ティガレックス「オレ様とガキと壊れた世界」 (281)

このSSは

 人魚「変なのがいる!」ガノトトス「ここはどこ…?」

 人魚「変なのがいる!」ガノトトス「ここはどこ…?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435238073/)

の続編的なものとなっています。

前回同様、『モンスターハンター(2~3G)+ファンタジー』な設定です。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1441028019



 「アレがなくなっただと?」

 「はい…それにまったく感知に引っかかりません」

 「なんだと?あれだけ誰にも触れることのできぬよう細工までしておいたのに何故だ…」

 「だとすると異世界にでも持ち込まれたとでも言うのか…ありえん…」

 「ですが、それしか考えられないかと…」

 「アレは全てのものを飲み込むほど危険な代物なのだぞ!?」

 「なんとしてでも探し出せ!!」

 「はっ!!」ガチャ バタン

 「あんなもの誰がどこへ持ち出したというのだ…」

 「あの、どうしました?さっき叫び声が聞こえてきたので…」コンコン ガチャ

 「お前はまた勝手に入り込んできたのか」

 「ごめんなさい、気になったもので…」

 「いやなに、とある曰く付きの危険物が持ち去られたのだ」

 「それは大変ですね」

 「大変なんてものではない、感知もできないどこかへ持ち去られてしまったのだ」

 「まるで異世界に持っていかれたかのようにな」

 「異世界?」

 「アレは常に監視されつつ、厳重な仕掛けを施した上で保管されていた」

 「それが消えるのなどこの世界からなくなったとしか思えぬだろう」

 「あの、異世界ならひとつ心当たりが…」

 「それにあなたも知っているはずですよ?」

 「何?」

 「お忘れですか?あの子達がやってきたあの時を――」


 『 砂漠 』



ティガ「あー暇だわ…」ドスドス

ドスガレオス「…」

ティガ「おい!何見てんだよ?」

ドスガレオス「え?いや…別に見てないっすよ…」

ティガ「気にいらねぇなぁ…そのツラしばかせろや!」

ドスガレオス「ひぃぃぃぃ」ズザザザ

ティガ「あ、逃げんなテメェェェ!」ゴァッ!!

ドスガレオス「ひゃぁぁぁぁ!?」ザパーン ピチピチ

ティガ「まず一発ぅ!」ブゥン

ドスガレオス「ぎゃぴ!?」バチーン! ズサー

ドスガレオス「お助けぇぇぇぇぇぇ!?」ズザザザザザ

ティガ「ちっ、雑魚のくせに逃げ足だけははえぇな…」

ティガ「…逃げ『足』?あの場合逃げ『ヒレ』か?」


ゲネポス「またアイツ、関係ないヤツにイチャモンつけてますぜ」

ドスゲネポス「確かにこの界隈じゃ一番強いけど調子乗りすぎだよな」

ドスゲネポス「あんな図体しておきながら頭の中はカラの実ぐらいしかミソが詰まってねぇんだろうな」

ゲネポス「ちげぇねぇちげぇねぇ!」ケタケタ

ティガ「あぁん?!テメェらオレ様の悪口言ってんだろ?!」ドドドドドド

ドスゲネポス「やべっ!秘境に逃げるぞ!!」スタタタタ

ゲネポス「へ、へいっ!!」スタタタ

ティガ「くそが!今度会ったら地獄見せっからなぁ!!」

ティガ「最近雑魚どもが調子乗り出してやがる…」

ティガ「次あったら八つ裂きにしてやるぜ」ペッ

ティガ「ちょい喉が渇いてきたな、水飲んでこよう」ドスドスドス


 『 砂漠 湖付近 』



ティガ「おーおー相変わらず肉ヤロウが歩いてやがるぜ」

アプケロス「うぼぁ」ポテポテ

ハンター「ふぅ…暑いな」ザクザク

アプケロス「!!」

ハンター「少しそこの水でも飲んでいくか…」

アプケロス「人間!人間!!」ポテポテ…ドタドタドタ!

ハンター「うお!?ホーミング生肉こっちくんな!!」ジャコ ドン!ドン!

ティガ「しかし何でアイツ人間見たら襲うんだろうな?食うわけでもねぇのに」(縄張りだからです)

ティガ「とりあえず…だ」ザッ

ハンター「ふぅ、やっと静かになったか…」

ティガ「おらぁ人間がぁ!ヒト様のシマ入ってただで済むと思うなよ!!」ズドドドド

ハンター「げぇ!?ティガレックスいるなんて聞いてないぞ!早くボウガンを…」ガチャコン

ティガ「おせぇぇぇ!!」ガシュッ

ハンター「ぎゃおぉ!?」グシャ


             [力尽きました]


アイルー「ハンターさんが力尽きたニャ!回収ニャ!」ガラガラ

肉片「」ダラーン

アイルー「運ぶニャ!運ぶニャ!」ヒョイ ガラガラガラ…

ティガ「けっ、所詮人間か」


ティガ「さて、水水っと」

ティガ「がぶがぶ…っかー!うめぇ!!」

ティガ「これでつまみでもありゃ最高なんだけどなぁ!!」


 バシャバシャ


????「うにゅ」ザパン ペタペタ

ティガ「あ?」

????「おっちゃんだぁれ?」

ティガ「誰がおっちゃんだ!オレはまだ若けぇよ!!」

ティガ「見た事ないヤツだな、ガキみてぇだし迷子か?」

????「んー」キョロキョロ

ティガ「勝手に入り込んできたようだが今回は見逃してやる、消えろ」

????「おっちゃんおっちゃん」ペタペタ

ティガ「だからおっちゃんじゃないと言ってんだろうが!触んな!」

????「おなかすいたのー」クーキュルルル

ティガ「オレ様の話を聞けよ?!」

????「あぅ…おなかすいたぁ…」ペトー

ティガ「…えらい弱ってんな、しゃーねぇ…」

ティガ「これでも食え」ズルズル

アプケロス「」←先ほどハンターにやられたヤツ

????「おにくだー」モキュモキュ

ティガ「オレ様の気まぐれに感謝するんだな」


ティガ「で、この辺じゃ見ねぇヤツだがどこから来たんだ?」

????「うみー」

ティガ「海?隣の大陸から渡ってきたのか」

????「おそらになにかとんでたからおいかけてきたのー」

ティガ「この辺で空飛ぶヤツっつったら結構いるぞ」

????「そしたらね、いなくなったの」

ティガ「見失ったのか」

????「うんー、それでねそれでね?しらないところにいたんだよーすごいでしょー」

ティガ「すごくはねぇだろ…ただ夢中になって気がつきゃ知らねぇ所まで来てただけだろ」

ティガ「ま、海からここまで来たってんなら逆辿りゃ帰れんだろ」

ティガ「じゃあな」ドスドス

????「まって、まって」ノソノソ

ティガ「…なについてきてんだ?」

????「あそんでー」

ティガ「帰ってから遊べよ…」

????「かえったらおっちゃんいないもーん」

ティガ「いや…オレ様じゃなくても帰りゃ仲間とかいるだろうがよ…」

????「でもかえったらおっちゃんいないよ?」

ティガ「だーかーらーオレ様である必要はないだろ!」

????「あーそーんーでー」ペト

ティガ「尻尾に張り付くな!」ブンブン

????「きゃっきゃっ」プランプラン

ティガ「喜んでんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!」


????「あの…何かお困りですか?」

ティガ「あ?」

?????(´・ω・`;)トトコチャン ソノヒトニハ アマリカカワラナイホウガ…

ティガ「テメェら確かガノトトスとモノブロスだったけか」

翠トトス「そうです、それで騒いでいたようなので何かあったのかなと…」

ティガ「…見たことねぇヤツが入り込んでいてな」

????「んー」キョロキョロ

翠トトス「あ、この子って確か隣の大陸の…」

ティガ「あぁ、やっぱそうか」

ティガ「知ってんならテメェが連れて行ってやれ、泳げるのならなおさらだ」ヒョイ

????「わー」プラーン

翠トトス「でもわたし、向こうのヒトとあまり交流なくて…」

モノブロス(´・ω・`)ボクモ ムコウハシラナイナァ

モノブロス(´=ω=`)ドッチニシロ コワクテヒトリジャイケナイケド

ティガ「交流なんて関係ねぇだろ、適当に放り出しときゃいいんだよ」

翠トトス「でもご両親が心配してるかもしれないし、ちゃんとした場所に帰してあげなきゃ…」

ティガ「けっ、いい子ちゃんが!」


モノブロス(´・ω・`)ソレナラ シッテルヒトニ ソウダンシタラドウカナ

翠トトス「誰が知ってるんだろう?モノ兄さん知ってる?」

モノブロス(´>ω<`)ゴメン ワカラナイヤ

翠トトス「じゃあ…ティガさんでしたっけ?知ってますか?」

ティガ「何故オレ様にふるんだ…知るわけ…」

ティガ「…あぁ、そういえばコレがさっき何か飛んでるヤツ追いかけてきたとか言ってたか」

????「そうだよー」

翠トトス「えっと、そのヒトどういう見た目だったか分かる?」

????「んー…あかかったー」

翠トトス「赤?」

????「あとねあとね、しっぽがとげとげしてたー」

モノブロス(´・ω・`)モシカシタラ レウスクンカモ

ティガ「あのバカ兄妹の兄貴のほうか」

モノブロス(´・ω・`)アマリコノヘンコナイカラ ヨンデキタホウガヨサソウダネ

モノブロス(`・ω・´)チョットヨンデクルヨ(バッサバッサ)

翠トトス「あ…」

ティガ「…」

翠トトス「…」

翠トトス(ひとりだとちょっと話しづらい…)


翠トトス「あ、あの…」

????「おっちゃーん、またしっぽぶーんってしてー」

ティガ「あ?こうか?」ブンブン

????「きゃっきゃっ」

ティガ「何がそんなに楽しいんだか…」ブンブン

翠トトス「ティガさんって顔に似合わず優しいんですね」

ティガ「あぁ?ケンカ売ってんのか?!」

翠トトス「あれ?褒めたはずなんだけどなぁ」

ティガ「コイツ天然なのか…」

翠トトス「周りからちょっとぬけてるところがあるって言われてますが」

ティガ「どう考えてもちょっとじゃねぇだろ」

翠トトス「ところであの子はどこに?」

ティガ「バカか?さっきからオレ様の尻尾に張り付いているだろ……いねぇな」

ティガ「どこ行きやがった!?」

翠トトス「勢いあまって飛ばしちゃったとか?」

ティガ「それはありえねぇ…とは言えんな」ブンブンブン

翠トトス「水の音はしてないから陸にいるとは思いますけど…」

ティガ「くそが!面倒かけやがる!!」ドドドドド…

翠トトス「あ、行っちゃった…陸苦手だけどわたしも探してみよう」ドスドス


  『 数分後 同場所 』



モノブロス(´・ω・`)ツレテキタヨー…アレ?イナイ(バッサバッサ ドスーン)

リオレウス「なぁ、ホントにティガの野郎が隣の大陸の子供保護してたのか?」

リオレウス「確かにさっきまで他の大陸行ってたけど海にゃ何もいなかったぜ」

リオレウス「それにアイツなら食う気かもしれんぞ?」

モノブロス(´・ω・`)ウン ボクモテッキリタベルノカトオモッテタ

リオレウス「アイツならやりかねんしなー」

リオレウス「しかしティガはともかくトト子までいないのはどうしてだ?」

モノブロス(´・ω・`;)ナニカアッタノカナ…

リオレウス「ちょっと空から探してみっか」バッサ

リオレウス「時間的にそんな遠くには行ってないだろ」

モノブロス(´・ω・`)ボクハココデマッテルヨ

リオレウス「おう、見つけたら戻ってくるわ!」

?????「にいちゃーーーーーーーーーん!!」ビューン

リオレウス「その声は……ぐはぁぁぁ!?」ドーン!

?????「あいだぁ!!」ボトリ

モノブロス(´・ω・`;)レイアチャンモキタンダネ…


リオレウス「飛んでるヤツに突っ込んでくるバカがどこにいるんだ!」

リオレイア「だって兄ちゃんやっと帰ってきたと思ったらまた飛んでいったから!」

リオレウス「モノブーに呼ばれたからこっち来たんだっての!」

モノブロス(´>ω<`)ケンカハ ダメダヨー

???「今、空にレイアたんが見えた!!」ドドドドド

リオレウス「げ、さらにめんどくせぇのが来た…」

リオレイア「あーディア兄だぁ」

リオレウス「オレ探してくるから後頼んだぞモノブー」バッサバッサ ピュー

モノブロス(´@ω@`;)エー! ボクジャコノフタリ トメラレナイヨー

ディア「いよぉ!レウス飛んでったけど何かあったのか?」ズサー

モノブロス(´・ω・`)チョットコマッタコトガアッテネ…

リオレイア「ねぇねぇ、ちょっと背中に乗せてー」

ディア「なんで?」

リオレイア「走ったらあたしより早いっしょ?乗ったら楽しそうってずっと思ってたの!」

ディア「おう、いいぜ」

リオレイア「やた!しつれーしまーす!」バッサバッサ トスン

ディア「あーレイアたんのいいかほりーくんかくんか」

モノブロス(´=ω=`)ディアクンハ アイカワラズダナァ…


ディア「じゃあ突っ走るから角でも持ってな」

リオレイア「はーい!じゃあ右行って右!」グイグイ

ディア「はいはい」ドスドスドスドスドス!

リオレイア「そこで素早く左っ!!」グンッ パキョン

リオレイア「あ゛」

モノブロスΣ(´○ω○`)!?

ディア「いっ…でぇぇぇぇぇぇぇ!?」ゴロゴロゴロ

リオレイア「あいた!?」ドサッ

ディア「オレの!?オレの自慢の角がぁぁぁ!?」ビクンビクン

ディア「昔折れたのがやっと生えそろったってのにぃ!?」

リオレイア「ご、ごめんね☆」

ディア「い、いや…レイアたんのせいじゃないさ…」

モノブロス(´・ω・`;)イヤイヤ ドウミテモ レイアチャンガオッテタヨ…

モノブロス(´=ω=`)レイアチャン モウディアクンニノルノキンシネ…

リオレイア「えー!?まだほんのちょっとしか乗ってないのに!!」

ディア(あの調子だと両方なくなっちまいそうだったわけで…)

ディア「悪いなモノ」

モノブロス(´・ω・`)ウン リョウホウナクナルノハサスガニイヤデショ

ディア「さすが持つべきものは従兄弟だな!」バシバシ

モノブロス(´・ω・`;)イタイヨ ディアクン…

ディア「で、何を困ってたんだ?」

モノブロス(´・ω・`)エトネ トナリノタイリクノコガ マヨイコンデキタミタイデ…

ディア「はぁ?どんなヤツよ?」

ディア「オレも一時期向こう行ってたからある程度なら分かるぞ」

モノブロスΣ(´○ω○`)ソウイエバソウダッタ!!

モノブロス(´=ω=`)ワザワザ レウスクンツレテクルヒツヨウナカッタジャン…

ディア「それでソイツの詳細は?」

モノブロス(´・ω・`)アノネ…



 『 密林 』



ティガ「どこにもいねぇじゃねぇか!」

ティガ「いつの間にか密林まで来ちまってるしよぉ!」

ザザミ(貝がおいしい)ヒョイ パクパク

ティガ「おいそこのカニぃ!!ちっこくて黄色い体したヤツ見てないかぁ?!」

ザザミ(そんなのはいなかった)フルフル

ティガ「そうか、もし見つけてもとって食うんじゃねぇぞ!」

ザザミ(とって食べる気なのはそっちじゃ?)

ティガ「見かけたらとっ捕まえておけよ!いいな?!」ドドドドド

ザザミ(いいけど…もう行っちゃった)

ザザミ(ま、いいや、食事の続き)ヒョイヒョイ パクパク

ティガ「このオレ様を走り回らせやがって!あのガキがぁ!」

ティガ「洞窟の中も見てみるか」ゴソゴソ

ゲリョス「!?」

ティガ「きったねぇツラした鳥だけか」

ゲリョス「!!」ブンブン…ピカーン!

ティガ「ぐお!?目がぁぁぁぁぁ!!なんだよくそがぁぁぁぁぁ?!」ゴロゴロゴロ

ティガ「どこだおらぁ!!」ブゥン

ゲリョス「?!」バキャン!

ゲリョス「!!」バッサバッサ

ティガ「飛んだ音か!?逃げんなおらぁ!ぶち殺すぞゲスがぁぁぁぁぁ!!」ブンブン

ティガ「……音が離れていきやがった」

ティガ「なかなか視界が戻らねぇ…」

ティガ「よく考えりゃいきなり知らねぇヤツと遭遇したらああいう反応するわな」

ティガ「でもさっきのカニはまったく動じなかったが…」


ティガ「お?やっと見えるようになったし行くか」ドスドス

翠トトス「あ、ここにいたんですね」ヒョコ

ティガ「あぁ?なんでテメェまでこんな所にいやがる」

翠トトス「わたしもあの子探してて…」

翠トトス「ザザミさんからティガさんが通っていったって聞いたのでこっちかなと」

ティガ「ここにはいねぇよ」

翠トトス「そうですか…どこ行ったんだろう?泣いてなきゃいいけど…」

ティガ「まったく知らねぇガキの心配なんかよくする気になるな」

翠トトス「いつでもどんなヒトにも優しくありたいんです」

翠トトス「お兄ちゃんみたいに…」

ティガ「兄貴?そういえば全然見なくなったが人間にでも狩られたか?」

翠トトス「ここじゃないけど別の場所でやられたらしいです」

翠トトス「もう会えないんだと知った時はしばらく泣いたままました…」

ティガ「そうか」

ティガ「オレ様にも兄弟はいたからまぁ気持ちは分からんでもねぇ」

翠トトス「そのご兄弟も人間に?」

ティガ「あぁ、雪山でポポ食いに行ってる時に襲われて逝っちまったよ」

ティガ「たまたまアイツだけで行ったせいだったのかもな…」

ティガ「って、何でこんな話をしてるんだ!!」

翠トトス「あの子そんなに遠くまで行ったのかな…」

ティガ「反対側だったのかもしれないぜ」

翠トトス「わたし旧密林の方行ってみます」ドスドス

ティガ「じゃあオレ様は樹海にでも行ってみっか」

ティガ「あそこにゃオレ様が言うのもあれだが容赦ない奴らばかり住んでやがるからな」

ティガ「ま、そこまでの行動力があのガキにあるかは知らねぇが…なっ!!」ダンッ バサッ ピュー



 『 火山 上空 』



リオレウス「こっちにはさすがに来てないか…」バッサバッサ

バサルモス「ママーお空に何かいるよー」

黒グラビ「ふーん…よく見てなさいね?」コォォォ

リオレウス「あ、グラビ親子いるじゃん…って!?」

リオレウス「緊急回避ぃぃぃぃぃ?!」ギュォォォ!


 ビシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!


黒グラビ「…ちっ、避けたか」ボワッ ブルブル

黒グラビ「こうやって熱線は撃つのよ、ちゃんと覚えた?」

バサルモス「はーい」

リオレウス「おい!殺す気かヤンママ!!」

黒グラビ「どうせあんたなら避けると思ったから撃ったのよ」

リオレウス「だからってただ飛んでるヤツ的にする必要性?!」

黒グラビ「うるさい小僧ね」

リオレウス「っとそんな事よりあんたらこの辺に見慣れない子供来なかった?」

黒グラビ「見てないわ、ねぇ坊や?」

バサルモス「うん、赤くてちっさいえらそうなトサカならさっき撥ね飛ばしたけどねー?」

リオレウス「憐れドスイーオス」

リオレウス「見てないならいいや、そんじゃ急ぐから!」バッサバッサ

黒グラビ「ほら坊や、的が飛んだわよ?」

バサルモス「あの兄ちゃんにビームしていいの?」コォォォ ポヒュン

リオレウス「いいわけないだろ!?相変わらず無茶苦茶だなあんたら!!」ピューン

黒グラビ「あーあ、いつも律儀にツッコミ入れてくれるからアイツは楽しいわ」

バサルモス「そうだねー」


ディア「おう!姐さんちっす!!」ドドド ズサー

黒グラビ「あら、ディアじゃないの」

ディア「もしかしてレウスこっち来てたりしてました?」

黒グラビ「今さっき飛んで行ったばかりよ、何でも急いでるって」

ディア「あちゃー行き違いしちまったかぁ」

ディア「オレも急いでるんで失礼しやす!」ズドドドド

黒グラビ「何だか荒だたしい子ばかりね」

バサルモス「ママーお腹すいたよ」

黒グラビ「それじゃそろそろ食事にしましょうか、寝てるパパの所へ行きましょうね」

バサルモス「はーい」


………


ヴォルガノス(゚д゚) ザパァン

ヴォルガノス(゚д゚ )≡( ゚д゚) キョロキョロ

ヴォルガノス「何かいたような気配が…」

ヴォルガノス「気のせいだったかぁ…」

ヴォルガノス「誰か遊びに来ないかな…暇だぞぉ」ドプン



 『 樹海と森丘の境界 』



ディア「ん?」ズドドド

????「あぅぅ…どこここー」ペタペタ

ディア「おいおい、いたじゃねぇか」ズサー

ディア「もうちょいで樹海入っちまうところだったぞ…」

ディア「おい、そこのガキンチョ」

????「!?」ビクッ

ディア「そっちは行くと危険だ、これ以上進むな」

????「ぴっ…」

ディア「は?」

????「ぴえぇぇぇぇぇぇ!!」

ディア「ちょ、何で泣くんだよ!?何もしてないがな!!」

ティガ「やっと見つけたぞガキィ!!」ドスドス

ディア「げ」

ティガ「勝手にどこか行きやがって…あ?なに泣いてんだおい」

????「ぐす…おっちゃーん!」ペタペタ ギュー

ディア「何でコイツに懐いてるのにオレにはあんな反応なんだ!納得いかねぇ!!」


ティガ「あぁ?誰かと思えばウンコブロスじゃねぇか」

ディア「食い意地だけのゴミレックスが!やるんか?お?」ザッザッ

ティガ「今度こそケリつけっぞゴルァ!!」ガチンガチン

?????「ケンカやめなよ」ビターンビターン

ティガ「うおぉ!?なんだなんだ!?」

ディア「どこかからものすごい風圧が!?」

?????「子供の前でケンカはいけない」

ティガ「出てこいや!邪魔しやがってぶち殺すぞ?!」ブンブン

?????「しょうがないな」ブワァァァァ

ティガ「おぇぇ!?なんだこれ…力が…はいら…ねぇ…」ドサリ

ディア「この霞がかかったような空気…あんたまさか…」

?????「仲良くしなきゃダメだよ――」タンッ

ティガ「くそ…が…」

ディア「オオナズチ…初めて会ったわ」

ディア「普段からまったく姿表さないんだよな」

????「おっちゃんどうしたの?ぽんぽんいたいの?」

ディア「多分疲労…空腹になってるだけだ」

????「ひぅっ!?」ビクッ

ディア「いや…だから何でオレが話しかけるとそんな怯えるんだ…」

ディア「ちょっと待ってろ」ドスドス

????「おっちゃんおっちゃん」グイグイ

ティガ「腹が…へった…」グゥゥゥ


ティガ「くはーっ!やっと動けるようになったぜ!」ガツガツ

ディア「面倒かけさせやがって」

ティガ「あぁ?やっぱここで死にたいようだなぁ?!」

ディア「やめろ、今はそれどころじゃないだろ」

ティガ「さっきケンカ売ってきたのは忘れてねぇぞテメェ!」

ディア「さっきは熱くなり過ぎてたんだよ」

ディア「大体、その子供はどうするんだ?」

ティガ「なんでテメェがんなこと言うんだ?」

ディア「モノから話聞いたんだよ、オレはその子供がどこのヤツか知ってる」

ディア「ロアルドロスっていう水獣と呼ばれるヤツの子供のルドロスというヤツだ」

ティガ「それを教えてどうする?」

ディア「帰してやれ」

ディア「見つけてしまったからには最後まで面倒見てやれよ」

ティガ「テメェに指図される筋合いはねぇよ!」

ティガ「知ってんならテメェが連れてけや!」

ディア「それでもよかったが何故か怖がるからな…」

ルドロス「…」プルプル


ティガ「はっはぁ!お子ちゃまのほうが役立つのはどっちか分かってんだろうなぁ!」

ディア「なら連れて行ってやれよ、役に立つティガさんよぉ」

ティガ「知るか、オレ様には関係な――」

????「はっ!!」ビュゥ グルン

ティガ「げへ!?」バチーン!

????「話は聞かせてもらった」スタッ

????「迷子ぐらい連れて行けよ、それでも絶対強者か?」

ティガ「ガルルガぁ…オレ様にサマーソルトぶち込むたぁ覚悟はできてんだろうなぁ?!」

ガルルガ「そうやって大事な事から目を背けるのは良くない」

ガルルガ「なぁ?ディア」

ディア「そうだな、ケンカは後でもできる」

ディア「ひとりがイヤだってんならオレもついていこう」

ティガ「怖がられてんのにか?」

ディア「お前が傍にいりゃ大丈夫だろ」

ティガ「ちっ…だからオレ様は行かねぇと…」

ガルルガ「何ならこのメンバーで行くか?」

ティガ「はぁ!?マジで言ってんのか!?」

ガルルガ「いたって真面目だが?向こうを一度でいいから見てみたかったという理由もあるが」

ディア「ガルルガよぉ、とりあえずこの子の心配をしている者達がいるんだ」

ディア「一度顔を見せてからでいいか?」

ガルルガ「かまわない、どこにいるんだ?」

ディア「砂漠の湖の所だ」

ガルルガ「了解だ、行くぞティガ」バッサ

ティガ「わぁったよ!行きゃいいんだろ!」グイッ ドドドドド

ルドロス「きゃっきゃ」プラーン



 『 砂漠 外の湖前 』



翠トトス「それじゃあティガさん達で隣の大陸まで?」

ティガ「けっ」プイッ

ディア「そういうことだな」

モノブロス(´・ω・`)ナニカアッテモ ムコウデメイワクカケチャダメダヨ

ディア「お前はオカンか!場ぐらいわきまえるわ!」

リオレウス「結局オレって、何のために呼ばれたんだ…」

モノブロス(´>ω<`;)ゴメンネ レウスクン

リオレイア「まぁいいじゃん、兄ちゃんはアタシと遊べば!」

リオレウス「何でだよ!さっきから飛びっぱで疲れてんだよ!」

リオレイア「知るかぁぁぁぁぁぁ!!遊べぇぇぇぇぇ!!」

ガルルガ「いつもながらやかましい兄妹だな」

ディアブロス「それじゃ行くか」バッサバッサ

ガルルガ「この子はこっちで連れて行く」ヒョイ

ガルルガ「背中で大人しくしてるんだぞ?」バッサバッサ

ルドロス「うんー」


ティガ「おい待てゴルァ!」

ティガ「オレ様はどうやって行けと言うんだ!?長時間飛んでられんぞ!?」

ディア「高い所から飛べばどうだ?雪山の頂上からとか」

ディア「役立つティガさん(笑)ならできるだろ?」ニヤニヤ

ティガ「飛べるかアホぉ!?」

ガルルガ「滑空でしか飛べないとは残念なヤツだ」

ティガ「うるせぇ!走れたら生きていけんだよ!?」

ガルルガ「どうにかして来てくれ、先に行っている」ピューン…

ティガ「マジで置いていきやがった!?くっそがぁぁぁ!!」

翠トトス「あの…向こうまでならわたしが運びましょうか?」

ティガ「あん?お前みたいな小娘がオレ様を運べるのか?」

翠トトス「陸は無理ですけど水中なら得意ですので」

ティガ「そうか…頼むわ」

翠トトス「はい!」



 『 海上 水没林前 』



翠トトス「もうすぐ隣の大陸に着きます」ザザザ

ティガ「見たら分かるわ」

ティガ「しっかしなんだかウチん所より禍々しいな」

翠トトス「おかしいですね…前はもっと綺麗で広大な所だったはずなのに…」

ティガ「何かいやがるぞ!」

翠トトス「あれはフロギィ一族ですね、少々荒っぽい種族で…」

フロギィ「ガァァァ!!シャァァァ!!」ガッシュガッシュ!ブチブチィ

アプトノス「――」ビクンビクン

ティガ「…あれが少々か?」

翠トトス「何だか様子がおかしいです…」

フロギィ「ギョギョギョギョ…」クルリ

ティガ「目がイッちまってんじゃねぇか!」

ティガ「オレ様に気づいたようだな…やる気かゴルァ?!」ダン

翠トトス「あ、あの…わたしの背中であまり動かないでくださいよぉ…」

ティガ「お前そのまま帰れや」

ティガ「アイツら先に来てるはずなのに見あたんねぇし、何かおかしい」

翠トトス「おかしいのは分かりますが…でも…」

ティガ「無茶するのはオレ様だけで十分なんだよ!」ダンッ

翠トトス「うわっ!?ティガさん!!」

ティガ「おらぁ!チビがどけやぁぁぁ!!」ドドドドド

フロギィ「ギィ!?」ドガドガッ! ズサー

翠トトス「大丈夫かなぁ…戻ったら誰かに相談してみよう…」ザザザ



 『 孤島 上空 』



ディア「なぁ、ガルルガ」バッサバッサ

ガルルガ「ん?」バッサバッサ

ディア「この大陸なんだが…」

ディア「今上空から見ている限りだが…様子がおかしい」

ガルルガ「おかしいとは?」

ルドロス「んにゅ…」コックリコックリ

ディア「前来た時はこんな気色悪い景色じゃなかったんだよ」

ディア「向こうと同じ落ち着いた場所だったんだ」

ガルルガ「ならこれは?」

ディア「分かんねぇ…何があって景色が一変しちまったんだろうな…」

ガルルガ「ひとまずあの丘あたりで降りるか」ヒュー スタッ

ルドロス「ん…」

ガルルガ「着いたぞ、降りるんだ」ユサユサ

ルドロス「ふぁ~い」ズリズリ

ディア「なぁ、この場所に覚えはないか?」

ルドロス「!?」ビクッ

ディア「だからどうしてだよ…」イジイジ

ガルルガ「その図体でいじけるな、お前の顔が怖いんだろう」

ディア「はっきり言うなよ!泣くぞ?!」


ガルルガ「この辺は来たことある場所じゃないか?」

ルドロス「んー…」キョロキョロ

ルドロス「なんだかしってるきがするけどちがうー」

ガルルガ「それは単に忘れているだけではないのか?」

ルドロス「ちゃんとおぼえてるよー」

ルドロス「なんかね、ちがうのー」

ディア「知ってる場所なのに違うてぇのはやっぱ間違いないな」

?????「ピェェェェェ!!」バッサバッサ ストッ

ディア「お、アイツは…!」

ガルルガ「知り合いか?」

ディア「あぁ、そこまで付き合いはねぇけど砂原で時々会ってたヤツだわ」

ディア「よぉ、クルペッコ」

クルペッコ「?」クルリ

クルペッコ「オゥオゥオゥオゥオゥ♪」

ガルルガ「なんだ?」

ルドロス「へんなこえー」

ディア「いや…こいつぁ…」


ジャギィ達「ギィ!ギィ!」トトト

ガルルガ「小型の奴らに囲まれたな…」

ディア「何でコレら呼んだんだよクルペッ――」

クルペッコ「ピェェェ!」バタバタバタ

ディア「おいおい…何だよそのえらい濁った目はよぉ…」

ガルルガ「来るぞ!?」

ディア「ちぃ!?」ザッ

ジャギィ達「ギィィィ!!」ダッ

ディア「おらぁ!!」ブゥン

ジャギィ達「ギャァァァ!?」ヒューン ドサドサ

ディア「何が起こってるんだよ!!」

ガルルガ「ふっ…!数が多すぎる、ここを離れるぞディア!」ヒュン

ジャギィ「ゲェ!?」バシン!

ルドロス「こわいよー」

ガルルガ「大人しくしてな!」ガシッ バサッ

ディア「その先の崖から飛び降りるか?!」ドドド

ガルルガ「いいだろう!!」ヒューン

ディア「じゃあなクルペッコ!」ダッ ヒューン

クルペッコ「クルルルルル…」



 『 水没林 奥地 』



ティガ「これで最後じゃゴルァ!!」ガシュッ

フロギィ「クェェェ…」ドサッ

ティガ「けっ、雑魚がオレ様にたてついてただで済むとでも思ったか」


 ドドドドドドド…


ティガ「なんだ?まだいやがんのかよ!?」

ドスフロギィ「ガァァァァァ!!オゥオゥオゥ!!」

ティガ「チビぃのに囲まれてボスらしきヤツがきやがったか?!」

フロギィ「ゲェェ!」ガサガサ

フロギィ「ゲッゲッ!」トトト

ティガ「おい…おいおいおい…数が多すぎんじゃねぇかこれは…」

ティガ「だが!ボスぶちのめしゃぁあいいだけだろ!!」ドドドドド

ドスフロギィ「ブハッ!」ボワァァァ

ティガ「ぐっ…毒ブレスだとぉ!?」

フロギィ「ペッ」ヒュッヒュッ

ティガ「テメッ!?その液も毒か…ぐぅ…!?」ビチャ ドプッ

ドスフロギィ「ゥエェェェイ!!」ダッ

ティガ「ぐおっ!?」ドガッ! ズサー

フロギィ「ギャッギャッ」ジリジリ

ティガ「テメェら…この程度でオレ様が逃げるとでも思ってるのか!!」ムクリ グルン

フロギィ「ギャァァァァ!?」バチーン!

ティガ「くそが…毒が目に入って視界が…」フラフラ ドプドプッ


 「なんてザマしてる、貴様のような男が」


ティガ「誰だオラァ!?」

???「…」ザッ

ドスフロギィ「ゲェ?」

???「失せろ、毒狗竜」ブンッ ビターン!!

フロギィ「ギャッ!?」

ドスフロギィ「ガァッ!!」ガブッ

???「遅い」シュタッ ブゥン

ドスフロギィ「グエェ!?」バキャ!! ドサリ

???「逃げるぞ」ガシッ ダダダッ

ティガ「うぉっ?!」


………………


ティガ「くそが…」フラフラ

???「動けるか?」

ティガ「前が見にくいだけだ」

???「ならそこの水中にある草を食ってこい」

???「毒はそれで直るだろう」グイ

ティガ「おま…!?」ドパーン!!

ティガ(何モンか知らねぇが突き落としやがった!!)

ティガ(アイツの事は気になるが今は言われたとおり草を食うか…)

ティガ(これか?まっず!?)ブチッ シャクシャク

ティガ(お?体がかなり楽になった)

ティガ(しゃあねぇ、礼ぐらい言ってやるか)ザバザバ

ティガ「ぷはっ…って、いねぇじゃねぇか!?」ザパン

???「勇敢と無謀は違う」

???「最強を名乗るつもりならもう少し状況を読む事だな」ヒュッ

ティガ「どこだ!?出てこいや!!」

ティガ「くそ…誰だったんだアイツ…」

ティガ「何かオレ様を知ってる風だったな」

ティガ「とりあえずアイツら探すか」ドスドス



 『 砂原 砂漠地帯 』



ディア「この辺まで来たら大丈夫か…?」

ガルルガ「ここが砂原という場所か」

ルドロス「ひろーい」

ディア「あぁ、こっち着てた時のオレのテリトリーだった場所よぉ」

ディア「とりあえずサボテン食いに行こう」ドスドス

ガルルガ「待て…」

ディア「オレぁ腹へってんだ!止めるなよ?」

ガルルガ「フリーダムか貴様…この状況でよく飯を優先させられるものだ…」

ディア「ここから南行った所に広い洞窟あるからそこで休んでいてくれ」

ディア「何も入ってこないだろうから安全だ…多分!」ドドド…

ガルルガ「あ、おいっ!!」

ルドロス「いっちゃった」

ガルルガ「多分…ね、ったく…」

ガルルガ「お前は腹へっていないのか?」

ルドロス「だいじょうぶー」

ガルルガ「そうか…じゃあ洞窟とやらに行っておくか」

ルドロス「うんー」

ガルルガ(この辺もなにやら様子が変だが原因は何なのだろうな…)



 『 砂原 サボテン群生地 』



ディア「サボテンうめぇ!」ボリボリ

ディア「このチクチク感と水分がたまらねぇな!」シャクシャク

デルクス「…」ジー

ディア「こっちみんな」

ハプルボッカ「…」フシューフシュー

ディア「テメェもか、鼻が丸見えだハプル」

ハプル「サーセン」ザパン

ディア「お前は正常なの?」

ハプル「ボクっすか?」

ディア「お前以外誰がいるよ」

ディア「明らかに前と景色が違ってるだろ、この辺り」

ハプル「それがボクにもさっぱりなんですわ」

ハプル「ジャギィ一家もえらい狂ったように走り回ってたし」

ディア「そうなるまで何か変わった事はなかったか?何でもいい」

ハプル「うーん…あまり自信ないですけど」

ハプル「少し前に強い光を見ましたわ」

ディア「光?」

ハプル「それから周りの連中がおかしくなりはじめた気がしますね」

ディア「そうか…本当にお前はおかしくなってないんだな?」

ハプル「はいっす、デルクス達も大丈夫みたいですね」

デルクス「ひゃほー!大丈夫ー!」バビョーン

ディア「分かった、さんきゅな」

ハプル「何かあったら呼んでくださいな、いつでも手伝いますんで」ドプン

ディア「おう!」

ディア「何があったかは知らないが謎の光が原因だという事が分かっただけで十分か」

ディア「ガルルガん所に戻ろう」

ディア「っと、思ったけどもうちょっとサボテン食お」ボリボリ

デルクス「いいのかなー?それでいいのかなー?」



 『 砂原 洞窟内 』



ガルルガ「遅い…」イライラ

ルドロス「これかたーい」ガリガリ

ガルルガ「それは食い物じゃないぞ、鉱石だ」

ルドロス「ほねみたいだったもーん、ぴかぴかだしー」

ガルルガ「興味を持つのはいいが何でも口に入れるな…」


 ドスドスドスッ!


ガルルガ「…静かに!何か近づいてくる」

ルドロス「んむ?」

ガルルガ(ディアだと反対側から来るはずだからコイツは…)

?????「ブォォォ…」ドスドスドス

ガルルガ「チビ!ワタシから離れるな!!」

ルドロス「う、うん」

ガルルガ「貴様は何者だ?」ザッ

?????「…」ブルンブルンブルン

ガルルガ「うっ!?これは…泥?」ビチャビチャ

ガルルガ「どうやらさっきの鳥竜と同じで話が通じてないようだな」ザッ

?????「ブォォッ!!」ドドドドド!

ガルルガ「突進か!だがその程度かわせ…うっ!?」ズシ…

ガルルガ(体が重い!まさかさっきの泥が動きを封じてるのか!?)

ガルルガ「くそっ!チビ許せ!!」ドンッ

ルドロス「あうっ」ドテッ

ガルルガ「くぁ!?」ドガァ! ズサー


?????「ブゥゥゥ…」グルン

ガルルガ(図体のわりに機動性が高いな…動きが封じられたままだとまずい…)

ガルルガ「くらえっ!!」ボボボゥッ!!

?????「!!」ジュッ…

ガルルガ「泥が邪魔でまともに火球が肉体に通ってなさそうだな…」

?????「ブォォォォ!!」ドシンドシン

ガルルガ「くっ…どうする!?」


 ドパァァァァァァァァン!!


?????「ブォ!?」

ディア「おらぁ!吹き飛べやぁぁぁぁぁ!!」ブォン

?????「ブェェェェ!?」ドガァ!ゴロゴロ

ディア「大丈夫か?」

ガルルガ「見てのとおり無事とは言いがたいが…」ベチョ

ディア「オレが相手するからその泥除けてな」ザッザッ

ルドロス「おみずかけるよー」プッ パシャン

ガルルガ「おぉ、ありがたい」ドロォ

ディアブロス「テメェまで何でそんな濁った目ぇしてやがるんだ、ボルボロスよぉ?」

ボルボロス「ブォォォォォ!!」ドシンドシン

ディアブロス「ドタマカチ割られたくなきゃ大人しく寝てろ!」ズドドドド



 『 孤島 水辺 』



ティガ「妙なトコまで来ちまったが…」

ティガ「アイツらどこにいやがるんだよ!」

ジャギィ「ギィ!ギィ!」ウロウロ

ティガ「それにさっきのとまた違うヤツらが寄ってきてるしよぉ」

ティガ「うぜぇんだよくそがっ!!」シャッ!

ジャギィ「ピィィィ…」ベシャ

ジャギィノス「ギィ!」

ティガ「キリがねぇ!!どこか別の道から行くか」ドドド

ティガ「って、行き止まりじゃねぇかよ!?オレ様は泳げねぇっての!!」キキーッ

ティガ「こっち来るんじゃねぇぇぇぇぇ!!」ゴァッ!!

ジャギィ「ギィ!」ドッ ズサー

ジャギィノス「グェッグェッ!」ムクリ

ティガ「雑魚が…オレ様の咆哮でもビビりやしねぇ…」

ティガ「全殺しにするしかねぇか?!」ザッ ガチンガチン


 ザパァァァァァァン!!


??????「…」ズシャン

ティガ「なんだぁ!?」


??????「寝ていろジャギィ共」パリッ


 バチバチバチバチバチィィィ!!


ジャギィ達「ギャァァァス!」ドサドサドサ

ティガ「全身から電撃だと…フルフルみたいなヤツだな」

??????「フルフル?何の事か分からないがここは危険だ」

??????「もう少し奥へ行こう」タッ ザブン!

ティガ「水の中をどう行けと?!オレ様は水棲じゃねぇんだぞ!!」

??????「所々に水面から突き出ている岩を伝って来てくれ」

??????「さっきの身体能力見ていたらそれぐらいはできると思ったのだが?」

ティガ「無茶言いやがるな、おい!」

ティガ「でも雑魚相手するのも面倒だ!おらぁ!」ダッ 



 『 孤島 奥地 』



ティガ「こんな所に色んなヤツが集まってやがるぜ」

??????「ここは現在、避難所としての役割を果たしているのだ」

??????「君は隣の大陸から来た者だな?」

ティガ「おう、こっちのガキがウチの方に迷い込んできやがったから連れてきたんだ」

??????「もしやロアルドロスの子か?!ヤツが今も必死に探している」

ティガ「そいやディアのヤロウがそんなこと言ってた気がしたわ」

??????「それでその子は?」

ティガ「他のヤツらの方にいるが多分無事だろ」

ティガ「弱い奴らじゃねぇからその内この辺来るんじゃね?」

??????「それはよかった」

??????「ロアルドロスが戻ってきたら知らせておかなければな」

ラギアクルス「挨拶が遅れた、私は海竜ラギアクルス」

ラギアクルス「皆の希望により全体を統率をまかされている者だ」

ティガ「オレ様は轟竜ティガレックスってんだ」

ティガ「で、他のヤツも言ってたがここが明らかに変らしいが?」

ラギア「あぁ、私にも分からないんだ…」

ラギア「水上に突然渦が発生したのだが、幸い誰も巻き込まれたりはしなかった」

ラギア「だがその後、消えた渦の近辺から光が瞬いて陸上が徐々に侵食されていったのだ」

ラギア「その侵食は地形はおろか、生き物まで汚染していった」

ティガ「それであんなに狂ったように暴れまわってんのか」

ラギア「おそらくはな」


ティガ「じゃあテメェやここにいるヤツらはどうして何もなっていないんだ?」

ラギア「詳しくは分からないが…」

ラギア「水中や地中に入っている者には影響を与えない可能性が高い」

ラギア「砂原のハプルボッカ達も我々と同じく無事だったらしいからな」

ティガ「ふぅん」

ラギア「私はこれから侵食された原因を探るため大陸中を調査に行かなければならない」ザッザッ

ラギア「その仲間とやらを見つけ次第ここから出ることを強くお勧めする」

ラギア「今、この大陸はあまりにも危険だ」

ティガ「…」

ラギア「それまでここにいるといい、ではな」ザパン

ティガ「おう待てや、オレ様も連れてけや」

ラギア「しかし…色々と危険が付きまとうぞ?」

ティガ「危険?ハハッ!オレ様にそんなもの通じねぇよ!軽くはねっ返してやるぜ!」

ティガ「どうせ他のヤツ捜さにゃならんからついでだ」

ラギア「…すごい自信だな、いいだろう」

ラギア「来てくれ、凍土へ行く」

ティガ「おうよ!」



 『 凍土 』



ラギア「着いたが寒さは平気なのか?」

ティガ「へっ、普段から雪山と砂漠はオレ様のテリトリーよぉ」

ラギア「つまり環境の変化には強いんだな」

ラギア「さて、この辺りも侵食がひどいようだが…」

ティガ「なぁ、そこいらにえらい小型の頭やら足の千切れたのが落ちているのはなんだ?」

ラギア「む?……これは!?」

ラギア「まずい事になった…急いでここを離れるぞ!!」

ティガ「何があったってんだ?」

ラギア「この地方の奥深くにとある獣竜が隠れているのだが…」

ラギア「ソイツが表に出てきているらしい」

ティガ「それがどうまずいんだよ?その程度力でねじ伏せりゃいいんじゃねぇの」

ラギア「ヤツの名は恐暴竜イビルジョー」

ラギア「空腹になると誰であろうと見境なしに捕食しようとする」

ラギア「我々の生態すらも脅かす危険性がある生物だ」

ティガ「そんなにやべぇヤツなのかよ?」

ラギア「多くの仲間が犠牲になったのをこの目で見てきた」

ラギア「だがそれも先代のイビルジョーの所業だったんだが」

ラギア「今のヤツはその中でも温厚なヤツでな」

ラギア「空腹になると木だろうが鉱石だろうが食って落ち着かせようとしていたほどだ」

ラギア「あまり辛そうだったので人間のところから空腹にならない石とやらを拝借したのだ」

ラギア「それを身に着けさせていたおかげで今まで普通に過ごしていられたようだが…」

ティガ「もしかして侵食ってヤツのせいでその石ってのが意味なくなってんのか」

ラギア「断言はできんがおそらくそうだろうな…」


ラギア「飢餓時のヤツほど危険なものはない、迷わず逃げるべきだ」

ティガ「まぁそう言うのならオレ様も関わらねぇけどよぉ…」

ラギア「あの場所にすら侵食の魔の手がたどり着いてたとは思わなかった…」

ティガ「じゃあとっとと別の場所行こうぜ」

ラギア「あぁ」


 ゴォォォォォォウ!!


ティガ「何か吠えてやがるが、早速お出ましかぁ?」

ラギア「いや、あの咆哮は…避けろ!!」ドスッ

ティガ「でっ!?何しやが…」ズシャ-

?????「シャァァァァ!!」ザンッ

ティガ「なんだコイツはぁ?!」

ラギア「ベリオロス…お前まで…」

ティガ「なんだテメェ!いきなりやる気十分じゃねぇか!!」ザッ

ラギア「相手にするな!今はヤツから離れる事が先決だ!!」

ティガ「放っときゃこっちのヤツに後ろからやられんぞ!その程度も分かんねぇのか!!」


 ドスンドスンドスン…


ラギア「遅かったか…」

イビルジョー「ゴアァァァァァァァァァァァ!!」

ティガ「なんだありゃあ…ウチんとこにゃいねぇタイプだな」

ラギア「あれがイビルジョーだ!逃げるぞ?!」ダダッ

ティガ「あれぐらいならオレ様でもやれ…」

イビルジョー「クッチャクッチャ…」

ティガ「すでに食ってやがる…しかもポポを一口だとぉ…」

ラギア「絶対戦うな!死ぬぞ!!」

ベリオロス「シャッ!!」ダッ ブゥン

ティガ「おぉ!?テメッ…!?」サッ

ティガ「ちっ…同時はさすがにめんどくせぇな!」ザザザッ

イビルジョー「ガァァ…」ボタボタ…


……………



ラギア「何とか逃げ切れたか…」

ティガ「もう一匹と戦ってるんじゃね?」

ラギア「そうでないといいのだが…」

ラギア「ベリオロスは速さと機動力は誰にも引けをとらない」

ラギア「だが、飢餓したイビルジョーは規格外だ」

ラギア「相手がどんな者だろうと捕らえれば確実に食う」

ティガ「どんだけやべぇんだよソイツ」

ラギア「そうだな…押さえ込めるなら伝説の黒龍の力が必要と言えば理解できるか?」

ティガ「そんな幻レベルのヤツじゃないと止められないとか終わってるだろ…」

ラギア「しかも侵食のせいで常時暴走状態」

ラギア「結局、侵食を止めるしか方法はないのだ」

ティガ「それで止まらなかったどうするつもりだよ?」

ラギア「我々生物の死滅が待っているかもな…」

ティガ「…」

ラギア「だから早く原因を突き止めなければならないのだ」

ラギア「凍土はほとんど調べられずに離れてしまったが…」

ティガ「じゃあ次行くかぁ?ここに答えがあるとも限らねぇしよぉ」

ティガ「急がないとやべぇんだろ?」

ラギア「あぁ、そうしよう」



 『 砂原 洞窟内 』



ディア「しつけぇな!」

ボルボロス「ブォォォ…」グルン

ディア「ガルルガ!もうちょっとかかりそうだからひとりで探してきてくれね?」

ガルルガ「それはかまわないが…」

ディア「ロアルドロスがどいつかは見れば分かる、頼むぜ!」

ガルルガ「あい分かった」

ガルルガ「チビ、行くぞ」ヒョイ

ルドロス「あ…」

ガルルガ「ちゃんと戻って来いよ!」ピューン…

ルドロス(こわいかおのにいちゃん…)

ディア「言われなくても…な?」ザッザッ


 「クルルル…!」ピュー


ディア「あれは……気にはなるがオレも油断はできねぇ!」ザッザッ

ボロボロス「ゴフッ!!」ブルル




 『 火山 上空 』



ガルルガ「もう一度孤島へ行ってみるか」

ガルルガ「あの辺りは見覚えがあったんだろう?」

ルドロス「うん!」

ガルルガ「よし、ならさっさと行くとしよう」シューン

クルペッコ「ケェェェェ!!」ビュゥゥゥ

ガルルガ「あれはさっきの!?」

クルペッコ「ペッ!!」ビチュッ

ガルルガ「くっ、こういうのばかり食らうなワタシは!!」ベチョ

クルペッコ「クェェェェェェ!!」ビュォォォォ

ガルルガ「早い!?ぐぁ!!」ドガッ!!

ルドロス「ひゃっ」ヒューン

ガルルガ「しまった!?チビ!!」バッサ ビュゥゥゥゥ

クルペッコ「クァ!クァ!!」ヒュンヒュン

ガルルガ「くっ…邪魔するな!!」グルン

クルペッコ「ケェッ!!」サッ カチン!!

ガルルガ「がぁっ!?」ドォォォン!! ヒューン

ガルルガ(翼を焼かれてうまく飛べない…)

ガルルガ(このまま落ちると…まずい、マグマが!?)

ガルルガ「チビぃぃぃぃぃ!!」ビュォォォ

ルドロス「!!」


ガルルガ「少し痛いけど我慢してくれ!!」ガシッ ポイッ

ルドロス「あうっ」ドサッ ゴロゴロ

ガルルガ「うっ…!?」ドプン

ガルルガ「ぐぅぅぅぅぅ!?」ジュゥゥゥ!

ガルルガ(さっき受けた粘液が激しく熱をもっている…)

ガルルガ(早く出ないと…でも身体が痛みで動かない…!!)

???「…」グイ ザブザブ

ガルルガ(誰だ…ワタシの体を引っ張っているのは…)

ガルルガ「ぐっ…」ドシャ

???「落ちてきたからビックリ」

???「火傷が酷い」ズルズル プチッ

???「そこの子も薬草拾うの手伝って」

ルドロス「うん…これ…?」プチプチ

???「そう、いっぱいお願い」

ルドロス「わかった!」


ガルルガ「すまない、助かったよ」

???「…」コクリ

ガルルガ「あんたは周りのヤツみたいになっていないんだな」

???「よく分からないけどマグマの中にいたからかも?」

ガルルガ「そうなのか?」

???「多分」

ガルルガ「ところでそちらの名は?」

アグナ「アグナコトル」

ガルルガ「アグナとやら、悪いがワタシ達は少々急いでいるのだ」ムクリ

ガルルガ「ぐっ!?」ズキッ

アグナ「まだ休んでたほうがいい」

ルドロス「ねてなきゃだめー」ポンポン

ガルルガ「すまない…」

アグナ「少し話を聞かせてほしい」

アグナ「お姉さんはここへ何しに来たの?」

ガルルガ「…イャンガルルガだ」

アグナ「じゃあガルルガさんはどうしてここに来たの?」

ガルルガ「この子を元いた場所へ帰してあげにきたんだ」ナデナデ

ガルルガ「我々の大陸に迷い込んできていたんだ」

ルドロス「んー?」

アグナ「タイミングが悪かったね」

ガルルガ「そうだな…こんな状況の中来てしまうとはな」


ガルルガ「この子の住んでいる場所知らないか?」

アグナ「知ってる」

ガルルガ「教えてくれ!」

アグナ「待って」クルリ


 ガラガラガラガラガラッ!!


ガルルガ「何の音だ?!」

アグナ「ウラさんが来た」カパカパカパ

ガルルガ「暴走した者か?!また間が悪いな…」ググ…

アグナ「動かないで」スッ

アグナ「私が相手するから」ズシュゥン

ウラガンキン「ゴォォォォ!!」ドババババッ!!

ガルルガ「熱線か…動きが止まったな」

アグナ「でもウラさんにこれは効かない」ズルズル

ウラガンキン「グゥゥ!!」ブォン! バラバラバラ

アグナ「!!」ゴリゴリゴリ…

ガルルガ「地中を潜れるのか、ディアみたいだな」

ウラガンキン「ンゴォォォォ!!」ドンッ! ドガァン!!

アグナ「こっちだよ」ズバァン

ウラガンキン「ガッ!!」ブゥン

アグナ「あっ」ドガッ!!

ガルルガ「アグナ!ぐぅ…!?」ズキッ

ウラガンキン「ゴォォォォ!!」ゴロゴロゴロ

アグナ「!?」ドガァッ!!


ルドロス「アグナねーちゃんあぶなーい!!」

ガルルガ「まずいぞ…戻ってくる!!」

アグナ「う…」フラフラ


 「肉団子が生意気に転がってんじゃねぇぞゴルァァァ!!」ドサッ ガシィ!


ガルルガ「ティガ!」

ルドロス「おっちゃーん!」

ティガ「おう、ガルルガぁ…随分とボロボロじゃねぇかよぉ!」グググ

ラギア「アグナ、お前も無事だったか」

アグナ「…君がこっち来るなんて珍しいね」

ラギア「この侵食の原因を探っていたんだ」

アグナ「そう」

ティガ「で?いつまで丸まってんだ肉団子がぁぁぁ!!」ミシミシミシ

ウラガンキン「グゥゥ…」ガバッ

ティガ「ツラ出しやがったな?!バカめが!!」ブォッ

ウラガンキン「グァァァァァァ!!」バキャン!!

ティガ「まだまだぁ!その顎が小さくなるまでしばいたらぁ!!!」ブンブンブン

ウラガンキン「ヒギィィィ!?」バキッドガッベキョ!!

アグナ「あのヒトすごいね」

ガルルガ「うちの大陸一の暴れん坊だからな」


ウラガンキン「グゥゥ…」ヒョッコヒョッコ

ティガ「逃がすかボケェ!!」

ガルルガ(あの状態でも身の危険を感じたら逃げるのか)

ラギア「そこまでにするんだ、ティガ」

ティガ「あぁん?!あんでだよ!?」

ラギア「ここで時間かけているとイビルジョーが来るぞ」

ラギア「ヤツは特定の生息地をもたないからどこにでも現れる」

ティガ「げっ!?マジか…」

アグナ「ジョーも暴走してるの?」

ラギア「あぁ、その上飢餓状態だ」

アグナ「…逃げるしかないね」

ガルルガ「ティガがビビるとは…そんなに危険なヤツがいるのか?」

ラギア「放っておけばこの大陸の生物はヤツに食われて死滅する」

ガルルガ「…それはワタシも遠慮願いたいところだな」


ラギア「とりあえず他を調査する前にこの子を避難所へ連れて行こう」

ルドロス「う?」

ティガ「また逆戻りかよぉ…」

ラギア「いや、水没林にまだ侵食の影響を受けていない仲間がいる」

ラギア「ソイツに連れて行かせよう」

ガルルガ「ワタシも一緒に行ってやりたかったがまだ身体がうまく動かない…」

ガルルガ「後で追わせてもらう」

ティガ「怪我人は大人しく寝てろや!!」

ガルルガ「そうさせてもらうよ」ドサッ

ティガ「ほれ、背中に乗れやガキンチョ!」スッ

ルドロス「久しぶりのおっちゃんだ!」ガシッ

ティガ「そこは尻尾だ!遊んでんじゃねぇんだぞ!?」ブンブン

ルドロス「きゃっきゃ!」

ラギア「我々はもう行く、後は頼むぞアグナ」ドスドスドス

アグナ「うん、まかされた」

ガルルガ「ワタシはそのイビルジョーっていうのが来る前にここを離れるよ」

ガルルガ「そっちは大丈夫なのか?」

アグナ「さすがにジョーでもマグマにまでは入ってこれないから」カパカパ

ガルルガ「熱に強い身体は今は羨ましいな…」ニッ



 『 一方あちらの大陸 森丘 』



ヒプノック「先生~、相変わらず無茶ばっかりしてるよね~」ペタペタ

クック「こんな所まで出張してもらって悪いね」

ヒプノック「患者他にもいたから別にいいけど~エリマキボロボロになってんじゃな~い?」スリスリ

クック「ははは、ボクの所によくハンター来ちゃうから仕方ないんだよね」

ヒプノック「でもそれでも無事帰ってきてるからすごいわ~マジ~」

クック「ちょっと今日は本気で撥ね飛ばしちゃったからハンターもビックリしたと思うよ」

ヒプノック「今度はウチがそのハンター蹴飛ばしちゃおうかしら~?」

クック「そりゃひどいな、はっはっは」

クシャル「ちょっと先生!私の話聞いてた!?」

クック「またフラれて自分の何が悪いのか聞きに来たんだよね?」

ヒプノック「まだお相手捕まえれないの~?」

クシャル「うるさい!これでも精一杯の努力はしてるわ!!」

ゲリョス「!!」ジタバタジタバタ

ヒプノック「こら~ゲリョ公!まだ治療の途中なんだから暴れるなぁ~」

ヒプノック「まったく~何してたら頭のライトクリスタル壊すんだか~」

ゲリョス「☆」

ヒプノック「テヘッ☆じゃないわよ~もうちょっとだから大人しくしてなさ~い」ゴソゴソ

クシャル「アイツもよく傷ついた相手を治療する者なんかに回ったもんだわ」

クック「若いけど治癒の腕は悪くないし、そのおかげで長く生きてこれた者だっているんだよ」

クック「ボクだって彼女に生かしてもらえてるしね」

クシャル「ふぅん」


翠トトス「あ、先生こんな所にいたんですか!探しましたよ」ドスドス

クック「あぁ、トト子ちゃんじゃないか」

クシャル「あなたがここへ来るのなんて珍しいわね」

翠トトス「クシャルさん、こんにちは」ペコリ

クック「それでボクに何か用事かい?」

翠トトス「はい、ちょっと相談がありまして…実は…」


………


クック「隣の大陸の異変ねぇ…」

翠トトス「明らかに住んでいる者達もどこか様子が変でした」

翠トトス「何か心当たりはないかと思って聞きに来たのですけど…」

クック「ごめんね、ボクにも原因は分からないな」

翠トトス「そうですか…」

クック「そんな不可思議な現象ならボク以外で聞くべき相手いるんじゃないのかい?」

クック「君とは特に仲が良いみたいだし、今いるかは分からないけどね」

翠トトス「あっ!?そっか!!」

翠トトス「先生、ありがとうございます!」

クック「お役に立てて何よりだよ」

クック「もしかしてもう一回向こうへ渡る気かい?」

翠トトス「はい、ティガさん達が心配なので」

クック「だったら他にお友達を連れて行ったほうがいいよ」

クック「話聞く限りじゃ結構危険な感じしてるしね、ひとりは危ない」

翠トトス「誰か一緒に来てくれるかな…」

クック「例えばそうだなぁ…ヒーちゃん、ちょっといいかな?」

ヒプノック「なんですか~?」ヒョコ


クック「悪いんだけどトト子ちゃんと一緒に隣の大陸へ行ってくれないかい?」

ヒプノック「え~ウチがですか~?」

ヒプノック「言っておくけどウチ、飛び蹴りと眠りブレス吐くぐらいしかできませんよ~?」

クシャル「十分じゃない、行ってあげなさいよ」

クック「なんなら君が行ってきてもいいんだよ?」

クシャル「お断り」

クシャル「あ、でもトト子には向こうのヒト誰か紹介してもらわなくちゃいけなかったわね」

翠トトス「それはお兄ちゃんと約束しただけでしょ?わたしは関係ありませんから!」

クシャル「カエル」ボソリ

翠トトス「!?」

クシャル「オオシッポガエルの食べ放題でどうよ?」

翠トトス「うぅ…物なんかに釣られたらダメなんだけど…」ダラァ

クック「トト子ちゃん、ゆっくりしてていいのかい?」

翠トトス「あっ!」

クシャル「ちっ」

ヒプノック「じゃあウチはトト子ちゃんと行くことにするわ~」

ヒプノック「治療は大体終わったしね~」

翠トトス「ありがとう、ヒーちゃん!」

ヒプノック「いつの間にかウチ、ヒーちゃんって呼ばれてるし~」

ヒプノック「まぁ行きましょ~」バッサバッサ

翠トトス「途中で誰かいたら誘ってみようか」ドスドスドス

クック「…行っちゃったね」

クシャル「先生さ、あの子の兄…トトスと同じ目に合わせないようにヒプノック行かせたでしょ?」

クック「あまり考えず言ったけどそうかもねぇ」

クック「お兄さんのトトス君と同じで優しい子だからついそういう事に巻き込まれやすいみたいだし」

クック「ディア君やガルルガさんにティガ君もいるから大丈夫だと思うけどね」

クシャル「そうね」



 『 水没林 水辺 』



ラギア「ここだ」

ラギア「チャナガブルいるか?!」

チャナガブル「あいあ~い」バシャン

チャナガブル「どしたんすかラギアの旦那?」

ラギア「いきなりで悪いのだがこの子を孤島の避難所へ連れて行ってくれないか」

ルドロス「おっきなおさかなさんだー」

チャナガブル「あれま、ロアルの旦那の探してた子じゃないっすか!」

チャナガブル「これは動かざるをえないっすね…まかせてくだせぇ!」ザパーン

ティガ「妙なツラと体してんな」

チャナガブル「おおう、そっちこそ頭悪そうな顔してるっすなー」ジャキン

ティガ「どうやら死にてぇようだな!!」ガチンガチン

ラギア「やめろお前達…今はそんな事してる場合ではないのだ」

チャナガブル「申し訳ないっす」スッ

ティガ「ちっ…」クルッ

ラギア「あちらの大陸に住んでいた彼がこの子を保護してくれていたのだ」

チャナガブル「なるほどぉ、見た目に反して随分と親切なヒトでっすな」

ティガ「へっ…」

チャナガブル「ラギアの旦那は侵食の調査っすか?」

ラギア「あぁ、道中でこの子を見つけたので先に避難させておこうと思ってな」

チャナガブル「必ず原因見つけてくださいっすよ?旦那を信じてますから!」

ラギア「もちろんだ」


チャナガブル「じゃあこの子は預かりまっすね、こちらへおいでっす」

ルドロス「?」

ティガ「…離れろや」

ティガ「ガキィ…テメェはお留守番だ、あの妙ちくりんについていけ」

ルドロス「えーやだ」

ティガ「おい…」

ルドロス「まだおっちゃんとあそんでないもん」

ティガ「こんな時でもんなこと言ってんのか!?」

チャナガブル「仕方ないっすね…ほーら提灯っすよー」ピコピコ

ルドロス「わ、なにこれー?」チョンチョン

ラギア「ティガ、目を閉じろ」

ティガ「は?」

チャナガブル「ごめん!!」バチッバチッ ピカッ!!

ルドロス「ふにゃぁ!?」ゴロン

ティガ「ぐぁぁぁ!?また閃光かよぉぉぉ!!」ゴロゴロゴロ

チャナガブル「じゃあ今のうちに行きまっすんで」ヒョイ

ラギア「あぁ、頼んだぞ」

ルドロス「見えないよー、おっちゃーん!」ジャボン

ティガ「くそが…不意打ちすぎんだろ…」フラフラ

ラギア「警告したんだがな…」

ラギア「あと調査していないのは……渓流か」

ティガ「んじゃ行くか」



 『 渓流 』



ラギア「ここはまだ侵食の影響を受けていないようだな」

ティガ「全部が全部ってわけじゃねぇのか」

ラギア「だが一応調査はしておこう」

ラギア「すまないがティガはそちら側を調べてきてくれないか?」

ティガ「しゃあねぇな、行ってくるぜ」ドスドス

ラギア「くれぐれもイビルジョーには気をつけてくれよ」

ティガ「マジでどこにでも現れるんだな…じゃあな」ドスドスドス

ラギア「警告は事前にしたはずだがここに住む連中は逃げる気がないようだな…」

ラギア「確かこの辺りだとドボルベルクがいるはずだ」

ラギア「少々話を聞いてみるか」ズッズッ




ティガ「お?何だあの丸い鳥は??」

ガーヴァ「ガーヴァガーヴァガーヴァ丸鳥の子~」テクテク

ティガ「オラァ!」

ガーヴァ「ピェッ!?」ポンッ コロリン

ガーヴァ「何か怖いのきたぁぁぁぁぁ!!」タタタッ

ティガ「…卵落としていきやがった、なんだありゃ?」

ティガ「とりあえず食ったろ」バリバリ

ティガ「お、うめぇ!!」

ティガ「他にもっといねぇかなーっと…」キョロキョロ

ガーヴァ「なにあれ?怖いお…」

ガーヴァ「しっ、気づかれない内に逃げるお…」

ティガ「見ーつーけーたーぞー!!」ゴォッ

ガーヴァ「ピィ!?」ポンッ ポポンッ

ガーヴァ「怖いよママーン!!」タタタッ

ティガ「へへ、大量大量っと」バリバリ

ティガ「なんだ、普通だとわりといい所じゃねぇかよ」

ガーグァじゃないかな?


ティガ「あー水がほしいわぁ!どこにあるんだ?」ドスドス

??????「あー変なのがいるべー」

ティガ「うおっ!?なかなか図体でけぇのがいやがった!!」

??????「オマエさん、何者だべ?」

ティガ「あ?隣の大陸のモンだ」

??????「周りが大変な時に来るとか頭は大丈夫かー?」

ティガ「オレ様だって来たくなかったわ!」

ティガ「こっちのガキが迷い込んできやがったんだからじゃあねぇだろ!」

??????「あーするってぇとオマエさん連れてきたのロアルはんの子供だべなぁ」

ティガ「お、知ってんのか」

??????「だってよぉ、ロアルはんさっきその辺探してたからなぁ」

ティガ「マジでか!?どこだ!!」

??????「スポンジ乾いてきたって言うとったからこの先の滝の方にいるべ」

ティガ「よっしゃ、話しつけてくっか」ドドドドド

??????「今気が立っているから気をつけろよぉ…って、もう行っちまっただぁ」

ラギア「こんな所にいたか、ドボルベルク」

ドボルベルク「おぉー、ラギアはん」

ドボルベルク「ちょいと聞いとくれよぉ、さっき変な虎模様の変なヤツおったどー」

ラギア「あぁ、知り合いだ」

ラギア「それより少々話を聞きたいのだが…」

>>72 ホントだw間違いですごめんね



 『 渓流 滝前 』



ティガ「ここか?お、いやがった!」

???「あぁ、どこへ行ったんや我が子よ…」ザザザ

ティガ「おい」

???「あぁぁぁ…はよぅ水分を補充して探しに行かんと…」ザザザ

ティガ「おい!聞こえてんのか?!」ドスンドスン

???「んぁ?」

ティガ「テメェ、ロアルドロスて言うのか?」

ロアル「そうやけど、あんさん見たことない顔でんなぁ」

ロアル「はっ!?まさかワレか!ワイのルドロス攫っていったん!?」

ティガ「攫ってねぇよ、そのガキなら…」

ロアル「見たことぉない面で不審なヤツで怪しゅうないわけなかろうが!!」

ロアル「絶対許せへんでぇ!!」ダッ ゴロン

ティガ「うおっ!?だからオレ様はガキに何もしてないっての!!」

ティガ「むしろ…おわぁ!?」ビチャン

ティガ「話聞けやゴルァ!!」ブゥン

ロアル「ぐへっ!?お、おのれぇ…ワイにまで危害加えるんかこのゲスがぁ!!」グルッ

ティガ「だったら暴れんじゃねぇよ!そこらの狂ったヤツらと同じかテメェ!!」ガシュッ ガシュッ

ロアル「ぐぁぁぁ…!?ゆ、許せへん…でぇ…」ズルズル

ティガ「あ、やべぇ…このままトドメ刺しちまうところだった」

ティガ「あのなおっさん、オレ様は…」

ロアル「ワイの命尽きようともルドロスの仇を…」ズルズル


ラギア「待てロアル!!」

ロアル「ラ、ラギア兄貴…コ、コヤツがうちの子を…」

ラギア「聞け、お前の子供は避難所へ送った」

ロアル「…へ?」

ラギア「その者はあの子を保護した上、ここまで連れてきてくれたのだ」

ロアル「マ…マジかいなぁ!?」

ティガ「だから何もしてねぇつったろ…」

ティガ「そのガキが勝手にうちの大陸まで来てたんだよ」

ロアル「…心当たりがあるわ」

ロアル「好奇心旺盛でな、すぐどこかに遊びに行こうとする子やねん」

ロアル「ワイが隣に大陸があって見た事ないのが住んどるって教えたんや」

ラギア「それで自分の力で海を渡って行ったわけか」

ティガ「つーことはおっさんがすべての元凶か!?」

ロアル「ホンマ堪忍や!」ペコペコ

ティガ「いや、オレ様もついドツキまわして悪かったよ」

ロアル「ええんや、ワイは考えるより先に突っ込もうとする悪い癖があってやな」

ロアル「どういう形でも止めてくれたんは助こうたわ」

ティガ「そ、そうか…」

ロアル「なぁラギア兄貴、ホンマにうちの子は無事なんやな!?」

ラギア「あぁ、この目で確認した」

ラギア「先ほどチャナガブルに避難所へ送らせたところだ」

ロアル「ならワイも行ってみるわ!!」ズル…ズル…

ラギア「あぁ、気をつけてな」

ティガ「あれだけフラフラで大丈夫かあのおっさん…」

ラギア「まぁ大丈夫だろう、水にさえ入ってしまえばかなりの実力はある」

ティガ「道理でよわっちぃと思ったら水棲なのか」

ラギア「それに関しては私もだが、向こうの心配は要らないだろう」

ティガ「そうか…で、どうするよ?」

ラギア「もうほぼ調べ終わったのだが後見落としはなかっただろうか…」



 バシュッ! ピカァァァァァァ!!


ティガ「うぇ!?またまた閃光かよぉ!?」

ラギア「この光はまさか!?」

ティガ「もしかしてこれが例の侵食が始まる前兆ってやつか!?」

ラギア「くっ…この先の滝の奥に空洞がある、そこへ入ろう!」

ティガ「おう!確かこっちだったな!!」ドスドスドス



……………



ラギア「ここまで来れば一先ず大丈夫だろう」

ティガ「おい、侵食とやらが始まったみたいだぜ!」

ティガ「景色がすげぇ勢いで毒々しくなってやがる…」

ラギア「ついにここまでやられてしまったか…」

ラギア「侵食が落ち着くまでしばらくここで待機しよう」

ティガ「おう…」

ティガ「結局原因ってぇのは見つかってないわけだが」

ティガ「それに大体調べつくしたよな?」

ラギア「…あまり考えたくなかったのだがまだ調査していない場所がある」

ティガ「どこだ?」

ラギア「それは……人間の住む村だ」


ティガ「まさか人間が原因ってオチかぁ?」

ラギア「分からない、だがもうそれぐらいしか思いつかないのだ」

ラギア「最初の侵食が始まるとほぼ同時期に人間達はこちらへ来なくなった」

ラギア「それに飛べるヤツに村を見てもらったところあちらに侵食の痕はなかったそうだ」

ティガ「人間のこたぁよく分かんねぇがこんなマネできるヤツいるか?」

ティガ「そこまでしてヤツらに何の得があるよ?」

ティガ「むしろ逆に危険が増すだけだぜ」

ラギア「だから原因として除外していたのだが……うっ!?」

ラギア「ぐぅぅぅぅぅ…?!」ガクガクガク

ティガ「おいおい、いきなりどうした?!」

ラギア「まさか…これ…は…」

ラギア「逃げ…ろ…ティ…ガ…」ズゾゾゾ

ティガ「コイツの身体の色が変わっている…これってよぉ…」

ティガ「テメェ、侵食されちまったのかよぉ!?」

ラギア「ニ…ゲロ…」ゾ…

ティガ「全身真っ黒になりやがった…おい!聞こえてんのか?」

ラギア「ガ…ガァァァァァ!!」バチンバチン

ティガ「やべぇ…こんな所でそんなモンかまされたら…」

ラギア「グゥォォォォォ!!」バチバチバチ!

ティガ「ぐぇあぁぁぁぁぁ!?」バリバリバリィ!!

ティガ「オレ様は電撃はダメだ…それに力が入らねぇ…」ドシャ ビリリ

ラギア「ガフッ!!」ガシュッ

ティガ「ぐっ…!?」

ラギア「ガァ…」パリッ…パリッ…

ティガ「また電撃か…やべぇ…」


ラギア「ガフッ!!」ガシュッ

ティガ「ぐっ…!?」

ラギア「ガァ…」パリッ…パリッ…

ティガ「また電撃か…やべぇ…」

???「…」ザッザッザッ

ラギア「グゥ?」グルン

???「はっ!!」ダンッ シュッ

ラギア「ギャァァァァァオ!?」バキャン!! パリッ…

???「わずかな時間で侵食されたか」ザッ

???「こうなる危険性があるのを知っていながら無理をするからだ」グイッ

ラギア「ガァッ!?」ズザザザザザ

???「ここを離れろティガ!」ズリズリズリッ

???「そして人間の村へ行け!そこに原因である何かが必ずある!!」ザバァッ

???「コイツはオレが食い止めておいてやる!!」バシャンバシャン

ティガ「くそが…やっと動けるようになったぜ…」

ティガ「アイツ、また会ったけど何者だぁ?」

ティガ「オレ様をこき使うたぁ生意気なヤツだが…」

ティガ「村とやらへ行くのを優先してやるよ」クルリ

ティガ「今度あったら絶対ツラ拝んでやるからなぁ!!」ドドドドド



……………



???「…行ったか」

ラギア「ハァハァハァ…」ダラダラ

???「お疲れか?背電殻を破壊してやったから余計だろうな」

ラギア「グ…グァァァァァァァァ!!」ズバババババ!!

???「っ!?」サッ

???「…まだまだやる気のようだな、遠慮なくかかってこい」

???「貴様のような海竜が地上でオレの動きについてこれたらの話だがな」シュバッ

ラギア「グガァッ!!」



 『 凍土 空洞内 』


ヒプノック「寒いよ~マジで~」ガタガタ

翠トトス「もう少しだけ我慢してね」ザッザッ

ヒプノック「どうじてウチら~ごんなどごろ歩いでるの~?」

翠トトス「他の陸地地点はいきなり襲われるから危ないんだよ」

翠トトス「それにわたし達だけだからあまり危ない所は避けなきゃ」

ヒプノック「ん~確かにね~」

ヒプノック「あうちっ!も~最悪~すっごく冷たい雫が落ちてきたじゃないの~」ピチョン

翠トトス「こういう場所だから仕方ないよ」

ヒプノック「早く暖かい所行こうよ~」

翠トトス「そうだね――」


 ズルズルズル……ガボッ!!


ヒプノック「ん!?んーっ!?」ジタバタ

翠トトス「ヒーちゃん!?」

翠トトス「このっ!!」ダンッ

?????「ギィッ!?」ドガッ!! ヒラッ ペタリ

ヒプノック「あだっ!?」ドサッ

ヒプノック「ひぃ~いきなり何があったってのよ~」

翠トトス「大丈夫!?」

ヒプノック「なんとか~それよりコレ何~?」

翠トトス「ごめん、上にいるのに全然気づかなかった…」

翠トトス「フルフルさんに少しだけ似てるけどこのヒトは確か…ギギネブラ」

翠トトス「ああやって相手を頭上から捕食したり毒を撒いたりしてくるヒトだったはず」

ヒプノック「本当に話通り、暴走してるって感じだね~」


ギギネブラ「ギィッギィッ」ベタンベタン

ヒプノック「こっち来た~!?」

翠トトス「何とか動きを止めて逃げよう!」

ヒプノック「じゃあ眠らせようか~?」

翠トトス「待って、わたしがなんとか誘導するよ!」ドスドスドス

翠トトス「やぁっ!!」ブゥン

ギギネブラ「ケェッ!?」ビタン!!

ギギネブラ「ギィッ!!」バッ

翠トトス「このっ!!」スゥー ブシューッ!!

ギギネブラ「ギ!?」ズバッ!!

ヒプノック「そこだ~!!」バサバサッ

ギギネブラ「ギィ!?」ゲシッ!!

翠トトス「危ないよヒーちゃん!」

ヒプノック「大丈夫~ちゃんと隙狙ったから~」

ギギネブラ「ギッ!!」バッ ベタリ

ヒプノック「天井に張り付いた~もう食べられるのは勘弁~」

翠トトス「!!あの高さなら…当たるっ!!」ドスドス ダッ ヒューン

ヒプノック「トト子ちゃんが飛んだ~!?」

翠トトス「ごめんなさい!!」シュッ

ギギネブラ「ギィッ…!?」ベチッ! ドサッ!

ギギネブラ「ギィッギィ…!」フラフラ…

ヒプノック「あれ~?もう寝そう?」

翠トトス「わたしのヒレにも睡眠効果あるの」

ヒプノック「そうだったんだぁ、じゃあこれで完全におねむになりな~」ペッ

ギギネブラ「ギゥ…」ボワン! フラ…ドサッ

ギギネブラ「ヒィ…ヒィ…」Zzz

翠トトス「ふぅ、起きてくる前に早くここを出よう?」ドスドス

ヒプノック「了解ですよ~」タッタッ



 『 砂原 沼地帯 』



ヒプノック「今度は暑い~死ぬ~」

翠トトス「足元が湿ってなかったらわたしもう倒れてたよ…」


 ドスッ! ズシャッ! ガキィン!


翠トトス「あ、何か争ってる音がする」

ヒプノック「また変になったヒト達~?」

ディア「さっさと眠れよオラァ!!」ドドド

ボルボロス「グォ!?オォォォ…」ドガァッ!! ドシーン

ディア「クソッタレめ、ものっそいタフなヤツだったぜ…」

翠トトス「ディアさん?」

ディア「んぁ?なんでぇ美少女達も来たのかぁ?」

ヒプノック「誰が美少女ですか~?この女たらしめ~」

ディア「バーカ、オレが一番好きなのはレイアたんだけだっての!」

翠トトス「そんな事よりあの子はどうしたのですか?」

ディア「そんな事ってなんかひでぇ!?」

ディア「あのガキンチョはガルルガに託したぜ」

翠トトス「託したって…それからは分からないんですか?」

ディア「おうよ、このバカがずっと追い回してくるから追えれなかったのよ」

ディア「やっと体力切れ起こしたみたいだけどな」

ボルボロス「ブフー…ブフー…」グター

ディア「ま、あっちの心配はいらねぇよ」

ディア「アイツだってそんなヤワなヤツじゃねぇし、ティガもどこかでうろついてるはずだ」


ディア「それよりお前らは何でここへ来た?」

翠トトス「この異常な大陸を戻しに…ですね」

ディア「原因が分かったのか!?」

翠トトス「いえそこまでは…」

翠トトス「でもこういうのに詳しいヒトに今来てもらっています」

翠トトス「状態見れば解決策があるかもしれないって言ってました」

ディア「で、ソイツは?」

翠トトス「もうしばらくしたらこの大陸へ来てくれるそうですが」

ヒプノック「海底から来るからどこかで待ってないとダメってさ~」

ディア「普通なら孤島の入り江から来るんじゃね?」

ディア「他の海岸は入りにくいだろうしなぁ」

ヒプノック「じゃあ孤島とやらへ行っちゃう~?」

翠トトス「そうだね、では孤島へ!」

ディア「オレもあいつら探すからついてくわ」

ヒプノック「あら~頼もしいボディガードがついたわ~」

ディア「だがさっきの戦闘でだいぶお疲れだけどな」

ヒプノック「なんだとこの役立たず~眠らせてやろうか~?!」

翠トトス「変わり身早すぎるよ…」



 『 水没林 湿地 』



翠トトス「ふぅ」ジャポジャポ

ヒプノック「水気ある場所あってよかったね~」

翠トトス「もう少しで干からびる所だったよ…」

ディア「水棲も大変だな」

ヒプノック「逆にディアは泳げないくせに~」

ディア「黙れ、お前もだろ」

ヒプノック「飛べるから問題ないのさ~」バサバサ


 ドスンドスンドスン!!


ディア「おい!何か来たぞ!?気をつけろ!!」

翠トトス「いつでも離れられる準備をしましょう!!」

ヒプノック「…」

ディア「…」

翠トトス「…来ませんね」

ディア「いや……上だっ!!」


 ヒュゥゥゥゥゥ ドスゥゥゥゥゥゥゥン!!


ヒプノック「うわぁぉ!?でっかいのが落ちてきたぁ!?」

ディア「コイツは……ドボルベルク!?」

ドボルベルク「ブォ…ブォォォォォォッ!!」


翠トトス「確か尾槌竜と呼ばれるヒトでしたっけ?」スゥゥゥ ブシューッ!!

ドボルベルク「ブゥゥゥ!!」ドッドッドッ

ヒプノック「トト子ちゃんの水流ブレスくらいながら突っ込んでくるよ~」

翠トトス「!?」

ディア「あぶねぇ!!」ドンッ

翠トトス「あっ!!」ドサッ

ディア「ぐほぉ!?」ドガッ!! ゴロゴロ

翠トトス「ディアさん!?」

ドボルベルク「…」グルン

ヒプノック「これでもくらって寝てろ~!!」プップッ

ドボルベルク「ブゥッ!!」ブゥン

ヒプノック「くけぇ!?」ドゴォ!! ズサー

翠トトス「ヒーちゃん!?」

ドボルベルク「…」ザッザッ

翠トトス(ディアさんはかなり疲労してるみたいだったし、ヒーちゃんは基本戦うの苦手だし…)

翠トトス「ここはわたしが頑張らないと!!」ドスドスドス

ドボルベルク「オォォォォ…」グルーングルーン

翠トトス「危ない!!」バッ

ドボルベルク「―――」グルーングルーングルーン…

翠トトス「…」

翠トトス(ずっと回転している…容易に近づいたら危険だね…)

翠トトス(だったら止まったその時がチャンス!!)


ドボルベルク「オォォォォォォォ!!」ビュオゥゥゥ…

翠トトス(飛び上がった!?)

翠トトス(落下地点が読めない……はっ、しまった!?)

翠トトス「あぐぅ!?」ブチィ!!

翠トトス「ちゃんと…警戒しておけば…よかっ…」ピクピク

ディア「テメェ…トト子やりやがったな…!!」フラフラ

ドボルベルク「ブォォォォォ!!」ドッドッドッ

ディア「がぁっ!?」ドガァ!!

ヒプノック「つ、強いよ~…この子~…」

翠トトス「うぅ…」

翠トトス(こんな所でやられるわけには…)

翠トトス(お兄ちゃん、力を貸して…?!)

翠トトス「負け…ない…」ググ…

ヒプノック「トト子ちゃん…無理しちゃダメ~!?」

翠トトス「かかって…こい!!」


 ガサガサガサ ガサガサガサ


イビルジョー「グゥォォォォォォォ!!」

ヒプノック「ま、また別のが~!?」

翠トトス「!?」

ディア「ウソだろ…何でコイツが…こんな所うろついてるんだよ…?!」


イビルジョー「ハァハァ…」ボタボタ

ドボルベルク「ブォォッ!!」ブゥン

イビルジョー「ギャラァァァ!!」ガブッ ブン

ドボルベルク「ブァァァァ!?」ビターン!!

ディア(しかも飢餓状態か?…全快のオレでもまともに相手できるかどうかだぜ…)

ディア「オレにかまわず逃げろ!?コイツとは絶対戦うな!!」

翠トトス「でもディアさんが!?」

ディア「こっちは何とかするから!」

翠トトス「ダメです!誰も犠牲になんかしたくない!!」

ディア「いいから逃げろ!今のコイツからは逃げないと確実に食われるぞ?!」

翠トトス「知ってます!でもっ!?」

イビルジョー「ハァハァ…」ボタボタ



 『 モガの森 』



ティガ「人間の村たってどこにあるか分かんねぇわけだが?」

ティガ「何かそれっぽい辺りまでは来た気がするんだがなぁ」キョロキョロ


 「――ちゃーん!」


ティガ「あん?」


 「おっちゃーん!」


ティガ「今、ありえねぇ声が聞こえた気がする」

ティガ「いや…こんな所にガキがうろついてるわけがねぇ…」

ティガ「奥へ行くか」ドスドス

ティガ「…」

ティガ「尻尾が重い…ゴミでも引っ掛けたか?」ブンブン


 「きゃっきゃっ」


ティガ「…」

ティガ「あーなんだ…こういう時どう言えばいいんだっけか…」

ルドロス「もっとブンブンしてー?」

ティガ「あ?ほらよ」ブンブン

ルドロス「わーい」

ティガ「って、違うだろ?!」

ルドロス「?」


ティガ「テメェなんでこんな所にいやがる!?」

ティガ「しかも音も立てずに接近して尻尾に張り付くとかとんでもねぇ動きしやがって?!」

ルドロス「おっちゃんとあそびたかったもん」

ティガ「だから危ねぇつってんだろ!ガキ一匹でこんな所きやがったらよぉ?!」

ティガ「避難所とやらに帰れ!!」

ルドロス「や」

ティガ「イヤじゃねぇ!テメェのオヤジが心配してんだよ?!」

ルドロス「パパ?ここくるときにいたよー」

ティガ「いただけかい!?」

ルドロス「パパよりおっちゃんだもん!」

ティガ「どんだけテメェはオレ様に期待してんだっての!?」

ルドロス「きたいってなに?」

ティガ「うがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ティガ「はぁはぁはぁ…疲れた…」

ティガ「もういい…そのまま尻尾に張り付いてろ」

ティガ「連れ帰るのも時間の無駄だ」

ティガ「絶対オレ様から離れるんじゃねぇぞ?」

ルドロス「はーい」

ティガ「さて…どこへ行けば…ってあれが村じゃねぇのか?」

ティガ「ゆっくり近づいてみっか」ノソノソ



 『 モガの村 』


ティガ「なんだこりゃ?ホントにここが村かぁ?」

ティガ「まったく人間がいねぇぞ」

ルドロス「ぞー♪」

ティガ「でも人間が作ったっぽいものがいくつもあるんだがな…」

ティガ「あれか?侵食で暴走したヤツが危険すぎるってんでここ捨てて逃げたのか」

ティガ「んぁ?!」ビキィ

ティガ「な…なんだこれ…身体がいうこときかねぇ…」ミシミシ…

ルドロス「おっちゃんどうしたの?」ポンポン

ティガ「ガキィ…どこかへ…行きやがれ…シヌゾ…」ミシミシミシ…

ティガ「ギャオォォォォォォォォォォ?!」

ルドロス「ひゃっ」ベタリ

ルドロス「おじちゃんのいろんなところあかくなってる…」

ティガ「ハァハァ…オォォォォォォッ!!」

???「そうだ、理性など吹き飛ばしてしまうのだ!」

???「そして『あちら』へ行き、すべてを破壊しつくしてやるのだ!!」

???「わっはっはっはっはっは!!」



 『 水没林 』


翠トトス「…」フラフラ

ディア「頼む…逃げてくれよ…」

ドボルベルク「ボォォ!!」ドッドッドッ

翠トトス「わたしはお兄ちゃんのようになるんだ!」

翠トトス「友達置いてなんか…逃げられない!!」バッ

ヒプノック「トト子ちゃん!!」

イビルジョー「ゴァァァァッ!!」ズダァッ

翠トトス「っ!?」

ドボルベルク「グェェェ…!?」ドガッ!!

イビルジョー「ガッ!!」ブゥン

ドボルベルク「ボッ!?」ドゴォ!! ズサー

翠トトス「…え?」

イビルジョー「はぁ…はぁ…」

ディア(マジか…オレの見間違いじゃなけりゃぁ…)

ディア(ジョーがトト子を助けた…?)

ドボルベルク「ボォォ…」ムクリ

イビルジョー「がぁっ!!」ズボォ ビュン!

ドボルベルク「ボァァッ!?」バキャン!!

ドボルベルク「ボ…」ドシャ ビクンビクン

イビルジョー「……お」

翠トトス「お?」

イビルジョー「おなかすいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ギャオォォォ!!


ヒプノック「へ?」

ディア「もしかしてコイツ…正常なのか…?」

翠トトス「あ、あの…」

イビルジョー「はぐはぐっ…」ガリガリガリ

ヒプノック「すごい勢いで何か鉱石の混じった岩齧りだしたんだけど~…」

ジョー「あー少し落ち着いたぁ!」

イビルジョー「こら、ドボル!いつもののんびりしたキミに戻りなさい!」

ドボルベルク「ブォ…」フラフラ

イビルジョー「でないとまた岩ぶつけるよ?!」ブルーン

ドボルベルク「」バチコーン!!

ディア「…」

翠トトス「あの…さっきはありがとうございます」

イビルジョー「ん?」クルリ

ヒプノック「ピェッ!?大丈夫だとしても怖いよ~」

イビルジョー「『また』何もしてないのに怖がられた…辛くて死にそう…」ドヨーン

イビルジョー「いつもヒトの顔見ただけでみんな逃げるんだよ…」

ディア「はは、どういうヤツかは聞いていたが素の状態だとオレらと同じじゃねぇか」

翠トトス「ですね」

ディアブロス「トト子、悪いけど何か食べるものを探してきてやってくれ」

翠トトス「あ、はい」ドスドス


ディア「ジョー、助けてくれたのには感謝するぜ」

イビルジョー「別にかまわないって!お腹空いてて気が立ってたし?」

ディア「他のヤツに聞いたところお前は凍土の奥地に引きこもっていたそうだが…」

イビルジョー「そうなの聞いてよー、寝てたらいきなり表が騒がしくなってきたのね?」

イビルジョー「その後すぐ周りが何か気持ち悪い色になっていたしさー」

イビルジョー「ビックリしたボクは慌てて表に飛び出したわけさ!」

ヒプノック「何だかすごく軽いノリの子だね~」

イビルジョー「くらーくジメジメしてるのは嫌いなのさ!」

ディア「…それで?」

イビルジョー「お腹も空いてたし眠りを妨げられたボクはプンプンだったわけで」

イビルジョー「でもやっぱりお腹空いてたから近くにいた変な目のポポ食べたの」

イビルジョー「食べながら歩いてたら何か色々いたのね」

イビルジョー「ラギアあんちゃんと変な虎模様の子」

イビルジョー「それと…おかしくなったっぽいベリオ」

ディア「ティガはラギアと動いていたのか」

ディア(不良と優等生の異色同士がよく一緒になれたな…)


イビルジョー「しょうがないからベリオを頑張って大人しくさせたのね?」

ディア「そのふたりはどこへ行った?」

イビルジョー「気がついたらいなくなってたよー」

ディア「多分、飢餓と侵食による暴走と勘違いしたんだろうな…」

ジョー「侵食ってこの変な色になってるヤツのこと?」

ディア「あぁ、オレ達はそう呼んでいる」

ディア「寝てたのなら知らないだろうがコレはヒトを狂わせるらしい」

ディア「だが、砂地などの底に潜っておけば影響しないようだ」

ディア「まぁ詳しい原因などはまだ不明だがな」

イビルジョー「そうなんだーふむふむ」

イビルジョー「ところでキミ、誰だっけ?」

ディア「今頃かよ!?角竜ディアブロスだよ、聞いた事ねぇか?」

イビルジョー「あーあー!名前は聞いた事あるかもー」

ディア「一時期こっちに住んでいたしな」

翠トトス「アプトノスいたからいくつか狩ってきたよ」ドサドサ

イビルジョー「にににっ肉?!」ガバッ

翠トトス「ひゃあ!?」

ディア「好きに食わせておいていいと思うぜ」

翠トトス「はい…飛びついてくるからちょっと怖かった…」

ヒプノック「その気持ちは分かるよ~」


ディア「あ、お前確か自分がいた場所まで侵食されてたみたいなこと言ってたよな?」

イビルジョー「んぐ?うん、そうだよ気持ち悪い色になっちゃったよ」

ディア「なのに何故影響を受けていないんだ?」

イビルジョー「さぁ?」ガブガブ

翠トトス「何だか特殊な体質みたいだしそれのおかげかな?」

ディア「分からんが暴走される危険はなさそうだな」

イビルジョー「それにねーこれこれ!」ガチャガチャ

イビルジョー「ラギアあんちゃんがお腹の空かない石くれたおかげでね」

イビルジョー「いつもより空腹になりにくいんだよねー」

ヒプノック「でもちょっと壊れてない~?」

イビルジョー「寝てる時に寝返りで潰しちゃったかも?てへっ☆」

ディア「対策はしていたのか、さすが冷静な男ラギアだな」

翠トトス「あ、早く孤島に行かなきゃ」

ディア「お、そうだな」

ディア「お前さんはどうする?」

イビルジョー「んーついてこかな」

イビルジョー「ボクもこの変なのの原因知りたいし?」

ディア「なら一緒に行くか」

イビルジョー「うんうん」

ヒプノック「じゃあレッツゴ~」



 『 モガの村 』



ティガ「ガァ…」ガチンガチン

ルドロス「おっちゃんがへんになっちゃった…」

ルドロス「どうしたの、おっちゃ――」

ティガ「ガフッ!!」ガシュッ

ルドロス「ひゃっ」ピョン ドサッ

ティガ「ガァガァガァ!」ドスドスドス

ルドロス「あっ」ドンッ!

ティガ「ゲェェェ!!」グルン

ルドロス「うぁっ」ベシン!

ルドロス「いたいよぉ…ふぇぇ…」

ティガ「ガァァァァァァ!!」グパッ



 『轟竜よ、私の声が聞こえていますか?』



ティガ「!!」ビクッ


  『貴方が今傷つけている小さい命』

  『そのまま自らの手で終わらせるつもりですか?』

ティガ(……勝手に身体が動くんだよ)

  『確かに [何か] によって支配されているようですね』

  『ですが、それは貴方が無抵抗だからではありませんか』

ティガ(勝手に動いてるものをオレ様がどうこうできるものじゃねぇだろうが)

  『貴方は普段自分の思うように行動をしていますね』

  『周りの事なんて自分の知るところではない……そうですね?』

ティガ(…何が言いたい?)

  『そんな貴方がどうしてその子の事を気にかけたのですか?』

  『ただの気まぐれ?そうではありませんよね』

ティガ(なに勝手に決め付けてんだ)

ティガ(こんなのオレ様にはどうでも――)

  『ならば、その子を見てみなさい』


ルドロス「おっちゃん…!」ヨロヨロ ギュ

ティガ「ガァオォォォォ!!」ブンブン

ルドロス「んー!」ギューッ


  『これを見て貴方は何も思いませんか?』

  『きっと貴方は忘れていた感情を思い出す事ができるはずです』

ティガ(…)



 「またバカな人間吹っ飛ばしにに行こうぜ」


                       「やっぱふたりで食う飯はうめぇなぁ」


       「どっちが先に向こうまでいけるか競争だぜぇ」





  『さぁ取り戻すのです、自分自身を』

  『そして立ち向かいなさい、異形の者に』

  『貴方の丈夫な芯のある心と強き身体ならば打ち勝てるはずです』

  『私はいつでも貴方達を見守っています――』ユラリ

ティガ(チラッと見えた…真っ白い姿の…人間のような…違うような…)

ティガ(何者か分からねぇが…何か大事なものを寄越した気がする…)


ルドロス「っ!!」ギュッ

ティガ「……いてぇよ、ガキ」フッ

ルドロス「おっ…ちゃん…?」

ティガ「悪かったなボコボコにしちまってよ」

ルドロス「おっちゃん!おっちゃん!」ガバッ

ティガ「うおっ!?急にしがみつくな!!」

ティガ「ったくよぉ…離れろと言っても離れねぇし」

ティガ「オレ様のどこがいいんだか」ポンポン

ルドロス「えへへー」

ティガ「ったく…妹ができたみたいだぜ…」

ルドロス「うん?」


ティガ「…で?テメェ誰だよ?」

???「どうして完全に暴走した状態から戻る事ができたのだ?」

ティガ「テメェ、人間か?のわりには言ってる言葉が分かるんだが」

???「ふ、あんな低俗な種族と一緒にするな」

???「俺はどちらかと言えば貴様らに近い存在だ」

???「今から言う事は貴様には理解できないだろうが教えてやろう」

???「俺は異世界からやってきた者よ」

ティガ「異世界だぁ?」

???「この世界にはなかなか腕の良さそうな連中がいるようだからな」

???「それらを利用して俺の野望を達成させるためにここにいるのさ」

ティガ「確かによく分からねぇが、この侵食してんのはテメェのせいって事でいいんだな?」

???「そうだ、こいつを使うことによってすべてを漆黒へ堕としているのだ!」スッ

???「こんな風にな!」


 バシュッ! ピカァァァァァァ!!


ティガ「ちっ、さっきの光か!?」ガバッ

ルドロス「え?なになに?おっちゃんのおなかしかみえないー」

ティガ「また周りがクソキメェ色になってやがる…」

ティガ「ガキまで侵食させてたまるかってんだ!めんどくせぇ!!」


???「しばらく拠点としてここを使っていたがもはや不要だ」

???「こいつの事を侵食と言っていたがほぼ正解だ」

???「対象の理性を漆黒に塗りつぶして、破壊と殺戮のためにしか動かなくする」

ティガ「んなことして何が目的だ!あぁ?!」

???「我々の世界へ侵食したお前らモンスターを送り込むんだよ」

???「そうすることで向こうでの厄介な奴らを一掃できるのだ」

???「そして世界は俺、『破壊王』のものとなる!」

ティガ「つまりあれか?」

ティガ「自分が一番強い、要らないヤツは全部死んでしまえと」

破壊王「簡潔だがよく分かったな、その通りだ」

破壊王「勇者も魔王もすべて消してやるのだ!はっはっは!!」

ティガ「あっそ」ザッ

ティガ「とりあえずテメェはオレ様達を利用するってんだな?」

ティガ「なら、一言言ってやるよ――」スゥッ




ティガ「お断りだボケェェェェェェェッ!!」ゴァッ!!




破壊王「ぐぉぉっ!?衝撃波を生むほどの咆哮だと…」ゴロゴロゴロ

ティガ「くそつまんねぇ事でオレ様の世界壊そうとすんじゃねぇよ!ぶち殺すぞ?!」

破壊王「知ったことか…一度自力で戻っただけで回避できたと思わない事だ」


破壊王「何度でも染め直せばいいことだ!」スッ

ティガ「またあの光か」

ティガ「ガキィ…しばらくここ(水の中)で待ってろ」ボソボソ チャポ

ティガ「後で遊んでやるからよぉ…いいっつーまで絶対頭ぁ出すんじゃねぇぞ?」

ルドロス「いいよー」ゴポポ

ティガ「これでいい…よっしゃかかってこいやぁ!!」

破壊王「あの水獣だけ安全な場所へ写したか」

破壊王「だが貴様を漆黒にすればまた同じ事になるだけよ!」バシュッ!

ティガ「おらぁ!!」ガヒュッ

破壊王「くっ!?岩を飛ばしてくるとは!?」ササッ

破壊王「だが光をまともに連続で受けたな!?これでまた…」

ティガ「おらおらおらぁ!!」ドドドドド

破壊王「うおぉ!?」タッ バッサバッサ

破壊王「どうして効かないんだコイツに!?」

ティガ「知るか!降りてこいや!!」ガヒュッ

破壊王「ちぃ!少し大人しくしろ!!」カッ ボォォォォ

ティガ「おぁ!?どこから炎出しやがった!?」サッ

破壊王「これは魔法というものだ」パリパリ

ティガ「あ、やべ――」


 ピシャァァァァァン!! バリバリバリッ!!



 『 孤島 水辺 』



翠トトス「ここで待っていたらいいのかな…」

ディア「おう、一番入りやすくて分かりやすい所と言えばここだ」

ヒプノック「お腹空いてない~?」

イビルジョー「まだ大丈夫だよ!それにいつもよりはやっぱり空腹になりにくいかな」

ディア「多少壊れててもソレはちゃんと効果あるみたいだな」

イビルジョー「いつもみたいにすぐ鉱石とか木を齧らなくて済みそうだよ」

イビルジョー「でもいつまで待ってたらいいのかな?」

翠トトス「あれからだからもうすぐ来ると思うけど…」


 ヒュゥゥゥ……ドッボォォォォォン!!


ディア「おい!何か落ちてきやがったぞ!?」

???「ちっ…水中に逃げられたか!」タンッ ドボォン!

ヒプノック「また別の誰かが飛び込んだ~」

ディアブロス「姿はよく見えねぇが最初に落ちてきたヤツと戦っているようだな」

翠トトス「わたし、見てきます!」ダンッ ドボォン!

ディア「おい!?」

ヒプノック「水中ならトト子ちゃんも簡単にはやられないよ~」

イビルジョー「水の中で自由に動けるってすごいなぁ」



 『 水中 』



翠トトス「あそこにいるみたい」スィー

???「ラギアクルスよ、この界隈ではリーダー的存在のようだが」

???「貴様、このままでいいのか?」シュッ

ラギア「ゴォォォォ!!」クルッ シュバァァァァ

???「ちっ…」ブシッ

???「守るべき者を貴様が自分の手で壊してどうする」

ラギア「グゥゥ…」パリッパリッ

???「正義感の強い男だったはずだろう?」

???「俺のような男に言われてどうするんだ貴様!!」シュッ

ラギア「オォォォォ!!」バリバリバリ!!

翠トトス「やめてください!!」ブシューッ!!

ラギア「グゥ…」ユラ…

???「…」

翠トトス「無駄な戦いはやめてください」

???「俺が仕掛けているわけではない、コイツはすでに暴走している」

翠トトス「見ていたら分かりました、でも…」

???「コイツは放っておくと危険な部類に入る」

???「力づくでも止めておくべきだ」

翠トトス「それでもダメです」


???「貴様のような小娘の言う事は聞けない」

???「俺は俺のやり方で止める」

翠トトス「無理ですね」

???「…」

翠トトス「息、あまりもたないでしょう?」

???「…ふ」

???「ははははははっ!さすがにそういう考えはなかった!」

ラギア「グゥッ」パリッ

???「またくるぞ、今度も止められるのか?」

翠トトス「無理かもしれません」

???「それに戦わずして止める方法があるとでもいうのか?」

翠トトス「きっとあります…!」

ラギア「フゥッ!!」バシュッ!

翠トトス「危ない!!」ガシッ

???「む!?」ス-ッ

翠トトス「電撃のブレス…なんとかかわせました」

???「このまま俺ごと引っ張っているとその内回避が間に合わなくなるぞ」

翠トトス「やっぱり分かります?」

???「普通なら誰でも分かる事だ」


ラギア「ガァァァァァ!!」シュゴォォォ!

翠トトス「今度は体当たり?!」

???「…俺をヤツの真横に移動させろ」

???「今は叩いてでも止めなくてはならない」

翠トトス「悲しいけどそれは分かっています!」クイッ

ラギア「!!」シャッ

翠トトス「うっ!?」ブシュ!

???「おい!!」

翠トトス「いいから早く!!」

???「ちっ…」グルン

ラギア「ギャァァァッ!?」ザクッ!

???「くっ…限界か…」ゴポォ…

翠トトス「あっ!待ってください!今水面へ連れて行きます!!」クイッ

???「無理をするな…貴様も出血している…」

翠トトス「目の前でヒトが死ぬのを見るよりマシです…!」スィー

???「ぶはっ!はぁはぁはぁ…」

翠トトス「しばらくそこの岩の上で休んでいてください」ドプン

翠トトス「!?」

ラギア「フゥゥゥ…」パリッ

翠トトス(しまった!?ついてきていたなんて!!)



 シュゴォォォォォォォ!!


????「やめてあなた!!」ドスッ!!

ラギア「グゥ…!?」ユラ…

翠トトス「このヒトは…」

白ラギア「貴方はこんな事するヒトじゃなかったでしょう!?」

翠トトス「ダ、ダメです!このヒトにはどんな言葉も今は届いてないんです!!」

白ラギア「そうですか…それなら…」グイ

白ラギア「私のすべてを使ってでも止めて見せます!!」ズバババババ!

ラギア「グァォォォォォォォ!?」バチバチバチ!!


 『気分はどうだ、海竜よ』


ラギア(……何者だ)

  『我の言葉を聞くがよい』

  『お主は見えない何かに理性を奪われておる』

  『これはその者の心のわずかな隙を狙って染め上げてくるのだ』

ラギア(見知らぬ御人よ、それはどうやって取り除けるのだ?)

  『それはお主次第』

  『お主に何よりも大切なものはあるか?』

ラギア(私の周りにいるすべての仲間…)

ラギア(そして今、目の前にいる…最愛の妻だ)

  『ならば想うがよい、その者達の事を』

  『自分を縛っている負の鎖を今、断ち切るのだ!』

ラギア(ありがたい助言、感謝します)

  『我はいつでもお主らを見守っている――』

ラギア(少しだけ姿が見えた…黒い我々と同じ姿)

ラギア(でもどこか神々しく…懐かしいような…)


ラギア「…」パリッ スゥッ

白ラギア「あなた…」

ラギア「…心配をかけたな妻よ」

ラギア「私はもう大丈夫だ」ギュ

白ラギア「心配しましたよ…」ギュ

翠トトス「よかった…」バシャン

???「これが戦わずして止めるということか」

翠トトス「偶然かもしれないですけど、こういう止め方もあるという事ですね」

???「ふ、それは俺には考えられなかったな」

翠トトス「あの、もしかしてあなたは…」

???「俺の事は誰にも話すな」スタッ

翠トトス「でも…」

???「ヤツも俺に深く干渉してきていたのを思い出したよ」

???「これも縁だ、また何かあれば力になろう」タンッ

翠トトス「……」

ヒプノック「おーい、トト子ちゃ~ん」バッサバッサ

ヒプノック「ずっと出て来ないから心配したんだよ~」

翠トトス「ごめん、色々あってね」

ラギア「見たことある気がしたと思えば、トトスの妹だったのか」

ラギア「話は妻から聞いた、迷惑をかけてすまなかった」

翠トトス「いえ、元に戻れてよかったです」

翠トトス「それよりお兄ちゃんの事を知っているんですか?」

ラギア「あぁ、彼には過去に色々と世話になったからな」

翠トトス「お暇な時でいいのでこちらでのお兄ちゃんの事を話してもらえませんか?」

ラギア「かまわない、いつでも訪ねてきてくれ」

翠トトス「はい!」

白ラギア「あなた、まずは避難所へ案内してあげましょうよ」

ラギア「そうだな、ついてきてくれ」

翠トトス「あ、まだ向こうに待たせてあるヒト達がいるのですけど」

ラギア「ふむ、ならばその者達も一緒に案内しよう」

ラギア「その者達の名は?」

ヒプノック「ディアブロスとイビルジョーって子~」

ラギア「なに!?」

白ラギア「あら」



 『 モガの村 裏手 』



女ハンター「…静かだ」ソロリ

女ハンター(村の皆は避難した…けど、私が逃げるわけにはいかない)

女ハンター「…」カシャン

女ハンター(急に暴走したモンスター達)

女ハンター(ある者の伝達により状況を把握した)

女ハンター(だがそうなった原因は不明)

女ハンター「でもおかしい…」

女ハンター(確かに暴走したモンスターは確認した)

女ハンター(でもそうなったのは伝達よりほんの一刻ほど前…)

女ハンター(とある場所で流行っているウィルスかと最初は思った)

女ハンター(しかし、その症状とまったく異なっている)

女ハンター(周辺の風景すら変化させるのなんて聞いた事がない)

女ハンター(そして避難した場所にあの者はいなかった)

女ハンター(だからまさかと思って村へ戻ってきた)

女ハンター「…これは」

女ハンター(ついに村まで毒々しい色に冒されている…)


女ハンター「…!?」サッ


 ゴァァァァァァァ!! ボワァァァァァ!!


女ハンター「…ありえない」

女ハンター(この大陸にいないはずのティガレックスとあの者が戦っている)

女ハンター(何か話しているようにも見える)

女ハンター「…それより助けなくては」スッ ギリリリ

女ハンター(どちらを?いや、言うまでもないか…)

女ハンター(この距離なら…当たる!!)シュパッ



ティガ「あ?」ズブッ

ティガ「いでぇぇぇぇぇ!?」ドテッ


 ピシャァァァン! バリバリバリ!!


破壊王「な…あれをかわしただと!?」

ティガ「ちげぇよ!?何か足に刺さりやがってズッコケたんだよボケェ!!」ブシュ ポイッ

破壊王「それは矢か」

女ハンター「…」ザッ

破壊王「お前か、ヤツに矢を撃ったのは」

ティガ「人間!?いたのかよ!!」

女ハンター「これはどういう状況で?」

破壊王「そうだな…」スッ

ティガ「テメェまさか!?」

破壊王「人間に使うのは初めて…だ!」バシュッ!

女ハンター「え?」

ティガ「ちぃっ!!」ダダダ

女ハンター「!?」ドガッ! ドボォン

ティガ「見境なしかテメェ!あぁ?!」

破壊王「何故人間をかばった?」

ティガ「人間とはいえ面倒になるだろうがよぉ?!」

破壊王「はなから貧弱な人間は不要だったのよ」


破壊王「必要なのは強靭で破壊力のあるモンスターのみ!」

ティガ「人間共は邪魔だからどこかやっただけってか?!」

破壊王「そういうことだ」

女ハンター「…なるほどね」バシャン

破壊王「聞こえていたのか」

女ハンター「あなたの声だけは普通にね」ギリリリ シュパッ

破壊王「おっと!撃つ相手が違うんじゃないのか?」サッ

女ハンター「この騒動の元凶…あなたでしょ?」ギリリリ

破壊王「今頃気づいても遅いんだがな!もうモンスターは大方暴走を始めている!!」

破壊王「人間ごときに止められるものじゃないんだよ!!」

ティガ「ならオレ様が止めてやろうかぁ?!」ガシュッ

破壊王「っと!面倒なのと遭遇してしまったな」ダッ

ティガ「テメェが一番面倒だろうが!あぁ!?」

女ハンター「…轟竜は何て?」

破壊王「自分が止めてやるよ…だとさ」ゴォォォ

女ハンター「これは…!?」バッ

破壊王「うまくかわしたようだが隙だらけになってるぞ!」コォォォ

ティガ「おらおらおらぁ!!」ドドドドド

破壊王「くっ…うっとおしいハエだ!!」プシュン

ティガ「ぐぁお!?いでぇ!!」ブシッ!

ティガ「おら!どこかへ消えやがれ人間!!」バッ

女ハンター「!?」

女ハンター(轟竜が何か言っている気がする…)

女ハンター(私の前に立ったということはもしかして…逃げろ、と?)

破壊王「モンスターのくせに人間をかばうか…いいだろう」バチバチバチ

破壊王「仲良く稲妻の餌食となるがいい!!」バッ ゴロゴロ…


 ピシャァァァァン!バリバリバリィ!!


ティガ「くっそ…がぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

女ハンター「うわぁぁぁぁぁぁ!?」



 『 海中 』



??「もうすぐ着くかな?」

??????「うむ」

??????「しかし、何故ワシのところまで来たのじゃ?」

??「あの大陸知ってるんでしょ?」

??「ついでだから手伝ってもらおうと思ってー」

??????「この老体をこき使おうとするとは良い死に方せんぞ…」

??「どうせまともな生き方してないしいいもんねー」

??????「まったく…」

??「話聞くにはえらい事になってるって聞いたけど向こうどうなってるんだろう?」

??????「それは行ってみん限り分かるまいて」

??????「ワシも陸地とは完全に離れていてまったく分からん」

??「そだねー」

??「こうやって誰かと話しながら移動してるとトット思い出すよ」

??????「トットとは?」

??「初めてのこっちのお友達かな」

??「死んじゃったんだけどね」

??「あの子と出会ったおかげでこっち来れるようになったんだよ」

??????「そうか、それは良い出会いをしたものじゃな」

??「うん!」

??????「海水の質が変わった、もうすぐで着くぞ」

??????「約束している者はどこで待っておるのじゃ?」

??「なるべく広い所って言ってたからあそこの入り江の方かな」

??「いこ?おじいちゃん」

??????「なるべくなら海底から出たくなかったんじゃがな…」

??「嫌われ者なんだっけ?」

??????「まぁ人間になんじゃがな」

??「どこでも人間が関わってくるのは同じなんだねー」



 『 孤島 奥地 』



ラギア「そうか、飢餓や暴走は我々の勘違いだったのか」

イビルジョー「お腹は空いてたけどいつも通りだったよ!」

ラギア「あの石はちゃんと効力があってよかったよ」

イビルジョー「すごく助かってまーす」

ロアル「どうしてワイの子が来てないんや!どういうこっちゃ!?」

チャナガブル「ロアルの旦那申し訳ねぇ…あっしが目を離さなけりゃあ…」

ディア「こんな時になんで逃げ出したか分からないのか?」

チャナガブル「うーん、あるとしたら随分と虎模様のイカツイヤツに懐いてたみたいっす」

チャナガブル「だからソイツの元へ行ったんじゃないっすかねぇ…」

ディア「暴れるしか能にないアイツになんであそこまで懐くんだろうな…」

チャナガブル「さぁ…」

ラギア「すまない…責任は保護を頼んだ私にある」

ロアル「いや兄貴は悪かぁない、変なコト吹き込んだワイが悪いんや」

ディア「とにかく早いトコ保護しないとまずくないか?」

ラギア「そうだな、私みたいに光を浴びせら暴走されてはたまらないだろう」

ディア「んじゃオレがひとっ走り探してくるぜ」ザッ

ディア「体力も回復したし、地上は任せとけ!」

ロアル「うちの娘をたのんます…」

ディア「おう、ティガと一緒に連れてくるわ!」バッサバッサ ピュー

ヒプノック「話聞いてたらその子にすごい嫌われてるみたいな事言ってたけど大丈夫かな~」

イビルジョー「大丈夫だよ、顔が怖くてもちゃんと優しいの知ってるよー」

チャナガブル(それ、自分の事も言ってるっすね絶対…)



 『 孤島 入り江付近 』



ヒプノック「おーい、トト子ちゃーん!」バサバサ フラフラ…

翠トトス「向こうはもういいの?ディアさんもどこか行ったみたいだし」

ヒプノック「ぜぇはぁ…だ、大丈夫~」ヘロヘロ

イビルジョー「ごめんね、ボク泳げないからー」ドシーン

翠トトス(よくこんな大きなヒト、掴んで飛んでこれたなぁ…)

ヒプノック「まだ来てないの~?」

翠トトス「もう来ると思うんだけど」

??「来てるよん」バシャ

翠トトス「うわぁ!?」

イビルジョー「このお魚人間さんが待ってたヒト?」

人魚「人魚です!顔こわっ!?」

イビルジョー「また言われた…」ズーン

翠トトス「気にしてるみたいだから言わないであげて…」

人魚「それは失礼しましたぁ」ペコペコ

翠トトス「誰かと一緒に来てなかった?波の感じからしてもっと大きなヒトが…」

人魚「来てるよー、ちょっと顔はあまり見せたくないらしいけどねー」

翠トトス「もしかしてここと関係ある人?」

人魚「あたしと同じでここの海の主なんだってー」

人魚「一緒にここ見てもらおうと来てもらったんだ」

翠トトス「そっか」


人魚「いきなりだけどこの現象知ってる」

翠トトス「ホント?」

人魚「これさ、あたしの世界のとある物が原因だと思う」

ヒプノック「どういう物のせいなの~?こんな気持ち悪いの~」

人魚「これは『漆黒玉』っていうわるーい魔力を込めた道具のせいなんだ」

人魚「魔王さん…持ち主のヒトのところにずっと仕舞われてたもののはずなんだけど…」

イビルジョー「誰かが持ち出した感じかな?」

人魚「多分そうだろうね」

人魚「一度どんなものかほんのちょっと見せてもらったからすぐ分かったんだ」

人魚「色々なものを黒く染めてしまうんだ」

人魚「主に心の隙間を辿ってその者を破壊者にしてしまうんだ」

翠トトス「元に戻す方法はあるの?」

人魚「ごめん、分からないや…」

人魚「そもそも、前に処分するって聞いてたからもうなくなったとばかり思っていたからね」

イビルジョー「その玉壊せばいいんじゃない?」

人魚「かもしれないけど持ち出したヒトが見つからないと…」

ラギア「おそらく人間の村だ」ザパッ

翠トトス「ラギアさん、本当ですか?」

ラギア「あの近辺は避けられたかのように侵食された形跡が今までなかった」

ラギア「それに…持ち出した者はおそらく我々のような姿ではないのだろう?」

人魚「うん、魔族だとしたら人間の姿の方が近いヒトが多いと思う」


ヒプノック「その魔族っていうのは~?」

人魚「うーん、分かりやすく言えば人間と君達の間の存在ってところかな」

人魚「あたしも魔族寄りだからこんな姿だし?」バシャーン ピチピチ

人魚「生活の仕方とかは人間に近くて器用に色々作ったりできるんだ」

人魚「言ってること分かってくれるかな?」

ラギア「うむ、その説明で十分分かっているから続きを頼む」

人魚「ほーい、あとは魔力の有無かな」

人魚「魔力っていうのがあたしの所にはあるんだけど」

人魚「それを使えば自然や大気などの力を自分で生み出すことができるんだ」ヒョォォォ…シャリーン!

イビルジョー「うわー!いきなり氷柱が出てきたよ!?」

人魚「人間にもちょっとだけ魔力あるみたいだけどその辺はよく分からないんだ」

人魚「純粋に魔力を持ってるのは魔族だけ」

人魚「と、これが人間や魔物とは違う魔族というものなんだよ」

ラギア「しかし、仮に人間に近い姿だとしても何かの拍子に別の存在だと気づかれるのでは?」

人魚「何が目的か知らないけどそれまで騙し通すんじゃないかな」



 「そやつの目的はおそらく我々モンスターじゃろう」ゴォォォォ ズシャァァァァァン!!



人魚「うわ、おじいちゃん出てきちゃったの?」

ヒプノック「すごくおっきいの出てきた~!?」

ラギア「貴方は…!?」

翠トトス「このヒトがさっき言ってた…」

人魚「そうそう!ナバルデウスおじいちゃんだよ!」


ラギア「お久しぶりです、ナバル老」ペコリ

ナバルデウス「ラギアか、ワシに代わって皆をまとめてくれているのには感謝しておるよ」

ラギア「恐縮です」

人魚「影で見守ってるんじゃなかったの?」

ナバルデウス「随分と深刻そうな話だったので気になっての」

ナバルデウス「そもそもお前が無理やり連れてきたのじゃろうが…」

人魚「てへー」

ナバルデウス「この反省してない顔…角で串刺しにしてやりたいわ…」

翠トトス「それでおじいさま、わたし達が目的というのはどういうことですか?」

ナバルデウス「うむ…その魔族と言ったか?」

ナバルデウス「そやつがわざわざこちらへ来るということを考えてほしいのじゃ」

ナバルデウス「向こうにもこの子が言うようにモンスターは存在するのじゃろう」

人魚「うんうん」

ナバルデウス「じゃが長い間存在するものでは生態など知られていよう」

ナバルデウス「だからこちらのモンスター…つまり我々に白羽の矢が刺さったわけじゃ」

ヒプノック「そっか~知らないヤツだったらどう相手すればいいかなんて分からないもんね~」

ナバルデウス「それにその暴走させられる物があればもっと動きは読まれにくくなるじゃろう」

ナバルデウス「意思を持たぬ者ほど恐ろしいものよ」

イビルジョー「じゃあみんな暴走させてその向こうの世界へ連れて行ってめちゃくちゃにー」

イビルジョー「とか?」

ナバルデウス「それしかあるまい」


ナバルデウス「お前さんはどう思っておるのじゃ?」

人魚「あまり考えたくなかったけどそうだと思うよ」

人魚「向こうの世界は今、結構平和なんだ」

人魚「前に人間と魔族が争っていたんだけど色々あって休戦してるんだ」

人魚「それどころかお互い歩み寄ろうとしてる人達だっている」

人魚「勇者や魔王さん…上のヒト達もそうしようとしてる」

人魚「でもそれを良く思っていないヒトはいるはずだよ」

ラギア「つまり、その腑抜けた者達を消し去り我が物としようとせん者が今回の騒動の黒幕か」

ナバルデウス「じゃろうな」

ナバルデウス「これはどちらの世界にも訪れようとしておる危機じゃ」

ナバルデウス「何としてでも止めねばなるまい」

イビルジョー「じゃあ早く人間の村に行ってその悪者止めなきゃ!」

翠トトス「そうだね!わたし行くよ!」

ラギア「侵食による暴走の危険がある、私が行く」

ラギア「君達は残るんだ」

翠トトス「またラギアさんが暴走してしまったらどうするんですか!?」

ラギア「大丈夫だ、もう心の隙を見せる事はない」

人魚「でも相手は魔法を使ってくるから一人ではすっごく危険だよ」

人魚「前にあたしの世界に来たヒト達もそれで結構危険な目に合ったんだ」

翠トトス「誰かがお兄ちゃんと同じ目に合うのなんてもうイヤなんです!」

ラギア「彼は死んでいたのか…しかもその世界で」

翠トトス「…」

人魚「この漆黒玉による侵食、見てたら分かるよね?」

人魚「甘く見てると危険なんだよ」

人魚「あたしもトットと同じ目に合うヒトなんて見たくない」

人魚「もっと慎重に行動してほしいな」

ラギア「…すまなかった、軽率な発言だった」


ラギア「だが、私もこの世界の危機を救うために力になりたい」

イビルジョー「だったら皆で行こうよ」

イビルジョー「危なくても助け合えば何とかなるものだ!…って、ボクは思うけど」

ヒプノック「ウチもそう思うよ~」

ナバルデウス「この子らの言うように助け合いは大事じゃよ、ラギア」

ナバルデウス「連れていってあげなさい」

ラギア「そうですね…腕に自信のある者だけでもいい、共に行こう」

翠トトス「わたし、行きます!」

イビルジョー「ボクも行くよ」

人魚「あたしも連れてってー!」

ヒプノック「ウチは残るよ、役に立たなさそうだし~」

翠トトス「そんなことないよ、ヒーちゃん」

翠トトス「ここに来るまで頑張ってくれてたし」

ヒプノック「いいのいいの!」

ヒプノック「それに誰か怪我しちゃったら手当てしなきゃいけないしさ!」

翠トトス「うん…分かった、行ってくるよ」

ラギア「それでは行くか」

イビルジョー「はーい」

翠トトス「はい」

人魚「あー!?みんな待って!?あたし地上では自由に動けないのー?!」ピチピチ

翠トトス「あ、ごめん」ヒョイ

人魚「えへへー、誰かの背中乗るの久しぶり♪」

人魚「それじゃレッツゴー!」


ヒプノック「…行っちゃった~」

ナバルデウス「お嬢ちゃん、名前はなんと言うのじゃ?」

ヒプノック「ヒプノックだよ~」

ナバルデウス「そうかそうか…ならヒプノックや」

ナバルデウス「この奥に避難しておる者で戦える者を呼んで来てくれないかい?」

ヒプノック「え…?」

ナバルデウス「どうやらここにいることがバレてしまったようでな」

ナバルデウス「どうも大群で押し寄せてきておるようじゃ」

ナバルデウス「なるべく早くに頼むよ?」

ヒプノック「わ、分かった~!!」バッサバッサ

ナバルデウス「やれやれ…年寄りにはちときついのじゃがな…」クルリ

クルペッコ「ピェェェェェェ!!」

ナバルデウス「この数を呼び出したのはクルペッコ…お前か」

ナバルデウス「少々痛い目に合ってもらうぞ?」



 『 モガの村 』



ティガ「くっそ…がぁ…!!」ピリピリ…

女ハンター「身体が…痺れて…」ピリピリ…

破壊王「異種同士仲良く消し飛ばしてやろう!」ゴォンゴォン

ティガ「あぁ…!?んなもんでオレ様…やれると思うなぁ?!」グッ

破壊王「口ばかりで動けてないじゃないか」

破壊王「もういい消えろ、時間の無駄だ」スッ


 ズドドドドドドドッ!!


ディア「見つけたぞぉぉぉ!!邪魔だおらぁ!!」ブォン

破壊王「くっ!?邪魔が入ったか…」ダッ バッサ

ディア「なんだあいつ…飛びやがったぞ?」

ティガ「ディア…テメェ…なにしてやがんだ…」

ディア「お前探しに来たんだよ…なんで人間と仲良く痺れてるんだか」

ディア「それよりガキンチョはどこだよ?こっち来たんだろ?」

女ハンター(ディ、ディアブロス…ティガレックスと何か話してる気がするけど…)

女ハンター(仲間…?)

ティガ「ガキは…そこの水の中だ」ムクリ

ティガ「やっと動けるようになったぜ!」

ディア「で、アレが敵でいいのか?」クイッ

破壊王「こりゃまた凶悪そうなヤツが来たぜ、ククク…」バッサ…スタッ


ティガ「あのクソヤロウがすべての元凶だとよ」

ディア「そうか…なら遠慮なく吹き飛ばしていいんだな?」ザッザッ

ティガ「ありゃあ妙な技してくるからせいぜい気をつけるこった!!」ドドド

ディア「油断してそれくらってさっきみたいになったのか?ティガさんよぉ!!」ズドドド

ティガ「なめてかかると死ぬぞディアぁぁぁ!!」ガフッ

破壊王「ふ、遅いわ!」サッ

ディア「こっちからも来てるぜぇ!!」ブォン

破壊王「うおぉ!?コイツ早いな…」ササッ

破壊王「だが背中が隙だらけだ!」カッ

ディア「どわっ!?あづっ!?」ドガァン!! ブルブル

破壊王「あの爆発を受けてあの程度のダメージだと!?」

ディア「鍛え方が違うのよ、チビクソ!」グルン

破壊王(コイツは厄介だな…)

女ハンター(モンスター同士が共闘している…こんな光景見たことがない…)

女ハンター「私ものんびり見てる場合じゃない!」ムクリ

女ハンター「…くらえ!!」ギリリリ…ビシュン!

破壊王「空からだと!?ぐぅ、かわせん?!」バババババッ!!

破壊王「これはなかなか…一対三はさすがに捌ききれないな」

ティガ「なら大人しく転がれやゴミみたいによぉぉぉ!!」ガシュッ

破壊王「それはご遠慮願いたいな!」タッ スタン

ティガ「あ!?テメェ頭に乗るんじゃねぇよ!!」ブンブン

破壊王「一気に形勢逆転できる一手があるのを忘れたか?低脳」スッ

ティガ「!?ディア、水に飛び込め!!今すぐだ!!」

ディア「は?」

女ハンター「一体何が…」

ティガ「ちぃっ!?バカ人間が!!」ダッ ガバッ

女ハンター「え!?」

女ハンター(ティガレックスが負い被さってきた!?これに何の意味が…?)

破壊王「バカがいて助かったよ」


  バシュッ! ピカァァァァァァ!!

ディア「げ、この光は!?やば…」

ティガ「バカヤロウがぁぁぁ!?」

破壊王「いっちょあがりだ」ニヤリ

ディア「ぐぅ!?」ズゾゾゾゾ

ディア「ア"ァァァァァァァァ!!」ドクンドクン

ティガ「クソがぁっ!!」ドドドドド

ティガ「目ぇ覚ませやクソ角ヤロォ!!」ガシュッ

ディア「グゥ…グギョォォォォォォ!!」ブシッ ビリビリビリ

ティガ「でっけぇ声あげやがって!?」ガシュッガシュッ

ディア「ゴ…オォォォォォォ!!」ブシッブシッ! ブゥン

ティガ「げふぉ!?」ドシュゥ!! ドシーン

女ハンター(ティガレックスがディアブロスに突き上げられた!?)

女ハンター(もしかしてこれが…暴走までの過程…?)

女ハンター(だとすると原因は先ほどの光だったということか…)

女ハンター(だからティガレックスは私に負い被さって光を遮断したのか)

破壊王「予想通りそのモンスターはかなり危険な部類のようだな!」

破壊王「さぁこいつらを潰してしまえ!!」

ディア「フゥ…」ザッザッ ズドドド

破壊王「む!?」バサッ

破壊王「…さすがに言う事までは聞きやしないか」

女ハンター「それができたらもうすべて終わらせてるでしょ」ギリリリ シュパッ

破壊王「ちっ!?油断したわ…」ブシッ

破壊王「だが暴走さえ始めてしまえばこっちのものなんだよ!」バッサバッサ

女ハンター「どこへ行く!?」

破壊王「まだ完全に侵食させてないモンスターがいないか探してくるんだよ!」

破壊王「お前らの相手はソイツがしてくれるさ!じゃあな!!」ピューン

女ハンター「待てっ!?くっ…逃げられた…」


ティガ「あのヤロウ逃げやがったな!?」

ディア「オォォォ!!」ズドドド

ティガ「クソが!?いい加減にしろや!!」ダッ

女ハンター「しまった!?こっちに!?」

ルドロス「えいっ」バシャ ノソノソ

女ハンター「!?」ドンッ

ディア「ウゥゥ…」ズシャー

女ハンター(子供のルドロス?助けてくれた…のか?)

ルドロス「こっちこっち」クイクイ

女ハンター「え?こっちに来いって言ってるの?」

ティガ「あのバカ!出るなって言ったのに?!」

ティガ「まぁいいか!おいチビ!そのまま人間遠くへ連れて行け!!」

ルドロス「どこでもいいの?」

ティガ「コイツが来なけりゃどこでもいい!!」クイッ

ディア「オォォォ!!」ザッザッ

ルドロス「わかったー」

ルドロス「こっちきてー」グイー ジャボジャボ

女ハンター「水の中に入れってことでいいのかな…」

ティガ「早く行け!!」ドドド

女ハンター「迷ってる場合じゃないか…!!」ドボン

ルドロス「こっちー」スイー

女ハンター(よく分からないけど今はついていこう…)ゴポッ

女ハンター(敵意はまったく感じられないようだし)


ティガ「さーて、コイツをどう料理すっか…」

ディア「グォォォォ!!」ズドドド

ティガ「おらぁ!!」ガシッ ズザザザザ

ティガ「テメェ、なにこんなもんにあっさり支配されてやがんだ!!」

ティガ「さっさと元に戻りやがれ?!」グググ…

ディア「フゥフゥ…!!」ズズズ

????「そうだ、早く戻れディア!!」グルン

ディア「ギャフッ!?」バチーン! ドサッ

ガルルガ「やっと見つけたと思ったら暴走始めているし、どうなっているんだ?」バッサバッサ スタッ

ティガ「ガルルガ、テメェ…もう動けんのか?」

ガルルガ「まだ傷は痛むが見ての通りさ」

ガルルガ「とうとう原因を突き止めたのか?」

ティガ「おう、説明してる暇はまだねぇけど…な!」ガシュッ

ディア「グゥ…!?」ブシッ

ティガ「とりあえず光だけは絶対浴びるなとだけ言っておいてやるぜ!!」ブゥン

ディア「グァァァァ!!」ドガッ!

ガルルガ「光?よく分からないが気をつけるよ」スゥ ボゥッ

ディア「オッ!?」バシュ!

ガルルガ「しかし…このままだとディアが死ぬまで攻撃を続けないといけなさそうだが…」

ティガ「オレ様だって一回暴走から抜け出せたんだ!直し方はあるんじゃねぇか?!」

ガルルガ「だとすると本人の意志の問題か?」

ティガ「しらね!」ドドド

ディア「グ…オォォォ!!」ズドドド


ガルルガ「ちっ!『マ王』とは言ったもんだな!」ダッ バッサ

ティガ「なんだそりゃ?」

ガルルガ「コイツは過去にそう呼ばれていたそうだ」

ガルルガ「魔王ってのは世界を支配する者という意味らしい」

ティガ「それぐらい手に負えないヤツだったって事かぁ?けっ!」ザッ

ティガ「こっちは絶対強者だぜ!マ王だか知らねぇが『絶対』に勝てるとでも思ってんのかぁ!!」ブォン

ディア「グゥ!?」バキッ!

ディア「ハァハァ」ズザザザ…

ティガ「地面に潜りやがった!?」

ガルルガ「気をつけろ!地中からとはいえ的確に狙いをつけてくるぞ!?」

ティガ「ばーか、こういう時ぁ引きずり出すのよ!」ダッ

ティガ「出てこいやディアぁぁぁぁぁぁ!!」ゴァッ!!

ディア「ギィ!?」ズボォ!!

ティガ「いっちょあがりよ!」

ガルルガ「咆哮のショックで自分の掘った穴に埋まったのか」

ガルルガ「しかしこのままだとすぐ出てくるぞ?」

ティガ「このままぶん殴って意識とばすっきゃないわな」


 シュッ バババババババッ!!


ディア「オォォォ…」ガクッ

ティガ「あ?何かに当たって気絶しやがったぞ?」

ガルルガ「飛んできた先は…」クルッ

女ハンター「なんとか少量持っていた睡眠ビンで眠らせることができたみたいだね」カシャン

ルドロス「行かないの?」クイ

女ハンター「戻ってきてごめん、行こう」ダッ バシャン

ティガ「人間だぁ?チビと遠くに行ったんじゃねぇのかよ」

ガルルガ「おそらく睡眠作用のあるものでディアを無力化させたのだろう」

ガルルガ「今は感謝するしかないな」

ティガ「でも解決になってねぇんじゃねぇの?」

ティガ「起きたらまた暴れんだろ、コイツ」

ガルルガ「それでも起きるまで待とう、戻っててくれるよう祈りながらな」

ティガ「…しゃあねぇな」

ティガ「あのヤロウが気になるがちょいと休憩がてら待ってやるか!」

ガルルガ「それでいいさ」ニッ



 『 モガの森 』



ラギア「待て、何か飛んでくるぞ」

イビルジョー「ん?なにかな?」

人魚「あれは…みんな影に隠れて!?」

翠トトス「え?」

人魚「漆黒玉の光がくる!!」


 バシュッ! ピカァァァァァァ!!


ラギア「くっ…みんな無事か?」

翠トトス「はい…人魚さん、あのヒトが例の?」

人魚「うん、間違いなく魔族のヒトだよ」

イビルジョー「やっぱり予想はバッチリ合ってたんだね」

破壊王「コレの存在を知っている者がいるとは驚きだ」バッサバッサ

ラギア「それの危険性はもうすでに大陸中に知れ渡っている」パリッ

人魚「あたしと同じ方法でこの世界に入り込んだんだね?」

破壊王「そうさ、話をすべて聞いた上でこちらへやってきたのさ」スタッ

破壊王「向こうのゴミどもを滅ぼすためにな!」

人魚「あなたはそれの本当の怖さを知らない!」

破壊王「ふ、使い方を知らなかったからだろう?」

破壊王「使いこなせばこんなにすばらしい物となるのにな!!」スッ

ラギア「させるか!!」バチバチバチ!!

破壊王「くっ…だがその電撃を操れるというのは使えるな!」ピカァァァァァ!!

ラギア「まずい!隠れる間が…!?」

イビルジョー「トト子ちゃん達、ボクの後ろに!」グイッ

翠トトス「ダメっ!?」

人魚「あぁ、ふたりがまともに光受けちゃったよ…!!」


ラギア「…」ユラ…

破壊王「どうだ?まともだからすぐにでも変化が訪れ…」

ラギア「何の話だ?ふぅっ!」バシュッ!

破壊王「ぐぁ!?バカな…何故効いていない!?」バリリッ!

ラギア「まさかとは思ったが二度までは効果が現れないようだな、ソレは」

ラギア「だがジョーは…」

イビルジョー「おぉぉぉぉぉぉ!!」ビキビキビキ

翠トトス「身体のあちこちがが隆起してる…」

ラギア「!?」

破壊王「ソイツは確か何でも平気で食らい尽くすほど凶暴なヤツだと人間共が言っていたな」

破壊王「これは思わぬ収穫だったな!」

ラギア「…」

人魚「これはさすがにやばいんじゃ…?」

イビルジョー「はぁはぁ…さ」ダラダラ

翠トトス「…ジョーさん?」

イビルジョー「さっきのでお腹すいちゃったぞこのやろぉぉぉぉぉぉ!!」ゴァァァァァ!!

破壊王「なっ!?」

ラギア「ふ、やはりな」

ラギア「ジョーに元からその光は効かない」

ラギア「そしてやっと暴走のメカニズムが分かった」

破壊王「なんだと!?」


ラギア「その光を受けるとその者は強制的に怒りの感情を湧き上がらせるようだ」

ラギア「だが、その怒りは向ける先が存在しない」

翠トトス「だから周りの相手に見境なく攻撃を仕掛けるんですね」

ラギア「その通りだ」

破壊王「だからと言ってソイツが暴走しない理由にはならんぞ!」

ラギア「ふふ、ジョーが怒る時がどんな時か分かるか?」チラッ

イビルジョー「がぶがぶがぶ!」ガリガリガリ

翠トトス「また石にかじりついてる…待って、何か採ってくるから」ドスドス

破壊王「まさか…」

ラギア「そう、空腹になった時だ」

ラギア「空腹時のジョーは確かに危険なほど凶暴になる」

ラギア「だが、腹を満たせばすぐ収まるのだ」

ラギア「すぐ空腹になってしまう体質により頻繁に怒り状態となる」

ラギア「そのせいで怒りというものに鈍い身体になっているわけだ」

翠トトス「つまり怒る事はいつもの事なので他のヒトと違ってそれに取り込まれなかったんですね」

ラギア「そういうことだ」

ラギア「もし暴走したとしても空腹を満たせば元に戻るだろうな」

ラギア「ジョーの怒りなど生理現象に過ぎん」

破壊王「その程度で防がれるなんてありえん!」

イビルジョー「ありえるんだよ!ばーか!!」ブォン

破壊王「ぐはぁ!?」ドガァ! ズサー


翠トトス「はい、その辺にケルビぐらいしかいなかったよ」ドサドサ

イビルジョー「全然かまわないさぁ!」ガフガフ

翠トトス「でもよかった、さっきみたいにならなくて…」

破壊王「く…アイツといいどうして戻る事ができたんだ!?」

人魚「ここの子達は見えない何かに守られているのかもね」

破壊王「…予想外だった」

破壊王「だがコレのみに頼らなくても貴様らを潰す事はできるのだ!」ブォォォ!!

イビルジョー「この音、何?」

人魚「大丈夫、楽器って言ってただ音出す道具だよ」

破壊王「ただの楽器だと思ってもらっては困るがな」ニヤリ


 ドスドスドスドス…


人魚「何か来た…」

破壊王「数少ない暴走状態でマインドコントロールに成功したモンスターの一匹だ」

破壊王「コイツには肉体強化を施してある、いつものヤツだと思わないことだ!」

イビルジョー「ラギア、あれって…」

ラギア「ブラキディオスか!?」


破壊王「群れる事を激しく嫌がっていたようだからな」

破壊王「邪魔者もいず、楽にこちらの思い通りに事が進んだよ」

イビルジョー「違う!」

イビルジョー「ブラキはただヒト前に出るのが苦手だっただけだよ!」

イビルジョー「どうしたらいいかボクによく相談してきてたんだ!」

破壊王「なら本人と話し合えばいいじゃないか」

破壊王「もっとも殺し合いにしかならないと思うがな」ニヤ

破壊王「どこかにいやがる他のヤツらもコレを浴びせなければならん」バッサ

破壊王「じゃあせいぜい生き残ってくれ!ははははは…」ピュー

ラギア「待て!?くそ…」

ブラキ「ブゥオォォォォォ!!」ドスン!ドスン!

イビルジョー「ブラキはボクが何とかするからキミ達はアイツを追って!」

ラギア「分かった!いつもと何か違うようだから気をつけろ!」

翠トトス「無茶しないでね!」ドスドス

人魚「がんばーっ!!」

イビルジョー「…」ニコ

イビルジョー「さぁて、本当にボクの事を忘れてるのかな?ブラキ」クルリ

ブラキ「ゴッ!!」ブンッ

イビルジョー「うわ!?っと…」サッ ドゴォン!!

イビルジョー「いつも以上にすごい破壊力だなぁ」


ブラキ「シィッ!!」サッ ブンッ

イビルジョー「あぐっ!?しまっ…た…」バキィ!! ズサー

ブラキ「ガァァァ!!」ダンッ

イビルジョー「く…ジャンプ攻撃かな?!」ムクリ

イビルジョー「なら対空攻撃だよ!!」ズボォ ヒュン

ブラキ「ギャハ!?」ゴキャ!!ドスン

イビルジョー「もう一発!」ズボォ ヒュン

ブラキ「シャラァ!!」バキョン!

イビルジョー「こ、壊された!?」

イビルジョー「だけどパワーならボクだって負けてないんだ!」ドスドス

イビルジョー「くらえ!!」スッ

ブラキ「シッ!!」スタッ ブォン

イビルジョー「はぐっ!?」ドゴォ!!

イビルジョー「うそだ…体当たりしたのに…それを殴って止めるなんて…」ドロ…

イビルジョー「あ…粘菌…やば…」カッ


 ドガァァァァァァァァァァァン!!


イビルジョー「が…は…」ドサッ

ブラキ「グォォォォ!!」ブォン

イビルジョー「あ゛ぁぁぁぁ!?」ドゴドゴドゴドゴォ!!

イビルジョー(ダメだ…こんなのくらい続けてたらこっちがもたない…)

イビルジョー(こんなのくらい…食らい…)

イビルジョー「……ごめん、ラギア」グイ

イビルジョー「ブラキ止めるにはこれしかないみたいなんだ――」ブチッ! パラパラ…

ブラキ「…」ダンッ

イビルジョー「はぁ…ハァ…」ボタボタ…ビキビキビキ

イビルジョー「ゴァァァァァァァァァァァァァッ!!」



 『 孤島 水辺 』



ロアル「呼ばれてきてみりゃあ…こりゃまたえらいこっちゃなぁ」

チャナガブル「どうしてこここがバレたんすかね…」

ナバルデウス「おそらくクルペッコに監視されていたんじゃろう」

ロアル「暴走しとるんやなかったですかいね?」

ロアル「なのに監視とかできるもんかと疑問ですわ」

ナバルデウス「確かにそうじゃ」

ナバルデウス「じゃがもしこの状態のコヤツを操れるとしたらどうじゃ?」

ナバルデウス「騒動を起こした者は特殊な者と聞いた」

ナバルデウス「それ位ならできても不思議ではないのではないか?」

チャナガブル「そう言われると何とも言えないっすね…」

クルペッコ「ピェェェェェ!!」ビューン

ナバルデウス「くるぞ!絶対この先へ行かせるでないぞ!」

ヒプノック「同じ鳥竜として~!こっちはまかせて~!」バサッ ピュー

ロアル「よっしゃ!ならワイらは地上のヤツら相手したるか!」

チャナガブル「ナバルじぃ様は後ろで待機っす!」

チャナガブル「ご老人働かせるほどあっしらは落ちぶれちゃいねぇっす!」

ナバルデウス「悪いのぅ、頼んだぞ」


ヒプノック「きぇぇぇぇ~!!」バッ

クルペッコ「クァ!?」バキッ! ドサッ

ヒプノック「そのまま眠れ~」プッ

クルペッコ「!!」バッタバッタ

ヒプノック「くそ~避けられた~」

ヒプノック「また蹴ってやる~!」タッ

クルペッコ「クェェェェ!!」カチッカチッ

ヒプノック「へ?くぇっ!?」ドォン!

ヒプノック「油断…した~…」ガクリ

クルペッコ「ポワワワワーッ!!」

ロアル「なんや?変な声出しおってからに」

アオアシラ「ガォォォォォォ!!」メリメリメリ

ロアル「なんやぁ!?図体がえろうでっかくなったなワレェ!!」

チャナガブル「ロアルの兄貴!こっちもっす!姿だけじゃなく動きもやばいっすわ?!」

ドスジャギィ「ゴォォォゥ!!」スタッスタッ

ナバルデウス「…」

ナバルデウス(元々クルペッコの鳴き声には周りの者を支援する効果がある)

ナバルデウス(じゃがここまで劇的な効果をもたらす事はなかったはず…)

ナバルデウス(やはり自身に何か手を加えられておるようじゃな)


ロアル「どうなろうとワイらが負けるわけにはあかんのや!!」ペッ

アオアシラ「グルルル…」サッ

ロアル「なぁ!?はや――」

アオアシラ「グァオ!!」シャッ

ロアル「ぐぅ!?」ザシュッ!

チャナガブル「ロアルの兄貴!?はっ?!」ドプンッ

ドスジャギィ「ウェェェェェイ!!」ズダン

チャナガブル「下っすよ!!」ザバンッ

ドスジャギィ「ピギィ!?」ドゴッ!

ジャギィノス「キィ!!」ダッ

チャナガブル「うへ!?子分達が集団できたっすか!?」ドンッ!

ジャギィ達「ギィギィギィ!!」ガバッ

チャナガブル「うぇ!?いたい!いたいっす?!」ガシュガシュガシュ!

クルペッコ「クックックッ」ズンズン

ヒプノック「あっぐっくっ…」ドスドス!

ナバルデウス(まずいぞ、皆が押されておる)

ナバルデウス(ここはワシが一気に高圧ブレスで吹き飛ばせればいいのじゃが…)

ナバルデウス(あの子達も巻き添えにしてしまう)

ナバルデウス「どうしてワシは…陸に上がれないのか…ぐぬぅ…」

エピオス「た、大変です!」

ナバルデウス「どうしたのじゃ?」

エピオス「避難所の崖の上に暴走した者が!!」

ナバルデウス「なっ!?」

ナバルデウス「今、向こうには女子供しかおらんのじゃぞ!?」


 ビュゥゥゥゥゥゥゥン!!


ナバルデウス「む、あれは!?」



 『 孤島 奥地 』



ギギネブラ「ボォォォォォ!!」

ギギネブラ「ギィ!」ヒラリ スタッ

 「ひぃぃぃ!?」 「助けてぇ!!」 「怖いよー!!」

白ラギア「皆さん、落ち着いて!ここは私が何とかしますので…」パリパリッ

?????「!!」ビューン

ギギネブラ「ギ?」

?????「ちぇすとぉぉぉぉぉ!!」グリン

ギギネブラ「ギゥッ!?」バチィン!!

?????「三連ふぁいやー!!」ボッボッボッ

ギギネブラ「ギャァァァァ!!」ドドドォン!!

白ラギア「あの子は…」

?????「弱い者いじめは許さないぞ!」

ギギネブラ「ギィ…」グルリ

リオレイア「覚悟しろギギねぇ!!」ザッ



 『 孤島 水辺 』



ロアル「ぐぅぅ…」ヨロ…

チャナガブル「う、動け…ないっす…」

ヒプノック「だ、だれか~…」

??????「おい、あれヒプノックじゃ?」

?????「どうもピンチらしいな…行くぞ!」

??????「おう!このまま落としておくれ!」

?????「はいよ!」パッ

??????「くぉらぁぁぁぁ!」ヒューン……ドスーン!!

ヒプノック「き、キミは~…」

??????「何だか!知らないけど!集団で!襲い掛かるとは!」ピチピチピチピチピチ

ロアル「…なんや?」

チャナガブル「とりあえず落ち着いてからしゃべってほしいっすね…」

ジャギィ&ジャギィノス「ギィギィ!!」ババッ

??????「明らかにこっちに襲い掛かるヤツらは敵とみなすぞ!!」ドスン ズルズルズル

ジャギィ&ジャギィノス「ゲェッ!?」ドガガガッ!

ドスジャギィ「ギゥッ!!」ガバッ

??????「いでっ!?噛みやがったなコンニャロ!!」スゥー ボゥッ

ドスジャギィ「ギャヒィン!?」ドシュゥ!!

ヒプノック「ヴォルガノスくんがどうしてここに~?」

ヴォルガノス「うちの従妹(トト子)に手を貸してくれと言われたからさ」


ヒプノック「でも来れるかか分からないって言ってなかった~?」

ヴォルガノス「だってオイラ空飛べねぇし、海は泳げるか分からなかったし?」

ヒプノック「じゃあどうやって~?」

ヴォルガノス「それは――」

アオアシラ「ガァオォォォォ!!」ドスドスドス

ヴォルガノス「なぁおじさん、あれも敵?」

ロアル「そうや、完全に理性がトンどるのや」

ヴォルガノス「じゃあ元は普通のヤツだったんだ?」

チャナガブル「それに普段より強化されて危険っす!お気をつけて!」

ヴォルガノス「オッケーオッケー、だったら目ぇ回すまでフルボッコにしてやればいいな!」

ベリオロス「ゴォォォォォォウ!!」ダンッ スタッ

ロアル「また他の来おったで…クルペッコめ、何でもかんでも呼びおってからに…?!」

チャナガブル「ベリオロスっす!アイツはやばいっす!!」

ヴォルガノス「さすがにオイラでも複数は相手できないぞぉ!!」

ヒプノック「しかもあれもまだいるし~」

クルペッコ「ピェェェェェェ!!」

ヴォルガノス「…なーんて、こっちも戦力は要るんだぞ」

ヴォルガノス「おぉい!あの白いヤツ頼むぞぉぉぉ!!」

ベリオロス「ガァァァァ!!」スタッ

チャナガブル「こっち来たっす!?」

?????「ほいさぁ!!」ブァッ

ベリオロス「ガァッ!?」ドガッ! ズサー

?????「コイツだろ、ヴォル?」バッサ


ヴォルガノス「ナイスキック!そのまま相手よろー」

?????「しょうがねぇ、速攻沈めてやるよ」ドスン

ロアル「リオレウスか?」

リオレウス「おう、久しぶりだなロアルのおっさん」

リオレウス「でもちょっと話は後な?今はコレの相手しないといけないみたいだし」

ベリオロス「グルゥゥゥ…」

チャナガブル「知り合いっすか?」

ロアル「時々この辺うろついてた悪ガキや」

ヒプノック「ウチと同じでここの話聞いて手伝いに来てくれたんだよ~」

チャナガブル「そうだったんすか…」

リオレウス「あ、うちのバカ妹が奥の方行ったからそっちに行っておいてくれよ」

リオレウス「向こうも何かいるみたいだから手伝ってやってくれ」

チャナガブル「そういうことなら向こう行ってきますわ」ダッ ドボォン

ロアル「とにかくクルペッコ止めんとどうもならへんで」

ロアル「アレはどうも普通じゃないみたいやわ」

リオレウス「あのピェピェうるせぇヤツな?分かったよおっさん」

ロアル「それじゃ頼むわ」ドボォン

ナバルデウス「そやつらも甘く見るな、強化されて普通以上に危険じゃ」

リオレウス「了解!」ドドドッ

ヒプノック「大丈夫かな~?」

ナバルデウス「ちゃんと見守っててやるんじゃ」

ナバルデウス「仲間なら信じて待つのも戦いなんじゃからな」

ヒプノック「うん~」



 『 モガの村 』


ディア「グゥ…ウゥゥゥ!!」ジタバタ

ガルルガ「目を覚ましたようだな」

ガルルガ「しかもまだ戻ってないがどうするか…」

ティガ「ちっ…結局ぶちのめすっきゃな――」


 「ディアさまぁぁぁぁぁぁ!!」ズドドドドド


ガルルガ「…見慣れた黒い弾丸がこちらへやってくるようだが?」

ティガ「げ、一番近づきたくないヤツがきやがったぜ…」

????「ディアさま!どうなさったのですか?!そんな所で埋まって!!」

ガルルガ「黒ディア、不用意に彼に近づかない方がいい」

黒ディア「?何故ですか?愛する者のそばに来て何がいけないと…」

ディア「グォォォォォ!!」ザバーン

ティガ「とうとう出て来やがったぞ!?」

黒ディア「あぁっ!ディアさまの雄雄しいその姿、もっと近くでお見せください!!」ズドドド

ディア「グェ!?」ドガァァァ!! ゴロゴロゴロ

黒ディア「もがく姿すらもこの黒ディアの心を握って離しませんわ!!」ブルンブルン

ディア「ガァ!?グォ!?」バチン!ベチン!

黒ディア「最高ですわぁぁぁ!!」ブォン

ディア「グェェェ…!?」ドガァッ!!

ディア「ェ――」ビクンビクン

ガルルガ「…」

ティガ「あれでいいのか…?」

ガルルガ「ワタシに聞くな…」

黒ディア「ディアさま?どうしてお眠りに?」



……………



ディア「…ん、いてて…何があったんだ…」

ティガ「やっと起きやがったか」

ガルルガ「どうやら元に戻れたようだな」

ディア「あ?もしかしてオレ…暴走してた?」

ティガ「バッチリしてやがったぞ、面倒なことにな」

ディア「そか…わりぃ…」

黒ディア「ディアさま!」

ディア「げぇ!?お前なんでいんの!?」

黒ディア「翠トトスさんから聞いたのですわ、こちらに出張なさっていると」

黒ディア「それでワタクシ、心配で心配で…」

ディア「だからってわざわざ来んなよ…」

黒ディア「ワタクシの愛するヒトにもしもがあっては困るのです!!」

ディア「いや、いつも言ってるがオレにはレイアたんがいてだな…」

黒ディア「でも無事でよかったですわ」ガシッ

ディア「そうやって話が通じないからお前イヤなんだよ!!」

ガルルガ「取り込み中悪いのだが、今の状況を理解できているか?」

ディア「あ、すまねぇ」

ディア「あの光ヤロウはどこ行ったよ?」

ティガ「どこか逃げやがったんだよ、探すぞ!」

ディア「どこにいるか見当ついてるのか?」

ガルルガ「まだ暴走してないヤツを探すと言っていた」

ガルルガ「もしかしたら例の避難所の方かもしれない」

ディア「おいおい、向こうにはトト子達がいるから光浴びせられるとやばいぞ…」

ディア「暴走したら手に負えなそうな連中も多々いるから戻ってみたほうがいいんじゃねぇか?」

ティガ「ならそこ行くかぁ?」

ガルルガ「そうしよう」

黒ディア「あの、何のお話なのでしょうか?」

ディア「お前には話しても無駄だから勝手について来いよ」ドドド

黒ディア「あ、待ってくださいディアさまぁ!」ドドド

ティガ「…あれでいいのかよ?」

ガルルガ「いいんじゃないか?なんだかんだでいいコンビだと思う」

ティガ「そうかぁ?」



 『 孤島 奥地 』



ギギネブラ「ギィギィ!」ビタビタ

リオレイア「おっそーい!」ドタドタ

リオレイア「しゃー!!」ガシュッ

ギギネブラ「ギェ!?」ブシッ

リオレイア「すっごい炎くらわせてやる!!」フゥッ

ギギネブラ「ギギィィィィィ!?」ボワァン!! バタバタバタ

リオレイア「とどめだ!!」バッサバッサ

リオレイア「そぉい!!」グルン グルン

ギギネブラ「ギッ!?」バチィン!バチィン!

ギギネブラ「ギィ…」ゴロン ペチョリ

リオレイア「ふぅ、やっとおとなしくなったかぁ」

子供達「おねーちゃんかっこいい!」

リオレイア「えっへっへ~まかせてまかせて!」

白ラギア「ありがとう、レイアさん」

リオレイア「あ、白ラギアねーさんじゃん!いいってことよ!」

白ラギア「でもどうして貴方がここに?」

リオレイア「助っ人…だよ!」

白ラギア「助っ人?」


チャナガブル「ぷはぁ…あーもう終わったっすか?」バシャン

ロアル「せっかちやなぁ、ワイらがくるまでもなかったやんか」バシャン

リオレイア「およ?何か分からないけどごめんね☆」

チャナガブル「いや、別にかまわないっすけどね…」

ロアル「相変わらずやりたい放題やな自分」

リオレイア「へへー」

チャナガブル「褒めてはないと思うっすよ」

ロアル「あんさん、理由知って助けてくれたのけ?」

リオレイア「こっちの様子がおかしいって聞いてたからなんとなくでー」

ロアル「やっぱあんさんはそういう子やな…」

リオレイア「?」

チャナガブル「ロアルの兄貴、向こうどうするっすか?」

ロアル「あっちは悪ガキ達にまかせたほうがええ」

ロアル「ワイらはまた暴走者が襲撃してこんかもしらんでここで待機や」

チャナガブル「はいっす」

リオレイア「ねぇ、あたしは?」

ロアル「向こう行ってきぃ、兄貴の手伝いしたりや」

ロアル「この先行ってりゃやってんの見えるわ」

リオレイア「はーい!」バッサ ピューン

チャナガブル「…元気な子っすね」

ロアル「元気すぎて困りもんやけどな」

白ラギア「でも兄妹そろって心優しい子達なのですよね」

チャナガブル「へぇ」



 『 モガの森 』



 ゴァァァァァァァァァァァァッ!!


ティガ「あん?今度はどこのどいつが吠えてんだぁ?」

ディア「あれはもしかして…」

ブラキ「ゴォォォォ!!」ブンブン

イビルジョー「グェァァッ!!」ガシュッ

ブラキ「ガッ!?シィッ!!」ブシッ! ブォン

イビルジョー「グゥ!?…ゴァッ!!」バキィ! ビュン

ブラキ「ガ!?」ドゴォ! ズサー

ガルルガ「あれが噂のイビルジョーなのか?」

ディア「あぁ…だがやべぇな」

黒ディア「かなり空腹の状態ですわね」

黒ディア「さらに怒りで我を忘れてらっしゃるみたいですし、あのままでは飢餓になってしまいますわ」

ティガ「そうなったらすべて食われるんだっけか」

ディア「骨すら食い尽くされてしまうぜ」

ガルルガ「どうにかならないのか?」

ディア「イビルジョーはもちろんだがブラキディオスまでいるとなるとさすがに手が出しにくい」

黒ディア「彼らの距離を離す必要がありますね」

黒ディア「ディアさま、ワタクシとブラキディオスをイビルジョーから離しましょう」

ディア「おう、タイミング見計らって突き飛ばすぞ」

黒ディア「はい!」

ディア「その間にジョーをティガ、お前が止めてくれよ」

ティガ「はぁ!?」

ティガ「あの暴食魔をこのオレ様が相手しろとかバカか!?」

ガルルガ「ワタシも手を貸す、文句を言うなティガ」バッサ


ディア「じゃあそっちは頼んだぜ!」ズドドド

黒ディア「いきますわよ!せーのっ!!」ズドドド

ブラキ「ブォ?」

イビルジョー「グゥ?」

ディア「おりゃぁぁぁ!」黒ディア「はぁぁぁぁぁ!」ブォン

ブラキ「ゴァァァァ…」フワァァァ…ドスーン!

ガルルガ「今だ!ティガ、イビルジョーを止めるぞ!」

ティガ「ちっ!」ドドド

イビルジョー「ゴァァァッ!!」ドスドス

ティガ「おうおう!さっさと暴れるのやめろやテメェ!!」ガシッ

イビルジョー「ガァ!ガァァァ!!」ドスンドスン

ガルルガ「ごめん!!」ブゥン

イビルジョー「ギァァァァァ!?」ブシッ ドプッ

イビルジョー「ゴォァァァァァァァァ!!」バタバタバタ

ティガ「落ち着けや!めんどくせぇなぁ!!」

ガルルガ「毒で体力が落ちるのを待つしかないか」

ティガ「いやいや無理だろ!?飢餓になっちまったら手遅れなんだろ!!」

ガルルガ「待てよ…なら今食事を与えればいいのではないか?」

ティガ「満腹にしちまえばいいのか?!だったらさっさと何か持ってこいよ!!」

ガルルガ「あぁ、しばらく耐えていてくれ!」ピューン


ティガ「だりぃ事やらせやがって…」ググ…

ティガ「なぁ、食いしん坊さんよぉ」

イビルジョー「ガァ!!」ガチンガチン

ティガ「あんま食い意地張りすぎるとその隙にやられちまうぜ?」

ティガ「オレ様の弟みたいによぉ…」

イビルジョー「ハァハァ…」ボタボタ

ティガ「あん時ゃ地獄から来た兄弟とか言われて随分と調子に乗ってたんだわ」

ティガ「ある日アイツが腹へったからポポ食ってくると言ってな出かけていったんだ」

ティガ「それがアイツといられた最後の日になるなんて思ってもみなかった」

ティガ「いつまでも一緒に暴れ続けるんだってそう思っていたのよ」

イビルジョー「…」

ティガ「アイツがやられたって知らせを聞いた時、オレ様は信じなかった」

ティガ「いつものように馬鹿面して帰ってくると思っていたからな」

ティガ「それが突然の別れだぜ?こんなのってアリか?って頭ん中でグルグル回って止まらなかった」

ティガ「しばらくの間、オレ様は何もする気も出ずにただぼんやりとしていた」

ティガ「で、ある日気づいたのよ」

ティガ「このままでは良くねぇだろってよぉ」

ティガ「アイツもそれを望んじゃいねぇって気づいたらもうウジウジしてるのバカらしくなってな」

ティガ「そうしてまたいつもの日常ってやつに飛び込んだのさ」

ティガ「でよぉ、今頃になってまたアイツといた日々を思い出しちまったんだわ」

イビルジョー「……どうして?」

ティガ「おま…戻ったのかよ?」

イビルジョー「続きは?」

ティガ「お、おう…あのチビに会ってからどうしてもアイツと重なってな」

ティガ「似てる所なんてまったくねぇのに不思議なもんだぜ」

ティガ「…これでいいか?」

イビルジョー「食い意地張りすぎたら危険だから気をつけろってことでいいんだね?」

ティガ「そういうことにしとけ…」プイッ

イビルジョー「へへへ」


ティガ「で、腹は?」

イビルジョー「さっきのお話で胸の方がいっぱいになっちゃった」

ティガ「胸じゃなくて腹の話をしているんだボケェ!!」

ガルルガ「戻ってきたが…もう危険はなさそうだな」スタッ

ガルルガ「あんたのために食事と解毒草を集めてきた」ドサドサ

イビルジョー「うわーい!ありがふがふ!」

ティガ「礼言いながら食うのかよ…」

ガルルガ「そういえばディアの方はどうなったんだ?」

ティガ「いつの間にかいなくなってやがるぜ」

ガルルガ「再び衝突を避けるためここから離れたのだろうか」

ガルルガ「少し探してくるよ」タタタ

ティガ「おう」

イビルジョー「あー、せっかくもらったのに壊しちゃったよ…」ポロポロ

ティガ「なんだそりゃ?」

イビルジョー「お腹がすきにくくなるものだったんだけどね」

イビルジョー「ブラキ相手にするために無理に外しちゃったから壊れたんだよ」

ティガ「また作ればいいんじゃね?」

イビルジョー「これ人間が作ったものらしいからちょっと難しいかな…」

ティガ「あ?今なら人間どもいねぇから探し放題だぞ」

イビルジョー「ホント!?」

ティガ「お、おう…なんなら行ってみるか?」

イビルジョー「いくいく!」

ティガ「でもガルルガのヤツ戻ってきてねぇからどうするか…」

イビルジョー「パパッと行っちゃえばすぐだよ!」

ティガ「…まぁいいか」



 『 孤島 水辺 』


ヴォルガノス「そりゃあ!」ブン

ドスジャギィ「ピギィ!?」バチン! ドサッ

ドスジャギィ「クェェ…」ピクピク

ヴォルガノス「よーしあと一匹ぃ!!」

アオアシラ「ガォォォォ!!」ドスドス

ヴォルガノス「隙だらけだぞ!!」スゥー ボゥッ

アオアシラ「グゥ…!?」ドォン!

クルペッコ「ポォポォポォ…♪」

アオアシラ「グゥオォォォ!!」ホワァン

ヴォルガノス「あんにゃろ!傷まで癒せるのか!?」

リオレウス「やっぱアイツ邪魔だな…」

ベリオロス「シャア!!」ダッ

リオレウス「おっと!当たるかよ?!」サッ

リオレウス「もうひとりいりゃアイツ(クルペッコ)まかせれるんだが…」

ヒプノック「やっぱりウチがやるしかないかな~!」

リオレウス「お前じゃ無理」

ヒプノック「なんでさ~!?」

リオレウス「戦うの苦手なくせに無理すんな」

リオレウス「さっきやられてたろ」

ヒプノック「でもそうじゃないといつまでも終わらないよ~」

リオレウス「…いや、もうお前が相手する必要ないんだ」


リオレウス「アイツが来た」クイッ

ヒプノック「へ?」

リオレイア「おりゃぁぁぁぁ!!」ピューン

クルペッコ「ピェ!?」ゲシッ!

ヒプノック「レイアちゃんだ~」

リオレイア「兄ちゃんきたよ!」ズサー

リオレウス「おう、そのままソレの相手しておいてくれ!」

リオレイア「まかされたー!それぃ!!」グルン

クルペッコ「グェッ!?」バチン!

ヒプノック「…」

ナバルデウス「役に立てなくて悔しいのかい?」

ヒプノック「ん~ん、みんな強いな~って思って~」

ヒプノック「ウチも何かできたらいいんだけどね~」

ナバルデウス「そうか、ならば伝言を頼めるかな?」

ヒプノック「誰に~?」

ナバルデウス「この大陸にいる正常な者すべてをここへ――」

2Gにラージャンていたっけ?



 『 渓流 広場 』



ディア「ここまでくりゃ十分か」

ディア「一気にカタつけっぞ!」

黒ディア「はい!」

ブラキ「シィッ!!」ブォン

黒ディア「そんなの当たりませんわ!」サッ

ディア「おらぁ!!」ブンッ

ブラキ「グァ!?」ドガァ!

ブラキ「ゴォッ!!」ブォン

ディア「思ったよりのけぞらねぇ!ぐほぉ!?」ドゴォ!

黒ディア「ディアさま!?」

ディア「オレの事はいい!アイツを!」

ブラキ「シィッ!!」ブォン

黒ディア「ふっ、隙ありですわ!」ズドドド

ブラキ「グ…シャラァ!!」ブン

黒ディア「尻尾!?うっ!?」バチン!

ブラキ「シッ!」スタン

黒ディア「!?」

ブラキ「ゴォォォゥ!!」ダッ

黒ディア「きゃあ!?」ドガァ!!ズサー

ディア「黒ディア!テメェこのやらぁ!!」ブォン

ブラキ「シッ!」スタン

ディア「なっ…」

>>164 いますよ
多分これには出てこないけど…


ブラキ「シィッ!!」ブォン

ディア「ぐふぅ!?」ドボォ!

ブラキ「シャララララァ!!」ドドド ザクッ

ディア「ぐはぁ!?」ドガァァァァン!! ゴロゴロ

ブラキ「フッ!」ダダッ

???「そこまでだ、ブラキ!」パリッ

ブラキ「ギィィィィィィ!?」バリバリバリィ!!

????「ごめんなさい!」ブシュー

ブラキ「グェェェェェェッ!?」バキャン!

黒ディア「貴方がたは…」

翠トトス「大丈夫ですか黒ディアさんにディアさん」

ディア「結局追いかけてきたのかよ…」

ラギア「いや、本来の目的は騒動の元凶を追っていたのだがな」

ラギア「ジョーだけに戦わせるのは危険だと彼女が言うのでな」

翠トトス「ごめんなさい…どうしても気になってしまって…」

ディア「ジョーなら少々暴走気味な感じだったからティガのヤツにまかせちまったよ」

ディア「ガルルガもいるしなんとかしてくれるだろ」

翠トトス「そっか…よかった」

ラギア「だがまだ問題は解決してない」クルッ

ブラキ「ハァハァ…」

ラギア「頭部も破壊され、かなり疲労が溜まっているようだがコイツは普通の状態じゃない」

ラギア「本気で相手にしないと止められそうにないな」パリッパリッ


黒ディア「ワタクシもお手伝いできれば良いのですが…うっ…」フラ…

翠トトス「無理しちゃダメですよ!」

ディア「くそ…さすが連戦だと疲れがとれねぇぜ…」

ラギア「まともに戦える者が他にいれば良いのだがな」

翠トトス「わたしも戦力になればいいのですが…」

ラギア「お互い地上戦は得意分野ではないからな…ふぅっ!」バシュッ

ブラキ「フッ!」サッ ブォン

ラギア「くっ!?」ドスッ!

翠トトス「ラギアさん!すぅーっ…」

ラギア「撃つな!」

翠トトス「!?で、でも…」

黒ディア「翠トトスさん、今ブレスをするとターゲットをこちらへ変えてしまいますわ」

黒ディア「貴女のためにラギアさんは止めてくれたのですよ」

翠トトス「でもラギアさんだけ戦うなんて…」

ディア「そりゃオレ達だって気持ちは同じさ」

ラギア「鎮まれブラキ!!」パリッ ダンッ

ブラキ「ギゥゥゥ!?」ドガッ!バチバチ! ドスドス

ラギア「電撃を浴びながら突っ込んでくるだと!?がはっ!?」ドガァ!

ディア「元々タフなヤツなのに強化されてるとなるとかなり厳しいな…」

翠トトス「ラギアさんだってかなり体力消耗してるはずなのに…」

翠トトス「だ、誰か…」




  『これも縁だ、また何かあれば力になろう』



翠トトス「!!」

翠トトス「わたしの声が聞こえていたら助けてください!」



  「ナルガクルガさん!!」



ラギア「!?」

ブラキ「シャァァァ!!」ダッ

???「…」ストッ ブンッ

ブラキ「グォア!?」ドガァ!!

???「…これはまた厄介なヤツを相手にしているじゃないか」

翠トトス「本当に来てくれたんですね…ナルガクルガさん」

ナルガ「ナルガでいい、何かあれば呼べと言ったのはオレだからな」タッ

ナルガ「ただ力任せに殴れば良いってものではない」シュッ

ブラキ「ガッ!?」ドガッ!

ナルガ「相手へ確実にダメージを蓄積させられるように繰り出すべきだ」シュッ

ブラキ「ギェ!?」ドガッ! ズサー

ナルガ「ラギアクルス、動けるか?」

ラギア「あぁ、少しならまだいける」

ナルガ「ならばヤツの腕にブレスを当てるんだ」

ナルガ「オレが誘導する」ダダダ

ラギア「了解した」ザッ

ブラキ「シャラァ!」ドガンドガン!

ナルガ「どこを見ている?こっちだ」スタッ

ブラキ「ガァァァ!!」ドドド

ラギア「今だ!ふぅっ!」バシュッ

ブラキ「ギャァァァァァァァァ!?」バリィン!

ディア「腕の甲殻が剥がれたぞ!体力を確実に削るために破壊したのか」


ナルガ「ふっ!!」クルッ ブンッ

ブラキ「ゲホォァ!?」ザクッ!

ナルガ「はっ!」シュッ シュッ

ブラギ「ガ…ハ…!?」バキッ!バキッ!

ブラキ「ハァ…ハァ…」ユラユラ…

ナルガ「次で終わりだ」ザッ

翠トトス「もうやめてください!」バッ

ナルガ「…何の真似だ?」

翠トトス「もう見ての通り、このヒトは動く事もままならない状態です」

翠トトス「これ以上はもう必要ないと思います」

ナルガ「また戦わずして止める方法があるとか言う気か?」

翠トトス「…」

ナルガ「…いいだろう」スッ

ナルガ「一度ならぬ二度、あの時と同様の出来事が起きるか少しだけ待ってやる」

翠トトス「ありがとうございます」

ラギア「ナルガクルガ、君には私が暴走時に迷惑をかけたそうだな」

ナルガ「…気にするな」

ナルガ「普段から表に出てこないオレが勝手にしゃしゃり出ただけだ」

ナルガ「オレはただ戦うだけが生きがいの生物にすぎん」

翠トトス「そんな事ないです」

翠トトス「あなたはヒトのために考えて行動しています」

翠トトス「でなければわたしの声に応えてくれなかった筈ですから…」

ラギア「私も君がただの戦闘するためだけに来たとは思わない」

ラギア「暴走中にも周囲を確認できる意識はあった」

ラギア「君は私を相手にし、ティガを先へ行くよう指示していただろう?」

ラギア「君には付き合いはなくとも同じ場所に住む者同士を大切にする優しさがある」

ナルガ「…」


ブラキ「グゥゥゥゥ…!」ペロペロ

ディア「おいおい、まだやる気なんじゃねぇかコイツ」

ラギア「あの間に回復したのか?!なんという再生能力!」

翠トトス「あの…聞こえますか?」ドス

ディア「おいトト子!ソイツに近づくな!?」

翠トトス「聞こえていたら尻尾でもいいので動かしてみてくれませんか?」

ブラキ「ウゥゥゥ…」…ブンッ

黒ディア「反応しましたわ!」

翠トトス「ラギアさんがさっき言っていたのが他の人にも通じるなら返事してくれると思いまして」ニコ

翠トトス「聞いてください!自分に負けてはダメ!もうこれ以上は…」

ラギア「だがそれでも身体は正常に動かない!離れろ!!」

ブラキ「グゥゥゥァァァァァァ!!」ブルンブルン

翠トトス「うぁっ!?」バシッ! ドサッ

ディア「トト子!?」

ナルガ「やはりそれでも暴走は止まらないようだな」

ナルガ「時間だ」ザッ

翠トトス「や、やめ…」


イビルジョー「見つけたぁぁぁ!!」ドドド

ラギア「あれは…ジョーか!」

イビルジョー「ブラキ!ボクだよ!イビルジョーだよ!」

ナルガ「止めておけ、何をしても暴走は止まらん」

イビルジョー「止まるよ!好きで暴れてるんじゃないもんブラキは!」

イビルジョー「邪魔するならキミを噛み切ってでも止めるからね!!」

ナルガ「…」

ブラキ「ガァァァ!!」

イビルジョー「さっきはごめん、友達叩いちゃダメだったよね?」

イビルジョー「ボクもうブラキに何もしないから」

イビルジョー「だから、ね?ブラキももう暴れるのやめよ?」

翠トトス「ジョーさん…」

ブラキ「シャァァァ!!」ブゥン

イビルジョー「んぐっ!?…キミはひとりぼっちなんかじゃない」ドスッ!

イビルジョー「ボクは何があっても友達だから…」

ブラキ「ア……アァァァァァァァァァ…!!」ブルンブルン モワァ…

イビルジョー「ブラキ!?どうしたの?!」

ディア「おい!なんかすんげぇ煙みたいなの出てきたぞ?!」

人魚「きっとあれがその子をコントロールしてたものだと思う」

人魚「魔力が抜けてくの感じるから」

ディア「なんだいたのか魚さんよぉ」

人魚「最初からいたよ!?あと人魚だから!!」

ラギア「あれが出るとどうなるのだ?」

人魚「アイツの命令はもう届かなくなるよ」

人魚「多分その子の抵抗する力が打ち勝ったんだろうね」

翠トトス「よかった…」


ブラキ「うぅ…」ドサッ

イビルジョー「ブラキ、ボクの声が聞こえる?」

ブラキ「…ジョー」

ブラキ「ずっと…聞こえていたよ」

ブラキ「いつも自分なんかに…会いに来てくれる君を…」

イビルジョー「友達なんだからどこにいたって会いに来るさぁ」

イビルジョー「それにあの程度で離れたりなんてしないよ!」

ブラキ「うん…殴って…ごめん」

黒ディア「何とか丸く収まりましたわね」

ディア「一時はどうなるかと思ったがな」

ナルガ「一度ある事は二度ある…か」

翠トトス「ナルガさん?」

ナルガ「正直、お前を甘く見ていた」

ナルガ「兄妹そろってオレの予想の範疇を超えてくれる」ザッザッ

翠トトス「どこへ行くのですか?」

ナルガ「問題が解決した以上オレの出番はない」

翠トトス「また何かあったら呼んでもいいですか?」

ナルガ「好きにしろ――」タンッ

翠トトス「ナルガさん…ありがとう」

ディア「そういえばティガとガルルガはどうしたんだ?」

イビルジョー「ティガくんならあの悪いヤツ探しに行ったよ」

イビルジョー「黒い鳥のお姉さんはこっち来てた筈なんだけど…」

ディア「いや、来てないぞ…なぁ?」

黒ディア「えぇ、見かけませんでしたわ」

ラギア「我々もここへ来るまでには誰も見かけなかったが」

翠トトス「もしかして避難所の方に行ったのでは?」

イビルジョー「それにしても別れてからそんなに時間経ってないよ」

人魚「もしかしたらアイツと遭遇したんじゃ?」

ラギア「それだと最悪だな」


ディア「あいつもそんな弱くはねぇけど光は未体験だからまずいかもな」

人魚「探す?」

翠トトス「それなら分かれて探した方が――」

ガルルガ「そこにいたか!今すぐここから離れるんだ!!」ビューン

ディア「お、噂をすれば…何があったよ?」

ガルルガ「物凄い速度で侵食とやらが始まっている!」

人魚「!!」

ラギア「なんだと!?」

ガルルガ「元々おかしな景色がどす黒く染まっているのが遠目で見えた!」

ガルルガ「よく分からないがあれはやばい!」



――――――



ガルルガ「足跡か…ワタシの知っているものではないな」バッサバッサ

ガルルガ「こっちか」ピュー

ガルルガ「…?なんだあの砂嵐のようなものは」

ガルルガ「ディア達は気になるが少し近づいてみよう」クルッ ピュー


 ズゾゾゾゾゾゾ…


ガルルガ「何だこれは…景色が黒く染まっている…」

ガルルガ「それにあちこちからこちらを埋め尽くすように来ている気が…」

ジャギィ「ピ!?ゲギャギャギャギャ?!」ズブブブ

ガルルガ「なっ!?小型の鳥竜が吸い込まれるように消えた…」

ガルルガ「いや…黒く染まったまま動かなくなったな」

ガルルガ「これはさすがに無視できない…!」クルッ 

ガルルガ「皆を見つけて避難させたほうが良さそうだ!」ビュゥゥゥ



――――――――

ガルルガ「得体が知れない以上、離れるしかないんだ」

翠トトス「人魚さん、何か分からない?」

人魚「あたしもそれは全然知らないや…ごめんよー」

人魚「もしかしたら漆黒玉に何か手を加えたのかもしれない」

ディア「ちっ、あのヤロウ今度は強硬手段にでも出やがったか!」

ディア「でもどこに行くよ!?この先にゃ人間の村しかねぇぞ!!」

ラギア「とにかく離れるしかあるまい」

イビルジョー「ブラキ、立てる?」

ブラキ「うん…」ムクリ

ブラキ「あの…じ、自分の作った隔し通路が近くにあるんだけど…」

ブラキ「それで良ければ…」

翠トトス「それはどこにあるの?」

人魚「今は非常事態だから教えて!」

ブラキ「こ、こっち…!」ドスドス



『 孤島 水辺 』



リオレウス「戦ってて気づいたけどコイツつえぇな!」

ベリオロス「ガァッ!!」ダッ

リオレウス「うおっと!?」サッ

ヴォルガノス「こっちはなんとか終わったぞー」

アオアシラ「グヘェ…」ダラーン

リオレウス「なら手伝ってくれ!時間がかかりすぎる!」

ヴォルガノス「はいよー」ドスン ズルズル

クルペッコ「ポォポォポォ…♪」

リオレイア「やらせるかぁ!!」ガブッ

クルペッコ「ピェェ!?」ガシュ! バタバタ ズサー

リオレイア「変な転び方ー」ケラケラ

リオレウス「笑ってる場合か?!さっさと大人しくさせろ!」

ヴォルガノス「レウス!右!」

ベリオロス「ブゥゥゥゥゥ!!」ヒョォォォ!

リオレウス「ぐぅ!?体が凍りつく!?」パキパキパキ

ヴォルガノス「ブレスで溶かすか?」スゥー

リオレウス「アホか!?お前のくらったらオレごと吹っ飛ぶわ!?」

リオレウス「何とかするからソイツの相手しててくれ!」

ヴォルガノス「オッケー!」ズルズルズル


リオレイア「ほらぁ!」フゥッ

リオレウス「うぉ!?あづぅぅぅ!?」ボワァン! ジュゥ

リオレウス「火力高すぎるわアホォ!オレごと炭焼きにする気か!?」

リオレイア「溶かしてほしかったんじゃん!?」

リオレウス「だからってお前なぁ――」

ベリオロス「シャァァァ!!」ダッ

リオレウス「おっと!当たるかよぉ!!」バッサ シャー

ベリオロス「グゥ!?」バキャ! ズサー

ヴォルガノス「そこですかさず押しつぶす!」ダンッ

ベリオロス「ギャァオ!?」ブチィ!!

リオレウス「よっしゃ!そのまま総攻撃だ!」ボッ

リオレイア「おまかせ!」ボッボッボッ

ベリオロス「ガッハッ!?」ドガドガドガァ!!

ヴォルガノス「フィニッシュ!!」ボァッ

ベリオロス「ガァァァ!?」ドゴォン!

ベリオロス「アァ…」ユラ…ドサリ

リオレウス「ふー、やっと大人しくなったか」

リオレイア「よかったよかったー」

ヴォルガノス「…クルペッコってヤツは?」

リオレイア「え?」

クルペッコ「ピェピェピェピェピェ♪」

リオレウス「なにやっとんじゃお前ぇぇぇぇぇ!!」

リオレウス「相手してろっつたろうが?!」

リオレイア「忘れてた☆」


ヴォルガノス「また復活されたらさすがにきついぞぉ」

リオレウス「いや、あれは何か呼び出してる音だったはず…」

ヴォルガノス「何が来るんだろう?」

リオレウス「分かんね、とりあえずアイツは倒しておこうぜ」

リオレイア「了解でっす!おりゃぁぁぁ!!」ドドド


 ヒュゥゥゥゥゥ…ドスゥゥゥゥゥゥン!!!!


リオレウス「なぁ!?」

ヴォルガノス「で、でけぇ!?なんだこれ!!」

ナバルデウス「分からぬ…だがとんでもない気配を感じる…」

リオレイア「ちょちょ…こんなの見たことないしなんかやばそうなんだけど…」

リオレイア「それに走り出したら止まらないぃぃぃ!?」ドドド

???「…」ユラ……ブォォォン!!



 『 ?? ブラキの隠し通路 』



翠トトス「すごく広い…」

イビルジョー「ブラキが通れるぐらいだからねー」

ブラキ「け、結構時間かかったんだ…これ掘るのに…」

ディア「こいつはどこまで通じてるんだ?」

ブラキ「す、水没林の奥…だよ」

ラギア「おぉ、ならば大分近道になるな」

人魚「何か音しない?」

翠トトス「音?」

人魚「うん、なんか流れるような」

ガルルガ「砂の擦れる音に…石のぶつかり合う音…これは土砂の音だな」

ディア「お前さん耳はいいんだっけか」

ガルルガ「流れている方向は…」クルッ

黒ディア「!?後ろからですわ!!」

ラギア「何故ここに流れてきたのだ!?ヤツの仕業か!!」

ディア「いいからとっととここを出るぞ!!」

人魚「トト子ちゃん!ちょっとだけ止まって!!」

翠トトス「でも急がなきゃ…」

人魚「少しだけだから!」ポォォォ

人魚「氷柱魔法!!」パキィィィン!

翠トトス「目の前に氷の壁が…」

人魚「時間稼ぎだよ!行こう!」

翠トトス「うん!」ドスドス



……………


ディア「外の光だ!やっと出口か!?」

イビルジョー「何とか間に合ったね!」

ブラキ「こ、ここはまだ途中の出口…また別の通路に入らないと…」

ラギア「とにかくここを出ればなんとかなるだろう」

翠トトス「はぁはぁ…」

人魚「トト子ちゃんどうしたの?」

翠トトス「ん…なんでもないよ…それより早く出なきゃ…」ドスドス

ラギア「急げ!もうそこまで迫っているぞ!?」

黒ディア「出られましたわ!」

ディア「久々のシャバって感じがするぜ!」

イビルジョー「待って!まだトト子ちゃんが!」

翠トトス「はぁ…はぁ…」

人魚「さっきからおかしいよ…どうしたの?」

翠トトス「ごめん…さっきから体が動かなくなって…」

ガルルガ「バカヤロウが!!」ダダダ

ディア「おいガルルガ!?」

人魚「ダメ!もう間に合わないよぉ!!逃げて!!」


 ザァァァァァ…ガラガラガラ!!


ディア「トト子ぉぉぉ!!ガルルガぁぁぁ!!」

ラギア「完全に埋まってしまったな…」

ディア「どうしてこうなるんだよ…!!」ドンッ


ブラキ「自分の…せいだ…あの時…傷を殴ったから…」

イビルジョー「ブラキは悪くないよ!自分を責めちゃダメだからね?」

黒ディア「お魚さんもいましたのにね…」

ラギア「…このまま立ち止まっていても危険だ、行こう」

ディア「待てよ…オレはあいつら置いてなんかいけねぇ」

ラギア「ならどうするつもりだ?完全に埋まってしまっているのだぞ?」

ディア「オレは地中に潜れる、時間はかかるがあいつら救出してくる」

ラギア「彼女らの息が続くまでに可能なのか?」

ディア「できるか、ではなくやるんだよ!」

黒ディア「私も助けに行きます」

黒ディア「あの子達は大切なお友達ですから」

ディア「お前らは先に行けよ、向こうに何かあってもまずいしな」

イビルジョー「絶対助け出してよ?」

ディア「まかせとけって!行くぞ!」ズザザザ

黒ディア「はい!」ズザザザ

ラギア「助かると良いのだが…」

イビルジョー「大丈夫だよ、友達信じなきゃ」

ラギア「いつ友達になったのだ…」

イビルジョー「気にしなーい!ほら行くよラギアにブラキ!」

ブラキ「う、うん」

ラギア「あぁ」



 『 砂原 地中 』



ディア「どの辺りだ?」

黒ディア「確かこの辺りですわ」

黒ディア「あ、いましたわ!」

ガルルガ「…」ピク

翠トトス「…」

ディア「待ってろ、今から地上に連れて行ってやる」

黒ディア「しかしワタクシ達では掘りながら連れて行くには時間がかかりすぎますわね」

ディア「くっ…もっと素早く掘り起こせるヤツがいれば…」

黒ディア「いますわ!ディアさま、ここはどこですか?!」

ディア「へ?熱気と土の質からしての砂原の砂漠地帯だろう…は!?」

ディア「そうか!ヤツがいた!!地上で呼び出す!」ズザザザ

ディア「ハプルボッカ!!いたらすぐさまここへ着てくれ!!」


 ズズズズズ…


ハプル「おっと、ディアさんどうしました?」ザパン

ディア「お、いてくれたか!今すぐこの真下を掘り起こしてくれ!」

ディア「仲間が生き埋めにあってるんだ!!」

ハプル「そりゃ大変だ、おまかせを!」ザババババ

黒ディア「予想以上に早く着てくれましたわね」

ディア「運が良かったのかもな」


ハプル「いましたぜ!そらぁっ!!」ザバァァァァン!

翠トトス「うぁ」ドサッ

ガルルガ「ぐぅ…」ドサッ

黒ディア「何とか間に合ったようですわね」

ディア「助かったよハプル、さんきゅ」

ハプル「いえいえ、お役に立ててなによりです」

ハプル「あ、緊急の呼び出し受けてたんだった」

ハプル「急がないと!」ザパン

ディア「呼び出し?誰にだ?」

ハプル「綺麗な尾羽の子が来て、大陸中の無事な者は孤島に集まってくれって」

黒ディア「おそらくヒプノックさんですわね」

ディア「やっぱ向こうで何かあったか…あとでオレ達も行くと伝えておいてくれ」

ハプル「了解です!では…」ザプン ザザザ

ディア「とりあえずだ…ガルルガ大丈夫か?」

ガルルガ「んむ…ワタシは助かったのか…?」

ディア「オレの知り合いに助けてもらったのさ」

ガルルガ「そうか」

翠トトス「ふぅ…お礼をいわなきゃいけないですね」

ディア「おい!そういえば魚さんはどうしたよ!?」

翠トトス「あ、ここに」パッ

人魚「あたっ!?」ドサッ

ディア「背びれで包めてたのか」

人魚「あれ?あれ?砂は?」

ガルルガ「何も分かっていないようだな」ニッ

翠トトス「生き埋めになったけど助けてもらえたんだよ」

人魚「あ、そうなの?」

人魚「ありがとー知らないヒトー!」

翠トトス「今言っても聞こえてないよ…」


ディア「さて、ゆっくりしてる暇はあまりないぞ」

ディア「孤島の方で何か起こっているみたいだし行こうぜ」

ガルルガ「もしかしたら例のヤツが向こうに現れたのかもな」

翠トトス「待ってください、だとしたら最悪の展開になるんじゃ…」

黒ディア「そうですわ!先ほどこの大陸中の者を孤島に集めてると言っていたではありませんか!」

ガルルガ「下手するとほぼすべての者達が暴走して取り返しのつかないことになるぞ!」

ディア「ちっ!まさかアイツが仕向けたのか!?」

人魚「偶然だと思うよ」

人魚「そんな事できるなら最初から皆あっという間に暴走させられてるはずだよね?」

ガルルガ「確かにな…だが、これを気づかれたらヤツに餌を与えるようなものだぞ」

ディア「急ぐぞ!」ズドドド

黒ディア「はい!」ズドドド

ガルルガ「ワタシは空から行くことにするよ」

翠トトス「待って!」

ガルルガ「どうした?」

翠トトス「人魚さんを連れて行ってあげてほしいのですけど…」

ガルルガ「お前は行かないのか?」

人魚「そだよ、どうしたのかな?」

翠トトス「少し用がありまして」

ガルルガ「ふむ、かまわないがなるべく早く来るのだぞ?」

翠トトス「はい、ごめんなさい」

ガルルガ「じゃあ背中にしがみついてるんだ」ヒョイ

人魚「はいはーい!わぉこのモサモサが気持ちいい!」

ガルルガ「そうか?ではまたあとでな!」バッサ ピュー

翠トトス「よかった…さっきやられた時に傷開いちゃったのバレなかった…はぁ…」

翠トトス「こんな状態じゃ…途中で倒れちゃうもんね…」ポタ…ポタ…

翠トトス「足手まといになりたくなかった…から…」フラ…ドサッ

翠トトス「…ごめん…なさい…」

翠トトス「…」



 『 砂原 空洞内 』



女ハンター「やっとここまで来れたけど…」

ルドロス「あぅ…おなかすいたよぉ…」フラフラ

女ハンター「なんだかフラフラしているけど大丈夫?」

ルドロス「あつい…おみずほしいの…」ベチョ

女ハンター「ちょ…どうしたの?」ユサユサ

女ハンター「あ、もしかして水か…」

女ハンター(水生獣なんだからこれだけ地上を歩き続けるのは辛いに決まっている)

女ハンター(確かこの辺に水場があったはず…)

女ハンター「ちょっとごめん」グイ ノシッ

ルドロス「うぅ…」

女ハンター(子供だから何とか背負えた)

女ハンター(このまま水場まで連れて行こう)


……………


女ハンター「あった、ちゃんと記憶してて良かった」

女ハンター「ほら、水だよ」トサッ

ルドロス「あーきもちー」パチャパチャ

女ハンター(少し元気になったみたいだ)

ルドロス「でもおなかすいたの…」クーキュルル

女ハンター「…もしかしてお腹空いてる?」

ルドロス「うぅ…」

女ハンター「私が持ってるのはこんがり肉ぐらいしかないけどいいかな?」ゴソゴソ

ルドロス「あったかいおにくだー」モキュモキュ

女ハンター「…」

女ハンター(普段狩るはずのモンスターにこんな事してると何か不思議な気分だ…)


女ハンター(あの男を捜すにしてもどこを捜せばいいか見当もつかない…)

女ハンター(受付の子も避難しているからナビゲートしてもらえないし)

女ハンター「どうするかな…」

ルドロス「もっとおにくないのー?」クイクイ

女ハンター「うん?もしかしてもっとほしいの?」

女ハンター「余分に持ってきてるからあるだけあげるよ」スッ ドサドサ

ルドロス「わーい」モキュモキュ

女ハンター「何か見てるとプーギー相手してるみたいな気がして和むな」ホワーン


 「グゥ…ゥゥ…」


女ハンター「!?」キョロキョロ

女ハンター(何かモンスターの呻き声のようなものが聞こえた…)

女ハンター(ここの出口付近だろうか?)

女ハンター(もし暴走したモンスターであるならこの場にいてはまずいかもしれない)

女ハンター(見てくるか?でもこの子を放っておくわけにはいかない)

女ハンター「よし」カシャン

女ハンター「ここで少し待ってて」ス…ナデナデ

ルドロス「?」モキュモキュ

女ハンター(様子だけ見て、判断は後にしよう)

女ハンター(この先は砂漠地帯のはず…慎重に進もう)ザッ…ザッ…

女ハンター「あれは…」

翠トトス「うぅ…」

女ハンター(ガノトトス亜種だ)

女ハンター(明らかに生息地が違うこの砂原に何故?)

女ハンター(しかもえらく弱っている)

女ハンター(何かにやられたか…傷が結構深い…)

女ハンター「そういえばティガレックスやディアブロスもあんな所にいたっけ…」

女ハンター(やはりここで何かが起こっているのだろうか?)


女ハンター「このままトドメをさしてもいいし、無視してもいいけど…」

ルドロス「あー優しいねえちゃんだー」ノソノソ

女ハンター「ん?ついてきたのか」

ルドロス「優しいねえちゃんどうしたの?」ツンツン

翠トトス「おチビ…ちゃん…」

女ハンター「…」

女ハンター(なにやら会話してるように見える)

女ハンター(同じ水生だし知った者同士なのかもしれない)

女ハンター「こんな事してたらハンター失格なのかもしれないけど…」ゴソゴソ

女ハンター「何だか放っておけないよね」クイ…キュポン

女ハンター「ちょっとごめんね」ジョボジョボ…

翠トトス「ん…」

女ハンター(モンスターに秘薬なんて効くか分からないけど…)

女ハンター「あとは傷口に薬草塗ってみよう」ペトペト

翠トトス「…」

女ハンター「ふぅ、これで少しはマシになればいいけど」

翠トトス「人間なのに…どうして助けてくれたの?」ググ…

女ハンター「!?」

女ハンター(モンスターが…喋った…?)


女ハンター(いや、ありえない…でも…)

女ハンター「…どうしても放っておけなかったから」

翠トトス「そっか」

女ハンター(どうやらこちらの言葉も通じるらしい)

女ハンター「不思議に思わないの?」

翠トトス「言葉が分かる事に?」

女ハンター「そう」

翠トトス「別のヒトなんだけど人間と会話ができたっていうの聞いたことあるから、かな」

女ハンター「それホント?」

翠トトス「うん、死んじゃったわたしのお兄ちゃんも最後に会話できたらしいし」

翠トトス「今ここで起きてる事考えたら他に不思議な事があってもおかしくないと思う」

女ハンター「確かに…そうだね」

翠トトス「あ!いけない、急いで皆と合流しなきゃ!」

女ハンター「皆?」

翠トトス「今すごく大変な事になりそうなんだ」

翠トトス「もしかしたらほとんどのヒト達が暴走始めちゃうかもしれない」

女ハンター「!?」


翠トトス「ごめん、もう行かなきゃ」ムクリ

女ハンター「もう大丈夫なの?」

翠トトス「傷かなり楽になったよ、ありがとう」

女ハンター「私も連れて行ってほしい」

翠トトス「え…でも…」

女ハンター「色々と危険なのは承知だよ、お願い」

女ハンター(モンスターの視点での状況も見てみたい)

女ハンター(そうしてる内にあの男が再び現れるかもしれない)

翠トトス「…分かった、途中で人間側がどうなってるかお話聞かせて?」

女ハンター「いいよ」

翠トトス「おチビちゃんも一緒に行こう?」

ルドロス「どこいくの?」

翠トトス「あなたのパパの所だよ」



 『 孤島 』



リオレイア「痛い…」

ヴォルガノス「ぐぅ…なんだこのバケモン…」

リオレウス「オレ達が手も足も出せねェなんて…」

???「ギャラァァァァァァ!!」

リオレウス「ウカムやアカムに似てるけどアイツらはここまで邪悪な姿してねぇぞ…」

ナバルデウス「お前達は下がっておれ」

ナバルデウス「ヤツはワシがなんとかしよう」

ヴォルガノス「おい、おいおい…爺さん無茶するなよ…」

ナバルデウス「嫌な予感はしておったんじゃ」

ナバルデウス「それを知っていながらお前達を避難させなかったワシに責任はある」

ナバルデウス「今、大陸中の仲間を集めている」

ナバルデウス「もしワシが倒れた場合は皆で挑むのだ!」ズゴォォォォォ!!

???「ギゥゥゥゥゥ!!」ズバババババッ!!

ナバルデウス「そのままこちら(水中)へ来るんじゃ!」ザッバァァァン

???「ギィ!?」ドスッ!! ドバァーン!

リオレイア「すごー…」

リオレウス「オレ達のケンカとは次元が違う戦いだな」

ヴォルガノス「何せサイズが桁違いだしなぁ」


???「ギャラァ!!」シュカッ

ナバルデウス「むぅ!?」スィー

ナバルデウス「前足は鎌状になっておるのか、それに伸縮するとはの」

ナバルデウス「じゃが避けられないほどではない!」ズォォォォ

???「ギィ…」ユラ

ナバルデウス「!?」スカッ

ナバルデウス「当たったはずなのにまったく感覚がなかった…」

ナバルデウス「ぬぅ?!さすがに年老いた身体には厳しいのぅ…」ビキィ

???「ハァァァァァ…」コォォォ

???「ブゥゥゥゥゥゥッ!!」ブシュン

ナバルデウス「しまっ…ぐふぅ!?」ドシュッ!!

???「ブゥォォォォ!!」ブシュブシュン

ナバルデウス「なんじゃこの光線は…避けられん…!?」ドシュドシュッ!!

ナバルデウス「…どうやらワシこそ足手まといだったのかもしれんな」

ナバルデウス「邪悪なる者よ、ワシはただではやられはせぬぞ!!」ズォォォ

ナバルデウス「せめて一撃を!皆のために与えておく!!」



 『 孤島 滝の流れる平地 』



ティガ「くそが、どこにもいやしねぇ…」

ティガ「もう全部調べつくしたはずだぞ、ここ以外は」キョロキョロ

ティガ「あの避難所とやらの方に行ってみっか」ドスドス

イビルジョー「あれティガくんじゃないかな?」

ラギア「ティガ!ここにいたか」

ティガ「あ?、おうてめぇらか」

ブラキ「…」

ティガ「これ、元に戻ったのかよ」

イビルジョー「うん、だからもういじめないでやってよ」

ティガ「最初からいじめてねぇよ?!」

ティガ「で?こんな所で何してんだ?避難所か?」

ラギア「あぁ、道中で普段以上の侵食が行われているらしくてな」

ティガ「はぁ!?なんだそりゃあ?!」

ラギア「皆にいつでも逃げられるよう警告しておくつもりだ」

イビルジョー「しばらく渓流から人間の村付近には行かない方がいいよー」

ティガ「お、おう…」

ティガ「ま、どうせあのクソヤロウの仕業だろ」

ティガ「見つけてズタズタにしねぇと気がすまねぇ!」

ティガ「てめぇらがあっち行くってんならオレ様はヤツをまた捜すぜ!」ドドド

ラギア「お、おい!?」

イビルジョー「ひとりで勝手に行っちゃったね」

ブラキ「変な…ヒト…」

ラギア「仕方ない、我々は避難所へ行くか」

ラギア「何事もなければいいが…」



 『 水没林 滝の上の通り 』



ティガ「だーっ!?またてめぇらか!!」

ドスフロギィ「ガァァァァ!!」ドスドス

フロギィ「キィキィ!」タタタ

ティガ「消えろやゲロ袋が!!」グルン

ドスフロギィ「ピギィ!?」バチン! ドサッ

ティガ「道開けろゴルァァァァァァァァ!!」ゴァッ!

フロギィ「ピィ!?」ドサドサ

ティガ「邪魔するヤツぁ引きちぎるぞオルァ!!」ドドド

翠トトス「あれは…」プカプカ

女ハンター「ちらっとだけ見えたけど…ティガレックス?」

ルドロス「おっちゃんだー」

翠トトス「ごめんなさい、ちょっと寄り道していい?」

女ハンター「知り合いなの?別にかまわないけど」

翠トトス「追いつけるかな」スィー


……………


ティガ「しつけぇな!」

ドスフロギィ「ゴォォォ!!」ドスドス

ティガ「分かった分かった…」ザッザッ

ティガ「そんなに死にてぇなら今すぐぶち殺してやんぜぇ!!」ビキビキ


 ~~~♪


ドスフロギィ「ガ!?…ハァハァ…」ビクッ ユラユラ

ティガ「あん?」

ドスフロギィ「ギョガァァァァ!!」メリメリメリィ

ティガ「なぁ?!なに急にムキムキになってんだ!?」

ドスフロギィ「ゥエェェェェイ!!」ダンッ

ティガ「うごぉ!?いきなりか!?」ドンッ! ズサー

ドスフロギィ「ゴォェァァァァ!!」ドスドスドス

ティガ「おいおい、さっきより動きがキレてねぇか…?」

クルペッコ「ピェェェェェ!」バタバタ

ティガ「あんな所にもクソ鳥がいやがるな!めんどくせぇ!!」

ドスフロギィ「ブハッ!」ボワァァァ

ティガ「また毒かぁ?!今度はくらうかってんだ!!」サッ ガシュッ

ドスフロギィ「ゲェッ!?」ブシッ!

ティガ「まだまだぁ!!」ガバッ

ドスフロギィ「ギャァァァァス!」グシャ!

ティガ「おぅ、そんな所に毒溜め込んでたのか?破れて残念だったなっとぉ!!」ガシュッ

ドスフロギィ「グェッ!?ハァハァ…」


クルペッコ「ポォポォポォ♪」

ティガ「あん?今は遊んでんじゃねぇんだぞ鳥がぁ!!」

ティガ「テメェから死ぬかぁ?!」


 シュゥゥゥゥ…ドドドドドッ!!


クルペッコ「ピィィィ…!?」ブシブシッ!

翠トトス「ティガさん!大丈夫ですか!?」

女ハンター「…」スッ

ティガ「おう、いつの間にこんな所いやがったよ」

ルドロス「おっちゃーん!」

ティガ「はぁ…またガキ連れてきたのかよ…」

ティガ「しかも人間までいやがる」

翠トトス「人間さんもこの現象を止めるために戦ってくれるんですよ」

ティガ「人間が、ねぇ…」

ティガ「って、どうやって話したんだよ?」

翠トトス「それは…」

ドスフロギィ「ゴェァァァァァ!!」ドスドス

翠トトス「!?」

ティガ「まだ動いてんのかテメェオラァ!」グルン

ドスフロギィ「ギャヒィン!?」ドゴォ! ドサッ

翠トトス「ありがとうございます」

ティガ「ふん!」クルッ


女ハンター「はっ!」シュバッ

クルペッコ「ピ!?」ドシュ!

ティガ「おらおらおらぁ!くたばれやクソ鳥がぁ!!」ドドドドド

クルペッコ「クケェ!?」ドガッ!

クルペッコ「ファファ~…クヘ…」ドサリ

ティガ「思ったよりあっさり沈みやがったな」

翠トトス「すでに傷ついていたのかかもしれませんね」

ティガ「逃げてきてやがったのか、雑魚が」

翠トトス「さすがにそこまでは…」

女ハンター「…」カシャン

女ハンター(片方しか聞こえなくてもわりと普通に会話してるように感じる)

女ハンター(さすがにティガレックスの言葉までは聞こえないか…)

翠トトス「人間さん」

女ハンター「なに?」

翠トトス「ティガさんとは会話できないかな?」

女ハンター「無理みたいだね、別の場所でも会ってたけどさっぱりだったよ」

翠トトス「そっか…」


ティガ「おい、オレ様はもう行くぞ」

翠トトス「まだあのヒト見つからないのですか?」

ティガ「さっぱりだ、あれだけ大口叩いておきながら逃げてりゃせわないわ」

破壊王「逃げていたわけじゃない、そちらを監視していたんだよ」ガサガサ

ティガ「!?やっといやがったか!」グルン

女ハンター「わざわざ来るなんてどういう風の吹き回し?」

破壊王「ここのヤツら全部暴走させてやろうと思ったんだがな」

破壊王「もう面倒になった」グッ メキメキメキ

破壊王「まず邪魔なヤツらを自分の手で消し去る事にしただけだ」ズォォォォ!

ティガ「体がでかくなりやがった!?」

翠トトス「見た目も大分変わりましたよ!」

破壊王「それにもっと確実な方法に変えたから俺自身が手を下す必要もなくなった」

破壊王「貴様らだけ潰しておけばすべてがうまくいく」スッ

女ハンター「何かくる!?えっと…」

翠トトス「トト子でいいよ」

女ハンター「じゃあトト子!その場から離れて!」

翠トトス「分かった!ティガさんもそこから離れて!」ドスドス

ティガ「あ?なんか知らねぇけど…」ドスドス


 ドガガガガァッ!!


ティガ「うお!?地面が盛り上がりやがった!!」

破壊王「ちっ、次だ!」ダッ

翠トトス「きた!?」

女ハンター「そこっ!」ギリリリ ヒュッ

破壊王「当たるかよ!」サッ ボボボ

翠トトス「うぐっ!?」ドォォォン!

女ハンター「!?よくも!」ギリリリ

破壊王「遅い!」ブゥン

女ハンター「ぐぅ!?」ドガッ! ズサー

ティガ「オレ様を忘れちゃいねぇかぁ?」ガブッ

破壊王「ぐおぉ!?」ブシッ!

ティガ「おらおらおらぁ!!」ブンブンブン

破壊王「くっ…離せ!?」ピキピキピキ

ティガ「つめてぇ!?」ペッ

破壊王「くたばれ!」ビュォォォ シュバッ

ティガ「いっ!?何だ今のはぁ?!」ブシッ!

破壊王「分かりやすく言うと風の刃だ」

破壊王「貴様の身体をバラバラに刻んでやるよ!」シュババババ

ティガ「刻まれるのは…テメェのほうだオラァァァ!!」ドドド

破壊王「恐れず突っ込んできただと!?ぐぅ!?」ドガァ!

ティガ「突っ込んでも意外と当たらねぇもんだなぁ?」

破壊王「手を抜いちゃ貴様らはやれねぇみたいだな…」コォォォ

ティガ「なんだ…?」

翠トトス「ティガさん気をつけてください!」

ティガ「分かってんよ!」ザッ



 『 孤島 』



ラギア「これはどうしたことだ…」

イビルジョー「ん?なにがかな?」

ラギア「大陸中の者を集めていたと言っていたが気配すらしない」

イビルジョー「もっと奥じゃないかな?それかこっちが早かったとか」

ラギア「だといいのだが…!?」

ラギア「なんだこれは…すべてが黒く染まっている…」

イビルジョー「もしかしてさっきガルルガってヒトが言ってたやつかも…」

ラギア「バカな…あの間にもうここまで迫ってきたというのか!?」

ラギア「いくらなんでも早すぎる…」

イビルジョー「ねぇ、奥に色んなヒトいるよ」

イビルジョー「ただすごく真っ黒で動いてないけど…」

ラギア「こいつは確か…リオレウス」

リオレウス「――――」

イビルジョー「知ってる子なんだ?」ツンツン

ラギア「直接関わりはなかったが時々この辺りで見かけていたからな」

ラギア「おそらくこちらへ来ている誰かが援軍として呼んだのだろう」

リオレイア「――――」

ラギア「こっちはリオレイアか、リオレウスの妹だな」

イビルジョー「兄妹かー確かに似てるね」


イビルジョー「こっちの魚竜の子も知ってる?」

ヴォルガノス「――――」

ラギア「いや…だが、あの子の親戚あたりではないだろうか」

イビルジョー「トト子ちゃんの?確かに言われてみたらそうかもねー」

ラギア「他はこの大陸の者達だが何故ここに…」


  ドドォォォォォォォォン!!


イビルジョー「うわっ、なに!?」

ラギア「水面だ!何か出てくるぞ!!」

???「ギャラァァァァァァァァァァァァァ!!」ザバァァァン!!

ラギア「なんだこの禍々しい生物は!?」

イビルジョー「でっかいしなんかやばそうだね…」

ナバルデウス「ラギア…戻って…おったか…」ザブン

ラギア「ナバル老!?何てお姿に…」

ナバルデウス「アレは…すべてを…漆黒に塗りつぶす気じゃ…」

ナバルデウス「ワシでは…歯が立たんかった…」

ナバルデウス「そのせいであの子達を…ごほっ!」

イビルジョー「だ、大丈夫!?」

ナバルデウス「ワシより…皆を…戻してやってくれ…」

ナバルデウス「きっと…戻せる方法があるはずじゃ…!!」

ラギア「皆…?もしや避難所も!?」

ナバルデウス「すまぬ…ヤツは漆黒の波動を出し…すべてを…」

ラギア「くっ…妻までも…」


???「ギゥゥゥ…」クルッ ウロウロ

ナバルデウス「!?今すぐ逃げろ!!げほっげほっ!」

ラギア「…まさかとは思うのだが」クルリ

ラギア「侵食の原因の球体とこの生物は関連があるのではないか?」

イビルジョー「ありそうだよね?ボクもそう思ってた」

ラギア「申し訳ありません、我々はコレから逃げるわけにはいかないようです」

ナバルデウス「…」

ラギア「この騒動を起こした張本人はもう判明しております」

ラギア「あちらは別の者がきっとなんとかしてくれるでしょう」

ラギア「だがこれ以上の被害を起こさないために…」ザッザッ

イビルジョー「ボク達ができることはしておかないとね?」

ナバルデウス「…待つんじゃ」

ナバルデウス「少しでいい…しばらく何もせずに待て」

イビルジョー「どうして?」

ナバルデウス「そろそろ戻ってくる頃なんじゃ」

ナバルデウス「あの娘が――」



 「おーーーーーい!!連れてきたよぉ!!」



ラギア「あれは…!!」

イビルジョー「なんだかいっぱいヒトが来てるね」

ナバルデウス「話を聞いていた時から不吉な予感はしていたのでな」

ナバルデウス「まだ正常に動ける者達をこの場に集結させていたのじゃ」


ヒプノック「おまたせおじいちゃ…ってどうしたのそれぇ!?」

ナバルデウス「少々無茶してしまったんじゃ…」

ヒプノック「で、できるか分からないけど手当てするよぉ!」ゴソゴソ

ラギア「なるほど…ナバル老の言わんとする事は把握しました」

ラギア「皆!聞いてくれ!!」

ラギア「我々のこの地を侵す原因はおそらくあの巨大生物だ!!」

ラギア「あれはひとりふたりでは歯が立たない!!」

ラギア「だから『皆』で挑みたい!頼む!力を貸してくれ!!」

アグナ「断る理由ない」カパカパ

ハプル「皆のためですもんね!」ザザザ

ドボルベルク「おでで良ければ力になるどー」ブルンブルン

ボルボロス「迷惑かけた分、できる限りはやってみせるわ」ザッザッ

ブラキ「…」

イビルジョー「じゃあさっそくいっちゃうかー?!」



 ウォォォォォォォォォォォ!!



 『 水没林 広場 』



ティガ「くそが…」ズザー

翠トトス「魔法というのがすごく強いですね…」

破壊王「くくく…どうした?動きが止まっているぞ?」ババッ

 ズドドドドドッ!!

ティガ「ちぃぃぃ!!」ドドド

破壊王「動きが単調なんだよお前は!」サッ スッ

ティガ「ぐげぇぇぇぇ!?」バリバリバリ

翠トトス「ティガさん!?すぅっ…フゥゥゥゥゥ!!」ブシューッ

破壊王「そんなもの当たるか!」サッ

翠トトス「これでも…ですか!!」ググッ

破壊王「なぎ払いだと!?ぐおっ!?」ズバッ!

破壊王「だが飛べばブレスは当てれまい!」バッサバッサ

女ハンター「私がいることを忘れないでほしいな…曲射!!」ギリリリ ビシュン!

破壊王「ぐぅ!?」ズシュシュシュ!!

翠トトス「それにここが水辺だという事も忘れてはいませんか!」ダッ ドバァン!

破壊王「わざわざ相手の有利な場所へ足を踏み込むと思うか?!」

翠トトス「いいえ?わたしさえ水中へ入れればどうとでも…なります!!」ズシャン ビュォォォォォ

破壊王「なっ!?飛んで…」クルッ バッサ

女ハンター「逃がすか!!」ビシュン!

破壊王「貴様…ぐはぁぁぁ!?」ズシュシュシュ!! バシィン!!


破壊王「ぐふ…なんだこれは…意識が…」ムクリ フラフラ…

翠トトス「貴方は許せませんが命までは奪いたくない」

翠トトス「しばらく眠っててもらいます」

破壊王「な…なめるなぁっ!!」バッ


 ドガァァァァァァン!!ズドドドドドド!!


翠トトス「くぅっ…!?」ドサッ

女ハンター「トト子!?どうして私をかばったんだ?!」

翠トトス「あんなの…人間が当たったら…危ないでしょ…?」

女ハンター「だからって無茶しないでよ!」

ティガ「おい人間よぉ…」ザッ

ティガ「ソイツは優しすぎる生き物なんだよ」

ティガ「守られたならその分働けや!!」ドドド

翠トトス「わたしの分まで頑張ってくれ…だって」

女ハンター「…分かったよ」

女ハンター(実は少しだけ言葉が分かった…)

女ハンター(優しすぎる生き物…か)

女ハンター(言葉が分かるって不思議だ)

女ハンター「やれる限りは頑張るよ!」スッ カシャン ジャコ

女ハンター「アイツの懐に入れれば…!!」ダッ


破壊王「貴様は電撃に弱いようだな?」バリリッ

ティガ「だからなんだってんだ!!おらぁ!!」ガシュッ

破壊王「ぐ…もう体力もなくなるころだろう」

破壊王「最大威力の稲妻を食らわせてやるよ!死ねっ!!」スッ

ティガ「当たらなけりゃいいんだろ?!」ザッ

破壊王「無駄だ、これは貴様ではかわせない範囲の魔法だ!!」カッ

女ハンター「また私の存在を忘れてない?」スッ

ティガ「へっ」ニヤ

破壊王「貴様!?まさか逃げなかったのは人間が近づくのを気づかせないためだったのか!?」

ティガ「人間だってテメェは許せねぇんだろうよ」

ティガ「ヒトのシマ荒らしてりゃそりゃなぁ?」ガシッ

破壊王「なっ!?離せ!?」ギチギチ

女ハンター「殺しはしない、でも抵抗できなくなるまで痛めつけるわ」ギリ ヒュン

破壊王「がぁ!?」ドスッ!

女ハンター「この弓は引き溜めるより連続で撃つ方がすごく強いんだって」ギリ ヒュンヒュンヒュン

破壊王「グァァァァァァ!?」ズドドドド!

女ハンター「本当は弱点の属性に強いものに効果あるんだけど」

女ハンター「モンスターより小型のあなたならこれで十分よね?」

破壊王「遠距離武器で何故ここまで接近する意味が分からん…ぐふっ」

女ハンター「そちらの世界にはないだろうけど」

女ハンター「接近戦のほうが強くなる薬品があるんだよ」

破壊王「…それは面白いな」


ティガ「で?もう降参か?」

破壊王「まさかここまで追い詰められるとは思わなかった」

破壊王「貴様らをなめていたようだ…」

ティガ「ならここを元に戻せや」

破壊王「それは知らん」

ティガ「あぁん?!肉片になりたいのかぁ!!」ググッ

破壊王「ぐぐ…俺だってあの漆黒玉の事なんざ全部知ってるわけじゃねぇ…」

翠トトス「今その玉を持っていないようですがあれはどこへ?」

破壊王「散々調べて見つけたアレの能力のひとつでアレそのものを魔物化できるんだよ」

破壊王「現在、お前らの仲間とやらが集まっている場所へ放ってきた」

翠トトス「まさか避難所に!?」

ティガ「マジでどうしようもねぇなテメェはよぉ!!」ググッ

破壊王「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!?」メキメキメキ!

翠トトス「前より酷くなってるのってそのせいですか…」

破壊王「酷くだと?どういうことだ…?」

翠トトス「え?知らないのですか?」

翠トトス「嵐みたいに移動しながら広範囲を全部真っ黒に染めてるって」

翠トトス「確かその中に入った生き物が動かなくなるとかも言ってました」

破壊王「俺はアレがそんな事しているのは知らん」

破壊王「相手を無力化しながら閃光で暴走させるとばかり思っていた」

ティガ「確認もせず放り出したってのかテメェは!!」


翠トトス「だとしたらやっぱりその生物を止めないと!!」

女ハンター「あの玉を破壊したらどうなるの?」

破壊王「分からん、元に戻せるかもしれんしまったく意味がないかもしれん」

女ハンター「ならやってみる価値はありそうね」

女ハンター「あなたはこの先にあるベースキャンプで待っててもらう」

女ハンター「もちろん拘束はさせてもらうけど」

破壊王「お好きなように、実を言うともう魔力も切れかけていたところよ」

破壊王「逃げ出したりはできないさ…それにもう…意識がもた…ん…」ガクリ

女ハンター「じゃあティガレックスにそのままベースキャンプに運んでって伝えて」

翠トトス「うん…ティガさんあの…」

ティガ「ベースキャンプってあの人間の作ったモンがある所だろ?」

女ハンター「え!?」

翠トトス「もしかしてティガさんも人間さんの言葉が?」

ティガ「なんとなーく分かってきてんだよな」

ティガ「まぁ話せるならそれでいいんじゃね?とっととコレ置いていこうぜ」

翠トトス「は、はい…でも本当に逃げないのかな…」

ティガ「だったら足一本引きちぎっておくかぁ?」

翠トトス「ダメですよ!そこまでしてはさすがに…」

ティガ「いい子ちゃんは敵でもかばいんですなぁ!ケッケッケ!」

女ハンター「…」

女ハンター(言っちゃ悪いけど、ティガレックスの性格は予想通りだった)



 『 孤島 』



???「ギャラァァァァァ!!」

ラギア「くるぞ!皆準備はいいか?!」

ラギア「まずは潜行できる者で足元に総攻撃!」

ラギア「怯んだら残りの者でサイドから一気に叩く!」

ラギア「その後は状態でまた指示するからそれで頼む!」

ラギア「危険だと思ったら即座に離脱してくれ!命は無駄にしないでくれ!」

イビルジョー「それじゃあいっちゃう?」

ラギア「あぁ、では潜行組よろしく頼んだぞ!」

アグナ「うん、まかせて」ゴリゴリゴリ…

ハプル「おまかせを!」ズザザザ…

イビルジョー「ボク達はその間どうするの?」

ラギア「ヤツにやられないようにサイドをとっておく」ズリズリ

イビルジョー「了解だよ!」ドスドスドス

???「ガァァァ」グリン

ボルボロス「あまり動くな!くらってろ!」ブルブルブル

???「ガ…オォ…?」ビチャビチャ! ドロォ


ハプル「潜行組、足元の攻撃を始めますぜ」フシュー

アグナ「一気に飛び出してしまおう」ズズ…



 「いっせーのっ!!」 ザバァァァァァァァァァァァン!!



???「グゥゥゥッ!?」グラリ…

ラギア「よし!地上組行くぞ!!」

ドボルベルク「まかせるんだぞー!」ズドドド

???「ギャハ!?」ドガッ!!バシン!!ズシャ!!

アグナ「潜行組もそのまま攻撃」ズシュゥゥゥン

ハプル「再び突き上げたりもするぞ!」ザバァァァン

???「クギャァァァァァオ!!」クパッ ブシュゥゥゥン!!

ラギア「光のブレス!?皆回避を!!」

ブラキ「なんとか…当たらなかった…」

???「ググゥ…!!」ズボォ ズゾゾゾ…

ハプル「地面に前足突き刺した!?何する気だ…?」


 ズボォォォォォォォ!!


ハプル「おわぁぁぁぁぁ!?」ドサッ

イビルジョー「地面抉りだしたよ!?」

ラギア「潜行組の一部が放り出された!?やばい!!」

???「ギャラァァァ!!」ダッ ズサァァァァァ!!


 「うわぁぁぁぁぁぁ!?」ドガドガドガァ!!


ラギア「あの巨体で素早く滑り込んでの突進をしてくるとは!?」

ラギア「無傷の者達は続けてヤツに攻撃!負傷者は下がれ!」


イビルジョー「足狙って転ばせたらどうかな?!」ガブッ

ドボルベルク「無茶はいけないだ、でもその狙い目は悪くないと思うどー」ブォン

???「グッ!!グァォォォォォォォ!!」ドスゥ!!

イビルジョー「さすがドボルの尻尾はでっかい相手の体内にも響くんだなぁ」ギリギリ

ボルボロス「感心してる場合じゃないわ!?」ズドドド

???「オ…オォォォォォォォォ!!」ドッ!ドッ!

ラギア「予想以上にタフだな…」

ラギア「もうちょっとで転倒させられそうだが今以上の衝撃を与えられれば…」

???「どけどけヤロウ共ぉ!!オレ達に任せろやぁ!!」ズドドドド

????「このまま皆の狙ってる所に突っ込みましょう!!」ズドドドド

イビルジョー「あっ!!」

ディア「Wディアブロスの突進じゃあ!!」

黒ディア「覚悟なさい!!」


 ズドォォォォォォォォォォォォォォン!!


???「ォ!?」ユラ……ドシィィィィィン!!

イビルジョー「やった!倒れたよ!!」

ラギア「皆!頭部と腹部などの柔らかめの位置を狙え!!」


 ズガッ!!バシュ!!


ガルルガ「こちらの判断で攻撃したのだが正解だったな」

ラギア「あぁ、一番いいタイミングで来てくれたな」


黒ディア「しかしアレは何なのでしょうか?」

ラギア「分からない…だがひとつだけ」

ラギア「アレが漆黒玉とやらに関係があるということだ」

ラギア「周りを見てみるんだ」

ディア「おぉ…見事に景色が真っ黒だな」

ディア「それに見慣れたヤツがちらほらいるようだが…」

ラギア「ナバル老によるとヤツがこんな風にしたんだそうだ」

ラギア「私の推測になるのだが…」

ラギア「これがあの暴走のなれの果てではないだろうか」

ラギア「いや、最終段階というべきか」

ディア「つまりどういうことだ?」

ラギア「騒動の犯人が言っていた…使いこなせばより良い効果を生むらしいとな」

ガルルガ「まさか…この化け物の正体は…」

ラギア「君が途中で見たという普通と違う侵食…そしてこの化け物」

ラギア「コイツこそがあの漆黒玉だということだ」

ガルルガ「コイツが!?」

ディア「マジかよ…あんなもんがこんな巨大な化け物になるなんてな…」

ラギア「それしか考えられないんだ」

人魚「いやぁ、多分正解だと思うよ」

人魚「この化け物、かなり気持ち悪い魔力持ってる」

ディア「名前付けるなら漆黒獣ってところか」


漆黒獣「ギャラァ!!」ブォォォン


 「ぎゃっ!?」「うわぁ!?」「ひぃぃぃぃ!?」ドサドサ


黒ディア「かなり暴れだしましたわ!」

ラギア「あれだけやってまだダイメージは軽いというのか…他に手を考えなければ…」

ディア「あんたが全部抱え込まなくていいだろ」ポンポン

ディア「皆で考えていこうぜ、な?」

黒ディア「そうですわね」

ラギア「すまない、悪い癖でな」

ガルルガ「それで弱点らしいところはないだろうか?」

ラギア「弱点か…」

ナバルデウス「目じゃ」ジャバ

ヒプノック「おじいちゃん動いちゃダメだよぉ!」

ナバルデウス「ヤツの目には光が一切ない」

ナバルデウス「この周囲を染めた時、ヤツの目だけは怪しげに光っておった」

ナバルデウス「おそらくあれが本体だ!…っげほ!げほ!」

ヒプノック「もう休んでいようよぉ…」

ガルルガ「目か…ちょっと待ってろ」バッサ ピューン

ラギア「おい!そっちは危険だぞ!?」

ガルルガ「少し確認したい事があるだけだ…ふぅ!!」ボゥッ

漆黒獣「ギャラァァァ!!」グルン バシュ!!

ガルルガ「やはりその部分だけはかばうか」スタッ

ガルルガ「あの部分を狙うならわずかな隙を突かなければいけないな」

ガルルガ「それこそ皆の協力が必要になってくるだろうな」


ラギア「そうだな…よし、次の攻め方だが――」

漆黒獣「オォォォ…」ギュォォォォ…

ナバルデウス「漆黒の波動じゃ!皆逃げるんじゃ!?」

ディア「へぇ!?まさか例の侵食か!?」

ドボルベルク「いきなり逃げろといわれてもなー」

ラギア「全員全力でこの場から離れろ!!」

ハプル「また地中にいればいいのでは?」

漆黒獣「――――――――!!」



             ブワッ!!



アグナ「!?」ドバァン!

ハプル「なぁ!?勝手に地上に放り出され――」ズゾゾゾ

ハプル「―――――」

アグナ「―――――」

ガルルガ「ヤツの近くにいる者達が黒く染まっていく!?」

ブラキ「吸い込まれてる…気がする…!?」ズゾゾゾ

黒ディア「こんなの逃げても間に合いませんわ――」ズゾゾゾ

ガルルガ「―――――」

黒ディア「―――――」

ディア「ちくしょぉぉぉぉぉ!?」



……………



漆黒獣「―――ギ……ギャラァァァァァァァァァ!!」

ラギア「……」

ボルボロス「……?」

ディア「お、終わった…のか?」

ドボルベルク「おわ、周りがすごい真っ黒になってるどー」

ラギア「どうして我々は無事なんだ…?」

イビルジョー「もしかして一度暴走したからじゃないかな?」

ディア「アレに対しての耐性でもできたのかねぇ」

イビルジョー「ボクは例外だろうけどね、へへっ」

ラギア「ジョーも無事ってことはあの光と性質は同じということか」

ブラキ「でも他の皆が…」

ラギア「くそ…だが諦めるわけにはいかない!」

ラギア「このメンバーだけででもヤツに挑もう!」

ボルボロス「でも具体的にはどうやって相手していくわけ?」

ドボルベルク「全員でまた転ばせばいんじゃないかー?」

ドボルベルク「じっくり確実に痛めつけてかねぇとなー」

ディア「アレ転ばすほどの衝撃出すのには圧倒的に数が足りないだろ…」

イビルジョー「どんな方法でもいいから目を狙わないとね」


ブラキ「じ、自分がまず行ってくるよ…!」ドスドス

漆黒獣「ガァァァァ!!」ズシンズシン

ブラキ「しぃっ!!」スタン

ブラキ「おぉぉぉっ!!」ドドド ザクッ

漆黒獣「グゥゥゥ…!?」ドガァン!!

ブラキ「次は粘菌を…」スタンスタン

ブラキ「く、くらえ!!」ブォン

漆黒獣「グ!?」バキッ!

ブラキ「あ…粘菌が出てない…」

漆黒獣「ギャラァ!!」ブルゥン

ブラキ「はぐぅ!?」バシィィィン!! ズサー

イビルジョー「ブラキ!?」

ボルボロス「全身ボロボロのままで無理なんてするからさ…ドボル!」ドスドス

ドボルベルク「さっきの相談通りでいくんだなー?」ズドドド

ボルボロス「最速の突進をくらいな!!」ドドドドド

漆黒獣「ゥガ!?」ドスッ!!

ドボルベルク「追い討ちでぶつけるどー!!」ザッ ズドドド

漆黒獣「オォ!?」ドスゥ!! グラ…ドスン!

ディア「おっしぃなぁ!オレも突っ込みゃ良かったか?!」

ラギア「二人とも離れろ!!」ズサーッ バチンバチン

ラギア「私が出せる最大の放電だ!!」バチバチバチィ!!

漆黒獣「ギョアァァァァァ!?」バリバリバリ!!

ラギア「くっ…」ドサッ

イビルジョー「無茶する子多すぎだよ!!」グイ ズリズリ

ラギア「すまない…」


漆黒獣「グゥ…」ユラユラ…

ディア「そのまま動くんじゃねぇぞデカブツがぁ!!」ズドドド

漆黒獣「・・・カァッ!!」ブワァッ!!

ディア「は!?うおぉ!?進めねぇ!!」ズズズ…

ボルボロス「ただの咆哮なのにすごい風圧…こんなの初めて…」

ドボルベルク「オラはこんなの通用しないべ!」グルーングルーン

ドボルベルク「おりゃぁぁぁぁ!!」ビューン

ディア「回転した力で飛んで進むのかよ!?ある意味すげぇな!!」

漆黒獣「ぎゃらぁぁぁ!!」ブンッ

ドボルベルク「ぐぅえ!?」ズドッ!!

ブラキ「カウンターされてる…」

ラギア「コイツは色々と想定外の能力を持っているな」

ディア「魔法っての使ってこないだけマシじゃね?」

ディア「ちょい下から攻めてくるわ」ズザザザ…

ラギア「頼んだ」


イビルジョー「やっぱり足を狙わないといけないかな?」

ボルボロス「尻尾を横から吹き飛ばせばいいんじゃない?」

ボルボロス「結構重そうだからいけそうなものだけど」

イビルジョー「よーし、それでいこう!!」ドスドス

ブラキ「ボクも…手伝うよ!」

ボルボロス「じゃあ全力であの尻尾を横から殴り飛ばして」

ブラキ「わ、分かった…」スタッ

漆黒獣「グガァァァァ!!」グルン ドスーンドスーン!

イビルジョー「わ!?こっち向くなぁ!!」ブンブン

漆黒獣「ゴォォォォォ!!」バチンバチン! ブォン

イビルジョー「今だよ!!ふっ飛ばしちゃえ!!いだぁぁぁ!?」バシィン!! ズサー

ブラキ「ジョー!?」

ボルボロス「犠牲を無駄にしたらいけない、いくよ!!」ザッザッ

ブラキ「うん…うわぁぁぁぁ!!」ドスドス

漆黒獣「!?」ドスゥゥゥゥゥ!!グラリ…

ディア「その隙を待ってたぜ!!おらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ズシャァン!!

漆黒獣「ギャァァァァァァァァ!?」ズシュッ!!

ラギア「くそっ!かすっただけか?!」

ディア「すまねぇ、完璧なタイミングだと思ったんだが…」


漆黒獣「ギャア!ギャア!!ギャァァァァァ!!」ブンブンブン

ボルボロス「めちゃくちゃに暴れだした…くぁっ!?」ザシュッ!

ブラキ「がぁ!?」ブシュゥ!

ディア「当たってたまるかよぉ?!」サッ ブゥン

漆黒獣「ギィ!?カァッ!!」ザクッ! ブワッ

ディア「またそれか!?うぉぉぉ・・・!?」ズザァァァァァ…ドスン!

ラギア「皆!?くそ…やはり我々だけでは無理なのか…」



 ヒュゥゥゥゥゥゥン…



漆黒獣「グェァ!?」ドゴォッ!!

ティガ「ちっ、脳天にカザアナ明けてやろうと思ったのに頑丈じゃねぇかよ…」ザッ

ラギア「ティガ!!」

ティガ「よぉ、おもしれぇことやってんな」

ティガ「オレ様にも遊ばせろよ」

イビルジョー「遅いよ…」

ティガ「うっせ、バカの相手してたんだよ」

翠トトス「大丈夫ですか?」ドスドス

ブラキ「無事だったんだね…」

ボルボロス「のん気に話してる暇あるの?」

翠トトス「あ、ごめんなさい…アレが漆黒玉っていうものの変化した姿なんだ…」

女ハンター「とんでもなく巨大ね…」

ボルボロス「何で人間なんか乗せてるの!?」

翠トトス「今は問題を一緒に解決しようとしてる仲間ですので何も言わないであげてください」

ドボルベルク「オマエさんも変わったヤツだなー」


ティガ「おらおらおらぁ!!」ガシュガシュガシュ

漆黒獣「グゥ!?」ブシブシッ!!

漆黒獣「ボハァッ!!」ヒュン

ティガ「うお!?無駄にでけぇ涎飛ばしてんじゃねェよデブカツが!!」サッ ガブッ

漆黒獣「ガァァァァ!!」ブンブン

ティガ「あたんねェよバーカ!」

ティガ「しっかしかってぇ鱗だなおい?!噛み切れねぇぞ!!」ギリギリ

ディア「無駄にハイテンションだなアイツ…」

ラギア「ティガ!目だ!目を狙え!!」

ティガ「はぁ?目ン玉だぁ?」

ラギア「我々では無理だったが体力の有り余っているお前ならできると信じている!!」

ティガ「…しゃあねぇなぁ!」ドスドス

ティガ「いくぞおらっ!!」ガバッ

ボルボロス「…アレ、放っておいていいの?」

翠トトス「はい?」

漆黒獣「ギャラァ!!」シュッ

ティガ「おせぇんだよ!!」サッ

ルドロス「がんばれおっちゃーん!」プラプラ

翠トトス「いいんですよ」ニコ

ブラキ「全然離れないね…子供ってすごい」

イビルジョー「しかも楽しそうだねー」


ディア「オレも乱入してくるわ!」ズドドド

ディア「ティガ、楽しそうだな!オレもまぜろよ!」

ティガ「あぁ?好きにしろや!」

女ハンター「私もいかなきゃ」ジャコ カシャン

イビルジョー「一緒に行く?」

女ハンター「!?」

女ハンター(イビルジョー!?しかも何故か普通に言葉が分かるし…)

イビルジョー「大丈夫だよ、食べたりしないからー」

イビルジョー「あの目狙うのなら小さい人間さんの方がやりやすそうだからね」

女ハンター「…お願い、連れて行って」

イビルジョー「おっけーだよ!さぁ尻尾から乗った乗った!!」

女ハンター「…」コクリ ヨジヨジ

女ハンター(これが生態系を脅かすとまで言われた恐暴竜…)

女ハンター(見かけによらないのかもしれない…)

イビルジョー「んじゃいっくよー!!」ドスドス


ディア「コイツの尻尾狙おうぜ!」

ティガ「尻尾に何か意味あんのか?」

ディア「どうも見てる感じ尻尾は怯みやすいみたいだからな」

ティガ「ふぅん…こうか?」ガブッ

漆黒獣「!?」ビクン

ティガ「お?いい反応」

ディア「よっしゃ!そのまま引っ張っててくれね?」ザッザッ

ティガ「こうか?」グイーッ

ディア「おりゃぁぁぁぁ!!」ズドドド

ディア「尻尾もらったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ブォン

漆黒獣「ギェェェェェェェェェェ!?」ブチブチィ!! ドスゥゥゥン!!

イビルジョー「倒れた!今がチャンスだよ!!」

女ハンター「あの目を狙えばいいのね?まかせて」ギリリリ ビシュン!

漆黒獣「グフッ!!」ゴロンゴロン

イビルジョー「あぁ…もうちょっとだったのに?!」

女ハンター(このモンスターは動体視力が高い)

女ハンター(私の放った矢を見てから自ら転がった)

漆黒獣「ハァァァァ…」コォォォ…

ティガ「なんだぁ?」

ディア「口元が光ってるぜ…あれブレスじゃね?!」

イビルジョー「させないよ!!」ブゥッ

漆黒獣「…」バシュッ! コォォォ…

イビルジョー「効いてないよ!?」

女ハンター「効果あるか分からないけど、音爆弾でもくらえ!!」ヒュン



 キュイィィィン!!



漆黒獣「ギ!?」ビクッ フッ

ディア「お?あの音のなるヤツコイツに効くのかよ!」

ティガ「テメェにも効くそうだが?」

ディア「あぁ!?見えないところででっかい音立てたら誰でもビックリうするだろうが!!」

イビルジョー「仲良くケンカしてる場合じゃないでしょ?!」

ティガ「仲良くだぁ?!」

ディア「それよりあのジョーに怒られたのが納得いかないというか…」


女ハンター「はっ!」ギリリリ シュパッ

漆黒獣「グゥ?」ブシッ!

漆黒獣「ギャラァッ!!」ブォン

女ハンター「!?」

イビルジョー「はいはい逃げるよー」ドスドスドス

女ハンター「ごめん」

イビルジョー「別に気にしてないよ、今ボクは君の足代わりなんだし」

女ハンター「そう言ってくれると助かるよ」

ディア「もっかい下から攻めてくるぜ!アレを動き回らせておいてくれよ!」ズザザ…

ティガ「ちっ、あんなヤツにいいトコもっていかせるかよ!!」タンッ

ティガ「こっちだデブカツがぁぁぁ!!」ゴァッ!!

漆黒獣「グゥ?ギャラァァァァァ!!」ズザァァァ

ティガ「突っ込んでくるのかよ!?オラァ!!」ガバッ

ティガ「横っ面が隙だらけだぞテメェ!!」ブンッ バキャ!メキッ!

ルドロス「おっちゃんつよーい」ペチペチ

ティガ「当たり前だ!!」

女ハンター「今の内に目を貫けば!!」ギリリリ シュパッ

漆黒獣「グゥゥゥ!?」ズバン!

イビルジョー「なにあれ貫通した!?」

女ハンター「そういう武器に変えたんだよ」

イビルジョー「へー人間ってそういうもの作れるのはすごいと思ってたんだ」

女ハンター(作ったのは私じゃないんだけどな)


女ハンター「でもなかなかピンポイントで当てられないな…」ギリリリ

イビルジョー「かなり暴れまわってるからねー」

ティガ「次どこを殴ってほしいんだ?あぁ?!」

漆黒獣「ラァッ!!」ビュオン

ティガ「うぉぉ!?地面に突き刺さりやがった!?」タンッ ドテッ

ルドロス「あいた」コロリ

ティガ「げ…」

漆黒獣「ギャラァァァァァァ!!」シュゴォ

ルドロス「ひっ」

ティガ「ガキィィィィィ!!」グルン

ルドロス「あぅっ!」ベシッ! ズサー

ティガ「あがっ!?」ズブッ!!

ディア「ティガ!?」ザバァン

イビルジョー「!?」

ティガ「おいおい…背中が何だか熱いんだけど…どうなってるよ…?」

漆黒獣「ガッ!!」ブンッ

ティガ「ぐふぅ!?」ドサッ

ティガ「がぁ・・・はぁ…」



―――――――



 「よぉ、相変わらず無茶してるみたいだなぁ」


ティガ「…テメェが見えてるってこたぁお迎えか?」


 「バーカ、それならとっくに連れてってるわ」


 「大体まだ来るの早ぇよ」


ティガ「さっさと元の場所に帰れってか?」


 「そうだなぁ、まだやるべき事残ってんだろ?」


ティガ「そうだけどもう体が動かねぇんだわ」


 「それでも地獄から来たティガレックスさんか」


ティガ「テメェもだろうが」


 「あひゃひゃ!そうだったなぁ!!すっかり忘れてたわぁ!!」


 「早く戻ってやれよ」


 「ほれ、お仲間さんたちがゾロゾロと集まってんぜ」


 「んじゃしっかり最後まで頑張れや、兄弟!!」


ティガ「しゃあねぇな…そこでずっと見てやがれよ?」

ティガ「オレ様の生き様をよぉ!!」


―――――――


ティガ「くそ…が…」

ドボルベルク「大丈夫かー?」

ボルボロス「腹から背中にかけて貫かれてる…これはひどいわ」

ティガ「まだ終わっちゃ…いねぇ…」ググ…ボタボタボタ

ラギア「ダメだ、その状態で動いたら死ぬことになるぞ」

ティガ「へっ…確かに死ぬかもな…」

ティガ「でもオレ様には…コイツを止めろって約束交わされてんのよ…」

ティガ「いつもクズだったオレ様が…よぉ…『いいこと』しようとしてるんだぜぇ…」

ブラギ「でもその身体じゃ最後まで…もたないよ…」

ティガ「そしたらディアとかイビルジョーとかがやってくれんだろうよ…」ドス…ドス…

翠トトス「ティガさん…」

ルドロス「おっちゃんいたそう…」

ティガ「おう…今はちゃんと保護されとけ…」

ティガ「後でちゃーんと迎えに来てやっからよぉ…」

女ハンター「どうしても戦うの?」

ティガ「当たり前だ…オレ様ができる事は全部やってやるつもりよぉ…」

女ハンター「じゃあ…これあげる!」ヒュン

ティガ「っ…テメェ何投げやがっ…た?」パリン ダラァ

女ハンター「人間に一番効く薬だよ、少しはマシになった?」

ティガ「お?…あぁ」ブルブル

翠トトス「あれってわたしにかけてくれたのと同じ物?」

女ハンター「あれよりもっと強力なやつ」

女ハンター「どうしても放っておけなくてさ」

女ハンター「不思議だね、いつも敵として向き合っていたのに」

翠トトス「異種間でも通じるものがあるんじゃないかな」


ディア「おい!もう大丈夫なのかよ?!」

ティガ「今すぐ死んだりはしなくなったぜ、へへ」

ディア「変なヤツだな」

ディア「じゃあ一回ドテッパラに一撃かましてから潜るわ」ズドドド

ティガ「ならその後、オレ様の咆哮が聞こえたら突き上げろ」

ディア「おうよ!」

ディア「そりゃぁ!!」ブォン

漆黒獣「グェェェ!?」ザシュ!!

漆黒獣「ギャラァ!!」ビュオン

ディア「はっはぁ!残念だったなぁ!!」ザプン ドスッ!

ティガ「どっちに目ぇ付けとんじゃおらぁ!!」ガバッ

漆黒獣「ガッ!?」ドガッ!

ティガ「人間!コイツの前足にソレぶち込めやぁ!!」

女ハンター「攻撃しろってこと?分かったわ!!」ギリリリ ビシュン!

漆黒獣「グゥ!?」バババババッ!!

女ハンター「あなたもここから攻撃できない?」

イビルジョー「できるよ、ぷっ!!」ヒュン

漆黒獣「グガァァァァ!?」バシュン!!

イビルジョー「岩だって投げれるんだから!!」ズボォ ビュンビュン!

漆黒獣「ガッ!?グッ!?」バキャン!!

女ハンター「容赦ないね」

イビルジョー「相手が悪ーいヤツだからね!!」

女ハンター「私も負けてられない!!」ギリリリ シュパッ


ティガ「他のヤツも前足攻撃しやがれ!!」タンッ

ラギア「大したことはできんが!」バシュッ

翠トトス「わたしも頑張ります!ふぅーっ!!」ブシュー

漆黒獣「ギャァァァァァ!?」バリバリバリ

イビルジョー「鱗が剥げたよ!!」

ティガ「そのまま止まってやがれよデブカツが!!」ドドド

ティガ「そりゃあ!!」ダッ グルン

漆黒獣「オォォォ…!?」バシィン!!ユラ…

ティガ「ディアぁぁぁ!やったれやぁ!!」ゴァッ!!

ディア「まかせろぉぉぉぉぉぉぉ!!」ズシャァァァァン!

漆黒獣「アギャァァァァァァァァァァァァァ!?」バリィン!!

ラギア「今度は目に直撃したようだな、やっと終わったか」

翠トトス「見てください!周りが元に戻ってきてます!」

ドボルベルク「黒くなったヤツらも意識を取り戻してるどー」

漆黒獣「ギャラァァァァ!ラァァァァ!!」ブンブンブン ドスンドスン!

ティガ「ぐへぇ!?」ドガッ!

ディア「あだっ!?」バシッ!

イビルジョー「あの玉壊したんじゃなかったの!?」

ラギア「まさか…破壊してもコイツは消滅しないのでは…」

ボルボロス「こんなの倒すなんてどれだけ時間かかるか…」


リオレウス「それでもいつかは倒れるだろ!!」バッサ シャー

漆黒獣「グ…」ドスッ!

リオレイア「皆で頑張ればいいんだよ!!」ボッボッボッ

漆黒獣「ガ…」ボォンボォンボォン!

ヴォルガノス「皆呼んでこようぜ!それで一気に叩き潰すんだ!!」

クルペッコ「呼ぶのはおいらに任せるんだお♪」バッサ スタッ ポワポワポワ♪

ウラガンキン「おらどけどけ轢き殺すぞぉ!!」ゴロゴロゴロ

ブラキ「まだ呼んでもないのに集まってる…」

クルペッコ「今呼んだお♪すぐ呼んだお♪」ピョンピョン



 ウォォォォォォォォォォォォォ!!



ラギア「避難所の者達に他の地域の者達もやってきたな」

ラギア「皆聞いてくれ!ソイツがすべての元凶であり我々が倒さなければいけない敵だ!!」

ラギア「我々の世界から生きて帰すな!!」



 ワァァァァァァァァァァァァァ!! 


翠トトス「そういえばここに来てから人魚さんをほとんど見なかったんですが…」

ディア「魚さんか?オレもちょろっとしか見てないな」

ガルルガ「彼女は侵食する瞬間水中へ飛び込んでいたぞ」

ガルルガ「ここはワタシ達が何とかするから捜してきてくれないか?」

翠トトス「はい、行ってきます!」ダッ ドボォォォン!

ティガ「アイツどこ行ったんだ?」ドスドス

ルドロス「だー?」プラプラ

ガルルガ「相変わらずティガの傍を離れないな」

ティガ「ふん…」

ガルルガ「友達探しさ、早い所アレを止めるぞ!」バッサバッサ

ディア「やっとこのメンバーそろったな」

ガルルガ「嫌われ者同士なんとなく集まってしまうのだろうな」ニッ

ティガ「テメェら嫌われてたのかよ」

ディア「ガルルガはともかくオレはそうでもないんだけど!?」

ガルルガ「今は違うが昔は一匹狼だったろう?」

ディア「あー…うん…否定できないわ…」

ティガ「いいからテメェら!とっととアレ沈めんぞ!!」ドドド

ルドロス「きゃっきゃ」

ディア「おうよ!!」ズドドド

ガルルガ「そういうお前達だからワタシは今こうして友人としていられるんだ」バッサ ピューン



 『 水中 』



翠トトス「人魚さーん!!」スィー

翠トトス「どこ行ったんだろう?暴走はしてないはずなんだけどな…」

翠トトス「もしかしてあのヒト探してるとか?」

翠トトス「ちょっと行ってみよう」スィー


 ズゴォォォォォォ!!


翠トトス「渦?何でこんな所に…」

翠トトス「あっあっ…吸い込まれる!?」

翠トトス「普段これぐらいなら簡単に脱出できるはずなのに何で!?」ズゴゴゴ…

翠トトス「うわぁぁぁぁ…」シュルシュルシュル…


―――――――


翠トトス「ん…わたしどうなったんだろう…」

翠トトス「ここは…湿地?」

翠トトス「何でこんな所にいるんだろう?」

??「何が飛ばされてきたかと思えば随分と懐かしい容姿の者がいるではないか」

翠トトス「人間?…いえ、もしかして魔族の方ですか?」

魔王「うむ、我は魔族の王をしているものだ」


魔王「お主は渦に吸い込まれここ、異世界へ来たのだ」

翠トトス「えっ!?じゃあもしかして人魚さんをご存知ですか?」

魔王「我の知人だ…それに我はお主を…いや、お主に似た者と会ったことがある」

翠トトス「それ…きっとわたしのお兄ちゃんです!」

魔王「彼の妹君だったのか」

翠トトス「ここでお兄ちゃんに何があったかは聞きました」

魔王「兄の事は残念だったな」

魔王「彼女を捜しているのであるならちょうどいい」

魔王「兄の亡骸を弔った場所へ案内しようではないか」

魔王「そこへ彼女はいる」

翠トトス「そうなんですか…じゃあお願いします」


……………


人魚「…」コォォォ

魔王「まだ終わっていなかったのか」ザッ

人魚「最近平和で鍛えてなかったから魔力の溜まりが悪い悪い!」

魔王「遊戯は結構だが何があっても対処できるようにはしておくんだな」

人魚「はーい」

魔王「あと客人だ」


翠トトス「人魚さん元の世界に帰っていたんですね」

人魚「へぇ!?何でトト子ちゃんがこっち来てるのぉ!?」

魔王「大方転移の渦を閉じずにそのまま放置しておいたのであろう」

人魚「う…ごめんよぉ」

翠トトス「でもどうしていきなりいなくなったの?」

人魚「いきなりでごめんね」

人魚「あのままあたしが暴走しちゃってもまずいと思ってこっちに避難してたんだよ」

人魚「それにちゃんとアレと戦う準備もしてたんだ」

翠トトス「そうなんだ」

魔王「漆黒玉の件については我の責任だ」

魔王「そちらの世界に我らの者が迷惑かけているそうだな」

翠トトス「あのヒトならもう止めましたので大丈夫ですが…」

翠トトス「それに玉自体は破壊できたのをこの目で見ました」

人魚「うわ、壊せたんだ!!」

翠トトス「でもそれでも未だに暴れ続けているの…」

魔王「あの玉には念がこもっておるのだ」

翠トトス「念?」

魔王「アレは生けとし生ける者の闇を吸収して進化していく」

魔王「どの程度闇を吸収したか分からぬが下手をすれば世界を死滅させるほどの力を持っておる」

魔王「だが玉を破壊したとなるとそれ以上の成長は望めまい」


人魚「要は今なら何とか倒せるってことだよね?」

魔王「うむ、だがそれでもかなりの力をつけておるであろうから油断してはならん」

人魚「ほいほーい!」キュゥン

人魚「よしっ!前回まで溜まった!!」フォンフォン

翠トトス「?」

魔王「すまぬが頼んだぞ…お主にしかできぬ仕事だ」

人魚「おっけー!行ってくるよ!」

人魚「トト子ちゃんもどろっ?」

翠トトス「う、うん」

翠トトス「でもこっち来た時渦消えちゃったんだけど…」

人魚「あぁ、あれならいつでも出せるよ、ほら!」チャポ


 ズゴォォォォォォォォ!!


翠トトス「そんな小さな貝で出せるんだ…」

人魚「この中に特殊な宝石埋め込んでるんだよ、貝は飾りだったりー」

人魚「それじゃあいくよ!」ダッ バシャン

翠トトス「うん!」バシャン



 『 孤島 水中 』


翠トトス「戻ってきたのかな」

人魚「それじゃあたしはそのままアレ倒してくるよ」

人魚「トト子ちゃんはアイツここまで連れてきてよ」

翠トトス「アイツって魔族のヒト?いいけど」

人魚「ちゃんと向こうに連れ帰って罰受けてもらわなきゃいけないしね!よろしく!!」シュォォォ

翠トトス「気をつけてね」

人魚「…」ニッ 

翠トトス「さてっと…人間の村まで行かなきゃ」クルリ スィー

翠トトス「地上がちゃんとした色に戻ってる」

翠トトス「わたし達が住んでる大陸と同じ感じなんだなぁ」キョロキョロ

翠トトス「今の騒動が終わったらもっとゆっくり見て回りたいな」

翠トトス「お兄ちゃんもこの風景をこうやって見てたのかな…」

翠トトス「いけない!早く行かなきゃ!」スィー



 『 モガの村 』



翠トトス「ふぅ、あのヒトちゃんと待っててくれてるかな?」バシャン ドスドス

翠トトス「あ、あれ…いない?」

翠トトス「確かここに縛って動けなくしていたはずなのに…」

翠トトス「あっ…」バリッ ジジジ…

翠トトス「こ、これは…人間が…使っていた…罠…」ビクッビクッ

破壊王「よぉ、戻ってくると思ってたからその辺にあった罠を使ったのよ」

破壊王「貴様らにことごとく計画を潰されてしまった」

破壊王「また戻って別の手段を探さなければならないわけだが…」

破壊王「せめてもの腹いせに一匹ぐらい葬っておきたかったところ」

破壊王「うまい事引っかかってくれたもんだ」

翠トトス「また…何か悪い事を…」

破壊王「おう、考えてるぜ」

破壊王「だけどもう貴様が知る必要もない」ゴォォォ

破壊王「ここでくたばっちまうんだからなぁ!!」スッ

翠トトス「!?」



 「あれだけやられても懲りないヤツだな」スタッ シュッ



破壊王「誰だ…ぐほぁ!?」ドガッ!

ナルガ「何者か?ただの孤独な男よ」タッ パキン!

翠トトス「罠が…ありがとうございます、ナルガさん」

ナルガ「礼には及ばん」スッ

ナルガ「人間共をここから追い出した辺りからオレが監視していた事に気づいてなかったようだな」

破壊王「なんだと…」ググ

ナルガ「しばらく泳がせておいたが愚かなヤツよ」

ナルガ「自分の目的を果たす事だけに気をとられ、すべて筒抜けだったと知らずにな」

破壊王「だったら何故周りのヤツにそれを伝えなかった!?」

ナルガ「伝えた所でそうやすやす信じてはくれまい」

ナルガ「オレにできる事はごく僅かだった」

ナルガ「例えば脳筋竜のフォローとか暴走者の相手とかな」

翠トトス「もしかして脳筋竜ってティガさんの事…?」

ナルガ「…そして単独で罠にかかった者の保護だ」

破壊王「単なる裏方じゃねぇかよ」

ナルガ「オレはこれでいいんだ」

破壊王「だがその裏方さんもここで消されるんだがな!!」カッ

ナルガ「その不思議な力も研究済みだ」ドォォォン!!タンッ

破壊王「!?ひとっ飛びで背後に回りこんだだと!!」


ナルガ「迅竜と呼ばれるオレには容易いことだ」シュッ

破壊王「ちっ!」バッサ

ナルガ「遅いな」バッ ブワッ

破壊王「ごはぁ!?」バシン!! ドサッ

ナルガ「脆いな、人間と大差ない」

破壊王「なめるなぁぁぁぁぁ!!」ババッ

ナルガ「おい」クルッ

翠トトス「え?わたし?」

ナルガ「コイツには猶予を与えないのか?」

翠トトス「さすがにそのヒトには…無理かな」ニコリ

ナルガ「…分かった」スッ

破壊王「燃え尽きて死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ゴォォォォォ

ナルガ「なんだそのちっぽけな炎は?」グルン

破壊王「尻尾の風圧で炎が……ぐぁぁぁぁぁ!?」ザクッ!!

破壊王「コイツの動きに…ついていけねぇ…」

ナルガ「オレは生まれつき戦う生き物だ」

ナルガ「貴様ごときが使う謎の力程度ではやられん」

ナルガ「これ以上まだ続ける気か?」

破壊王「次で終わらせる…!!」メキメキメキ

翠トトス「ナルガさん?!」

ナルガ「心配無用だ」スッ


破壊王「くおらぁぁぁ!!」ブォォォォ

ナルガ「しっ!」シュッ

破壊王「!?」バキッ!

ナルガ「はっ!!」シュッ

破壊王「が…ふ…」ドゴォ!! ドサッ

ナルガ「…」クルッ

翠トトス「あの…もしかしてこのヒト…」

ナルガ「あぁ、最後の一撃は魔力とやらが尽きていたのだろう」

ナルガ「最初から勝機はないと悟っていたのよ、馬鹿なヤツだ」

翠トトス「元からほとんどないって言っていたからかなり無理していたんですね…」

ナルガ「そんなやつにも情けをかけるのか?」

翠トトス「いえ…そういうわけではないですけど」

ナルガ「まぁ、力尽きるまで挑んできたのは評価してやってもいい」

翠トトス「そうですね」ニコ

翠トトス「それじゃあわたしはこのヒト連れて行きます」ヒョイ

破壊王「…」ブラン

ナルガ「元の世界へ返すのか」

翠トトス「はい、戻って罰を受けてもらうそうです」

ナルガ「当然の報いだ」

翠トトス「それでは行きます、何度も本当にありがとうございました」ドスドス

ナルガ「…あぁ」

翠トトス「またお会いしましょうね」ドボォン

ナルガ「…礼を言いたいのはこっちだ」

ナルガ「こんなオレを頼ってくれるなんてな――」ダダッ タンッ



『 孤島 』



漆黒獣「ギャラァァァァァ!!」ズシュゥゥゥ

ラギア「退け!あの光線は危険だ?!」

ディア「だからってけん制ばっかしてられるかっての!!」ズドドド

黒ディア「ディアさまに同意ですわ!この間にも隙はありますわ!!」ズドドド

ボルボロス「危険なのは皆分かってる事よ!!」ドドドドド


 「それぇい!!」ドゴォォォォォン!!


漆黒獣「ガ…オォォォォォ!!」フラ ブルゥン

ディア「回転きたぞ!潜れ!!」ズザザザ…

ボルボロス「面倒だわ…」ズザザザ…

リオレイア「お次はお空から爆撃いっちゃうよーっ!!」バッサ

リオレウス「ちゃんと狙って撃てよ?」バッサ

ガルルガ「無論だ、頭を集中砲火するぞ」バッサ


 「いけぇっ!!」ドドドォォォォォォォン!!


漆黒獣「グバァ…」 コォォ…ビシュゥン

リオレウス「やべぇ!?回避だ回避!!」ピューン

リオレイア「あわわ…」バタバタ

ガルルガ「慌てるな、ほら行くぞ」グイ ピューン


ベリオロス「…出番か」ザッ

ブラキ「足元…狙おう」ドスン

ギギネブラ「仕方ないわね」ゴソゴソ

ブラキ「今だよ!!」ドスドス

漆黒獣「グゥオォォォ!!」ブンブンブン

ベリオロス「ふっ!!」サッ

ギギネブラ「遅すぎるわよおばかさん!!」ヒラッ スタッ


 「くらえっ!!」ドスゥ!!ビュォォォォ!!ガシュゥ!!


漆黒獣「ガァ…」ユラ…

イビルジョー「もうちょっとだよ!」

ウラガンキン「全力でぶち込めヤロウ共ぉぉぉ!!」ゴロゴロ

アグナ「ウラさん一人でいけそうだけど?」ズルズル

ウラガンキン「うるせぇ小娘!ゴチャゴチャいわねぇと手ぇ貸さんかい!!」

ドボルベルク「そうだぞー皆で頑張るんだからなぁ」ドスドス

ヴォルガノス「おたくら仲良いなぁ」ピチピチピチ



 ゴバァ!!ドォンドォン!!ザシュザシュ!!


ラギア「これだけやってまだ倒れないとは…すさまじい体力だな」

クルペッコ「強化もしてるのになんでだろ?なんでだろ?」ポワポワポワ♪

?????「どけ」ドスン

クルペッコ「くぇー!?」ドテー

ラギア「お前…今までどこに…」

?????「向こう」すっ

ラギア「隣の大陸か…状況は分かっているのか?」

?????「聞いてきた」

ヒプノック「向こうで状況知ってるのクック先生ぐらいだけどぉ?」

?????「そうだ」

ラギア「まぁいい、手を貸してくれ!この大陸…いや、世界の危機だ!!」

ラギア「ジンオウガ!!」

ジンオウガ「そのつもりだ」スタタタタ バチバチバチ

漆黒獣「グゥ?」グリン

ジンオウガ「…」シュバッシュバッ

漆黒獣「ガ!?グ!?」ドスッ!!バチバチン!

ジンオウガ「…」タッ グルン

漆黒獣「ギィィ!?」バチィ!!バリバリ!!

ジンオウガ「…」スタッ ブゥッ

漆黒獣「ガァァァ!?」バリバリバリバリィ!!

ディア「すげぇ…なんだあのコンボ…」

ラギア「この大陸内でまともにやり合ってヤツに勝てる者はいないと言われている」


漆黒獣「ギャア!ギャアァァァ!!」ブォンブォン

ジンオウガ「!?」ザシュ!

ジンオウガ「…」バッ ブンッ

漆黒獣「ギャラァ!!」グルン

ティガ「おらよぉ!!」ドドド ガシュ

漆黒獣「グ…!?」ピタ

ジンオウガ「…」ジー

ティガ「何ひとりで遊んでんだよ?オレも混ぜろや」

ルドロス「ろやー」

ジンオウガ「怖い」

ティガ「はぁ?」

ジンオウガ「…」ブルブル

ティガ「もしかしてオレの事かぁ!?」

ルドロス「おっちゃんこわくないよー、やさしいよー」

ティガ「顔に似合わず怖がりかよ…ディアのヤロウだったらどうなるってんだ…」

ティガ「だが今それどころじゃねぇ!分かってんのか、あぁ?!」

ジンオウガ「…」

ティガ「…いくぞ、おら」ドス

ティガ「アレ止めんぞ」

ジンオウガ「分かった」スッ


ティガ「背中登りしてやんよぉ!!」ドドド

ルドロス「きゃほー!」

ジンオウガ「…」バチバチバチ グルン

漆黒獣「グ…シャァァァ!!」バシン!ヒュン

ティガ「おわ…オレ様の許可なく動いてんじゃねェよ?!」グラグラ

ティガ「背中食いちぎってやろうかぁ!!」ガブッ

漆黒獣「ギャァァァァ!?」ブチッ!ブンブンブン

ティガ「でっ!?」ドサッ

ルドロス「あいた」

ジンオウガ「…」スタタタ パリッ

漆黒獣「ギャラァ!!」ググ…ブォォォン!

ジンオウガ「!?」サッ

ティガ「あぶねっ!?」スタッ


 バチィィィン!! ゴロゴロゴロ


ティガ「あ…?」

ルドロス「ぁ…ぅ…」ピクピク

ティガ「やべ…やっちまった!?」クルッ ドドド

漆黒獣「オォォォォォォォォ!!」ズシャァァァ

ルドロス「!!」ドスゥ!!

ティガ「ガキぃぃぃぃぃぃ!?」

ルドロス「―――」ピクピク


ジンオウガ「あの子の元へ」バチッバチッ ブゥッ

ティガ「くそが!何で後ろ注意してなかったんだよオレ様はよぉ!!」ドドド

漆黒獣「グゥゥゥ…」ドスンドスン

ティガ「そっちに行くんじゃねぇ!?」ガバッ ガシュガシュ

漆黒獣「パァァァ…」コォォォ

ティガ「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」



 ――――救いたいですか?



ティガ「あ?」



 ――――己を犠牲にしてでも救いたいですか?



ティガ「当たり前だ!!」



 ――――ならば限られたほんのわずかな時間、貴方に手を貸しましょう



ティガ「なんだ…体がすげぇ軽くなった…」ブワァァァァ

ラギア「―――!!」

ディア「―――!?」

ティガ「すっげぇ周りが遅く見えるぜ…どうなってんだこりゃ…」

ティガ「いやいや!今は余裕ぶっこいてる場合じゃねぇ!!」クルッ


ティガ「止まれやオラァァァ?!」ゴァッ!

漆黒獣「――――――!?」ドォォォォン!!

ティガ「あぁ!?口から火ぃ出せたぞおい!?」

ティガ「これだけまわりが遅けりゃガキをまず連れて行くか」ダッ バッサ ピューン

ティガ「…飛べることには突っ込まない方がいいのか」バッサバッサ

ルドロス「――――」

ティガ「オレ様の不注意で痛い目合わせてごめんな」スッ ピューン

ティガ「ここで少し待ってろよ」スッ

ルドロス「――――」

ティガ「さて…何か知らねぇけど別の生き物になったオレ様の相手になってもらうぞ」スゥー

ティガ「ふぅっ!!」ビュォォォォォォ

漆黒獣「―――!?」ピキピキピキ

ティガ「雪の塊になりやがったな…次だ!!」カッ

漆黒獣「―――――!!」ピシャァン!!バリバリバリ!!

ティガ「おらぁぁぁぁぁ!!」シュッシュッ

漆黒獣「――――!?」ドガッバキィ!!グラグラ…

ティガ「次で終わらせてやらぁ…あ?」ガクン ベチョ

ティガ「元に戻りやがった…早すぎんだろ」


ティガ「とどめどうすんだよ…」

イビルジョー「大丈夫かな?」ドスドス

ティガ「おう、ちょいびっくらこいたけどな」

女ハンター「まさいかいきなりあんなのになるとは思っていなかったけど」

ティガ「あまりに短すぎたのが気にいらねぇ…」

ティガ「で、とどめどうすんだよ?」

人魚「あたしにまかせて!」バシャァァァァン

ディア「魚さんが空に浮いてやがる?!」

黒ディア「すごいですわね」

ガルルガ「あれも魔法というヤツの影響か」

漆黒獣「ハァハァ…ギャラァァァァ!!」ブンブン

人魚「散々暴れまわったでしょ?もう終わりだよ」ズゴォォォ

人魚「ばいばいっ!!」バッ



 ズシャァァァァァン!!



漆黒獣「ガ…アァァァァァァァァ……」サラァ…

リオレイア「お…」

リオレウス「終わったぜぇぇぇ!!」


 ワァァァァァァァァァァァァァァァ!!


ナバルデウス「皆よくやってくれた」

ナバルデウス「これでこの大陸にもいつもの日常というものが訪れるだろう」

ナバルデウス「それにわざわざ隣からやってきてくれた者達にも感謝する」

ナバルデウス「ありがとう」

ディア「いいってことよ!」

黒ディア「時々遊びに越させてもらっていましたしね」

ヒプノック「怪我してるヒトはこっち来てぇ!」

ヴォルガノス「相変わらず献身的で結構だな」

ガルルガ「ワタシもできる事は手伝おう」

ヒプノック「お?ガルねぇさんありがたやー」

ラギア「何から何まで本当に感謝する」

ラギア「何か礼がしたいところだが…」

人魚「だったら向こうで困った事があったら同じように手伝ってあげたらいいんじゃないかな?」

人魚「助け合いって大切だよ、あたしの世界でも今そんな感じだしね!」

ラギア「そうか…確かにそれがいいかもしれんな」

女ハンター「でも悪いけど人間はそうもいかないわ」

イビルジョー「それは仕方ないと思うな」

女ハンター「それでも村の皆には今回の出来事をすべて報告するつもり」

翠トトス「それでいいと思います」バシャン

人魚「あ、ちゃんと連れてきてくれたんだね」

人魚「それじゃ向こうに帰してきますかね」ヒョイ ドボォン

人魚「すぐには戻れないかもしれないからとりあえずお別れ言っとく~」

人魚「またねー!!」フリフリ トプン


リオレウス「そんじゃオレ達ぁ帰るか」

リオレイア「遊んでいかないの?」

リオレウス「あんだけ暴れてたくせにまだ足りねぇのかよ!?」

ヴォルガノス「いいから帰ろうぜー」

ディア「オレ達も帰るか」バッサ

黒ディア「そうですわね」バッサ

ガルルガ「ヒプノックとワタシはしばらくしてから帰るよ」

ディア「おう、じゃあな皆!あばよ!!」ピューン

ティガ「ガキぃ…」

ルドロス「おっちゃん…」

ヒプノック「処置はしたけどしばらく休んでないとダメよぉ」

ティガ「だってよ?帰ってちゃんと寝てろや」

ルドロス「かえっちゃうの?」

ティガ「おう、さすがについてくんなよ」

ルドロス「またきてくれる…?」

ティガ「テメェが元気になったらな」

ティガ「ほれ、親父さんの登場だ」

ロアル「おぉ!我が子ぉぉぉ!!」ドタドタ ギュ

ルドロス「ぱぱーむぎゅ」パタパタ

ティガ「…ふん」


ティガ「んじゃ帰るか」クルッ

女ハンター「ちゃんと遊びに来てあげなよ」

ティガ「あぁ?まだいたのかよ?」

女ハンター「数少ない会話できるヒトだからね」

イビルジョー「そうだよー一緒におしゃべりしようよー」

ティガ「テメェらがしろよ、できるならよぉ…」

女ハンター「どういう条件でできたのか未だに分からないんだよね」

ティガ「オレ様はさっさと帰って寝たいんだよ」

ティガ「おい、トト子帰るぞ!」

翠トトス「あ、はーい」ドスドス

女ハンター「じゃあ私も帰るね」トコトコ

翠トトス「あのハンターさん…」

女ハンター「ん?」ピタ

翠トトス「また会えるかな?」

女ハンター「…会えるよ、きっとね」ニコ トコトコ

ティガ「人間に会いたがるなんて変なヤツ」

翠トトス「すごくいい人ですから」

イビルジョー「ボクもそう思うよ」


翠トトス「それじゃあわたし達も帰りましょ?」

ティガ「おう」

イビルジョー「ねぇねぇ」

ティガ「あん?まだ何かあんのかよ?」

イビルジョー「ボクも暇な時そっちに遊びに行くよ」

ティガ「は…?」

翠トトス「ちゃんと事前にジョーさんの事言っておかないと大変な事になるよね…」

イビルジョー「どうせどこ行って怖がられるもん…」イジイジ

ティガ「あー…なんだ…別に好きに来りゃいいんじゃね?」

イビルジョー「!!うん!絶対遊びに行くよ!!」

翠トトス「わたしが話しておくよ」

イビルジョー「お願いね!!」

翠トトス「それじゃあ皆さんお疲れ様でした」ドプン

ティガ「よっと…じゃあなテメェら」


 「おう!元気でな!!」

 「ティガだっけか?あんた最高にかっこよかったぜ!!」

 「口の悪さは仕方ないけどいい人だったよ!!」

 「いつでも遊びにおいでね!!」


ティガ「お…おう…」

翠トトス「何だかすごく人気になれましたね」

ティガ「オレ様、別に何もしてないんだがな…」

翠トトス「あの子を無事に送り届けれたじゃないですか」

ティガ「それだけであんなになるかぁ?」

翠トトス「いいヒトですから、ティガさんは」

ティガ「…そうか」

ティガ「暴れるしか能になかったからこういうの慣れてないわ…」

翠トトス「向こうでも頑張れば人気者になれると思いますよ」

ティガ「ならなくていいわ」

ティガ「オレ様はオレ様でいいんだよ」



――時は流れ


 『 モガの村 』


助手「せんぱ~い、本当に大丈夫なんですかぁ?」

学者「大丈夫だよ、心配しすぎだって」

学者「やぁ、こんにちは」

受付嬢「こんにっちは~、今日も研究クエの依頼ですかな?」

学者「うん、それに今日は助手にも手伝ってもらおうと思って連れてきたの」

受付嬢「もしかしてこの子も経験者?」

学者「最初の頃、採取に行っただけで怖くてやめたんだって」

助手「ちょっと先輩!それは言わない約束だったじゃないですか!!」

受付嬢「実に根性がない子だね、うん」

助手「ありますよ失礼な!じゃなければ研究のためとはいえ行こうとなんてしませんよ!!」

学者「ま、そういうわけなのでクエストいいかな?」

受付嬢「ほいほい、あなた専用の最高のクエストを用意してますよっと」ガサガサ

受付嬢「今回はどのモンスターいく?」

学者「全部」

受付嬢「ほい、全部ね…ってマジで?」

学者「マジだよ」

受付嬢「うーん、いいけど普通なら絶対通らないよ全部なんて…」カリカリ

受付嬢「これでよし、と」ポン

学者「じゃあ行きますかね」

助手「覚悟決めなきゃ…」パンパン

受付嬢「それじゃ晩御飯までには戻ってきてくださいね~」フリフリ


 『 孤島 』


学者「随分久しぶりな気がする、この空気」

助手「でもしょっちゅう来てるんでしょ」

学者「まぁね」

学者「モンスター学研究者としては直接この目で見て研究しないと」

助手「先輩も元ハンターだったのですよね?」

学者「そうだよ、それなりに経験も積んでたよ」

学者「でも本職は『こっち』だったからもう狩りはしてない」

助手「研究ついでに狩りしてたという事ですか?」

学者「そんなところかな」

学者(本当はもう彼ら相手に戦う必要がなくなったというのが正しいだろう)

学者(それでも絶対安全というわけじゃないけど)

ジャギィ「ボス、人間が来ましたぜ」

ドスジャギィ「どれ、いっちょひねってやるか」ドスドス

助手「せ、先輩!ドスジャギィです!」

助手「それに子分まで連れていてやばいですよ!?」

学者「走るよ」ダダッ

助手「は、はい!!」ダダッ


……………


学者「はぁはぁ…」

助手「ひぃひぃ…」

ドスジャギィ「追い詰めたぞおら」ジリジリ

助手「先輩…」

学者「大丈夫」

クルペッコ「ピェェェ!!」バッサバッサ ストッ

ドスジャギィ「あ?クルペッコか、邪魔すんじゃねぇよ!」

クルペッコ「ポワポワポワ♪」

ロアル「なんや、何か用かいな?」ジャポジャポ

ジャギィ「ボ、ボス…」

ドスジャギィ「ロアルドロス程度で怖がってんじゃねぇ!やっちまうぞ!!」ドスドス

ラギア「何だ騒々しいな」ジャポジャポ

ラギア「また人間使って遊んでるのか、ドスジャギィ」

ドスジャギィ「ラギア…いや、勝手に入り込んできやがったので…」

ラギア「その人間達は無抵抗で害がない者だ」

ラギア「無駄な殺生はやめて子分共々この場を去れ」

ドスジャギィ「分かったよ、ちくしょう…」ドスドス…

白ラギア「呼んでくれてありがとうクルペッコ」

クルペッコ「約束は守りますよ守りますよ」バッタバッタ

学者「元気そうだね、ラギアクルス達とロアルドロス」

ラギア「やはりお前か」

ロアル「まーた研究かいな、頑張るのぉ」

助手「大型がこんなに…」ガクガク

学者「大丈夫よ、何もしてこないから」

学者「また研究でこの辺り探索するけどいいよね」

ラギア「研究なら好きにするといい」

ラギア「皆に伝えておこう」ジャボジャボ

ロアル「じゃあラギア兄貴、ワイは水没林あたりから伝えてくるわ」ジャポジャポ

ラギア「あぁ、頼んだぞ」

学者「研究許可出たよ」

助手「あれで!?会話でもしてたんですか?!」

学者「さすがに会話はできないよ」

学者(一部の子以外はね)

学者「次行こうか」

助手「あ、はい」


 『 砂原 』


助手「あっついなぁ…」ゴキュゴキュ

学者「クーラードリンク飲み過ぎるとお腹壊すよ」

助手「だって~」

ハプル「…」フシューフシュー

学者「ハプルボッカは相変わらず隠れるのが苦手だね」ポンポン

助手「ちょ…触って大丈夫なんですか…?」

学者「うん、触るのも研究のひとつだし」

助手「し、しつれいしまーす」ナデナデ

ハプル「あ、そこは…ぶえっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉん!!」ブシュー!!

助手「うわぁぁぁぁ!?」ドサッ

学者「ははは、くすぐったかったみたいだね」

ボルボロス「ハプルうるさい」

ハプル「さーせん」

学者「ここの子達も元気そうでよかったよ」

学者「次行くよ」

助手「ふぇぇ…」


 『 水没林 』



助手「いきなりフロギィいますけど…」

ドスフロギィ「何見てんだよ」

学者「一部の鳥竜種は刺激すると襲ってくるから気をつけるんだよ」

助手「分かってますけど…」ビクビク

学者「お?ドボルベルクが食事してる」

ドボルベルク「やっぱこのあたりの大木はうまいどー」バリバリ

助手「…いつも思うんですけど」

学者「ん?」

助手「あれって放置しておくとその内森林がなくなっちゃうんじゃないですか?」

学者「でも不思議と木々が減少しないんだよね」

学者「私達より自然学とかの分野になりそうな問題だよね」

助手「そうですねー」

助手「あ、そこにチャナガブルいますね」

チャナガブル「Zzz」ピコピコ

学者「「寝てるみたいだからそっとしておこうか」

助手「はい」


 『 凍土 』



学者「あれ?」

助手「どうしました?」

学者「ここにいつもいる子がいないんだ」

助手「どの子です?」

学者「イビルジョー」

助手「!?」

助手「いたほうがやばいですよ!?何でわざわざ巣みたいなところ来たんですか!!」

学者「数少ない話し相手なのにな」

助手「マジですか!?」

学者「いつも言ってる通り、私は一部のモンスターと話せるんだ」

学者「どうしてかは未だに分からないんだけどね」

助手「…」

学者「もしかしたらあの時の事件で魔法とかいうの浴びたせいかもしれないけどね」

助手「この前話してくれた過去の出来事ですか?」

学者「そう」

学者「あの日から私のモンスターを見る目が変わったというべきかな」

学者「実は人間と同じように考えや行動にちゃんと意味があるんだ」

学者「それを知ってしまったから…」

助手「狩ることができなくなってしまったと」

学者「うん、それがあるせいで同じ研究者には嫌われてるけどね」

助手「私は嫌いになんてなってませんよ!」

助手「先輩はちゃんと正しい事してるわけだし!」

学者「うん、ありがとう」


学者「それでさっきモンスターがちゃんと行動に意味があると言ったよね?」

助手「はい、それが?」

学者「上」

助手「へ……ぎゃひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

ギギネブラ「見つかっちゃったわ、つまんないの」ペッタペッタ

学者「悪い子だね、驚かせようとしてたみたい」

助手「寿命が縮みましたよ…」

ベリオロス「…」ジー ノシノシ

学者「ベリオロスも驚かせようとしてたのかな?」

助手「凍土に住むモンスター性質悪いですね?!」

学者「彼らなりに相手してくれようとしてるんだよ」

助手「はぁ…もう疲れちゃった…行きましょ…」

ウルクスス「いたのに相手してくれなかった…死のう…」トボトボ


 『 火山 』



助手「また暑いしぃ…」ダラダラ

学者「さすがに私もここは苦手かな」

助手「そのわりに汗ひとつかいてませんけど!?」

ウロコトル「人間だ」カパカパ

助手「何故かウロコトルに囲まれましたよ…」

ウロコトル「ママー人間が来てるよー」カパカパカパカパカパカパカ

助手「カパカパうるさぁぁぁい!!」

アグナ「研究の邪魔しちゃダメ」ノシノシ グイグイ

アグナ「しつこいと怒られる」カパカパカパカパカパ

助手「うがぁぁぁぁ!!」

学者「かまってほしいみたいだね」

ウラガンキン「おせぇぞおらぁぁぁ!!」ゴロゴロゴロ

ラングロトラ「負けてたまるかぁぁぁ!!」ゴロゴロゴロ

助手「あれは何を?」

学者「競争…かな?」


 『 渓流 』



助手「ここは何が住んでいるんでしたっけ?」

学者「色々いるけど、特に有名なのが――」

ブラキ「ジョーがいなかったんだけど…どこ行ったか知ってる?」

ジンオウガ「隣の大陸」ゴロン

ブラギ「えぇ…どうやって行ったんだろ…」

助手「めっちゃ寛いでらっしゃる…」

学者「ジンオウガかな」

助手「いや、もうそこいますから分かりますよ…」

学者「ブラキと仲良いのかな、これは新しい発見だね」カリカリ

助手「そういうのも研究に入るのですか?」

学者「もちろんだよ、どれとどれが仲良いのって気にならない?」

助手「うーん…」

ブラキ「自分も泳いで隣行ってみようかな…」

ジンオウガ「新しい友人のため?」

ブラキ「それは…ぜひほしいけど…」


 『 モガの森 』


 パチパチ…カラン

学者「どうだった?今日探索して」

助手「そうですね…先輩の言うとおりでした」

助手「モンスターにもちゃんと行動に意味がある事」

助手「ただ研究するだけでなくて相手と一緒になってみる大切さを知りました」

学者「そう…それはなによりだよ」ニコ

学者「私はね、決してどっちかの味方というわけじゃない」

学者「ただどちらも一方的に悪だと決めるのは良くない」

学者「話すなり交流してみるなりすればきっと理解してくれるんだ」

学者「ここのようにね」

学者「私はそれを皆に伝えていきたいからこの研究をしている」

助手「はい」

助手「先輩が間違った事をいってないのを知っているからこそ私はついてきているのですよ」

学者「うん」

学者「よし、そろそろ寝ようか」

学者「明日はもっと触れ合っていこう」

助手「う…大丈夫と分かってても触れたりするのは抵抗がありますよぉ…」


 『 異世界 魔王城 』



人魚「呼ばれて飛び出てガシャシャシャーン!!」バシャーン

魔王「擬音が変だぞ」

人魚「気のせい気のせい♪」

人魚「それでどうしたの?いきなり呼び出して」

魔王「例の転送具を渡してくれ」

人魚「いいよ、はい」スッ

魔王「もう必要ないだろうからな」

人魚「え…なんで!?」

魔王「もうあの世界に干渉してはならん」

魔王「以前のような事になってはならんからな」

魔王「完全に縁を断ち切るのが最善なのだ、分かってくれ」

人魚「…まだ皆に挨拶してないのに」

魔王「それに関してはすまないと思っている」

魔王「だが、今度騒動を起こして取り返しのつかない事態になってしまったらどうする?」

人魚「…」


魔王「いつまでも待たせてしまっては困るだろう」

魔王「あの世界でお主に干渉した者達から記憶は消しておく」

魔王「もちろんあの水竜の死の記憶も改ざんしておくつもりだ」

人魚「それでいいよ…」

魔王「すまぬな、元々起こりえる出来事ではなかったのだ」

魔王「忘れるなとは言わない、彼らとは確かに出会った」

魔王「それを忘れないでやるといい」

人魚「うん、向こうの皆あたし大好きだったもん!」

魔王「さて…また別の者が我らと人間を戦争へと導こうとしておるようだが…」

人魚「アイツがまたやってるの?」

魔王「ヤツは以前と違い、変わったように真面目に働いてくれるようになった」

人魚「そっかー」

魔王「少々痛い目をみてもらわなければならぬか」

人魚「あたしも手伝うよー」

魔王「お主は関わるな…全力でいくと世界が滅ぶ…」

人魚「えー!?つまんなーい!!」


 『 砂漠 』



ティガ「くあぁぁぁぁぁ…」

ティガ「あー暇だわ」ドスドス

ドスガレオス「…」

ティガ「おうおう、走り…泳ぎ回るのは結構だがあんま砂巻き上げんなよ」

ティガ「目に入って痛くなるのはどいつも困るからよぉ」

ドスガレオス「ふぁ!?すんませんっす!!」ズザザザ

ゲネポス「げ、ティガですぜ…」

ドスゲネポス「目を合わせるな、いちゃもんつけられるぞ…」

ティガ「いよぉ、暇なんだが何かおもしれー事ねぇか?」

ドスゲネポス「へ?」

ゲネポス「い、色んな所で怪しいでかいヤツがうろついてるって聞きましたぜ」

ティガ「お?そうか、ちょっくら暇つぶしがてら捜してみっか」

ティガ「いい情報ありがたく受け取ったぜ、じゃあな」ドドド

ゲネポス「何か前と違くないっすか…?」

ドスゲネポス「そうだな…何があったんだ…」


ティガ「しっかしどこにいやがるんだ?その変なヤツ」

ティガ「その内この辺来るかもしれんから待ってたほうがいいのか?」

??????「いたぁ!!」ドスドスドス

ティガ「あん?…げっ!?」クルッ

イビルジョー「久しぶり!遊びに来たよ!!」

ティガ「いや…いやいやいや!どうやって海渡ってきやがった!?」

イビルジョー「え?足バタバタしてたら泳げることない?」

ティガ「マジかよ…」

ティガ「それにオレ様は今忙しいんだ!後で相手にしてやるからどこかで遊んで来い!」

イビルジョー「えー、せっかく来たのにぃ…」

ティガ「リオ兄妹あたりなら遊んでくれるだろ、森丘にでも行ってこい」

イビルジョー「もー君に会いに来たってのに冷たいんだから…」ブツブツ ドスドス…

ティガ「はぁ…行ったか」


ティガ「さて捜すか…」ドスドス

ティガ「…」

ティガ「怪しいやつってアイツじゃね!?」

ティガ「おい!戻ってこいや!!テメェだったんだよ捜してたの!!」

ティガ「遅かったか…はぁ~あ…」

ティガ「森丘まで行くのめんどくせぇしどうするか…」

翠トトス「ティガさん?」バシャン

ティガ「おう、真面目ちゃんか」

翠トトス「その言い方やめてくださいよ…」

ティガ「んで、わざわざ地上に出てきてどこか行くのかぁ?」

翠トトス「えぇ、ナルガさんの所へ遊びに」

ティガ「はぁ?あんなやつの相手もしてんのか」

翠トトス「すごくいいヒトですよ、色々な事に詳しいですし」

翠トトス「ティガさんも来ますか?」

ティガ「行かねぇよ、アイツは嫌いなんだ」

翠トトス「でもナルガさんはティガさんの事気にしてましたけどね」

ティガ「マジかよ…」

翠トトス「きっと歓迎してくれますよ?」

ティガ「き、気が向いたらな…」

翠トトス「はい、待ってますね」

翠トトス「それでは行ってきます」ドスドス

ティガ「おう、いてら」


ティガ「アイツがオレ様をねぇ…」

ティガ「殴りあった記憶しかないんだがな」

ティガ「まぁいいか、森丘でも行ってみよ」クルッ

????「…」ザパン ペタペタ

ティガ「お?」

????「おっちゃん久しぶり…なんてね」

????「元気してた?ティガにいちゃん」

ティガ「おう、まーた泳いできやがったのか」

ルドロス「今度はちゃんとこっち行くこと伝えてきたよ」

ティガ「そうか」

ティガ「でかくなったな、ガキぃ」

ルドロス「へへ、これでもまだまだちっちゃいけどね」

ティガ「それだけでかいともう尻尾にははりつけねぇだろ」

ルドロス「できるよ!ほらっ!!」ピョン ガシッ

ティガ「さ、さすがに重てぇ!?」ズルズル

ルドロス「もうくっついて移動はできないかぁ…残念だなぁ」


ティガ「今、暇か?」

ルドロス「そりゃこっち来るぐらいだもん」

ティガ「ならイビルジョー探しに行くか?」

ルドロス「来てるの?」

ティガ「自力で来たんだとよ」

ルドロス「すごいねー」

ルドロス「捜そうよ!こっちいろいろ見て回りたいし!!」

ティガ「はいはい」ガシッ ヒョイ

ルドロス「わ…重いって言ってたのに」

ティガ「尻尾はな」

ティガ「今度から背中に乗ればいい」

ルドロス「えへへ、指定席だー」

ティガ「行くぞ、ルドロス」

ルドロス「うん!レッツゴー!!」ピタンピタン

ティガ「あまりオレ様の背中で暴れんなよ…」

ルドロス「ごめーん」

ティガ「んじゃしっかり捕まってろ…やっ!!」ダンッ バサ ピュー



 兄弟、見てるか?

 テメェほどじゃねぇが一緒にいると落ち着く相手見つけたぜ

 妹みたいなヤツだ

 コイツのせいか周りからオレ様が変わったとか言われるんだが

 あの乱暴者に何があったって変な目で見られるがまぁ気にはならん

 それに他にも面白いヤツら見つけた

 たまに相手してやるとなかなか楽しめる

 いつかテメェに会いに行く時まですっげぇおもしれー話増やしとくわ

 全部残さず話してやるから聞きやがれ

 クズでダメダメだったオレ様はこれからも生きていく

 テメェの分まで頑張ってくるわ

 あばよ、また会えるそん時まで、な?




                             THE END

終わりです。
予想以上に無駄に長くなった、申し訳ない。

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