【艦これ】秘書艦村雨と提督のとある一日 (68)
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~06:00~
村雨「はいはーい♪マルロクマルマル、総員起こし!今日も一日、がんばっていきましょー!」
前書き書いてないで依頼出してこいよ
村雨「総員起こしよしっ…と。ん~、今日もいい天気♪水面もキラキラすっごくきれい♪気持ちいい朝だな~♪」
村雨「と、いうわけで、今日も村雨が秘書艦としてがんばっちゃいます!よろしくね、提督♪」
提督「んぅー…」ウツラウツラ…
村雨「…てーとくー?元気ないなぁ~」
提督「…ん…ふんぅ…」カクッカクンッ
村雨「もー、せっかくこんなに気持ちのいい朝なんだから、シャキッとしなきゃダメだよ?提督が元気ないと、みんなの元気も逃げちゃうんだから」
提督「…んーぅ…」クラリクラリ…
村雨「しょうがないなぁ…それじゃあ、いつもの、してあげよっか?」
提督「…うん…」フーラフーラ…
村雨「はいはい…元気ない時は、村雨が元気分けてあげるから…」
村雨「…はいっ!」スパーンッ!
提督「うっあ…!」ビクーンッ!
村雨「…どお?元気出た?」
提督「あー、あー…バッチリだ。やっぱ朝はこれがないとな。ありがとさん」シャキッ
村雨「うふふっ、よかった♪それじゃあ提督、今日も一日、がんばろうね♪」
~07:00~
提督「(…というわけで、今日の秘書艦は村雨だ…うん、いつもどおりだな)」
提督「(辛い朝は、村雨に根性張り手してもらうに限る。あれが無いと、1日が始まった気がしない)」
提督「(さて、とりあえず今日の日程を再確認するか…と思ったが、腹が減ったなぁ…)」
提督「(そろそろ朝飯の時間か…まあ、とりあえず飯を食ってからでも――)」
村雨「はいはーい♪提督、朝ごはんだよー♪」
提督「おーう。おっ、和定食か。やっぱり朝はこれだよな」
村雨「そうそう、朝のお米とおみそ汁はやっぱり欠かせないでしょ?」
提督「わかってらっしゃる。それじゃ、いただきます」パクッ
提督「(…うん、やっぱ美味いな。派手なわけじゃないけど、すっごい堅実な味だ)」
提督「(味付けもさっぱりしてて優しい。『実家のような安心感』って、こういうことなんだろうな。あー、うめぇ…)」モグモグ
村雨「…ふふっ♪」
提督「?…どうした、ニヤニヤして」モグモグ
村雨「ずいぶん美味しそうに食べてくれるなーって思って。提督は、私の作ったご飯をいっつも美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるよ」
提督「そりゃお前、実際美味いんだからしょうがないだろう?」
提督「毎朝こんな美味い食事で朝が始められるなんて、俺は幸せ者だよ。俺の同期に自慢してやりたい」モグモグ
村雨「あらあら、お上手ね♪そんなに褒めても何も出ないよ?」
提督「これだけの料理が出てるんだから、それで十分さ。…うん、ごちそーさん」
村雨「お粗末さまでした♪…って、やだ、提督?ほっぺたにご飯粒ついてるよ?子供みたい…」クスクスッ
提督「ん?どこだ?」
村雨「動かないで?取ってあげるから」
提督「おう」
村雨「んっ」チュッ
提督「…………あ…え?」
村雨「…………///」
提督「………!!///」カァァァァ
村雨「…ごちそうさまでした///」ペロッ
提督「お、お前なぁ…そういう不意打ちはやめろよ///」
村雨「ふふふっ♪だって、提督はからかうと反応が可愛いんだもん///」
提督「むむ…お、お前だって照れまくってるくせに…///」
村雨「あ、あはは…それじゃあ私、お皿洗ってくるから、帰ってくるまでちゃんと着替えててね?///」カチャンカチャン
提督「お、おう…///」
~08:00~
提督「っとに、あいつは…朝っぱらから突然あんなことしてきやがって…し、心臓に悪い///」
提督「まあいい…あいつが皿を洗ってくる間に、とっとと着替えないとな」ヌギヌギ
提督「…あれ?新しいパンツどこにしまったっけな…こっちの引き出しだったかな?」ゴソゴソ
提督「違うか…むむ、俺の洗濯物はいつも村雨にまかせっきりだからな…どこにあったか忘れてしまった…こっちだったっけ?」ゴソゴソ
提督「…おお、あったあった。2段目の引き出しの奥だったか。とりあえず履き替えて――」ヌギヌギ
ガチャッ
村雨「ごめん、お皿1枚忘れちゃっ――ひゃっ!?」
提督「うおっ!?む、村雨!?///」
村雨「ごっ、ごめんなさーいっ!!///」ガチャッ バタン
提督「(…よりによって下半身だけ丸出しの時に…タイミング神懸り過ぎだろ…)」
――10分後――
村雨「あはは、びっくりした///ごめんね?もうてっきり着替え終わってるものだと///」
提督「お前にしちゃ、油断しすぎだぞ…次からはノックくらいしてくれよ?」
村雨「はーい///…でも、やっぱりあの時、戻ってきて正解だったかも…」
提督「ん?どういうことだそりゃ…?ああ、俺の元気なムスコが見られて良かったってことか。まったくスケベな奴だなぁ、お前は。はっはっはっ」
村雨「…はいはーい、寝ぼけたこと言ってないで、とっとと上着脱ぎましょーねー?」ヌガシヌガシ
提督「うおおっ!?お前何すんだいきなり!俺はまだ心の準備が――」
村雨「…ほらー、やっぱり昨日と同じシャツ着てる。毎日新しいやつ着てっていってるのに、もー…」
提督「は?シャツ?い、いや、あんまり汚れてないし、別にいいかなーって…」
村雨「よくないですー」ギュウッ
提督「ぬあっ!?」
村雨「ほらぁ(クンクン)、提督の汗のにおい(スンスン)、すっごいんだよー?(スースー)。私は別にいいけど(スーハー)、ほかの娘たちは提督のにおい(スーハー)気になっちゃうかも――」
提督「わかった!俺が悪かった!着替えるからにおい嗅ぐのやめろ!くすぐったい!」
提督「(くああぁ!俺のにおいなんかより村雨の激甘少女臭の方が数倍ヤバいと思うんですけど!?脳ミソ溶けて死んでしまうわ!俺もこんな芳醇な少女臭漂う漢になりてええええええ!!)」スーハースーハースーハー
村雨「おヒゲを剃って、ちゃんと顔も洗って…うん、いい感じいい感じ♪今日もかっこいいよ、提督❤」
提督「そりゃどうも。まあ、お前のシビアなチェックが入れば、俺みたいなのでも人並み程度にはなるだろ」
村雨「シビアじゃないですフツーですー。まったく、提督はちゃんと身なり整えればほんとにかっこいい顔してるんだから、少しは気を使ってよね?もったいないなぁ」
提督「む、すまん…」
村雨「提督には、いつもかっこよくしててもらわなきゃダメなの。提督の素敵なところ、他の娘たちにいっぱい見せてあげなきゃなんだからね?うふふっ❤」
提督「(…毎朝、着替えが終わると村雨の服装チェックが始まる。チェックはかなり徹底的だ。村雨の美意識は相当高いからな…つま先から頭のてっぺんまで、隅々調べられる)」
提督「(村雨が秘書艦になるまでは、俺も適当だったからな…最初のうちは、正直面食らったもんだ)」
提督「(ただまあ、おかげ様で着任したてのころに比べると、艦娘たちの俺を見る目も若干変わった…気がする。全身清潔になったせいか、肌もきれいになった気がするし)」
提督「(まあ、少しでも俺が周りからマシに見えるように、村雨は気遣ってくれてるんだろう。そう思えば、これほどありがたいことはない)」
提督「(とはいえ、指摘されてばかりだと流石に子供みたいだからな。今日は鏡でバッチリセルフチェックしてるし、これ以上村雨のご指摘を受けるようなことは――)」
村雨「あ、提督、帽子曲がってるよ?動かないでねー?」スッ
提督「え?あ、ああ…」
村雨「あー、まって、まだ動かないで。背中のホコリも払うから」パッパッ
提督「お、おう…」
村雨「襟元もしっかり正して…でーきたっ♪これで完璧よ♪」
提督「(…自分で鏡を見るよりも、村雨に見てもらった方が身なりが整っちまうのが悲しい…)」
提督「(確実に、ダメ提督の階段を一歩ずつ昇ってる気がする…なんとかしないとな…)」
~09:00~
提督「(今日は遠洋への出撃予定艦隊はなし。出ているのは泊地近海の警戒部隊だけか)」
提督「(とりあえず、今日のところはハードワークにならずに済みそうだ。昨日は深海東洋艦隊の漸減作戦でみんなピリピリしてたしな。よし、今日は本でも読みながらゆっくりと――)」
村雨「てーとくー、今日の分の書類持ってきたよー?」ドササー
提督「…まあ、そうなるな。見通し激甘な能天気野郎だった10秒前の俺をぶん殴ってやりたい…」ガックリ
村雨「はいはい、露骨にテンション下げないのー。村雨もお手伝いするから、今日も一緒にがんばろー?」
提督「…いつもすまん。お前には負担をかけてばっかりだな…」
村雨「やだなー、提督ったら。村雨は提督の秘書艦なんだから、そんなの当然でしょ?ほらほら、書類の振り分けはもうやってあるから、早く村雨にもおシゴトちょーだい?」
提督「ああ、わかった。じゃあ、こっちの書類の点検から頼む」
村雨「はいはーい♪」
村雨「提督、みんなのコンディションチェック終わったよ。入渠中の娘以外はいつでも出撃できる状態だって」
提督「そうか。昨日の漸減作戦に参加した艦娘たちは?」
村雨「えーっと、筑摩さんと衣笠さんは明石さんから泊地修理を受けてるわ。イクの艤装の修理は完了。長門さんと加賀さんはもうちょっとで修理が終わるって」
村雨「それで、山城さんの艤装の損傷なんだけど、修理に時間がかかっちゃうかも。かなり酷くやられちゃってるわ」
提督「うーん、そうか…やはり敵の戦艦も侮れないレベルまで改修されてきてるな…まあ、山城は今日の出撃予定はないし、ゆっくり休んでいてもらうか」
提督「昨日の作戦で泊地にもっとも有効打を与えたのはあいつだったしな。近いうちに、あいつらには酒でも振舞おう」
村雨「おっ、提督ったら太っ腹じゃない?」
提督「これくらい安いもんさ。みんな、命がけで深海棲艦と戦ってきてくれてるんだからな」
提督「それに、お前らが優秀なおかげで作戦もスムーズに進んでる…まったく、お前らには足を向けて眠れんよ」
村雨「うふふっ、そんな優秀なみんなの力を引き出してくれてるのは提督だってこと、忘れちゃダメなんだからね?」
提督「よ、よせやい、気恥かしい…」
すみません、今日はちょっとここまで。
続きは後日上げさせていただきます。
>>3
すみません、依頼とはなんのことでしょうか?
何分SS初心者なもので…不手際で申し訳ないです…。
おつおつ
村雨嬢いいぞー
>>13あまり気にしない方がいい
それでは、続きを投下させていただきます。
よろしくお願いします。
~10:00~
村雨「ところで提督、ヒトマルサンマルは他の司令部の艦隊との演習があったよね?」
提督「ああ、予定通りだ。お相手は、数か月前に第8司令部に着任した新人らしい」
村雨「第8司令部?…そう言えば、相手の編成見てみたけど、駆逐艦の娘ばっかりだったわね。一応、旗艦は戦艦の娘みたいだったけど、錬度もそれほど高くないみたいだし…」
村雨「第8司令部って最近できたばっかりだったよね?もしかして、この編成で最大戦力なのかしら?」
提督「らしいな。まだあちらは十分な戦力も資源も整ってないんだとさ。配備されている艦娘のほとんどは駆逐艦。戦艦は、なけなしの資源をはたいて建造に回したら偶然着任してくれたんだそうだ」
提督「とはいえ、戦艦を常時運用できるほどの資源も大本営から回してもらえていない状態らしい。実戦での錬度上昇はとても厳しいってことで、他の司令部に片っ端から艦隊演習を頼んで回ってるんだとさ」
村雨「ふふっ、がんばり屋さんなのね。提督も、着任したての頃はそんな感じだったよね」
提督「だな。俺もこの泊地にきたばかりの頃は大変だった…戦艦どころか重巡すら着任してくれないし、資源もカッツカツで…って、俺の昔話はどうでもいいか」
提督「で…今回、相手が駆逐艦中心の編成になるなら、俺たちも水雷戦隊で相手の艦隊を迎え撃とうってわけだ。編成はこの間言ったとおり、覚えてるか?」
村雨「もちろん。旗艦は由良さん、随伴艦は朝雲、山雲、春雨、五月雨…そして、私」
村雨「相手と同じ土俵に立つってわけね…まかせて!相手が駆逐艦なら、私だって負けやしないわ!」
提督「ははっ、頼もしいな。ただ、戦艦の砲撃には気をつけろよ?いくらお前とはいえ、大型艦砲の直撃をもらったらひとたまりもないぞ?」
村雨「だいじょうぶっ!ほら、昔の偉い人の言葉であったじゃない?『当たらなければどうということはない』って!」
提督「む…まあ、そうだがな…」
村雨「それじゃあ私、そろそろ準備してくるわね♪第二ドックで、みんなと待ち合わせしてるの♪」
提督「ああ…」
村雨「…提督。村雨の活躍、しっかり見ててくれなきゃやーよ?」
提督「…ふふっ、わかった。がんばれよ?」
村雨「はーい♪それでは、村雨いっきまーす!」ガチャ バタン
提督「…『当たらなければどうということはない』…か。あれ、死亡フラグなんだよな…」
―トラック泊地 第二ドック―
由良「みんな、今日の演習は由良が旗艦を務めます。由良もがんばるから、みんなも一緒にがんばろうね。ね?」
山雲「はーい。がんばるわ~。ね~?」
春雨「は…はいっ!が、がんばり…ます!」
由良「村雨ちゃん、朝雲ちゃん。今日はよろしくね」
朝雲「うん!よろしく、由良さん!」
村雨「由良さんがいてくれてほんとによかったわ♪よろしくお願いしますね♪」
由良「私も、2人がいてくれて安心しちゃった。頼りにしてるね」
朝雲「もっちろん!朝雲に任せておいて!」
村雨「…あら?ところで、五月雨はまだ来てないのかしら?」
朝雲「えっ、五月雨?そう言えば…山雲、知らない?」
山雲「え~?ちょっとー、わからないかも~?」
春雨「………」
由良「あれ、おかしいな…第二ドックに集合って、ちゃんと伝えたはずだったんだけど…」
由良「私、ちょっと探してくるね。ちょっと待ってて。ねっ?」タタタッ
朝雲「えっ!?ちょ、由良さん!」
山雲「あら~、いっちゃったー。由良さんはやーい、最大戦速~」
朝雲「んもー、探しに行くなら私が行くのに!五月雨も時間に遅れるなんて、いったい何やってるのかしら!まったく!」プンスコ
春雨「………」
村雨「まぁまぁ。きっとすぐ帰ってくるわよ。早めの集合時間だからまだ時間もあるし、ゆっくり待ってましょ?」
朝雲「村雨…はぁ、アンタ、相変わらず余裕あるわねー…そういうとこ、昔っから変わってないって言うか…」
朝雲「まあ、いいわ。村雨、今日は久々に一緒に戦うことになるわね。秘書艦の仕事ばっかやって、腕が鈍ったりしてないでしょうね?」
村雨「うふふっ、なめてもらっちゃ困るわね~。これでもちゃんと、訓練には参加してるんだから。今日の演習で、村雨の、ちょっといいとこいっぱい見せてあげるわ♪」
朝雲「やれやれ、聞くまでもないって感じ…期待してるわよ。艦隊演習とはいえ、アンタと一緒に戦うの、なにげに楽しみにしてたんだから」
村雨「私も♪頼りにしてるわよ、朝雲♪」
春雨「………」
村雨「……あれ?ねえ、山雲、どこにいったの?さっきまでそこにいたような気がしたんだけど…」
朝雲「へっ?…あれー!?いなくなってる!?なんで!?」ガーン!
朝雲「もー!んもー!!勝手な行動しちゃダメだっていっつも言ってるのに!」
朝雲「村雨、ごめん!ちょっと探してくる!由良さん帰ってきたら、すぐ戻ってくるって伝えておいてちょーだい!」タタタタッ
村雨「はいはーい♪」
村雨「…結局みんなバラバラになっちゃったわねー。早めの集合時間を提案しておいて正解だったわ。ねー、春雨?」
春雨「えっ!?」ビクッ
村雨「えっ?」
春雨「あ…えっと…は、はい!そうですね!」
村雨「…春雨、心ここに在らず、だったでしょ?」
春雨「あ…はい、すみません…」
村雨「あ、さては…緊張してるな~?しょーがないなー、春雨ったら!」
村雨「これはただの艦隊演習なのよ?実戦じゃないんだし、ぜんっぜん怖がることないんだから♪」
春雨「あう…だ、だって…私、遠征任務ばっかりで…艦隊戦とか、まだあんまりしたことなくて…」
春雨「村雨姉さんみたいに全然錬度も高くないですし…もし、失敗してみんなに迷惑かけちゃったらって思うと、緊張しちゃって…」ズーン
村雨「んー…そっか。なんていうか、春雨らしいわね」
春雨「私…どうしてこの編成に選ばれちゃったんだろう…私よりも適任な娘が…他にいたと思うのに…」
村雨「…春雨は、失敗してみんなに迷惑をかけちゃうのが怖いってことね」
春雨「…はい」
村雨「…だいじょうぶよ。確かに、失敗して怒られることはあるかもしれない。でも、春雨のミスをいつまでも根に持って責め立てるような器のちっちゃい人は、この編成にはいやしないわ」
村雨「由良さんも、朝雲も…大ベテランよ。春雨がちょっと失敗したって、そんなの簡単にフォローできちゃうんだから。提督だって、それを見越して春雨を今回の編成に組み込んだのよ?」
春雨「えっ…?」
村雨「もっともっと強くなって、もっともっと活躍して…そして、この先の戦いでも必ず生き残れるように。提督は、そう願ってるわ。今日の演習は、春雨たちにそうなってもらうための、足がかりに過ぎないんだから。」
村雨「だから、今日の演習は、みんなの胸を借りるつもりで思いっきり戦いなさい?」
春雨「…わ…私…いいんでしょうか?もし…みなさんに迷惑をかけちゃっても…」
村雨「うふふっ…心配症ねー、春雨は」クスクス
村雨「仮に…もし、仮にね?みんなが春雨のこと、嫌いになったとしても…私は春雨のこと、嫌いになったりしないわ。絶対にね」
春雨「ね…姉さん…?」
村雨「私の大事な、妹だもん。当然でしょ?」
春雨「あ…う…」ウルッ
村雨「今日は私がついてるわ。だから、安心して?春雨は、春雨ができることを一生懸命やればいいんだから。一緒にがんばりましょ?ね?」
春雨「は…はい…私、がんばります…!」グスッ
村雨「ふふっ、いい子いい子♪…ほらほら、泣かないの。せっかくのかわいい顔が台無しよ?」
由良「みんな、ごめんね~!五月雨ちゃん、やっと見つかったわ!」
五月雨「す、すみませーんっ!集合するドック間違えちゃって――!」
朝雲「ごめん、村雨!お待たせ!…山雲!もう、勝手にいなくなったりしたらだめだからね!」
山雲「はーい、ごめんなさ~い」
村雨「みんな揃ったみたいだし…それじゃ、いこっか?」
春雨「はいっ!」
~10:30~ 演習場 監督室
ドーン!ドドーン!
敵督「く、くっそぉ!なんて艦隊運動だ!こちらの砲撃が一発も当たらないとは――!」
敵督「い、いけっ!そこだ!戦艦の砲火力で、敵の軽巡を潰せ!…ぐあぁ、また避けられたぁ…!」
提督「(いいぞー、由良。素晴らしい艦隊指揮だ。相手の陣形を撹乱しながら、こちらの陣形はしっかりと維持してる。やはり、旗艦を由良に任せて正解だったみたいだな)」
提督「(新人の春雨と五月雨、それに山雲も、動きにぎこちなさは残るがしっかりついていってる…うんうん、これは将来有望株だな)」
提督「(朝雲と村雨は…新人のフォローしながら戦ってるのか。それにしたって、動きにまだ余裕があるなぁ。大したもんだ。流石はベテランってところだな)」
提督「(…ん?由良が村雨に、なにか合図を出してるな…お、村雨の動きが変わったぞ?…これは…)」
敵督「!!…な、何だあれは!?駆逐艦娘が1人、凄まじい勢いでこちらの艦隊に突撃してくる!何をするつもりだ!?」
ズゴーンッ!ドーンッ!
敵督「ぬあぁ!?た、立て続けに2人もやられただと!?なんだあの駆逐艦は!なんて動きをするんだ!」
提督「(お、やるなぁ村雨!流石は我が泊地の最高錬度を誇る駆逐艦だ!)」
敵督「や、やめろお前たち!その駆逐艦を深追いするな!陣形が崩れる!…ああ、もうダメだ!あの駆逐艦の突撃で、こちらの陣形は滅茶苦茶じゃないか!」
提督「(…どうやらお相手も驚いているようだな…見とけよ見とけよー、俺の秘蔵っ子の圧倒的強さをな…ふっふっふ…)」
敵督「あれは確か…白露型駆逐艦だな!聞いたことがあるぞ…白露型駆逐艦には、規格外の強さを誇る艦娘がいると!あれだけの強さを誇る白露型駆逐艦と言えば――」
敵督「…まさか、あれがかの有名な『時雨』か!【佐世保の時雨】と謳われた超幸運艦の!」
提督「……あ゛ぁん?」ビキィッ
敵督「撃っても撃ってもまるで当たらないのはそういうことか!運も実力のうちとは言うが…まさかここまでとは恐れ入る…!」
提督「…それは単純に、錬度の差だと思うんだが?」ピクピク
敵督「ん?いや、待て…何か違うぞ?…資料で見た時雨は、確かあんな姿ではなかった気が…」
提督「(…気付いたか…全く、俺の秘蔵っ子を間違えるとはとんでもないやつ――)」
敵督「あっ!わかったぞ、あれは『夕立』だ!【ソロモンの悪夢】と恐れられた化け物駆逐艦ではないか!」
提督「」ビキキィ
敵督「あの鬼神のごとき戦いっぷり!看板に偽りなしとはまさにこのこと!恐ろしい…これが実戦だったらと思うと、鳥肌が立ってくる…!」
提督「…違う」ピキピキ…
敵督「えっ?」
提督「…『村雨』だ。白露型駆逐艦三番艦、む・ら・さ・め。それだけ白露型駆逐艦に詳しいなら、聞いたことぐらいあるだろう?」ピキピキ…
敵督「村雨?…いや、知らないな…」
提督「」プッツーン
敵督「むむむ…しかし、村雨か…私もまだ学が足りなかったようだ。あれだけの強さを持った白露型駆逐艦がまだいたとは――」
シュドドドドーーーーー!
敵督「…は?あ…れ…?魚雷の発射音…?いつのまに雷撃戦に――」
ズゴゴゴゴーーーーーン!
敵督「キ…キィィィィィィィ!?こ、こちらの駆逐艦たちがあぁぁ…ぜ…ぜん…め…めつめつめつ…」
提督「おー、いいぞいいぞー。流石は我が水雷戦隊、見事なもんだ」
敵督「く…ぐぬぬ…こちらには戦艦もいるというのに…まるで手も足も出ないとは…」
提督「その戦艦も、さっきの雷撃で中破してしまったようだな。どうする?このまま終われば、こちらの勝利は確定的だが」
敵督「ま、まだだ…こうなったら夜戦だ…中破してるとはいえ、まだこちらの戦艦は砲撃できる…敵の旗艦…あの軽巡さえ潰せば…!」
敵督「夜戦開始だ!演習場を、夜戦形式に切り替えろ!」
提督「(あらあら、まだやるのー?い・い・け・ど)」
―トラック泊地 廊下―
村雨「ふ~、いい感じいい感じ♪春雨、お疲れさま♪よくがんばったわね♪」
春雨「はいっ!大勝利です!私…嬉しいですっ!こんなふうに、皆さんと戦うことができるなんて…!」
村雨「うんうん、由良さんの指揮もカンペキだったし、朝雲と山雲のコンビネーションもすごかったわね。五月雨は艤装にちょっとしたトラブルが発生しちゃったみたいだけど、それでも相手の駆逐の娘を1人撃破してるし」
村雨「春雨も、最後の雷撃戦、かっこよかったわよ。ちゃんと戦艦の娘に当てることができたじゃない」
春雨「そんな…私はただ、村雨姉さんと同じようにやっただけです…」
春雨「それに、その…村雨姉さん、本当にすごかったです。敵の砲撃を楽々とかいくぐりながら敵陣に突撃したと思ったら、あっという間に相手の駆逐艦の娘を2人も戦闘不能にしてしまうんだもの…駆逐艦でも、あれだけの活躍ができるんですね…」
村雨「うふふっ、まあ、相手の錬度もそれほど高くなかったし、なによりT字有利だったからねー」
村雨「そして、なによりも艦隊のみんながちゃんと私をフォローしてくれたから。これに尽きるわ。私ひとりじゃ、あんな砲弾の雨を抜けることなんて絶対にできなかったもの」
村雨「私たちはお互いを守って、守られて…そうやって戦っているの。春雨、それを忘れちゃダメだよ?春雨も守ってもらった分、いつか誰かを守ってあげてね。私たちの力は、そのためにあるんだから」
春雨「は、はいっ!…あ、あの、村雨姉さん!」
村雨「ん?なーに?」
春雨「私…私もきっと、村雨姉さんみたいに強くなります!そして、いつか村雨姉さんと同じ戦場で戦えるように…村雨姉さんを守れるようにがんばりますから!」
村雨「!…ふふっ、そっかー。がんばってね。春雨は私よりも基本的なスペックは高いんだし、きっと私よりも強くなるわ。私、楽しみにしてるから」
春雨「はいっ!…あ、私これから長距離練習航海あるので、これで失礼しますね!」
村雨「うん。それじゃあ、気をつけていくのよ?」
春雨「はいっ!」タタタタッ
村雨「…『村雨姉さんみたいに強くなります』…かぁ」
村雨「…うふふ♪えへへ…」ニヨニヨ
提督「村雨ーっ!」タッタッタッタ
村雨「ひゃんっ!?」ビクゥッ
提督「ご苦労さん!良い戦いっぷりだったぞ!」
村雨「て、提督ぅ~?びっくりしたぁ…」
提督「すまんすまん!見事な勝利だったもんだから、俺もテンションが上がっちまってな!はっはっは!」
村雨「もう、大げさだなぁ、提督ったら。あれだけ錬度の差があるんだから、これくらいは当然よ」
村雨「…でも、私の活躍、ちゃんと見ててくれたのね?嬉しいわ♪」
提督「当然だ。こういう機会じゃなきゃ、みんなの戦いっぷりを拝むことはできないからな」
提督「それに…ここだけの話だが、お前の晴れ舞台、俺だって楽しみにしてたんだ。お前の強さを他の提督に見せつけてやることもできたし、俺としちゃあ大満足だよ」
村雨「あはは、そんなに褒められると照れちゃうわ♪///別に、もっと褒めてくれてもいいけどね///」
提督「…それにしても…お前、どうしたんだ?さっきから顔がふにゃふにゃに緩みまくってるぞ?そんなに勝てたことが嬉しかったのか?」
村雨「えー?…うふふっ、まぁねっ♪」ニコッ
村雨「そ・れ・よ・りー…そろそろお昼時だよねー?私、お腹すいちゃったなー?」
提督「む?」
村雨「えへへ~…❤」ジーッ
提督「…わかったわかった。まあ、さっきの演習はお前がMVPだったし…何が食いたいんだ?」
村雨「ふーん、おごってくれるんだー♪いい感じいい感じ♪村雨、ちょっと期待しちゃうなー♪」
提督「(…なんだかうまく乗せられてしまった気がする…まったく、こういうところ、ほんとに巧くやるよなぁ…)」
提督「(ははっ、やれやれだ…こいつには、一生勝てる気がしないな)」
~12:00~ 甘味処 間宮
間宮「はーい、村雨ちゃん、お待たせ。間宮パフェ、お持ちしました~」
村雨「おぉ~、グッド~❤間宮さん、ありがとー♪」
間宮「それじゃあ、ゆっくりしていってね」
村雨「はいはーい❤」
提督「…お前、パフェが昼食でいいのか…」
村雨「いいじゃない♪せっかくおごってもらうんだし、こういう機会に普段食べられないものを食べておきたいの♪」
提督「…まあ、お前がいいなら別にいいんだけど…相変わらずでっかいパフェだな、これ…」
提督「どんぶりに山盛りのクリームとフルーツ…カロリーどれくらいなんだこれ…これ一皿で、一日動けるんじゃないか…?」
村雨「んふふ~❤燃料弾薬は艦娘の必須資源、そして甘いものは女の子の必須資源なの❤これ、食べ物のうちに入らないから❤いただきまぁーす❤」パクッ
村雨「はぁ~、休まりますねぇー…❤」キラキラキラキラ
提督「(…すっごい幸せそう…女ってみんなこうなんかな…)」
提督「(…まあいいか。こんだけ幸せそうにしてる村雨を見てると、こっちもなんだか幸せな気分になる。連れてきてよかった)」
村雨「はい、提督♪あーん♪」
提督「……は?」
村雨「『は?』じゃないでしょー?ほら、あーんして?幸せのおすそわけ♪」
提督「いやいやまてまて。あーんってお前、流石にそれは…」
村雨「えー?どうしたの提督?このパフェすっごく美味しいのよ?ここはだまされたと思って、ほらほら♪」グイグイ
提督「いや、お前そういう問題じゃ…あーんしてもいいけどさー、時間と場所をわきまえなよ?こんなところじゃちょっとマズイだろ…」
村雨「…そーですかー…この村雨のパフェは食べたくないですかー…」シュン…
提督「そ、そんな顔するなよ…だって、流石に人目ってもんがあるだろ…周りに他の艦娘だっているし…ほら見ろ、一番奥の席で青葉がカメラ構えて――」
村雨「えいっ♪」シュッ
提督「んむ……っ!?」パクッ
村雨「スキありー…うふふっ、どう?美味しいでしょ?」
提督「(!?!?…うめえええ!?なんだこれ、すっごい美味いじゃないか!甘く見ていた、つーか甘い…なにこれ、クセになりそう…!)」キラキラキラキラ
村雨「じゃあもう一回…はい、あーん♪」
提督「あ…あーん♪」パクッ
提督「(や、ヤバい…周りの艦娘からの視線が…青葉もめっちゃフラッシュ焚いてやがる…でも、やめられない止まらない…!)」
――5分後――
提督「あーん♪」キラキラキラキラ
村雨「うふふっ…提督、もうパフェは終了です♪」
提督「あ…?え、嘘だろ…!?」
提督「(うわ…あのどんぶりで山盛り一杯のパフェが見る影もなくなってやがる!?すっからかんだ…!)」
提督「ま、まさか…俺、1人でこのパフェほとんど食っちまったんじゃ…」マッサオ
村雨「くすっ、良い食べっぷりだったよ、提督。まさかこんなに間宮パフェを気に入ってくれるなんて思わなかったなー♪」
提督「す、すまん…お前のパフェだったのに…まさかあれだけたくさんあったのに、食いきってしまうなんてこれっぽっちも思ってなかったんだ…」
村雨「いーのいーの、気にしないで?おかげでいいもの見られたから」
提督「いい…もの…?」
村雨「ふふふっ♪パフェに夢中になる提督、かわいかったなー❤」
提督「うぐぅ…」
村雨「提督、パフェごちそうさま♪そろそろ帰ろ?まだまだ今日のお仕事はいっぱい残ってるからね」
青葉「青葉見ちゃいました…『駆逐艦娘に餌付けされて恍惚の笑みを浮かべる提督!』。これは明日の一面ですね、ふっふふふっ…」
衣笠「そんな物珍しい記事にならないと思うけどね…あの2人がイチャイチャしてるのはいつものことじゃん…」
古鷹「いいなぁ…ちょっとだけ、羨ましいかも…」
加古「は~ぁ…いつものあんみつが3割増しで甘いぜー…おかげで眠くなってきた…ふぁ~…」Zzz…
とりあえず、今回はここまで。
続きは後日に。お付き合いありがとうございました。
>>1です。大分間が空いてしまいました、申し訳ありません…。
少しですが、投下させていただきます。よろしくお願いします。
~13:00~ 入渠施設 第四浴場
山城「……はぁ」モワモワ
山城「もういい加減飽きてきたわ…いったいいつまでお風呂に入っていればいいのかしら…」モワモワ
山城「(昨日の深海東洋艦隊漸減作戦…敵泊地の破壊は完了、作戦は大成功…なのに私だけ大破して、こうやって入渠してる…)」モワモワ
山城「ああ…不幸だわ…なんで私だけ…」モワモワ
睦月「お風呂おっわり~!うーん、このみなぎるパワー!睦月かんげき~!」キラキラ
如月「ますます強く、美しく♪あぁ、気持ちよかったわ~♪さあ睦月ちゃん、午後の海上護衛任務もがんばりましょう♪」キラキラ
睦月「おーっ!睦月、がんばるにゃしぃ♪」キラキラ
山城「(…あの娘たち、遠征艦隊の…あの様子、泊地近海の敵駆逐艦でも潰して、コンディション上げて帰ってきたってところかしら…)」モワモワ
山城「(いいわね、駆逐の娘は…そうやって、お風呂を楽しんでいられるんだから…)」
睦月「おりょ?あそこにいるのはもしかして山城さんじゃないかにゃ?」
如月「あら、ほんとう…湯気がひどくて気付かなかったわぁ。こんにちは、山城さん♪」
山城「え、ええ。こんにちは」
睦月「山城さん、だいじょうぶかにゃ?山城さん、いっつもケガしてお風呂に入ってるから睦月は心配にゃし…」
山城「」ビキィ
如月「む、睦月ちゃんっ…!」
睦月「はにゃっ!?ち、違うんです、睦月、そんなつもりじゃ――!」
山城「い、いいわよ、別に…私、気にしてないし…これっぽっちも気にしてないし…」ピクピク
如月「(すっごく気にしてるわー!?)そ、それじゃあ私たち、これから遠征任務があるので…ほら、睦月ちゃん…!」イソイソ
睦月「は、はにゃ…!如月ちゃん、待って…!」イソイソ
ガラララッ、ガシャン
山城「…いっちゃったか。ふん…いいわよ別に…どうせ私なんか、入渠ドックに篭ってるのがお似合いなんだから…」モワモワ
山城「…でも、やっぱり納得いかないわ。なんで私だけ大破なのよ…他の娘は大して被害もなかったのに…」モワモワ
山城「やっぱりこの艤装が目立っちゃうんだわ…敵の弾が全部私に向かって飛んできたように感じたもの…」モワモワ
山城「私は他の娘の弾除けになるために海に出てるわけじゃないのに…ほんと、不幸だわ…」モワモワ
山城「…というか、さっきから湯気がひどいわね…空調でも壊れてるのかしら?周りが全然見えやしないじゃない…」モワモワ…
ガララッ
山城「ん…誰か入ってきたわ…こんな時間に誰かしら?…湯気で全然見えないけど…」モワモワ
???「山城…だいじょうぶ?」
山城「!?…そ、その声は…扶桑姉さま!どうしてここに!?」ザバァ
???「貴方が心配で、様子を見に来たのよ?身体の具合は、良くなったかしら?」
山城「は、はい!私…嬉しい!姉さまが、私のことを心配して、こんなところまで来てくれるなんて!」
???「大事な妹が怪我をしたのよ?心配に決まっているわ」
???「大変だったわね、山城…随分酷くやられたと聞いたわ…痛かったでしょう?」
山城「ね…姉さまぁ…」
山城「…あーんっ!!あいつらほんとにひどいんですよぉ~!私のこと、よってたかってイジメてきてぇ~!」
山城「砲塔も全部ボロボロになっちゃうし、新型の瑞雲もほとんどやられちゃうし…スリガオの時みたいですっごく怖かったんですからぁ~!」
???「山城…辛い時は、私の胸で泣くといいわ」
???「さあ、こっちにおいで…慰めてあげる…」
山城「ね、姉さまぁ~っ!!」ザバァ ダダダダッ
ぎゅうぅっ!
山城「うえぇ~ん!姉さまぁ~!」スリスリスリスリ
???「…ぷっ、くくくっ…」
山城「ふえぇ?姉さま…笑わないでくださいよぉ…」
???「だ、だって…こんなの、予想できるわけないじゃないですか…うっ、くくくくっ…」
山城「…は?」
山城「(い、今の声…しかもこの感触…違う!!姉さまじゃない!!姉さまはもっと背が高いし、それに…お腹周りがもっとふっくらしてるはずだわ!)」
山城「あ、あなた…まさか…」
???「ふっふっふー…」
村雨「じゃーん♪村雨ちゃんでしたー♪」
山城「」チーン
村雨「いやはや、まさかあの山城さんがここまで気持ちよく引っかかってくれるなんて思わなかったわ♪村雨のモノマネ練度、侮れないでしょ?」
村雨「それにしても、いいもの見られちゃった♪うわさには聞いていたけど、山城さんがここまでお姉ちゃんっ子だったなんてねー♪これは扶桑さんも、姉冥利に尽きるってものだわ♪うふふっ♪」
山城「………//////」プルプルプルプル…
ヒョイッ
村雨「きゃっ…!」
村雨「あ、あら?山城さん?あの、私を持ち上げてどうするつもりなのかしら?」
山城「………//////」スタスタスタ…
村雨「ちょっ、まっ…そっち、お風呂ですよね?なんとなく想像ついたんですけど、それやられちゃうと本当に困るんですけど…私、制服だし、まだ秘書艦のお仕事中だし――」
山城「……あああああああああああっ!!!//////」ブゥンッ!!
村雨「きゃーーーっ!?」ポーンッ
ざぼーーんっ!!
村雨「ぷはぁっ!ひ、ひどーい!ほんとにお風呂に放り投げるなんて…って、ひえぇっ!?」
山城「うわあああああああああああああっ!!!//////」ダイブ アンド クリンチ!
村雨「ごぼっ!?びょ、ばっ…ひ、ひぶんびゃうっ…!」バチャバチャ
山城「さっきの忘れなさい!!忘れろ!!忘れろおぉぉ!!ああああはずかしいいいい!!ていうかなんであなたそんなに姉さまの声真似上手なのよおぉぉ!!あああもおおぉぉ不幸だわあああぁぁっ!!//////」バッシャバッシャバッシャ
村雨「………」ゴボゴボゴボ・・・
―――
――――
―――――
村雨「…はあ、危うく入渠施設で轟沈するところだったわ…」
山城「わ、私は悪くないわよ?あんな下らない事したあなたが悪いんだから…まあ、多少はやりすぎちゃったかなって思ってはいるけど…」
山城「…ていうか、なんであなたまでちゃっかりお風呂に入ってるのよ…」
村雨「えー?だって、制服もパンツもぐっちょぐちょに濡れちゃったんだもの。着替えもないし、乾くまではお風呂から出られないわ」
山城「ちょっ、乾くまでここにいるつもりなの!?」
村雨「だいじょーぶ、ちゃんと乾燥機に放り込んできましたから♪あの乾燥機、すっごい性能いいから5分もしないうちに乾いちゃうわ♪」
村雨「それにしても、こんな時間に入るお風呂も気持ちいいですねぇ♪ああ、クセになっちゃいそう…」
山城「…だいたいあなた、こんなところに何しに来たのよ。お風呂に入りに来たわけでもないでしょうに…ズタボロにやられて帰ってきた私のことを笑いにでもきたの?」
村雨「まさか。深海東洋艦隊の漸減作戦、あんな大規模作戦を成功させた英雄を、笑ったりできるわけないじゃないですか」
山城「じゃあなに?いつものように提督に言われて、私の怪我の様子でも見に来たのかしら?」
村雨「あら、わかってるじゃないですか♪艦娘のコンディションチェックは欠かせないですからねー、山城さんはこの司令部の主力艦なんですから、なおさらです♪まぁ別に、提督に言われてきたわけじゃないんだけど」
山城「ふーん…有能な秘書官はお仕事熱心ね。流石は“提督のお気に入り”だわ」
村雨「うふふっ♪お褒めの言葉、ありがとうございます♪」ニコッ
山城「(…皮肉のつもりで言ったんだけど…いえ、皮肉だってわかってるわね、この娘…なんか悔しいわ…)」
山城「(…私、この娘のことあんまり好きじゃないのよね。飄々としたこの態度、正直少し苦手だわ…駆逐の娘のクセに、妙に大人びててやりにくいっていうか…)」
山城「(それに…この娘、提督からあんなに大事にされて…納得いかないわ。私のほうがずっと戦果を上げてるじゃない…この娘なんて、たまに演習に参加するだけで、ほとんど出撃もせずに秘書艦の仕事をしているだけじゃないの)」
山城「(確かにこの娘は私より古株で、錬度自体は私より高いわ。提督と居た時間だって、私よりずっと長いのも知ってる。私は別に、提督から大事にされたいわけじゃないけど…でも、私がこうして入渠してる間にも、この娘は出撃もせずに提督からの評価を上げて…ずるいわ、こんなの…)」
村雨「それで、実際のところ、体の調子はどうですか?まだ痛いところ、あります?」
山城「…見てのとおりよ。もう大分良くなったわ。明日にはきっと元通り、出撃もできるようになるはずよ」
村雨「そう、よかったぁ♪」
山城「…ふん…提督も、ほとほと呆れているでしょうね。出撃のたびにこうも毎回大破して帰ってきて…徒に資源を消費して…」
村雨「あら…もしかして、いつものネガディブトークですか?」
山城「うるさいわね…あなたにはどうせわからないわよ、陰で“入居ドックの主”だなんて呼ばれてる私の気持ちなんて…」
山城「錬度も上がって、改二にもなって…少しは変わった気がしてたけど…入渠の回数だけは全然変わってない…それどころか、日に日に増えてる気さえするわ…」
村雨「………」
山城「所詮、私はどこまでいっても…“欠陥戦艦”のままなのよ…そのままどんどん入渠時間が増えて…誰にも気付かれないまま入居ドックで朽ち果てていくんだわ…」
村雨「(…あいかわらずねぇ、この人。時雨からは聞いてはいたけれど…まあ、いいわ)」
村雨「…確かに、山城さんっていっつも入渠してるわよね。他の艦娘と比べても、入渠時間が圧倒的に多いもの。大型艦だってことを考慮してもね」
山城「なっ…なによ…なんなのよ、急に――」
村雨「そういえば、今月使った高速修復材の数も、山城さんがトップだったかしら?」
山城「っ…ちょっとあなた、言ってくれるじゃない。喧嘩売って――」
村雨「でも、入渠時間なんかより、山城さんは海の上で戦ってる時間のほうが、ずっと多いわ」
山城「………えっ?」
村雨「知ってる?山城さん、この泊地での月別出撃回数、戦艦の中では半年前からずっとトップなんですよ?入渠時間が多いってことは、その分たくさん戦ってるってことでしょう?」
山城「わ、私が?…あなた、なんでそんなこと知って――」
村雨「私、秘書艦ですから♪誰がどのくらい戦ってるのかぐらい、ちゃーんと把握してるんですよ?」
村雨「山城さんの入渠時間、私は誇らしいことだと思うわ。だって、戦わなければ傷を癒す必要だってないんだもの。いつも傷だらけになりながら戦線を支えてくれている山城さんのこと、提督はすっごく頼りにしてるのよ?『山城には、いつも苦労をかけてる』『怪我させてばかりで、本当に申し訳ない』ってね」
山城「提督が…そんなこと…」
村雨「それに山城さん…今はもう、“艦隊にいないほうが珍しい”じゃない。山城さんなしじゃ、この司令部はもう成り立たないのよ?」
山城「!?…あ、あなた――」
村雨「さってっと…そろそろ制服も乾いたかしら?私、もうあがりますね。勝手にお風呂に入ってたのがバレたら提督に怒られちゃう」
山城「………」
村雨「体に障らないように、ゆっくり休んでてくださいね♪あ、そういえば、退屈なら高速修復材を使ってもいいって、提督が言ってたわ」
山城「…いいわよ別に。入渠時間ももう折り返し地点だし、いまさら使うのももったいないでしょ」
村雨「はいはーい♪了解しました。それじゃ、これで失礼しますね♪」ザパァ
ガラララッ ガシャッ
山城「…ほんと、変わった娘…私、やっぱり苦手だわ…心の中、見透かされてるみたい…」
山城「でも…悪い娘ではないんだろうな…一応、あれで時雨の妹だし…それに…」
山城「…悪い気は…しなかったわね…」
ガラララッ
山城「(…ちょっと、また誰か入ってきたじゃない…今度は誰よ…)」
???「山城…だいじょうぶ?」
山城「(…は?嘘でしょ?またあの娘、姉さまの真似して…)」
山城「(せっかく少しだけ見直してやったってのに…私がそう何度も同じ手に引っかかると思ったら大間違いよ。少しお仕置きしてやるわ)」
???「山城?そこにいるの?湯気がひどくてよく見えないわ…」
山城「(洗面器にお湯を装填…砲戦、用意…!)」ザブザブ
???「こっちかしら…山城、いるなら返事して頂戴?」
山城「(敵影発見!目標補足!洗面器、よく狙って―――)」
山城「てえぇーーーーーっ!!」ザバーーーーーッ
???「きゃあああああああっ!?」ビシャアアアアッ
山城「命中!まったく、あまり調子に乗るからこういう目にあうのよ!これに懲りたら金輪際姉さまの真似は――って、え?」
扶桑「ひ…ひどい…ひどいわ山城…どうしてこんな…」ビタビタ
山城「ね…ねえ…さま…?」
扶桑「私…あなたが怪我したって聞いたから心配して…あなたに会いに来たのに…」ビタビタ
山城「」サアァーー
扶桑「大切な妹からこんな仕打ちを受けるなんて…私もう、生きていけないわ…ううっ…」ビタビタ
山城「…いっ、いやあぁぁぁぁぁっ!!姉さま違うんですうぅぅぅぅっ!!そんなつもりじゃなかったんですうぅぅぅっ!!ふっ、不幸だわあぁぁぁぁぁっ!!」
今回はここまで。遅筆で申し訳ありません。
続きはまた後日。それでは、ありがとうございました。
>>1です。お久しぶりです。
読んで下さっている方がいてくれて本当にうれしいです。
また少しですが、投下させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
~14:00~ 執務室
提督「(ふはぁ…書類もだいぶ片付いてきたな…)」カリカリカリ…
提督「(そろそろ手首がキツくなってきた…辛いなぁ、腱鞘炎になっちまうよ…)」カリカリカリ…
提督「(村雨は艦娘のコンディションチェックやら、開発任務やらで部屋から出ちまってるし…早く戻ってこないかな…)」カリカリカリ…
提督「(…くっそ、喉も渇いてきたぞ…村雨がいれたお茶が飲みたい…あいつが入れてくれるお茶、自分で入れたのと全然違うんだよな…よくわからんがすっごい旨いんだよ)」ピタッ
提督「(あー…せっかくだからメイド服とか着てもらってさ…『はいはーい❤ご主人様、お茶ですよ❤』ってやってもらいたいわ…あいつ、ノリいいから多分頼めば喜んでやってくれるはず…)」ボーッ…
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
むらさメイド『はいはーい❤ご主人様、お茶ですよ❤』
提督『おーう❤』
むらさメイド『きゃー❤こぼしちゃったー❤』バシャー
提督『うわー❤ズボンがビッシャビシャだー❤まったく、むらさメイドはドジっこだなぁ❤』
むらさメイド『ごめんなさーい❤やけどしちゃったら大変だわ❤今すぐお拭きしなくっちゃ❤』ヌガシヌガシ
提督『ああっ、大変だ❤俺の46cm砲があらわになってしまったぞ❤』
むらさメイド『あぁん、すごーい❤なんて立派な砲塔なのぉ❤村雨、提督の主砲だーいすき❤』ウットリ
提督『むらさメイドは巨砲主義だなぁ❤さあ、早く俺の主砲の装填不良を解消しておくれ❤』
むらさメイド『はいはぁ~い❤村雨の低反発な胸部装甲でぇ、優しくご奉仕しちゃいまぁ~す❤』ムニュムニュシュッシュ
提督『あひぃ~ん❤最大仰角ぅ~❤』ギョギョーン
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
提督「あ~いいっすね~むらさメイド…ここで“はるさメイド”にも登場してもらって、倍プッシュって手も…」ボーッ…
提督「…って、よくねぇー!!これじゃただの変態プレイじゃねーかあぁぁっ!!」
提督「執務中だってのになに下らないこと考えてんだ俺のバカ!アホ!クソ提督!村雨はそんなこと言わない!そんなこともしなぁい!!」ゴン!ゴン!ゴン!
ガチャッ!!
大淀「提督!!どうされたのですかっ!妙な物音が――」
提督「ふぉぉっよどぉぉっ!?」ビクーン!!
大淀「ひゃあぁっ!?」ビクーン!!
―――
――――
―――――
提督「…すまん。驚かせてしまったな…」
大淀「私の方こそ、申し訳ありません…ノックもせずに入室してしまって…」
大淀「…しかし、いったいどうされたのですか?大声を上げながら執務机に何度も頭を打ち付けていたように見えましたが…」
提督「えっ!?(み、見られてたか…なんとか誤魔化さないと…)」
提督「あー、いや…急に睡魔が襲ってきたもんだから、ちょっと気合を入れなおそうと思って…」
大淀「まあ、それは…先日の作戦の疲れが、まだ残っているのですね?提督、あまり無理をされては困ります」
大淀「村雨ちゃんから聞いていますよ?作戦開始の3日前から碌に睡眠もとらずに作戦の穴を埋めていたそうではありませんか。本来であれば、今日の執務はお休みなさっても良かったはずなのに…」
提督「む…まあこの書類の量だし、休むわけにはいかなくてな…」
提督「(大淀…どうやら本気で心配してくれているようだ…これはとても邪な煩悩に悶えていたと言える雰囲気じゃないぞ…)」
提督「そ、それはともかく…大淀、お前、もしかして俺に何か用件があったんじゃないか?」
大淀「あ、はい。そうでした」
大淀「大本営から受注した任務の遂行状況をお知らせに参りました。こちらがその書類になります」ススッ
提督「おお、そうか。ありがとう」ペラリ…
提督「(…うんうん、今日の演習任務も改修任務もちゃんと達成できてるな。“ろ号”は8割終わってる。いいペースだ)」
提督「(ん、待てよ…うわ、しまったなぁ、デイリー遠征任務の受注更新するの忘れてた…)」
提督「(遠征艦隊には今日結構な回数出てもらってたのに…もったいない事したなぁ…)」
提督「(…って、あれ?デイリーの遠征任務が更新されてるぞ?しかも“達成率50%”だって?どういうことだ?)」
提督「大淀。お前、もしかして遠征任務の受注更新をしてくれたのか?」
大淀「えっ…?」キョトン
大淀「…うふふっ、提督ったら…どうされたんです?ご自分で任務の更新をされたこと、お忘れなのですか?」クスクスッ
提督「なに?そんなはずは――」
大淀「本日3回目の遠征艦隊帰投と同時に、村雨ちゃんが私の元へ来て遠征任務の更新をしていきましたよ?『提督のお使いです♪』って言ってましたが」
提督「(あ、あいつ…)」
大淀「報告は以上です。それでは提督、私はこれで失礼いたします。どうか、お体にご自愛くださいね」カチャッ パタン
提督「…はぁ…俺ってヤツは…村雨がいないと全然ダメなんだな、ほんと…」
~15:00~ 工廠
明石「…はい!艤装修理、完了です!筑摩さん、お疲れさまでした!」
筑摩「それはこちらの台詞ですよ。明石さん、本当にありがとうございました」
明石「いえいえ、これが私の仕事ですから。あっ、ちょっとまって、少し動かしてもらってもいいですか?調子悪い所とか、ありませんか?」
筑摩「…ええ、砲塔もカタパルトも、いい感じです。むしろ、修理する前よりも調子がいいかも…」グリグリ
明石「ほんとですか?よかった~」
筑摩「こうやって何度も明石さんに修理してもらったら、そのうち利根姉さんより強くなってしまうかもしれませんね」
明石「勘弁して下さいよ~、私ができるのはほんとに簡単な処置だけなんですよ?今回の修理だって、私ができるギリギリの範囲だったんですから」
筑摩「うふふっ、ごめんなさい」
ガチャッ
村雨「明石さん、筑摩さん、こんにちは~♪」
明石「あっ、村雨ちゃん、こんにちは♪」
筑摩「あら。こんにちは、村雨ちゃん。もしかして、私の様子を見に来てくれたのかしら?」
村雨「ええ。具合はどうですか?」
筑摩「私はもう大丈夫よ。明石さんがこの通り、きっちり直してくれたから。これでいつでも出撃できるわ」
村雨「よかった♪でも、出撃明けなんですから、今はしっかり休んでおいてくださいね?今日は待機している娘もたくさんいますから、もしものことがあってもだいじょうぶよ♪」
筑摩「うふふっ。ありがとう、村雨ちゃん」
村雨「あ、明石さん。工廠ちょっと借りてもいいですか?」
明石「今日の開発任務?いいですよー、使って使って。そっちの部屋、空いてるから」
村雨「ありがとーございます♪それじゃ、ちょっとお借りしますね♪」ペコリ
ガチャッ、バタン
カーンカーンカーン…
筑摩「今日もがんばってますね、村雨ちゃん。なんだか毎日、泊地中を走り回ってる姿を見ているような気がするわ」
明石「ですねぇ。やっぱり、秘書艦の仕事って忙しいですから。朝6時の総員起こしから始まって、艦娘のコンディションチェックに開発任務、それで提督の補佐に身の回りのお世話、時報任務とその他諸々やってるわけで」
筑摩「村雨ちゃんは、それをほぼ毎日ですものね。他の司令部では確か、艦娘たちがローテーションでやってたりするんでしょう?」
明石「そりゃまあ、秘書艦の仕事を毎日やるなんて大変ですもん。私も村雨ちゃんが出撃とかで不在の時に何度かやったことありますけど…正直、最初は面食らいましたね。時報任務だけやっていればいいものだと思ってましたから」
明石「朝早く起きて、総員起こしする前に執務室の掃除して、朝ごはんの準備して、書類の振り分けを終わらせて…で、総員起こししたら今度は艦娘1人1人のコンディションチェックをして…書類チェックのお手伝いして――」
筑摩「それ、午前中だけの内容でしょう?それだけでもなかなか骨が折れそうですね…」
明石「たまにやるなら新鮮でいいですけど、これを毎日やるのは正直しんどいですよ…別に秘書艦の仕事をやっても、普段の業務が免除されるわけじゃないですし」
明石「ちなみに今日の村雨ちゃんはこれに加えて、他の司令部との艦隊演習にも参加してますからね。ほんとにすごいと思いますよ。他の艦娘の話だと、仕事のミスもほとんど無いらしいですし」
筑摩「本当にがんばり屋さんなんですね。駆逐艦の娘なのに、えらいわ…でも、村雨ちゃん、無理はしてないかしら…」
明石「大丈夫だと思いますけどねぇ。村雨ちゃんは頭の回転早いし、要領もいいですから。どんなに忙しそうにしてても、どこか余裕があるんですよね、あの娘」
明石「それに、提督もすっごく優しい人ですし。村雨ちゃんを必要以上に酷使することなんて絶対あり得ませんよ。私たちにすら無理させないように、何かと気遣ってくれる人なんですから」
筑摩「そうですね。提督は村雨ちゃんのこと、大事にしているみたいですし…心配は杞憂というものかしら」
明石「まあ、村雨ちゃんは提督との付き合いがどの艦娘より長いですしね。秘書艦の仕事も提督が着任してからずっとやってるみたいだし、提督のことも誰より良くわかってます。村雨ちゃんにとって、秘書艦の仕事は天職みたいなものなんだと思いますよ」
筑摩「秘書艦として、そして“初期艦”として…今までずっと提督を支えてきたんですね。村雨ちゃん、立派だわ」
明石「…“初期艦”?」
筑摩「えっ、違うんですか?だって今、提督との付き合いが誰よりも長いって…」
明石「あー…それは…」
村雨「やったぁ!できたー!“三式聴音探信儀”!」
ガチャッ
村雨「明石さん、ありがとう!目的のものがやっとできたわ!」
明石「おー!やったね村雨ちゃん!」
村雨「いい感じいい感じ!きっと提督も喜ぶわ!早く戻って報告しなくっちゃ!うふふっ♪」
村雨「それじゃあ明石さん!筑摩さん!また今度!」タタタタッ
ガチャッ バタン
筑摩「…村雨ちゃん、本当に生き生きしてるわ。秘書艦の仕事、本当に好きなんですね」
明石「うーん…秘書艦の仕事が好きって言うよりは―――」
明石「単純に、提督に喜んでもらえるのが何よりも嬉しいんですよ、あの娘は」
今回はここまで。
続きはまた後日。それでは、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
興味深い内容でした
これからも頑張って下さい