剣と魔法のポーカー・サバイバル (134)



このファンタジー世界の絶対のルール。それは『寿命か自殺でしか死なない』というもの。

魔力と才能さえあれば、誰しもが強力な超能力を扱うことはできる。

ただし上記のルールによって、争いは非常に少なかった。



そんな中、『ポーカー』という新しいルールが登場する。

他者を思い通りに操り、自殺を強いて殺害することのできるこのルールは世界中に波紋を呼んだ。



そして……世界各地に散らばる冒険者たちは、それぞれの思惑を胸にカードを取るのだった。




すっごいエタ臭である。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440174031




・剣と魔法、勇者と魔王。ドラゴンが空を舞うファンタジー全開の世界!
 この世界での戦いには『ポーカー』が用いられる!

・戦いの前に、隷属条件をビッドする!
 戦いに勝利すれば、その条件を相手に絶対遵守させることができる!
 『殺害』という概念の存在しないこの世界において、相手に『死』さえも強要できる唯一の方法だ!

・戦闘開始時にカードをドローする!
 その際、コンマ下二桁の値によって役の強さが決定するぞ!

・手札の役の強さは、駆け引きなどするまでもなく魔力の増加で感じ取れる!
 不利と判断した場合、ドロー(手札交換)によって役の強化を図ることも可能だ!
 (ただしもっと弱くなる可能性もある諸刃の剣だ! 気をつけろ!)

・どうしても勝機が見えなければ、ドロップ(棄権)もできるぞ!
 ただしその場合、すべての魔力を失い、二度と戦うことはできなくなる!


・たぶんよくわからないと思うけど、とりあえず一回戦ったらきっとわかる!





キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:
野望:(行動の根幹となる。最重要)

>>5
まずは最初の主人公を募集しますので、ご協力よろしくお願いします。


名前:ライト(月宮 光つきみや ひかる)
性別: 男
種族:人間
所属:無所属
性格: 穏やかなおぼっちゃまタイプ
特徴: 優しく微笑みながらどんな時も笑顔を絶やさない
能力: 自分の手札を一枚好きな物に変えれる
野望:すごいことを成し遂げて一番強くなりたい


ありがとうございます。
良い子はもう寝る時間なので、私も今日は寝ます。

うっかり書き忘れたのですが、『能力』は『ポーカー』において絶対に役に立たず、
イカサマはできないということでお願いします。

※ただし事後立法なので、ライトは特例中の特例という事でお願いします。主人公補正ってすごい。


心を読む能力とかも『ポーカー』の中では使えなくなります。
あと確率操作とか、未来予知とか、時間停止とかも『ポーカー』では役に立ちません。

また洗脳能力で自殺を強いたり、時間操作で老衰させることもできません。それは殺害と認定されます。


いろいろややこしいですが、そんな感じでよろしくお願いします。




ライト「……あはは、困ったなぁ」


ライト「最近、大陸の奥地で話題の『魔王』を倒すんだって息巻いて、国から飛び出してはみたものの」

ライト「早くもどこに行ったらいいのか、よくわからないや」

ライト「どうしようかなぁ」



ライト「……あ! あの街で聞いてみよう」





>>9 ライトがそこで出会った相手とは



キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:(ポーカーにおいては使用できない)
野望:(行動の根幹となる。最重要)


名前:キヨセ(きよせ)
性別: 女
種族:獣人(猫型、人に近い方)
所属:獣の国
性格: 勇敢、仲間の為なら体を張る、臨機応変。
特徴: 中性的な顔立ちでおっp…体つきを見ない限りは男にも見えてしまう。筋肉質。
能力:人間と猫のどちらかに完全になりきる能力
野望:獣王の座につきたい




―――街―――


ライト「聞けばこの街は、大陸の東端らしい」

ライト「いろんな文化が混在してて、楽しいところだなぁ」

ライト「あっ、そこの人!」


キヨセ「んにゃ?」クルッ


ライト(にゃ?)





キヨセ「なんだお前」

ライト「すみません、ちょっと聞きたいことがあるのですが」

キヨセ「はぁ? よそを当たれ」スタスタ

ライト「え、あ、ちょっと……!」


ライト「……ううん、本当に行ってしまった。この街はよそ者に冷たいのかな?」

ライト「いや、切り替えていこう! さぁ、魔王のいる大陸の奥地がどこにあるのか、聞いて回ろう!」





 ・・・


ライト「……全然ダメだ。単に知らないのか、それとも知ってても教えてくれないのか」

ライト「集まった情報はほとんどゼロかぁ。簡単にいくとは思ってなかったけど、思いのほか難航しそうだ」

ライト「けど旅を始めたばっかりだしね。気楽に構えて行こう」

ライト「……ん?」



キヨセ「にゃんだお前! ちょっとくらい良いだろ!」



ライト「ケンカかな? それともトラブル?」





ライト「どうかしたの?」


キヨセ「うるさい、関係にゃいヤツはどっかに……って、お前、さっきの……」

ライト「お魚屋さんの前で、なにやってるの?」

キヨセ「ここの店員がケチで、こんなにたくさん魚が並んでるのに、タダでくれないんだ!」

ライト「それはそうだと思うけど。お店なんだから、お金を払わないと」

キヨセ「お前もあいつの味方なのか! ふしゃーっ!」


ライト(あはは……なんだか変な人に関わっちゃったかなぁ)


ライト「……うーん、仕方ないなぁ」ゴソゴソ





 ・・・


キヨセ「ふぉふぁえ、ひぃやふふぁっふぁんふぁふぁ!」モグモグ

ライト「あはは。食べるのか喋るのか、どっちかにしようよ」

キヨセ「ごっくん。……お前、いいやつだったんだな!」

ライト「そうかなぁ。お魚を一尾おごってあげただけで、そんなに喜んでくれるとはびっくりだよ」

キヨセ「腹減ってたんだ。この街、近くに川も何もないからな」


ライト(……なんで川なんだろう? 釣り名人なのかな?)





ライト「ところで、お魚を奢ってあげた代わりに、一つだけ聞きたいことがあるんだ」

キヨセ「んあ? なんだ?」

ライト「魔王がいるっていう、大陸の奥地ってどこに行けば着けるか知ってる?」

キヨセ「……」ピクッ

ライト「?」

キヨセ「それ知って、どうするつもりだ?」

ライト「うん。僕、見ての通り弱いからさ。すごいことを成し遂げて、強くなりたいんだ」

キヨセ「……そのすごいことってのが、魔王を倒すってことなのか?」

ライト「うん!」





キヨセ「じゃあ、お前は私の敵だな」ザワッ…

ライト「……え?」

キヨセ「なんせ私は、未来の獣王だからな。トップが崩れちゃあ、魔物のメンツってものが潰れちまう」ゴキゴキッ!!

ライト(耳と尻尾が……それに爪もみるみる伸びて……)


キヨセ「お前の実力、試してやるにゃ」


ライト(獣人だったのか……!)





キヨセ「お前は敵だけど、いいやつだからにゃ。今なら見逃してやってもいいにゃ」

ライト「あはは。魔王を倒すなら、獣王候補くらい倒せないとね」

キヨセ「後悔するにゃよ」

ライト「そっちこそ!」



キヨセ「ベッドにゃ! お前が負けたら『一生私のお魚係』にゃ!」

ライト「ベッド! 僕が勝ったら『魔王を倒すのを手伝ってもらう』!」


ライト・キヨセ「「ドロー!!」」バッ



↓+1 コンマ下二桁でライトの役が決定
↓+2 コンマ下二桁でキヨセの役が決定




ここで少し補足。

戦闘の処理の説明なので、べつに読まなくても理解しなくてもOKです。


・コンマ下二桁の値と役の関係は以下の通り。

01~05 ブタ
06~10 ワンペア
11~20 ツーペア
21~30 スリーカード
31~40 ストレート
41~50 フラッシュ
51~60 フルハウス
61~70 フォーカード
71~80 ストレートフラッシュ
81~90 ロイヤルストレートフラッシュ
91~95 ファイブカード
96~00 ヘヴンリーハンド

・相手より役が弱い(コンマ数値が小さい)場合はカードをもう一度だけドローできる。

・相手との数値の差によって交換できるカードの枚数が決まる。

00~10 1枚替え
11~20 2枚替え
21~30 3枚替え
31~40 4枚替え
41~99 総入れ替え

・数値が偶数なら役が強くなり、奇数なら役が弱くなる。
・出た数値は、総入れ替えなら(最初の数値)×(5/10)に、4枚替えなら(最初の数値)×(4/10)といった風になる。

・カードを総入れ替えした後の役の強さは、
 偶数なら(最初の数値)+{(最初の数値)×(5/10)}となり、
 奇数なら(最初の数値)-{(最初の数値)×(5/10)}となる。


複雑だけど、処理するのは私なので問題ありません。

あとライトだけは能力によって、再ドロー後の最終的な値に無条件で+10することができることとします。




ライト(やった、フォーカード(62)! 結構強い役だし、これなら勝て―――)

キヨセ「……これはもう、どうやっても勝ったにゃ」ゴォォォ!!

ライト(え!? な、なんて魔力なんだ……!)

キヨセ「ファイブカード(94)にゃ。お前の手札もなかなかみたいだが、運が悪かったにゃ」

ライト「ファ、ファイブカード!?」

キヨセ「さっさとドロップ(棄権)したほうが身のためだにゃ」


ライト(能力を使えば……いや、揃ってるカードが弱い。これじゃあファイブカードになってもきっと勝てない……)


ライト「ドロップなんてできないよ! こうなったら、4枚替えだ! ドロー!!」バッ



↓+1 4枚替えの結果……





上の補足説明の訂正
偶数で5枚替えなら(最初の数値)+{(再ドロー時の数値)×(5/10)}となり、
奇数で5枚替えなら(最初の数値)-{(再ドロー時の数値)×(5/10)}となる。
 ※端数切り捨て。


99は奇数で、4枚替えなので(62)-{(99)×(4/10)}=22(スリーカード)





ライト「スリーカード(22)……」ガクッ

キヨセ「にゃはは! 大口叩いてた割には、口ほどにもなかったにゃ!」

ライト(能力を使っても、まったく勝ち目がない……)

キヨセ「さぁ! お前はこれから一生、私のお魚係にゃ! ほらほら、すぐにお魚を買ってくるにゃ!」ニヤニヤ

ライト「うぅ……」トボトボ


ライト(旅に出てから3日で即負けて、見知らぬ獣人の奴隷になるだなんて……)




―――森―――


ライト(キヨセに負けたあの日から、3日ほどが経った)


キヨセ「おい、ライト! 早く来い!」

ライト「ちょ、ちょっと待って……もう歩けない」フラフラ

キヨセ「だらしないぞ! お前がどうしても私の武者修行の旅について来たいって言うから連れてやってるのに」

ライト「見かけた魔物全部といちいち戦ってたら、そりゃこうなるよ……」

キヨセ「そろそろ昼か。おなか減ったなー」

ライト「街が見えたら買ってあげるから、もうちょっと我慢して」


キヨセ「……ん」ピクッ


ライト「どうしたの?」

キヨセ「なにかいる」

ライト「え?」



↓+1 ライトたちが出会ったのは……



キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:(ポーカーにおいては使用できない)
野望:(行動の根幹となる。最重要)





ルノン「あれ? こんなところに人間?」


ライト(女の子……?)


ルノン「どうしたの? もしかして、迷っちゃった?」

ライト「ううん、迷ってるわけじゃないよ。……ね、キヨセ?」

キヨセ「えっ? …………あ、う、うん。迷ってない。ぜんぜん迷ってないにゃ」プイッ

ライト(あ、迷ってたんだ!?)





ルノン「どこに行くつもりなの?」

キヨセ「暗闇の樹海」

ルノン「ええっ!? あんなところに行くの!?」


ライト「……? なにかマズイところなの?」

ルノン「暗闇の樹海って言ったら、陽の光がまったく届かないくらい鬱蒼と茂った森なの」

ライト「へぇ」

ルノン「しかも強い魔物がうじゃうじゃいる上に、視覚が封じられてるから冒険者の墓場って呼ばれてて」

ライト「!?」


ライト「……えっと、キヨセ? そんな場所に説明もなく僕を連れて行こうとしてたの?」

キヨセ「言ってなかったっけ?」

ライト「言ってないなぁ」

キヨセ「でも目が使えなくても、音と匂いでだいたい戦えるだろ?」

ライト「人間にはちょっと無理かなぁ」


ルノン「……」





ルノン「ねぇ。どうして暗闇の樹海に行きたいの?」

キヨセ「武者修行だ」

ルノン「修行?」

キヨセ「私は将来、獣王になるからな!」

ルノン「……っ!!」


ルノン「あなた……人間かと思ったら魔物なんだね」

キヨセ「ん? そうだぞ。私は獣人だ。しかも聞いて驚け、なんと獣の国の-――」

ルノン「ホーリー・レイ!!」バッ

キヨセ「え?」


 ズガァアン!!


ライト「キ、キヨセ!?」


ライト(ま、魔法!? というか、キヨセが吹っ飛んで崖から落ちちゃった……!)





ルノン「そっちのあなたも、人間に化けた魔物なのね?」ユラァ

ライト「え? い、いや、僕は人間だよ。あの子にポーカーで負けて付き添ってるだけで……」

ルノン「……本当かな? いまいち信じられないな」

ライト「あ、あはは。そう言われましても……」

ルノン「じゃあ、私があなたをポーカーで負かして、解放してあげるね」

ライト「え!?」



ルノン「ビッド! 私が勝ったら『もう魔物と行動を共にしないこと』!」

ライト「ビ、ビッド! ええっと……じゃ、じゃあ僕が勝ったら『これからはキヨセと仲良くすること』!」


ライト・ルノン「「ドロー!!」」バッ


↓+1 ライトの役
↓+2 ルノンの役


ノルンでした! ごめんなさい!



ライト「なっ……!?」(01)

ノルン「ふふ、その様子じゃブタみたいだね。これは勝負あったかな」(34)

ライト「うぐっ……」


ライト(べつに、ここで負けても僕に損はないけど……)

ライト(でも、帰ってきたキヨセがこの子にポーカーを挑んだら、きっとベッドの内容が大変なことになる)

ライト(それは後味が悪いし、そもそもこれ以上は誰かに負けたくない!)


ライト「ドロー!!」バッ



↓+1 ライトの再ドローの結果は……





偶数の4枚替えなので、(01)+{(80)×(4/10)}=33



ライト(さらに僕の能力で……フラッシュ(43)になった! やった、あの子の魔力(34)を超えた!!)ゴォォ!!


ノルン「な……まさか、逆転されたの!?」

ライト「勝負はまだわからないよ!」


ノルン(この魔力差だと、逆転は難しい……。でも、故郷のためにも私が魔力を失うわけにはいかない!)


ノルン「ドロー!!」バッ



↓+1 ノルンの再ドローの結果は……





奇数の一枚替えなので、(34)-{(95)×(1/10)}=24



ノルン「そ、そんな……スリーカード(24)だなんて……」ヘタッ

ライト「ふぅ。よかったぁ」ホッ

ノルン「……嫌! 魔物なんかと仲良くするだなんて……!」

ライト「なんだか深い事情があるみたいだね。でも、キヨセはそんなに悪い魔物じゃないみたいだよ?」

ノルン「うそだよ……魔物はみんな悪いやつに決まってるよ」

ライト「ちょっとだけでも、話し合ってみたらどうかな。結論はそれからでも、遅くはないと思うよ?」

ノルン「……」



キヨセ「さっきの女ぁぁああああっ!! どこ行きやがったぁぁああああ!! うにゃぁぁあああああ!!」ウガーッ!!



ライト「……と、とりあえず、まずはいきなり攻撃したことを謝ったほうがよさそうだね」

ノルン「う、うん……」





ライト「半人半神?」

ノルン「うん! だから、ほら。羽だって出せるよ?」パァァ

ライト「わぁ、すごい! 綺麗だね!」

ノルン「そ、そうかな? えへへ」///


キヨセ「……おい、ライト。なんで当たり前みたいにこいつを連れてきてるんだよ」イライラ


ライト「だって、ポーカーで『これからはキヨセと仲良くすること』って条件にしちゃったんだよ」

キヨセ「そんなの知るか! 捨てて来い!」


ノルン「……これだから下等な獣は」ボソッ


キヨセ「おいライト、こいつ仲良くする気が微塵もないぞ。一回ぶっとばしておこう」グググッ

ライト「あ、あはは……どうどう、落ち着いて」グググッ


ちょっと時間を空けます。




―――暗闇の樹海―――


ノルン「ホーリー・スフィア」パァァ

ライト「すごい! すっかり明るくなったね」

ノルン「私、光の魔法は特に得意なんだ」

ライト「そういえば最初に会った時も、光の魔法で……」


キヨセ「……」ギロッ


ライト「な、なんでもない……あはは」

ノルン「やだやだ、これだから魔物は」





ライト「魔物はたくさん見えるけど、離れて近寄っては来ないね」

ノルン「この光はただの光じゃなくて、魔物が嫌がる聖なる光だから」

ライト(……だからキヨセは僕の後ろに隠れてるのかな?)

ノルン「それでもときどきは襲ってくる魔物もいるけど……そういうのは私が返り討ちにしてあげるから、安心してね!」

ライト「なんかごめんね、付き合わせちゃって」

ノルン「ううん、いいの。もともと私も、この樹海に踏み込む機会を探してたところだし」

ライト「え? それってどういう―――」


キヨセ「お前ら、止まれ!」


ライト(……! なんだろう、樹海の奥から誰かが……)



↓+1 ライトたちが遭遇したものとは……



キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:(ポーカーにおいては使用できない)
野望:(行動の根幹となる。最重要)





リュウ「む……なにかと思えば、やはり聖なる術による光でござったか」スタスタ


ライト(こ、子供……? 子供がどうしてこんなところで、照明器具も持たずに?)

リュウ「なに、少しばかり夜目が効くだけでござるよ。それに齢12は拙者の里では成人でござる」

ライト「!?」ビクッ


ノルン「そ、その手に持ってるのって……!」

リュウ「これでござるか? これは近頃、樹海からふらりと外に出てきては街を襲う、オーガという魔物でござる」

ノルン「……首から上だけってことは」

リュウ「ポーカーで勝利して自害させたまでのこと。お主の復讐を取り上げてしまい、申し訳ござらん」

ノルン「!」ドキッ





リュウ「拙者はこのまま、この魔物の首を土産に近隣諸国を安心させたいのでござるが……」チラッ


キヨセ「……べつにそいつは知り合いでもなんでもないけどにゃ。獲物を横取りされて黙ってるつもりは無いにゃ」ザワッ

リュウ「武者修行、でござるか。争いは極力避けたいところでござるが……」


ライト「ちょ、ちょっとキヨセ! やめなって……!」

キヨセ「ライトは黙ってるにゃ。お前は私の下僕にゃ」

ライト「うっ……」


リュウ「……やれやれ。人間をポーカーで隷属させている魔物を見過ごすわけにもいかぬか」



リュウ「ベッド! 拙者が勝った暁には『お主がこれまで隷属させた者を解放する』でござる」

キヨセ「ベッドにゃ! じゃあ私が勝ったら『お前は私の奴隷』にゃ!」



キヨセ・リュウ「「ドロー!!」」バッ



↓+1 キヨセの役
↓+2 リュウの役





キヨセ「フォーカード(66)……悪くにゃい役だけどにゃ」

リュウ「ストレートフラッシュ(73)。天は拙者に味方しているようでござるな」

キヨセ「べつに奴隷なんて欲しくもなんともにゃいけどにゃ。それでも魔物の矜持ってものがあるにゃ」

リュウ「拙者にも人間としての矜持があるでござる」

キヨセ「……」チラッ


ライト「?」


キヨセ「ドロー!」バッ



↓+1 キヨセの再ドローの結果は……




奇数で一枚替えなので(66)-{(99)×(1/10)}=56



キヨセ「うっ……フルハウス(56)……」

リュウ「勝負あったでござるな」(73)

キヨセ「……」ギリッ


リュウ「さて、それでは契約通りライト殿の隷属は解除でござるな。これで晴れて自由の身でござるよ」

ライト「う、うん……ありがとう」


キヨセ「っ」ダッ


ライト「あっ、キヨセ! どこいくの!?」





リュウ「では、拙者はこれにて失礼いたす」クルッ

ノルン「あ……」

リュウ「拙者は別件でこの任務を仰せつかったまで。礼など言われる筋合いもないでござる」

ノルン「!」


リュウ「それより、キヨセ殿を追うのが先決でござろう」


ライト「! ノルン、キヨセの場所まで案内して!」

ノルン「う、うん! ホーリー・ガイド!」パァァ


リュウ「……お主たちとは、近いうちにまた出会うような気がするでござるな」ヒュッ


ライト「え? ……って、もういなくなってる……」




 ・・・



ライト「はぁ、はぁ……やっと見つけた」


キヨセ「!」ビクッ


ライト「あ……キヨセ、泣いてるの?」

キヨセ「な、泣くわけにゃいだろっ! なに言ってるのにゃ!!」ゴシゴシ

ライト「この樹海に来た当ては外れちゃったけど、また別のところに行けばいいじゃない。ね?」

キヨセ「……うるさいにゃ。もう私とは縁が切れたんだから、さっさとどこへでも行けばいいにゃ」

ライト「え? どうして?」

キヨセ「……?」

ライト「べつに縁は切れてないじゃないか。ただポーカーの呪縛がなくなっただけで、それがないと一緒にいちゃいけないわけでもないんだし」

キヨセ「え? え?」


ノルン「……。」





ライト「そもそもキヨセに勝手についてきたのは僕のほうだしね。あはは」

キヨセ「……それでいいのかにゃ?」

ライト「悪いことなんてないでしょ。ほら、今日はキヨセも調子が良くないみたいだし、近くの街に行って休もう? お魚も買ってあげるからさ」

キヨセ「!」

ライト「ほら、キヨセ」スッ

キヨセ「…………こほん。しょうがないな。ライトは弱いから、私がいないと大変だからな」ギュッ

ライト「そ、そこまで弱くはないよ!」

キヨセ「にゃはは。ほらお魚係、さっさと帰るぞ!」スタスタ

ライト「あ、ちょっと! もう、勝手なんだから……」





ノルン「……」


ライト「あ、ノルン。早く行こう、キヨセを見失っちゃう」

ノルン「あれが、魔物……? これじゃあ、まるで……」

ライト「……ノルン?」

ノルン「あっ。そ、そうだね、行こっか!」スタスタ

ライト「?」





―――ノルンの小国―――



ライト(暗闇の樹海から帰ってきた僕たちは2日後、樹海から一番近かったノルンの出身地である小国を訪れていた)


ライト「四天王?」

ノルン「そう。この辺りで暴れて被害を出していたオーガも、四天王の一人の差し金だったみたい」

ライト「へぇ……」

ノルン「この国も、いろんな被害を受けててね。私の友達も、酷い目に遭っちゃったんだ」

ライト「だから、暗闇の樹海に行く機会を窺ってたんだね」

ノルン「うん。でも一人じゃ何があるかわからないし、かといって危ないところに誘える仲間もいないしで、困ってたの」

ライト「結局、僕達が行く前に片付いちゃってたみたいだけどね」

ノルン「う、うん」





リュウ「もう少しタイミングが異なれば、あるいは拙者も危ない橋を渡らずに共闘できたやもしれないでござるな。面目ない」


キヨセ「……なにシレっと混ざってんだお前」

ライト「まぁまぁ。おかげで事件の黒幕が四天王だって教えてもらえたんだから」

キヨセ「それがわかってどうするんだよ」

ライト「そんなの、四天王を倒しに行くに決まってるじゃない!」

キヨセ「……四天王である『獣王』を目指す私にそれを言うか?」

ライト「もし悪さしてるのが獣王だったら、倒せばキヨセが新しい獣王じゃない」

キヨセ「……」





リュウ「今の獣王はあまり表だって悪名を轟かせるようなことはないらしいでござるがな。ともあれ、放置はできぬでござろう」

ノルン「私も放ってはおけないよ! 平和が自慢だったうちの国に、これ以上の被害は絶対に出させない!」

リュウ「もし四天王を討つということであれば、拙者も同行したいと思うが……そちらのお二人は如何する?」


ライト「僕は行くよ。僕が旅に出た理由とも一致するしね!」

キヨセ「私は……」チラッ

ライト「……」ジッ

キヨセ「……まぁ、良い腕試しにはなるかな」

ライト「!」パァァ





リュウ「決まりでござるな」

キヨセ「言っとくけど、私はお前を仲間とは思ってないからな!」ジロッ

リュウ「承知してるでござるよ。仲間というのは、特別でござるからな」

キヨセ「……!」ギクッ


ライト「?」





リュウ「四天王が潜伏している場所の目星はついてるでござるが、念のためにもう少しこちらで調査をしておくでござる」


ライト「それじゃあその間、僕たちは出発の準備を整えておこう!」

ノルン「うん!」

キヨセ「……ん」コクッ





 ・・・



ライト「できれば出発の準備は急いだほうが良いよね。四天王が別の場所に移動しちゃうかもしれないし」

ノルン「そうなったら私の魔法で追跡するから、大丈夫だよ!」

ライト「そんなこともできるの?」

ノルン「うん! 人を正しい方向へ導くのが私の能力だからね」

ライト「そっか。じゃあきちんと準備を万全にした方がいいね」

ノルン「……ライトは、魔王を倒すために旅をしてるんだよね?」

ライト「魔王じゃなくても、とにかくすごいことを成し遂げたいんだ。だから四天王を倒すのも、目的の一部だよ」

ノルン「ん、そっか」

ライト「危ないことに巻き込まれたなんて、ちっとも思ってないよ。僕たちは僕たちの意思で動いてるんだから」

ノルン「……う、うん」///





ノルン「そっちのあなたは、魔物を倒しに行くのに抵抗はないの?」

キヨセ「べつに。私は獣王にさえなれればそれでいい」

ノルン「そう。……どうして獣王になりたいの?」

キヨセ「お前には関係ない」

ノルン「……ふん」


ライト「もう、キヨセもそんな言いかたしなくても」

キヨセ「なんだよ、その女の肩を持つのか?」

ライト「そういうわけじゃないけどさ。一緒に行動してる仲間なんだから、仲良くしようよ」

キヨセ「……仲間、ね」プイッ

ライト「?」





 ・・・


リュウ「やはりあのオーガが、四天王のアジトから現れたことは間違いないようでござる」

ライト「アジトの場所はわかったの?」

リュウ「もちろん。ただし配下の魔物も多いようでござるから、陽動部隊と奇襲部隊に別れるのが得策でござろう」

ライト「陽動?」

リュウ「まず陽動部隊が正面から攻めて、その騒ぎに乗じて奇襲部隊が手薄な警備をかいくぐり、四天王に挑むという算段でござる」

ライト「……なるほど」





ライト「じゃあみんな、誰と組みたいっていう希望はある?」

リュウ「拙者は誰でも」

ノルン「人間となら、誰でも」

キヨセ「…………消去法で、ライトがいい。消去法でな」


ライト「じゃあ、僕とキヨセ、ノルンとリュウって組み合わせになるね」

リュウ「能力の傾向から考えて、拙者とノルン殿が陽動の方が向いているでござるな」

ライト「そうだね、僕たちは派手な術とかもないし……。よし、それじゃあ僕とキヨセで四天王を奇襲しよう!」

リュウ「何かあれば、すぐに駆けつけるでござる。安心召されよ」

ライト「ありがとう!」


ライト「それじゃあ、四天王のアジトに向けて出発しよう!」





―――山奥の古城(四天王のアジト)―――



ノルン「ホーリー・レイ!」パァァ!!

リュウ「火遁の術!」ゴォォ!!


 ズガァァアンッ!!




ライト「始まった! よし、僕たちはこの隙に、城壁を伝って侵入しよう」スッ

キヨセ「そのヒモは何に使うんだ?」

ライト「え? いや、城壁の上の方に引っかけて、よじ登ろうと……」

キヨセ「乗れ」クイッ

ライト「へ?」

キヨセ「跳ぶから、私の背中に乗れって言ってるんだ。その方が早い」

ライト「え、いや、でも……」///

キヨセ「もたもたするな、ほら」グイッ

ライト「わぁ!?」

キヨセ「舌、噛むにゃよ?」ザワッ


 ダンッ!!


ライト(うわぁぁぁああああ!?)





 ・・・


ライト「……し、死ぬかと思った」

キヨセ「大袈裟なやつだな。それより、四天王はどこにいる?」

ライト「こういうお城とかの場合、だいたい偉い人っていうのは最上階って相場が決まってるよ」

キヨセ「そうか。それならさっさと向かう……あっ」

ライト「うわ、魔物だ! さっそく見つかっちゃった!」

キヨセ「蹴散らすから、ぴったり後ろをついて来い。遅れるにゃよ!!」ダッ

ライト「う、うん!」ダッ





 ・・・


ライト「……はぁ、はぁ。ここが最上階か」

キヨセ「開けるぞ」グッ

ライト「あ、うん」


 ギギギッ…


ライト「……!!」



↓+2 そこに待ち受けていたのは……



キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:(ポーカーにおいては使用できない)
野望:(行動の根幹となる。最重要)





ベッセ「……フム……人間と、獣人か。獣人の方はなかなかやりそうだな」


ライト(トカゲの獣人……! 見るからに目つきが危ないな)


ベッセ「人間の方は弱そうだが、しかし意外にポーカーの才能はあったりするかもしれん。フム、フム」

キヨセ「……お前、四天王か?」

ベッセ「まぁ、そうなるな。たしか獣王とか呼ばれてたような気がするが」

キヨセ「!!」

ベッセ「しかしそんなつまらない肩書きなどどうだって良い。そんなことより……」

キヨセ「つ、つまらないだと!?」

ベッセ「なにか気に障ったか? ああそうだ、欲しいならくれてやるぞ。ほら、今日からお前が獣王だ。よかったな」

キヨセ「お前……!!」ザワッ…!!





ライト「ちょっとキヨセ、落ち着いて! 相手のペースに嵌ったらだめだよ」

キヨセ「う……」


ベッセ「ところでお前、どうして人間なんかと一緒に行動している? 服も、まるで人の子のような服装だ」

キヨセ「ど、どうだっていいにゃ、そんなこと」

ベッセ「いや、どうでも良くはないぞ。それによって、お前に課す命令が変わってくるしな」

キヨセ「!」

ベッセ「そうか、人間と仲が良いのだな? それなら、お前たちで殺し合わせるというのは面白そうだ。フム、良い考えだ」

キヨセ「っ!!」

ベッセ「それから、このあいだのオーガのように、どこかの国でも襲いに行ってもらおうか」

キヨセ「……自分が負けるって考えは無いのかにゃ」

ベッセ「面白いことを追及して死ぬのなら本望だろう。退屈に生きていても仕方あるまい」


ベッセ「さぁ、ベッドだ。お前が負けたら『そこの男を殺して、どこかの町を滅ぼして来い』」

キヨセ「……ベ、ベッドにゃ! 私が勝ったら……『魔力を失った上で、私の命令に従う』にゃ!」


キヨセ・ベッセ「「ドロー!!」」バッ


↓+1 キヨセの役
↓+2 ベッセの役





キヨセ「う、あ……そんな……」(06)

ベッセ「その魔力量……もしやブタか? おいおいそれはさすがに興醒めだぞ」(77)


ライト(と、とんでもない差だ……! これじゃあ、再ドローしたって逆転は絶対に無理じゃないか!)


ベッセ「もういい。さっさと終わらせてくれ。こんな退屈な戦いに意味などない」

キヨセ「……う」フラッ


ライト「キヨセ!」ダッ

キヨセ「こんにゃことって……嘘だ、こんにゃの……」

ライト「し、しっかりしてよ! 落ち着いて!」

キヨセ「でも……だって、このままじゃ、私……」

ライト「たしかに、僕を殺さなくちゃいけないけど……でも、そのためにはポーカーで僕に勝つ必要があるでしょ?」

キヨセ「……」

ライト「あはは、前はちょっと不覚を取ったけど、次は負けないよ! だから、大丈夫だから。ね?」





ベッセ「話はまとまったか? 何でもいいから早く終わらせてくれ。俺は退屈が死ぬほど嫌いなんだ」


ライト(キヨセと戦うことになったとして、それだけでも勝てるかどうかはわからないのに、その上あの獣人まで……)

ライト(かなり厳しい戦いになるけど、こういう修羅場を迎えることは、旅に出る時に覚悟はしてた)

ライト(今まで守ってもらってばっかりだった分、ここで僕が命を懸ける!)


ベッセ「どうするんだ。答えを聞こう」


キヨセ「……」



キヨセ「…………ド……ドロップ(棄権)するにゃ……」





ライト「キヨセ!?」

ベッセ「……ふん。本当に時間の無駄だった。もういい、俺は行くぞ」スタスタ

ライト「あっ、ま、待て!」


キヨセ「うにゃぁあああ!?」バチバチッ!!


ライト「!? キ、キヨセ!?」

キヨセ「う、あ……魔力が……抜けてく……」シュゥゥ


ライト(ポーカーでドロップすると、すべての魔力を失って、二度とポーカーや魔法、能力は使えなくなる……)

ライト(くそ、あの獣人、もういなくなってる!)





キヨセ「うっ、ぐすっ……」ポロポロ

ライト「キヨセ、どうして……」

キヨセ「知らないにゃ! 自分でも、よくわかんにゃいけど……気が付いたらああしてたんだにゃ!!」

ライト「……ごめん、僕のせいだよね」

キヨセ「ちがう、にゃ……私が弱かったのが、悪いんだにゃ」

ライト「でもキヨセ、獣王になりたいって言ってたのに、これじゃあ……」

キヨセ「……それ、今言うにゃよ、ばか」

ライト「ご、ごめん」

キヨセ「……。……ちょっとだけ、胸貸せ、お魚係」ギュッ

ライト「……うん」





 ・・・


ライト(その後、古城の前で陽動をしてくれていたノルンとリュウに合流して、僕たちはその場を離れることになった)



リュウ「……そう、でござるか。魔力をすべて失ったと……」

ライト「うん、ごめん……せっかく陽動してくれてたのに」

リュウ「思い通りの結果が残せずとも、お二人がこうして戻ってこれただけでも僥倖でござるよ」

ライト「……ありがとう、リュウ」





ノルン「……」

キヨセ「なんだよ」

ノルン「え? あ、いや……」

キヨセ「笑いたきゃ笑えばいい」

ノルン「そんなことしないよ。そもそもあなたは私たちに連れて来られたみたいな形だったのに、一番危ない役をやらせちゃって……ごめん」

キヨセ「そんなの関係ないだろ。本当かは知らないけど、あいつは獣王だと名乗った。私は負けちゃいけなかったんだ……なのに……」

ノルン「……」





リュウ「ともかく、そろそろ陽が沈んでしまう。その前に街へと戻って体を休めるでござるよ」

ライト「……うん、そうだね」


キヨセ「な、なぁ」

ライト「ん?」

キヨセ「私、魔力がなくなったから、能力が使えなくって……」

ライト「あっ。そっか、今までは人間に化けてたから街にも入れてたけど、そうじゃなかったらマズい事になるね」

キヨセ「……」





ノルン「良かったら、私の帽子を使う?」

キヨセ「え?」

ノルン「日除けのために買ったはいいけど、あんまり使わないから。ほら、耳さえ隠せば十分人間に見えるよ」

キヨセ「い、いいのか?」

ノルン「うん!」

キヨセ「……。……がと」ボソッ





―――ノルンの小国―――


リュウ「―――というわけで、どうやら例の四天王は別の土地へと移って行ったようでござる」

ライト「そうなんだ。それじゃあ、一応この辺りは安全ってことになるのかな」

リュウ「逆に言えば、どこかで別の誰かが苦しめられるということでござるがな」

ライト「う……それは、そうだね。安心なんてしてられないか」

リュウ「ともあれ、これで拙者は与えられた任務を果たしたわけでござる。それに、ノルン殿も目的を達成しているようでござるしな」

ライト「ノルンも?」

リュウ「彼女の目的は、この国の平和を守ること……オーガを倒し、四天王を退けた今、この国は平和でござろう」

ライト「そっか。それじゃあ、ここで二人とはお別れって事になるのかな」

リュウ「拙者は命令一つでどこへでも飛び回る、雇われの身。この先また出会うこともあろう」

ライト「……ほんと、普段はどこにでもいる普通の男の子みたいなのに、すごいなぁ」

リュウ「ふ。世を忍ぶのも、拙者らの仕事でござる」





ライト「さて、と。お魚も買ったし、そろそろ宿に戻ろっか」

リュウ「そうでござるな。魔力を失ったとはいえ、キヨセ殿が暴れ出せば手に負えぬでござるからな」

ライト「あはは、その通りだね。じゃあ―――」

リュウ「!」ピクッ

ライト「リュウ? どうかした?」

リュウ「いやなに、視線を感じただけの事でござる」

ライト「え?」



↓+2 ライトたちの前に現れたのは……



キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:(ポーカーにおいては使用できない)
野望:(行動の根幹となる。最重要)





エルン「やーやー、キミたち! どーも初めましてっ!」


ライト(全身甲冑? 声からして女の人みたいだけど……っていうか僕たちに話しかけてるのかな?)

リュウ「……」


エルン「あれれ……返事も無しかぁ。ノリが悪いぞ~、少年たち!」

ライト「え、あ、すみません」

エルン「お、素直だねぇ。感心な若者だ! お姉さん嬉しいぞぉ!」

ライト「はぁ……」





ライト「えっと、もしかしてリュウの知り合いだったりする?」

リュウ「知り合いではござらんが、知り合ってはいるといったところでござるな」

ライト「え?」

リュウ「以前、あの者は自分たちの組織の計画を、拙者によって崩されてしまったことを知らされていて、そして拙者はその事情を今知った……ということでござる」

ライト「!」

リュウ「ライト殿、少し離れているでござる」ザッ





エルン「……ふ~ん。噂通り、心が読めるんだね。きもちわるーい」

リュウ「全身が骨だけのお主に気持ち悪いと評されるのは、心外でござるな」

エルン「かっちーん。お姉さん怒っちゃったぜ~?」

リュウ「その飄々とした態度の裏で、初めから怒りに燃えていたでござろう」

エルン「そりゃ、おかげさまで全世界アンデッド計画が延期にされちゃったからね~。もうハラワタ煮えくり返ってるっつーのー」

リュウ「ハラワタはとうに失っているでござろう?」

エルン「うわー、なっまいきー♪ ……こりゃちょっと、お灸を据えてやんなきゃなんないね」


リュウ「ベッド! 拙者が勝った暁には『自らの首を斬り落としてもらう』でござる!」

エルン「ベッド! 私が勝ったら『うちのご主人の手駒になってもらう』わよん!」


リュウ・エルン「「ドロー!!」」バッ



↓+1 リュウの役
↓+2 エルンの役





リュウ「ふ。口ほどにもない」(56)

エルン「うぐ……くっそー、まじか」(10)


ライト(や、やっぱり強い……! あの暗闇の樹海に単身乗り込んで、オーガを始末してくるだけのことはある!)


リュウ「さて、如何する? 拙者としては、無茶はせずにドロップすることをお勧め致すが」

エルン「……へっ、冗~談っ! 私に後退の二文字はないんだよね!!」


エルン「ドロー!!」バッ



↓+1 エルンの再ドローの結果は……





奇数で5枚替えなので、(10)-{(49)×(5/10)}=0


エルン「……うっわ……まじか」

リュウ「この道……人通りが少なくてよかったでござる。子供には刺激が強いでござるからな」

エルン「!」ガクン

リュウ「さぁ、約束通り―――自らの首を斬り落としてもらうでござる!!」

エルン「っ……」グググッ…


ライト(自分の意思とは関係なく、腕が動いているんだ……!)ゾクッ


エルン「ふふっ……あっははは! やっぱり、ポーカーの最中には心は読めないみたいだね」

リュウ「?」


 ザクッ!!


ライト「!!」





エルン「ほら。自分の首を斬り落としたよ。これで満足?」フワフワ

リュウ「これは……!」

エルン「あっはは! アンデッドを殺そうだなんて、百年早いよ! 首を切り離したって、私は死なないんだからさ!」

リュウ「……」

エルン「さぁ、もう一度勝負だよ! さっきは負けちゃったけど、今度はどうかな? あはははは!」

リュウ「お主の運は、どうやら使い果たしたようでござるな」

エルン「へ?」


ノルン「ホーリー・レイ!!」パァァ


エルン「ぎゃぁぁああああっ!?」ジュワッ





エルン「ひぃぃ! 痛い! 熱いぃ!!」ジタバタ

リュウ「首を斬り落として死なずとも、アンデッドならば、ノルン殿の聖なる術は効果覿面でござろう」

エルン「せ、聖魔法だとぉ……!? ぐっ……このぉ!!」バッ


ノルン「ホーリー・アロー!!」ピキュンッ


エルン「ひぎゃっ!? ちょ、タンマタンマ!! ……く、くそっ、覚えてろよぉー!!!」ダッ





ノルン「もう……やけに遅いから心配になって来てみれば」

リュウ「いやはや、助かったでござる、ノルン殿」

ライト「どうする? あれ、追いかける?」

リュウ「あの手傷では、しばらくは戦えないでござろう。放っておくでござるよ」



ノルン「……あ、ところでライト。キヨセがおなか減ったって喚いてたよ?」

ライト「ああっ! い、急いで宿に戻ろう!!」ダッ

リュウ「ふ。やれやれ、忙しいでござるなぁ」


今日はここまでです。おやすみなさい。




 ・・・


ライト「……え?」

ノルン「だから、私もあなたたちについて行くって言ったの!」

ライト「な、なんで? ノルンの目的は、自分の故郷を守ることじゃないの?」

ノルン「そうだよ。その目的は今だって変わってない」

ライト「じゃあ……」

ノルン「あんな危ない四天王みたいなのがいつ現れるかわからない状態を、平和だなんて言えないよ」

ライト「!」

ノルン「それに……友達の復讐もそうだし、魔物が憎いって気持ちもあるけどさ。それ以上に、あなたたちと一緒に旅がしたくなったの」

ライト「僕たちと?」

ノルン「どこにでもいそうなただの人間と、まるで人間みたいな獣人。あなたたちがどうなっていくのが、興味が湧いちゃった」

ライト「あはは……まるで珍獣みたいな扱いだ」

ノルン「私には人を導く能力があるから、魔王に辿り着くには便利だと思うよ?」

ライト「あ、なるほど。そういえば魔王の居場所を探してたところだったんだ」

ノルン「それから…………ううん、それはいっか。とにかく、私はあなたたちについていくから、そのつもりでね!」

ライト「うん、わかったよ。これからよろしくね」

ノルン「うん!」





ライト「キヨセもそういうことでいい?」

キヨセ「……なぁ、なんか当たり前みたいに私がついていくことになってるけどさ」

ライト「え!? き、来てくれないの……?」

キヨセ「い、いや、そうじゃなくて……! だって私、もうポーカーもできないんだぞ? こんなんじゃ、もう獣王にだって……」

ライト「諦めない限り、きっと目的を果たす道は残ってると思うよ」

キヨセ「え?」

ライト「キヨセがどうして獣王になりたいのかは知らないけど、こうして一緒に戦う以上、キヨセの目的を果たす協力をさせてほしいな」

キヨセ「……」

ライト「それにキヨセ、魔力がなくても僕なんかより十分強いしね……あはは」

キヨセ「……わかったよ。仕方ないな、乗り掛かった舟だ、最後まで面倒見てやるよ」

ライト「ありがと、キヨセ」

キヨセ「うっ……うん」プイッ





ライト「リュウは別の任務があるとかで別れちゃったけど、リュウの言ってた通り、またすぐに出会えるような気がするな」

ノルン「そうだね。縁があったら、また巡り合えるよ」

キヨセ「くたばってなかったらな」

ライト「もう、縁起でもないなぁ……」


ノルン「それじゃあ魔王のいる場所に向けて、出発しようか」

ライト「うん。道案内よろしくね、ノルン」

ノルン「えへへ、まかせて!」





 ・・・


ライト(なんだかんだ、僕たちが旅に出てから一ヶ月くらいが経とうとしていた)

ライト(その間いろいろなことがあったけど、僕たちは力を合わせてなんとか乗り切ってきた)

ライト(ときどきリュウとも再会して助けてもらったり、それから新しい出会いや別れを繰り返して……)


ライト(そして僕たちは、ついに魔王がいるという大陸に辿り着いた)





ライト「ここまで長かったね」

ノルン「多分距離で言ったら、魔王がいる大陸奥地まではまだまだかかると思うけどね」

キヨセ「どんどん魔物も強くなっていくだろうし、今までみたいに無計画に歩くだけじゃだめにゃ」

ノルン「そうだね。ライトってば前進あるのみって感じだもんねー」

キヨセ「たまには頭を使ってほしいにゃ」

ノルン「ほんとほんと」

ライト「どうしよう、パーティの仲間からの信用がない!」ガーン





―――街―――


ノルン「さっき降りた船の船長さんが言ってたのって、この街のことかな?」

ライト「多分そうだね。この大陸は街もまばらだから、一つ一つの街でしっかり休息や準備を整えたほうがいいだろうね」

キヨセ「このまま内陸の方に進むと魚が少なくなってくるから、しっかり確保しとくにゃ、お魚係」

ライト「はいはい……」

ノルン「なんだか活気がない街だね。もともとこんな感じなのかな? それとも……」

キヨセ「近頃、なにか面倒なことが起こったか……だにゃ」

ライト「……ん?」



↓+2 その時、ライトが視線の先に捉えたのは……



キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:(ポーカーにおいては使用できない)
野望:(行動の根幹となる。最重要)





ホルン「……」サッ



ライト「今のは……?」

ノルン「ライト、どうかした?」

ライト「あ、いや……なんかこっちを見てる女の人がいたような気がして」

キヨセ「だからって、鼻の下伸ばすのはやめるにゃ」

ライト「の、伸ばしてないって!」





ノルン「なんかこの街、変じゃない?」

ライト「変?」

ノルン「だって、さっきから一人も男の人が見当たらないんだよ」

ライト「え……あ、たしかに」

ノルン「でしょ? もしかして、この街に活気がなくなってる原因は、そこにあるのかも」

ライト「……気になるね。ちょっと二手に分かれて、聞き込みしてみようか」

ノルン「そうだね。じゃあ私はこっち、ライトはそっちね」

ライト「わかった。気をつけてね」

キヨセ「え、私はどうするにゃ?」

ライト「お小遣いあげるから、これでなんか食べてて」

キヨセ「にゃんだその扱いはー! うにゃーっ!!」





 ・・・


ライト「街中の男たちが次々に姿を消してしまっている……か。いったい、なにがあったんだろう?」スタスタ


ホルン「知りたいですかぁ?」


ライト「!?」ビクッ

ホルン「初めまして。うふふ、私はホルン。よろしくお願いしますねぇ」

ライト(うわ、すごい美人……というか、僕たちがこの街に来た時、こっちを見てた女の人じゃないか?)

ホルン「良ければ、私と遊びませんかぁ? 予定が潰れちゃって、暇で仕方がないんです」

ライト「はぁ……そうなんですか。でも僕、用事がありますから」

ホルン「そんなこと言わないで、ちょっとだけですから……ね?」ジッ

ライト(な、なんだろう? あの人の目を見てたら、胸がどきどきしてきたぞ)





ライト「もしかして、この街で起こった事件のことを知ってるんですか?」

ホルン「はい。というより、この街に住んでいれば誰でも知っていることですけど」

ライト「まるで夢遊病のように、夜になると男がふらふらと消えてしまうという噂ですか?」

ホルン「ええ。ですけど私は、もっと踏み込んだ情報を持っていますよ?」

ライト「え? 本当ですか?」

ホルン「本当ですよぉ。こんなことで嘘をついてどうするんですか。うふふ」

ライト「良ければ、教えてくれませんか? 僕は部外者ですけど、この街の人が困っているのなら、放っておけません」

ホルン「もちろん、教えて差し上げます。知らないままでは、あなたまで消えてしまうかもしれませんしねぇ」

ライト(そうか、男が消えるというのなら、僕だってその恐れはあるわけか)





ホルン「ですけど、ここでは誰が聞いているかわかりません。すぐそこですから、私の住んでいる宿まで来ていただけますかぁ?」

ライト「あ、それじゃあ僕の仲間にも声をかけて……」

ホルン「もう。私が誰にも聞かせないようにしている意味を、理解してくれていないみたいですねぇ」

ライト「え?」

ホルン「女の人が聞くと、少し面倒なことになる事情があるんです。じゃなかったら、私が街の人たちに言いふらしてますよぉ」

ライト「面倒な事情、ですか」

ホルン「今はピンとこないと思いますけど、聞けばなるほどと納得してくれると思いますよ。お仲間に話すかどうかは、あなたが聞いた後で判断してください」

ライト「……わかりました」

ホルン「うふふ、素直な男の人は大好きです。それじゃあ、ついてきてくださいねぇ」スタスタ

ライト「は、はい」





―――宿―――


ライト(……「汗かいちゃったから、ちょっとシャワーを浴びますねぇ」なんて言われてから、10分くらい待ってるけど)

ライト(流れでついてきちゃったけど、良かったのかなぁ。もし遅くなるようなら、キヨセもノルンも心配させちゃうかも)

ライト(まぁあの二人がその気になれば、匂いとか魔法で僕の居場所なんてすぐに突き止められるとは思うけど)


ホルン「ごめんなさい、お待たせしましたぁ」ガチャッ


ライト「ちょっ!? な、なんでバスタオルだけなんですか!?」

ホルン「そういえば今朝洗濯したばっかりだって事を忘れてまして。外に出るわけじゃないですから、お見苦しいですけどこれで我慢してください」

ライト「いや、でも……」

ホルン「お隣、失礼しますねぇ」ポスッ

ライト「っ!?」ビクッ

ホルン「さて、何から話したものでしょうかぁ」

ライト(いやいやいや! いろいろ見えそうで、お話どころじゃないんですけど!)ドキドキ





ホルン「あ、そういえば。ご一緒に旅をされている、あのお二人は……もしかして、どちらかと恋人だったりするんでしょうかぁ?」

ライト「い、いえ。まぁ大切な仲間ではありますけど……」

ホルン「そうなんですかぁ。それは素敵ですねぇ。うふふ」

ライト「なんで嬉しそうなんですか?」

ホルン「嬉しくなんて……いえ、そうですね。じつはちょっぴり、嬉しかったりします」

ライト「?」

ホルン「だって、こんなことしたって許されるんですものねぇ」ムニュ

ライト「ちょっ!? な、なんかいろいろ当たってますよ!?」

ホルン「うふふ、当ててるんですよぉ」





ライト「あ、あの! それよりも、この街で起きている事件についてのお話を聞きたいんですけど」

ホルン「……そんないつだってできるお話の方が、私よりも大事なんですかぁ?」

ライト「へ?」

ホルン「からかってるって、思ってます?」ムニュ

ライト「うっ……いや、だって……」///

ホルン「……ライトさんは、一目惚れって信じますかぁ?」

ライト「え……」

ホルン「私は今日まで信じてませんでした。でも、ちょっと考えを改めます」グイッ

ライト「え、ちょ、ちょっと……?」ドサッ

ホルン「あのお仲間のお二人が、させてくれないことを……させてあげます」ギュッ

ライト「……っ!!」





ライト(なんだか、この人を見てるとすごくドキドキする……)

ライト(初めて会った時から……って、これってもしかして、一目惚れってやつなのかな)

ライト(ほとんど裸で抱き付かれて、なんだか、もう何も考えられなく……)


ホルン「うふふ、すっごくドキドキしてくれてますねぇ。とっても、嬉しいです」///


ライト(こ、このままじゃ……)



 ガッシャァァン!!


キヨセ「な、にゃ、なにやってるにゃあーっ!!!」///



ライト「キヨセ!?」///

ホルン「……!」





ライト「ど、どうしてここに……?」

キヨセ「風に乗ってきたライトの匂いに、変な匂いが混じってたから追ってきたのにゃ! そしたら……こ、こんにゃ……!」///

ライト「ち、違うってば! 誤解だよ! 僕はただ、この人が街の事件について知ってるって言うから……」

キヨセ「そりゃ詳しいだろうにゃ。だって香水で誤魔化してはいるけど、そいつ、人間の匂いじゃないにゃ!」

ライト「!?」


ホルン「…………下等種族の獣人風情が、私の邪魔をしないでほしいんですけどねぇ」


ライト「っ!!」バッ





ホルン「あーあ、もうひと押しだったんですけど……残念です」

ライト「あ、あなたは……もしかして、この事件の黒幕……?」

ホルン「さぁ、どうでしょう? 私に勝てたら教えてあげても良いですよぉ」

ライト「……わかった。受けて立つよ」


キヨセ「ライト、ノルンが来るまで戦うのは待った方が良いんじゃにゃいか?」

ライト「心配してくれてありがとう。でも、僕だって今日までずっと戦い続けて、いくつも修羅場は潜ってきたつもりだよ。信用してほしいな」

キヨセ「……し、心配なんてしてないにゃ! わかったにゃ、勝手にすればいいにゃ」


ホルン「それじゃあ、始めますよぉ?」


ライト「ベッド! きみが負けたら『僕の言うことを聞いてもらう』よ!」

ホルン「ベッド。あなたが負けたら『私のハーレムに加わってもらいます』からねぇ」


ライト・ホルン「「ドロー!!」」バッ



↓+1 ライトの役
↓+2 ホルンの役





ライト「……これは……!?」(73)

ホルン「も、もしかして、まったくの互角ですかぁ……?」(73)


ライト(お互いにストレートフラッシュ……! 僕もそれなりに強くなったと思ってたけど、さすがに魔王のいるという大陸だ……)


ホルン「……ふふ。もしかしたら私たち、本当に相性が良かったのかもしれませんねぇ」

ライト「どうだろうね。だけどもちろん、負ける気はないよ!」

ホルン「うふふ、気が合いますねぇ」


ライト・ホルン「「ドロー!!」」バッ


↓+1 ライトの役
↓+2 ホルンの役





 ライトは奇数で一枚替えなので(73)-{(39)×(1/10)}=69
 ホルンは偶数で一枚替えなので(73)+{(98)×(1/10)}=82



ライト「……!!」

ホルン「うふ……うふふふっ! ごめんなさい、私の勝ちみたいですねぇ」


ライト(僕の能力を使っても(79)……マイナス分を取り返せない……!)


ホルン「契約通り、今からあなたは私のハーレムの一員です! うふふ、この私をちょっとだけヒヤリとさせてくれるなんて、素敵です」

ライト「くっ……」


キヨセ「ラ、ライト……」

ライト「ごめん、キヨセ……こんなところで負けちゃうなんて……」





ホルン「それでは、目的も果たしましたし失礼しますねぇ。ライトさんは、ついて来て下さい」スタスタ

ライト「か、体が勝手に……!」スタスタ


キヨセ「ライト!」バッ


ライト「待ってキヨセ!」

キヨセ「!」

ライト「この街の男たちが支配下にあるって事は、操って戦わせることもできるかもしれない! キヨセは一旦、ノルンにこの事を伝えて来て!」

キヨセ「だ、だけど……」


ホルン「邪魔をするようなら、容赦はしませんよぉ? 私、女には手加減しませんから」ジロッ


キヨセ「……っ、ごめん、待っててくれにゃ!」ダッ


ホルン「……ふん。まぁ、いいです。今の私はあなたが手に入ったので機嫌がいいですから。あんな猫一匹、見逃してあげます」

ライト「……。」

ホルン「うふふ、それでは行きましょうか。私たちの愛の巣へ……」





ホルン「なるほど、魔王を倒すためにここまで来たんですねぇ」

ライト「……まぁ」

ホルン「私に負けるようでは望みは薄いと思いますけど、でもこの大陸までたどり着けた実力は買われるかもしれませんねぇ」

ライト「……」

ホルン「どうですか? もしその気があれば、魔王に会ってみますか?」

ライト「えっ!?」

ホルン「うふふ。やっとまともに反応してくれましたねぇ。せっかく私のハーレムに加わってもらったのに、仏頂面では面白くありません」

ライト「魔王と知り合いなんですか?」

ホルン「べつに親しいわけではありませんけど、この大陸にいる魔物はみんな、年に数回は城にお呼ばれしてますねぇ」

ライト「そ、そう、なんだ……」





ホルン「ライトさんがどうしてもと言うのなら、魔王城へと連れて行ってあげても構いませんよ?」

ライト「……どうして、そんなことを?」

ホルン「私の能力で虜にしてしまうのは簡単ですけど……でもどうせなら、本心から好いてもらいたいじゃありませんか」

ライト「だから、僕に協力してくれると?」

ホルン「私は無理やり押さえつけたり縛りつけたりはしたくはないんです。なるべく皆さんには自由にさせてあげるのがポリシーですから」

ライト「魔王のところに連れて行ってくれるって言うなら、願ってもない事だけど……」

ホルン「うふふ、いいですよ。ただし私がライトさんの望みを叶えてあげるんですから、見返りを期待していますからねぇ」

ライト「……いいよ。その誘い、乗った」

ホルン「そう来なくては♪ すぐに出発しましょう……うふふ」





―――魔王城―――



ライト「ここが……魔王城?」

ホルン「そうですよぉ。うふふ、今更帰りたくなったって言っても遅いですからねぇ」


ライト(過酷な自然の中に大きな城が経っているのは異様な光景だなぁ)


ホルン「ライトさんは人間ですから、もしかしたら門前払いされるかもしれませんけど……ちょっと門番と話してきますから、待っててくださいねぇ」スタスタ

ライト「う、うん……」





 ・・・


ホルン「お城の中に入れてもらえてよかったですねぇ。門番がオスの魔物で助かりましたぁ」

ライト「……まさか、こんなにあっさりとお城の中に入れるだなんて」

ホルン「魔王に出会ったらどうするんですか?」

ライト「それは……もちろん、戦いを挑むよ。無謀かもしれないけど、僕はそのためにここまで旅を続けてきたんだ」

ホルン「そうですかぁ。それでは私は応援していますねぇ」

ライト「あなたも魔物なんでしょう? 魔王に勝ってほしいんじゃないの?」

ホルン「うふふ。私、魔王はあんまり好きじゃないですから。ライトさんのことを応援してますよ」

ライト「……そう」

ホルン「その扉を開けたら、もう後戻りはできませんよぉ?」

ライト「後戻りなんて、するつもりはないよ」グッ


 ギギギッ…



↓+1 そこに待ち受けていた魔王は……



キャラクター作成シート

名前:(呼び名で3文字以内。フルネームは長くても可)
性別:
種族:(ポーカーが難なくできそうな種族)
所属:(どのような勢力に属しているのか。無所属可)
性格:
特徴:
能力:(ポーカーにおいては使用できない)
野望:(行動の根幹となる。最重要)


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