星輝子「……こ、公然猥褻カット?」 (56)
都内某所 事務所
輝子「フヒッ……ざ、雑誌の取材?」
P「ああ。アモーレ・アムールっていう雑誌なんだけど」
輝子「し、取材……ま、まだ私には早いと思う……」
P「俺もフォローに回るから!」
輝子「無理……ひ、人前はヤバイ……ヤバイ……」
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───
─
都内某所 オシャレなカフェ
P「ここが取材を受ける場所だ!」
輝子「ボ、ボッチの私にはオシャレすぎて眩しすぎる……」
P「ちゃんとフォローするから安心しろって」
輝子「トモダチが……そ、そこまで言うなら……フヒ」
相川「こんにちは! アモアム編集の相川由利です。よろしくお願いします」
P「よろしくお願いします!」
輝子「よ、よろしくお願いします……フヒヒ」
相川「えっと、その手に持ってるのはキノコ?」
輝子「!? こ、これは私の親友で──」
P(アカン……)
──
???「はぁ……今日の路上ライブも誰も全然聞いてくれなかったなぁ……」
???「こんな日はオシャレなカフェで紅茶でも飲みながら宮本フレデリカちゃんの“き・ま・ぐ・れ☆Cafe au lait!”を聞こう」
相川「そ、それじゃあ少し休憩を挟みましょうか!」
輝子「ほ、本物のマツタケを見分けるポイントは……」
P「輝子! 休憩だぞ!」
輝子「先端が尖って……え? き、休憩?」
相川「あははっ、可愛くて面白い子なんですね!」
P「ははっ……」
輝子「手を洗ってこよう……」
輝子「フヒッ……キノコの話だと時間が経つのを忘れてしまう……」
???「おしゃれにキメたら今日は お気に入りの カフェへ あの子と 行こう~♪」
???「このダージリンは香りが高くて美味しいなぁ」
輝子「あ……あれはキノコ人間?」
???「ドゥワドゥワ ハ~~ン♪」
???「いやぁ~ 宮本フレデリカちゃんの曲はいいなぁ!」クネクネ
輝子「……」
???「……え!?」ビクッ
輝子「フヒヒ……キノコ……」
???「キノコ?」
???「えーっと……この髪型の事かな? これはマッシュルームカットって言って、とってもオシャレな髪型なんだよ」
輝子「マッシュルームカット……」
???「君はキノコが好きなのかい?」
輝子「す、好き……」
???「実は僕も好きでさ~! あっ、そういえば実家の犬飼町から送られてきた“しいたけ”があるんだ!」
輝子「!?」
???「良かったら食べてよ!」
輝子「こ、これは……なんて素晴らしい“しいたけ”なんだ!」
???(この良さがわかるなんて……なんていい子なんだろう!)
輝子「フヒヒ」
輝子「よ、良かったら……その……色々キノコ作りについて情報交換して欲しい……」
???「大歓迎だよっ! あっ、そういえばまだ名前を言ってなかったね!」
根岸「僕の名前は根岸崇一! よろしくね!」
輝子「わ、私は星輝子……よ、よろしく……フヒ」
根岸(いやぁ……まだ若いのに素晴らしい子だなぁ……)
根岸(それに、よくわからないけど、別のシンパシーも感じるぞ!)
,,. -─‐ ''"´ ̄ `ヽ
,. ‐'´ \
/ ,リ
/ ,.ゝ
! // 〈
| /⌒>yヽ fr'"'、 }
| , ' ´ ('´ `ー'´ l ノ
│ / ` レ' 今日、食堂でエマ中尉の髪型の話題で盛り上がった。
| (._ | 全員一致で亀頭をイメージしていたらしい。
| / -─- 、._ __,..ヘ! 隅の方で味噌汁を啜っていた
| r‐、 { ーヮニニ`ー' 〈ゥニ'‐.| ジャマイカンも吹き出していた。
ヽ | ,ゝ| ! ヽ、 | 食堂を出ると、エマが顔を真っ赤にして
} ヽ(、Ll r:ン' l 青筋立ててこちらを睨み付けていた。
{ ! { { /`ーi _,. -─‐ァ l  ̄ ̄`! 勃起したソレをイメージしてしまい
,ゝト、ヽ{ { `ー-- ' ,' | 吹き出しそうなのを必死に堪えていたのだが、
i( ヽミ`ヽ ヽ、 ー l 横でカクリコンが腹を抱えて大笑いしていた。
. | `'''┴-- 、.._ `''‐、 ,!、 亅 強烈なプレッシャーを感じた俺は、
| _____ ̄ ̄~ヽ` ー-r-‐ヘ ヽ く´ すぐさまその場から逃げ出した。
. ! |=<>=<>=| ト、-、r=ニ⌒ヽ.) ヽ 後ろの方で、カクリコンの
_,r=ゝ、  ̄ ̄ ̄ | ヽ. \ `ヽ } / 「前髪は抜かないでくれぇ」 という断末魔が聞こえた。
`ヽ ー-----‐‐┴、 } ヽ レ',ノ./`ー- この日以来、誰もエマの髪型の話をする者は居なくなった。
P「あっ! ここにいたのか、輝子!」
輝子「あ、プロデューサー」
根岸「プロデューサー?」
相川「根岸君!」
根岸「え? 相川さん?」
──
─
P「へぇ~、そうなんですかぁ!」
相川「あっ! そういえば根岸君も音楽をやってるんですよ!」
P「ほぉ」
根岸「いやぁ、照れるなぁ~!」
相川「せっかくだから弾き語りでもしてみたら?」
P「あっ、いいですね!」
根岸「そ、そう? 丁度とてつもないインスピレーションが沸いてきた所でさぁ!」
P「おお!」
根岸(ここでチャンスを掴めば、ついにプロデビューかぁ!)
根岸(でも待てよ……前にもこんな事が……)
ホワン ホワン
『お遊戯的な事なら外でやってくんない?』
『プロとしてはちょっと……』
根岸「……」
相川「根岸君?」
根岸「ち、ちょっと用事が出来たから、そろそろ行かなきゃ!」
P「そうですか。残念だなぁ」
根岸「じゃあ、またね!」
相川「気を付けてね~!」
P「どうした輝子? 嬉しそうだな」
輝子「フヒッ……キノコ頭に素晴らしい“しいたけ”……」
相川「さて、少し時間経っちゃいましたけど、取材再開しましょうか!」
P「そうですね」
輝子(そ、それに……なにか……私と近いものを感じた)
────
──
─
都内某所 事務所
P「輝子! 今度ライブが決まったぞ!」
輝子「が、がんばる……ちょっとだけな」
P「みっちりレッスンしないとな!」
輝子「や、やっぱりそうなるよな……うん」
──
同刻 都内某所 デスレコーズ
根岸「え? 対バンですか!?」
社長「イエ~ス! 今度のライブで乱入してレジェンドを残して来いっ!」
和田「頑張ろうぜ! 根岸!」
西田「食い込みおパンツ」ギィ
根岸(もう嫌だなぁ……こんな日は輝子ちゃんとキノコについて語ろう……)
社長「しっかり私の事を濡れさせてくれよ! って根岸! 聞いてんのかテメェ!」ドゴォッ!!
根岸「ひぃっ!」
社長「ヒャーッハハハ!」
─────
───
─
ライブ当日 都内某所 会場
和田「もうそろそろ出番だからな! 準備しておけよ?」
根岸「わ、和田君! 今日はどんなバンドが相手なの?」
和田「バンド? 何言ってるんだよ、根岸!」
和田「今日は“アイドル”のライブに乱入じゃないか」
根岸「えぇ!? アイドル!?」
──
相川「ライブの取材まで呼んでいただいて、ありがとうございます!」
P「いえいえ! 僕もアモアムのファンだがら、輝子が載るなんて光栄ですよ!」
相川「嬉しいです! それにしても、輝子ちゃんはライブになると別人みたいですね!」
P「そうなんですよ! ……ってなんだ?」
相川「え?」
「貴様らの行いはDMCに対する冒涜だ~!!」
相川「あれは!?」
P「なんなんですか! あの人たちは!」
相川「いつもの変な人達……」
P「え!?」
ファンA「見ろ~! ついに降臨なされたぞ!」
ファンB「あれこそがデトロイト・メタル・シティだ~!」
ファンC「ゴートゥDMC!」
─
──
ジャギ「よしっ、行くぞ根岸! いや……クラウザー! カミュ!」
クラウザー「待ってよ! 和田君! アイドルのライブに乱入なんて!」
カミュ「おま●こ」ギィ
ジャギ「貴様らの行いはDMCに対する冒涜だ~!!」ダダダッ
クラウザー(あぁ! 行っちゃった!)
クラウザー(アイドルの人! ご、ごめんなさ……い?)
輝子「ヒャッハー!!ゴートゥヘルッーーー!!」
クラウザー(ア、アイドル!?)
ファンA「ど、どうしたんだ! クラウザーさんが止まっているぞ!」
ファンB「一体、どうなされたというんだ!」
ジャギ(おい、クラウザー! どうしたんだよ?)ヒソヒソ
クラウザー(どこがアイドルなのさ! 高垣楓さんみたいなアイドルを想像してたんだよ!)ヒソヒソ
輝子「フヒヒヒヒッ!! アッハハハハッ!!」
輝子(な、なんだろう……こんな演出? き、聞いて無かったけど……)
クラウザー(なんかよくわからないけど、ヤケだ!)
ファンA「うおー! このイントロは!」
ファンB「あの娘をレイプだー!」
ファンC「く、来るぞ!」
クラウザー「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ」
ファンA「で、出たー!クラウザーさんの1秒間に10回レイプだー!」
ファンB「さすがクラウザーさんだ! もうこのライブを掌握してしまった!」
ファンC「ゴートゥDMC!」
輝子(ま、真似を……すればいいのか?)
輝子「キノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコ」
クラウザー(コ、コイツ!?)
ファンA「あ、あれは1秒間に10回キノコ!?」
ファンB「クラウザーさんと並ぶとは! 一体何者なんだ!?」
ジャギ(これは俺も負けてられないぜ!)
ファンA「出た~! ジャギ様の炎だ~!」
ジャギ(お前にばっかり、良い格好させるか……なに!?)
ファンB「あ、あれは!?」
輝子「フヒヒッ……キノコ焼き……」
ファン「ジャギ様の炎でキノコを焼いているぞー!」
クラウザー「……」ギュイーン
輝子「……」
ファンA「歯ギターに対して歯キノコだー!」
クラウザー(ならばっ!)
クラウザー「……」スパンッ! スパンッ!
資本主義の豚「オウッ!」
ファンC「さらにはスパンキングだー!」
ファンB「さすがに“資本主義の豚”には対抗出来まい……なに!?」
輝子「フフッ……ポルチーニ茸……」
ファンC「あ、あれは!?」
ファンA「ポルチーニの単数形はポルチーノと言って、意味は“子豚”なんだ……つまり」
ファンB「あれは“資本主義の子豚”だー!!」
──
─
クラウザー「はぁはぁ……貴様! よくぞ、ここまで喰らいついて来たな!」
輝子「アーハッハッハ!! あ、ありがとう……」
クラウザー「褒美にこれをやろう」
輝子「あっ、“しいたけ”」
ファンA「あ、あれは!」
ファンB「たぶん幻覚作用のあるマッシュルームだ……」
ファンC「本当に恐ろしい方だ……」
クラウザー「ふっ……素晴らしいライブだった」
輝子「わ、私も……た、楽しかった……フヒ」
ファンA「クラウザーさんが魔界の調印を結ぼうとしておられるぞ!」
ファンB「それ程までの相手だったとは……」
クラウザー(さっきは熱くなっちゃったけど“しいたけ”も貰ってくれたし、いい人じゃないか……)ツルッ
クラウザー(あ、足が滑って!)
ファンB「いや、待て! 腰に手をかけたぞ! ま、まさか相手を油断させておいて!」
ファンA「あ、あれはクラウザーさんのデスキノコを披露する気だー!」
「そこまでよ!」
輝子「さ、早苗さん?」
早苗「未成年の女の子に対するセクハラ容疑でご同行願いますっ!」
ファンA「警察だー!」
ファンB「だがDMCは国家権力なぞには屈しないぞ!」
ジャギ(いけねぇ……オイルが地面にこぼれてたわ……)
クラウザー「あ、あの……今のは軽い事故で……わっ!」ツルッ
早苗「きゃっ!」
ファンB「あ、あれは48のポリ殺しの一つ!」
ファンA「“ミニスカポリスを逮捕しちゃうぞ!”だー!」
ファンC「婦警を犯すなんて、さすがはクラウザーさんだ!」
ジャギ(さすがだぜ根岸……やはりお前は最高のメタルモンスターだぜ!)
ファンB「そういえばカミュさんは?」
ファンC「み、見ろ!」
雫「あんっ……ちょっと……胸をつつかないでっ……んんっ」
カミュ「……」
ファンA「あれはカミュさんの絶対性感だー!」
輝子「し、雫さん?」
雫「さ、早苗さんに……ついてきただけなのに……あんっ……」
早苗「うぅ……」
クラウザー(は、早く逃げないと! ……ってあれは!?)
P「みんな! 今助けに行くぞ!」
相川「プロデューサーさん!」
クラウザー(相川! このメス豚がっ! 業界人とシンデレラオシャレファック決めやがって!)
クラウザー(絶対に許さんぞ!!)
クラウザー「どけ! このバブル時代の亡霊が!」
早苗「」ガーン
P「みんな大丈夫か!」
クラウザー「やかましいわ!」
P「うわぁ!」
ファンA「アナルシュートまで!」
ファンB「クラウザーさんは本気で怒っておられるぞ!」
クラウザー「……」
相川「ひっ!」
クラウザー「本日も貴様は“淫乱車の刑〜豚の赤パンツチラ見えバージョン”だ~!」
相川「きゃぁあああ!!」
輝子「み、みんな……私の為にこんなに盛り上げて……も、もう私はボッチじゃないんだ、な」
─────
───
─
P「この前は酷い目にあったよ……」
輝子「本当に……た、楽しいライブだった……フヒッ」
輝子(今日も根岸さんに……美味しい“しいたけ”の作り方を教えて貰おう……)
根岸家
根岸(みんな……この前は本当にごめんよ……)
根岸(あっ、輝子ちゃんからキノコについてのメールだ……)
終わり
おまけ
李衣菜「いやぁ! この前の輝子ちゃんのライブは最高にロックだったね!」
みく「あれはロックはロックでも、メタルにゃ!!」
本当に終わり
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