのよ」

小町「垣間見る女の嫉妬は本当惨めですよねー」

雪乃「おかげで私は上履きを持ち帰っていたのだけれど、ある時姉さんが私の周りで嫌がらせが起きたって知ったのよ」

雪乃「そして知った次の日、『雪乃ちゃんに嫌がらせをしている人の名前を言って行くから当たってるかどうか言ってね?』と言ってきたの」

雪乃「ちなみに姉さんが出した名前は全員、私に嫌がらせをしている人だったわ」

八幡「知った次の日に既に犯人まで割ってたのかよ…」

雪乃「そして1週間くらいした後に嫌がらせはパタリと止んだわ」

小町「怖い!雪乃さんのお姉さん何したんですか?」

雪乃「『雪乃ちゃんが知る必要はないことだよ』と言って何も教えてくれなかったのよ」

雪乃「ちなみにその日を境に私への告白もなくなったわ」

八幡「お前の姉さん何者だよ」

雪乃「中学生になってまた告白も嫌がらせも復活はしたのよ」

雪乃「そのどちらも私が知らない間に姉さんが潰してたらしいわ」

雪乃「『雪乃ちゃんは私が守ってあげるからね。何も心配する必要ないよ?』という言葉で色々察したけれど」

雪乃「そこから私への過保護振りは凄まじかったわ。正にシスコンと呼ばれてたもの」

八幡「でもお前今一人暮らしだろ。話聞くとその姉さんがお前の一人暮らしを許すはずがないように思うが」

雪乃「母が姉さんが私を甘やかし過ぎてダメになる、と判断を下して私に強制的に一人暮らしさせたのよ」

雪乃「姉さんは色んな手を使って私の一人暮らしを阻止させようとしてくれてたみたいだけれど、全て母に読まれてたみたいでどれもこれも失敗に終わったらしいわ」

八幡「どんな親子だよ…だがその姉はお前の家に来てるんだろ?」

雪乃「…いえ。高校に入ってから会ってないわね。母がガードしてるみたい」

小町「小町ブラコン名乗れない…」

八幡「名乗らなくていいからな?」

雪乃「久しぶりに会ってみたいと母に言っても取り合ってはくれないし、気になるわ」

八幡(こいつがグデグデ状態になる原因の一つに超シスコンの姉もあるな)

八幡(姉が甘やかし過ぎたことによってこいつもダメノ下になっていったんだろう。同級生の嫌がらせも原因の一つではあるだろうけど)

小町「お姉さんの名前は?」

雪乃「雪ノ下陽乃よ」

小町「おー、乃繋がりで姉妹揃って綺麗な名前ですねえ。八月八日生まれだから八幡とつけられた兄とは大違い」

八幡「それ俺じゃなくてあの両親に言ってくれませんかね、割と真面目に」

雪乃「…」

八幡「同情すんな」

雪乃「いえ…話してたら眠くなってしまって…」

小町「あ、いい時間ですね。寝ましょっか」

八幡「部室で寝てるくせよく夜も寝れるな…」

小町「じゃ、小町の部屋行きましょ雪乃さん」

雪乃「ええ…比企谷くん」

八幡「?」

雪乃「…おやすみ」

八幡「…おやすみ」

ここまで


キャラほ((ry

姉のんは今後出そうか検討中

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月06日 (日) 06:48:59   ID: ixNoFdpo

なんかこのダメノ下一家に一人ほしいわ 嫌でもやる気出てきそう

2 :  SS好きの774さん   2015年09月08日 (火) 08:08:26   ID: grszSS1J

長く続かず終わる予定……だと?

そうはさせない、 貴様にはこの
三倍は書くまで応援させてもらう

3 :  SS好きの774さん   2015年09月08日 (火) 15:54:13   ID: 3KV1KyYM

勉強以外に頭を使わないから学年一位になれるんだな

4 :  SS好きの774さん   2015年09月09日 (水) 09:13:30   ID: 5hQLG6JA

ほのぼのした

5 :  SS好きの774さん   2015年09月10日 (木) 07:36:38   ID: r0HukfHK

雪ノ下可愛い

6 :  SS好きの774さん   2015年09月17日 (木) 13:15:10   ID: U9rBt3sd

つ、続きをっ!

7 :  SS好きの774さん   2015年09月24日 (木) 09:12:33   ID: hRXneUu_

いいねー

8 :  SS好きの774さん   2015年09月27日 (日) 15:23:59   ID: -Puf4pyA

いいゾ~コレ

9 :  SS好きの774さん   2015年09月29日 (火) 09:32:11   ID: 7ZjQVino

面白いからもっとやれ!

10 :  SS好きの774さん   2015年10月02日 (金) 19:32:42   ID: HmBLgcnw

いいぞ!もっとやれ

11 :  SS好きの774さん   2015年10月14日 (水) 07:36:17   ID: rmYAufEw

かわいいからむしろダラダラやってほしい

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