禁書です。時系列あいまいなのとオリジナル能力者出してますがご容赦ください。
あと暴力的なシーンも軽くございます。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440122065
あっあと地の文少しございますのでうわってならない方よろしくです。
一方通行「どういうことだァ…?説明しろ!」
黄泉川「そのままの意味じゃん…。打ち止めが一人でコンビニに行き、能力者の集団にさらわれた…。車で連れてかれたそうだよ。目撃者がいたってのは幸いじゃん」
『幸い 』と言いながらも黄泉川愛穂の口調からは怒りが容易に読み取れる。
一方通行「能力者の集団だァ?なンでそンな奴らにあいつが狙われてンだ……っておい、まさか」
黄泉川「あぁ…あんま言いたくないんだが、一方通行。お前への復讐ってのが奴らの目的らしいじゃん…」
一方通行「…俺が絡まれてブッ倒した奴らかァ?そンで仲間集めて仲良く復讐ってかァ? ひゃはっ。雑魚どもがガキみてェなつまンねェ真似しやがンじゃあねえかよ…」
黄泉川「……」
一方通行「……っざけンじゃねェぞ…クソが」
黄泉川「…一方通行」
一方通行「おい、黄泉川。その馬鹿共の場所は分かってンのか?」
黄泉川「まだじゃんよ…分かってたら真っ先に向かってる」
一方通行「そォか…おい。この件は俺に任せろ」
黄泉川「そりゃあ相手は能力者だ、しかも目的がお前ってんだから話をつけるにはお前は適任かもしれないじゃん…だが…」
黄泉川「相手側が何の策も無しってことはなさそうじゃんよ、打ち止めが傷つけられるって事も十分あり得るんだ。お前一人だけじゃ「ンなこたァ分かってンだよ」……!」
一方通行「馬鹿共は俺に復讐したくて打ち止めを攫った。打ち止めは俺のせいであぶねェ目に遭ってる」
一方通行「単純明快な話じゃねェかァ。全ての原因は俺にある。自分の尻拭いくれェ出来るってンだよ」
黄泉川「……分かったよ。制圧は任せるじゃん。だけど、私だって打ち止めのために動きたいって気持ちは一緒じゃん。」
一方通行「だったら突入じゃなくて人員救護の準備をしとけ。怪我人はでるだろォからな」
黄泉川「…分かってるじゃん。ただ私もアンチスキルだ。必要以上の怪我人は出さないように、とだけ言っとくじゃん。全員無傷ってのは…難しそうだからね」
一方通行「チッ。分かってンよ」
黄泉川「思ったより素直じゃんよ?一方通行?」
一方通行「……あいつの前で、殺しはしたくねェ。それだけだ」
黄泉川「…そうか!もう、行くじゃん?」
一方通行「あァ。さっさと終わらせてゆっくり寝たいしなァ」
黄泉川「気をつけるじゃんよ。こっちでは場所の特定に力をいれるじゃん」
一方通行「気をつけろって、誰に言ってンのかわかってンのかァ?
場所が分からないのが面倒くせェが、まあ目的は俺なンだ。俺が動けば向こうから仕掛けてくるだろォよ」
黄泉川「場所が分かったら、連絡よこすじゃんよー!…行ったか。」
黄泉川「あいつも、人を守るために
動けるじゃん…打ち止め、あいつが悲しむから、無事でいるじゃんよ」
一方通行は、打ち止めを 救う為に動く
一方通行が黄泉川に話を聞いているほぼ同時刻、無能力者 上条当麻 はクラスメイトの妹 土御門舞夏から話を聞いていた。
上条「インデックスが…?」
舞夏「そうなんだー!前みたいな神父さんとかじゃないぞ……ゴロツキ連中だったよ…」
上条「っ!…くそっ!こんな事なら一人にして買い物行くんじゃなかった!」
舞夏「ゴロツキの一人が私に、アクセラレータ?によろしく言っとけって…」
上条「一方通行…?あいつが関係してるのか?何が起こってる…さっぱりわかんねぇ…」
上条「わかんねぇけど、インデックスが危ない目に遭ってるんだ。じっとしてなんていられねぇよな」
舞夏「上条ならそう言うとおもったぞー!だけど気をつけてなー?相手、結構極悪人ぽかったからなー」
上条「どんな奴だろうが関係ねぇ。どうにかしてあいつを返してもらう!」
舞夏「男らしいな!頑張るんだぞ!」
上条「おう!それじゃあ行ってくる……って場所が分かんないんだったな…」
舞夏「私も場所まではわかんないんだ…」
上条「一方通行…あいつと会って話を聞かなきゃならねぇよな先ずは」
上条「何処にいるか分かんないけど、しらみつぶしに探してくしかねぇな!今だってインデックスに危険がおよんでるかもしれねぇんだ。時間は無い!」
舞夏「気をつけてなー!絶対、無事帰ってくるんだぞー!」
上条当麻は一方通行に会うということを第一目標とし、走り出す。
上条「待ってろよ、インデックス!!って、うお!?」
一方通行「」ビュオ
上条「アレって……え、えぇっと……」
上条「第一目標……発見?」
10歳程の少女 打ち止め はとある廃墟の一室にいる。
打ち止め「な、何なのあなたたちは!って、ミサカはミサカは怖がりつつも質問してみるっ! 」
ゴロツキ1「オレらはなぁ、お前のお友達、一方通行に恨みを持ってる人間の集まりだぁ。お前は人質に選ばれたんだよ。ちびっ子」
打ち止め「あの人に、恨みを持ってる人達…。けが人が多いのはそう言うことなんだねって、ミサカはミサカはその事実に納得してみる」
ゴロツキ1「まあ、そういうこった。だがまぁ安心しろ。一方通行の野郎がオレらに干渉してくるまでお前には危害加えるつもりはねぇ。まあ、大人しくしてたら、だがなぁ」
打ち止め「…っ。一つ、きいてもいいかなって、ミサカはミサカは恐る恐る聞いてみる」
ゴロツキ1「なんだぁ?言ってみろ」
打ち止め「なんで、あのシスターの子まで連れてきてるの…?」
インデックス「何するの!私はお家に帰ってご飯食べなきゃならないんだよ!」バタバタ
ゴロツキ2「暴れんじゃねぇよ!人質だっつってんだろが!」
ゴロツキ1「あ〜アイツも人質だ。お前ら2人が一方通行と仲良しこよしで、かつ攫いやすそうだったんでなぁ」
打ち止め「あの子が、一方通行と…?ち、ちがうよ!あの子は一方通行とは関係ないよって、ミサカはミサカは指摘してみる!」
ゴロツキ1「あぁ?オレの仲間の一人がアイツと一方通行が一緒にメシ食ってんのを見てんだよ。少なくともそんくれぇの仲なんだろーが」
打ち止め「!?で、でもでも!あの子は!」
ゴロツキ1「うるせぇなあ…まあなんにせよ知り合いではあんだろ。それに攫っちまったモンはしかたねぇ。使わせてもらうだけだ」
ゴロツキ1「あんまうるせぇと……分かるよな?」
打ち止め「っ!う、うぅ」
打ち止め(一方通行…お願い!早く…きて!じゃないと、あの子まで…!)
一方通行「ハッ…ハッ…ったく!メンドクセェ!…っくそ!焦って出てきちまったが…なンで向こうから仕掛けてこねェ…!」タッタッタッ
一方通行「無駄に能力使いたくねェし…あァクソ!」
??「一方通行」
一方通行「はァ…あ?オマエは…」
御坂妹「探しましたよ、一方通行。と、ミサカは発見できた事に安堵します」
一方通行「探しただァ? …! そうか!オマエ、打ち止めがどンな状況か分かるか!」
御坂妹「それを正に伝えに来たのです と、ミサカは説明します」
御坂妹「打ち止めは今、何者かに捕まっています。怪我は…ないと思われますが、打ち止めは恐怖している様子…危険な目にあっている事に間違いは無いでしょう とミサカは推測します」
一方通行「クソッ!……そォだ、オマエ場所はわかンねェのか?!」
御坂妹「それが…彼女自身もそこに行くまでの経路は分からないようです…目隠しでもされていたのでしょう と再びミサカは憶測を述べます」
御坂妹「ただ建物に入る際、一瞬見えたものが……工事のクレーン、であるようです。現在は窓はありますが、何も目立つものは見えない様子…」
一方通行「クレーンだァ?…ハハッ!OKOK上出来だぜオマエ。後は俺に任せろ。すぐにうるせェアイツと合わせてやらァ」
御坂妹「一方通行………おねがい、します と、ミサカは切に願います」
一方通行「さっさと帰って寝てェからな…ちゃちゃっと終わらせてくるぜェ」カチッ
一方通行は首元のスイッチを押す。能力が、チカラが湧き出てくるのを感じる。
一方通行「先ずはクレーンだ」ビュン
目印となる工事用のクレーンを見つけるため、上空に飛ぶ。
一方通行「周辺にあるクレーンは………二箇所、か…」
一方通行「先ずは…コッチだな」ビュオオ
無駄な能力を使わないよう、瞬時に判断、クレーンの手前まで下降する。
上条「一方通行!…って、聞こえねーよなあ…しゃーない!あいつ近くに降りたようだしな…よし!」
上条当麻は走り出す
一方通行「ここらで…まぁガキさらって置いとける所つったら、使われてねェ建物の可能性が高ェはずだよなァ」
一方通行「つったら、大分絞られてくるじゃねェか…こりゃあ、思ったより早く片付くかもなァ」
prrrrrr
一方通行「電話…?あァ、黄泉川か」
ピッ
一方通行「どォしたァ」
黄泉川「一方通行!打ち止めがいると思われる、大体の場所が判明した!」
一方通行「言ってみろ」
黄泉川「ウチから北方向、赤いクレーンが見えるか?そこから斜め対角あたりにアパートだった建物がある!そこに小さい子を乗せた黒いワンボックスが入ったらしい…打ち止めである確証は無いが、確認する価値はあるじゃんよ!」
一方通行(赤いクレーン…ハッ!ビンゴじゃねェか)
一方通行「ちょうどそこにいるとこだァ…すぐに済ませるぜェ」
黄泉川「信じらんない早さじゃん…それなら、確認頼むじゃんよ!もし打ち止めじゃなくても連絡をよこしてくれ!犯罪のニオイがプンプンするじゃん」
一方通行「めンどくせェが、やってやるよ、切るぜ」
黄泉川「ああ、よろしく頼む!」プツ
一方通行「無駄足にならねェといいがな…」
上条「ア、一方通行!」
一方通行「?あァ…?!」
一方通行「なンでオマエがこンなとこに…いや、オマエ、俺を追って来やがったのかァ…」
上条「あ、ああ…」
一方通行「何の用だか知らねェが、後にしやがれ。俺はガキのとこに行かなきゃなンねェンだよ」
上条「!ガキ…って、インデックスの事か!?」
一方通行「何言ってンだオマエ…って、インデックス?あのシスターのガキの事かァ」
一方通行「なンで俺がシスターになンざ会いにいかなくちゃあなンねェンだよ…別件だァ」
上条「な!?インデックスが何処か知らねえのか!?じゃあなんで犯人は一方通行に伝言を…」
一方通行「伝言…?犯人だァ?何言ってやがンだテメエ…何か知ってンのかよ?ああ!?」
上条「い、いやちょっと落ち着けって!それに俺だってなんもわかんねーから聞きに来たんだよ!」
一方通行「時間がねェんだ簡潔に説明しやがれ!」
一方通行「オマエは何を知っている?!そして何が知りてぇ!」
上条「だぁーー!だから落ち着けってば!「あ''ァあ''!!?」あっ、いやっ、落ち着いて下さい!」
上条当麻は怯えつつ現状を説明する。そして質問する、インデックスの事を。
一方通行「……人質は二人いて、その片方はオマエのツレ、恐らく犯人共はどっちも俺のツレだと勘違い…ってかァ」
上条「勘違い……?」
一方通行「クソ野郎共がオマエンとこのシスターを俺のツレだと思い込んで、俺への復讐のために攫った…つう事だろォな」
一方通行「……つまり面倒事が増えたっつゥ事かァ…クク」
上条「俺も行く!面倒は増やさねぇ!」
一方通行「相手は100パー武器持ってンぞ…オマエじゃ足手まといにしかならねェ、大人しく待ってろォ」
一方通行「……大体俺の、せいじゃねェかよ」ボソ
上条「なんだ?」
一方通行「なンでもねェよ。オマエは待ってれば良い、分かったか」
上条「分かんねえよ」
一方通行「……ンだと?」
上条「分かんねーって言ったんだ。アイツは、インデックスは今も危ない目にあってるかもしれねぇんだろ!それを何にもせずに!黙って指くわえてるワケにはいかねえよ!」
上条「相手がどんな奴かなんて関係ねえ!俺が助けたいから行く、それで良いだろ!お前の足手まといになる様な事はするつもりは無いし、お前も俺がどんな目にあっても助けようとしなくていい!俺が決めた事なんだからな」
一方通行「……言いたい事はそれだけかァ?」
上条「それとな」
上条「今回の件、お前のせいなんかじゃねぇよ。悪いのは全部犯人の奴らだろ?背負わなくていい責任まで背負おうとするなよ」
一方通行「……」
一方通行「チッ……聞こえてンじゃあねェかよ…」
一方通行「もういい、めンどくせェ…勝手にしろよ」
一方通行「邪魔ァすンじゃねえぞ」
上条「おう!」
合流した上条当麻と一方通行は、犯人グループがいるであろう古びた建物の前に到着した。
一方通行「ここだ。 見るからに悪人面のヤロォがいンじゃねェか。」
上条「屈強そうな奴だな……武器とか隠し持ってんのかなやっぱ…」
一方通行「だろォなァ。だがまァ、今は何もしてこねェと思うぜ」
上条「ほ、ほんとか?」
一方通行「アイツは見張り兼案内役と見た。絶対何もしてこねェとは言えねェが、一対ニのこの状況で正面から仕掛けてくるなンてこたないだろォよ」
上条「なるほどな…案内役ってんじゃ下手に殴ったりしちゃマズイな」
一方通行「オマエ…殴るの好きだよな」
上条「好きでやってんじゃねーよ別に!」
ゴロツキC「来たか一方通行。あぁ?…仲間連れて来るとはなぁ!あの第1位サマが怯えてんのか?ひゃはは」
一方通行「ごちゃごちゃ言ってンじゃねェさっさと案内しろ、三下が」
ゴロツキC「チッ、つまんねぇ野郎だな……ついて来い」
上条(インデックス、無事でいてくれよ…)
ゴロツキC「この部屋だ。入れ」
一方通行「ごくろォさン」カチッ
ゴロツキC「!!」
一方通行「テメエは帰っていいぞォ」ドゴォ
一方通行は案内役のゴロツキが振り返った瞬間、スイッチを入れ能力を解放した。ゴロツキの男が次の言葉を口に出す前に、廊下のコンクリートを蹴り上げ、大きな破片が男ごと窓を突き破り男は落下していく。
上条「……あれ、死んでないよな?」
一方通行「死なねェ位に調整したから、後は打ち所次第じゃねェか?」
上条「そ、そっか…」
一方通行「さっさと入るぞ」
上条「場所は…分かってるのか?というかこの辺なのか?」
一方通行「あの三階建てのボロい建物だ…可能性が高いだけだがなァ」
上条「そうか!全く分からなかった俺からしたら大きな進歩だ!」
一方通行「そォかよ。…つうかオマエ…武器も何も持ってねェようだが…」
上条「まあ、話聞いてそのまま走って来たからな。まあいつものことだ!」
一方通行「相手が拳銃持ってたらどォすんだよ」
上条「け、拳銃…?やっぱりほんとに持っちゃってたりするんですかね…?」
一方通行「まあ、持ってるだろォなァ…クク…今度こそ本当に死ンじまうかもなァ?」
上条「う…だ、だからってビビって逃げてらんねえ!あいつは今もっと怖ええ思いしてるんだからな!」
一方通行「……オマエはそういう馬鹿だったな。じゃあ、ちゃちゃっと片づけンぞ…」
上条「あ、ああ!………銃かぁ…」
一方通行がドアを開けると、そこは広い何も無い部屋であった。その奥、窓を背に男が5人ほど。縄で拘束されたインデックスと打ち止めを囲むように立っている。
ゴロツキA「……?仲間連れか?」
インデックス「!!とうま!」
打ち止め「一方通行!!」
ゴロツキD「な…聞いてないぞ…どうしましょうか、リーダー」
リーダー(ゴロツキA)「どうもこうも…仲間だってんなら、やっちまうしかねぇだろうがよ」
リーダー「文句はねえよな?にいちゃん?」
上条「大アリだ…てめえ」
リーダー「……あぁ?」
上条「てめえらの勝手な都合で関係ねえ子たちを巻き込んでんじゃねえってんだよ!」
リーダー「関係なくねぇだろうがよ。俺らは一方通行に恨みがある。そんでこのガキどもは一方通行とつるんでる……十分関係あるって言えんだろうが。あ?」
上条「なんでお前らの勝手な恨みなんてもんがこの子たちに危害を加えることになるんだよ!それにインデックス…そっちのシスターに至っては一方通行と関係なんて無え!!」
一方通行(あァそっかこいつ知らねえのか俺がそのシスターに飯奢ったこと……まァめンどくせェことにならねェよう黙っとこ)
リーダー「何を言ってる?関係ないハズはねぇんだがなぁ」
上条「そいつは俺のツレだ!!」
リーダー「よくわかんねぇが連れて来ちまったモンはしょーがねぇだろ。それにまだ手は出してねぇっつの」
リーダー「てめえらの出方次第だがな?」
一方通行「おい」
上条リーダー「「!!」」
一方通行「テメエら、勝手に二人でお喋りしてンじゃねェぞ…俺はさっさとそっちのガキ連れて帰りてェンだよ…あァ!!??」ドッガアァア
一方通行が足を地面に叩きつけると床のコンクリートに亀裂が入り、小さな破片が飛び散った。床が、建物が、揺れる。
突然の轟音にゴロツキ達は焦りを見せる。 が、リーダーだけは冷静であった。
リーダー「ったく、おい!お前ら!これがあんの忘れたのかぁ?」
上条「?なんだ?あれ」
一方通行「…!(あれは…スキルアウトの駒場とかいうヤロウが持ってた…チャフシードとか言うやつ…か? クソが!なンでこいつがあンな物持ってやがる…!)」
リーダーの男はそのカプセルのような物の中身、紙のような物を撒き散らす。一見何も起こっていないようだが、一方通行は焦りを感じていた。
一方通行「…!クッ…!」
男は一方通行が焦りを見せ、確認のため能力を使おうとするその小さな隙を、見逃さなかった。
リーダー「っらぁ!!」
男は渾身の力で拳を一方通行の腹部に突き出す。
バシッ!!という音が響く。
リーダー「!」
上条「俺もいることを、忘れてんじゃねえよ」
リーダーの誤算は、この高校生ほどの男が反応してくるとは考えなかったことである。
一方通行「はっ!いい仕事すンじゃねェか!」
一方通行「お返しだ!!」バキィ
リーダー「がっ…!」
上条「おおぉお!」バキ
リーダー「っ!…ぐ」バタッ
一方通行の拳が頬に、上条当麻の拳が顎に命中。リーダーの男は気を失った。
上条(よし!リーダーが倒れたぞ!こいつらはどう動く…!?)
打ち止めとインデックスを囲んでいたゴロツキ4人が全員、拳銃をこちらに向けていた。
ゴロツキB「動くなよ。ツンツン頭のお前」
上条「!!…くそ!」
一方通行「チッ!やっぱりかァ…物騒なモンもちやがってよォ!」
ゴロツキB「一方通行。お前はこっちへ来い」
一方通行「…。」
無言で近づいていく。
ゴロツキB「そこで止まれ。そこなら外さねぇ」
一方通行の手足が届かない、かつ確実に一撃で仕留められる位置にまで誘導した。
打ち止め「一方通行!!や、やめて!あの人を傷つけないで!!って、ミサカはミサカは説得してみる!」
インデックス「やめて!撃たないで欲しいんだよ!」
ゴロツキD「ツンツン頭の方は何もしなきゃ殺さないでおいてやる!大人しくしとけ!」
ゴロツキB「おい」
ゴロツキD「あぁ!」
ゴロツキの1人が銃をしまい、ハンカチを取り出した。そしてそれをインデックス、打ち止めの口元に持っていく。
インデックス「な、なにするの!?や……め…」
打ち止め「?!い、いや、やめ……て……」
2人の少女は、数秒で眠りに落ちた。
ゴロツキB「よし、お前………!」
一方通行「目ェ離してンじゃねェよバァカが」スッ ガシ
ゴロツキB「てめ!…ぐっあぁ!」
一方通行は素早くゴロツキの腹部のあたりに潜り込み、拳銃を持つ手に隠し持っていたナイフを突き刺す。一瞬緩んだ手からすばやく拳銃を奪い取った。
ゴロツキE「くそっ!おい!ゴロツキ2!退いてくれ!お前ごと撃っちまう!」
一方通行「おらよォ!」
一方通行はゴロツキBの腹部を蹴り飛ばす。ゴロツキBはゴロツキEの方へとよろめく。
ゴロツキE「あぁ、もう!邪魔!」
ゴロツキD「!?くそっ!俺が撃つ!」
上条「させるかよ!」バキィ
ゴロツキD「ぐがっ!!」
上条「もう…いっちょ!!」ドガァ
ゴロツキD「ぎっ!!……く、そ…」
上条当麻の不意打ちからのアッパーにより、ゴロツキDは気を失った。
上条「もらった!」
ゴロツキE「!ゴロツキD!お前!大人しくしてろって言っただろツンツン頭ぁ!!」チャキ
上条「おっと!こっちだって拳銃奪ってんだぜ!」
ゴロツキE「!ちっ!」
これで、2対2に。それぞれが片方ずつと拳銃を向き合わせている形で止まった。
上条(やべえ構えてみたは良いもののこれどうやって撃つんだ…)
上条当麻は一人困惑していたが、銃を奪った時すでに後は引き金を引くだけのところまで完了しており、相手も油断できずにいた。
沈黙を破ったのは、気絶していたゴロツキDだった。
ゴロツキD「お前ら…次のプラン…行くぞ」
一方上条「「!?」」
上条当麻と一方通行が油断した一瞬の間に、ゴロツキDとEは窓を割りながら飛び降りた。
一方通行「逃げンなァ!!!」チャキ
ゴロツキB「やらせねぇよ!」ブンッ
ゴロツキは奪われた銃を構える一方通行の手元に、羽織っていた上着を投げつける。
一方通行「ッ!クソがァ!!」
ゴロツキB「じゃあなぁ!」
上条「逃げられると…思ってんなよ!!」
ゴロツキB「!ちぃ!邪魔だボケがぁ!!」ブン
ゴロツキBは隠し持っていたサバイバルナイフを上条当麻の腹部めがけて振った。 が、 空を切る。上条当麻はナイフの存在に気づいていた訳ではないが、今までの戦いが危険を察知するのに役立った。
ゴロツキB「なぁっ!」
上条「危ねえなあ…そんなもん当たったら 死んじまうかも知れねえだろうがぁ!!」
上条当麻は仲間が理不尽に危険な目にあっていることへの焦りに加え、自分に危害を加えようとしてくる相手の敵意に、強く憤っていた。
上条「殴られても、文句は言えねえな?!」
ゴロツキB「うっ、ぁああ!」
ゴロツキはもう一度ナイフを振りかざそうとするが、上条当麻の気迫に押されたか、迷いが見える。そこに上条当麻は一発、強く握った拳を叩き込んだ。
ゴロツキB「が、ぁ…」
ゴロツキの意識が、再び飛んだ。
上条「お前ら2人には、ここに残ってもらうぜ…」
上条当麻はゴロツキの上着をつかいゴロツキBとリーダーを後ろ手に拘束した。
一方通行「!あいつら…車使って逃げてやがる。 しかもなンだ…二手に分かれてンぞ」
上条「何?インデックスと、ちっこい御坂別々に乗せて…るのか?」
一方通行「まァそうだろォなァ。どっちかがハズレっつう可能性もあるが…それだと向こうにもリスクが伴うからなァ」
上条「面倒なことを…でもまあ、迷ってる暇はねぇ!別々に追いかけるぞ!」
一方通行「分かってるっつの…。俺は飛べるからいいが、オマエどォすンだよ?」
上条「飛べるって改めて聞くとスゲェな…。でも本当にどうしよう…あーくそ!免許持ってれば…!」
一方通行「ったく。俺は先に行ってるぞ。 あ?あの車…アンチスキルか? てか、黄泉川じゃねェか…」
上条「チャリで…いや、ムリだよなぁ…いやでも迷ってらんねぇ!よし!」
一方通行「おい、運がいいなァオマエ。 車、使えンじゃねえか?ほら、下」
上条「下?え…あれ、黄泉川先生!?」
黄泉川「車であいつら追うじゃんよ!特別に乗せてやるから降りてこーい!」
一方通行「俺はもう行く。俺と同じ車追うンじゃねェぞ」ビュオォ
上条「うおっ!飛んでるよ本当に…」
上条「飛び降りたいけど3階かぁ…や、やめとこ」
一方通行側
一方通行「……アイツら…逃げる気ねェな…俺に勝てるとでも思ってンのかァ?めでてえな」
一方通行「…あー、人目につきにくい上スペースのある場所選ンでやがるな、あの空き地かァ」ビュン
ゴロツキD「車はこの辺にとめとくか。 ! あいつもう追いついてやがる…便利な能力なこった」
ゴロツキD「おい、ガキ。俺は降りるが、大人しくしとけよ。まぁ拘束してあるし動けねぇだろうがな」
一方通行「おいおい、鬼ごっこはもうお終いかよ?」
ゴロツキD「あぁ、そうだなぁ。疲れたからこの辺にしとこうぜ」
一方通行「たまたま…ここで追いつかれたみてえな言い方してンじゃねえよ。バレバレだ馬鹿」
ゴロツキD「おーおー意外と察しがいいじゃねぇか。頭の中も真っ白ってわけじゃあねえようだな」
一方通行「やっすい挑発だなァオイ…のってやるけどよォ」
ゴロツキD「そりゃどうも。本気でかかってきてもらわないとつまんねえしな」
一方通行「ぎゃはっ!テメエ、本気の俺に勝てるとでも思ってンのかァ?…… 三下がよォ!!」ドンッ
一方通行は地面を力強く踏みつけると、間髪入れずゴロツキの方へと真っ直ぐ突っ込んでいく。一撃目の地面の踏みつけによりゴロツキの足元の地面が盛り上がり、衝撃がゴロツキの体を持ち上げる。そしてその瞬間にはすでに一方通行はゴロツキの目の前まで迫っていた。
ゴロツキD「っ…!」
一方通行「あはぎゃはっ」ゴオォ
一方通行「どこまでもつかなァ?はァッ!!」
一方通行は飛んできた勢いのままゴロツキの顔面めがけて拳を突き出す。
一方通行は「どこまでもつか」といいながらこの一撃できめるつもりでいた。
ゴロツキD「バァカ」
一方通行「!!?」
ゴロツキDは、一方通行の拳を掴んで受け止めた。
なんか自分でゴロツキって書いといてなんだけど変な感じしてきた
一方通行「何をしやがった!テメエ!」
ゴロツキD「賢い頭で考えてみろよ、第1位」ゴッ
一方通行「がァ!!」
掴んだその次はシンプルに殴った。しかしそんなシンプルな行動も一方通行には一瞬理解ができなかった。
一方通行(!?殴られた?俺が、この三下に!?)
ゴロツキD「困惑しているな」
殴られ、よろめく一方通行にさらに踏み込み蹴りを入れる。
一方通行「!?ンだテメエは!」
蹴りを手で防ぐが、手には痛みが残る。そこで一方通行の思考は追いついた。
一方通行「能力が…消されてやがるな…道具ナシに…だ」
ゴロツキD「ご明察。俺が大した能力も持ってないとでも思ってたか??まあ今の今まで使わなかったもんなぁ!Level 4なんだよ俺!ははは」
一方通行に拳を当てることができて興奮しているのか、ゴロツキは声が高まる。
一方通行「能力を消す能力だァ?…そンなンだったらもっと重要視されててもおかしくねェ…なンなンだテメエの能力は?」
ゴロツキD「言うと…思うかよ?ククク」
一方通行「まあそうだよなァそンな甘ちゃンじゃあねェよな」
一方通行「だからまァ……試させてもらうぜェ」ドッ
ゴロツキD「あ?」
一方通行は勢いよく能力で後退する。
そして転がっていた石をゴロツキに向かって蹴り飛ばす。
ゴロツキD「!?ぐっ」
一方通行(当たった…ってェことは人からの直接的な生身の攻撃じゃなきゃ消せねェって事か?…いや。)
一方通行「ひゃはっ!仕組みさえ分かっちまえばなンてこたァねェな!」
一方通行「カッコはつかねェが…時間取られンのもしゃくだしなァ……終わらせるぜもう!」ザァッ
再び石、砂を蹴り飛ばす。高速で。
ゴロツキD「クソっ!!」ダッ
ゴロツキは横に飛び、砂に当たる程度で済ませる。そして、一方通行に背を向け走り出した。
一方通行「あァ?なァに逃げてンだテメエは!!」
もう一度石を蹴り飛ばそうとして、気づく。
一方通行「…ナメた真似すンじゃねェか…」
ゴロツキが乗ってきた車、人質がいるであろう車の後ろに隠れたのだ。
一方通行(チッ、面倒くせェなほンっとに…下手に能力使えねェじゃねェかよ)
一方通行「おいおいLevel4クンよォ!随分ビビってンじゃねェか!自慢の能力使って向かってこねェのか?」
一方通行はわざと挑発する。が
ゴロツキD「俺はのらねぇぞ。んなアホみてえな挑発」
一方通行「つまンねェ野郎だなァ…」
一方通行は静かに車の方へ歩いていく。
上条側
上条「黄泉川先生!」
黄泉川「挨拶は後にするじゃん。まずは車を追うじゃんよ!」
上条「!おう!一方通行が…あの白い奴とは逆を追って欲しい!」
黄泉川「分かってるじゃんよ!ほら、入るじゃん!」
黄泉川愛穂は上条が乗るのを確認すると即座にエンジンをかけ走り出す。
黄泉川「しっかりつかまってるじゃんよ!!」
上条「うぉお!せ、先生!あくまで安全運転でお願いしますよ!いそがなきゃならねぇけど!」
黄泉川「私のドライブテクを信じるじゃん!」
上条「は、はい」
黄泉川「やっと見えてきたじゃん…あの後ろにいるのは…シスター?」
上条「!!インデックス!もしかしてあいつちっこい御坂が見えてたからあっちの車追ったのか?なんにせよちょうど良い!」
黄泉川「あいつら、スピードを緩めている…なんだ?追ってきて欲ししいと言わんばかりじゃん…?」
上条「なんだかよく分かんねえけど、インデックスを取り返せるならそれで良い!あいつに辛い思いはさせたくねえんだ!」
黄泉川「なんだか…一方通行に、似てきたか?いや…一方通行が上条に似てきたのか…」
上条「?そうか?…っと、あいつら止まるみたいだ!」
ゴロツキの車が広場のような場所で止まる。広場のちょうど中央奥の方までゆっくりと進んでいき、停車する。
ゴロツキE「追いつかれちまったか…しかたないねぇ、かかってこい!」
黄泉川「なんだ?あいつは?白々しい演技なんてして」
上条「あぁ、どう見ても俺らを誘導してたのにな」
ゴロツキE「ぐ……まあいい、ここにお前らを連れてこられた時点で目的は達成目前と言えるからなあ」
黄泉川「?どういうことじゃんよ?ハッタリにしては投げやりすぎる…」
ゴロツキE「うんまあ、ハッタリじゃあないからな」
ゴロツキE「まず、アンチスキルのお前。車にいる仲間と一緒に家に帰って貰う。」
黄泉川「なに?従うと思うか?」
ゴロツキE「まあ従わなくても良いんだけどさ、この子…傷つけちゃうよ…?」ヒュン
インデックス「う!?し、瞬間移動したんだよ!」
黄泉川「なっ…!」
上条「!お前……能力者…しかもかなりの使い手だったのか」
ゴロツキE「そーいうこと。俺の能力は単なる瞬間移動のように見えるがそーじゃない。ある位置のあるものとあるものを入れ替える能力なんだよ。まあ、テレポーターよりはちょいとレベルが下がるんだが…一応Level4なんだぜ」
上条「入れ替える能力…って、そんなんでインデックスを人質に取ったつもりかよ?見た所お前武器持ってねえみたいだし…」
ゴロツキE「あのねえ、入れ替えるって、なにも、体全体じゃなくても可能なわけよ。つまりさ、一瞬でこの子の頭とその辺の石やら土やら、入れ替えることだってできちまうわけ。」
ゴロツキE(まあ、部分的な入れ替えは時間がかかるうえ相手が動いてるとなかなか成功しないんだけど、まあ弱点を言う必要なんてないわな)
上条「!!な、なんだよそれ…」ゾク
黄泉川「もし…私たちがここを去らなかったら…?」
ゴロツキE「もちろん、この子の頭は土の中に行くことになるね」
インデックス「っ…」ビク
黄泉川「わ、分かった!私たちはここから離れるじゃんよ!だからその子に危害を加えるのはやめてくれ!」
ゴロツキE「物分りが良くてたすかるよ。まあ今は生かしておいてあげる」
黄泉川「上条…すまないじゃん…私にはどうすることも…できない…!」ギリ
上条「先生…。後は俺に任せてください。直ぐに、戻りますから!」
黄泉川「…すまない…気を、つけるじゃんよ…」
上条「先生は良い知らせだけ、待っててください!」
ゴロツキE「お〜カッコいいじゃーん。ヒーローみてえなこと言ってー」
上条「別に、俺はヒーローなんてやってるつもりはねえよ」
上条「ただ、お前らが罪のない人を…俺の大切な人を傷つけようとするから、俺は守る。 それだけの単純な事だよ」
ゴロツキE「へえ…俺はお前みたいな奴嫌いじゃあなかったんだがなー」
ゴロツキE「そもそも俺らの目的は一方通行だしなぁ。お前は敵にするつもりはなかったんだが…一度あそこで戦っちまったし、顔も犯行も見られてるからなぁ」
ゴロツキE「悪いけども、やるっきゃあないんだわ…」ヒュン
上条「……」バシュ
ゴロツキE「……え?」
ゴロツキE「え?あ、は?失敗しちまったか?」
上条「……お終いか?」
ゴロツキE「……お前が何かしたのか?訳わかんね…」ヒュン
上条「……」バシュ
ゴロツキE「なんだかわかんねーが、お前に俺の力が消されてるみたいだな…とっくにぶっ倒れてておかしくないのに」
上条「何しようとしたかは知らないけど、攻撃してきた事は間違いなさそうだな。次は…俺の番だ!」ブン
上条当麻はアッパーカットのように下から、斜めに拳を振る。それをゴロツキは後退して避ける。
ゴロツキE「あっぶなー」ヒュン
ゴロツキE「おらっ」バサッ
上条「!す、砂なんか能力使って取って投げやがって…だがこんなのダメージにならねえぞ!」
ゴロツキE「へぇ…これは、当たるんだな」
ゴロツキE「念のため、もう一度」ヒュン
今度はゴロツキの手に一瞬で尖ったコンクリート片が出現した。
ゴロツキE「これは…どうだ!」ブン
上条「ぐっ、あっぶねえ!掠っちまった…」
上条当麻の頬から一滴血が垂れる。
ゴロツキE「うんうん。だいぶ分かってきたぜお前の能力。リーダーの能力と少し似てるな」
上条「リーダー?あいつ能力者だったのか?一回も使われずに拘束できちまったが…」
ゴロツキE「ん?あぁ…そっか。あいつは本当のリーダーじゃねーよ。リーダーなんて明かして良い事ねーだろ。それにあいつが意識失った時もさほどだれも動揺しなかったろ?」
上条「じゃあ、本物のリーダーは
どいつなんだよ?」
ゴロツキE「本物は…まあもう言ってもいいか、一方通行が追ったであろう車に乗ってた奴だよ」
上条「追ったであろうって、やっぱお前らわざと一方通行に人質が見えるようにしたのか」
ゴロツキE「そういうこと。その方が色々都合良くなるからな」
ゴロツキE「向こうには他にも能力者が潜んでんだよ。あ、安心しろこっちは俺だけだ。引き離すために、分けたんだからな」
ゴロツキE「お前は口止めのためにちゃちゃっと片付けて二人目の人質連れて一方通行の所へ行く予定だったんだが…」
ゴロツキE「お前が思ったより強敵だったって感じだなー驚いたぜ」
上条「そりゃどうも…」
ゴロツキE「まあお喋りはこの辺にしとこう」
上条「そうだな…一刻も早く帰りたいし。インデックスと一緒にな!」
ゴロツキE「そうかい…そんじゃ…いくぜえ!」
上条「おぉお!!」
一方通行側
一方通行はゴロツキの方へとゆっくり歩いていく。
そして、車を挟んでゴロツキと向き合う形になった。
ゴロツキD「チッ、あの野郎まだこねえか…なに一般人に手間取ってやがんだ…?」
一方通行「あの野郎ってのは、もう一つの車で逃げた方かァ?だったらまだまだ来ねェんじゃねえか?」
ゴロツキD「何…?どういうことだよ」
一方通行「アイツを追って行った奴ァ、一般人っつうにはちょっと特殊すぎる奴だからなァ。ひゃはは」
ゴロツキD「…随分、信頼してやがんだなあ?」
一方通行「信頼…?」
ゴロツキD「なぁに不思議そうな顔してんだよ。的外れなことは言ってねえだろ」
ゴロツキD「って、俺はお前とお喋りしに来たわけじゃあねえんだよ。さっさとお前をぶっ倒して憂さ晴らししてぇんだ」
一方通行「まァ…急ぐのはいいがよ。オマエ追い詰められてンだぞ?焦ったってオマエがぶっ倒れる時間が早まるだけだぜェ?」
ゴロツキD「その驕りがお前の弱点だよ」
一方通行「弱点だァ…?ははっおもしれェ…Level4の大能力者クンが、どこまで俺を追い詰められるか…」ドンッ
一方通行は大地を踏みつけ車を一足で飛び越えるとゴロツキにつかみかかる。
一方通行「試してみろよ」
ゴロツキD「あぁ…俺がお前をっつうか…俺らが だけどなぁ!!」
ゴロツキD「お前ら!!!」
その合図に、広場の裏の死角だった角から5人ほどがゾロゾロと出てきた。
各々が武器を持っている上、風や炎を出している者もいる。
だが、一方通行の余裕は揺るがない。
一方通行「…なンだなンだよ…工夫して挑ンでくるのかと思ってたらよ…」
ゴロツキD「人数集めただけだと思うなよボケがぁ!」
ゴロツキD「手はず通りにやれ!」
一方通行「とンだ期待ハズレだぜ三下共」ビュン
集団「「!!」」
一方通行「ノンビリ『手はず通りに』動いてる暇があるとでも思ったのかァ?俺相手に…オマエら如きが」
ゴロツキD「飛んだ!?お、お前ら!怯んでんな!いいから早く…」
一方通行「遅すぎるンだよ」
ゴォ!と、黒い羽のような、小さな竜巻のようなものが集団を襲う。散り散りになったゴロツキ共は動かない
一方通行「おい」
一方通行が静かに宙から降りてくる。
一方通行「オマエらの工夫ってのは、今ので終りかよ?」
ゴロツキD「か、…格が違うってのか…」
一方通行「今更気付いたのかァ?何もかもが遅ェよオマエ」
一方通行「オマエもそろそろ静かになっとけ」ゴッ
ゴロツキD「くっ…!」
一方通行「その能力だけは少し面倒だったぜ」
一方通行はゴロツキに近づき、素手での攻撃では無く、地面を蹴り上げるようにして攻撃した。
ゴロツキD「く、はは…馬鹿がぁ!生身の攻撃しか防げねえと思ってたのか!?」
ゴロツキは能力で迫る土片の勢いを消し、そのまま殴りかかる。
ゴロツキD(こいつは俺の能力は生身の能力攻撃しか通用しないとさっきのやり合いで勘違いしてるはず…その勘違いが隙を生む!この瞬間を待ってたぜ!!!生身かどうかなんざ関係ねえ!俺の能力は……)
一方通行「距離が要なンだよなァ?」
ゴロツキD「!!?」
一方通行「自分の驕りが降りかかってきたなァ?おい?」
一方通行はゴロツキの拳を避けた。そして拳を交差させるようにゴロツキの腹部を殴る。
ゴロツキD「ぐぅ!!」
ゴロツキが転がるように後ろへ倒れこむ。
一方通行「大体生身の能力攻撃しか防げねえようじゃ効果対象が狭すぎてLevel4にはなれねェよ。フツウ」
一方通行「それにそもそもLevelが測れねェだろォしな」
ゴロツキD「ぐ……畜生が!!」
ゴロツキD「クソっ!あぁあ!」
一方通行「イラついてンのか?カルシウム足りてねェんじゃねェか?」
ゴロツキD「黙れっ!!復讐しに来て!なんで俺が圧倒されてんだよクソがっ!!」
一方通行「八つ当たりも良いとこだなおい…」
ゴロツキD「あぁうっぜぇ……」
ゴロツキD「もう…いいか…めんどくせぇし…」
一方通行「諦めて帰ってくれるってかァ?」
ゴロツキD「んなわけ…ねぇだろが。
こうすんだよ!」
ゴロツキは車に入り込むと打ち止めを捕まえ、車に隠してあったナイフを手に取る。
やる事が出来てしまったので今日?はこの辺で…
明日ってか今日は1日バイトなんであんまり進められないかと
見てくださってる方いたら申し訳ない
一方通行「!あいつ、殴られるたびやけにオーバーにぶっ飛ぶと思ったら…車に近づいてやがったか…」
一方通行(ンな事に気付かねェとは自分で笑えてくる…)
一方通行「良いのかよ距離離れちまって?車ごとぶっ潰すことも出来ンだぞ」
ゴロツキD「そんなことお前に出来ねぇってことくらい分かるわ。このガキまきぞえにできねえだろ」
一方通行「…テメエだけピンポイントで吹っ飛ばす事だって可能なンだぜ?」
ゴロツキD「少しでも動いたらこいつを切る」
一方通行「テメエ……」
ゴロツキD「もうお前は俺じゃあ倒せそうにねぇ…だからせめて…こいつを殺してお前の悔しがる顔を見るだけで我慢してやる…」
一方通行「……テメエそいつに傷一つでもついたら、スクラップにすンぞ…」
ゴロツキD「こいつと仲良くスクラップってかぁ…ははは…それもおもしれぇじゃねえか」
一方通行「…興奮しすぎて頭回ってねェようだなァ」
ゴロツキD「かもなぁ!でも結果てめえが苦しめばなんでもいいんだよなんでもなぁ!!」
打ち止め「一方通行…」
打ち止め「ねぇ、お願い。あの人を悲しませないで…って、ミサカはミサカは懇願してみる」
ゴロツキD「あぁ?おまえは今どんな状況に置かれてるかりかいできてないのかなぁ?」
打ち止め「あの人は、一方通行は、もう十分苦しんだの…だから…お願い」
ゴロツキD「今まで苦しんだかどうかなんざ知らねえよ。俺は今見たいんだ」
打ち止め「お願い…お願いだから…」
一方通行「おい、ガキ、喋るな」
ゴロツキD「本当にな、静かになれや」
打ち止め「もうあの人はこれ以上、苦しんではいけないの、って…ミサカは…」
ゴロツキD「黙れってば」ヒュン
打ち止め「あ……」
一方通行「!!!!!」
ゴロツキは打ち止めの首付近を、切りつけた。
打ち止め「いっ……!」
一方通行「ラ…………」
一方通行「ラスト…オォダァア!!」
上条側
上条「おぉ!!」
ゴロツキE「!っと!」ヒュン
殴りかかる上条を体を捻ってかわし、ゴロツキは手に鋭利なコンクリート片を出現させた。
ゴロツキE「そらっ!!」シュッ
上条「あぶね!!」
ゴロツキE「お前なかなか身体能力あるなぁ」
上条「そりゃどーも!」
上条「てかずっと思ってたんだけど!何かと何かを交換する能力なのになんでなにも持ってない状態から出現させられるんだよ!!」
ゴロツキE「え?いや、何って、空気」
上条「……え?」
ゴロツキE「だから空気。空気を掴んで入れ替えてんだ」
上条「空気も…入れ替えの対象なのかよ…。もうテレポートとほぼかわんねえじゃん!」
ゴロツキE「まぁ、ある程度の大きさのものに関しては、だけどな」
ゴロツキE「つうかさ、俺だけ教えんのもずるくね?お前の能力もおしえてくれよ」
上条「う…し、しかたねえなあ」
上条「俺のは…能力って言うのかわからないけど、『異能の力』を打ち消すんだ。それだけだよ」
ゴロツキE「へぇ…やっぱり物理的な普通の攻撃は通用するわけだ」
上条「まあな。俺自身よく分かってないとこも多いけど…な!!」バシッ
ゴロツキE「うお!突然蹴り入れてくんなよ!いや戦ってんだかいいのか?」
上条「いいんだろ!もいっちょ!」バシ
ゴロツキE「!」サッ
上条「すばしっこいなぁ!」
ゴロツキE「まあなー」ヒュン
ゴロツキE「おらっ」ブンッ
上条「!うわっ!砂かよ!」
ゴロツキE「目くらまし出来りゃ十分だから、な!!」バシィ
上条「ぐっ、あ!」
ゴロツキの蹴りが上条当麻の腹に入る。
ゴロツキE「避けねぇと、ケガするぞー」ヒュン
上条「!!ぐ、くっそ!」
ゴロツキは手に短く折れた鉄パイプのようなものを出現させる。
ゴロツキE「そらっ」ビュン
上条(だ、めだ!当たる!)
上条「っ…くそ!」バシィイ
上条当麻は腕でパイプを受ける。
上条「いっ、てぇええなぁあ!!」ガシッ
ゴロツキE「!うわっ、放せよ!」
ゴロツキE「!!!」
上条「折れたら…どうすんだぁあ!!」ゴッ
上条当麻は鉄パイプを掴みながら、拳を向け、殴りかかろうとする。
が。
ゴロツキE「やるな!」ヒュン
上条「!鉄パイプが消え…」
ゴロツキは鉄パイプを移動させ、自らは横へ逃げる。
ゴロツキE「根性あるねーお前」
上条「負けらんねぇからな!!」
ゴロツキE「こんな苦戦するとは思わなかったぜ」ヒュン
上条「えっ…?」グラッ
突然上条当麻の体が傾いた。
上条(なんだ…!?何をした!?あいつ何故砂なんかまた出したんだ?)
何が自分の身に起こったのか、上条当麻は理解できずにいたが、相手は待ってくれない。
ゴロツキE「っら!」ドゴォ
上条「がっ…」
上条当麻は再び蹴りを入れられた。
ゴロツキE「終わりかな」ヒュン
上条「?また砂が手元に?…!?」グラッ
ゴロツキは蹴りでよろめく上条当麻の足元の土をゴッソリと移動させた。
実質二回目だが上条当麻は初めてその事実に気づいた。しかしすでに遅く、後ろに倒れるようにぐらつく。
上条(やべえ!!)
ゴロツキE「楽しかったぜ。サヨナラだ」ヒュン
ゴロツキは手元に大きめの石を出現させ、上条当麻を殴りにかかる。
上条(あんなゴツい石やら鉄パイプやらなんで都合よくその辺に落ちてんだよ…あんなんくらったら…避けねえと…)
しかし、避ける余裕はなかった。
ゴッ と、鈍い音がした。
インデックス「……とうま…?」
ゴロツキE「……これは、もう起き上がれないだろな」
インデックス「と、とうま!!とうま!起きてよ!!」
上条当麻は返事をしない。
ゴロツキE「さて、と。どうすっかな…この人質…」
ゴロツキE「リーダーのとこ連れてくかぁ…どうなるかは…リーダー次第かな」
インデックス「待って、待ってよ…。どこか行く前に、とうまの様子を確認させほしいんだよ!」
ゴロツキE「え?いや、見ての通りだろ。 気絶してんだよ」
インデックス「じゃあ、せめて怪我の手当てをさせてよ!血が…でてる!ほっといて平気とは思えないんだよ!!」
ゴロツキE「まあ、そうかもだが、敵だしなぁ…そんな手厚い保護してどーすんだって話。そろそろ向かうぞ〜」
インデックス「そんな…とうま!」
インデックス「とうま!ねえ!起きてってばあ!」
ゴロツキE「キミねぇ、彼の心配もいいけど、自分の心配もしたら?これからリーダーのとこいったらキミも傷つく可能性もあるんだぜ?」
インデックス「っ!!」
ゴロツキE「じゃあ、行くぞほら」
「 待てよ 」
一方通行側
ゴロツキD「くは…はははは!」
ゴロツキD「はっははぁ!!やってやったぜオラ!!どうだ!?どんな気持ちだよおい!!」
一方通行「テ…メェ…!」
一方通行「っああァ!!!」バシッ
ゴロツキD「いっ、てぇ!なんだ?石!?」
ゴロツキD「!!!」
一方通行が、ゴロツキの目の前まで来ていた。痛みに気を取られた一瞬の間だった。
一方通行「オイ」
一方通行「 スクラップの 時間だぜ 」
ゴロツキD「なっ、が!」
一方通行はゴロツキの口を掴み、車の外へと高速で投げつける。ゴロツキは地面に叩きつけられた。
ゴロツキD「かはっ」
一方通行はゴロツキには気を止めず打ち止めを見る。
一方通行「おい、打ち止め…何してやがる…黙ってろって、言ったろうが」
打ち止め「う、ア、一方通行…」
打ち止め「そんな、悲しそうな顔しないで…?私は…大丈夫だよ?って、ミサカはミサカは、安心させるために言ってみる」
一方通行「…大丈夫じゃ、ねェだろ…。俺の事なンかいいンだよ」
打ち止め「ううん…。一方通行は、もっと自分の事を大事にして…?一方通行は、もっと幸せになっていいんだから…」
一方通行「は…オマエ、言ってる事めちゃくちゃだぞ」
一方通行「俺が幸せに、なンてなれねェよ。とっくにそンな権利はねェンだ」
一方通行「だがなァ…オマエは違う。オマエは、こンなとこで傷ついてちゃならねェんだ…」
打ち止め「一方通行からそんな優しい言葉が聞けるのは…久しぶりかもって、ミサカはミサカは静かに喜んでみる」
打ち止め「でも、知ってるよ。一方通行は、いつもどこか優しくしてくれてた」
一方通行「誰が優しく………」
一方通行「いや、そォかもなァ…」
一方通行「だけど俺は不器用なンだよ。誰にでも優しくは出来ねェし、するような人間じゃねェ」
一方通行「だから、まァ、オマエくらいは、良いだろ」
打ち止め「今日の…一方通行は、優しすぎるくらいだね。ふふ…」
一方通行「だから打ち止め、オマエは失いたくねェンだ。オマエが居なかったらおれは誰にも優しくなれねェ。ただのつまンねえチンピラみてェになっちまう」
一方通行「すぐ終わらせてくる、必ず。待ってろ」
打ち止め「……うんっ」
一方通行「おい…三下ァ…。起きてるかよ」
ゴロツキD「ぐ…くそが…」
一方通行「俺の能力にも限りがあるしなァ。一撃で、終わらせる」
一方通行「オマエが、もし生きてたらの話だが…二度と俺と、コイツの周りに干渉するンじゃねェ」
一方通行の周りに、風が集まる。
一方通行「まあ、出来ねェくらいのスクラップになっちまうと思うがな」
周りの風が、塵、砂を纏いながらも勢いを増す。勢いを増すごとに黒く、黒くなっていく。
ゴロツキD「何だよ、そりゃあ」
一方通行「俺は、アイツ以外に優しくなれねェからなァ」
轟音とともに凝縮された竜巻のようなものがゴロツキを飛ばす。
この状況を倒れながらも見ていた仲間のゴロツキ達は、勝てるという考えが頭から無くなっているのが一目で分かるほどに絶望、あるいは唖然といったような表情を浮かべていた。
完全に勝負はついていた。
一方通行は電話を取り出す。
一方通行「おい、患者を連れて行く。すぐに治せ」
カエル顏の医者『ふむ…君はものを頼む時も態度が変わらないね?まあ、患者だというなら必ず治すけどね?』
一方通行「今から連れて行く…頼むぞ」
カエル顏の医者『頼む、か。そんな言葉も、君から出てくると驚くね。患者さんは、よほど大事なひとなのかね?』
一方通行「守るって、決めたからなァ」
カエル顏の医者『…そうかい。待っている』
電話を切る。打ち止めの方へと駆けつける。
一方通行「打ち止めァ!!」
打ち止め「…一方通行」ニコ
上条側
声に驚きゴロツキが振り向くと、気絶していたはずの上条当麻が立ち上がっていた。
ゴロツキE「!?も、もう起きたのか…?」
インデックス「!とうま……とうまぁ!!」
上条「そいつに…インデックスに、触んじゃねぇよ…」
上条「インデックスを…傷つけんじゃ…ねぇよ」
ゴロツキE「………タフだなぁ…。とどめを刺しておくんだったよ」ヒュン
ゴロツキは鋭利なコンクリート片を再び出現させる。
が、気にもかけないように上条当麻はインデックスに優しい顔で話しかける。
上条「…インデックス。帰ったら、何したい?」
ゴロツキE「あ?え、お前、俺は無視?」
インデックス「な…何って…」
インデックス「分からないけど、今は…とうまとお家に帰りたい…かも」
上条「そうか」
ゴロツキE「あーあーイチャついちゃってまあ」
ゴロツキE「……無視されんのは嫌いだよ」
ゴロツキはコンクリート片を上条当麻に向け振りかざす。
上条「何回も同じ手使ってんじゃねえぞ。素人」
上条は落ちていた大きめの石を掴み、防ぐ。
ゴロツキE「!」
上条「なんで石やらブロックやらごちゃごちゃしてんのかなって思ったけど、お前の能力が使えるからだったんだな。お前は自分のフィールドを作っておいたんだ」
上条「でもな、それは俺にも武器に出来るって事忘れてねえか」
ゴロツキE「確かにな。そのくらい分かるわ子供じゃあるまいし。でも俺のが早い」ヒュン
ゴロツキE「お前と俺の違いは武器を瞬時に取る手段があるか無いか…それだけだ」
ゴロツキE「でもそれが、決定的な差を生むんだよ」
ゴロツキは手に大きな石を出現させ、上条当麻に投げつける上条は持っていた石で防ぐと石は砕け落ちた。
ゴロツキE「ほら、お前の武器は無くなったぞ。やっぱり俺のが強い。能力なんて少し使えりゃいいんだよ。これで誰でもぶっ倒せるんだから」
だめだ、寝ます
明日には終わらせる…
上条「お前…ほんとにLevel4か?能力は便利なもんもってるけど、使いきれてないだろ?」
上条「それに俺の武器、無くなってねえよ」バサ
ゴロツキE「っ!砂を!」
上条「お返しだ」
ゴロツキE「!くっ!」
ゴロツキは武器を振り回そうとした。が、上条当麻に腕を掴まれる。
上条「立派な能力持ってんのに、それを人を傷つける事に使い、関係ねえインデックス達まで巻き込みやがって…」
上条「お前が能力を人を傷つけるためのものだと……平和に暮らしてる人を傷つけても構わないもんだと思ってんのなら」
上条「まずはそのふざけた幻想を ぶち殺す!!」
ゴロツキE「!!」
上条当麻は空いている方の手に力を込め、ゴロツキの顔面を殴る。
ゴロツキE「が……」
ゴロツキの意識が飛ぶ。
上条「次からはその能力、もっと役立つ事に使えよ」
上条「て、ちょっとカッコつけ過ぎたかな…?」
上条「はぁ……インデックス!」
インデックス「とうまぁ!!!」
上条当麻はインデックスのところへ駆け寄り、縄を解く。
上条「大丈夫か?ケガしてねえか?」
インデックス「私は大丈夫なんだよ!それよりとうまが病院行ったほうがいいかも!」
上条「病院?いらんいらん!だって俺はこの通りピンピンしてますからね!」
インデックス「だめなんだよ!だって…出血してたし…というかしてるし…」
上条「そうか?このくらい別……に…」バタン
インデックス「と、とうまーー!!」
一方通行「……何やってンだ」
インデックス「あっ!あなたは…。と、とうまが倒れちゃったんだよ!血が出てるんだよ!大変なんだよ!」ウルウル
インデックス「助けてほしいんだよぉ!!」
一方通行「うるせェ…気絶してるだけだァ。今から病院行くから、ついでにそいつも連れてってやるよ」
インデックス「ほ、ほんとに!?ありがとう!ありがとうなんだよ!!白…」
一方通行「うるっせェ…声がでけえよ!あと白髪とか言うンじゃねェぞ!一方通行だ!覚えとけ!!」
インデックス「あく…せられーた!」
一方通行「チッ。おら、行くぞ」
インデックス「うんっ!」
病院
カエル顏の医者「患者を増やしてきたね?」
一方通行「俺が増やしたワケじゃねェ」
カエル顏の医者「しっかしこの子もよく来るね。よくない事に巻き込まれ易いのか、巻き込まれに行ってるんだか…」
一方通行「そいつは多分そンな重症でもねェだろ。まずはあのガキを診てやれ」
数10分後
カエル顏の医者「一方通行、入っていいよ」
一方通行「……」ガラッ
打ち止め「あ!一方通行!元気になったよ!って、ミサカはミサカは現状報告してみたり!」
一方通行「…あ?」
カエル顏の医者「見ての通りケガの手当ても完了したし、体調も良くなったよ?喜ばないのかい?」
一方通行「いや…こんな早いもンか…?首元ケガして…倒れてたのによォ」
カエル顏の医者「まあ、もう少しズレてたら危なかったかもね?でも危険な部分は傷ついてなかったよ。出血だってそんなになかったと思うがね?」
一方通行「…気ィ失ってたのは?」
カエル顏の医者「あれは寝てただけだね?疲れも来てたんだろうね?…君はあれだね、この子の事になると冷静さを失うみたいだね?」
打ち止め「私も、ケガしたのがビックリでオーバーな反応になっちゃってたのかも!ってミサカはミサカは振り返ってみる!」
一方通行「…そォかよ」
カエル顏の医者「まあ、二人とも軽くパニックになってたのかもね?」
一方通行「俺がパニックになるわけねェだろ…」
上条当麻はインデックスの元へ駆け寄り、縄を解く。
上条「大丈夫か?インデックス。ケガ…ないか?」
インデックス「私は大丈夫…!それより、とうまの方が心配かも!病院行かないとだよ…」
上条「病院?いらんいらん!ちょっと傷になってるだけで、この通り、ピンピンしてますよ!」
インデックス「い、いやでも…一応」
上条「心配すんなって!俺は丈夫に出来てるからな!ぜんぜん…だいじょ…う…」バタン
インデックス「ほらああ!とうまーー!!」
一方通行「…うるせェな…」
インデックス「!あなたは!と、とうまを助けて欲しいんだよ!大変なんだよ!倒れちゃったんだよ!」
一方通行「うるせェ!気絶してるだけだ!」
一方通行「今からこのガキを病院に連れて行くから、そいつ借りてくぞ。ついでだァ」
インデックス「あ、ありがとうなんだよ!!白…」
一方通行「一方通行だ!白髪じゃねェ!覚えとけ!」
インデックス「あく……せられーた!」
一方通行「チッ。おら、行くぞ」
書き込み出来てんじゃん!ミス!書き直したのに!>>53なかった事にして下さい!
カエル顏の医者「でも出血の量とか冷静に考える事は出来てなかったんじゃないかね?」
一方通行「……っ」
打ち止め「そんなに心配してくれてたなんて…今日は収穫が多すぎる!って、ミサカはミサカは感慨にふけってみたりー!」
一方通行「…チッ」
一方通行「そォだ、あの馬鹿はどォした?」
カエル顏の医者「彼は止血してあるよ。命には別状ない、心配いらないね。まだ意識が戻らないみたいだけど、安静にしてればすぐ起きると思うよ?」
一方通行「そォか」
上条「ん…あれ?病院……?
あぁ、そっか。俺倒れちまったのか」
インデックス「スー……スー…」
上条「インデックス?寝てるのか…。そりゃあ疲れるよな」
上条(ベッドに寄りかかる感じで寝てる…これは、もしかしなくても俺のことみててくれたのかな)
インデックス「ん……とうま……?」
上条「っと、わりぃ、起こしちまったか」
上条「ごめんな。お前だって疲れてるだろうに、俺のそばに居てくれたんだろ?」
インデックス「そんなことはいいんだよ。それより謝るのは私の方かも。いつも面倒ごとに首突っ込まないでとかいいながら、私のせいでとうまがケガまでしちゃうなんて…」
上条「まあ、じゃあお互い様って事にしようぜ。だからインデックス、もうお前が謝る必要はないぞ。」
インデックス「とうま…!」
上条「そんなことより動きまくったから腹が減りましたよ。はやく家に帰りたいんだけど…」
インデックス「それなら、心配ないかも!カエルみたいな顔のお医者さんが、怪我は深くないから目が覚めたら様子見て帰れそうって!」
上条「!そうか!じゃあ早速医者をば…」
カエル顏の医者「起きたようだね?」
一方通行「よォ」
打ち止め「お邪魔しまーす!って、ミサカはミサカは元気よく挨拶してみたり!」
上条「おお!グッドタイミン…て、一方通行!ちっこい御坂!お前らも無事だったか!」
一方通行「当たり前だァ。あンな三下相手に手こずってられっかよ」
上条「ま、まぁそうか、そうだよな。…ちっこい御坂の方は…ケガしてるみたいだが、軽かったのか?」
打ち止め「そうだよ!もう元気も回復してきた!って、ミサカはミサカは明るく現状報告してみる!」
インデックス「とうま!とうまと私のこと、この一方通行がココに連れて来てくれたんだよ!感謝しないといけないかも!」
上条「そうなのか……。助かったぜ、サンキューな!」
一方通行「……チッ」
打ち止め「もー素直に受け止めればいいのにー!ツンデレなんだからって、ミサカはミサカは素直になれないあなたを茶化してみたり!」
一方通行「だァれがツンデレだァ。おい、打ち止め。こいつらが無事なのも確認したし、帰るぞ」
打ち止め「えぇ〜、もっと遊びたい!お話したい!って、ミサカはミサカは駄々をこねてみる!」
一方通行「打ち止め。病院はなァ、遊ぶところじゃあねェンだぜ?」
上条「一方通行が…常識的な事言ってる…!」
一方通行「俺はいつから非常識キャラになったンですかァ?あァ!?」
上条「ひぃ!病院内はお静かにお願いします…」
インデックス「二人とも、仲良しだったんだね!知らなかったんだよ」
上条一方「「は?」」
打ち止め「確かに!一方通行と友達になってくれる人がいてくれて、感激ーって、ミサカはミサカは喜びを体で表現してみるー」
上条「仲…良し…?」
一方通行「おいオマエら何勘違いしてンですかァ?!どう見てもそンな仲じゃねェだろォが!」
上条「仲良しと言われるとはなぁ…ははは」
一方通行「ォおい!オマエも笑ってねェで……」
上条「別に良いじゃねえか!」
一方通行「…あァ?」
上条「仲良き事は素晴らしき事。友達っつうとヘンな感じするけど……別に無理に仲良くない素振りしなくても良いんじゃねえか?」
上条「俺はその方が気楽で良いと思うぜ」
一方通行「……」
一方通行「もうなンでもいいわ…」
一方通行「ンじゃそろそろ行くぞ。黄泉川に何も言わずのンびりしてるとアイツうるさそうだしなァ」
打ち止め「うん!まだお話してたいけど…またこんど会えるよね!って、ミサカはミサカは楽しみにしてみたり!」
上条「おう!次は違った形で会おうな」
インデックス「またねー!」
カエル顏の医者「君たちも準備が出来次第帰って平気だよ。ただ今日1日は安静にしておく事だね?当たり前だけど」
上条「はい。ありがとうございました」
インデックス「ありがとうなんだよ!」
カエル顏の医者「それじゃあ、席を外すよ。準備が出来たら知らせてね」
上条「はい」
インデックス「もう暗くなり始めちゃったね」
インデックス「色々ありすぎて疲れちゃったかも」
上条「濃い1日だったな…あんまいい意味でじゃないけどな」
上条「……帰ろうか。インデックス」
インデックス「…うんっ!帰ろ!とうま」
インデックス「安心したらお腹も減ってきたし!ご飯買って帰ろ!」
上条「はは…なんかいつも通りって感じだな」
インデックス「いつも私がお腹空かせてるみたいな言い方だね…」
上条「いや実際……いえなんでもないです。………さ、流石に噛まないでね…?ほら…怪我してるから…ね?」
打ち止め「もう夕方になっちゃったねー。色々あって疲れちゃったよって、ミサカはミサカは1日を振り返ってみる」
一方通行「おかげさまでなァ」
打ち止め「う…そ、その、ごめん…なさい…って、ミサカはミサカは…」
一方通行「オマエが謝ることじゃねェ。別にムカついてねェから安心しろ」
打ち止め「!」
打ち止め「あのね、私、これからもこうやって迷惑かけちゃう事があるとは思うんだけど……その…」
一方通行「別に…迷惑にもならねェ…軽い運動程度のもンだ」
一方通行「だからまァ…これからも面倒見てやるよ。仕方ねェからな」
一方通行「ただ、もう勝手に連れてかれンじゃねェぞ…」
打ち止め「うん!あ、でも攫われるなっていわれても…私の意思じゃないしな…」
打ち止め「はっ!これはもしかしてもしかして!ずっと一緒にいろっていう間接的なプロポーズ!?って、ミサカはミサカは隠れた意図に気づいてみたり!」
一方通行「……」
打ち止め「…あの、怒ってる…?」
一方通行「…怒っちゃいねェって言ったろォが」
打ち止め「!…じゃあまさかの…照れてる!?ってミサカはミサカは驚きを隠せずにたずねてみる!」
一方通行「うるせェ…ちょっとは静かに出来ねェのか」
打ち止め「真意を確かめるまでは静かにならない!って、ミサカはミサカは意地をはってみる!」
一方通行「チッ…。怒っても照れてもねェ。呆れてンだアホ」
打ち止め「アホ!?アホは酷い!それに呆れてるって!子供扱いして!って、ミサカはミサカは!」
一方通行「静かにならねェじゃねえかよ……」
一方通行「……電話?」ピッ
一方通行「なンだ?」
一方通行「……分かってる。時間はかからねェ。切るぞ」ピ
打ち止め「…だれだれ?ってミサカはミサカは覗き込んでみたり」
一方通行「黄泉川だ…飯出来てるから早く帰って来い、だとよォ」
打ち止め「ごはん!それ聞いたら一気にお腹空いてきた!ってミサカはミサカは楽しみにしてみる!」
一方通行「そォかよ」
一方通行「…じゃあ、さっさと帰るぞ」
打ち止め「…うんっ!」
打ち止め「帰ろう!」
終了です!とにかく一方さんと打ち止めが書きたかった
もうちょいまとめてから書けば良かったかなとか思ってます
見てくださった方いたらありがとうございました。
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