峯雲「提督、おはようございます！　朝潮型駆逐艦、峯雲、配置につきます！」

提督「うむ、旗艦の着任を歓迎する……なんてな。かしこまるこたぁないぞ。お前は俺の部下じゃないからな」

峯雲「え？　どういうことでしょう？」

提督「ウチの鎮守府じゃ、艦娘はあくまで軍用生物、備品扱いだ。俺は管理者だが、上官じゃない」

　　「備品と言っても、国民の血税の結晶として大切に使わせて頂く所存だ。不服があれば遠慮なく言ってくれ」

峯雲「は、はいっ！　では、改めて、提督さん。よろしくお願いします！」

提督「よろしく……　ちなみに、部下と上官プレイがしたいならその限りでは」

村雨「提督？　着任早々セクハラは止めてくださいね？」

提督「お、おう。村雨、いたのか」

村雨「ふふっ、峯雲さんが来たって言うのに、じっとしてられないってば！」

峯雲「えっ、村雨……さん？」

村雨「峯雲さん、初めまして。そして、お久しぶりです！　第二駆逐隊、白露型三番艦・村雨よ」

　　　「こうして会える日を、どんなに待ったことか……　また、一緒に頑張りましょう！」

峯雲「………………」

村雨「……ん？　峯雲さん？」

峯雲「私の思ってた村雨さんと違う」

村雨「ええーーっ！？」

村雨「いきなりダメ出し！？　何？　何が違うの？」

峯雲「私の村雨さんはこんなに大きくない！　私より一回り小さかったじゃないですか！」

村雨「え？」

提督「あー」


　白露型……基準排水量1685トン　全長111メートル
　朝潮型……基準排水量2000トン　全長118メートル


村雨「で、でも、艦としては大きかったのに小柄な娘だっているし、そこはそんなにこだわらなくても……」


　ＲＪ……基準排水量8000トン　全長180メートル　　　ﾅﾝﾃﾞﾔ ｳﾁ ｶﾝｹｲﾅｲﾔﾛ

峯雲「『ちっちゃいのにしっかり者の先輩』って言うキャラが良かったのに！　可愛かったのに！」

提督「あー」

村雨「ええー……　そんなこと言われたって……」

峯雲「これじゃ、ただの頼りになるお姉さんじゃないですか！」

村雨「それがダメって言われても！」

荒潮「……そうよ」

村雨「……ん？」

提督「おう？　荒潮、いたのか」

荒潮「あらぁ、妹艦が着任したんだもの。当たり前じゃないかしら～」

　　「そんなことより、白露型は大きすぎるわ。明らかにおかしいのよ」

村雨「荒潮ちゃん？　なんか、目が怖いんですけど……」


荒潮「ぽい！」


村雨「えぇ！？　ど、どうしたの突然？」

荒潮「ほら、ね？　やっぱりこういうことなのよ」

村雨「な、何が！？」


荒潮「白露型のボディは、本来朝潮型のモノだったのよ！」


村雨「ええーーっ！？」

荒潮「建造順も近いし、同じ全十艦だし、間違えられても無理はないでしょ？」

村雨「間違えるって、誰が、何を！？」

荒潮「ほら、村雨ちゃん？　満潮の台詞、言ってみて？」

村雨「え、ええ？　なんで？」

提督「おっ、いいじゃないか。やってみろよ」


村雨「う……　ウザいのよっ」


荒潮「うわっ、悪そう」

提督「反抗期で済ませるには無理を感じるな」

峯雲「混んでる電車の席に荷物置いて化粧してそう」


村雨「……私、なんでこんな部隊に配属されたのかしら……」


荒潮「あんまり似てないわねぇ」

村雨「マネじゃないから」

満潮「はぁ……　また何かバカやってんの？」

夕立「なになに？　歓迎会の出し物っぽい？」

提督「おー、お前らも来たのか」

満潮「峯雲が来たんでしょ？　顔くらい出すわ」

夕立「二駆も九駆とは縁があるっぽい！　歓迎するっぽい！」

荒潮「………………」

夕立「ん、荒潮？　どうしたの？」


荒潮「返せーーっ！！」ﾑﾆｭｯ


夕立「ぽいぃぃぃぃぃぃぃぃい！？」

満潮「な、何やってんの荒潮！？　どうしちゃったの！？」

峯雲「……村雨さん」

満潮「あぁ、あんたが峯雲？　悪いけど、私は村雨じゃないわ。朝潮型三番艦・満……」

峯雲「村雨さーんっ！！」ｶﾞﾊﾞｯ

満潮「にゃああああああああああっ！？」

峯雲「これですよ！　このサイズ感が村雨さんです！」

満潮「何それ！？　意味分かんない！！」

峯雲「むぅ、もっとお姉さんっぽく言ってください」

満潮「荒潮がおかしくなってるのはアンタのせい！？」

荒潮「これがっ……　このボディならっ……　司令官だってっ……」ﾑﾆｭﾑﾆｭ

夕立「な、何これ！？　新しい遊び！？」

荒潮「お菓子やお小遣いが欲しくて好きって言ってるわけじゃないのよーーっっ！！」ﾑﾆｭﾑﾆｭ

夕立「あ、荒潮は夕立に何を求めてるっぽい！？　峯雲の歓迎はどうなったっぽい！？　ぽいぃい！！」