王様「魔王を討伐して参れ」 魔王「分かりました」 (1000)

王様「魔王を討伐して参れ」


王様のお触れが通達されたのは先日のことである



魔王「おもしろい私が魔王を討伐してみようではないか」

側近「は!? なにを仰っているのですか!?」

魔王「私が人間のフリをして魔王を討伐するのだ」

側近「申し訳ございませんが私には意味が分かりかねます。 そもそも魔王様はあなた様ではございませんか」

魔王「魔王など所詮は肩書きよ、お主がやればよい。 なに、本気で殺そうというのではない。 人間の中に紛れ込んで暇をつぶそうというだけじゃ」

側近「お戯れを……」

魔王「では、行ってくる。 留守は任せたぞ」

側近「はっ!? 本気で仰っているのですか!?」


側近「い、いってしまわれた……」

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魔王「今まで魔王を討伐しようとしていたのは勇者と呼ばれる神に選ばれし存在であった」

魔王「その勇者たちは幾度も私を殺そうと襲ってきたが所詮は人間、容易く葬ってやった」

魔王「それに業を煮やした人間の王が勇者以外の人物にも魔王を討伐させようとしたわけだな」

魔王「浅はかな考えであるな、フハハハハ」

魔王「……して、どうやら人間たちは仲間を集めてグループを作り旅立っているらしい。 私もそれに倣おうではないか」

ルイーダ「あなたも魔王討伐志望かしら?」

魔王(人間は礼儀正しく生きるものと聞く。 人間の中で違和感なく過ごすためにも礼儀正しく紳士な男を演じる必要があるな)

魔王「はい、私も魔王を倒すべく仲間を集めたいと考えております」

ルイーダ「そう、じゃあまずは名前を教えてもらえるかしら?」

魔王「魔王といいます」

ルイーダ「魔王……ですって?」

魔王(い、いかん! つい本当の名前を名乗ってしまった……これではいかん偽名を使うしかないか)

魔王「マオ、です」

ルイーダ「あら、ごめんなさいマオさんね。 最近歳のせいか耳が遠くて……気を悪くしないでね」

マオ「いえ、大丈夫です」

ルイーダ「で、どんな仲間を希望かしら?」

マオ「そうですね……ではまず仲間に必要であろう>>4の職業の者を」



>>4

僧侶や戦士などだいたいの職業と年齢

魔法使い(19)

マオ「ではまず仲間に必要であろう魔法使いの者を」

ルイーダ「魔法使いね……えっとこの子なんてどうかしら? 魔法使いさーん!」

マオ(ほう……なかなか人間にしては美人ではないか。 特徴的な黒く大きな帽子から垂れ下がる白銀の長い髪、そしてのぞかせる蒼い瞳と白い肌……

マオ「美しい……」

魔法使い「………?」

マオ「いや、申し訳ありません。 美しい方で少し驚いてしまい……思わず声が出てしまいました」

魔法使い「……そうでもない」

マオ「では今後とも何卒宜しくお願い致します」

魔法使い「…………」コクン


マオ(やりづらいではなにか! 少しは喋らんのかこの娘!!)




ルイーダ「で他に希望は?」

マオ「そうですね…… あとは >>7>>8の方をお願いします」



職業、年齢、性別(希望があれば男でも)

遊び人(69)

27ぐらいの戦士の女性

マオ「遊び人と戦士の方をお願いします」

ルイーダ「えぇ分かったわ。 少し待っててね」

ルイーダ「遊び人さーん戦士さーんお呼びよ」



マオ「!?」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ…… よろしくな若造や」

マオ(なんだ……なんなのだ!? こんな老婆も魔王討伐に加わるというのか!? 人間界はここまで追い詰められていたのか)

戦士「よろしくねマオさん」

マオ「はいよろしくおねがいします」


マオ(このパーティ大丈夫か?)

マオ「それでは改めて自己紹介を」

マオ「私はマオと申します。 歳は今年で20の若輩者ではありますが腕にはそこそこ自信はあります。 魔王と討伐しようと誠心誠意頑張っていきたいと思います。 これからよろしくおねがいします」

魔法使い「……かたい」

遊び人「はぁ? すまんな耳が遠くてよく聞こえんのじゃ。 あの若造はなんて言っていたのじゃ?」

戦士「よろしくおねがいしますって言ってましたよ」

遊び人「おお、そうかそうか」

マオ(あの老婆……次の街に行くまでに死ぬんじゃないだろうか)

魔法使い「……魔法使い。 一応上級魔法まで使えるけど魔力があまりなくて1日に3回しか魔法が打てない。 よろしく」

マオ(なにぃ!? 上級魔法を使えるほどの手練でありながら3回しか魔法が使えないだと!?)

遊び人「魔法が使えるのかーすごいうのぅ。 ところでちと寒くないか? そこに火を起こしてくれんか」

魔法使い「……分かった。 下位炎魔法」

遊び人「おぉ……あったかいのぅ」

戦士「あと2回ね」

マオ「…………」

遊び人「どれ、次はわしじゃな」

遊び人「わしは遊び人じゃ。 一応家事は……洗濯くらいなら出来る」

遊び人「戦闘は若いころは少しは出来たんじゃがなぁ」

遊び人「旅に出ることになった理由はな……息子がもうお前の面倒は見てられない出ていってくれと言われてな…… それで仕方なく……」

魔法使い「……そうだったの」

戦士「それは辛いな……一緒に頑張ろうな婆ちゃん」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ…… 若いもんには負けてられんわい」


マオ(役に立たねえ…!)

戦士「えっと……なにをいえばいいのかな。 えー…戦士です。 一応軍の部隊長をやっていました」

戦士「軍はちょっと男関係のもつれが合ってやめました……あはは」

戦士「よろしくおねがいしまーす!」

遊び人「若いのう」

魔法使い「……おとな」

マオ(腕は確かなんだろうが……これはこれで問題ありだなこいつも)

マオ「それではさっそく出発しましょう! 夜になる前に隣町まで行ってしまいましょう」

戦士「そうだねちょっと急ごうか」

魔法使い「………」コク

遊び人「出発じゃぁ~」

遊び人「ところで、少し問題があっての」

マオ「はい、どうしました遊び人さん?」

遊び人「わし膝が痛くてな…… おぶってくれんかの?」

魔法使い「……それは大変」

戦士「頑張れ、男♪」

マオ(えぇぇええええぇぇぇぇ………)

遊び人「ふぉっふぉっふぉ……快適じゃなぁ」

マオ「そ、それはよかったです」

遊び人「わしも若い頃はよく亡くなった爺さんにお姫様抱っことかしてもらったもんじゃ」

遊び人「若い頃のわしは可愛かったんじゃぞ」

戦士「へーそうなんだ。 みてみたいなー」

マオ(老人特有の若い頃の話が始まっちまった!!)

魔法使い「……止まって!」

マオ「ん? どうしました魔法使いさん」

魔法使い「魔物が近くにいる」

戦士「この辺の敵ならそんな強い奴はいないと思うけど」

マオ「でも油断はいけません。 戦闘準備をしましょう」

遊び人「しょうがないのぅ降りるか」


各々が武器を取りだす

魔法使いは大きな杖を
戦士は剣を
遊び人は木の(?)を
俺は……

戦士「マオ! それは!?」

魔法使い「……おおきい」

遊び人「…………」

魔王「これはデスサイズです」


取りだした得物は大きな鎌にも斧にも取れるデスサイズ
あまりにも非効率的な武器だ
だがなぜこれを私が使っているか


かっこいいからだ




遊び人「これは………」

マオ「きます!」



現れたのはスライムと鳥型の魔物約10匹ほどだ


マオ「みなさん注意してください陣形を崩さずに!」

魔法使い「……分かった」

戦士「前は私とマオね、後ろから援護よろしく魔法使い」

遊び人「わしは山に木の枝を突き立てて~倒さないように山を崩す~♪」

マオ「遊び人さんは動かないでくださいね!」

マオ「ふん!!」


デスサイズの一振り


戦士「なっ……」

魔法使い「……っ!」

遊び人「ぬぉ~! 木の枝が!!」


マオ「しまった………」



十分に手を抜いたつもりだったが魔力が少し漏れてしまったようで
デスサイズから放たれた衝撃波が魔物たちを消滅させた



戦士「す、すごい」

魔法使い「……なにいまの魔力」

遊び人「…………」

戦士「すごいじゃんマオ! あんたがいれば魔王なんて一瞬で倒せちゃいそうだよ」

マオ「いやいや私なんかではまだまだ」

魔法使い「すごい魔力だった…… 魔法でもないのにあの魔力は達人レベル」

マオ「そんなことないですって。 魔法使いさんも上位魔法まで使えるなんてすごいですよ」

マオ「さ、気を取り直して隣町までいってしまいましょう!」

戦士「おー!」

魔法使い「……魔物と遭遇したら次は私がやる」

戦士「それあと2戦しか出来ないじゃんあははは」

マオ「そうですよ、うちの切り札なんですから魔法使いさんは」



遊び人「あの若造……まさかな」

今日はここまで~


酔った勢いで立てちゃったがひどいことになりそうだ(白目)

もしかしたら>>1の気分次第で今後も安価やR-18展開があるかもしれない

グロはないと思います
エロもしかしたらありかもってだけです

戦士「夜も更けてきたね」

マオ「思いのほか時間がかかってしまいましたからね」


マオ(この老婆のせいでな)


魔法使い「……どうする」

マオ「そうですね……隣町までそう遠くはないですし駆け抜けるのも悪くはないですね」

戦士「でも夜は危なくないか? いや、マオがいる限りは危なくないかははは」

遊び人「わしは疲れたぞ。 休む方がええ」

魔法使い「……賛成」

マオ「分かりました。 ではここで野営しましょう」

マオ「ところで誰かテント張れますか?」

遊び人「なんじゃお主? テントも張れんのか!」

マオ「えぇ、すいませんそういうのに疎くて」

魔法使い「……意外」

戦士「私張れるからやるよ!」

マオ「助かります。 では私も張れるようになるために見学させていただきますね」

戦士「はははよろしく頼むよ」

マオ「では遊び人さんと魔法使いは薪を適当に取ってきてください」

魔法使い「……わかった」

遊び人「これ! わしは疲れたといっておるじゃろうが! 老人を働かせるのか!」


マオ(めんどくせぇ……)

…………………
…………
……


マオ「それではそろそろ休みますか」

遊び人「………zzz」

魔法使い「……遊び人はもう寝てる」

マオ「ははは……さすがに疲れたのでしょう」

戦士「だが火の番と見張りは必要だぞ?」

魔法使い「………交代で行うのがセオリー」

マオ「あぁ、それなら必要ありません」

戦士「へ?」

マオ「火はこうして………」


マオ「暗黒火炎魔法」


戦士「うわっ焚火の炎が黒いぞ!?」

魔法使い「……こんな魔法みたことない」

マオ「これなら火が消えることはありません。 あとは魔物ですか……」


マオ「暗黒結界」


マオ「これでもう安心です」

戦士「お前何者だよ」

マオ「ただの冒険者ですよ」

魔法使い「……私の魔法なんかとはレベルが違う……」

戦士「……zzz」

遊び人「グォー……ぐぉー………フゴッ」

魔法使い「…………」

マオ「魔法使い、眠れないのですか?」

魔法使い「………えぇ」

マオ「そうですか」

魔法使い「……そうなの」

マオ「…………」

魔法使い「…………」

マオ「…………」

魔法使い「…………」


マオ(気まずい!)

マオ「あ、あの
魔法使い「ねぇ」

マオ「は、はい?」

魔法使い「あなたはどうしてそんなに強いの」

マオ「強い、ですか?」

魔法使い「いえ、質問を変えるわ。 あなたほどの手練がなぜ私たちなんかと旅をしようと思ったの」

マオ「……そうですねぇ」


マオ(本当は誰でもよかったのだがな)


マオ「正直なところ、仲間は誰でもよかったんです」

魔法使い「……は?」

マオ「いえ言い方が悪かったですね。 魔王を倒したいという気持ちがある人ならだれでも良かった」

マオ「私は力だけはありますからね。 魔王を憎んで殺したいと考えているものの力がない人たちの助けになりたい。
そう考えていました」

魔法使い「……弱い人の力になりたいと?」

マオ「まぁそんなところですね。 力及ばず道中で死ぬ人も少なくないですからね」

魔法使い「……私たちが弱いと言いたいの」

マオ「い、いえそういうつもりでは!」

マオ「ただ、守りたいんですよみんなを」

魔法使い「…………」

マオ「もちろん魔法使いもですよ?」

魔法使い「……ありがとう」

マオ「それに、初めて魔法使いを見た時になんて美人な人なんだろう、この人と旅が出来たらいいなって思ったんですよ」

魔法使い「なっ……///」

マオ「だからちょっとだけ旅が楽しみになりました」

魔法使い「………そうか」

マオ「帽子、取ってるとこみたら本当に綺麗な人なんだなってまじまじと見つめちゃいました」

魔法使い「……やめろ……恥ずかしいだろ」

マオ「ふふ、すいません本音がつい出てしまいました」

魔法使い「~~~っ」

マオ「そろそろ休みましょう。 明日も早いのですから」

魔法使い「……わかった」

マオ「おやすみなさい魔法使い」

魔法使い「……おやすみ」


魔法使い「ねぇ、最後にひとついい」

マオ「どうしました?」

魔法使い「あなたのその敬語、やめて」

遊び人「……む?」

遊び人「もう陽が昇るな……歳を取ると起きるのが早くなってかなわんな」

遊び人「ん? なにやら良い香りが……」

マオ「あ、おはようございます遊び人さん」

遊び人「おはようじゃ。 早いのぅ若造」

マオ「はは。 今ご飯の準備をしているので、そこの川辺で顔でも洗って来てください」

遊び人「うむ、ではいってくる」


遊び人(あやつ夜中まで魔法使いと話しこんでいたが……寝ているのか?)

マオ「起きてください魔法使い」

戦士「さっきから何回も起こしてるんだけど起きねえんだよ」

遊び人「水でもぶっかければ起きるじゃろうて」

マオ「そんなの可愛そうじゃないですか」

マオ「起きて、魔法使い」

魔法使い「んぅ……ん~?」

マオ「朝ですよ」

魔法使い「……あと5分」

マオ「ダメです朝ご飯が冷めてしまいますよ」

魔法使い「……3分」

マオ「ダメです」

魔法使い「……うるさい」

マオ「ほら、一緒にご飯食べましょう?」グイッ

魔法使い「んん~………」

マオ「おはよ魔法使い」

魔法使い「……顔がちかい」グイッ

マオ「ぐぇっ」

魔法使い「………ばか」

ちと休憩

マオ「やっと町に着きましたね」

遊び人「ふぅ、おぶられてるのも楽じゃないわい」

戦士「ははは、お疲ればあちゃん」

魔法使い「……ご老体には旅は難しい」

遊び人「なんじゃと? わしはまだまだ現役じゃ」


マオ(ならまずは自力で歩けよ!!)


戦士「とりあえず宿を取るか」

マオ「そうですね、その後自由行動でいいんじゃないでしょうか」

遊び人「魔物を倒して少しは金が手に入ったしの」

魔法使い「……装備を整えるべき」

戦士「俺もこんな銅の剣じゃ今後心配だしなぁ~」

マオ「とりあえず今日1日はゆっくりしようか」

魔法使い「……なんでこっちを見るの」プイ

宿屋「申し訳ございませんただいまツインの部屋2つのみしか開いておりません」

マオ「なんと……」

遊び人「なんじゃなんじゃ?」

戦士「誰かがマオと一緒の部屋じゃなきゃいけないんだそうだ」

魔法使い「……しかも同じベッド」

マオ「すいません……」

戦士「まぁこれから旅をする中で一緒に寝ることくらいあるだろ」

魔法使い「……マオは悪くない」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ…… わしゃそんなのは気にしないがな」

マオ「で、部屋割はどうしましょうか……」

戦士「誰でもよさそうだし」

魔法使い「……マオが決めて」

遊び人「そうじゃなそれでいいじゃろ」

マオ「そうですか……では>>46


>>46
①魔法使い

②戦士

③遊び人

1

マオ「では魔法使い、一緒でもいいか?」

魔法使い「……う、うんわかった」

戦士「あらあら? いつの間にやらお二人は敬語が抜けているんだねぇ?」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 魔法使い顔が真っ赤じゃぞ?」

魔法使い「そ、そんなことない!」

戦士「お、今までで一番大きい声だ」

魔法使い「……もう喋らない」

戦士「じょ、冗談だって、な!」

魔法使い「………ふん」

マオ「まぁまぁ二人とも。 戦士だって悪気があったわけじゃないんだから、許してやってくれ」

魔法使い「……マオがそういうなら」

マオ「ありがと」

戦士「あれあれなんか良い感じじゃない?」

遊び人「若いのぅくくく」

マオ「ではお金を少し渡しておきますね」

戦士「うぉ! こんなにいいのか!?」

魔法使い「……結構な額」

遊び人「ふぉ!」

マオ「装備を整えるのにお金は必要でしょうから。 特に女性なら色々と必要なものは多いでしょうし」

戦士「女なら必要なもの? なんかあるか?」

魔法使い「……え?」

遊び人「お前……それは女としていかんじゃろ」

戦士「へ? へ??」

マオ「ははは………」

魔法使い「……それじゃお肌がぼろぼろになっちゃう」

遊び人「30から肌はボロボロのしわくちゃになるぞぉ覚悟しとけ」

戦士「えぇー!」

魔法使い「……私が買い物に付き合う。 一緒に買い物が必要」

戦士「年下にすごい剣幕で怒られてる!?」

マオ(私はどうするか)

マオ(ここまでは問題なく溶け込めている)

マオ(退屈な魔王としての生活よりよっぽど暇つぶしになるしな)

マオ(だがしかしいざ戦うとなって本気を出せないのはつまらんな)

マオ(あいつらの目もあるし敵も弱い)

マオ(少し一人で運動をしてくるか)

魔王「きたか雑魚共」

魔王「知性の低い愚かな魔物たち」

魔王「こんなやつらが私の手下と思われるのもいささか不快であるな」

魔王「魔王を"舐めるな"と言いたくなるわ」

魔王「極大消滅魔法を武器に付与」

魔王「はぁッ!!!」


魔法をデスサイズに装填した後の一振り
5,6匹いた魔物ごとあたりの地形を文字通り消滅させる

半径300mを裕に超えるクレーターが魔王を中心として出現した


魔王「私と本気で渡り合える者はいないのだろうか」

魔王「人間というものはつまらぬわ」



遊び人「あやつ……やはりただの人間ではなかったか」

マオ「さて町に戻ってきたが、特にほしいものなどはないしな」

マオ「しかし魔法使いと戦士はうまくやっているだろうか」

マオ「……遊び人はスロットだーとか叫んでいたが」

マオ「あの老婆には困ったものだ。 今後もあの調子だと捨て置くことも考えねばなるまい」

マオ「む? あれは>>52ではないか」


>>52 たまたま会った人物は誰か

①魔法使い

②戦士

③遊び人

④自由安価

3

マオ「あれは遊び人さんじゃないか」

マオ「こんにちは遊び人さん、こんなところでお会いするとは奇遇ですね」

遊び人「おや、若造。 奇遇じゃな」

遊び人「……とでも言うと思ったかたわけが」

マオ「……は?」

遊び人「お主には聞きたいことがたくさんあるのじゃ」

マオ「聞きたいことですか?」

遊び人「先のクレーターを起こした技」

遊び人「あれはなんだ」

マオ(ちっ……見られていたか)

マオ「少し身体が鈍ってはいけないと思いましてね、本気の魔法と技を練習しただけですよ」

遊び人「あれほどの使い手がいるなんぞ聞いたこともないわ。 そもそも人間のレベルではないだろう」

遊び人「それだけではない。 昨夜の結界と炎」

遊び人「あれは暗黒魔法。 人間には決して使えない魔法だ」

遊び人「なぜ貴様が使える?」

マオ「それは

遊び人「まだじゃ。 そして貴様のそのデスサイズじゃ」

遊び人「かつて魔王と戦い命からがらで逃げ伸びた勇者一行の仲間が残した記録があってな」

遊び人「魔王は鎌を使っていたとの一文がある」

マオ「勇者の仲間が残した記録……?」

遊び人「魔王に知られてはまずいため一般には公開されていないがな」

遊び人「お前のデスサイズ」

遊び人「暗黒魔法」

遊び人「人外の強さ」

遊び人「……お前は何者だ?」


マオ「………」

魔王(こいつは確実に勘付いている)

魔王(ただの老婆と思っていたがどうやらそこそこ知識はあったようだな)

魔王(なにより勇者の仲間の記録だと? そんなものがあったとは迂闊であった)

魔王(確かな証拠はない。 遊び人の言っていることはすべて憶測だ)

魔王(誤魔化すか? 認めるか? それとも)

魔王(ここで殺すか?)



>>54 どうするか

ミス >>57

①誤魔化す

②認めた上で口を封じさせる

③ここで殺す

④自由安価

2

魔王(いやここで殺しても味方に怪しまれるだけだな)

魔王(なにより、こいつを震えさせながら共に旅をするのもおもしろそうだ)

魔王(邪魔になれば殺せば良いだけだ)


魔王「ふははは」ニヤァ

遊び人「……っ!!」ゾクッ

遊び人「な、なにがおかしい…!」

魔王「糞みたいな老婆かと思えばなかなか頭が冴えるのだと思ってな」

魔王「お前の考えの通りだ」

魔王「私は魔王」

遊び人「やはりか… 刺し違えてもここで殺す!!」

魔王「おっと勘違いするな。 私はお前を殺すつもりは今のところもうない。 最上位拘束魔法」

遊び人「ぐあぁぁっ!!」

魔王「まぁ話を聞け遊び人よ」 


魔王「お前が遊び人ではないことは分かっている。 その内なる魔力の量から考えれば遊び人などというくだらない者ではないことがな」

魔王「まぁお前の正体などに興味はない」

魔王「ひとつ忠告しておいてやる」

魔王「お前は今刺し違えても殺すと言ったな?」

魔王「あれは不可能だ。 お前が100人束になったところで私には勝てないと知れ」

遊び人「くっ……!」

魔王「お前が私の正体を明かそうとしたならば、そして戦おうとするならば」

魔王「魔法使いや戦士、そして世界の人間はどうなるか、分かるな?」

遊び人「くそが……貴様の目的はなんだ!!」

魔王「暇つぶしだ」

遊び人「なっ……」

魔王「魔王といってもただの隠居暮らしとなにも変わりはせぬ。 力と富みだけはあるが暇でな」

魔王「この旅はただの遊びだ。 お前がふざけたことさえしなければ人間に危害は加えぬ」

遊び人「そんな戯言を信じろと?」

魔王「勘違いをするなよ。 お前に拒否権はない」

魔王「貴様はなにもせずただついてくればいいのだ。 それしか許されないのだ」

魔王「勝手なことをすれば世界が滅ぶだけだぞ? ふはははは」

遊び人「下衆がぁっ!!」

マオ「ま、話は以上です。 拘束魔法解除」

遊び人「くっ……」

マオ「くれぐれも勝手は慎んでくださいね。 お互いのためにも」

遊び人「…………」

マオ「ははは。 聞きわけがよくてとても助かりますよ」

マオ「それでは、また夕食の時に宿で」

遊び人「くそ………」


遊び人「くそがああぁぁ!!!」

マオ「さて、私も何か買い物しましょうかね」

遊び人「…………」

マオ「で、なぜついてくるのですか?」

遊び人「貴様がふざけたことをしないように監視するためじゃ」

マオ「なるほど。 監視したところで止められはしないと思いますけどね」

遊び人「…………」

マオ「そんな怖い顔で睨まないでください。 何もしませんよ」

マオ「あなたが何もしなければね」

遊び人「……っ!」

マオ「さて買い物買い物」


「へい、いらっしゃい」

マオ「薬草を5個ほどください」

「おや、旅人さんかい? いやー最近一気に旅人さんが増えて商売繁盛してるよガッハッハ」

マオ「そうですか、やはりみな命は惜しいですからね薬草は必需品ですよ」

「間違いねえな、あんたたちも気をつけろよ次の大陸からは魔物も一気に増えるからな」

マオ「そうなんですね」

「あぁしかもその大陸にいくための洞窟には毒持ちのモンスターがうようよいるって話だ」

マオ「毒……ですか」

「おぅ、そこでだ」

「毒消し草はいらないかい?」

戦士「それでそんなに薬草と毒消し草まで買ってきたのかよ! あっははは」

魔法使い「……いいカモ」

マオ「だってこのパーティには回復魔法が使える人がいないじゃないですか」

戦士「あれ? マオは使えないの? てっきり使えるもんだとばかり」

マオ「すいません回復魔法は使えないんですよ」

魔法使い「……意外」

マオ「あれは聖なる神の力ですからね。 信仰心の薄い私には使えないようです」

遊び人「…………」

戦士「うーん……回復役がいないってのは結構厄介だな」

魔法使い「……前線の戦士とマオが危険」

マオ「まぁ大丈夫でしょう。 やられる前にやればいいんですよ」

戦士「いうねぇさすがマオくんだ」

遊び人「………」

魔法使い「………?」

戦士「どうしたんだよ婆ちゃん、元気ねえな」

マオ「…………」

遊び人「いや、なんでもないわい。 ちとスロットまわしすぎて疲れたかの」

戦士「おいおい婆ちゃんあんまり金遣い荒いと困るぜ?」

魔法使い「……ほどほどにね?」

遊び人「わしから遊びを取ったらただのババアじゃ! スロットはやめん」

戦士「えー…… マオもなんか言ってくれよ」

マオ「そうですねぇ……」

マオ「"勝手"はやめてくださいね」

遊び人「………」

戦士「おぉ、結構はっきり言うな」

魔法使い「……意外」

戦士「それじゃ、また明日」

魔法使い「……おやすみなさい」

遊び人「うむ、またな」

マオ「おやすみなさいみなさん」


ガチャン


魔法使い「えと……どうしよう……」

マオ「魔法使いはもう寝ますか?」

魔法使い「ん……まだ平気」

マオ「そうですか、ではお風呂に入りましょうかね」

魔法使い「……い、へ!?」

マオ「へ? 部屋に付いているそのシャワーじゃまずいですか?」

魔法使い「あぁ……平気」

マオ「そうですか。 では魔法使いさん先にどうぞ」

魔法使い「……じゃあ先に失礼する」

マオ「はい、いってらっしゃい」

シャーーーーー



シャワーの水が床に叩きつけられる音がする
今頃ドアの向こうでは魔法使いが布一枚も纏わずにいるのだろう


人間の女など興味などなかったのだが、この2日で少し考えが変わったのだろう


マオ「なかなか女とはいいものだな……」

マオ「どうするか…… いやどうにもしてはならないのだろうが」

マオ「女と二人っきりとは……しかもかなりの美人であるからな」

マオ「こう……なんともいえない欲望が心を満たすな」

マオ「くっ……どうすればよいのだ!!」



>>71
①風呂に突入

②魔法使いの私物を漁る

③異次元に逃げ込み、力を発散する

④自由安価

1

マオ「この想いを、得体のしれないこの想いを魔法使いに聞けば答えが分かるかもしれない!」

マオ「この想いは女への欲情なのか! それとも恋心なのか! それとも呪いの類なのか!」

マオ「私には分からない」

マオ「魔法使いの身体を見て欲情するのか? 分からぬ……」

マオ「だが答えはそのドアの向こうにある気がするのだ」

ガラッ


マオ「入るよ魔法使い」

魔法使い「え、ま、マオ!?」


入ると魔法使いは浴槽に浸かり、髪をアップにしている


マオ「美しい………!」

魔法使い「な、なに? どうしたの?」

マオ「いや、先ほどからなぜか胸のあたりが苦しくてな……これはなんだろうかと魔法使いに聞けば分かるかと」

魔法使い「わ、分からないから! 出ていって!」

マオ「む? なぜだ」

魔法使い「いいから出ていって! お風呂に入ってくるなんてありえない」

マオ「ふむ、なにを怒っているのだそんなに」

魔法使い「……いい加減にして」

マオ「分かった、すまない。 だがその前に魔法使いの身体を見せてほしいのだ。 果たして私は魔法使いに欲情しているのだろうか」

魔法使い「……マヒャド」



マオに1のダメージ


マオ「なにをする?」

魔法使い「ぜ、全然効いてない!? 嘘……」

マオ「分かったから室内で魔法は使うな。 もう出ていく」



魔法使い「な、なんだったの……?」

…………………
…………
……


魔法使い「……さっきのはなに」

マオ「だから胸が苦しかったのだ」

魔法使い「……? 私は医者じゃない。 分からないわ」

マオ「もちろんそれは分かっているよ。 だから果たして病か呪いの類なのか」

マオ「それとも魔法使いへの恋や欲情なのか、分からなくてな」

魔法使い「……欲情?」

マオ「裸の魔法使いを見ればこの胸の苦しさの正体が分かる気がしたのだ」

魔法使い「……意味が分からない」

マオ「だがそのおかげで分かったことがある」

魔法使い「……なに」

マオ「魔法使いは美しい」

魔法使い「……な、なに急に?」

マオ「先ほどの一糸まとわぬ姿を見て肖像かなにかかと思ってしまった」

マオ「まさに息を呑むほどの美貌」

魔法使い「ほ、ほめても何も出ない」

魔法使い「それに、お風呂を覗いたことは許せない」

マオ「それは申し訳ない」

魔法使い「……絶対に反省していない」

マオ「そんなことはない」

魔法使い「してない」

マオ「しているよ」

魔法使い「………行動で表して」

マオ「ふむ…? それでは失礼して」


ナデナデ


魔法使い「……なんでそうなるの」

マオ「嫌か?」

魔法使い「……悪くない」プイ

マオ「顔が赤いぞ」

魔法使い「……お風呂に入ったばかりだから」

マオ「なぜこっちを見ないんだ」

魔法使い「………うるさい」

魔法使い「…………」

マオ「…………」

魔法使い「…………」

マオ「寝れないの?」

魔法使い「……うん」

マオ「昨日もなかなか寝つけていなかったね」

魔法使い「……そう」

マオ「なにか心配なこととかあるの?」

魔法使い「……そういうわけじゃない」

マオ「じゃあどうして?」

魔法使い「恥ずかしいから言わない」

マオ「恥ずかしいことなの…?」

魔法使い「……言わないって言った」

マオ「言ってよ」

魔法使い「……絶対に笑う」

マオ「笑わないよ」

魔法使い「……心の中で笑う」

マオ「心の中は許してくれよ」

魔法使い「……顔に出す」

マオ「魔法使いくらい笑わないから平気だよ」

魔法使い「……失礼」

マオ「で、なんでなの」

魔法使い「………聞きたい?」

マオ「うん、聞きたい」


魔法使い「お気に入りのぬいぐるみがないから眠れないの」

マオ「ぬ、ぬいぐるみ?」

魔法使い「……そう。 小さい頃から一緒だった」

魔法使い「でも旅に出るために置いてきたの」

マオ「あー……」

魔法使い「そしたら眠れない。 毎日抱きしめて寝ていたから……物足りないの」

マオ「あー……なんか意外だけど意外じゃない気もする」クスッ

魔法使い「……笑った」ジトー

マオ「あぁ、今のそういうのじゃなくてさ!」

魔法使い「……自分でも変だと思う。 もう19歳にもなるのに」

マオ「そう? そんなことないと思うけど」

魔法使い「……励まさなくていい。 慣れなきゃだめだから」

マオ「でもその前に倒れたりでもしたら大変だよ」グイッ

魔法使い「…へ?」

マオ「これじゃダメか?」ギュ

魔法使い「……マオ大胆」

マオ「ダメか?」

魔法使い「……ううん。 あったかくて気持ちいい」

マオ「そうか」ナデナデ

魔法使い「マオの胸ドキドキいってる」

マオ「魔法使いもだよ」

魔法使い「……言わなくていいそういうのは」

マオ「ごめんごめん」

魔法使い「……怒った。 私が寝るまで頭撫でてて」

マオ「はいはい」

魔法使い「……すき」

マオ「ん? なんかいった?」

魔法使い「……なんでもない。 おやすみ」

マオ「おやすみ魔法使い」

はい終わり


ババアには不幸せになってもらいましょう(ゲス顔)

いやー安価SSは恐ろしい

完じゃないです打ち切られてないですから!w

明日明後日は更新出来なそうなので今少しだけ続き書いちゃおうかなと

戦士「洞窟が魔物によって封鎖された!?」

マオ「そうみたいです。 なんでも次の大陸にいくための洞窟が魔物によって封鎖されてしまったみたいで」

遊び人「なんと」

魔法使い「……厄介」

戦士「どうすんだよそれ」

マオ「うーんかなりの冒険者がそこで足止めを食らっているみたいですしね。 なにか解決する方法はないでしょうかね」

戦士「へっ! そんなの岩とかブッ飛ばして進めばいいんじゃないの!」

遊び人「それはやめておいた方がいいんじゃないかのぅ」

マオ「もし洞窟が崩れて巻き込まれでもしたら……大変ですからね」

戦士「ちぇ、いいアイディアだと思ったのによ」

魔法使い「……短絡的」

遊び人「ナジミなら解決してくれるかもしれぬ」

戦士「ナジミって?」

遊び人「わしの古い友人でな。 事情があって、ほれ」

魔法使い「……ん?」

遊び人「ここから見えるあのデッカい塔の一番上に住んでいるのじゃ」

戦士「たっけぇあんなとこに住んでんのか」

遊び人「いくだけで苦労するがの。 いってみると良いかもしれぬ」

魔法使い「……決まり」

戦士「よっしゃぁいっちょいくか!」

マオ「…………」

遊び人「…………」




遊び人(こいつを大賢者ナジミに会わせれ、協力すればこやつもなんとかなるかもしれぬ…!)

マオ(あの老いぼれ賢者の力を借りようというのか。 浅はかだなそれで私を倒せるとでも思ったのか)

遊び人(なんとかならないまでも……せめて賢者たちに魔王と行動していることを知らせねば)

マオ(まぁなにめんどくさいことが起きればその時は賢者たちを殺せばいいだけだしな)

遊び人(あわよくばこいつを……)

マオ(ことが起きればさっさとこいつを)


((殺す!))

マオ「で、ナジミさんのいる塔にはどうやら地下を通って行くみたいなんです」

戦士「おし! さっさと行こうぜ」

遊び人「まぁ待つのじゃ。 それが町の外の森のどっかにあったのじゃが……」

魔法使い「……じゃが?」

遊び人「詳しい場所を忘れてしまっての」

戦士「はぁ!?」

遊び人「許してけろ」

魔法使い「……てへぺろ」

マオ(ババアがやってもかわいくはないが……魔法使いが無表情でやってもかわいいのはなぜだ)

戦士「しょうがねえな。 さっさと探していっちまおうぜ」

マオ「そうですね出発しましょう」

………………
…………
……


戦士「こんな森の奥にあんのかよ?」

遊び人「確かこの辺じゃったと思うんだが」

魔法使い「……空から探したいくらい」

マオ「空か……」

魔法使い「飛べるの!?」

戦士「魔法使いにしては食い付きが早いッ」

マオ「いえ、残念ながらそれはちょっと……ははは」

魔法使い「……残念」

遊び人「うーむ……塔に行く前に疲れてしまうのぉ」

戦士「ばあちゃんやっぱりマオにおぶってもらった方がいいんじゃねえの?」

遊び人「いや、遠慮しておくわい」

魔法使い「……?」

マオ「……ふん」

マオ(しょうがない、あたりの魔物を使役するか)

マオ(本来私の言うことを聞く知性すらない雑魚共だが、無理やり私の力で身体を奪えば)

マオ(そこらへんの探し物くらいはこなせるだろう)


マオ「……乗っ取り魔法」ボソッ

魔法使い「……ん?」

遊び人「っ!?」


マオ(どこだ……どこにある)

マオ(東は完璧に探したはずだ)

マオ(ということはおそらくまだ深い南か西にあるはず……)

マオ(ビンゴだ……そう遠くはないな)


マオ「こっちにあるかもしれません行ってみましょう」

戦士「えー私はこっちにあると思うんだけど」

マオ「いいから、こっちに行きましょう」

戦士「やだ。 こっちったらこっちだ」


マオ(うぜぇこの女ァ!)


魔法使い「……公平にじゃんけん」

戦士「ちぇ、しょうがねえ」

遊び人「待て、その勝負私がやろう」

マオ「は?」

遊び人「じゃんけんとは遊びじゃろう? 遊びといえばこのババじゃろう?」

マオ「まぁなんでもいいですけど」

魔法使い「……??」

マオ「私はグーを出します」

遊び人「ほう……?」


遊び人(あらかじめ出すものを宣言してこちらの手の内を考えさせる戦法か……思い切ったことをしてくれるわい)

遊び人(グーを出すといえばまず第一に思い浮かぶ手段はそれに勝つパーをわしが出すこと。 しかしそんなものは奴も読んでいるに決まっている)

マオ(そこでやつはチョキを出したくなるはずだ)

遊び人(だが奴がグーを出すと宣言した以上、そのグーを実際に出された時のリスクは非常に大きいものじゃ)

マオ(ここまで考えると奴の最善策は)

遊び人(あやつがグーを出すことに乗り、それに負けない手であるグーかパーを出すことだ)

遊び人「あやつが手のうちを変更しパーを読んでチョキを出すことも考えれば最善の手はグーじゃな)


マオ(あいつはおそらく勘違いをしているだろうな)

マオ(じゃんけんは動体視力のゲームだ)

マオ(私がなぜグーを出すと宣言したか。 簡単なことだ)

マオ(あいつがグーかパーを出しやすい状況を作るだけだ)

マオ(チョキと違いその2つは手の動きが最初から大きいリアクションをする)

マオ(それをみてからこっちの出す手を考えればいい。 簡単なことだ)

マオ(お前の負けだババア。 お前が俺に勝つことなど一生不可能ということをここで教えてやる)

戦士「いくぞ?」

魔法使い「……じゃーんけーん」


マオ(っ!!)

マオ(きた! やつは五指を開いてきている!!」

マオ(これは奴はパーを出すということだな)

マオ(あっけないぞ遊び人。 こちらがチョキを出せばいとも容易く俺の勝ちだ)

マオ(なにっ!? フェイントだと!?)

マオ(指を開くと見せかけてチョキを出してきたか!)

マオ(だがタイミングが早すぎたようだな。 私にはその動きが"視えている"ぞ)

マオ(残念だったな俺の勝ちだグーで貴様の魂を奪い取ってやろう)


遊び人(甘いのぅ魔王よ)

遊び人(私が貴様の裏をかかないとでも思ったか?)

遊び人(ここまでやってくることは"読んでおる"わい)

遊び人(場に出る直前であればやつとて手を変えることは出来まい)

遊び人(残念だな魔王、貴様の負けじゃ)



魔法使い「……ぽん」

マオ「グー」

遊び人「パー」


マオ「な、なにぃ…!? 直前で手を変えただと!」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 買ってしまったのう」

戦士「やったぜ婆ちゃん!!」

マオ「ば、ばかな……! 直前であんな小細工を…!」

遊び人「甘いのぅマオよ…… 人間には人間なりのやり方があるのじゃ」

遊び人「あまり……舐めるなよ?」

戦士「よーしじゃあこっち行こうぜ」

魔法使い「……はーい」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 遊びなら負けんよ」

マオ(ちっ……まぁ勝負に負けたことはいい。 だが……)

マオ(階段はそっちではない!!)

???「あれ、冒険者の方たちですか?」

マオ「ん?」

???「こんにちは。 ここらへんを歩いているということはナジミさんの塔に行かれるんですよね」

戦士「おう、そうだぜ! 姉ちゃんもナジミに会いに行くのか」

???「ええ、そうですよ。 良かったら塔までご一緒しませんか」

魔法使い「……反対する理由はない」

???「ふふ、ありがとうございます」

???「あ、申し遅れました!」

???「私は女勇者といいます! よろしくお願いしますね」

今日はおわーり

参考程度に聞きたいのですがハーレム系か純愛系の恋愛路線にするか
バトル系、というか魔王討伐に向けてのストーリー系がいいか

どっちがいいですかね

勇者「みなさんも魔王討伐を目指しているんですね」

戦士「あったり前よ。 ぜってぇ魔王をぶっ殺す」

魔法使い「……人類の敵」

勇者「そうですね。 絶対倒さなきゃいけない相手ですもんね! 一緒に頑張りましょう!」

遊び人「案外大したことがないかもしれんがな」

マオ「あん?」

遊び人「ん? どうしたんじゃ若造?」

マオ「魔王は強大な力を持つといいますからね。 舐めていたらひとたまりもないと思いますよ」

遊び人「どうだかのぅ」

マオ「………」イラッ

勇者「それにしても王様のお触れのせいで魔王討伐を張り切ってる冒険者さんがたくさんですよ」

マオ「そうですね。 かなりの数がいるみたいですね」

勇者「おかげで私の役目はなんなのやら……といった感じですトホホ」

魔法使い「……確かに。 魔王討伐は本来勇者の役目」

遊び人「勇者は神に認められし存在じゃがらのう。 生まれながらにして強力な力を持つというが」

勇者「えぇ、よくご存知ですね。 勇者は神の加護として常人よりも強い力を持っていますよ」

勇者「そのおかげで魔物を沢山殺せるんですよ♪」

戦士「へぇ……頼もしいな」

勇者「はい♪ いっぱいいっぱい……殺せるんですよ」

マオ「……?」

マオ(なんだ? こいつ…… 雰囲気がガラッと変わったぞ?)

勇者「やっと塔のふもとに着きましたね!」

戦士「うっひゃー! たっけぇ!!」

魔法使い「……頂上が見えない」

マオ「見上げてもまだまだ先がありますね」

勇者「さ! さっさと登っちゃいましょう」

戦士「いこうぜみんな!」

遊び人「老体にこの高さを登るのは無理じゃ」

マオ「じゃあここで待ってて下さいね」

遊び人「なんじゃと……?」

マオ「あん?」

魔法使い「……マオ」

戦士「おいおい大人げないぜマオ」

勇者「お年寄りには優しくしなきゃダメなんですよ?」

マオ「分かりましたよ…… しょうがないおんぶしますから」

遊び人「分かればいいんじゃ」

マオ「このババア……」

勇者「じゃあお先に!」

戦士「おい! 待てよ勇者! 私も負けないから!!」

マオ「二人とも!? 待ってください単独行動は!!」

戦士「上で待ってるからよ! さっさとあがってこいよ!!」

マオ「……先に行っちゃったよあの2人」

魔法使い「……単独行動は危険」

遊び人「まぁ戦士はともかくあの勇者がいる限りなんとかなるだろう」

魔法使い「……どういうこと」

遊び人「あの勇者、ここまで1人で来ていたということはそれなりの使い手なのじゃろう」

マオ「あぁそうですね。 傷一つありませんでしたからね」

魔法使い「……そう。 なら安心」

マオ「さ、我々もどんどん登らないと」

魔法使い「………」コクン

遊び人「ほーれがんばれー元気の出るダンスじゃ」

遊び人「~~♪ ~~♪」

マオ「"さそうおどり"を踊るな!」

魔法使い「……あれ、身体が勝手に」 ~~♪

戦士「なぁ勇者!」

勇者「どうしたの戦士ちゃん?」

戦士「道! 上に続く道わかんのかよ!?」

勇者「えーわかんないよ?」

戦士「それはさすがにまずいだろ! 走りまわればその分魔物との戦闘も増えるんだぜ?」

勇者「えー平気だよー! むしろそっちの方が楽しいじゃん!」

戦士「はぁ!? 楽しい!?」

勇者「うん! だっていっぱい殺せるんだよ!」

勇者「いっぱい、いっぱい、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい! たくさん!」

勇者「ぶっ殺せるじゃん♪」

戦士「おいおい……」

勇者「あ! 噂をすれば魔物だよ戦士ちゃん!」

戦士「ちっ! カブトムシか! あいつは防御が硬い! 一回態勢を立て直してから……

勇者「そーんなまどろっこしいこと出来ないよ!!」


勇者「はぁッ!!」ザシュッ

魔物「ギェェェェェッ」

勇者「あはは! きったねー声!」

魔物「ギィャァァァァ」

勇者「何体来ても一緒だって」ザン

勇者「はっ!」ザシュッ

勇者「せいやっ!」ザクッ

魔物「ギャァァァァァ」

戦士「嘘だろ……あの硬いかぶとこぞうたちを一撃で……」

勇者「あっははは! 弱いなー殺し甲斐がないじゃん」

魔物「ギッ……ギギッ……」

勇者「あはー? この子もまだ息があるねぇ?」

戦士「お、おい?」


勇者「可愛そうに死にそびれちゃったんだね」

勇者「今仲間のところに送ってあげるよ」ザクッ

勇者「うふふ」ザクッ

勇者「あははは」ザクッ

勇者「あはははははは!!」ザクッザクッザクッ

戦士「お、おい! もういいだろ死んでるよ!!」

勇者「んー? あ、ほんとだ気付かなかったよ」

勇者「でももしかしたらまだ生きてるかもしれないからね。 ちゃんと殺さないと♪」ザクッ

戦士「…………」

勇者「うん、これでいいかな♪」

勇者「あー……楽しかったぁ~……」

戦士「お前……」

勇者「ふんふふ~ん♪」

戦士「上機嫌だな鼻歌なんか歌っちゃって」

勇者「えー? だって楽しいじゃんいっぱい殺せてさー」

戦士「全然楽しくねーよ」


戦士(こいつもしかしてやべーんじゃねえのか? ここは年上としてガツンと言っとかないと…!)


勇者「えー戦士ちゃん変なの」

戦士「あのさ勇者、ちょっと言いたいんだけどさ」


???「なんだてめえら!」

勇者・戦士「ん?」

???「なにもんだてめらは?」

勇者「あなたたちこそ誰よ」

???「知らねえでここまで来たってのかよケッ」

???「ここはな、盗賊たちが住む塔なんだぜ?」

勇者「盗賊?」

盗賊A「おうよ! 聞いて驚け! ここは盗賊王カンダタ様の縄張りだ」

盗賊B「命が惜しくば……金を置いてきな」

盗賊C「そうすりゃ命だけは助けてやる」

盗賊A「ま、ちょっと一発気持ちいいことさせてもらうけどな」

盗賊たち「ぎゃーっはははは!!」

戦士「カンダタだって!? おいこいつらマジもんのやべーやつらだぞ!」

勇者「へー気持ちいいことってなぁにお兄さんたち」

戦士「おい聞けって勇者!」

盗賊A「なんだよ姉ちゃん気持ちいいことしたいのか?」

盗賊B「おいおいとんだ痴女だな!? ぎゃっはっはっは!!」

盗賊C「胸はちっと貧相だが顔は悪くねえなぁ?」

戦士「まずいって! 逃げよう俺たちじゃ叶う相手たちじゃねえよ!」

勇者「楽しいこと……気持ちいいこと……私とっても大好きよ♪」

戦士(こいつやべえ! 目がいっちまってる!!)

勇者「じゃあ、イクよ?」

盗賊A「ひゅー! やる気満々じゃねえか!」

盗賊C「がーっはっは! いいねぇ!」

勇者「………!!」ヒュンッ

盗賊C「じっくりお兄さんに見せてみ


シュンッ


盗賊C「ろ………ガハァッ……」バタッ

盗賊B「なっ!! てめぇよくも!!」

勇者「ふんっ!!」ビュン

盗賊B「ちぃっ!! 受け止めるので精いっぱいだぜ!」

盗賊A「よくもCをやってくれたな糞ガキがぁ!! おらぁっ!!」ブンッ

勇者「……!」

盗賊A「なっ…? 伏せてかわしただと!?」

勇者「お兄さん、足がガラ空きだねぇ」ザクッ

盗賊A「ぎあああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

盗賊B「なあっ!? こいつ!?」

盗賊A「畜生ッ!! 畜生ッ!! いってぇええぇぇ! 剣を足に突き刺しやがったこいつ!!」

勇者「おっと動かないでねBさん。 動いたらこの人の右足が2本になっちゃうよ?」

盗賊B「やべぇ! なんだこいつ!! お頭に報告しねえと!!」

勇者「あ、逃げた」

盗賊A「畜生! 畜生畜生畜生!! よくもやりやがったな!」

勇者「良い声で鳴くねえ」

勇者「ねぇ、お兄さん?」

勇者「見捨てられちゃったね♪」

盗賊A「ぎゃああああああっっ!!!」

戦士「お、おい勇者!」

勇者「ほらーちゃんと喋ってよ。 カンダタって何者なの?」

盗賊A「世界を股にかける盗賊だよ! それ以上でもそれ以下でもねえ!!」

勇者「ふーんそれだけ?」グリグリ

盗賊A「ああああああああ!!!!」

勇者「ねぇ、世界を股にかけるってことは世界中を旅してまわってるんでしょ? 強い魔物がいるところってどこ?」

盗賊A「そんなの北の大地に近づけば強くなるに決まってるだろうが!!」

勇者「うーんそっかぁ。 やっぱり魔王城が近い北方面に強い敵がいるんだねぇ」

勇者「もっともっと強い魔物をたーくさんぶっ殺して……」

勇者「魔王の内臓をえぐり出して、目ん玉くり抜いて、関節全部にナイフぶっさして」

勇者「あぁもう考えただけで濡れちゃう……」

戦士「おい勇者……もういいだろ」

勇者「……なに?」

勇者「……あ。」

勇者「あー……分かっちゃったかも」

戦士「な、なにが?」

勇者「私ね、魔王をぶっ殺すために生きてるの」

戦士「……勇者だからな」

勇者「世界平和なんて糞くらえよ。 魔物をなぶるだけなぶってギャンギャン鳴き叫んでるのが気持ちいいんじゃない♪」

勇者「でも最近旅人が増えてさ、魔物が減っちゃってるのよね」

勇者「あまつさえそいつらは魔王を倒すとか言っちゃってさー」

勇者「それ、私の生き甲斐なんですけど。」

戦士「でもみんなで協力しないと! 勇者だけの力じゃ」

勇者「足りないっていうの?」

戦士「それは分かんねえよ! でもさ……」

勇者「冒険者なんて! 冒険者なんて邪魔なだけなのよ」

勇者「私の獲物を殺しておいてあまつさえ魔王を倒す?」

勇者「ふざけんじゃないわよ」

勇者「横取りなんて許さない」

勇者「魔王は私だけのもの」

勇者「魔王を殺すのは私だけのものなの!」

勇者「それを横取りしようとする人間なんて!」

勇者「私の敵じゃない」

戦士「なに言ってんだお前……」

勇者「あはは。」

勇者「私の敵、みーつけた♪」ザシュッ

戦士「うぐっ!?」キン

勇者「わーすごい! よく防いだね!!」

戦士「おい! なんのつもりだ勇者!」

勇者「えー? だって戦士ちゃんは魔王を倒すんでしょ?」

勇者「じゃあ私の敵じゃん。 殺すべき相手」

戦士「てめぇ…… 頭逝ってんのか!!」

勇者「良い声で鳴いてね?」

勇者「じゃないと私、イケないからさ」

戦士「やめろ勇者! 俺たちは魔王を倒す仲間だろ!」

勇者「何回も言わせないでってば! 横取りする奴は! 敵!!」


カキーン

ギリギリッ


戦士(なんて力の強さだよ! このままじゃ押し負ける…!)

勇者「あははー! 頑張って押し返してみなよぉ」ゲシッ

戦士「ガハッ!! (蹴りだと……!?)」

勇者「んもー馬鹿正直なんだからぁ。 油断しちゃダメじゃない」ザシュ

戦士「ぐぁ……」

勇者「あーつまんない…… 興醒めだよ弱すぎ」

勇者「ばいばい戦士ちゃん」ザクッ

戦士「あー……やべー……」

戦士「腹刺されてる……」

戦士「いってぇー……」

戦士「めっちゃ血出てんじゃん……」

戦士「なんか寒くなってきたな……」

戦士「あれ、目がかすんできた……」

戦士「へへ、ここで死ぬのかな……」

戦士「つまんねー人生だったなー……」

戦士「女の子らしいことしねえで……ひたすら剣の修行……」

戦士「あれ、なんで今マオの顔が浮かぶんだ……?」

戦士「おっかしいなー……」

戦士「あぁ……ねむい……」

戦士「おやすみマオ……」

おわーり

パーティにはババアがいるからなんとかしてくれるやろ(適当)

あ、みなさんなんとなく希望がありがとうございました。
とりあえず深く考えずにノリで書いていくことにしました

「・・・し・・・せ・・・・・・て・・・」

戦士(あれ……なんか聞こえる)

戦士(おっかしいな……私死んだんじゃ……)


「・・・んし・・・せんし・・・」


戦士(あれ……誰かが私を呼んでるのか……)

戦士(もしかして死神か…? はは、あの世に来ちまったのかな)


「戦士! 起きろ!!」


戦士(なんだようるさい死神だな…… まだ眠いんだよ)


「……起きませんね」

「王子様のキスで起きるんじゃないかのぅ」

「……! ダメそれは!」


戦士(キスか……へへ……してみたかったなぁ)


「そうか、じゃあしてみるか」


戦士「……へ?」

戦士「なっ……!!」

マオ「あ、起きましたね」

魔法使い「……よかった」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 わしの回復魔法にかかればこんなもんじゃ」

戦士「ち、近いよマオ……///」

マオ「あぁ、すいません」


戦士(ほ、本当にキスするつもりだったのかこいつ!?)

戦士(それに……さっきの低い声……ちょっとやばいな…///)


戦士「って、あれ? 私なんで生きてるんだ」

マオ「遊び人が回復魔法を使ってくれたんですよ」

戦士「婆ちゃんが? このパーティ回復魔法使える人がいなくてやばいって言ってたじゃん」

マオ「あーどうやら遊び人やる前は賢者やってたみたいですよ」

戦士「賢者ってあの超エリートしかなれないっていうあの賢者か!? 嘘だろ!?」

魔法使い「……ほんと」

遊び人「ただの婆ではないってことじゃ。 ふぉっふぉっふぉ」

マオ「瀕死の状態から傷一つ残らないほどの回復魔法が使えるほどの手練のようですね」

戦士「へー…… すげーんだな」

マオ「と、ババアのことはどうでもいいのです。 一体どうして戦士はそんな深手を?」

戦士「あぁ、それなんだが……」

戦士「勇者にやられた」

…………………
……………
………


マオ「そんなことが……」

魔法使い「……信じられない」

遊び人「なるほどのぅ戦闘狂の勇者か」

マオ「で、その勇者はどこへ?」

戦士「あぁ、そこの窓突き破って飛び降りていったよ」

遊び人「なんと!!」

魔法使い「……ここすっごく高い」

マオ「自殺か?」

戦士「分からないけど……でもすんげぇ笑いながら飛び降りてったぞ」

マオ「そうか。 奴はおそらく」

遊び人「北へ向かったのだろう。 魔王を殺すために」

マオ(魔王はここにいるがな!)

戦士「あいつ……止めねえと」

魔法使い「……冒険者に被害が出る可能性がある」

遊び人「それだけはなんとしても止めねばな」

マオ「そうですね。 ですがまずは我々はこの塔を制覇しなければなりません」

マオ「まずは目の前の問題をひとつずつクリアしましょう」

魔法使い「…………」コク

遊び人「そうじゃなナジミに助けを乞わねば」

戦士「よっし! 行くか!」

マオ「身体は大丈夫そうですか?」

戦士「おう! ばっちりだぜ!」

マオ「それはよかったです」

マオ「あなたが無事で……本当によかった」

戦士「お、おぅ……」カァ


戦士(な、なんだよこれ……胸の音が超うるせぇ!)

戦士(案外こいつ……身体しっかりしてんだよなぁ)チラッ

戦士(なよなよしてそうなくせによ)

戦士(でも実力は本物で…… やる時はやってくれんだろうな)

戦士(って! さっきのキスしてみるかってのは一体なんだったんだ!?)

戦士(好きでもない奴にキスってするもんなのか!?)

戦士(あーもうわっかんねえよ!)

戦士(それになんか……マオのこと考えると胸が苦しいし……)

戦士(これって……恋ってやつなのかな?)

戦士(恋愛もしたことない私が? ないない)

戦士(でもでもこの胸のうるささは……なんなんだろ……な)

戦士(わけわからん!!)


戦士「ああああああああああああ!!!)

魔法使い「……!?」ビクッ

マオ「な、なんですか急に大声出して!?」

戦士「うるせぇ! なんでもねえよこっちみんな!!」

マオ「えぇー……」

戦士「ふぉっふぉっふぉ。 若いのぅ」

魔法使い「………むー」

魔法使い「むー………」

マオ「どうしたの魔法使い」

魔法使い「……んー!」ペシペシ

マオ「痛い、痛いですって」

魔法使い「……んー!!!」ベシベシベシ

マオ「なに、どうした本当に」

魔法使い「……………」

マオ「魔法使い?」

魔法使い「……ん」ギュッ

マオ「服の裾なんか掴んで……なにかあるの?」

魔法使い「………ふん」プイ

マオ「えぇー……」

遊び人「苦労するのぅ若造」

戦士「……ちっ……おもしろくねぇ」

マオ「え? え??」

魔法使い「………私の方が先に好きになったのに」ボソッ

ちと休憩

まだか!

戦士「魔法使い、ちょっとマオに近いんじゃないか?」

魔法使い「……なにがいいたいの」

戦士「いや、ほらダンジョンでそんなぴったりくっついてたらマオだって動き辛いだろ?」

魔法使い「……マオはいや?」

マオ「うん? いや別に大丈夫だぞ」

魔法使い「……大丈夫だって」

戦士「ぐぬぬ…… でもさ!」

魔法使い「……なに」

マオ「まぁまぁ二人とも落ちついてください。 いざとなったら私がみんなを守りますから」

戦士「え……///」

魔法使い「………///」

遊び人「これはいつか刺されるのぅ」

魔法使い「~~~~~!!」

戦士「~~~~~!!!」


遊び人「ぎゃーぎゃーと若い娘はうるさいのぅ」

マオ「元気があるのはいいことだ」

遊び人「ダンジョンであそこまで油断していると心配なのじゃが?」

マオ「お前がいればまぁ最悪の事態にはならないのだろう?」

遊び人「買い被り過ぎじゃ」

マオ「私にはそうはみえないがな。 貴様の持つ魔力はそれこそ人間にしては規格外レベルだ」

遊び人「ふん…… それでも貴様には遠く及ばんわい」

マオ「当たり前だ。 俺を誰だと思っている?」

遊び人「貴様をどうやって殺したもんか」

マオ「ふははは! まだ諦めていなかったか老いぼれ」

マオ「良い。 好きにするがよい。 貴様がどう私に刃を向けるのか見たくなったわ」

遊び人「ふん……人間を舐めすぎじゃ。 いつか足元をすくわれるぞ」

マオ「やってみろよ、下等種族が」

遊び人「……………」



戦士「おいマオ!」

マオ「はい? どうしました戦士さん?」

魔法使い「……この年増戦士と」

戦士「ちびっ子魔法使い!」

魔・戦「どっちが魅力的!?」

マオ「……ッ! 二人とも!!」

遊び人「まずい!」

戦士「へ……?」

魔法使い「……魔法陣!」

マオ「くそっ!」


ヒュン


マオ「転移魔法陣か! トラップを仕掛けていたか盗賊たちめ」

マオ「追えるか?」

遊び人「無理じゃな」

マオ「………失態だ」

遊び人「貴様でも人間を心配するんじゃな」

マオ「……確かにな。 以前の俺ならどうでもよかったはずだな」

マオ「まぁ一緒にいれば情くらい沸くだろう」

遊び人「好かれて悪い気はせんということかの」

マオ「そんなことはどうでもいいぞ老いぼれ。 あの2人の居場所は分かるか?」

遊び人「魔力を辿ればな。 だが特別な魔法を使わなくとも居場所が分かるくらいには近いぞ?」

マオ「ほう?」

遊び人「簡単じゃ。 このすぐ上だろう。 そこに奴らはいる」

マオ「盗賊王もか」

遊び人「待て、これは罠じゃぞ?」

マオ「知れたこと。 人間を八つ裂きにしてこそ魔王というものだろう?」

遊び人「ふん。 二人を助けるためと正直に言ったらどうじゃ?」

マオ「この上か」

遊び人「じゃな」

マオ「行くぞ」

遊び人「……わしに指図をするな」


コツコツコツ



魔法使い「………!」

戦士「マオ!!」

マオ「無事か2人とも」

魔法使い「…………」コク

盗賊王「ようこそ兄ちゃん婆ちゃん」

盗賊王「さっきはうちの若いのが世話になったようじゃねえか」

盗賊B「兄貴! あの女がいません!!」

盗賊王「ほう? なぁあんたら」

盗賊王「派手にやってくれたそのわけえ女を引き渡してくれりゃ何もしねえで帰してやる」

盗賊王「……女を渡せッ!!」

マオ「勇者のことでしょうか? 残念ながら彼女はここにはいません」

盗賊王「どういうことだぁ兄ちゃん? そいつはいまどこにいるんだ? あぁ!?」

マオ「さぁ? 私には分かりません」

盗賊王「意地でも喋らねえってか。 上等だ力づくでその身体に聞いてやるよ……」

盗賊王「後悔すんじゃねえぞ」

マオ「グダグダ言ってないでやるならさっさとかかってきたらどうです? そのデカい態度と図体は飾りですか?」

盗賊王「舐めた口聞いてくれんじゃねえかよぉ!! ヒョロヒョロのくせによぉ」

盗賊王「気にいったよ捕まえて死よりも苦しい目に合わせてやるよぉ!! いくぞてめぇら! AとCの仇を取るぞぉ!!」

盗賊王、盗賊たちがあらわれた



マオ「下がっていろ老いぼれ」

遊び人「その背中に魔法でも叩きこんでやるわい」

マオ「……ふん」



盗賊たちの攻撃

ミス ミス 1ダメージ ミス



盗賊B「なんだこいつ!? 全然効かねえ!?」

盗賊D「兄貴ィ!!」

盗賊王「おめえら下がってろ! 俺がやる!!」



盗賊王の攻撃

5のダメージ



マオ「はぁ………」

マオ「弱い。 弱すぎる」

マオ「こんなやつらに2人を私の元から盗られたのかと思うと自分が情けなくなる」

盗賊王「な、なんなんだよこりゃ!?」

マオ「全く……おもしろくない。」



マオは指を指した



マオ「超重力圧縮魔法」


盗賊たちは消滅した



マオ「……はぁ」

盗賊王「なんだよ……なんだってんだよこれは!!」

盗賊王「無茶苦茶だ!! 夢に決まってる!!」

マオ「ぎゃーぎゃーうるさいですね。 大の男が情けなくないのですか」

マオ「確か……あなたはこう言ってましたね」

マオ「捕まえて死よりも苦しい目に合わせてやる、と」


魔王「おもしろそうじゃねえか」

盗賊王「ひっ! か、勘弁してくれええぇぇ!!!」

マオ「だったらさっさと私たちの前から失せてください。 二度と私の目の前に姿を見せないでくださいね」

マオ「仲間を丁重に扱ってくれたようですからね、命だけは助けてあげます

盗賊王「はいぃ、ありがとうございばしゅ!!」

マオ「さっさと失せろォ!!!」

盗賊王「ひぃぃぃいいいいああああああ!!!」ダッ




マオ「鼻水を撒き散らして情けない」

マオ「二人とも、大丈夫ですか?」

魔法使い「………マオ!」ギュッ

マオ「おっと…… よしよし」ナデナデ

戦士「……………」

魔法使い「……ありがとうマオ。 助けてくれて」

マオ「いえ、すいません2人とも。 守ると言っておきながらみすみす連れ去らせてしまうとは……」

戦士「なぁに気にすんなよ! 悪いのはマオじゃねえしさ!」

魔法使い「……油断してた私たちのせい。 心配させてごめんなさい」ペコリ

マオ「謝るのはこっちの方ですよ! 本当に……謝っても謝りきれません……」ペコッ

戦士「おいおい! やめてくれよマオ」

魔法使い「……そうだよ? マオは私たちを守ってくれたよ」

遊び人「まぁまぁ若者たちよ。 結果がよければすべて良しじゃ」

遊び人「どっちも悪く反省すべきことはあるわい。 次に活かせばいいじゃろ?」

魔法使い「……はい」

戦士「だな!」

マオ「……偉そうに」

遊び人「うんうん。 若いっていいのぅ」

……………………
……………
………


戦士「いいのかよ盗賊たちの荷物漁りなんて」

魔法使い「……どっちが盗賊か分からない」

遊び人「あやつらのモノなんぞみな盗品ばかりよ」

マオ「下衆な連中に使われるくらいなら私たちで活用させてもらったほうがきっとモノも喜びますよ」

戦士「でもなー気乗りしねえよこんなの」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 勝者の特権じゃ」

魔法使い「……マオみて。 この宝箱の中お金たくさん」

マオ「おぉ、確かにすごい。 ありがたく頂戴しましょう」

遊び人「こ、これだけあれば! 一生スロットして暮らせるわい!!」

魔法使い「……ダメだよおばあちゃん」

遊び人「じょ、冗談じゃ冗談」

マオ「その額の汗はなんだ?」

戦士「なぁー! 見てくれよこれ!」

マオ「どうしました?」

戦士「これ、なんだろうな? 宝箱に入ってたんだけど……カギみたいだ」

遊び人「これは……盗賊たちの商売道具じゃろうな」

魔法使い「……どういうこと?」

遊び人「特殊な魔法が掛けられておる。 このカギひとつで様々なカギを開けることが出来るんじゃろうよ」

戦士「ひゃー! なんだそれすっげえじゃねえか!!」

マオ「それもありがたく頂きましょう」

遊び人「ぬふふふ……これがあればお金ががっぽり……」

魔法使い「……おばあちゃん!」

遊び人「冗談と言っておるじゃろう」

マオ「ババア……お前盗賊に転職したらどうだ?」

休憩

   グラヴィティーブラスト
マオ「超重力圧縮魔法」

   ブラックホールクラスター
マオ「超重力圧縮魔法」

どっちだろうか

よくわからんが消滅するってレベルまで圧縮されちゃったんじゃね

あと注意書き

時々マオ表記が魔王になりますがちょっと魔王スイッチ入ってるってだけなのでみんなには魔王ってことバレてません
遊び人はお気づきかと思いますが元賢者LVカンストくらいだと思っていただければ

…………………
…………
……


コンコン


マオ「失礼します」

戦士「失礼しまーす」

魔法使い「………はいる」

ナジミ「………グォー………グォー………」

マオ「寝てますね」

戦士「寝てるな」

魔法使い「……寝てる」

遊び人「老人は起きてるのが辛くなるんじゃよ」

遊び人「ほれ、起きるんじゃナジミ」

ナジミ「……ん? んー……ふぁ~……」

遊び人「やっと起きたか」

ナジミ「おー遊び人か元気にしておられたかな?」

遊び人「おかげさんでね。 もうあの頃の賢者たちも残り少なくなったのぅ」

ナジミ「はは、本当その通りですな」

遊び人「なのにわしらはしぶとく生きてしまって……」

ナジミ「死に時を逃してしまってますな」

ナ・遊「あはははは」

戦士「ジジババの冗談が笑えないんだが」

魔法使い「……死をネタにしてる」

マオ「……人間は死についての価値感が変化し、恐れの対象から人生を統合し迎えられるようになるのだな」

魔法使い「……? マオが賢そうなこといってる」

戦士「やめとけって馬鹿はもう隠せねえんだから」

マオ「私は馬鹿でしょうか?」

戦士「さぁな」

魔法使い「……少なくともあなたよりは頭いい」

ナジミ「遊び人、あなたが来るのは夢で見ていましたよ」

遊び人「ふーむさすがじゃな。 元大賢者はジジイになっても力は衰えぬか」

ナジミ「ふふ、そして勇者のことも」

ナジミ「そして、あなたのことも」

マオ「ほう?」


ナジミ「睡眠魔法大」


戦士「なっ……」バタッ

魔法使い「……ぐっ……」バタッ

マオ「一体なんの真似でしょうか? ナジミさん」

ナジミ「私はすべてを見ていましたよマオさん」

ナジミ「いや魔王よ」

マオ「…………」

ナジミ「あなたはここで全力で排除させていただきます」

マオ「ほぅ?」


遊び人「拘束魔法大」

遊び人「魔法詠唱阻害魔法大」


ナジミ「そのまま、時空の狭間で永遠の時を過ごされてはいかがですかな?」


ナジミ「亜空間召喚魔法」


マオ「…………」

ナジミ「さようならですな、魔王よ」

遊び人「…………」

魔王(………空間の狭間か)

魔王(なるほど、こんな魔法すらも使えるとはさすが大賢者といったところか)

魔王(地味にババアの拘束魔法で身体の動きを封じられ、さらに魔法すらも唱えさせないという徹底ぶり)

魔王(全く恐れ入る。 歳は無駄に取っていないということか)

魔王(このような時空の狭間に放り出されるだけで絶望的な状況だというのに)

魔王(人間も、ババアの言うとおり舐めたものではないな)

魔王(だが遊び人、賢者、そして勇者よ)

魔王(貴様等は"魔王"の力を甘く見ているぞ)

遊び人「やったかの?」

ナジミ「うーむ…… 今まで亜空間に閉じ込められ、その後出てきたモノはないですが……」

遊び人「油断は禁物ということじゃな」

ナジミ「そういうことですな。 なにより相手があの魔王……」

遊び人「しかしナジミよ、お主はわしが来ることを予知していたのじゃろう?」

ナジミ「えぇ、そうです」

遊び人「ならば、魔王が今後どうなるかも見たのではないか?」

ナジミ「……確かに見ました。 しかしあくまで私が見る者は夢。 夢は確実なものではないと考えるべきだ」

遊び人「お主が見た夢では魔王はどうなる」

ナジミ「……………」

ナジミ「それは、言わん方がいいでしょうな」

遊び人「………どういう意味じゃ?」

ナジミ「世界の命運は」

ナジミ「魔王に託されたということですな。 ほほほ」

ナジミ「っ!?」

遊び人「この魔力は!?」


シャキン

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ナジミ「なんじゃ!?」

遊び人「塔が……切れた……じゃと!?」



魔王「ふははははは!!」

遊び人「くっ…!」

魔王「いやーご老体。 お主らの力には尊敬する」

魔王「だが私をあそこにいさせたいのならば、もっと快適な暮らしをさせてもらわねばなぁ?」

ナジミ「ほっほっほ。 いやはやさすがは魔王と言ったところですかな。 予知の夢は覆らなかったか」

魔王「残念だったな大賢者よ。 私はその程度には殺せぬ」

ナジミ「これは参っりましたな。 私の全力だったのですがただの物理攻撃のみで空間に穴をあけて戻ってくるとは」

遊び人「文字通り化け物じゃな」

魔王「ふははは。 もっと褒めたたえるが良いぞ」

魔王「興は終いか?」

ナジミ「そうですな。 私らではどうあがいても魔王殿には勝てますまい」

遊び人「ふむ、ナジミでもダメじゃったか。 これはもういよいよ宛てがないのぉ」

魔王「ふっ。 せいぜい頑張るのだなババアよ」

魔王「さて、終演ということであればもう2人を目覚めさせてもよかろう?」

ナジミ「そうですな」

遊び人「うーむ……魔王を倒すためにはどうすればよいのやら」


パチン

魔法使い「…………んぅ?」

戦士「ふぁぁ……ねみぃ……」

マオ「おはよう二人とも」

戦士「あれ、いつの間に寝ちまったんだ?」

魔法使い「……記憶にない」

マオ「疲れてたんだよこんな高い塔を登ってきたんだから」

戦士「そっかぁ。 わりぃマオ! 迷惑かけちまったか?」

マオ「大丈夫ですよ、気にしないでください」

魔法使い「……………」


戦士「っておい!? 天井がなくなってんぞ!?」

魔法使い「……わっ!」

ナジミ「うーむ困ったのう…… わしの家の天井が…… 雨風が凌げなくなってしまいました」

戦士「どうやったらこんなことになんだよ……」

魔法使い「……人間業じゃない」

マオ「……ちょっと抑えが利かなくて」ポリポリ

戦士「お前か! つくづくありえないな!!」

魔法使い「……意味不明」

ナジミ「さて、洞窟の封鎖された道のことでしたな」

戦士「そうだよじいさん! なんだよ知ってたのか」

ナジミ「ほっほほ。 爺にもなると世の中知らぬことはないのですぞ」

ナジミ「あの洞窟であればもう解決しておりますな」

魔法使い「……どういうこと?」

ナジミ「あまり良い状態ではないですが、どうやら勇者が力づくでこじ開けたようで」

マオ「なんと……」

ナジミ「なので、もうあの洞窟は通れる。 隣の大陸にもいける。 万事解決ですな」

マオ「それは安心しました」

戦士「なんだよじゃあここまで登らなくてもよかったんじゃん」

魔法使い「……また降りるのが大変」

遊び人「あーそれなら安心せい」

ナジミ「わしが町まで転移魔法で届けてあげましょう」

戦士「まじか爺さん!」

魔法使い「……すごい」

ナジミ「ほっほっほ。 年寄りの相手をしてくれたお礼じゃ」

ナジミ「あとこれを持っていってくださいな」

魔法使い「……この大きな杖は?」

ナジミ「これは私が昔使っていた魔法杖ですな」

ナジミ「中に強力な魔法を封じ込めてありましてな?」

ナジミ「本当にピンチになった時、その杖の力を使うのじゃ」

魔法使い「……うん、わかった」

ナジミ「この杖は私が若い頃、当時お付き合いをしていた魔法使いが………」

遊び人「あぁもうよいよい! 年寄りになるとついつい昔話をしたくなってしまう」

ナジミ「ほっほっほ。 遊び人とも昔は大人なことも

遊び人「やめんかー!!」

戦士「うわぁ……」

魔法使い「……大人なこと?」

マオ「想像したくないですね」

ナジミ「ではな、遊び人。 そして若者たち達者でな」

戦士「爺さんもな!」

マオ「お世話になりました」

遊び人「ではなナジミ。 また酒でも呑もうじゃないか」

ナジミ「ほっほっほ。 遊び人は酒癖が悪いですからな。 楽しみにしてますぞ」


魔法使い「……ねぇマオ」

マオ「ん? どうした」

魔法使い「……ナジミさんが言ってた大人なことってなに?」

マオ「……聞くな」



シュンッ

戦士「………おい、なんだよこりゃぁ!!?」

マオ「まずいですね」

遊び人「なんということじゃ……」

魔法使い「……ひどい!」


遊び人「町が……滅んでいる」

今日はおわりー


ちょっとみなさんに聞きたいことがひとつ

戦闘描写についてなんですが今のところは擬音だけで表現しています

Q、これを地の分をありにした方がいいかどうか

例 >>125-126

勇者「じゃあ、イクよ?」

盗賊A「ひゅー! やる気満々じゃねえか!」

盗賊C「がーっはっは! いいねぇ!」

勇者「………!!」

盗賊C「じっくりお兄さんに見せてみ



勇者の動きは誰も捉えることが出来なかった
一瞬にして人3人分はある距離を詰め、踏み込んだ

いい気になってダラダラと言葉を紡ぐ盗賊の顔面を勇者は横一文字に斬り裂いた



盗賊C「ろ………ガハァッ……」

盗賊B「なっ!! てめぇよくも!!」

勇者「ふんっ!!」



勇者の動きは止まらない
次の標的である盗賊Bに向かって一直線に駆ける

反応した盗賊も剣を抜き、即座に横に薙ぐが勇者はいとも容易く回り込み、斬りかかった


盗賊B「ちぃっ!! 受け止めるので精いっぱいだぜ!」



なんとか剣を受けた盗賊Bは勇者の右手を掴む
そして棍を振り上げた別の敵が勇者の後ろから迫っていた


盗賊A「よくもCをやってくれたな糞ガキがぁ!! おらぁっ!!」

勇者「……!」

盗賊A「なっ…? 伏せてかわしただと!?」

勇者「お兄さん、足がガラ空きだねぇ」ニヤリ



口端に笑みを浮かべた勇者は掴まれていた腕を上段蹴りで解放
そのまま剣を握っていた腕を振り下ろし、盗賊の足に突き刺した


盗賊A「ぎあああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

盗賊B「なあっ!? こいつ!?」

盗賊A「畜生ッ!! 畜生ッ!! いってぇええぇぇ! 剣を足に突き刺しやがったこいつ!!」

勇者「おっと動かないでねBさん。 動いたらこの人の右足が2本になっちゃうよ?」

盗賊B「やべぇ! なんだこいつ!! お頭に報告しねえと!!」

勇者「あ、逃げた」

盗賊A「畜生! 畜生畜生畜生!! よくもやりやがったな!」

勇者「良い声で鳴くねえ」

勇者「ねぇ、お兄さん?」

勇者「見捨てられちゃったね♪」



満面の笑顔を浮かべる勇者
全身に汗をかき顔面蒼白となっている盗賊A

彼は自分にこれから起こるであろう絶望を受け入れないでいた


勇者は突き刺しっぱなしになっていた剣を握り、捻じる
突き刺したままその骨、肉、すべてを引きちぎるように力任せに捻じった


盗賊A「ぎゃああああああっっ!!!」







みたいな感じになります
文才なくて幼稚な文章ではありますが擬音だけよりはイメージしやすいかと

気軽に読める擬音
イメージしやすい地の文
どっちがいいですかね?

どっちでもいいよね知ってる

擬音でいいんじゃない?

?「イヤー!」

?「グワー!」

?「サヨナラー!」ドカーン

みなさんありがとうございます

擬音で行きたいと思います

正直戦士が好きじゃないんだよね(白目)

…………………
……………
………



魔法使い「……生存者は見つけられなかった」

遊び人「なんということじゃ……」

マオ「遺体を見る限り、鋭利な刃物で切られたような傷口や、焼け焦げているようですね」

遊び人「小さな村とはいえここまでやるとはのぅ」

戦士「これは……勇者がやったのか?」

マオ「まだそうは決まってませんよ戦士」

戦士「だがこの町には塞がった洞窟のせいで多くの冒険者がいたんだろ!?」

遊び人「確かにその通りだが証拠がない。 他の犯人たちも考えられるわい」

戦士「あいつ! ぜってぇ許さねえ!!」

マオ「落ちついてください戦士」

戦士「俺は後を追う! 犯人は洞窟を超えていったんだろう!?」ダッ

遊び人「待つのじゃ戦士!!」

魔法使い「…………」

遊び人「我々だって疲弊しているというのにダンジョンに入り込むなど……」

魔法使い「……無謀」

マオ「だがここに留まるわけにもいかないだろう。 私たちも行くぞ」

遊び人「なんということだ…… こんなことになるとは」

魔法使い「……おばあちゃん大丈夫?」キュ

遊び人「あぁ大丈夫じゃ。 ありがとう魔法使いよ」

マオ「……急ごう。 戦士と早く合流しないと」

魔法使い「………うん」コク

魔法使い「……ねぇ、マオ。 人間一人がひとつの町を滅ぼすなんてこと出来るの」

マオ「勇者ほどの力を持つ者ならば出来るだろうな」

魔法使い「……そう、なんだ」

マオ「……もちろん強い魔物や魔王にだって出来る」

マオ「だからこそ勇者を止め、危険な魔王を倒すのだろう?」

魔法使い「……うん! 魔王を絶対倒す。 私の命に変えても」

マオ「……その意気だ」

遊び人「…………」

魔法使い「……暗い」

マオ「松明がないと先も見えないね」

遊び人「戦士は松明を持ってるんかのぅ」



グシャッ


魔法使い「……ひっ!」

魔法使い「きゃあああぁぁ!!」

マオ「これは……」

遊び人「死体か」

魔法使い「……………」プルプル

マオ「町を滅ぼした犯人にやられたんだろう」

遊び人「うーむ顔面を一突きか えぐい殺し方をする奴じゃ」

魔法使い「……ま、マオ?」

マオ「大丈夫か魔法使い? 立てるか?」

魔法使い「……ごめんなさい。 腰がぬけちゃって立てない……」

マオ「しょうがないな。 失礼するぞ」

魔法使い「……わっ、わわ!」

マオ「……軽いなお前」

魔法使い「………マオちからもち」

魔法使い「……爆発魔法大、イオナズン」


ヒュゥゥゥゥン
ドドドドドドドドドドド



遊び人「大した威力じゃ」

マオ「あれだけ多かった魔物を1撃で粉砕か」

魔法使い「今日はあと2回しか魔法を撃てない」

遊び人「不便な能力じゃなー。 下位魔法なら数を多く撃てたりしないのかのぅ?」

魔法使い「………?」

マオ「いや、だから大魔法は消費するMPが多いだろう? 中魔法くらいなら何発か撃てるんじゃないかって」

魔法使い「………あ」

遊び人「ん?」

魔法使い「そうかもしれない…… 試したことが無かった」

マオ「えぇぇー……なんでやねん……」

遊び人(魔王が人間らしい突っ込みが出来るようになっている…!?)

マオ「結構進んだが戦士と合流出来ないな」

遊び人「一人で魔物と戦いながらではそんな先には進めないと思うのじゃが……」

魔法使い「……じめじめしてて早く出たい」

遊び人「マイペースかッ!」

マオ「しっ!!」

マオ「なにか聞こえる……」


ガキィン


マオ「こっちだ!!」



………………………………



マオ「戦士!!」

遊び人「大丈夫かッ!!」

戦士「マオたちか!?」


ビュン


戦士「くそっ!!」


ガキンッ


戦士「一発が重いなんてもんじゃねえッ!!」


ヒュン


戦士「ちっ、受け止めきれねえ…!」


ガキン
ドゴッ


戦士「がはっ…!!」


遊び人「地獄の騎士か! なんでそんな魔物がこんなところにいるのじゃ!?」

マオ「さぁな」

魔法使い「今助けます! 戦士さん」

遊び人「いわゆるボスっていうものかの?」

マオ「だな」

魔法使い「……牽制する」

魔法使い「火炎魔法中、ベギラマ」



ゴォォォォォ!!!


魔物「グッグゴゴゴゴゴ!!!」


魔法使い「竜巻魔法中、バギマ」


ビュオォォォォォォォ



遊び人「火炎と竜巻の混合魔法か! 若いくせになかなかやるのぅ」


魔物「ゴゴゴッ…… ギャオォォォ!!!」


遊び人「相手がよくないのぅ、さすがにあれじゃ倒れんか」

マオ「来るぞ。 動きを止めろ。 戦士と魔法使いはあいつの攻撃を食らっては耐えられない」

遊び人「分かっておるわ! 拘束魔法大!!」


ガシッ


マオ「いい拘束魔法だ」

遊び人「たまには遊び人としても活躍するかのぅ」

遊び人「"百列舐め"」


ペロペロペロペロペロペロペロペロ


マオ「うおぉぉぉぉ……あれはやばい」

魔法使い「……魔物をすごい勢いで舐めてる」



地獄の騎士の防御力がガクッと下がった


遊び人「ぺっぺっぺ!! あいつまずいのぅ」

マオ「お前今日は歯を磨くまで俺に近づくなよ」

魔法使い「……捕まってる今がチャンス」

魔法使い「……火球魔法大、メラゾーマ」


ドゴォォォォォォ



遊び人「あっつ! あっついわ!」

マオ「ものすごい熱波だな。 ただでさえしわしわな皮膚がカラカラになるぞ老いぼれ」

遊び人「これは魔法使いの高い化粧水を使うしかないの」

魔法使い「……! ダメ!」

遊び人「ケチじゃなぁー最近の若いもんは」

マオ「お前らよそ見をしすぎだ。 来るぞ」

遊び人「マラカスで殴ってやるわい」

魔法使い「……魔法3回以上使えた!」

マオ「集中しろって言ってるだろう!」

魔物「ギャオォォォォォォ!!!!」


ブン ブン ブン



マオ「腕が6本もあってよくこんがらがないものだ」

マオ「ん? こんがらがない?」

マオ「こんがらがらがない?」

マオ「こんがらが……ない?」

マオ「ええいややこしいではないか!!!」ズバァッ!!



魔物「ゴギッ……ゴッ………」



バタッ



地獄の騎士を倒した

休憩


え、こんな糞SSを転載してなにが楽しいの……
俺の恥を拡めないでェッ!!


あ、ちなみに転載禁止です

遊び人「ふぅー。 やっと外に出て来れたのぅ」

魔法使い「……空気がおいしい」

遊び人「空気がじめじめしてるの気にしすぎじゃろ」

戦士「あー外はもう夜だったのか」

魔法使い「……星がきれい」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 そのうち見飽きるぞ」

戦士「おっ、流れ星!」

魔法使い「……どこ!」

戦士「飯がたらふく食えますように、飯がたらふく食えますように……」

遊び人「情緒の欠片もないのぅ」

マオ「こんがらない? こんがらがない? こんがらがらない?」

遊び人「まだ言っておったのか!!」
マオ「

マオ「やっと西の王国に着きましたね」

戦士「遠かったなー……」

魔法使い「もうくたくた……歩けない」

遊び人「情けないのぅ若いくせして」

マオ「ババア……お前おんぶしなくても全然歩けるんじゃねえか……!!」

遊び人「はて? なんのことじゃったか?」

戦士「なぁなぁ、さっさと宿探しちゃおうぜ。 もう寝たいよ」

魔法使い「塔に登って洞窟も抜けて…… 今日は濃密な1日」

マオ「そうですね早いところ休みましょう」

宿屋「夜更けまで御苦労さまです。4名様ですね」

マオ「何部屋空いていますか?」

宿屋「>>212



>>212 部屋割を決めてくれ


魔法使いとマオ
遊び人と戦士

女子たちとマオ


みたいな感じで適当に

魔法使いとマオと戦士
ババア

宿屋「トリプルが一部屋、シングルが一部屋空いております」

マオ「ではその二部屋お借りします」

宿屋「畏まりました」


宿屋「ではごゆっくり、お休みくださいませ」

マオ「じゃあ私はこっちの一人部屋で」

遊び人「若造、どけそこはわしが寝る」

マオ「はぁ? なんのつもりですかババア?」

遊び人「わしは疲れたのじゃ。 さっさと寝たいのに若い女どもがガサゴソうるさいと叶わんわい」

遊び人「若いもんは若いもん同士で仲良く寝るがよいわ」

マオ「それはまずいでしょう」

遊び人「ええいうるさい! 男なら男らしく2人くらい抱かんかい!!」

マオ「はぁ?」

遊び人「じゃあな」グッ

マオ「グッじゃねえよ!」

マオ「と、いうわけで一晩よろしくお願いします」

魔法使い「…………」コクン

戦士「気にすんなってー! じゃおやすみー!」ボフッ

魔法使い「……戦士、お風呂入らないの?」

戦士「あー? 明日入るって、じゃ」

戦士「グォー…zzZ」

マオ「はやいな」

魔法使い「……欲望に忠実」



>>217 選ぶのです

① 魔法使いとお風呂

② 魔法使いと一緒に寝る

③ 魔法使いとパーリナイッ (R-18注意)

④ 自由安価

戦士にイタズラ

>>219 内容

>>1が決める

② 自由安価

魔法使い「……お風呂、入ってくるね」

マオ「あぁ、いってらっしゃい」

魔法使い「……覗いちゃダメ」

マオ「分かったよ覗かない、約束する」

魔法使い「…………」モジモジ

マオ「どうしたの魔法使い」

魔法使い「……えっとね」

マオ「うん?」

魔法使い「……ぎゅってしてほしい」

マオ「……あー」

マオ「おいで?」

魔法使い「……!」トコトコ

魔法使い「ぎゅー……」

マオ「さて、魔法使いも風呂に入った。 もう邪魔者はいない」

マオ「戦士が無防備な姿で寝ている」

マオ「やることは、ひとつだ」


マオ「容易するのはこのぬるま湯」

マオ「そしてペンだ」

マオこのぬるま湯を戦士の股の部分にかける」ジャー

マオ「………いけないことをしている気分だ」

戦士「ん、んぅ……」

マオ「起きていないな。 そして顔にペンで……」

マオ「これでよしだ」

マオ「明日が楽しみであるなブフッ」

…………………
……………
………



戦士「ん、朝か……」

戦士「ふぁ~……ねむ」

戦士「………!!」

戦士「な、え、嘘だろ……?」

戦士「パンツとズボンが濡れてる…?」

戦士「え、うそうそうそ…… もしかして……」

戦士「おねしょした?」

戦士「いやいやないだろもう今年で27歳なんだぞ……?」

戦士「でもこんな濡れ方おりものじゃあり得ないし……」

戦士「え、えぇ、どうしよう」

戦士「どうしよ……」

戦士「……みんなまだ寝てるな?」

戦士「わ、わ、すげぇぐっしょり濡れてる……」

戦士「風呂で洗うしかねえよな……」

戦士「最悪だ……」



戦士「……………はぁ」ジャーー

戦士「こんな歳になって……情けないな」ジャバジャバ

戦士「……こんなもんでいいか。 はぁ私も風呂に……」

戦士「ん?」

戦士「額になんか書いてある……?」

戦士「"ドッキリ大成功"?」

戦士「……………」

戦士「……………………」


戦士「ごらあああああああ!!! マオおおおおおお!!!!!」

戦士「で、今日は街でなにすんだよ」

マオ「いい加減機嫌直してよ、ね?」

戦士「あ゛ぁ゛ん!?」

マオ「ご、ごめんなさい……」

魔法使い「……マオが尻に敷かれてる」

遊び人「なにがあったんじゃ?」

魔法使い「……分からない」


戦士「で? 今日は何すんだって私は聞いたんだが? マオさんよぉ」

マオ「そ、そんな怖い顔しないでくれ……」

マオ「今日は情報収集をしながら買い物して、少しゆっくり目に滞在っていう感じかな」

戦士「はーん。 しけてんなぁ」

マオ(こ、こわい! 戦士がこわいぞ! 怒らせるのはもうやめよう……)

休憩

>>228誰かと買い物一緒にする?


①みんなバラバラ

②マオと戦士

③マオと魔法使い

④マオと遊び人

⑤マオと戦士と魔法使い

⑥全員一緒

マオ「盗賊たちのお金もありますし各自で買い物ということで。 はい、皆さんの分です」

戦士「おっけー。 お、結構あるじゃねえか」

魔法使い「……え、えとマ

遊び人「ふぉぉぉぉぉ! 金じゃ! 金じゃああああ!!」

戦士「ど、どうした婆ちゃん!?」

遊び人「金じゃああああああスロットじゃあああああうひょおおおおおお」ビューン

戦士「は、はえぇ」

マオ「あのババア装備揃える気あるんだろうな……」

魔法使い「あ、あのマ

戦士「じゃ、私も行くぜ」

マオ「そうですねではまた後ほど」

魔法使い「……………むー」

魔法使い「マオと行きたかった……」

マオ「どれどれ……」

武器屋「へいらっしゃい!! いい武器揃ってるよー!」

マオ「む? この剣は?」

武器屋「お客さんお目が高いね! それは鋼の中にカーボンっつー最新の金属を仕込んだ剣さ! よかったら振ってみなよ」

マオ「………………」チャキ

マオ「ふん!!」ブゥン


ズバアアアァァァァァン


マオ「恐ろしく軽いな………」

武器屋「あ、あああ………」

マオ「ぬ………これはまずい」

武器屋「てめえ!! あぶねえじゃねえか!!! 店ごと斬り飛ばす奴がどこにいやがんだ!!」

マオ「い、いや十分に手加減はしたんです」

武器屋「てやんでい!! うちの修理費とダメになった武器」

武器屋「買い取ってもらおうか?」

マオ「…………!」ダラダラ

マオ「もう武器の試し切りはやめよう」

マオ「結局押し付けられたこの剣は戦士にあげるとしよう」

マオ「それにしても……人間とはなかなか恐ろしいものなのだな」


装飾屋「おにーさん、よかったら見ていきなよ」

マオ「む? 装飾屋か」

装飾屋「お兄さん若いけど冒険者だね? 戦闘用のものから日用品まで取り揃えてるよ」

装飾屋「自分用にも彼女用にも、よかっとら買っていきなよ」

マオ「ほう…… 装飾品に魔力を封じ込めているのか」

装飾屋「おすすめはこれだよ! うちのオリジナルの逸品さね」

マオ「……! これはすごいな」

装飾屋「分かるかい? それは女神の指輪っていって魔力の回復をする優れものさ」

マオ「………気にいったこれを貰う」

装飾屋「毎度あり!」


マオ(これを魔法使いにプレゼントしたら喜んでもらえるだろうか)

マオ「しかし所持金が底を尽きそうだ」

マオ「予想外な出費がかさんでしまったな」

マオ「遊び人のことを言えたものではないな」

マオ「金を増やす必要があるな……」

マオ「しかし、どうすれば…… すぐに金を手に入れるなど」



闘技場
賭けに勝てば億万長者も間違いなし!



マオ「これは!?」

マオ「ふっ、私はついている。 人間の神に感謝してやらんこともないな」

マオ「ふはははははは」

マオ「ここか」

マオ「どうやら魔物同士を戦わせたり人間と魔物が戦うところのようだな」

マオ「そしてそれを予想して賭けをするといったところか」

マオ「ふん。 私にかかれば魔物の強弱など一目瞭然」

マオ「待っていろ。 私は億万長者になる」

遊び人「いけええええええ!!!」

遊び人「おらぁ!! なにをやっとるんじゃぁぁぁ!!」

遊び人「ほれ! そこじゃ!! ぶっ殺せええええ!!!」

遊び人「アホかあああ!! 立て! 立つんじゃぁ!!」

遊び人「お前が負けたらわしの金がパーじゃ!! 立てぇ! 死んでも立つのじゃ!!」


カンカンカーン


遊び人「はあああああ!!?!?」

遊び人「ふざけるなこの! このクソ魔物がぁ!!」

マオ「………………」

マオ「やめよう……」

今日は終わり、かも?

マオ「はぁ……金もないし酒場で暇をつぶすか」

マオ「人間の世界は金がないと何もできないとは。 不便極まりない」


ドンッ


マオ「ん?」

子供「アー………」

マオ「子供か。 ごめんよお兄ちゃん、大丈夫かい?」

子供「アーー……」

マオ「痛いところはないか?」

子供「アー…?」

マオ(こいつ……おかしいぞ?)

子供「アー…………」

マオ「君、大丈夫か」

子供「アー………」

子供「アー…アーアーアー」

マオ「お、おい!」

子供「アアアアアアアァァァァァァ!!!」

子供「アーアアアアアア」

子供「ガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチ」

マオ「こいつ、まさか………」

子供「アアアアアアアアアアアアアイイイイイイイイ」

子供「アー……………………」

子供「コロス」

ヒュンッ


マオ「っ!」


ぶんっ!!


マオ「危ないではないか。 なにをする」

子供「アー………」

子供「アアアアアアアアアアオオオオオオオオオオ!!!」


ヒュンッ!!


マオ「ふんっ!」ブンッ

子供「アァ……」シュタ

子供「コロスッ!!」ドゴッ

マオ「ふん、いくら早く動けようが私には見えているぞ?」

子供「アアアアアア」

マオ「少しは落ち着いたらどうだ?」ブンッ

子供「!」

ゴギィッ


子供「ガッ!?」


ドゴーン!!


マオ「しまった、加減したつもりだが……… 死んだだろうか」

子供「ア、アアァ………」

子供「アー………」ヒュンッ ヒュンッ


マオ「逃げたか」

マオ「一体なんだったのだ今の子供は?」

………………………
………………
………


マオ「と、いうことがあったのだ」

遊び人「ほう………子供にはありえない早さでの攻撃とタフさか」

戦士「マオに一発当てるとかその子供何者だよ」

マオ「ん? 私の意地にかけて言うがもらってなどいないぞ? 防いだ」

戦士「でも触られたんだろ?」

マオ「わざと触らせたのだ。 攻撃はしっかりと防いだ」

魔法使い「……意地をはるところが意味わからない」

遊び人「ガキじゃな」

戦士「だけどよ、そんなことが現実的に可能なのか?」

魔法使い「修行を積んでもマオほどにはなれないそうそうなれるものじゃない」

マオ「しかし実際に起きているぞ?」

遊び人「そこが信じられないのじゃ。 子供ながらにして相当な手練ということが果たして有り得るのか」

マオ「………ひとつその子供には特徴的なことがあった」

戦士「っていうのは?」

マオ「著しく認知の機能が低かった。 喋る事は出来ず、あーあー言うだけしかできていなかったな」

魔法使い「………!」

マオ「そして突発的に私に襲いかかってきた。 まるで何かに取り憑かれたようにな」

戦士「なんだよそりゃ?」

遊び人「脳に障害があった、ということか?」

マオ「さぁ、それは分からん」

戦士「それがなんなんだよ? なにか関係あるのか?」

魔法使い「……………」

マオ「ひとつ思い当たるものがある」

遊び人「それは?」

マオ「………種だ」

魔法使い「………!」

戦士「種って、なんだよ?」

マオ「力の種。 賢さの種。 素早さの種。 守りの種。 聞いたことはあるだろう」

遊び人「食べるとそのステータスをあげるっていうやつじゃな」

戦士「あぁ、あの超レアアイテムっていうやつか。 実際に見たことはないんだよな」

マオ「そうだ、その種が関係しているはずだ」

戦士「っていうと、どういうことなんだよ」

マオ「戦士、では力の種を食べれば食べるほど人はどうなる」

戦士「へ? いやそりゃ力が強くなって攻撃力があがるんだろ?」

マオ「その通りだ。 しかし事態はそんな簡単なものじゃあない」

マオ「あの種には強烈な副作用がある」

マオ「依存症状というやつだ」

戦士「依存症状? あの前に流行った煙草みたいなもんか」

マオ「そうだ。 あれと同じように強く種を欲するようになる。 1個や2個食べたくらいでは平気だが、数を多く摂取すると依存的になる」

遊び人「その依存症状というのは具体的には?」

マオ「幻覚や妄想などだ。 しかも厄介なことに離脱症状もある」

戦士「離脱症状?」

マオ「種を食べたい、しかし食べられない。 こうなった時戦士はどうなる?」

戦士「へ? よく分かんねえけど…… ムカつく、かな」

マオ「そうだ。 それが普通の反応だ。 しかしこの離脱症状はもっともっと深刻だ」

マオ「依存症状の比にならないほどの強烈な幻覚や吐き気、頭痛などに襲われる。 とにかく良くないことがたくさんだ」

戦士「じゃあやめなきゃいいじゃん? そっちの方が症状軽いんだろ?」

マオ「鋭いな戦士。 しかし依存度が高まれば高まるほど、というより種を食べれば食べるほどそれはそれで床上が強くなる」

マオ「先の依存症状しかり、人格や認知の変化をもたらすほどにな」

遊び人「つまり、人間が人間らしからぬことになる、と」

マオ「そういうことだ」

戦士「ん? ん? つまり種には依存っていうものがあって、食べたらヤバい、食べなくてもヤバい、食べすぎたらもっとヤバいってことか?」

マオ「簡単に言えばそういうことだ。 離脱症状が辛くてもっと種を欲する。 しかし種を食べればいずれ恐ろしいことになる、というわけだ」

戦士「へーそんなことがあるんだな」

遊び人「しかしちょっと待て。 種は稀少価値の高いレアアイテムであろう? そんなものをどこで手に入れるのだ」

戦士「確かに。 そんなものがたくさんあったらみんなめっちゃくちゃ強くなれるじゃねえか」

マオ「さぁな? それは知らん。 だがひとつ確かなことを知っているぞ」

戦士「というと?」

マオ「種は魔物から作られるということだ」

遊び人「魔物からじゃと!? それは初耳じゃ」

マオ「だろうな。 人間が知っているはずがない知識だ」

戦士「お前は知ってるじゃねえかよ……」

マオ「もしこの知識が広まれば、いや種の生産方法が分かってしまえば」

マオ「人間は最強の兵士になれる」

マオ「っていうことを考えた輩がいるのだろう」

遊び人「それをあの子供に大量に与えた、と」

マオ「そういうことだ。 症状のことも、異常な強さもこれで説明がつく」

戦士「へぇー……やばいじゃんそれ? 危険なドラッグみたいなもんなんだろ」

マオ「そうだな。 放っておける問題ではない」

戦士「あ! じゃあさ、この国にそういう子供がいますって報告して、兵士を動かしてもらえばいいじゃん!」

遊び人「それはまずいじゃろう」

戦士「へ? なんで」

マオ「そこらへんの一兵士があの子供に太刀打ち出来るとは思えないな」

遊び人「そしてなによりこの危険な行為をしているのがこの国自体であったならどうする?」

戦士「はぁ!? 一国がそんなことしてるっていうのかよ!?」

遊び人「可能性の話じゃ」

マオ「だがあり得ない話ではないだろう。 もし種でドーピングした兵士を大量に作れたら」

遊び人「世界の均衡が崩れるからな」

戦士「ひぇー……」

戦士「ど、どうすんだよ」

マオ「さぁな」

戦士「さぁって…!」

遊び人「正直危険が大きすぎるぞこれは」

マオ「相手があの子供1人なら対処も簡単だ。 しかし相手がもしあの子供のような人間を100人作っていたとしたら」

遊び人「マオはともかく、わしらは太刀打ちなどできまい」

戦士「だからって! 子供がひどい目にあってるんだぞ! 助けなくてどうすんだよ!!」

マオ「待て、そんな先急ぐな戦士」

遊び人「何もマオは助けないとは言っていないだろう?」

戦士「ん?」

マオ「まずは情報収集だ。 それからその研究グループの壊滅、及び救出が可能かを判断する」

なんだが大事になりそうですが休憩

ところでマオが敬語じゃなくなったのは戦士ちゃんに悪戯して仲良くなったからだと思います
そんな深く考えてないです

おねしょ、してほしかったなぁ……

戦士「そ、そうか……なんか安心したぜ」

マオ「最悪私1人で突撃すればいい。 みんなは待っていてくれてもいい」

遊び人「仲間に危険が及ぶ前に俺が倒してきてやる、安心しろって意味じゃ」

戦士「……っ!」ポッ

遊び人「ちょろいのぅ……」

マオ「なに遊んでんだババア……」

遊び人「そりゃ遊び人じゃがらのぅ」

遊び人「あーあと……言いにくいんじゃが……遊びすぎてしまってなぁ」

マオ「は?」

遊び人「お金が……ないのに賭けをしすぎてしまってな……そのー」

遊び人「破産してしまっての」

戦士「はぁ? なにやってんだよ婆ちゃん」

マオ「……みんなの手持ちを合わせればいいのではないのか?」

遊び人「そ、それがとても払えそうな額ではなくてのぅ……」

マオ「おい!!」

戦士「かぁ~……なにやってんだよ婆ちゃん」

魔法使い「………」

遊び人「このままでは夜逃げしかなくての……だがそれでは明らかにまずいじゃろ?」

遊び人「そこで……闘技場で選手として優勝すれば借金をチャラにしてくれるというての」

戦士「……は?」

戦士「それ明らかに婆さんのこと見せしめに殺す気マンマンじゃねえか!?」

遊び人「そんなこと分かっておるわい! だから皆の力を借りたいと言っているのじゃ!」

戦士「アホか! あの闘技場は生半可じゃねえ奴と魔物しか集まってないんだぞ!?」

遊び人「だから! 4人で戦えばなんとかなるじゃろ!」

マオ「……このババア」

遊び人「しかももうエントリー済ませてあるんじゃ」

戦士「はぁー!?」

マオ「ここで消し済みにしてやろうかババア……」

魔法使い「…………」プルプル

遊び人「しょうがないではないか。 それしか金を返す方法がないんじゃ」

マオ「開き直るなよ糞ババア」

遊び人「糞ババアじゃと!? それはさすがに許せんぞ!」

戦士「婆さん……ほんと勘弁してくれよ…… あの闘技場のレベルに私ついていける自信ねえよ……」

魔法使い「……同意」

遊び人「まぁ全部この男がなんとかしてくれるじゃろ」

マオ「は? 私はなんもせんぞ。 貴様一人でなんとかしろ」

遊び人「なっ!? 白状じゃ! 老人のお願いは素直に聞くもんじゃぞ!?」

マオ「知るか。 自分の撒いた種だろう自力でなんとかしろ」

遊び人「そんな殺生な……」

……………………
…………




マオ「本当に試合に出なきゃいけないんだな」

遊び人「当たり前じゃ! 嘘をついてどうするのじゃ!」

戦士「威張んなよ婆さん…… あーなんでこんなことに命かけなきゃいけねえんだよ」

魔法使い「……魔物を倒せばいいだけ。 簡単」

戦士「とは言ってもなぁ」

遊び人「ほれほれ! 若いもんたちが頑張らなくてどうするんじゃ!」

マオ「お前がいけよ」ドン

遊び人「ぐえっ」

「はいそれでは続けての試合だ!」

「なんと飛び入りで選手として参加だぁ! レフトコーナー遊び人一行!!」


遊び人「死にたい」

マオ「死ね」

戦士「勘弁してくれよ……なんだよこのギャラリーの数」

魔法使い「……恥ずかしい」



「続けてライトコーナー! こいつの防御の硬さと攻撃はまさにチート級!」

「動く石造たちだああああ!!!」



石造「…………」ゴン、ゴン、ゴン、ゴン

石造「…………」ギロリ



戦士「お、おいおいなんだよこのデカさ」

魔法使い「………こんなのを4体も相手にするの?」

遊び人「や、やばそうじゃのぅ……頼んだぞ皆」

マオ「だからお前が戦えって」ゲシッ

遊び人「ぐぇっ」

「レディーファイッ!!」


石造「……………!」ゴン、ゴン、ゴン


遊び人「か、勘弁してくれぇ! こんなデカいやつ相手に出来るわけないじゃろ!」

戦士「ちっ! 婆さんどいてな! 私がやる!!」


石造A「…………」ブゥン

戦士「へっ! 動きはとろいな石造さんよ!!」ヒュン


魔法使い「……かわした!」


戦士「へっ! ガラ空きだぜ! おりゃぁ! 火炎斬り!」ブォォォォン


カキン


戦士「なっ! かってぇ!!」

石造A「…………」ギロリ

石造A「ブゥゥン!!」

戦士「あっぶね!」ヒュン


マオ「まずい! 後ろに飛ぶな!」

戦士「へ?」


石造B「…………」ブゥゥン

戦士「なっ……しまった後ろに違う奴が…!」


魔法使い「……氷結魔法大、マヒャド」


サァァァッァァァ………
バシャンッ!!


石造B「………!」


戦士「助かったぜ魔法使い!」

遊び人「おぉ、石造の腕を一撃で落とすとは……やるのぅ」

マオ「だからお前が戦えっての」ゲシッ



戦士「おらおらおら!!」ビュンビュンビュンッ!!


ガキン、ガキン、ガキン!!


石造B「…………」


戦士「ちっくしょー! 硬すぎて刃が通らねえよ!」

戦士「!」ヒョイッ

石造C「…………」ドゴォッ!!!


戦士「動きがそこまで早くないから助かるが……当たったら一撃でペチャンコだぞこんなの」

マオ「戦士! 一度退け! 4体がすべてお前に向かっている! 囲まれるぞ!」

戦士「おーけ、リーダー!」ダッ


シュタッ



戦士「どうする? あいつら硬いぜ? 魔法使いにやってもらうか?」

マオ「魔法使いも大魔法を使って残りのMPはそう多くない。 かといって中魔法ほどでは効かないだろう」

戦士「じゃあどうする? マオがやるか?」

遊び人「まぁ待てわしが援護してやる」

遊び人「えーと……なむなむ……」

遊び人「攻撃倍化魔法、バイキルト」

遊び人「速度増加魔法、ピオリム」

戦士「おぉ、すげぇ! 力が漲ってくる!」

遊び人「よし、いくぞ。 反撃開始じゃ!」

マオ「お前が仕切るな」ゲシッ

遊び人「ぐぇっ」

魔法使い「……マオひどい」

戦士「いくぜええええ!! おりゃあああ!!」


石造A「…………」ブゥン

戦士「おせぇっ! リーチ長くても当たんなきゃ意味ないぜウスノロ!!」

戦士「せいやぁぁ!!」


ザンッ


戦士「少し通った!?」

石造「………!?」

戦士「よっしゃあ!! おらおらおらおら!!」


ザンザンザンザンッ!!


マオ「戦士! 右から来てる!」

戦士「分かってるよ!!」ヒュン


ブォォン


石造B「…………」


遊び人「ナイスじゃ飛びあがって避けたな!」

遊び人「戦士! そのまま体重を乗せて叩き切れ!」

遊び人「防御低下魔法! ルカナン!!」


石造A「…………!?」

戦士「おらああああ!! チェストオオオオオ!!!」


ズバァンッ!!!


石造A「…………!!」

石造A「………………」バタン

戦士「へ! やったぜ!」

石造B「…………!」ブゥン


戦士「おせぇ!!」ヒョイ

戦士「くらえぇ!」ビュンッ


スカッ


戦士「あれ……? おっとと」

戦士「なっ……! 剣が折れてたのか!」

魔法使い「……まずいバランスを崩したところに攻撃が!」

マオ「ちっ!! 受け取れ戦士!!」ビュン


戦士「!? これは」

戦士「へっ! 剣を投げるなんて非常識すぎるぜマオ!」カチャリ

戦士「おぉりゃぁ!!」

石造B「…………!?」


ジャギン!!!
ドォン


魔法使い「………すごい!」

遊び人「石造の腕を両断じゃと!?」


戦士「軽い! なのにすっげぇ切れ味がいいぞこの剣!」

マオ「特注品だ。 使え戦士」

戦士「マオ…… さんきゅー!」


石造B「……………」ゴゴゴゴゴ

戦士「石造でも痛みを感じるのか? 楽にしてやるよ」ヒュンッ

戦士「安らかに眠れ」


ズバァン

魔法使い「……戦士すごい」

マオ「思っていたよりレベル高いな」

遊び人「伊達にアラサーじゃなかろう」

魔法使い「……あらさー?」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 わしらのころは30歳に近い人のことをアラサーと呼んでいたんじゃよ。 遠い昔の話じゃな」

魔法使い「……そうなんだ」



戦士「はぁはぁ……結構きついな」

戦士「魔法使い! 頼む!!」

魔法使い「……任せて」

魔法使い「……爆発魔法大、イオナズン」


ヒュゥゥゥゥゥゥン

ドドドドドドドドドドドドドド


石造C「…………!!」


戦士「爆発の中から戦士様参上!!」

戦士「どりゃああああああああ!!」

ズバァン

戦士「はぁ………はぁ………残りはさっきから傍観していたお前だけだな、変な色の」

魔法使い「あいつだけ色が違う」

遊び人「おそらく動く石造たちの上位種だろう?」

マオ「あれは天の門番というモンスターだ。 ここらへんではみない珍しい魔物のはずだ」

遊び人「ほぉ……」



戦士「考えるのはやめだ! いくぜええ!!」

マオ「待て戦士! そいつに迂闊に突っ込むな!」


天の門番「…………」ブゥン」

戦士「てめぇらはパンチしかできねえのか!? そんなん当たんねえぜ!?」ヒュンッ

魔法使い「身をかがめて一気に距離を詰めて避けた!」

遊び人「あやつ……いくらピオリムを使っているからとはいえ早いな」

戦士「へっ! そこぉ!!」


天の門番「…………」ふわっ

戦士「へ……?」


ドゴォォォォォ!!!


戦士「ぐっ……あ……がはっ………」


魔法使い「……なにが起きたの」

遊び人「魔物の振り上げた足をかわしたものの、砕かれた地面の破片が強打したのだろう

遊び人「ちぃ…… 回復魔法大! ベホマ!!」


戦士「助かったぜ婆さん!」


天の門番「…………」ヒュンッ

戦士「なっ……はやっ……」


ブゥゥゥン

ジャギンッ


天の門番「……………」ドゴォン

天の門番「    」


マオ「大丈夫か、戦士」

戦士「お、おぅ……今なにが?」

マオ「ちょっと手が追えない相手だったからな。 悪いが手を出させてもらったぞ?」

遊び人「戦士が危なかったからな。 助けたんだよ。 と言っているのじゃ」

マオ「やかましい」

戦士「…………///」

魔法使い「…………」じー





「ウィナアアアアアアアア遊び人一行!!」


うおおおおおおおおおおおおおおおおお

はい、休憩

ちょっとだけバトルでした


前に違うSSでこんな感じのもの書いたなぁ(遠い目)

???「へいへい! そこの兄ちゃんちょっと俺たちの相手をしてくれよ」


ヒュンッ


シュタッ


???「なぁ、いいだろー?」

マオ「あなたたちは?」

???「なんだよ知らねえのか」

???「俺たちはこの闘技場で闘技士をしてんのさ」

闘技士「本当はその婆さんをここでぶっ殺してやりたかったんだが…… まさか石造たちがやられるとは思いもしなかったぜ」

マオ「………で、そのあなたたちが何の御用でしょう?」

闘技士「ちょっと俺らと戦おうじゃないの」

闘技士「俺らに勝てば借金はチャラだ。 金のことは水に流そう」

マオ「私たちが負けたら?」

闘技士「そのババアは悪いが見逃せねえな? うちのルールを破った奴だ」

闘技士「あんたらはまぁ悪いことは何もしてねえしな。 殺しはしねえよ」

マオ「ふむ、なるほど」

マオ「いいでしょう、やります」

闘技士「へへ、そうこなくっちゃな」

マオ「うちの重要なババアをみすみすあんたたちにはやれない」

マオ「悪いが勝たせてもらう」

闘技士A「上等だいくぜお前ら!!」

闘技士B「へへ! ぶっ殺してやるよ!!」ヒュンッ



戦士「ちっ! こいつ早いぞ!!」キンッ

闘技士B「へへ、姉ちゃんなかなかべっぴんさんだねぇ!」

闘技士B「今夜一緒に寝てくれるっていうんなら、あまり痛い目見なくて済むぜ?」

戦士「はぁっ!!」ビュンッ

闘技士B「へへへっ!! あたんねえよ!」

戦士「悪いがお前みたいな弱い奴に胸を抱かれるなんて御免だぜ?」

戦士「お前が今晩布団で抱くのは抱くのは私の身体じゃなく、女に負けたという恥だ」チャキッ

闘技士B「ひゅーかっこいいねぇ! そんな余裕な態度を見るとさぁ!」ビュンッビュンッ

闘技士B「余計鳴かせたくなるじゃないの!?」ブンッ

戦士「くぅ!! (こいつ、動きだけは早い!)」

闘技士B「へへっ! 姉ちゃん防戦一方じゃねえか! そんなんじゃ足元すくわれるぜ? こんな風にな!!」

戦士「ぐあぁっ! (足払いか!!)」

闘技士B「おらよっと!」ゲシッ

戦士「がはっ!! うっ……」

闘技士B「へへへ。 みぞおちに男の蹴りってのは相当効くよな? その苦しがってる顔なかなかそそるねぇ」

戦士「ほ……ざけ……」

闘技士B「さっきの威勢はどうしたおらぁ!!」ビュンッ

戦士「ぐっ……うぅっ!!」カキンッ

闘技士B「息も出来ないような中でよく防いだじゃねえか! だがそんなんがいつまで続くかぁ!?」

戦士「ちっ!」ビュンッ

闘技士B「残念、それはフェイントだ」シュッ

戦士(後ろに回り込まれた!!)ブンッ

闘技士B「おせえよ、おらぁ!!」ズバッ

戦士「ぐあぁぁあああ!!!」


闘技士B「へへへ、口ほどにもねえよ姉ちゃん」

闘技士B「おっと、ブラ紐ごと切っちまったか? なんだよーおっぱい見せてくれてもいいんだぜ?」

戦士「……誰が貴様なんぞに見せるか不細工」

闘技士B「口が減らない姉ちゃんだな! お仕置きが必要だなこりゃ」


戦士(くっ……まずいスピードも力もあっちが上だ)


闘技士B「おらぁ!!」ビュンッ


戦士(1発や2発防げたところで簡単に崩される…! どうすれば…!)


闘技士B「ひゃはっ! おらおらおらどうしたどうした!!」ビュンッビュンッ


戦士(格上相手に正攻法で勝てるわけがない! これは実戦なんだ! 負けたら死ぬと思え戦士!!)


闘技士B「ほら、またここがガラ空きだぜ?」


戦士(負けて死ぬくらいなら! 勝って死ぬ!!)


闘技士B「っらぁ!!」ザクッ

戦士「ぐぅっ……」

闘技士「なっ…!? 手で剣を握って受け止めやがった!?」

戦士「はぁぁ!!! 麻痺斬りッ!!」ズシャッ

闘技士B「ぐあぁぁぁぁああぁぁあ!!!」

戦士「まだまだぁあ!! 火炎斬りッ!!」ブォォォォォン

闘技士B「がぁぁぁぁぁあああ!!」

戦士「いけえええええハヤブサ斬り!!」ザンッザンッザンッ!!!

闘技士B「ぐあぁぁぁ……がっ………」バタッ


戦士「はぁ……はぁ………はぁ………」

戦士「へっ、悪いね……初めてをささげる人はもう決めてんだよ」

戦士「あぁ……もう無理……立ってられない……」バタッ

マオ「……よくやった戦士」

魔法使い「……すごい!」

遊び人「どれ、回復魔法をかけてやるかのー それ、ベホマ」


闘技士A「やるじゃねえかあの姉ちゃん」

闘技士C「でも一回一回あんなに長くやられちゃ寝ちまうぜ」

闘技士A「だったらもう俺らでまとめてやっちまうか」

闘技士C「そうだなそれがいいそうしよう」

闘技士A「ふんっ!!!」シュッ


マオ「こいつ!?」

闘技士A「内臓ぶちまけてくたばりな! 正拳突き!!」

マオ「ちっ!」ドゴォッ

闘技士A「ほう? 俺の正拳突きを腕でガードするとはなかなか反応が早いな」

マオ「油断しただけだ。 次は触れさせん」

闘技士C「そうかい?」ブンッ

マオ「……!」シュタッ

闘技士A「しゃがみこんだら足が当てやすいことくらい分かんだろ兄ちゃん」ブォン

マオ「ふんっ!!」ヒュン

闘技士C「逃がさないよ」ブンッ

マオ「……邪魔だ」ブンッ


バゴォッ!!!


闘技士C「くぅー……いってぇ……!!」

闘技士A「俺らの蹴りと同等の威力だと? 何者だあいつ」

闘技士C「わっかんねえよ。 でも相当つえぇぞ?」

闘技士A「へぇ? 久々に本気が出せる相手なのか?」

闘技士C「間違いなくな」



マオ「魔法使い、遊び人、2人は手を出すな」

魔法使い「……どうして!」

マオ「あいつらは強い。 強すぎる。 おそらくドーピングをした者たちだ」

遊び人「なんと…!」

マオ「あいつらの注意が俺にしか向かないようにしなければ…… もしターゲットが私から離れたら守れないかもしれない」

魔法使い「……わかった」

遊び人「こんなところで死ぬではないぞ?」

闘技士A「なぁ兄ちゃん。 あんたは武闘家なのか?」

マオ「いいや? ただの冒険者だ」

闘技士C「それでその強さか。 頭おかしいぜ」

マオ「それはお互い様だろう」

闘技士A「へっ、間違いねえな」

闘技士C「せいぜい殺し合いを楽しもうぜ?」

マオ「どっからでもかかってこい。 まとめてひねりつぶしてやる」


闘技士A「余裕こいてんじゃねえよ!」

闘技士C「ひゃはははは!! せいぜい頑張りやがれ!!」

マオ「!」

マオ(前と後ろからの挟撃か)


闘技士A「おらぁ!!」

闘技士C「死んどけ!!」

マオ「ふん、遅いぞ?」ガシッ ガシッ


闘技士A「なにっ!?」

闘技士C「掴みやがった!?」

マオ「ふん!!」


魔法使い「……人を片手で投げた!」

遊び人「……力の強さが人外じゃな」


闘技士C「うおぉぉ! あぶねっ!!」


マオ「お前は地面とキスをするがいい」

闘技士A「ちっ!!」ガシッ

闘技士A「おらよぉ!!」ブォン



遊び人「あいつ! 叩きつけらるところを手だけで着地した!?」

魔法使い「そのまま蹴るなんて……私には何年かかっても出来そうにない」



闘技士A「なんなんだあんた」

闘技士C「ちょっとやばすぎでしょ」

マオ「お前らもたいがいでしょう」

マオ「あんたら、種を食ったな?」

闘技士A「ふっ、なんのことかな」

マオ「とぼけても無駄だ。 どこで手に入れた」

闘技士C「さぁな? 知りたければ力づくでなんとやらだぜ?」

マオ「ではそうさせてもらおうか。 覚悟はいいんだな?」

闘技士A「へへ、殺気がやべえな」

闘技士C「やれるもんならやってみろってんだぜ」ジリッ

闘技士A「らぁっ!!」ブォン

闘技士C「ひゃはは!!」ブォン

マオ「2人連続の攻撃か、よく飽きないな」ヒュンッ


闘技士A「一発ずつかわしたところでまだまだ来るぞぉ!!」ブォン

マオ「…………」ヒョイ

闘技士C「死ねやぁ!!」ブォン

マオ「……はぁ」ヒョイッ

闘技士A「せいやあああ!!」ブォン

マオ「………当たらんぞ」ヒョイッ

闘技士C「くそがあああ!!」ブォン

マオ「…………」ヒョイッ

闘技士A「これならどうだぁ!」

マオ「お前はどいていろ」ブォォォォン

闘技士A「ぐあぁっ!!」


ドゴォッ



闘技士C「闘技士A!!!」

マオ「よそ見をしている場合か?」

闘技士C「なっ……!」

マオ「ふんっ」ゴキッ


バキバキバキゴギィゴギャッ


魔法使い「……きゃっ!」

遊び人「うえぇぇ……あいつ大幹を思いっきり挟んで肋骨全部折りおった……えぐいのぅ」


闘技士A「ちくしょうがぁ!!」

マオ「はぁ……所詮人間は本気を出せばこの程度か」

闘技士A「おらぁ!!」ブォン

マオ「カウンターパンチはかなり効くぞ?」ブンッ

闘技士A「…………!!!」


バギィィィッ



闘技士A「が……あっ……ごはっ………!!」

マオ「さて、では種についての話を聞かせてもらおうか?」

闘技士A「がっ……まだ……まだだぁ………」

マオ「そうか、まだいたぶられ足りないか」

マオ「ならば、全身の骨が砕けてからもう一度チャンスを与えるとしようか」

闘技士A「あ………あぁ……ば、化け物……あぁぁぁ………」

休憩します

マオさん体術でも最強です負けません


前に書いていたもの現在進行中

↓このSSとなんとなく雰囲気似てます。 というかやり直したい気持ちが半分あったので書いてます


勇者「魔王倒したけど仲間とイチャイチャしたいから旅しよう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416709574/)

マオ「街を出て西に少し出た森の中に研究施設があるそうだ」

遊び人「………情報を得られたのはいいが、こんな大衆の前で拷問するっていうのはどうなんじゃろうな」

魔法使い「……まさしく悪魔」


マオ(魔王だからな)


戦士「おっしゃ! じゃあ乗り込むか!」

遊び人「待て待て! 分かったのは場所と研究施設が存在するということだけじゃぞ!?」

戦士「あぁ、そっか。 もう少し情報を集めた方がいいか」

マオ「いや、そうでもないかもしれない」

戦士「へ?」

マオ「種を乱用していた闘技士が倒されたということが広まれば、当然大元の施設は警戒をするはずだ」

マオ「まして私達は顔も知られるだろうからな」

遊び人「なるほど、闘技場の一件が広まる前に畳み掛ける、と」

マオ「そうだ。 それに夜で研究施設の警戒も緩いかもしれないしな」

戦士「なるほど! そういうことなら善は急げだ!」

遊び人「うーむ、では行くかのぅ」

魔法使い「……………」

………………………
………………
………


マオ「ここか」

戦士「なんだよここ、学校?」

遊び人「の、ようじゃな」

戦士「なーんかもっとやばそうなとこ想像してたのにちょっと拍子抜けだな」

マオ「だが入口には人がいるな。 裏にまわるぞ」

戦士「なんだよー。 夜の学校とかウキウキするじゃねえかよー」

遊び人「童心に戻ったようじゃな」

マオ「何十年前だよそれ」

戦士「よっと」

遊び人「この段差を飛び越えるのは老体にはキツいわい!」

魔法使い「………わっ、わわ!」

マオ「大丈夫か魔法使い」スッ

魔法使い「……! ありがとうマオ///」

戦士「なんだよ、私もああやればよかったのか」

遊び人「これ! 若造! なぜわしには手をかさんのか!」

マオ「か弱い振りしてるまだまだ若い女性に貸す手はありませんよ」

遊び人「なんじゃその態度ムカつくのぅ」

魔法使い「……私そんなか弱い?」

戦士「中は本当に学校なんだな」

魔法使い「……教室や職員室のようなものがある」

遊び人「上の階は居住区なのか?」

魔法使い「……子供達が寝てるみたい」

マオ「………おかしくないか? こんな辺境の地にありながら警戒している人影がない」

魔法使い「……不用心」

遊び人「なにより種や、それらしい怪しいものがなにもないのぅ」

戦士「もう一回下に戻るか」

魔法使い「……マオ、見て」チョンチョン

マオ「ん?」

遊び人「あれは………」

戦士「先生以外立ち入り禁止だぁ?」

魔法使い「……怪しい」

遊び人「露骨に怪しいのぅ」

戦士「やっぱり怪しいのは職員室の中にあったか! だと思ったんだよなぁ!」

マオ「はは………」

遊び人「それくらい誰でもわかっておったわい」

マオ「とりあえず」

遊び人「行くか」

戦士「超いけないことしてる気分でドキドキするぜええええ」

魔法使い「……戦士うるさい」

戦士「って、おい!」

魔法使い「死体…!!」

遊び人「喉元をさっくりか」

マオ「まだ生暖かい…… 殺されて時間はそう経っていないようだ」

戦士「な、なんでこんなとこで人が死んでんだよ」

遊び人「さぁのぅ仲間割れか、わしらとは別の侵入者がいるのか」

戦士「や、やばくねえかこれ? 戻った方がいいんじゃ」

マオ「元々やばい場所だ気にするな」

戦士「気にするなって言われてもよぉ! 幽霊だったらどうすんだよ!」

マオ「倒す」

魔法使い「魔法なら効きそう」

遊び人「遊ぶ」

戦士「えぇ………」

マオ「先に行くしかないだろ」

戦士「うぅ、マジかよ……」

遊び人「わっ!」

戦士「ひぃぃぃっ!!!」ビクッ

戦士「なにすんだよ婆さん!!」

遊び人「ふぉっふぉっふぉっ」

戦士「てんめぇ………」

マオ「あまり大声を出すな、潜入なんだぞ」

魔法使い「戦士、ごめんなさいして」

戦士「は!? なんで私が!?」

遊び人「お前が大声を出したんじゃろうが」

戦士「ぐぬぬぬ……納得いかねえ」

ピンポンパンポーン

「あーテステス」

「みなさんこんばんは。 今日も良い夜ですね」

「私は侵入者です」


マオ「なっ!?」

遊び人「なんじこれは!?」


「種の秘密を教えてもらいにきましたー♪」

「早く案内してくださいよー さもないと」

「ひ、ひぃぃぃぃ!! 助けてくれえええええ」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

「目がぁっ!! ああああ!!」

「ふふ、校長先生が穴だらけになっちゃいますよー」

「じゃ、案内お願いします♪」


ブツッ



遊び人「なんじゃ今のは……!?」

マオ「脅されてるようだったな、侵入者に」

魔法使い「……校長先生」

戦士「な、なぁ今の声ってよ」

戦士「勇者っぽかったんだけど……」

今日は終わりですー

遊び人「」チーン

女勇者「アハハハハハ!」

マオ「急ぐぞ。 勇者が良からぬことをしようとしているのは確かだ」

遊び人「多年の秘密がどうとか言っていたのぅ」

魔法使い「……勇者もここで種を生産していることに気が付いている」

戦士「あいつ絶対ろくなことしないぜ? さっさと止めないと」

魔法使い「……同感」

遊び人「ならば急ぐぞ。 あやつは人を殺すことにためらい無い」

マオ「いたずらに被害者を出す前に行くぞ」

兵士「なんだ貴様らは!」

マオ「ここの施設員か?」

兵士「こいつらっ…… さては侵入者の仲間か!?」チャキッ

マオ「遅い」シュンッ

兵士「ぐはぁっ!!」

マオ「先のアナウンスをした奴はどこにいますか?」

兵士「ぐっ………貴様ぁ……!」

マオ「答えろ。 答えれば命だけは保証しましょう」

兵士「この道をひたすらまっすぐいったところに階段がある…… おそらくその下だ」

マオ「…………」ググッ

兵士「がはっ……!! ほ、ほんとうだ……!! 嘘はついていない!」

マオ「分かりました。 情報提供ありがとうございます」

マオ「ですが奴は危険です。 ここでじっとしている方が身のためですよ」

兵士「は?」


ドスッ


バタッ



マオ「ということだ」

戦士「流れるように捕まえて聞き出したな」

遊び人「必殺仕事人じゃ」

魔法使い「……なぁにそれ」

「ぐああああああああああ」

勇者「弱いなぁ」ボリボリ

「貴様ァ!!」

勇者「種の在処も分かったしもう君たちに用はないんだよ」ボリボリ

ズバァァン


勇者「うぇ、返り血ついちゃった」ボリボリ

勇者「もう、汚いなぁ!!」ボリボリ

勇者「このっ! このっ! このっ!」ザシュザシュッ

勇者「はぁ……… それにしても種って美味しくないなぁこれを食べ続けるのは正直しんどいなぁ」ボリボリ

勇者「せっかくならおいしい種を開発してよー」ボリボリ

「………いけお前ら」

子供たち「…………………」

勇者「それが実験体? 可哀想に大人に好きほうだいされて」

子供「……………」シュンッ

勇者「そんなモルモットちゃんたちを悪者たちから助けてあげないとね。 私は正義の味方だから」シュンッ

子供「…………!」

勇者「あはは、遅いってば」スパン

子供「   」ゴトリ

子供「……………!!」

勇者「ありゃ? 撫でるように切っただけなのに首が落ちちゃったや」ボリボリ

勇者「種の力ってすごいんだねぇ。 風より早く動けて、鬼のように力が出るよ」

子供「………………」

勇者「可哀想なモルモットちゃんたち」

勇者「正義のために私の試し切りに、付き合ってね♪」

魔法使い「うっ……! この臭い………」

戦士「血生臭ぇ……」

遊び人「ひどい臭いじゃ……」

マオ「恐ろしい数の死体だな」

戦士「なぁ、あれ!!」

魔法使い「………いた!」




勇者「あははは!! 弱いなぁ! 本当にモルモットちゃんたちは種を食べてたのかい!?」

子供「……………!」


グシャァァッ



勇者「あははは脳みそって白いんだねぇ」

勇者「じゃあ脊髄って、何色なんだろー引きずり出してみよう♪」

子供「!」

勇者「逃げちゃダメだよぉ、ほらほらー」ボリボリ


ぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶち


子供「!!!!!!!!」


勇者「あはははは!! 背骨でてきたぁー」ボリボリ

勇者「はぁ………もう飽きたなぁ」ボリボリ

勇者「蟻んこみたいにわらわら出てきてさぁ」ボリボリ

勇者「みんな弱いしつまんないよ」ボリボリ

勇者「そうだ、これだけ種いっぱい食べたんだから魔法はどれくらい強くなったのかな」ボリボリ


戦士「勇者ぁ!!!」

勇者「ん?」

マオ「貴様、よくもここまで死体の山を積み重ねられたものだ」

勇者「あーナジミさんの塔で会った旅人さんたちか」

戦士「もうやめろ勇者! こんなひどいことして……! お前それでも勇者か!!」

勇者「ん? どういうこと戦士ちゃん?」

勇者「勇者は正義の味方なんだよ?」

勇者「正義は絶対なんだよ?」

勇者「力こそ正義なんだよ? 負けたら正義なんてクソもないじゃん」

勇者「だから正義は力。 正義を遂行するために必要なのは力」

勇者「悪者を嬲り殺すために必要なのは力。 悪者を倒すのは正義」

勇者「正義の味方の私を邪魔するのは悪」

勇者「悪は、殺さないとでしょ」ボリボリ

戦士「言ってることが無茶苦茶すぎるぞ!」

勇者「うるさいなぁ戦士ちゃん」ボリボリ

勇者「もうめんどくさいや」ボリボリ

勇者「死んでよ悪の味方」ボリボリ

勇者「この建物ごと粉々になっちゃえー」ボリボリ

勇者「大雷撃魔法、」

勇者「ギガデインッ!!」

魔法使い「…………うっ………あ………」

戦士「………はっ! どうなった!?」

魔法使い「…………!!」

戦士「おいおい………なんだよこりゃぁ…………」

魔法使い「………建物が跡形も………なくなってる………」



遊び人「ぐぁ………」バタッ

戦士「おい婆さん! 大丈夫か!?」

遊び人「くっ………わしの防御魔法なんか紙切れのようじゃった……… マオが手を貸してくれねばわしらは………」

マオ「………………」

戦士「マオ………?」

マオ「………………ふふふ」

マオ「ふははははははは!!!!」

魔法使い「………どうしたのマオ?」

マオ「私に一瞬とはいえ本気を出させるとは! やるじゃないか勇者」

マオ「ふふふ…………ふはははは…………」

遊び人「……………」


………………………
………………
………


それから私達は学校、いや研究施設があったクレーターをあとにし、街に戻った

この施設にあったもの、住んでいた人、なにもかも塵となった

その圧倒的な威力に誰もが口を閉ざし、己の無力さを噛み締めながら帰路についた


もう明け方に近い時間に宿につきそれぞれが沼に沈むように眠りに落ちた


ただ一人を除いて

今日は終わりー

おっそろしい勢いでかっ飛ばしましたね
本当はじっくり書いておきたいところでしたがなんか暗くなりそうだからやめちゃいました

魔法使い「……ねむれない」

>>340
遊び人「そうじゃろそうじゃろ」

>>341
黙ってろババア
今日はやっぱり更新難しそうです(酔い過ぎて瀕死)

また明日おあいしましょう

ババアに正直にババアとはババアに失礼だと思いますババアだって怒るくらいはしますよババアだって一応生きてるんですからババア

魔法使い「……………」モゾモゾ

マオ「…………?」

魔法使い「………お邪魔します」

マオ「……………」

魔法使い「……マオ………あったかい」

マオ「……………」

魔法使い「……ちゅーくらいしてもいいかな」

マオ「……………」

魔法使い「……………」ちゅ

マオ「意外と大胆だな」ガバッ

魔法使い「………へ?」

マオ「ベッドに忍び込んできた挙句にキスをするとは」

魔法使い「ま、マオ!? 起きてたの?」

マオ「あぁ、魔法使いが寝られないようだったのが気になってな」

魔法使い「な、なにそれ……///」

マオ「で、どうしたんだ魔法使い?」

魔法使い「どうしたって……?」

マオ「昼から様子がおかしかったぞ?」

魔法使い「……気付いてたの?」

マオ「あぁ。 なんだかんだお喋り好きな魔法使いが今日はだんまりが多かったのが気になっていた」

魔法使い「…………」

魔法使い「……マオはすごい、なんでもお見通し」

マオ「そうだな、魔法使いのことならお見通しだ」

魔法使い「………うるさい」ペシ

マオ「なんだもっと抱きしめろと言う意味かそれは?」ギュ

魔法使い「ち、ちがうもん///」グイッ

魔法使い「………マオ、あのね」

マオ「うん」

魔法使い「……私魔法あんまり使えない」

マオ「そうだな、知っている」

魔法使い「……でも強い魔法使えるの」

マオ「あぁ」

魔法使い「威力だってあるでしょ」

マオ「なかなかのものだな」

魔法使い「………なんでだと思う?」

マオ「………さぁな」

魔法使い「それはね」

魔法使い「……私が昔あの施設にいたから」

魔法使い「あの施設が出来たばかりの頃に私はそこにいた」

魔法使い「……種が本当に使えるのか、賢さの種の実験体の一人が私だった」

魔法使い「……当時はあんなに大きな施設じゃなくてもっと小さかったはず」

魔法使い「……でもやってることは監禁と代わりはなかった」

魔法使い「毎日何個も種をかじり続けて魔法を練習したわ」

魔法使い「でもある日、施設にいたほかの子供が副作用がとても辛くて逃げ出したの」

魔法使い「その追撃任務に選ばれたのが私だった」

マオ「………そんなことが」

魔法使い「逃げ出した子供から情報が漏れたらまずかったのでしょうね」

魔法使い「そしてついにその子供を見つけたの」

魔法使い「私はその時本気で殺そうとしたわ。 特に何も考えずに」

魔法使い「でも相手は違ったの」

魔法使い「幻覚やら幻聴やらで惑わされて私のことを人間なのかなんなのか分かっていなかったと思う」

魔法使い「それでもあの子は殺したくないって叫びながら私と戦ったわ」

魔法使い「結果は私の完敗。 手も足も出ずにやられたわ」

魔法使い「でも相手は私に止めを刺さずにひたすら泣いていたわ」

魔法使い「ごめんなさいごめんなさいってずっと繰り返してた」

魔法使い「戦意喪失したあの子に私は」

魔法使い「………魔法を打って殺したの」

魔法使い「そのまま私は冒険者に保護されて今に至るわ」

魔法使い「その後副作用で死ぬほど辛い思いをしただけ」

マオ「そうだったのか魔法使いは種を……」

魔法使い「ふぅ………」

魔法使い「当時の私はとても人間とは呼べなかったのかもしれないわ」

魔法使い「ただの実験動物、そして人を躊躇わずに殺す道具だったわ」

魔法使い「あの時、躊躇わずにあの子を殺せたことが今の私には信じられない」

魔法使い「……今になって夢であの子が出てくるの。 なんで殺したんだって」

魔法使い「……とても嫌な………忘れたい過去。 でも償えない過去」

魔法使い「そしてなにより私のような実験体が今もいることが怖かった」

魔法使い「なんとかしてあげたいと思った。 でもただ怖くて………何が怖いのかも良く分からないんだけど怖くて……… あの子みたいな子がたくさんいて私を殺すんじゃないかって………」

魔法使い「だから今日、何も言い出せなかった」

マオ「それで様子が変だったのか」

魔法使い「…………」コク

魔法使い「でも安心してしまった」

魔法使い「私のような子がもういなくなることに」

魔法使い「あの子のような子がいなくなることに」

魔法使い「………どう考えてもおかしいの。 あんなに沢山の人が勇者に殺されたのに!」

魔法使い「………なのに施設も子供も何もかもがなくなったことに、安心してしまったの」

魔法使い「………そんなこと考えてしまう私が恐ろしくて……」

魔法使い「本当は私は人間なんかじゃなくて……ただのモルモットなんじゃないかって思うの………」

マオ「……………」

マオ「はぁ………」ゴツン

魔法使い「……いたい」

マオ「何言ってるんだお前は?」

マオ「魔法使いの過去に何があったのかはなんとなく分かった。 いや、口下手な魔法使いのことだから本当はもっと色々考えるモノがあるんだろう」

マオ「だがお前はモルモットなんかじゃない、魔法使いだ」

マオ「ただ少し魔法が使えるだけのか弱い女の子だ」

マオ「人を1人殺したくらいでなんだ? そんなこと珍しくも何もない」

マオ「悲劇のヒロインを気取るのは構わない。 自分を可愛く思うのは当然のことだ」

魔法使い「………っ! そんな言い方……」

マオ「私はな、今まで数え切れないほど人も魔物も殺した」

マオ「もしお前が道具だったというのなら、私は化け物だ」

マオ「そんな私から見れば魔法使いの過去など取るに足りん、些細なことだ」

魔法使い「………………」

マオ「そんなことでうじうじ悩み、辛くなったのならば、いくらでも私の元へ来い」

マオ「私がその度に些細なことだと言い、お前を受け止め肯定してやろう」

マオ「そんな過去で悩む必要などない。 もし忘れることが出来ぬというのなら、いくらでも私の胸を貸そう」

マオ「だから………そんなに思い詰めた顔をするな。 私が想いを寄せた女はそんなしけた顔をしていなかったはずだ」

魔法使い「………っ!?///」



魔法使い「……ありがとう、マオ」

魔法使い「………不器用だけど、励ましてくれてるの、分かったよ」

マオ「う、うむ」

魔法使い「ねぇ、好きだよ」

マオ「そうか」

魔法使い「マオは?」

マオ「この今まで味わったことのない胸の痛みを表現するのなら」

マオ「好き、というのだろう」

魔法使い「……ふふ、ありがと」ギュッ

マオ「うむ………ふん」

魔法使い「………ねぇねぇ、なんで今日そんな変な喋り方なの?」

マオ「うん!? そんな変だった?」

魔法使い「……うん、なんか別人みたいだった」

マオ「そうか……素が出すぎてしまっていたのか」

魔法使い「えぇ? そっちが素なの?」

マオ「そうかも…… 嫌だったか?」

魔法使い「ううん、全然……… マオはいつもかっこいい」ギュ

マオ「そ、そうか……」ポリポリ

魔法使い「ふふ………今は可愛い」ツンツン

マオ「や、やめろ」

魔法使い「ん~~~………マオ!」ガバッ

マオ「ぬ!?」

魔法使い「大好きだよ」チュ

はい、今日はおしまい

シリアスは無理だ、イチャイチャさせたかったんだ……深みが出なくて申し訳ない

しょうがねえな 戦士はもらってってやるよ

某アイドルアニメの見過ぎで俺のストライクゾーンはガバガバだから戦士も魔法使いも勇者も好みだわ

あ、ババァはいらないです

>>362
ん?遊び人を貰うだって?どーぞどーぞ

>>364
アイドル(ロボット)のマスター(操主)になるあれか…(すっとぼけ)

戦士「は……?」

マオ「あぁ、おはよう戦士」

魔法使い「すぅ………すぅ………」

戦士「マオ…………?」

マオ「うん?」

戦士「なんで魔法使いと一緒に寝てんだあああああ!!!」




遊び人「おーやっとるのぅ」

戦士「…………」イライラ

魔法使い「…………」モグモグ

マオ「…………」アセアセ


遊び人「…………」ニヤニヤ

魔法使い「……そんなに見られたら食べづらい」

戦士「ふんっ」プイッ

魔法使い「……どうしたの?」

戦士「なんでもねえよ」ガンッ

魔法使い「………? テーブルに肘はついちゃだめ」

戦士「けっ!」

魔法使い「…………?」

魔法使い「……マオ、戦士がおかしい」

マオ「ん? そうか? お腹がすいてるんじゃないのか?」

魔法使い「………? いまご飯食べてるよ?」

戦士「……………」イライラ

戦士「もらいっ!」ヒョイ

魔法使い「……あ! 私のリンゴ………とっておいたのに………」

戦士「へっ!」ニヤニヤ

魔法使い「……………」ムムム

マオ「なにやってんだ………」

遊び人「子供か」

マオ「チェックアウトで」

宿屋「畏まりました」

宿屋「よろしければ飴をどうぞ」

マオ「あぁ、すいません」

戦士「飴!」

魔法使い「……飴ちゃんもらえるの?」

マオ「ひとつくれるってさ」

戦士「じゃあ私はソーダ味だな!」

魔法使い「……どうしよう」

魔法使い「レモン味か……でも、さっき戦士に取られたリンゴにしようか」

魔法使い「うーん………」

マオ「あはは………こういうところは子供らしいね魔法使い」

魔法使い「………む? あ、さくらんぼ味もあるんだ」

宿屋「よかったらひとつじゃなくてもいいですよお客さま」

魔法使い「………!! ありがとう!」

戦士「ちぇーなんだよずりぃな」

マオ「ここ最近で一番魔法使いが元気な声出したね」

遊び人「なぁ、婆にはくれんのかのぅ?」

魔法使い「……おいしい」

戦士「飴って普通は口に一つしかいれないよな?」

魔法使い「……右と左にいれれば同時にふたつ楽しめておすすめ」

遊び人「リスみたいになってるのぅ」

マオ「……………」

魔法使い「ふふ……おいし」

遊び人「なーに見蕩れとるんじゃ若造」

マオ「なっ!?」

魔法使い「うん?」

マオ「そ、そんなことないぞ」

魔法使い「……ほしい?」

マオ「いや、もう食べてるじゃないか」

魔法使い「…………」じー

マオ「?」

魔法使い「………えいっ」ちゅ

マオ「!?」

魔法使い「はい、これでおすそ分け」


マオ「   」

戦士「ああああああああああああ!!!!」

遊び人「被害が大き過ぎるなこれは」

すいません少しでしたが休憩

もう一時間以上たったけどまだか?

35までなら大丈夫、そこまでなら熟してて食べれるな

遊び人「街から出たくないのぅ」

戦士「婆さんは遊ぶことしか考えてねえのかよ!」

遊び人「そう怒鳴るでない。 怒ってばかりいるとしわが増えるぞ」

戦士「なっ……!」

魔法使い「……………」ペタペタ

戦士「魔法使いはまだ若いからしわなんかねえって」

魔法使い「……戦士もちゃんと手入れ初めたからよくなった」ムニムニ

戦士「そ、そうか?」

マオ「そうだなぁ……言われてみれば……」

戦士「ほんとか!?」

マオ「あ、あぁ……」

戦士「よっしゃ!」

遊び人「まぁこやつは魔法使いの若い肌を見慣れておるんじゃろうがな」

魔法使い「お、おばあちゃん!」

戦士「くっ……若いっていいな!」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ」

戦士「次はなんて街なんだ?」

マオ「ノアニールっていう街みたい」

遊び人「あそこか。 村という感じじゃが、うまい酒を作るのどかで良い村じゃぞ」

魔法使い「……お酒」

マオ「飲ませないぞ」

魔法使い「……マオのケチ」

戦士「じゃあマオ! 私と飲むか!」

マオ「ん? そうだななんだかんだで酒場とか一緒にいったこともないし」

戦士「おっしゃ、決まりだぜ? そのなんとかって村についたら飲むぞー!」

遊び人「おー!」

魔法使い「……大人ってずるい」

魔法使い「……戦士ってお酒強いの?」

戦士「ん? いやー別に普通だぞ。 兵隊の中には強い奴はゴロゴロいたけど」

魔法使い「……マオに絡み酒しちゃだめ」

戦士「はっはは! それもまた酒の楽しみだろ?」

魔法使い「……! だめ!」

戦士「あっはっはっは! 子供はジュースだからな!」

魔法使い「ん~~~~!!!」ペシペシペシ


遊び人「モテるとは罪じゃの」

マオ「悪い気はしないがな」

遊び人「若造は酒は強いのか?」

マオ「そうだな……飲んでも飲んでもなにも変わらんな」

戦士「へぇー……うらやましい」

マオ「特別気持ちよくなる感じもしないから、あんまり飲みたいとは思わないな」

遊び人「ほー? ではババと飲み比べてみるかのぉふぉっふぉっふぉ」

魔法使い「おばあちゃんもつよいの?」

遊び人「そりゃ遊び人じゃからの?」

遊び人「ゲロ吐いても飲み続けてやるわい!」

戦士「ダメじゃねえかそれ!?」

遊び人「ゲロ攻撃をすればどんな敵でもイチコロじゃ」

マオ「…………」

魔法使い「……おそろしい」

休憩
小刻みで申し訳ない

そういやばあさんはマオに男なら女の一人二人抱いてやれとか言ってたが、仮に抱いたとして、二人に子供できた場合どうするんだ魔王の子供だぞ(笑)

>>390
強い血筋が人間に混ざるんだ、こんなに目出度いことはあるまい?
もっとも、魔王の外見(真の姿とかそういうの)がよっぽど斜め上でなければの話だが……。

>>391
魔王の討伐に出てるパーティーなのにいいのだろうか特にばあさんは魔王を毛嫌いしてるぽいのに

兵士「そこの冒険者たち、少しよろしいでしょうか?」

戦士「ん?」

マオ「なんでしょう?」

兵士「我々は南の王国ロマリア兵団です。 あなた達を先日の闘技場の優勝者とお見受けいたします」

マオ「えぇ、その通りですが」

兵士「あなた達に国王が是非お会いしたいとのことです。 ご同行を願いましょう」

遊び人「どうする?」


戦士「なんだよさっさと行けばいいじゃん?」

マオ「昨日の種の施設の件かもしれない」

魔法使い「もしそうだとしたら……かなり危険」

戦士「げぇっ!? どうすんだよ」

遊び人「まぁ行くしかないじゃろう? この兵士をこんな公のところでブッ飛ばしたらそれこそ大変なことになるわ」

マオ「だな」

…………………
……………
………



国王「おぉー! 君たちが先日の優勝者か!」

マオ「お初にお目にかかります。 魔王討伐のため旅をしているマオと申します」

国王「あぁーいいよぉそんなの。 それよりさぁ、見てたよぉ昨日の試合」

国王「なにあれ? もうきみ強いとかそんなレベルじゃなくね? マジベー。 超ベー」

国王側近「ゲフン……国王…謁見者にそれは……」

国王「なぁんだよいいんだよぉそんなのさぁ」

側近「たまにはしっかりしてください!!」

国王「なんだよもぉーいつも厳しいんだからそっきーはさぁ」

側近「そっきー言うな馬鹿国王!」

マオ「あ、あの……」

戦士「なんだこいつら」

魔法使い「……本当に王様なのかな」

遊び人「ははは、キャラ濃いのぉー」

マオ「して、国王自ら……私たちに何の御用でしょうか」

国王「あぁごめんねぇ? そっきーいつもこうだからさぁ」

側近「お前が言うなアホ国王!!」

国王「ゴホン……失礼、これからは真面目な話だ」

マオ「…………」

国王「この南の王国ロマリアから北に行くとノアニールという小さな町がある」

国王「その村は決して大きい町ではないが農産や酒造りが非常に良い町なのだ」

国王「しかし先々月ほどよりその町から仕入れがパタンと止まってしまった」

国王「それについて気にはなっていたのだが町の旅人から情報を得ることが出来たのだ」

………………
…………
……


マオ「みんな、どうだった?」

戦士「ダメだなこりゃ」

魔法使い「……こっちもだめ」

遊び人「こっちもじゃ。 あのふざけた国王が言っていた通りじゃった」

マオ「町の人間がみな石化しているなど……ありえるのか」

遊び人「4,5人ほどならまだしも町ひとつを呑みこむ石化魔法など……存在していいものではないのだがなぁ」

戦士「ちぇっ……この町ならうまい酒が飲めるっていうからさっきまでちょーっと楽しみにしてたのによ」

魔法使い「……不謹慎」

戦士「冗談だって。 こうでもしてねえと……気がおかしくなっちまう」

マオ「仕方がない。 引き続き町の中に生存者がいないか探索する」

魔法使い「………」

戦士「……あいよ」

遊び人「……見つからんのぅ」

戦士「あるのは元人だった石造ばっかり」

魔法使い「……家にどんどん入っていって強盗の気分」

遊び人「しょうがなかろう? 生きている人がいるのかもしれんのだから」

戦士「でもよぉ、そろそろ陽も落ちるぜ? どっかのお宅借りて休まねえ?」

マオ「そうだね、そうさせてもらおうか」

遊び人「仕方が無いのぅ……あまり長居したくはないのが正直じゃが」

魔法使い「……寝られるかな」

マオ「……おいで」

魔法使い「……この町、こわい……不気味」ギュ

戦士「…………」

遊び人「洒落にならんな、茶化せんわい」

戦士「なぁ、あれ!」

遊び人「ん? なんじゃ次は幽霊でも見つけたか?」

戦士「ちげえよ! あの家、明かりがついてないか」

遊び人「本当か!?」

マオ「あぁ、ついているな」

戦士「行こうぜ!」

遊び人「同感じゃ!」

魔法使い「……おばあちゃん走ったら危ないよ」

マオ「ていうか普通に走れんのかよババア」

魔法使い「……ふぅ~……」

マオ「大丈夫だ。 ほら、いくぞ」スッ

魔法使い「……うん」キュ

戦士「ごめんくださーい」コンコン

遊び人「ノックと挨拶の順番が逆じゃ」

マオ「みんな構えておいて」

戦士「へ? なんでだよ? 生存者がいるかもしれないんだろ」

マオ「……この町をこんなことにした犯人かもしれないぞ?」

遊び人「……むぅ、確かに」

戦士「……しっ! 中から足音が聞こえる」

魔法使い「…………」ゴクリ

老人「一体誰かなこんな村に?」

戦士「お………?」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ」

魔法使い「……人、発見」ホッ

戦士「おぉーーーーー人だーーー!!」

老人「な、なんじゃなんじゃ一体!?」

戦士「生きているー!! 石造じゃねえぞー!!」ペタペタ

老人「こ、これ! やめんか!!」

魔法使い「……よかった人が生きてた」

マオ「一安心だな」

魔法使い「……うん!」コクン

途中ですけど今日はおわーり

明日いっぱい更新出来るようにがんばるぞー

戦士「えいっ、えいっ」

魔法使い「……おー」

遊び人「おー!」

良い悪い感想は様々あるしレスも嬉しいのですが暴言はなしで!
そういうレスがあってもスルーでお願いします

空っぽの頭と拙い文章なのであれっと思うことはあると思いますが気軽に楽しんでもらえれば>>1的には嬉しいです

老人「よく来られたな旅の方たち」

戦士「あぁ、まさかこんなところに人が住んでるとは驚いたぜ」

老人「そうじゃろうなー、なにせ村がこんなことになってしまったからな」

マオ「一体この村でなにがあったのです?」

老人「そうじゃな、それを説明しなければなるまい」

老人「わしには孫がいてな、代々農家なうちを手伝ってくれる優しい青年じゃった」

老人「幼い頃に父を亡くして以来、母と爺のわしを助けてくれて家のことをなんでもやってくれていたのじゃ」

老人「しかしいつ頃じゃったからかの? あまりうちの手伝いもせずに外に行くことが多かったのじゃ」

魔法使い「………」

老人「しばらくするとエルフの娘を連れてきたのじゃ」

戦士「エルフ!?」

遊び人「これは驚いた! かつて人間が滅ぼしつくしたというあのエルフか!?」

老人「そう、そのエルフじゃ。 あれらの隠れ里が近くにあっての、村人たちしか知らない秘密になっていたのじゃ」

老人「じゃが…… 孫に対して『最近うちの手伝いもせずにほっつき歩いていたのはこの娘のせいか』 と怒ってしまってな」

老人「ましてや人間嫌いで有名なエルフじゃ。 我々と一緒にいたってうまくいくはずがない、そう考えわしは二人の付き合いに猛烈に反対したのじゃ」

老人「だが孫も譲らなくてのぅ…… あやつはわしに嫌気を指して出てしまったわ」

魔法使い「……駆け落ち」

老人「そうじゃな……」

老人「エルフと駆け落ちした孫に対してエルフたちも怒っていた」

老人「それは当然じゃろうな。 馬の骨とも分からない人間が自分たちの数少ないエルフを奪っていったようなものなのだから」

老人「怒りに燃えたエルフたちはこの村を全員眠りにつかせる魔法を使い、この村を滅ぼしたのじゃ」

戦士「まじかよ……」

老人「その時たまたま村から出ていたわしだけが助かってしまったわい」

魔法使い「……許されない恋だったのね」

老人「そうじゃな……だが2人の恋路はうまくはいかなかった」

マオ「というと?」

老人「村が眠りに落ちてからしばらく経ったころにな、孫の相手のエルフが1人でやってきたのじゃ」

老人「『青年がエルフに捕まって殺された』 と泣きながらわしに教えに来たのじゃ」

戦士「なんだよそりゃぁ!?」

老人「エルフたちも結婚など許さなかったのじゃ。 駆け落ちした2人を見つけ出して捕まえたのじゃろう」

遊び人「そしてそのまま一方的に青年を殺したのか」

老人「……そうじゃ」

魔法使い「……最悪の結末」

老人「……すべては……わしが……わしが認めていてあげればこんなことには……」

戦士「爺さん……」

魔法使い「……その残されたエルフは?」

老人「ふっ……聞きたいか?」

戦士「なんだよここまで話しておいて! もったいぶんなよ!」

老人「……息子が殺された洞窟に入って、身投げしたよ」

魔法使い「…………」

遊び人「あの世で一緒になったということか……」

戦士「本当に最悪じゃねえかよ……」

魔法使い「…………」ギュッ

マオ「……………」

老人「じゃあ、気をつけるのだぞ」

戦士「おう、またな爺さん!」

魔法使い「…………」ペコ



遊び人「どうする気じゃお主」

マオ「どうもしない」

遊び人「ロマリア国王にはこの現状のみを報告するつもりか」

マオ「それしかないだろう、私たちに出来ることはなにもない」

遊び人「ふん、貴様であればこの魔法を解くくらい造作もないだろうによ」

マオ「………買い被り過ぎだ」

遊び人「どうだかのぅ」

戦士「なぁマオ!」

マオ「エルフの隠れ里には行きませんよ」

戦士「なんでだよ! まだ何も言ってないだろ!!」

マオ「行こうって言おうとしたのでしょう?」

戦士「そうだけどさ! なんで行かないんだよ!!」

マオ「行ってどうする?」

戦士「説得するんだよ! 2人のことを認めて、村を元に戻せって」

マオ「どうせ突き返されるだけでしょう」

戦士「でもそんなの行かなきゃ分からねえじゃん!」

マオ「分かりますよ、あのおじいさんが何もしてないはずがないでしょう」

戦士「でもさ!」

マオ「………はぁ……本当にしつこい」

戦士「……む!」

マオ「分かった。 だがこのまま行っても門前払いがオチだ」

マオ「だから、エルフたちを納得させるだけの武器が必要になる」

戦士「武器? なんだよそりゃ」

マオ「さぁ? そんなの知らないよ」

戦士「はぁ??」

マオ「行ってみるんだよ。 2人が死んだその洞窟に」

……………………
……………
……


戦士「うひゃー暗い……」

魔法使い「…………」ギュッ

遊び人「相変わらず暗いのがダメじゃのぅ魔法使いは」

魔法使い「………そんなことない」プルプル

戦士「…………」サワッ

魔法使い「……ひっ!?」ビクン

マオ「ん? どうした魔法使い」

魔法使い「……なにかがわしの背中をすすすって……」

遊び人「ふぅぅぅぅ~………」

魔法使い「………!? 松明が消えたよ!?」

遊び人「…………」ニヤニヤ

戦士「…………」ソー

魔法使い「……マオ……暗いよぉ……」

戦士「うがああああああああ!!!!!」

魔法使い「きゃあああああああ!?!?!?」

マオ「やめろや二人とも」



遊び人「で、どうする気じゃ? 武器といったって……」

マオ「そうだな、今のところ勝算はないな」

戦士「はぁ? じゃどうすんだよ」

マオ「今こちらにある武器といえば娘が死んだという事実をこちらが知っていることだけだ」

戦士「へ? なんでそんなことが武器になるって言えんだよ」

マオ「少し考えてみな。 もし戦士がそのエルフだったとしたら戦士はどうする?」

戦士「んー……愛する人が殺されて……逃げ出して……洞窟で一緒に死ぬ?」

マオ「そうだ、その逃げ出してがポイントだ」

マオ「おそらくその本人は里の他のエルフたちに何も言わずに逃げ出してきて老人に会い、そのまま死んだ可能性が高い」

遊び人「その根拠は?」

マオ「……ふっ、勘だ」

書く気が起きないのじゃ……困ったのじゃ……休憩するねん

戦士「うっわ! すっげぇ洞窟の中に湖があるぞ!」

遊び人「ほぉ……これは大きい湖じゃ……」

魔法使い「……明るい、不思議」

遊び人「魔力が込められた水なのかもしれんの、こういう水は……」ゴクリ

遊び人「体力や魔力が少し回復するのじゃ」

魔法使い「…………ゴクリ……ほんとだ」

戦士「へーすげぇな!」

魔法使い「でも、道はそこで行き止まり」

マオ「これは……」

戦士「なんかあったか!」

遊び人「手紙……か?」


『お母様。 先立つ不孝をお許しください


私たちはエルフと人間。 この世で許されぬ愛ならば……


せめて、天国で一緒になります………。  アン』




戦士「………やっぱり心中してたのか」

魔法使い「……許されない愛」

遊び人「あの世では幸せに暮らしてるだろうて」

魔法使い「これは……指輪?」

戦士「へー綺麗なルビーだな」

遊び人「残されていたのは手紙とこのルビーの指輪だけか」

マオ「……十分だろう戻るぞ」

……………………
……………
……


ひそひそひそ


「………人間よ」

「ママ! お耳が短いよ!」

「見ちゃダメ! 攫われてしまうわよ!」


戦士「なーんか歓迎されてねえな」

遊び人「そりゃそうじゃろ」

魔法使い「……エルフの里っていうか本当に森」

マオ「何もないね」


マオ「あの、女王はどこに」

「……………」ササッ

マオ「あ、あの……」

「知りません人間と話すことなどなにもないです」ササッ


マオ「…………」

戦士「感じわりぃ」

魔法使い「……マオの心が折れかけてる」

マオ「滅ぼしてやろうか」

遊び人「やめんか」ベシッ

女王「何事です騒がしい!」

マオ「あなたがエルフの女王様でしょうか?」

女王「………そうです。 が、人間と話すことなど何もありません。 お引き取り下さい」

マオ「いえ、そうはいきません」

女王「……何が言いたいのです?」

マオ「あなたの娘さん、アンさんについてお話がございます」

女王「アン……!? アンを知っているのですか!?」

マオ「えぇ、少しは興味を持っていただけましたか?」

女王「……いいでしょう」

女王「……アンは今どこにいるのです?」

マオ「と、その前に私の方からひとつ質問をさせてください」

女王「…………?」

マオ「アンさんと一緒にいた人間の彼は今どこへ?」

女王「……彼なら私たちが地底湖へ連れて行き殺しました」

女王「質問はそれだけですか? で、アンはどこにいるのです!」

マオ「せっかちなお方だ。 教える前にもうひとつ」

マオ「そこの村を基に戻していただきたい。 石化という眠りから解放してほしいのです」

女王「お断りします。 あの町は私の娘を攫った男のいた町。 それ相応の罪を背負った罰です」

マオ「ですが、あなた方が彼ら2人を見つけ連れ帰ったのでしょう? まして彼を処刑したのだ。 町はこのことについて許されてもいいのでは?」

女王「……アンは再び私の前から姿を消しました。 どうせ人間が連れ去ったに決まっています」

マオ「なるほど」

マオ「ではもしアンさんが人間に連れ去られたのではなく、自分の意思でこの里を出て行ったとしたら?」

女王「そのようなことはあり得ません」

マオ「なぜそう言い切れるのです?」

女王「あの娘のこの里と母親である私への愛は本物だったからです!! あなたには分からないでしょう!!」

マオ「では! アンさんと彼の愛は本物ではなかったと仰るのですか?」

女王「……どうせ人間にたぶらかされたに決まっています」

マオ「……頭が硬い人だ」

マオ「アンさんからの預かり物を実は持っているのです」

女王「アンから!?」

マオ「えぇ、これを。 あなたへ渡してほしいと」スッ

女王「手紙……?」パラッ


女王「……………」

女王「…………………」


女王「これを……どこで……?」

マオ「洞窟の底、地底湖のほとりに置かれていました」

女王「なんと…… アンは……彼が死んだ地底の湖に身を投げたというのですか……」

女王「私が……私が二人を許さなかったばかりに……」

女王「……分かりました。 この目覚めの粉を持って町に戻りなさい」

女王「そうすれば呪いも解かれます…… アンも……きっとそれを願っていることでしょう」

女王「おぉ……アン…… ママを……許しておくれ………」

マオ「あなたはアンさんと彼の愛が本物ではなかったと言いましたね」

女王「そうか……そうだったのですね…… 私は愚かでした…… エルフと人間がうまくいくはずがない……そう決めつけていたばかりに……」

マオ「彼女らの愛は本物だったということです。 種族を超えた愛は存在する。 もちろん同族への愛も」

女王「……へ?」

マオ「あなたの偏見が二人を殺したことは事実です」

マオ「しかし……生前のアンさんは彼女が身を投げる晩に彼の祖父に会いに行っています」

マオ「爺はアンさんからあなたへ『愛していると伝えてほしい』と頼まれていたそうです」

女王「……!」

女王「アン………おぉアン……あなたは……私を許してくれるというのですか……!」

マオ「……失礼します」

………………
…………
……


戦士「なぁ、最後のってアンちゃんどんな気持ちで言ったんだろうな」

魔法使い「……愛する人を殺した人を許す……私には出来ない」

遊び人「それどころか愛している、と言うとは……仏か」

マオ「あのルビーの指輪はおそらく女王からアンに持たせたものなのだろう」

戦士「なんで分かるんだよ」

マオ「もし人間の彼とのモノならアンさんはそれを身につけて死んだはずだ」

魔法使い「……そっか」

マオ「母のことも愛していたのは事実だろう、最後までそれを身に着けていたのだから」

戦士「なんかせつねえなこれ……」

魔法使い「……悲しい」ギュッ

マオ「………種族を超えた愛か」

遊び人「他人事ではないの」

マオ「……黙っていろ」

………………
…………
……


マオ「この粉を使うんだな」

戦士「振りまいとけばいいのか?」

遊び人「溶かして飲むわけにもいかんじゃろうて」


ササーッ………



「ん……んぅ……?」

「あれ……おっかしいないつの間に……寝ちゃったのかなぁ」

「あぁー身体が……カチコチだよ……」


魔法使い「わっ…! 石化が溶けてみんな起きたよ!」

戦士「やったな! これでうまい酒が飲めるぜひゃっほー!!」

遊び人「これで一安心じゃな」

戦士「なぁ、爺さんに会いに行くか?」

遊び人「良いじゃろう。 今頃喜んで飛びまわってるだろうてふぉっふぉっふぉ」

マオ「ロマリアに戻って報告するか」

魔法使い「……うん」ギュ

戦士「ぐぬぬぬ……なんで魔法使いはナチュラルに手繋いでんだよ」

魔法使い「……マオの左手は私のもの」

マオ「そうなのか」

戦士「じゃあ俺はこいつの右腕になるぜ!」ギュッ

魔法使い「……!!」

「あら、こんにちは旅人さん」

戦士「目を覚ました人か」

マオ「えぇ、こんにちは。 お身体はなんともないですか?」

「ふふ、不思議なことを言う人」

「私は平気なんだけど、息子がねぇ」

「息子がエルフの娘と駆け落ちしたまま帰ってこないのよ。 2人が愛し合ってるなら結婚も認めてあげようと思ってたのに」

「一体今どこにいるのやら。 元気にやってるならいいんだけどさ」

「なーんて、たまには帰ってきて2人の仲いいところ見せに来てくれればいいのにねぇ」

マオ「……きっと見守ってくれてますよ」

「へ?」

マオ「では、私たちはこれで……」

「気をつけてね旅人さん」

休憩

………………
…………
……


マオ「以上がことの次第です」

国王「そうか……御苦労だったな」

マオ「はっ」

国王「ではゆっくり疲れを取ってほしい。 宿には私の方から連絡をしておく」

戦士「いぇーいラッキー」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ」

国王「あぁーそうだマオくん、君は残ってくれ」

マオ「は?」

国王「大事な話がある」

マオ「話、とはなんでしょう」

国王「あぁーもーいいよいいよそんな硬いのさぁマジいらねぇって肩もこるしぃ」

国王「っていうか知ってる? 王冠って重いんだからね? マジで首と肩が鬼疲れ。 略してODR」

マオ「は、はぁ……」

国王「俺さぁだからもう王冠嫌いなわけ。 いい加減肩コリもつらいわけよ」

国王「若い姉ちゃんのパフパフとかされて癒されたいんだけどほら、身分ってのがあんじゃん? だぁから気軽にそういうのいけないわけよぉ」

マオ「はぁ……」

国王「だからね、俺考えたの」

国王「この王冠を誰かに被ってもらえれば俺自由の身じゃね?」

国王「ウハwwwwwwwwやばwwwwwwww俺マジ天才じゃねwwwwwwww」

国王「やばい超天才wwwwwwww天才発言禁止ぃwwwwwwww俺の有能さがバレちゃうぅwwwwww」

国王「ちなみに転載も禁止だから(真顔)」


マオ「……………」

国王「じゃ、そういうことで明日からよろしく!」

マオ「は!?」

………………
…………
……


マオ「え……?」

側近「あの馬鹿国王がぁ!!!」

マオ「ちょ、ちょっと待ってください、本当に王様をやるんですか?」

側近「あぁー、うんお願いします」

マオ「えぇ………」

側近「大丈夫だって。 俺ももう5回くらいは王様やったから」

マオ「常習犯かよ」

王妃「ふふ、お似合いですわマオさん」

マオ「は、はぁ……」

王妃「心配なさらないで。 ちょっと彼も休みがほしくなっただけだと思うから」

側近「多分ですが……」

マオ「果てしなく心配なんですけど」

王妃「……探しに行きましょう」

側近「そうですな…… マオ国王よ、街の視察も兼ねてあの馬鹿元国王を探してきてはもらえますかな?」

マオ「はぁ……分かりました」

王妃「ふふ、こんな若い方が夫ならいいんですけどね、ふふ」

側近「そんなことを聞いたらあの馬鹿も飛んで帰ってきますな」


側近

マオ「では、いってきます」

王妃「いってらっしゃい」

側近「申し訳ないですな、お願いしますぞ」



マオ「ありえないなんなのだ人間の国王はみなこうなのか………」

兵士「お疲れ様です国王陛下」

マオ「あぁ、いいですそういうの……ほんとに……」

兵士「よくやるんですよあの人。 女が恋しいーとか言って脱走するし」

マオ「……そんなんでいいんですかこの国の人は」

兵士「ダメですよ」

マオ「ですよね」

「国王陛下御退城! 門を開けろ!!」


ガガガガガガガガ


「いってらっしゃいませ国王陛下!!」


マオ「    」


マオ「と、とりあえずぶらぶら歩き回るか」


「あら、国王陛下」

マオ「ん?」

「おやまぁ、やけにスリムになったと思ったら別人! あなたも王冠押しつけられちゃったのかい?」

マオ「えぇそうなんですよ」

「大変だねぇ国王陛下はお茶目な人だから」


マオ(お茶目なレベルか!?)


「悪い人じゃないんだよただ遊びたがりなだけだからね」

マオ「はは……」

「じゃ、ゆっくりしていきな」

マオ「はい、もし国王を見かけたら城に戻るように言っておいてください」

「はいよー」

「へいらっしゃい! お、噂の新国王じゃないですか!」

マオ「もう話が出回ってるんですね」

「まぁいつものことですしねぇ! それにさっき元国王来ましたよ」

マオ「本当ですか!?」

「えぇ、新しい国王着たらよろしく言っておいてくれって」

マオ「あの野郎……」

「がっははは! あの国王も実は元騎士だからねぇ! 武器を持ってはしゃいでましたよ!」

「まぁ遊んでたら指切っちゃって大騒ぎしてどっか行きましたけどねぇ! ほんとあの人はおもしろいですよ!」

マオ「なにがしたいんだ……」

「まぁいい街なんで、ゆっくり見ていってください」

マオ「ここは……道具屋か」

「おやおや新国王様! いらっしゃいませ今日はどんな品をお探しで?」

マオ「あぁ、いえ、元国王を探していて」

「あぁやっぱりそうでしたか。 いやはやしかし真面目な方だあの国王とは大違いですねぇ」

マオ「仲がよろしいのですか?」

「ここだけの話、商売仲間なんですよ。 さっきもここにきていいモン入ったかって聞いてくるから買ってもらっちゃいましたよ」

マオ「な、なにをですか?」

「オ・ナ・ホ」

マオ「は……?」

「いやぁあの人本当そういうアダルトグッズ大好きなんですよ。 国王のおかげでそっち方面の商売も繁盛してますわぁ」

マオ「それでいいんですか……」

「へへ、商売繁盛お客も上々!」

「新国王様もどうです? 一穴」

「あ、新国王様だー!」

「ねぇねぇ何してるのー?」

マオ「前の国王様を探してるんだよー」

「国王おじちゃん? さっきまで一緒にサッカーしてたよ!」

「おじちゃんね時々一緒に遊んでくれるんだ!」

マオ「へぇ…… 中身子供だもんな……」

「この前なんかサッカーやってたら転んじゃって!」

「そうそう! 足ひねって大泣きして帰ったよ!」

「あははははは」

「あ、この前アイス買ってくれるって言ってたのに買ってもらうの忘れた!」

「あー! じゃあ次はアイスとジュース買ってもらわなきゃね!」

戦士「あ! あれマオじゃねえか!?」

マオ「ん?」

戦士「おーい! マオー!!」

マオ「あ、みんな」

遊び人「これはすごい恰好じゃのぅ!! あひゃひゃひゃ!!」

戦士「うへぇあっつそー」

魔法使い「……きらきらな服着てる。 マオかっこいい……」

戦士「聞いたぜ、ここの国王になったんだってな」

魔法使い「……マオ国王」

マオ「あの人に押しつけられたんだよ」

遊び人「はー笑った笑った。 あの国王ならさっき宿まで来たぞ」

マオ「国王が直々に!?」

戦士「アロハシャツ着て、汗ダラダラかきながらノアニールをありがとうって礼に来たよ」

魔法使い「……子供にアイス食べさせるの忘れたからいってくるって走ってった」

マオ「…………」

遊び人「おもしろいのぅああいう国王もいるんじゃな」

魔法使い「とっても良い人だった」

「いらっしゃい! ここは闘技場だよ!」

「お、新国王様じゃねえか! こんな薄汚いところに来ていいのかぁ?」

「へっへへへ」

マオ「国王みませんでしたか?」

「あぁーあのおっさんならまだ中にいるんじゃないか?」

「さっきまでここで酒飲みながら観戦してたんだけどいねえな」

「店員の姉ちゃんの尻触ってぶっ叩かれてたな!」

「とんでもねぇスケベ野郎だよがはははは」

マオ「……やっと見つけましたよ国王陛下」

国王「ん? 誰のことかなぁ? 国王陛下なら俺の目の前にいるんですけどねぇ?」

マオ「とぼけないでください。 王妃様も心配しておられましたよ」

国王「くくっ、そんなわけないだろ? あいつはもうとっくに慣れっこだよ」

マオ「側近さんが怒ってましたよ」

国王「あぁー……やばい……それマジヤバい…… さっきのオナホで許してくんねえかな」

マオ「……いい加減お城に戻ってください」

国王「……まぁまぁ、酒場でも一緒にどうだい? 国王陛下」

国王「よう姉ちゃん! また来たよー!」

「あーまたお城抜けてきたの? みんな心配するよ?」

国王「なに言ってんだよーみんなは休みあるから姉ちゃんに会えるけど俺なんか脱走しないと会えないんだからさぁ」

「ふふ、王様も大変ね。 ゆっくりしていってね」

国王「おーう! あ、生2つね!」

「はーいお待ちくださいねー♪」


国王「どうあの子? 可愛くない?」

マオ「えぇ……まぁ」

国王「おっぱいデカいしかわいいしで点…いやぁいいわぁ……マジいいわぁ……更衣室に隠れてたいわぁ」

マオ「…………」

国王「なになにちょっと陛下? そういうの興味ないの? だめだよぉそんなの老けこむよぉ!?」

マオ「余計なお世話です!」

「お待たせしましたー生2つね」

国王「お、待ってましたぁー!! お姉ちゃんのおっぱい2つ持ちかえりでー♪」

「ごめんねぇこれ非売品なんだぁー♪ ふふ、ごゆっくりー」


国王「ねぇ今の、みた? みた? おっぱい寄せてくれたよ? 俺超元気になっちゃったよ」

マオ「分かりましたから……」


国王「よしお前ら! 姉ちゃんの美貌と新国陛下にかんぱーい!!」

「「かんぱーい」」

マオ「なんだこの店……」

「なに国王陛下今日休みなの?」

国王「いやぁ? 書類の山がすごすぎて逃げてきた」

「え、だめじゃないですかそれ」

国王「いいんだよぉ側近がやってくれるからぁ…… たまにはここで騒ぎながら飲みてえんだよもぉー」

国王「なっがーいテーブルにワイン置かれても飲む人いなきゃ全然楽しくねえから!」

「国王陛下も大変っすねぇ……」

国王「あったりめぇよもぉ…… 女の子ナンパしてお茶してあんなことやこんなことしたいよもー」

「その歳じゃもう無理っしょー」

国王「はぁ!? いやいやさっきのあの姉ちゃんの見た? 脈ありありビンビンでしょ!」

「ねえよ!」

「ははははははは」

国王「……この街はどうだった?」

マオ「は?」

国王「今日1日見てきたでしょ、色んなとこ」

マオ「……みんな元気ですね、他の街よりも活気があります」

国王「そうか……そりゃよかった」

マオ「みんな国王陛下のこと気に行ってるのがすごい伝わってきました」

国王「そりゃーね? 俺イケメンだからね? 顔も性格も!!」

国王「なーんて…… ロマリアの人は最高だからね……」

国王「元気貰えるんだよ街の人の暮らし見てるとさ、ほんとに」

マオ「……それは国王陛下がみんなに元気をあげてるからじゃないですか?」

国王「ふふっ、お互い様なのかもね。 このご時世魔王の脅威に怯えながら湿気て暮らすなんてさ、嫌じゃん」

国王「街の人も俺も、他の村々の人も、元気に暮らしてた方が100倍いいじゃん?」

マオ「そりゃ……まぁ…… だからノアニールの件も依頼したんですね」

国王「そそ。 あそこの町の人もみんな良い人でねぇ…… のんびりしてるんだけど景気がよくて最高の町だよ」

マオ「…………」

マオ「私は、国王陛下がすごいと思います」

国王「はぁ? どこがぁこんなチャランポランだぜ?」

マオ「普通の人じゃこんなことは出来ない。 みんなに好かれて、元気を与えて……」

国王「そうなのかねぇ……分かんねえよ…… でもひとつ分かるのは」

国王「この街、最高だろ?」

マオ「えぇ……本当に最高でした」

国王「へへっ……そう思ってもらえて俺もうれしいよ」


国王「姉ちゃん! 俺もう帰るよ!」

「あら? 今日は早いねぇ」

国王「ママが今日は寂しがってそうだからな! 満足させてやんねえとよ」

「腰振るな腰ー!」

「いよ、エロじじい!!」

国王「やかましいわ!!」

「がはははははははは」


「税金下げてくれよー!」

国王「馬鹿野郎、んなことしたら街のジジババみんな飢え死にしちまうよ! それになにより俺が贅沢出来ねえだろうが!」

「がははははははは」

国王「よーし! 今日は俺が全部奢ってやる! お前ら伝票もってこーい!!」

「いよっ! ビールっ腹!!」

国王「太っ腹だろうがぃ!!」

「わははははははあはは」

側近「やっと帰ってきたかこのポンコツ野郎がぁ!!」

国王「ごめんごめんそっきー許して?」

側近「上目遣いとアヒル口やめろ! きもいんだよ!」

国王「じゃおやすみー」ダッ

側近「おい待て! 書類が溜まってんだって! マジで助けてぇー!!」

側近「ああああああああもういやだああああああ…………」

国王「ただいまハニー」

王妃「あら、もう帰ってきたんですか。 おかえりなさい」

国王「ママが寂しがってるかなーと思って」

王妃「ふふ、さすがあなたはなんでもお見通しね。 街はどうでした?」

国王「あぁ今日も楽しかったよ。 みんな笑って……魔王のことなんか忘れちまってるみたいだったな」

王妃「それもあなたの人が成せることよ。 さすがは私のパパね」

国王「だろー? じゃあほらかっこいいパパがちゅーしてあげる、むちゅー」

王妃「ちょっとやだぁ、今お風呂入ってきたばかりなのに」

国王「じゃあまたあとで一緒に入ればいいだろ?」

王妃「もーしょうがないわね?」

国王「へへ、さすがママ」

王妃「これからもかっこいい王様でいてね?」

国王「任せな、もっともっといい国にしてやる」

魔法使い「あ! おかえりマオ」トコトコ

マオ「ただいま魔法使い」

戦士「遅かったじゃねえか」

マオ「今着替えとかしてきたんだよ」

遊び人「1日国王体験はどうじゃったかの?」

マオ「……私に国王は無理そうだ」

魔法使い「………?」

休憩

戦士「うぉー! すげー! カニだー!」

マオ「国王陛下が気を利かせてくれたみたいだね」

遊び人「うほー! うまそうじゃー!!」

魔法使い「……これどうやって食べるの?」

戦士「これはなぁ、こうやって足の関節をポキッと折ると中身が出てくるから」

戦士「あとは一気に食う!!  ん~うんめ~!!」

遊び人「カニ祭りじゃああああ!」

戦士「いぇぇぇぇぇい!!」

魔法使い「…………んしょ」

魔法使い「……………んんっ!」

魔法使い「……このカニにはスカラがかかってる」

マオ「防御力高いなーそれ」

魔法使い「……! おいしい」

マオ「よかったな」

魔法使い「……うん! マオも食べよ」

マオ「………うまいな」

魔法使い「……ね! おいしいねー」

戦士「なにイチャイチャしてんだそこー! ほら飲め飲めぇー!」

遊び人「カニを食べながら酒飲むとか最高じゃな!」

戦士「マオぉほれほれーグラス持ってぇー」

遊び人「一気! 一気! 一気! 一気!」

マオ「………………」ゴクゴクゴクッ

戦士「ひゅー! いいぞぉー!!」

遊び人「なかなか良い飲みっぷりじゃなぁ!」

戦士「次は……魔法使いの番だぁー!」

魔法使い「……私お酒飲めないよ?」

遊び人「気にすることなんかないわ」

戦士「はいグラス持ってぇー?」

魔法使い「……どうするの?」

遊び人「全部一気に飲めばいいんじゃ」

魔法使い「……わかった」

マオ「ダメだ、俺が飲む」グイッ

魔法使い「………あ」

戦士「ひゅー! やるねぇマオ!」

マオ「絶対に魔法使いは飲んじゃだめだ」

魔法使い「……どうして?」

マオ「……いいから飲まなくていいんだ」

魔法使い「…………一口だけ」

マオ「ダメだ」

魔法使い「……ちょっとだけ、飲んでみたい」

マオ「……………」

魔法使い「……おねがい?」

マオ「……一口だけだぞ」

戦士「おーっと魔法使いの上目遣いにマオ選手ノックアウトー!!」

遊び人「ちょろいのぅ若造」

マオ「……お前ら消し炭にしてやろうか」

マオ「一口だけだぞ」

魔法使い「……うん」

ごくっ


魔法使い「………ひぅっ!?」

マオ「言わんこっちゃない」

戦士「どうだった人生初ビール?」

魔法使い「……もう飲まない」

戦士「ダメだったかー!」

遊び人「それならほれ、こっちのカクテルなら甘くて飲みやすいぞ」

魔法使い「……………」じー

マオ「本当だぞ」

魔法使い「……じゃあ」


ごくっ


魔法使い「……おいしい」

戦士「まだまだ子供だなー!」

魔法使い「……む」


…………………………


魔法使い「頭がふわふわする」

戦士「なんだよ酔ってんのかぁ? 情けねえ!」

戦士「ちょっとトイレいってくる!」


ばたんっ!!


遊び人「お前が一番酔ってるではないか!!」

戦士「だーいじょうぶだって! わざとわざと! じゃな」

マオ「……あいつも強くはないな」

遊び人「ちょっとわしもトイレがてら様子見てくるわい」

マオ「おぅ」

魔法使い「まおー……」

マオ「どうした」

魔法使い「頭がふわふわする」

マオ「そうだな」

魔法使い「ねむい」

マオ「寝るか?」

魔法使い「寝ない!」ベシッ

マオ「……………」

魔法使い「なんか言って」ガブッ

マオ「痛いぞ」

魔法使い「……腕に歯型ついた」サスサス

マオ「1ダメージくらいだ」

魔法使い「構ってよー」ベシベシ

魔法使い「構って構って構って構って」ベシベシベシベシ

マオ「酔うとよく喋るなぁ……」

魔法使い「……ちゅーして」

マオ「ここじゃしない」

魔法使い「……して!」

マオ「しない」

魔法使い「じゃあ私がする」ムチュウウウ

マオ「吸うな!」

魔法使い「……抱っこ」

マオ「やめろ」

魔法使い「よいしょ」チョコン

魔法使い「……………」プラーンプラーン

マオ「足バタバタさせない」

魔法使い「………むー」

魔法使い「抱きしめてくれないの?」

マオ「…………」

魔法使い「馬鹿、意気地無し、おたんこなす、メガネ」

マオ「メガネかけてないだろ」

魔法使い「おわぁっ」

マオ「はい、ちゃんと椅子に座ろうなー」

魔法使い「………ばかばかばか!!」ベシベシベシッ

戦士「わははは! 帰ってきたぞ戦士様が!」

魔法使い「………………はぁ」

戦士「ん? なんだその顔は?」

魔法使い「……顔近づけないで……お酒くさい」

戦士「……はぁー」

魔法使い「くさいって言ってるのになんでそういうことするの!」

戦士「なんだよそんな酒くさいか? なぁマオこっち向け」

マオ「ん?」

戦士「と、みせかけてぶちゅううううう」

マオ「!?」

魔法使い「戦士! やめてよ!!」

戦士「へへっ、マオの口頂きましたー♪」

魔法使い「信じられない……」

マオ「……酒くせぇ」

魔法使い「……やだマオは私のもの」

戦士「なぁ、2人って付き合ってんの?」

マオ「ん? いやー?」

魔法使い「……そういうわけじゃないけど」

戦士「ははーんじゃあ私もまだまだイケるってことか」

魔法使い「……!」

戦士「なぁ、マオ? 実際どうなんだ? 私と魔法使い、どっちがいい?」

マオ「あぁ?」

戦士「ほら、このおっぱいどうだ? 柔らかいだろ?」

魔法使い「触らせるなんて変態! それセクハラ」

戦士「モノがないもんなぁ魔法使いは」

魔法使い「そんなの関係ない」

戦士「で、もうヤったの?」

魔法使い「……? なにを?」

戦士「あぁこりゃまだ処女か」

魔法使い「しょ……!?」

戦士「ははは! マオは魔法使いのこと女として見てないんだな」

魔法使い「へ……?」

戦士「あーあ……かわいそうに」

魔法使い「……そんなのもっとじっくりと付き合ってから……だよ」

戦士「そりゃただの自分への思い込ませだろ? 考えてもみろよ、この歳の男が年頃の女の子に手出さないわけないだろ」

魔法使い「…………でも……」

戦士「女としての魅力が足りないんじゃないかぁ? こことか」

魔法使い「……胸の大きさなんか関係ないもん」ジワ

マオ「やめろ戦士、飲み過ぎだ」

戦士「ちぇー怒られちった」

遊び人「わしの女としての魅力はどうかの?」

戦士「枯れてんねぇ……ガビガビだよ」

戦士「で、実際どうなの」

魔法使い「……私の方がいいよね、マオ?」

マオ「ん?」

戦士「女として」

魔法使い「どっちがいいの」

遊び人「それ好きじゃなーお前ら」

マオ「あぁー………」

マオ「 >>487だな」



>>487

①ふざけて戦士だと言う

②真面目に魔法使いだと言う

③流すように2人ともかなと言う

④あえての遊び人と言う

2

マオ「魔法使いだよ」

魔法使い「………!」ギュ

戦士「なんだよー……見せつけやがって」

遊び人「若造は若くないとダメだそうじゃ」

戦士「はぁぁぁ? 私だってまだ若いんですけど!」

魔法使い「……私の方が若い」

戦士「うぜぇぇぇぇぇ」

魔法使い「……ふふん♪」

戦士「憎たらしいなぁ畜生! もういいや私は部屋で寝る」

遊び人「そうじゃなわしも寝るわい」

魔法使い「……おやすみなさい」

魔法使い「……ね、ねぇマオ?」

マオ「うん?」

魔法使い「……今日は、どうする?」

マオ「なにをだ?」

魔法使い「……~~!!」

魔法使い「……すぅー……はぁー………」

魔法使い「……一緒に、寝る?」

マオ「そうだな」

魔法使い「……やた!」

マオ「……ふっ」


……………………


魔法使い「……お風呂、あがりました」

マオ「ん? なぜバスタオルしか身につけていない?」

魔法使い「……えと……その……なんか……ね」

魔法使い「……戦士がさっき……マオは私のこと女として見てないって……」

マオ「……ふぅ…… それで」

魔法使い「そ、それで…… その……」

魔法使い「うぅ……恥ずかしいから言わせないで」ギュッ

マオ「………」ポンポン

魔法使い「……ねぇ、ベッドいこ」モゾモゾ

魔法使い「……は、恥ずかしい……そんな見ないで」

マオ「……………」

魔法使い「……なにか……いって?」


マオ(これはまずいかもしれん)

マオ(魔王である私と、人間との間に子は成せるのか試したことが無いから分からぬ)

マオ(ただ快楽と、愛のために抱くことは出来よう。 だがなにかの拍子に子でも孕むことがあれば)

マオ(人間である魔法使いがどうなるかが想像も出来ぬ)

マオ(魔力の中毒で死ぬかもしれぬし、胎内を破壊するかもしれぬ)

マオ(いやそもそも性交自体で魔法使いを傷つけるかもしれない)

マオ(どうするか)


>>498

①とりあえずヤる(希望があれば描写あり)

②魔王としての探究心のために中田氏かます(描写は希望があれば)

③なんとか言ってかわす

④自由安価

1 描写なし

魔法使い「……マオ?」

マオ「そんな不安そうな顔をするな」

魔法使い「だって……」

マオ「魔法使いは魅力的だ。 戦士がなんと言おうとな」

魔法使い「……ふぇ!?」

マオ「今まで我慢してきたのに、誘ったのはそっちだぞ?」

魔法使い「……うー……そういうのは言わなくていいの///」

マオ「こっちにこい」グイッ

魔法使い「ひゃぁ!」

マオ「どうした、力が入ってるぞ」

魔法使い「……うぅ……ごめんなさい」

マオ「謝るな、誰でも緊張はする」チュ

魔法使い「……んぅっ!?」

マオ「深呼吸をして力を抜け」

魔法使い「……えへへ……顔近い……ドキドキしちゃうよ」

魔法使い「……すー……はぁー………」

魔法使い「……はずかしいね」

マオ「……綺麗だぞ、魔法使い」

魔法使い「……うん、 優しく、してね?」

休憩はいりまーす


初々しさ? 女の子のかわいさ? みたいなのを意識して魔法使いちゃんかいてるんだけど、なんていうか>>1の趣味もろバレな気がする

戦士「そんな青臭いガキより適度に熟れたわたっ!戦士さんルートキボンヌ…っと」
遊び人「わしは変化魔法でババァの振りしてっけど実は一桁代と釣ってみる」

…………………………


マオ「……ん」

マオ「……そうかそのまま寝ていたのか」

魔法使い「……んぅ……まお……?」

マオ「おはよう魔法使い」

魔法使い「……うん」

魔法使い「……ちゅ?」

マオ「…………」チュ

魔法使い「……もう一回したい」ガバッ

マオ「……底無しだな。 そうやって布団に隠れたら出来ないぞ?」

魔法使い「……だって気持ちよかったんだもん」チラッ

マオ「また気絶するなよ」

魔法使い「……あ、あれはマオが……激しくしすぎるから……」

………………
…………
……



マオ「次は砂漠を超えるぞ」

戦士「砂漠!?」

遊び人「干からびてしまうわい。 ま、干上がってるがのぅ」

戦士「この自虐ネタに突っ込めねえ!」

マオ「砂漠の過酷な環境でパーティが1人欠けるかもしれないが行くぞ」

遊び人「待たんかい! 勝手に殺すでない!!」

……………………………………


マオ「砂漠のオアシスに街があるらしい」

遊び人「砂漠で迷ったらどうするんじゃ」

マオ「さぁな? その時はその時だ」

戦士「……最近思ったんだけどよ、マオって案外雑だよな」

遊び人「脳筋じゃな」

マオ「……………」チャキンッ

遊び人「デスサイズはやめんか! 死人が出るわ!」

魔法使い「……おばあちゃんは死んでも化けて出そう」

戦士「スロットやるぞー! とか言いながらな」

遊び人「人をなんだと思ってるんじゃまったく!」

マオ「砂漠ってさ熱いんだろ? 私暑いの苦手なんだよねぇ」

魔法使い「……私も苦手」

遊び人「おや? マオとペチャクチャくっついておるから熱々が好きなのかと思っていたが」

魔法使い「……お、おばあちゃん!」

マオ「夜は服を着こんでも寒いくらい冷え込むらしいぞ」

戦士「ひえぇマジかよ」

魔法使い「……火炎魔法をたき続ける必要がある」

遊び人「昼は熱々、夜は寒々か。 まるで仮面夫婦のようじゃな」

魔法使い「……なにそれ?」

戦士「外では仲良し夫婦、実際は関係が冷え切ってる夫婦ってことじゃね」

魔法使い「…………」

遊び人「そうなってはならんぞ」

魔法使い「…………」ブンブン

………………………………

~砂漠~



戦士「あっちぃ……」

遊び人「いたずらに喋るな…… 喉が渇くだけじゃ」

戦士「でもよぉ………」

魔法使い「……………」

マオ「……………」

遊び人「…………」

戦士「…………」

戦士「あっちぃ……」

遊び人「だから喋るなと」

戦士「でもよぉ……」

マオ「…………」

魔法使い「…………」

遊び人「…………」

戦士「…………」

戦士「…………」

戦士「…………」

戦士「あっちぃ…」

………………………………

戦士「ここ……いまどこなんだ」

マオ「まだ砂漠に入ってそう経っていないだろう。 街までしばらくあるな」

戦士「おいおいマジかよ……勘弁してくれよ……」

遊び人「はぁ……はぁ……洒落にならんぞこれは」

戦士「水……水……」

マオ「待て、いたずらに飲みすぎるな!」

戦士「……はぁ……もう限界……」ゴクゴクッ

戦士「んくっ……あれ……? おい、嘘だろ」

遊び人「なんじゃ?」

戦士「……水筒の中身が空になっちまった」

遊び人「なんじゃともう飲んでしまったのか」

マオ「……先はまだ長いんだぞ」

戦士「ど、どうしようマオ」

マオ「……………」

マオ「私のをやる。 これでもう無駄に飲むなよ」

戦士「いいのかよ?」

マオ「仕方がないだろう? 私は頑丈だから水くらい飲まなくてもすぐには死なん」

戦士「わりぃ、さんきゅー」

魔法使い「……マオ」

マオ「心配するな。 本当に平気だ」

魔法使い「……………」

マオ「それにどうしようもなくほしくなったら少し分けてもらえるか?」

魔法使い「……うん」

………………………………


マオ「もう陽が暮れるのか」

戦士「はえぇな……テントはるか」

魔法使い「……この砂場じゃペグを挿せない」

遊び人「そうじゃな……せめて岩場でもあればいいのだが……」

マオ「…………」

戦士「…………」

魔法使い「……一面砂しかない」

遊び人「困ったのぅ」

マオ「仕方がない、もう少し先にすすもう」

戦士「だよなぁ……」

魔法使い「……これだけ風が強いのにテントがなかったら体力が奪われるだけ」

遊び人「過酷すぎるわぃ……」

……………………………………

~砂漠夜~


マオ「ダメだ、もうテントは諦めて休むぞ」

戦士「なんでだよ!」

遊び人「もう陽も完全に落ちる。 このままでは先も見えず魔物に襲われてじり貧になるだけじゃ」

マオ「陽の出と同時に出発する。 早く休もう」

戦士「ちぇ……」

戦士「あー……風呂入りてぇ髪がごわごわだ」

魔法使い「……もう少しの我慢」

戦士「しょうがねぇなぁ……」

遊び人「……はぁ」


マオ(もう誰も冗談を言える気力もない、か)

戦士「さみぃなぁ……もぅ……」ガタガタ

魔法使い「……うぅ」

遊び人「これは想像以上じゃ……」

魔法使い「……暖も取れないなんて」

マオ「…………」

戦士「みんな、固まって寝ようぜ。 このままじゃ凍死しちまう」

遊び人「あぁぁあぁ……賛成じゃぁ…… 真っ先に死ぬのはわしじゃなこれは」

魔法使い「……縁起でもないこと言わないで」

戦士「やべぇぇぇぇえぇぇぇさみぃぃぃぃぃぃ」

戦士「誰か……寝たか……?」

魔法使い「……おばあちゃんは眠れてる」

戦士「うらやましいぜ……寒過ぎてねむれねえよぉ……」

マオ「これは人間には酷だな」

戦士「なんでお前そんな平気そうな顔してんだよ」

マオ「……鍛えているからな」

魔法使い「……理解不能」

戦士「どんな修行してきたんだっつぅの……」


戦士「ああぁぁぁちくしょー……ほんとにさみぃ」

戦士「街に着いたらあったかいココアがのみてぇ」

マオ「しっ…! なにか聞こえないか」

戦士「なんだよなにかって」

マオ「…………なんだこの音は」

魔法使い「……本当だなにか聞こえる」

マオ「……段々と大きくなってきたな」

魔法使い「……地響きまでする」



ゴゴゴゴゴゴゴ…………



戦士「おいおいおいおい! なんかやばくねえかめっちゃデカくなってきたぞ!」

マオ「ババア起きろ!」

遊び人「はにゃ…?」

魔法使い「……なにかが来る!」



ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご

ドバアアアアアアアアアアアアアア!!!!



マオ「逃げろ!! ワジだああああ!!!!」

戦士「お、おい!! なんだよワジって!!」

マオ「説明している暇はない!! 走れ!!」

魔法使い「に、荷物が!」

マオ「捨て置け! 死ぬぞ!!」




ドバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア



戦士「み、水の濁流!?」

マオ「くそ!! 砂漠の谷間にいたのがまずかった!!!」

遊び人「なんじゃああああ!?」

マオ「早く砂の山を登れ! 飲み込まれるぞ!」

戦士「畜生! 走りづらい!!」

遊び人「もうダメじゃぁ追いつかれる!!」

魔法使い「マオーーーーー!!!」

マオ「くそっ!! みんな手を!!」

遊び人「届かん!!」

戦士「畜生!! お前だけでも助かれ魔法使い!!」ガシッ

魔法使い「戦士ッ!!?」フワッ

戦士「受け止めろマオオオオオ!!!!」ブンッ

マオ「……ッ!!」




ドオォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ



ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


魔法使い「……はぁ……はぁ……はぁ………」

魔法使い「……みんな……水に飲まれちゃった……」

マオ「くそっ!!」

マオ「氷の壁を作れ! 凍結上級魔法!」


パキパキパキパキパキパキパキパキパキ!!!!


マオ「今助けるぞ!!!」

魔法使い「ま、マオ!!」

マオ「魔法使いはそこで待ってろ!!」


マオ「助け出してみせるぞ!」

マオ「くっ……! どこにいる!!」

マオ「水の勢いを止めようにも戦士たちがその中にいることを考えたら迂闊なことは出来ない!!」

マオ「水流の先で防御魔法を張って水ごと戦士たちを受け止めるか!?」

マオ「いやだめだそんなことをしていればあいつらが防御魔法に触れた衝撃で死んでしまう!!」

マオ「…………死ぬ……あいつらが?」

マオ「……そうか……あいつらはこのままでは溺れて死ぬのか」

マオ「……どうせ水の中で死ぬというのなら……私が殺そう」

魔王「……それが救いになるのなら!」

ちょっと休憩

あと1回分で今日の更新は終わりにします

前の話だけど、アンがエルフ女王の娘だっていう描写あった?いきなりマオが言い出してびっくりした

>>525
あぁごめんなさいしてませんでした
実はそこ内容をオリジナルにするかゲームに沿っていくかで迷っていたんです
省くとこ全部省いたら省きすぎてましたねすいませんでした

魔王「人間とは魔物に殺されれば蘇生が可能だと聞く」

魔王「ならば私が人間ではなく魔王として水よりも早く殺すことが出来たのなら」

魔王「奴らは生き返ることが可能」

魔王「ふっ、我ながら人間の姿になりすぎて魂が人間に近づきでもしたか」

魔王「魔の王として情けない限りだ」


魔王「ふぅ……許せよ2人とも」

魔王「出来るだけ楽に殺してやる!」



魔王「水など無に等しいな。 暗黒爆裂魔法」


シュンッ


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


魔王「……これが死体か」

魔王「それぞれ下半身と顔しか無いのにちゃんと見分けがつくものだな」

魔王「自分で殺しておいてなんだが良い気分ではないな……いや、最悪の気分だ」

魔王「これを……仲間だと思っているのだな私は」

魔王「……魔王と人間の境界で揺れているのか……なんとも情けない」


魔王「……しかしこの死体をどうするか」

魔王「私では生き返らせることは出来ぬ……」

魔王「……そもそもこの人型ではなくなった2人を魔法使いになんと説明するか」

魔王「いや……そんなものはどうでも良いではないか」

魔王「殺して街まで吹き飛ばせば簡単ではないか」

魔法使い「…………マオ………お願い……お願いします……」

魔法使い「……2人を助けて……」

魔王「その2人とはこれのことか?」

魔法使い「へ……?」

魔王「くれてやる」


ドサッ


魔法使い「……ひっ!」

魔王「どうしたその目は? 信じられないといった眼をして」

魔法使い「……あなたが……殺したの……?」

魔王「そうだが?」

魔法使い「……ま、マオは……マオはどうした……の……」

魔王「あの少年か? そこらへんに転がっているのではないか?」

魔法使い「…………へ?」

魔王「ふぅむ? なんだ貴様等は仲間か」

魔王「ならばお前もあの世へ送ってやろう」

魔法使い「うっ……ひっく……んぐ……っ……」ボロボロ

魔王「安心しろ。 運よく誰かに見つけてもらえれば生き返られるだろうよ」

魔法使い「……魔物が……絶対に許さない……」

魔王「…………」

魔法使い「よくも……よくもみんなを……マオを………うっ……」

魔王「…………」ガシッ

魔法使い「……マオ………マオ………」

魔王「…………」

魔法使い「どうして……助けてくれなかったの……」

魔王「………………」


ゴギャァッ!!


ドサッ


魔王「すまないな……こんな方法でしか助けられなくて」

魔王「私は…… 魔王…… 人間ではないのだ……」

今日の更新はおしまいにします

どうしても自分の頭の中で考えていることをすぐにかきたがるから内容が薄いんだなぁ……
もうちょっとしっかり書けばよかったと後悔してます


いつもレスありがとうございます何か質問とかここ変だぞっていうのがあったら言ってください補足します

魔法使い「………はっ!!」

魔法使い「………ここは?」

マオ「………大丈夫か?」

魔法使い「マオ………?」

マオ「………そうだぞ」

魔法使い「マオだ………マオ…マオ………生きてる………」ボロボロ

マオ「あぁ、生きてるよ………」

魔法使い「よかった………マオ………よかったよぅ………」ギュッ










ぬちゃっ



魔法使い「……!?」

魔法使い「マオ………すごい怪我してる……!!」

マオ「大丈夫だ……まずはみんなを生き返らせる……そのあとで遊び人にゆっくり直してもらうさ」

魔法使い「ど、どうしてそんなケガを……!?」

マオ「はぁ………俺らをやった魔物にやられた…… やられたフリをして過ぎるのを待ってからみんなを回収したんだ……」

魔法使い「一人でみんなの死体をここまで運んできたの……?」

マオ「そうだ……」

魔法使い「そんな……そんな辛いこと……うぅっ………ありがとう………マオ………」

マオ「……もう泣くな、生き返ってよかった」

あ、書き貯めようと思ってたのに送ってしまいました

出先なので合間合間に少しずつ書いてますので今日の更新はあまり期待しないでください

魔法使い「みんなはまだ……?」

マオ「あぁ、今から生き返らせてもらう」

魔法使い「……………」ソッ

マオ「みるな!」

魔法使い「………ひっ!?」ビクッ

マオ「はぁ……だから見るなと…」

魔法使い「うっ………おえぇ………」

マオ「……大丈夫か」サスサス

魔法使い「マオは……どうして大丈夫なの………?」

魔法使い「戦士……顔しか残ってなかった………おばあちゃんなんか……足しか…」

マオ「もうやめろ」

魔法使い「うっ……おぇ……」

マオ「すいません、残りもおねがいします」


「神よ、迷える子羊である戦士と遊び人の命をここに呼び戻したまえ」


………………………………………




戦士「そんなことがあったのか……水に飲まれてて全く分かんなかったぜ」

遊び人「……マオには感謝してもしきれんな」

戦士「ありがとな、マオ」

マオ「あぁ……気にしないでくれ…… むしろ助けられなくてすまなかった」

魔法使い「そんなこと! そんなことないよ……? 私達は感謝してもしきれないくらい……」

戦士「死体3つ抱えながら一人でここまで来るとか……考えただけで気が狂いそうだぜ……」

遊び人「……はぁ、そうじゃな」

魔法使い「うっ……うぇぇ……」

戦士「お、おいどうした! 大丈夫か魔法使い!?」

マオ「……さっき死体の戦士と遊び人を見てしまったんだ。 お世辞にも綺麗な状態ではなかったからな」

遊び人「水の中で即死するほどの威力だったんじゃからの…… どんな肉塊になり果てていたやら」

戦士「あ………」

魔法使い「……ごめんなさい…ごめんなさい………弱くて……………ごめんなさい」

戦士「強い弱いなんか関係ねえよ…… 誰だってショック受けて当然だろ……」

遊び人「そうじゃな、ショッキングなものを見せてしまったな」

魔法使い「そんなこと……私なんかどうでもいい……」

魔法使い「マオが……どんな辛い気持ちでここまで……わたし達を運んできてくれたのか…………なのに私はこんなことで…」

マオ「気に病むことじゃないぞ。 みんなが助かるかもしれないと考えられるだけで私は頑張れたのだ」

マオ「だから………その………ありがとう。 生きててくれて」ポン

魔法使い「うぅ………マオ……助けてくれて……ありがと………」

……………………………
…………………
………





遊び人「……本当はわしらを殺したのは貴様なのじゃろう」

マオ「……そうだ。 そうしなければ助けることはできなかった」

遊び人「じゃが! なにも魔法使いまで[ピーーー]ことではなかろう!」

マオ「………………」

遊び人「貴様はそこまで魔王という正体を隠すことが大事だと考えておったのか!? 貴様は魔法使いを好いておるのだろう! なぜ殺した!」

マオ「………………」

遊び人「分かっておるのか? お前は一瞬とはいえ彼女に貴様が死んだと思わせたのだぞ」

遊び人「それどころか辛い思いをさせながら死体を引きずらせて申し訳ないとまで思わせている! その本人が殺したことを知らずにな!」

マオ「……黙れ」

遊び人「自分の正体の嘘をつき続けているだけでなく、自分が殺したことをも隠して騙しておるのだぞ!!」

マオ「……黙れと言っている」

遊び人「貴様は魔法使いではなく、自分の身が可愛いだけなのだな」

マオ「…………そんなこと分かっている。 だからもう黙れ」

マオ「私は怖いのだ」

マオ「何かを失うのが怖いと思ってしまった」

マオ「貴様らを失いたくないと思ったことにまず驚いた。 そして貴様らを失うのが怖かった。 だからあのような手を使って助けた」

マオ「そして私は貴様らの死体を手で掴みながら思った。 魔王であることを魔法使いに知られるのが怖いと」

マオ「魔法使いが……私を憎み恐るのではないかと……怖くなった」

遊び人「………………」

マオ「あの子が私の胸の中から離れていくのが怖くなった。 だから私の正体を隠した」

遊び人「……愚かじゃ」

マオ「気づかれぬようにするため魔法使いの頭を握り潰すために手をかけた」

マオ「その時魔法使いは助けられなかった私を恨んでいた」

マオ「いや、恨んでいたかは定かではないが…… とにかく助けると約束した私を信じていたのだ。 それを裏切っていたことに気がついた」

マオ「私はあの子に裏切られたと感じさせてしまったことが怖くなった」

マオ「しかし、生き返らせたあの子の口から、助けてくれてありがとうと言われてしまった」

マオ「あの子は、魔王ではなくマオという人物に恋をしていることに気付いた」

マオ「私は自分が人間ではないことが怖くなった」

マオ「私は……なぜ魔王なのだと自分を恨んだ」

遊び人「……それで? お前はどうしたいのじゃ」

マオ「さぁな分からぬ」

マオ「ひとつ言えるのは……魔法使いも……貴様等も失うのが怖くなったということだ」

遊び人「……ふん。 情けないのぅこんなのが魔王だと皆が知ったら仰天するじゃろうて」

マオ「………なにが魔の王なものか。 ただ魔物の中で一番力が強いだけの傀儡よ」

遊び人「わしらの誰もを失わせたくないと言うのなら、そしてその通りにするのならば」

遊び人「わしらは魔王をいずれ殺すところまで到達するぞ?」

マオ「………そうだな」

マオ「それが……今の半端モノの私の望みなのかもしれぬ」

マオ「……一度愛する者をこの手で殺したのだ。 愛する者に殺されるのなら……悔いはない」

ちと休憩します

ションボリマオくん書いたのでテンション下がっちったよ

………………
…………
……


マオ「少し疲れた……宿で休ませてくれ」

魔法使い「……マオ…………」

遊び人「一緒にいてやれ」

戦士「私らも後で行くからよ」

魔法使い「……分かった」


遊び人「…………」

戦士「マオのやつ……大丈夫かね」

遊び人「さぁな? 力はあるくせに心はよわっちぃからのぅあいつは」

………………………………


マオ「…………」

魔法使い「マオ…… 入るね」

マオ「……あぁどうぞ」

魔法使い「…………」トコトコ

魔法使い「………………」ギュ

マオ「…………」

魔法使い「…………」

マオ「…………」ナデナデ

魔法使い「……………」

マオ「………………」

魔法使い「……マオの胸、貸してくれるんだよね」

マオ「……前にそう言ったな」

魔法使い「…………うっ……ひっくっ……」

マオ「…………」

魔法使い「……約束、守ってくれた。 助けてくれた」

マオ「いや……」

魔法使い「……やっぱりマオはかっこいい」

マオ「そんなこと、ないさ」

魔法使い「…………」

魔法使い「どうして……泣いてるの?」

マオ「……泣いてなんかないぞ」

魔法使い「……嘘。 心は泣いてる」

マオ「…………」

魔法使い「……よしよーし」ポンポン

マオ「ふっ……なんだそれは」

魔法使い「……マオは私が辛くなったら胸を貸してくれる」

マオ「いつも飛び込んでくるもんな」

魔法使い「……じゃあマオは辛くなったらどうするの」

マオ「……さぁな」

魔法使い「行くあてが無い?」

マオ「……考えたこともなかった」

魔法使い「……じゃあ私の胸を貸してあげるね」

マオ「……なんだそれ……年下にそんなこと言われるとはな」

魔法使い「……私じゃ、マオの力になれない?」

マオ「……いやそういうつもりで言ったんじゃない」

マオ「頼っても……いいのか?」

魔法使い「……うん。 おいで」

マオ「…………」

魔法使い「…………」

マオ「あったかいな」

魔法使い「……でしょ」

マオ「魔法使いはいつもこんな気持ちだったのか」

魔法使い「……幸せになれる」

マオ「……本当だな」

魔法使い「……安心するね」ナデナデ

マオ「あぁ……」ギュ

魔法使い「…………」

マオ「……胸がドキドキ言ってるぞ」

魔法使い「……生きてる証拠」

マオ「そうだな」

魔法使い「マオが助けてくれた命」

マオ「…………」

マオ「……違うんだ………」ギュッ

魔法使い「どうしたの……?」ナデナデ

マオ「違うんだよ……魔法使い……」

魔法使い「……うん?」

マオ「……………くっ………うぅ……」

魔法使い「………よしよし」

マオ「…………」

魔法使い「……言いたいこと、あるの?」

マオ「……なんで分かるんだよ… でも言えない」

魔法使い「……私でも、だめ?」

マオ「……あぁ、すまない」

魔法使い「……そっか」

魔法使い「別にいいよ……」

マオ「……すまない」

魔法使い「………ぐすっ…どうして……私には言えないの……」ボロボロ

マオ「……ごめん」

魔法使い「……マオの全部知れないじゃん」

マオ「……そうだな」

魔法使い「……つらいよ……」

マオ「…………ごめん」

魔法使い「……ひどいよ…!」

マオ「……そうだな」

魔法使い「………胸、貸して」ギュッ

マオ「…………」

魔法使い「………ねぇマオ」

マオ「……うん」

魔法使い「……ごめんなさいひどいこと言って」

マオ「いや……俺が悪い」

魔法使い「……マオも、隠してるの辛いもんね」

魔法使い「……私のために話さないでいてくれてるんだよね」

マオ「そんなこと……」

魔法使い「……ありがとうね」

マオ「…………」

魔法使い「……マオも辛いのに、ごめんね」

マオ「………いいや」

魔法使い「……いつも、私のことを一番に考えてくれるマオが好き……」

マオ「……胸を貸せ」

魔法使い「……うん」

魔法使い「ねぇ……2人同時に辛くなったらどっちがぎゅーしようね」

マオ「……2人で抱きしめ会えばいいんじゃないか」

魔法使い「……そうだよね」

マオ「……おいで」

魔法使い「……マオ!」ギュッ

マオ「飛びこむな! 危ないだろ」

魔法使い「……すき」ギュ

マオ「……俺も好きだぞ」ギュー

魔法使い「ねぇ……? 今のって喧嘩かな」

マオ「……どうだろうな」

魔法使い「……プチ喧嘩」

マオ「……魔法使いが泣いただけだろ」

魔法使い「……仲直り」

マオ「喧嘩なんかしてないって」

魔法使い「……仲直りっ」

マオ「だから」

魔法使い「仲直りなのっ!」

マオ「分かった分かったから怒るな」

魔法使い「……ばかぁー!」チュ

マオ「……怒りながらキスは器用だな」

魔法使い「……仲直りのちゅーは大事」

マオ「そうなのか?」

魔法使い「……そう前に読んだ本に書いてあった」

マオ「へー」

魔法使い「……でもその本にはそれから続きは書いてなかったの」

マオ「ん?」

魔法使い「……私たちはどうやって続きを過ごすのかな」

マオ「……こうだろうな」ガバッ

魔法使い「~~! カーテン閉めて……」

…………………………


魔法使い「ま、マオ……大変」

マオ「うん?」

魔法使い「……荷物が全部流されちゃった」

マオ「そうだな」

魔法使い「……そこに着替えがたくさん入ってた」

マオ「あぁ……そうか」

魔法使い「……下着の代えが無い」

マオ「…………」

魔法使い「……そのパンツ履くしかない」

マオ「あー……やめた方が良い洗濯に出そう」

魔法使い「……!? どうして!」

マオ「……あんだけ濡らしておいてまたこれを履くのか? さすがに汚いだろう」

魔法使い「で、でもそれがないと街に出られない……」

マオ「何を言っている? 履かなくてもいいだろう」

魔法使い「………え」

マオ「日用品くらいは今日のうちに買わないとまずいだろう。 街に行くぞ」

魔法使い「ま、待ってマオ! だから下着が!」

マオ「……買うまで我慢しろ」

魔法使い「……ひ、ひどいよ!!」

マオ「……濡れすぎるのも考えものだな」

魔法使い「……ばか!」

マオ「いくぞ」

魔法使い「……ちょっと、だめだよ」

マオ「ほら、階段降りるぞ」

魔法使い「ま、待って手を引っ張らないで!」

魔法使い「……~~///」

マオ「なにをそんなワンピースの裾を抑えてどうした」

魔法使い「……マオのばかぁ!」

マオ「……今までで一番元気だな」

魔法使い「……中がスースーする」

マオ「だろうな」

魔法使い「……お腹冷えちゃう」

マオ「そうだな」

魔法使い「……子供産めなくなったらどうするの」

マオ「俺の子を産みたいのか?」

魔法使い「………ばか」ベシッ

マオ「そういうことをすると裾がほら」ヒラッ

魔法使い「……ッ!?」バッ

マオ「ふははははは」

魔法使い「……!!」カアッ

マオ「……楽しい」

魔法使い「……んー!!」ベシベシッ

マオ「……なぜ腕にしがみつく?」

魔法使い「……マオが悪いことしないように」

マオ「ふむ? ところで話が変わるが顔が真っ赤だぞ」

魔法使い「……変わってないから」

魔法使い「……早く下着屋行きたい」

マオ「……後回しにしよう」

魔法使い「だめ! 絶対!」

マオ「……腕に爪が食い込んでいるぞ」

魔法使い「……やっとついた」

マオ「おぉ、桃源郷か」

魔法使い「……なんかひとつ適当に買ってくる」

マオ「まぁ待て、じっくり選んだほうが良いだろ?」

魔法使い「離して! マオの意地悪ッ!」




魔法使い「……履いてくる!」

マオ「いってらっしゃい」

魔法使い「……マオのばか」

魔法使い「……!」

魔法使い「……え?」

魔法使い「嘘……すごい濡れてる……」

魔法使い「……おかしいよ、こんなので濡れるなんて……」

魔法使い「……私って変態なのかな」

魔法使い「……マオのせいだからね」

魔法使い「……もう変な気持ちになっちゃったじゃん……」

………………
…………
……


魔法使い「……やっと宿ついた」

マオ「結構買うもの多いな」

魔法使い「……これでも最低限のものしか買ってない」

マオ「……女の子ってのは大変だな」

魔法使い「……そう」

マオ「なぁ、ところでさ魔法使い」

魔法使い「……うん?」

マオ「さっき下着を履きに行った時、やけに時間かかったんだけどなにしてたの?」

魔法使い「………! なにもしてない!」

マオ「……なんかやけに顔が真っ赤になってたけど」

魔法使い「……なんでもないから!」

マオ「自分でするより俺にされた方が気持ちよかったろ?」

魔法使い「……うるさい///」

マオ「試してみるか」

魔法使い「……!! マオは猿!」

もう寝ますおやすみなさい

エロのセンスねえなヲイ
いやSSのセンスがだけどさ

改めて、暴言、嵐は全スルーでお願いします
僕の方からもアナウンスはこれでもうしませんので

…………………………………………


戦士「お、なんだよもう元気そうだな」

魔法使い「……うん、もう大丈夫」

戦士「心配したぞー?」

マオ「あぁ、すまないな。 もういつも通りだ」

戦士「へっそいつは何よりだ。 リーダーがしけた面してたらこっちまで気分が萎えちまうからな」

遊び人「そんなことよりほれ、買い物行ってきたぞ」

魔法使い「……わっ、ありがと」

戦士「これは私からお土産。 うまそうだから食おうぜ」

マオ「……なんだこれ」

遊び人「蠍の揚げ物じゃ」

魔法使い「……っ!!?」

魔法使い「まおだめ! これ毒入ってる!」

戦士「平気だって! 私らさっき食ってみたしうまかったぞ」

魔法使い「…………」

マオ「蠍って知って食べられなくなってしまったらしい」

遊び人「情けないのぅ」

魔法使い「……おいしい」

戦士「だろぉ!? ジューシーなんだよわけわかんねぇよな」

魔法使い「……意外」

遊び人「そうじゃあと重要な話がある」

マオ「ん?」

遊び人「なにやら次の街へ渡るためにはこの街の女王の許可がいるそうなのじゃ」

魔法使い「……なら許可をもらいに行けばいい」

戦士「それがよぉ、他の冒険者たちによると許可を出すためにはなんか条件を出されるらしいぜ」

マオ「条件?」

戦士「そ。 なんでもピラミッドの財宝を見つけろ、だとかなんとか」

魔法使い「……ピラミッドってなに」

遊び人「ここから北へ向かったところにある石の建造物だそうじゃ。 なんでも代々の王家の墓らしいぞ」

戦士「そこに財宝が眠ってるんだと」

マオ「……なら準備をしたら行ってみるか」

魔法使い「……お墓だよ? お化けが出るかもしれない」

マオ「平気だろ。 死体よりは怖くないと思うぞ」

魔法使い「……どっちもだめ」

戦士「じゃあ魔法使いはここでお留守番だな」

遊び人「残念じゃのぅその間にマオはわしらのものになるわけじゃ」

戦士「なにいってんだよ婆さん! 私のもんだから!」

マオ「誰のものでもないが」

戦士「じゃ、そういうわけだから」

遊び人「お化けが怖い魔法使いはそこで震えて待っておれ」

魔法使い「…………」

魔法使い「……やっぱり行く」


戦士(ちょろいなー)

マオ(ちょろい)

遊び人(あとで脅かそう)

………………
…………
……

~ピラミッド~



マオ「これか」

戦士「え、まじ?」

遊び人「なんじゃこの大きさは……」

魔法使い「……すごい……これ全部レンガなの」

戦士「作るのに何年かかるんだっての」

遊び人「あんなデカい石を一体いくつ積んでるんじゃ…… 腰が砕けるわ」

魔法使い「……気が遠くなる話」

マオ「中に入ろう」

魔法使い「……うん」

遊び人「わしも中に入るならこんな豪華なものがいいのぅ」

戦士「墓に入る話じゃねえよ!」

魔法使い「……おばあちゃんのボケは分かりづらい」

戦士「分かりづらいか!?」

魔法使い「……?」

魔法使い「それにしてもこんなところで王家が代々眠っているとは……とんだ金持ちじゃのぅ」

戦士「どんだけデカい墓がうらやましいんだよ婆さん」

マオ「……墓をあばきに来たやつの墓にもなってるだろうが」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 関係ない死体もゴロゴロか」

魔法使い「…………」

戦士「死体もいっぱいならお化けもいてもおかしくないだろうなー」

魔法使い「…………」

遊び人「死体が動き出して襲ってくるかもしれん」

魔法使い「………………」

戦士「目が無いゾンビがわーって襲ってくるのか!」

魔法使い「………………」

遊び人「わっ!!」

魔法使い「きゃぁっ!!」ガバッ

マオ「……………」ピクピクッ

魔法使い「………マオ?」

マオ「ヴァーーー……」ユラリ

魔法使い「……ひっ!!」

戦士「マジビビりしてるからもうやめてやれよお前ら」

魔法使い「…………」

戦士「おい、怒っちゃったぞ魔法使い」

遊び人「どうにかせんか若造」

マオ「ババアが脅かすからだろ」

遊び人「とどめをさしたのはお前じゃろうが!!」

魔法使い「……マオなんて知らない」

遊び人「あーあ」

マオ「………」

戦士「なぁ1人でどんどん行ったらあぶねえぞ魔法使い」

遊び人「そうじゃぞ。 わしらが悪かったから戻って来い」

魔法使い「………ふん」

戦士「だから先行くなって!」

魔法使い「……マオのばか」スタスタ



カチッ



魔法使い「……?」



ガコンッ


ふわっ



魔法使い「……え」


戦士「魔法使いぃ!!」

マオ「ちっ!」ヒュンッ



ガシッ


戦士「マオ!!」

魔法使い「……!」

マオ「しっかり捕まっていろ!」


ガゴォォォン


戦士「おいおい……どうするマオたち穴に落ちちまったぜ」

遊び人「……マオがついているから大丈夫だとは思うが…… 下に降りる別の道がないか探すぞ」

戦士「了解」

戦士「っていうかトラップあるなんて聞いてねえぞ…… 墓にトラップとかどんだけだよ」

遊び人「死に場所に遊び心があるとは……気にいったぞ」

戦士「婆さんここで死ぬなよー」

マオ「無事か?」

魔法使い「……うん、大丈夫」

マオ「……はぁ。 結構落ちた気がするな」

魔法使い「……穴もふさがってる」

マオ「歩けるか?」

魔法使い「……平気。 出口を探そ?」

マオ「そうだな」

魔法使い「……マオ、これって」

マオ「ここで死んだ人間の骨だろう」

魔法使い「ダンジョンってこんなにいっぱいあるの……?」

マオ「………」

魔法使い「至る所に骨が……」

マオ「確かに多いな」

魔法使い「……ねぇ、マオ…… もしかして出口が……」

マオ「あるはずだ。 なかったら作る。 天井をぶち抜くだけだ簡単じゃないか」

魔法使い「……強引」

魔法使い「……でも安心する」ピトッ

マオ「………とりあえず行くぞ」

マオ「…………」

魔法使い「……出口、ないね」

マオ「……そんなことはないだろう」

魔法使い「……マオ、そこの壁見て」

マオ「うん?」

魔法使い「正の字いっぱい掘られてる」

魔法使い「きっとこの死体だった人が生きてる間にここで何日も掘り続けてたんだよ」

魔法使い「……ここから出られなくて」

マオ「………」

マオ「もう天井をぶち破るか」

魔法使い「……うん」

マオ「……ぶち抜け。 暗黒衝撃魔法」



しかし何も起こらなかった。


マオ「………!?」

魔法使い「……どうしたの?」

マオ「……魔法が発動しない!」

魔法使い「……え?」

マオ「……ちっ! 暗黒爆発魔法!」



しかし何も起こらなかった。



魔法使い「……私もやってみる」

魔法使い「……爆発魔法上級、イオナズン」



しかし何も起こらなかった。



魔法使い「……魔法が使えないなんて」

マオ「厄介な場所に閉じ込めてくれたものだ」

魔法使い「……どうしよう」

マオ「力でこじ開けるのは簡単だが、この建物が崩れる可能性があるからな、これは最終手段だ」

マオ「……もう少し探索してみるしかないだろう」

魔法使い「……うん……分かった」

魔法使い「奥の方にいったらなにかあるかな」

マオ「いってみよう」

………………………………


マオ「これは」

魔法使い「……宝箱」

マオ「開けてみるか」

魔法使い「………黄金の、爪?」

マオ「……爪だな」




ガゴォン



魔法使い「……! マオ今のって」

マオ「何かが開く音がしたな。 これが答えか」

魔法使い「……よかった。 この爪綺麗だなぁ」

マオ「つけてみたらどうだ?」

魔法使い「……うん」カチャッ

魔法使い「わぁ……綺麗」

マオ「……そうだな」

マオ「じゃあ音のした方へ行くぞ」

魔法使い「……うん」

魔法使い「……出られるんだね、よかった」

マオ「………待て」

魔法使い「………うん?」




ヴァーーーー………

アァァーーー………



マオ「……魔物だ」

魔法使い「……なにこれ、地面から魔物がどんどん出てくる」

マオ「死体の魔物か。 趣味が悪いな」

魔法使い「……骸骨もいる」

マオ「倒すぞ。 下がっていろ」

魔法使い「……うん」

マオ「はぁっ!!!」


ズバァァァァン



マオ「ふっ!!」


ズバァァァン


魔法使い「マオ! どんどん増えてる!」

マオ「ちっ倒しても沸いてくるな」

魔法使い「囲まれた!」

マオ「なんなんだこの魔物の多さは…… 規格外だぞ」

魔法使い「……逃げ場、ないよ……」

マオ「…………」

休憩にします

夕方に更新すると思います

マオ「走れ!!」


ズバァァァァン



魔法使い「……マオ、突っ込んでも囲まれちゃう」

マオ「囲まれる前に突破するしかないだろう」

マオ「出口まで最短距離で走り抜ける」




ヴァーーーーーーーーー


魔法使い「……ひっ…!」

マオ「よそ見をするな! 私の背中だけ見ていろ」

魔法使い「……うん!」

マオ「はあぁぁっ!!!」


スパンッ
スパンッ


魔法使い「……なんて早さなの。 本当にマオの強さは異常だ」

マオ「口を動かしていたら舌を噛むぞ!」

魔法使い「…………」

マオ「どけええええッ!!」

戦士「だめだ、下へ行く道なんかねえよ……」

遊び人「むぅ……困ったのぅ」

戦士「あいつら大丈夫かな」

遊び人「脳筋バカがついておるからな。 そのうち地面から天井突き破って出てくるじゃろ」

戦士「あぁー……マオならやりそう」

遊び人「巻き込まれたら死亡確定じゃな」

戦士「こえぇ……あいつといないと違う意味でこえぇよ……」

遊び人「あやつらなら自力でなんとかするじゃろうからわしらはピラミッドの上を目指すかの」

戦士「財宝探索だな」

遊び人「財宝… 金… スロットじゃああああ!!!!」

戦士「ほんとだめだなこの婆さん……」

遊び人「777じゃあああああ」

戦士「おい! 一人で行くなって! また魔法使いみたいに罠にかかっちまうぞ!」

マオ「ちっ!! 数が多すぎる!!」

魔法使い「……人が通れる隙間もないよ」

魔法使い「……囲まれちゃう」

マオ「……えぇいめんどくさい」

マオ「舌を噛むなよ」ヒョイッ

魔法使い「……へ?」

マオ「ふんっ!!!」




ドゴオオオオオォォォォォォォォ!!!!


ヴァアアアアアアアアアアアア!!!



マオ「じゃあな死体ども」

魔法使い「……最初っからこうやってた方が早かった」

マオ「まぁそういうな。 ピラミッドを壊さないように天井だけぶち抜くのは難しいのだ」

魔法使い「……意味わからない」


魔法使い「……ねぇ、財宝ってなんなのかな」

マオ「……知らない」

魔法使い「……マオは夢がない」

マオ「じゃあ魔法使いはなんだと思う?」

魔法使い「……お金」

マオ「魔法使いは現実的だな」

魔法使い「…………」

魔法使い「……戦士たちいない」

マオ「おそらく上にいったんだろう。 私たちも上に向かうぞ」

魔法使い「……次は上からぶち抜く?」

マオ「そうだなそっちの方が早いかもな」

魔法使い「……え?」

マオ「いくぞ」

魔法使い「……ま、待って、冗談でしょ!」


マオ「しっかり掴まっていろ」ガシッ

魔法使い「……ありえない! マオのばか!」



ヒュゥゥゥゥゥゥン

戦士「うーんどうしたもんかね」

遊び人「これはお手上げじゃな。 うんともすんとも言わんわい」

戦士「どうやったら開くんだこの門は」




ドォォォォォォォォン



戦士「っ!? なんだ!?」


シュタッ


マオ「ほらみろ、こっちの方が早いぞ」

魔法使い「…………ばか」

戦士「マオ!?」

遊び人「何をやっとるんじゃ」

マオ「地下に閉じ込められて出口がなくてな。 魔物に襲われていた」

魔法使い「……だから天井ぶち抜いてそのままぶち抜き続けてここまで来た」

魔法使い「……本当に最悪」

戦士「ありえねーダンジョンの意味ねえじゃん」

遊び人「遊び心がないのぅ」

マオ「……ふんっ、力こそ正義だ」

マオ「で、何事だ」

戦士「あぁ、このドアが開かなくてよ」

遊び人「なにか開くための仕掛けがあるはずなんじゃが」

マオ「ふむ……」

戦士「わかんねー」

遊び人「一通り探索したのじゃがこのフロアにはそれらしきものがなくての」

戦士「なんか丸いボタンみたいなのがあったんだけど押してもなんもなんねえんだよ」

マオ「丸いボタン?」

遊び人「そうじゃ。 壁に取り付けられたボタンが東と西にそれぞれ2つずつあってな」

マオ「そうか」

戦士「………」

戦士「待てよ? 丸いボタンが東と西……」

遊び人「ん? どうしたのじゃ?」

戦士「なぁ! 街の子どもが歌をうたってたよな!」

遊び人「あーあのわんぱく小僧たちか」

戦士「えっと……確か……まんまるボタンが……」

戦士「あーだめだ! 思い出せねえ!!」

遊び人「そこからが重要なんじゃろうが」

戦士「婆さんも聞いてたんだろうが! 思い出してくれよ」

遊び人「歳を取ると物忘れが激しくなるんじゃ!」

戦士「こういう時だけ老人面しやがって!!」

戦士「えぇっと……まんまるボタンが東と西……?」

戦士「だめだ覚えてねえよ!」

マオ「ふむめんどくさいな」

魔法使い「……マオ? だめだよ」

マオ「ぶち抜けばいいんだろう」

魔法使い「だめ!」

マオ「せいやぁっ!!」シュンッ


ドゴォォォォォォォォン!!!!



マオ「…………」

戦士「まじかよ! マオの攻撃で無傷だと?」

遊び人「頑丈じゃなー。 防御魔法でも施された門なのかもしれんな」

魔法使い「マオ、諦めよ? 壊してばかりじゃご先祖様に怒られちゃうよ」

マオ「…………」

マオ「ふはははは! 私に本気を出させようとはいい度胸だな門よ」

魔法使い「……マオ」

マオ「ぶち抜いてみせるぞ! お前を!!」


魔法使い「……はぁ」

戦士「なんか変なスイッチはいっちゃったな」

遊び人「やはり脳筋じゃな」

魔法使い「……天井を貫いてからハマってしまったみたい」

マオ「道を開けろ」

マオ「……はああぁぁぁあぁっ!!!」

戦士「武器じゃなくて拳!?」



ドゴォォォォォォォオオオオオオオオオオ

バゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




戦士「うわあああああああ!!」

遊び人「あほが!! やりすぎじゃ!!!」

魔法使い「……まずい!」

戦士「やばい! 崩れちまうぞ!?」

遊び人「財宝は!?」

マオ「あったぞ!!」

戦士「でかしたぜマオ!」

魔法使い「……脱出魔法、リレミト!!」




ヒュンッ



戦士「あーあ」

魔法使い「………どうしよう」

マオ「……まさか跡形もなく崩れるとは」

遊び人「あぁー……わしの財宝が…… スロットがぁ……」

戦士「諦めろよ婆さん…… 全部こいつが悪い」

遊び人「若造……末代まで呪ってやるわ」

魔法使い「……お墓にいたご先祖様、おうちを壊してごめんなさい」

戦士「ごめんなさいで済む問題かこれ」

魔法使い「……マオもごめんなさいして」

マオ「…………」

魔法使い「……ごめんなさい」グイッ

マオ「……街に戻ろう」

マオ「そしてさっさと逃げよう」

戦士「そうしよう!」

遊び人「全くどうしようもない旅じゃな!」

……………………………………

~イシス~


マオ「財宝をお持ちしました女王」

女王「誠か!? して、みせてみよ!!」

マオ「ピラミッドにあったものはこの2点です」

マオ「まずはこのカギがピラミッドの上層にありました」

女王「鍵とな?」

マオ「はい、用途は不明です」

マオ「もう1点はこちらです」

女王「なんと!? 黄金に光る爪か!」

マオ「はい。 これはピラミッドの出口のない地下層の奥深くで眠っておりました。 これを入手した途端に魔物が多くわいてくるなどのトラップもあったことからこちらが真の財宝かと」

女王「よくやってくれたな冒険者たちよ! カギは戦利品だくれてやる」

女王「その黄金の爪はもらうぞ! 美しい童にぴったりじゃ!」

女王「たしかおぬしらは次の街へ行きたいのじゃったな。 ではこれを持って行け。 さすれば道をあけてくれるだろう」

マオ「はっ! ありがとうございます」

女王「では行け。 達者でな」

マオ「失礼いたします」

マオ「……明日の朝まで休んでから逃げるぞ」

遊び人「出発ではなく逃げるっていうところがミソじゃな」

戦士「今すぐにでも逃げ出さないと気が気じゃねえけどな」

魔法使い「……呪われたらどうしよう」

マオ「休まねば身体ももたないだろう」

遊び人「そうじゃな。 スロットを回さねば疲れもとれんわい」

戦士「本当に婆さんスロットしか頭にねえんだな!」

マオ「私は少し出かけるぞ」

戦士「こんな遅くにかよ?」

マオ「あぁちょっと野暮用だ。 いってくる」

魔法使い「……いってらっしゃい」


戦士「こんな遅くになんだろうな」

遊び人「野暮なことを聞くのおう? この街の夜を知らんのか?」

魔法使い「……どういうこと?」

遊び人「気づかなかったか? この街には娼婦がたくさんおるわい。 この街の夜に男1人で出歩くといったらやることはひとつじゃ」

戦士「ヤるってか」

遊び人「そういうことじゃろう?」

魔法使い「……だ、だめ!」

遊び人「まぁまぁ! ちょっと後をつけてみようじゃないか」

戦士「おもしろそうだな!」

魔法使い「……そんなことしたら……だめ」

遊び人「なんじゃ? マオが気にならんのか?」

戦士「他の女抱いてるかもしれないんだぜ? 許せないだろ?」

魔法使い「………!!」

マオ「…………」


戦士「へへっどこいくんだろうな」

遊び人「街の中心に向かっているぞ! これは本当にあるかもしれんな!!」

魔法使い「……マオ……だめだよ……」ウル

戦士「泣くなって! まだ決まったわけじゃねえんだからさ」

遊び人「お! さっそく女が近づいて行ったぞ!」

戦士「まぁ顔は悪くないしなあいつ」




「ねぇお兄さん、今夜どう?」

マオ「…………」

「無視するの? つれないんだから~…… 私、さみしいな~?」ムニュ



戦士「おぉっ! 腕に抱き付いてるぞあの女」

遊び人「巨乳じゃのう。 これにはマオのあそこも無視できんか」

戦士「やかましいわエロババア」

魔法使い「……!」



マオ「邪魔だ」スッ

「んも~…… また来てね? 待ってるから」




戦士「おぉっ! 撒いたぞ!」

魔法使い「……マオ」

遊び人「なかなかやるではないか若造のくせに」

「ねぇお兄さん、ぱふぱふしてかない?」

マオ「……なんだそれは」

「ふふ、気持ちいいことよ~ 女の子のあそこで、むにゅむにゅってするの」



戦士「うひゃー! 谷間すげー!」

遊び人「あれはエロいのぅ…… わしが男だったらもう挿れてるわい」

戦士「達人かよ」

魔法使い「……マオなら平気」




マオ「興味ない、どけ」

「んも~ なんなのよ~」



魔法使い「……マオの女は私だけ」

戦士「うわぁ……」

遊び人「なかなか嫉妬深いんじゃな」

マオ「…………」


戦士「街のはずれ? どこいくんだよ」

遊び人「そっちにはもうなにもないぞ」

魔法使い「…………」



マオ「やはり来ていたか魔物ども」



ヴァーーーーーーー………
ヴァアアアアーーーーー



戦士「なっ…魔物!?」

遊び人「しかも……なんという数じゃ! 100や200どころじゃないぞ…!」

魔法使い「……さっきの地下にいた魔物だ!」

マオ「やはりお前たちはあの爪を取り返しにきたのだな」


ヴァーーーーーーーーーーーー


マオ「だが残念ながらそれは果たされない」

マオ「先ほどは魔法が使えずに遅れをとったが今回はそうはいかない」



ヴァーーーーーーー



マオ「そのまま地面の下で眠っていればよかったものを」

マオ「消えろ。 暗黒消滅魔法大」




ジワジワジワジワジワジワジワ



ヴァ、アアァァァ………



マオ「……ふん」



戦士「なんだ……今の魔法」

遊び人「あれだけいた魔物が一瞬で消滅したぞ……」

魔法使い「…………」

………………………………


マオ「戻ったぞ」

魔法使い「……おかえり」

マオ「ババアとプチババアはどうした?」

魔法使い「……もう自分の部屋で寝てる」

マオ「そうか」

魔法使い「……私たちももう寝よ?」

マオ「そうだな、明日も早い」

魔法使い「……早く逃げないとだもんね、ふふ」

マオ「そうだな。 バレる前にとんずらかますとしよう」

魔法使い「…………ねぇマオ」

マオ「ん?」

魔法使い「……今なにしてたの?」

マオ「……正義の味方をしていた」

魔法使い「……ピラミッド壊す悪人が正義の味方って変な話」

マオ「……それもそうだな」

魔法使い「……この街には娼婦がたくさん」

マオ「そうだな」

魔法使い「……マオが……そういうことするんじゃないかって不安だった」

マオ「私には魔法使いだけだぞ」ギュ

魔法使い「……安心」

マオ「……胸は大きくないがな」

魔法使い「……人が気にしてることそうやって言わなくていい」

マオ「……だが、美しいぞ」

魔法使い「……ばかマオ」

マオ「なぁ、ところでぱふぱふって知っているか?」

魔法使い「……え?」

マオ「1つお願いがあるのだが」

魔法使い「……やだ!」

今日の更新を終わります


ピラミッドっていくらくらいするんでしょうね(白目)

…………………………

戦士「あぁ……ねみぃよまだ」

遊び人「文句は若造に言わんかい」

マオ「……女王からの手紙をもらったのだ。 文句はないだろう」

魔法使い「……大あり」

戦士「ピラミッド壊すくらいならその関所? だかなんだか分かんねえけどそれブッ壊した方が良かっただろう」

遊び人「確かに」

マオ「…………」

魔法使い「……若気の至り」

………………………………

~港の街・ポルトガ~


戦士「海だあああああ!!!」

遊び人「水着じゃああああ」

魔法使い「……塩くさい」

マオ「ベタベタする」

遊び人「なんじゃこいつらの引きこもり加減は」

戦士「海だぜ? テンションあがんねえのかよ」

魔法使い「……別に」

マオ「上がる要素がどこにある」

戦士「えぇ……」

戦士「なぁ! 海入るよな!」

遊び人「当たり前じゃ行くぞ!!」

魔法使い「……行く?」

マオ「……たまには羽を伸ばすのも悪くはないかもしれないが」

魔法使い「……焼けたくない」

戦士「なんだよー早く行こうぜ?」

遊び人「若造、魔法使いの水着姿は見たくないのか?」

マオ「……む」

戦士「透けような白い肌、煌めく銀髪」

遊び人「水に反射する太陽の光、そしてそれに負けないほどの輝く笑顔」

マオ「……いこう」

魔法使い「……!」

戦士「よし決まりだぜ!」

遊び人「魔法使いの水着を選んでやろう」

魔法使い「待って! 私水着を着るなんて一言も……」

戦士「いいからいいから! 任せなさい」

遊び人「ひょー人がたくさんおるのぅ」

戦士「そりゃもう暑い季節には海っしょ!」

魔法使い「……暑い」

戦士「そんな黒のなげぇワンピース着てるからだって!」

魔法使い「……これが魔法使いの正装」

遊び人「ま、今から水着を着るんじゃ、涼しいぞぉ」

戦士「……マオに自分の身体を見せつけてやれよ」ボソッ

魔法使い「………むり///」

遊び人「なにがそんなに嫌なんじゃ。 わしもあと50若ければのぅ」

魔法使い「……戦士みたいにスタイルよくない」

戦士「大丈夫だって! 私が魔法使いに似合うかわいい水着選んであげるからさ!」

魔法使い「………おねがいします」

戦士「任せろ」

戦士「ってわけでマオ、お金プリーズ」

マオ「……俺が払うのか」

戦士「これとかいいんじゃない!?」

魔法使い「……派手すぎる」

戦士「えぇーそうか? 着てみなよ」

魔法使い「……やだ。 恥ずかしい」

戦士「じゃーこれ?」

遊び人「それは地味すぎんかのぅ?」

魔法使い「………素材が悪いから水着が映えない」

戦士「んなことねえよ! 魔法使いは上玉だぜ? 確かに胸はそこまで大きくねえけどそんなの関係ねえって」

魔法使い「……そうかな」

戦士「そうだよ」

遊び人「これはどうじゃ?」

戦士「婆さんそれ学校で着る奴だろ!?」

魔法使い「………やだ」

遊び人「わかっとらんな、世の中の男はこれが好きなんじゃぞ?」

戦士「知らねえよ!」

戦士「おっまたー!」

魔法使い「……おまたせ」

遊び人「おまたーってそれなんか卑猥じゃのぅ」

マオ「……遅い」

戦士「わりぃわりぃ。 みんなが気にいるもの探すのって結構大変なんだぞ?」

魔法使い「……私はこれ恥ずかしい」

遊び人「なにを言ってるんじゃ、かわいかったではないか」

戦士「ま、期待してろよ。 愛しのハニーが可愛く変身すっから」

マオ「……そうか」

魔法使い「……そんな期待しないで///」


戦士「おーしじゃあ着替えるぞー!」ブンブン

遊び人「剣を振りまわすな! 危ないじゃろうが!」

マオ「じゃあ着替えたらまたここに集合な」

魔法使い「……うん」


……………………………………
~海~


戦士「よ! 着替えてきたぜ!」

戦士「どうよー私の水着」

マオ「……意外とシンプルだな」

戦士「そりゃ、まぁ? 私の身体が最高だからな」

マオ「……意味が分からん」

戦士「なんだよーもっと見てもいいんだぜ? ほら、おっぱい大きいだろ?」

マオ「……そうだな」

戦士「へへ、照れてるぜこいつー!」

遊び人「痴女か!」


魔法使い「…………」

戦士「出てこいよ魔法使い」

遊び人「自信もたんかい。 わしが変わってほしいくらいじゃ」

戦士「婆さんのその水着もなかなか衝撃的だけどな」

魔法使い「……戦士みたいに綺麗じゃない」

戦士「平気だって。 なぁマオ」

マオ「……そうだな。 早く見てみたいぞ」

魔法使い「う~~……」

戦士「いいから、ほら!」グイッ

魔法使い「……わっ!」

魔法使い「……えっと……」

魔法使い「……どう、かな///」カァ

マオ「お、おぅ……かわいいぞ」

戦士「……童貞か!!」ゲシッ
遊び人「気の利いた一言も言えんのか!!」ゲシッ

魔法使い「……///」

戦士「でもさ、お世辞抜きで可愛いだろ?」

マオ「……あぁ、よく似合ってる」

遊び人「ババア'sコーディネートじゃ」

戦士「こいつ遊び人だけあってセンスいいんだよな悔しいけど」

遊び人「肌が白いからの、暖色系が似合うと思ってあわめのピンクにしてみたわい。 王道の悩殺カラーじゃな」

遊び人「胸が大きくないがそれを盛って大きく見せるより、清楚な雰囲気を残すために胸元にワンポイントのフリルがあるものにしたことで決して小さく見せないようにしてみたぞぃ」

遊び人「水着はやや子供っぽいデザインではあるがな、魔法使いが元々綺麗じゃからあまり子供っぽく思わせずエロくもなく、なかなかいい感じじゃろう?」

魔法使い「……恥ずかしいよおばあちゃん……」

遊び人「さらに綺麗な銀髪に花飾りをつけることで夏っぽさをさらに演出じゃ」

遊び人「どうじゃ? 若造」

戦士「おっ勃っちまったか?」

マオ「……あぁ、かわいいぞ本当に」

魔法使い「……ありがと///」プイッ

戦士「ていうかマオも結構いい体してんじゃねえか」

遊び人「シックスパックじゃな!」ゲシッ

マオ「……腹を殴るな」

魔法使い「………胸がある」

マオ「胸筋だ、動かせるんだぞ」


ウニョウニョウニョ


戦士「うわぁ! やべぇ超うける」

遊び人「キモい! キモすごいぞ!!」

魔法使い「……すごい」


戦士「まぁそりゃあんだけ動けるんだからバキバキだよな」ゲシゲシ

遊び人「こやつ毛があまり生えておらんのぅ。 男らしくないわい」

戦士「えー毛はいらなくね?」

遊び人「あった方がワイルドじゃろうが」

戦士「でもさー…… ねぇそこらへん魔法使い的にはどうなの?」

遊び人「ワイルドなモジャモジャがええよな!?」

魔法使い「……うーん……マオはマオのままがいい」

戦士「うわー見せつけてくれるねぇ」

遊び人「……白けるのぅ」

戦士「なぁ筋肉マン。 片腕で私ら持ち上げられる?」

遊び人「おっ! やってみたいのぅそれ」

マオ「やってみるか」

魔法使い「……無理でしょう」

戦士「婆さんが重いからな」

遊び人「なにを言うとるんじゃ。 わしは50キロないぞ」

戦士「はぁ? 私だってねえよ」

魔法使い「……私も」

遊び人「嘘じゃろ!?!?」


マオ「じゃあ腕に掴まれ」

戦士「よっ」

魔法使い「………んしょ」

遊び人「よしいけ」

マオ「ほいっ」ヒョイ

戦士「うおぉ! すげぇ!」

魔法使い「……浮いた!」

マオ「……あー重い。 婆さんのせいで」

遊び人「やめんか傷つくじゃろ!?」

魔法使い「……つめたい」

戦士「うおぉぉぉぉ海つめてえええ」

遊び人「早く全身浸かったほうが楽になるぞ」

戦士「おりゃ」バシャッ

魔法使い「つめたい! もー戦士のばか」バシャッ

戦士「やりやがったな! おらおらおら」バシャバシャバシャ

魔法使い「………やめて、つめたいから! あははは」


遊び人「いいなぁ、って思ってるんじゃろスケベ」

マオ「……ふん」

魔法使い「……浮き輪で浮いてるのが最高」

マオ「……だな」

魔法使い「……ぷかぷかー」

魔法使い「……ふわふわー」

魔法使い「……眠くなっちゃうね」

マオ「そうだな、でも寝たら溺れるぞ」

魔法使い「……む。 じゃあ眠気を覚ますことして」

マオ「任せろ」


マオ「脚力倍加魔法、ピオリム」


マオ「いくぞ」


ドバババババババババババババババババ!!!!


魔法使い「すごいスピード! あははは」




戦士「なにやってんだあいつら」

遊び人「海が爆発してるみたいじゃな」

休憩

………………
…………
……

~ポルトガ城~


国王「船がほしいとな?」

国王「そこで、港町である我が国に来た、と」

国王「まぁ船はやれんこともないがな。 なにしろ値が張るものだおいそれとやれるものではない」

国王「そこでだ、大陸を挟んだバハラタという街から黒胡椒を持ってくることが出来ればそなたたちを真の冒険者と認め船を渡そうではないか」

マオ「そのバハラタに行くって言ってるだろ!」

遊び人「まぁ良いではないかあと1日ここにいるくらい」

戦士「泳ぎ足りねえよ」

魔法使い「………」コクコク

マオ「……昨日散々泳いだだろうが」

戦士「ばっかお前海辺で飲む酒は最高だぞ?」

遊び人「水着美女とイケメンを肴に一杯……」

戦・遊「かぁぁぁー!! 最高だね!!」

マオ「……ダメだ」

戦士「まーだそんなこといってんのかよ」

遊び人「水着の魔法使いを見ながら酒が飲めるんじゃぞ」

魔法使い「……!?」

マオ「………」

戦士「魔法使いがちょっと酒を飲んで酔っ払ってさー」

遊び人「ちょっと赤みがかった顔で…… うひょひょひょひょ」

マオ「きもちわるい笑い方はやめろ!」

魔法使い「……えっと」

魔法使い「……今日だけはゆっくり、したいな?」

戦士「いやーちょろいっすねマオさん!」

遊び人「男なんてこんなもんじゃ。 ふぉっふぉっふぉ」

魔法使い「……ねぇマオ、砂のお城つくろ?」

戦士「やることが可愛いよな魔法使いって。 あざとい」

遊び人「あざとくても許せるっていうところは反則じゃな。 思わず男なら息子がもっこりじゃ」

戦士「婆さん酔うのはえぇよ痴女化しすぎなんだよ」


魔法使い「ねぇ、マオお城」クイクイ

マオ「あぁ、わかった」

魔法使い「おぉ……」

戦士「すげー完成度だなおい」

遊び人「凝り過ぎじゃ! どんだけ器用なんじゃ!?」


マオ(つい魔王城を作ってしまった)


魔法使い「……禍々しい」

戦士「なんつぅか黒い雲がかかってて空に魔物が飛んでそうだな」

遊び人「それ完璧に魔王城入ってるじゃろ」

マオ「……魔王城はきっともっと禍々しいんじゃないか?」

戦士「あぁーそうだよな魔王が住んでるところだもんな」

魔法使い「……こんな地味じゃないはず」

遊び人「我々の想像もつかないような外見なのかもしれぬ」


マオ(魔王城に着いたらガッカリされそうだ……)

戦士「やっぱビールだぜぇ最高だな」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 ババアになっても酒はやめられんわい」

魔法使い「……ふわふわ」

戦士「一口飲んだだけじゃねえか」

魔法使い「………前に飲んだやつより強かった」

マオ「大丈夫か? 水飲むか」

魔法使い「……いらない」

戦士「じゃあもっと飲め飲めー!」

魔法使い「……や」

戦士「なんだとー? 私の酒が飲めねえのか!」

遊び人「お前も酔うとたいがいめんどくさいの」

戦士「私は酔ってねー!!」

魔法使い「……って酔っ払いはみんな言う」

魔法使い「……んーー」ノビー

魔法使い「……ふぁ」ホッ

マオ「…………」

戦士「見蕩れてんじゃねえよ」ペシ

マオ「……うるさい」

魔法使い「……マオ、海はいろ」

マオ「酔ってて入ったら危ないぞ」

魔法使い「浮き輪で浮いてるだけだから。 よいしょ」フワ

魔法使い「……あ」クラッ


ガシッ


マオ「……言わんこっちゃない」

魔法使い「……えへへ、ごめんなさい///」

マオ「…………」


戦士「童貞やられたー今ので心撃ち抜かれたー」

遊び人「魔法使いが酔うと最強じゃな。 エロすぎるわ」

マオ「……うるせぇぞお前ら」

休憩

海、今年は行ってないんだよなぁ

マオ「あー……疲れた」

魔法使い「……いっぱい遊んだね」

マオ「もっぱら飲んでたけどな」

魔法使い「……マオは飲みすぎ」

マオ「魔法使いは飲めなすぎだ」

魔法使い「……うーん飲めないとだめ?」

マオ「どっちでもいいんじゃないか? 無理して飲むものじゃないだろ」

魔法使い「……でもマオが飲むなら付き合って飲めるようになりたい」

マオ「じゃあ少しずつ慣らしていくか」

魔法使い「……うん」

魔法使い「……肩が痛い」

マオ「日焼けか」

魔法使い「……真っ赤になってる」

マオ「明日当たり皮がむけるな」

魔法使い「……お風呂入るのが痛そう」

マオ「そうだな。 シャワーで冷やすといいぞ」

魔法使い「……寒いのやだな」

マオ「我儘を言うな。 氷結魔法を当てるぞ」

魔法使い「……それは痛すぎる」

マオ「じゃあ大人しくシャワーで冷やすんだな」

魔法使い「……むー」

魔法使い「……あ、じゃあマオも一緒に入って」

マオ「なんで」

魔法使い「……そしたら頑張って冷やす」

マオ「………」

魔法使い「……一緒に入りたいな?」

マオ「分かった、分かったから」

魔法使い「……やた!」

……………………………………

マオ「ほら、肩出せ」ジャーー

魔法使い「ひっ! 冷たいよ!」

マオ「我慢しろ」

魔法使い「いやー…… マオも道連れ」ギュ

マオ「………」

魔法使い「……冷たくないの?」

マオ「……いや、冷たいぞ」

魔法使い「………んー?」

マオ「……当たってるんだ、その……胸が」

魔法使い「……あ」

魔法使い「んふふーマオおっぱい好きだね」

マオ「……ふん」

魔法使い「……じゃあ、これで洗ってあげるね?」

魔法使い「……いいお湯でした」

マオ「……はぁ」

魔法使い「……のぼせちゃった?」

マオ「いや、大丈夫だ。 まさか風呂でこうなろうとは」

魔法使い「……マオがしてほしそうな顔してたんじゃん」

マオ「嘘つけ」

魔法使い「……ふーんじゃあもうしない」

マオ「……なぜそうなる」グイッ

魔法使い「やだー! マオお酒くさいから来ないで!」

マオ「……はぁーー」

魔法使い「やめてって言ってるでしょ」ベシッ

マオ「待て、なぜ逃げる」ギュッ

魔法使い「離して、化粧水塗るのー!」



魔法使い「……日焼けしたところに塗るといいんだって戦士が言ってた」

マオ「ふーん」

魔法使い「……んしょっ!」

マオ「背中塗れないのか?」

魔法使い「……うん。 マオ塗って?」

マオ「分かった」

魔法使い「……変なとこ触ったらぶつよ」

マオ「変なとことはどこだ?」

魔法使い「……分かってるくせに」

魔法使い「……おやすみ」

マオ「もう寝るのか」

魔法使い「……疲れてないの?」

マオ「疲れてないな」

魔法使い「……私はもう眠い」

マオ「私は眠くない」

魔法使い「……もうしないよ」

マオ「なぜだ」

魔法使い「……さっきしたじゃん」

マオ「足りぬ」

魔法使い「……お猿さん」

マオ「目覚めよ、ザメハ」

魔法使い「わっ! ひどいようとうとしてたのに」

魔法使い「……一緒に寝よ? ラリホー」

マオ「……効かんな」

魔法使い「……もーなんでマオはいつもそんなに魔法耐性高いの!?」

マオ「さぁな? 観念しろ」

魔法使い「……分かったよ」

魔法使い「……今日は優しくして? 気絶するまでとかやだよ…?」

>>682

エッチシーンは

①あり

②なし

③今後もいらん


………………………………

~バハラタへ向かう道中~



遊び人「バハラタとはどのような街なのじゃろうな」

戦士「さぁなー黒胡椒てのが売ってる街なんだろ?」

魔法使い「……粉っぽい街」

マオ「くしゃみが止まらなそうだな」

戦士「で、その街まであとどれくらいなわけ?」

マオ「あの山を越えなければならないそうだ」

戦士「……は?」

遊び人「……デカすぎるわぃ」

マオ「行くぞ」

戦士「おいマジかよ…… あんな山登んのかよ」

マオ「魔物も数多く出るそうだ」

魔法使い「……だからポルトガからバハラタへは行けないのね」

遊び人「それで黒胡椒が貴重だと」

戦士「このお使いめんどくさすぎだろ! 海に戻りてえええええ」

遊び人「ほいっ、ほいっ、ほいっと」

戦士「なんで……婆さんが……一番……元気なんだよ!」

魔法使い「……もう歩けない……疲れた……」

遊び人「情けないのぅそれでも若者か!」

マオ「ババアが元気すぎるんだ。 大丈夫か魔法使い」

魔法使い「……ありがと……でも少し休みたい」

戦士「賛成だぜ……こんな状況で歩いても効率が悪いだけだ」

マオ「そういうことだババア」

遊び人「ババア言うな糞ガキ」

戦士「よっこらせっと」

戦士「あー……まだ頂上までだいぶあるなぁ」

魔法使い「……空でも飛びたい」

戦士「最高だねそれ」

遊び人「地べたを這いつくばって旅するのがいいんじゃろうが」

戦士「わけえよ婆さん本当は歳誤魔化してんだろ」

遊び人「ふぉっふぉ。 まだまだ若いもんに負けないってことじゃな」

マオ「だったら貴様も少しは戦闘に参加したらどうだ」ジャギッ

遊び人「そんな怖い顔で鎌を突き立てるな……危ないじゃろうが」


…………………………

魔法使い「……ねぇ、あれ」

戦士「人が倒れてる!」

遊び人「なんじゃと!? こんなところでか?」

マオ「…行くぞ」


マオ「大丈夫ですか? 目を開けて」

青年「あぁ……あなた方は…?」

マオ「旅の者です。 どうしたんですか」

青年「はっ! そうだ! タニアは!?」

戦士「待て、落ちつけよ」

青年「あぁ……すいません」

青年「僕はグプタ。 バハラタで胡椒屋をやっています」

グプタ「恋人のタニアとポルトガへ行った帰りに盗賊に襲われまして…… タニアを……連れ去られてしまったんです」

グプタ「お願いします! タニアを助けてください!!」

戦士「へっ任せな兄ちゃん」

遊び人「恋人の仲を引き裂くとは…… 電気あんまの刑じゃな」

マオ「任せてください。 そこでもしタニアさんを無事に解放することが出来たら私たちに胡椒を譲っていただけませんか?」

グプタ「胡椒ですか?」

マオ「えぇ。 実は私たちは黒胡椒を求めて旅をしている途中でしてね」

グプタ「そうでしたか! それなら是非! タニアをお願いします!!」

マオ「任せてください」

マオ「問題は盗賊たちがどこへ行ったかだな」

グプタ「それについては心当たりがあります」

戦士「マジかよ話がはええじゃん」

グプタ「バハラタとポルトガの中間の山のふもとに実は盗賊のアジトがあるそうなんです。 バハラタからポルトガのその重要な道を盗賊が陣取っているせいでなかなか2国の間で貿易がうまく行かなくて……」

遊び人「なるほど、うまい位置にいることで無謀にもそこを通ろうとした人を攫いやすくするということか」

グプタ「えぇ。 バハラタでは有名なんです」

マオ「よし、ではアジトに攻め入るぞ」

戦士「おっしゃあ! 腕が鳴るぜ」

魔法使い「……人攫いなんて許せない」

遊び人「これはやっぱり電気あんまの刑じゃな」

すんません今日の更新は終わります

明日以降も更新する予定ですが忙しくなるためペースは落ちると思います

あと一部ドラクエ3の内容を省略したり変更していますのでご了承ください

遊び人「アジトっていうからなにかと思ったら家か」

戦士「いや婆さんよく考えてみろよ。 こんな辺鄙なところに家が一軒あるってだいぶ怪しいぜ?」

魔法使い「……しかも豪邸」

遊び人「……許せんのぅ」

戦士「婆さんのキレポイントわかんねえよ……」

遊び人「とりあえず突撃じゃ! 豪邸に住む悪党を懲らしめるぞ!」

戦士「ちげぇだろ!」

魔法使い「……私たちは人助けにきたはず」

遊び人「おぉそうじゃったわい」

マオ「ババア少し黙っとけ」


グプタ「みなさん……! タニアをお願いします!!」

魔法使い「……任せて」

戦士「大船に乗ったつもりでいな兄ちゃん!」

遊び人「お邪魔しまー…… ッ!?」

戦士「婆さん一人で突っ込むとかアホか!?」

魔法使い「………お前は…!」



勇者「あら、こんばんは戦士ちゃん♪ うふふ……」

盗賊「てめぇッ! 俺たちに何の恨みがあるんだってんだ!!」

勇者「んもーうるさいなぁその口。 大声出しちゃ、めっ」


ぐさっ!!


盗賊「ごぼっ…!?  ぁ………ぁ………」


勇者「あ、いけないちょっと口を塞ぐつもりが壁に串刺しにしちゃったー剣が折れちゃう」

勇者「いよっ…っと」


ゴリッ

シュンッ


勇者「うーんちょっと頭を足で抑えて剣を抜こうとしただけなのに頭粉々になっちゃったなぁ」

勇者「種食べすぎても問題だなーいきなりこんな力強くなっちゃうなんて」


戦士「勇者……! お前……なにやってんだ!」

勇者「んー? なんでもないよー?」

盗賊B「なんでもないのになんで俺らを殺すんだよ! 俺らが何をしたっていうんだ!!」

勇者「だからうるさいってば」


ひゅッ!!



勇者「次何か喋ったら身長が半分になっちゃうよ?」

盗賊B「ひっ!?」

勇者「あーぁ……喋っちゃった」



ザシュッ!!!



勇者「んもーうるさいって言ってるのになーなんで分かんないのかな?」

戦士「………狂ってやがる」

勇者「んふふ♪」

ガンダタ「てめぇか俺の手下どもをヤってくれたってやつは」

勇者「んー? なんのことかなーよくわからないなー」

ガンダタ「とぼけんじゃねえよ。 ナジミんとこの塔で散々痛ぶってくれたようじゃねえか」

勇者「あーあの時の盗賊さんたちかー。 君たちなんだねー弱すぎて気付かなかったよ」

ガンダタ「いい度胸だ姉ちゃん。 俺にそこまで舐めた態度取ってくれるたぁ大した度胸だよ」

勇者「よく喋る人だなぁ。 殺しの最中に喋っていいのは強い人だけなんだよ?」

ガンダタ「安心しろここで一番つえぇのは俺だ」

勇者「あはははそっかそっか。 うんうん筋肉モリモリですごそうだもんね!」



マオ(一番強いのは私だが)

魔法使い(マオ今一番強いのは自分って思ってそう)

勇者「あ、ねぇねぇ盗賊さん」

勇者「私ね、ここにすっごいお宝が隠されてるって聞いてきたんだけどさぁそれってどこにあるの?」

ガンダタ「知らねえな。 知りたきゃ


カンダタ「……かッ! ………カヒュー…………ヒュー………」

勇者「ん? 知りたきゃなに?」

カンダタ「………ヒュー………ヒュー…………」

勇者「ぜーんぜん分かんないよ! もーちゃんと教えてから死んでよね」

勇者「一撃で死んじゃうなんて思わなかったよ……もうがっかりあーテンション最悪」

戦士「お、おい勇者!!」

勇者「なぁに戦士ちゃん。 私もう漁ったら帰るよ。 もー本当にありえないつまんない……」スタスタ


戦士「お、おい」

遊び人「やめるんじゃ戦士! 刺激するな!」

戦士「だけど!」

遊び人「だけどなんじゃ!? お前は今一瞬でもあやつの動きが見えたのか!?」

遊び人「下手に刺激してみろ! 殺されるぞ!!」

戦士「………ちっ」

マオ「…………」

グプタ「待ってください! タニアは!?」

魔法使い「……ここにはいないならきっと奥にいる」

グプタ「タニア!!」ダッ

遊び人「待つんじゃグプタ!!」

戦士「一人で行かせたらそれこそ勇者に殺されちまうぞ!」

遊び人「ええいどいつもこいつも!! 追いかけるぞ!!」

マオ「…………」

勇者「あったー! これだよね!? カギがかかった一番おっきい宝箱だもんね!」

勇者「カギなんて持ってないよもー…… ブッ壊しちゃえばいいか」

勇者「えいっ!」

勇者「あははは宝箱が上無くなっちゃった変な形」

勇者「ん? 中身は……剣?」

勇者「ふむふむ……なかなかかっこいい形だねぇこれ」

勇者「気にいったよ! ありがとう盗賊さんたち!」

勇者「あー……なんかテンションあがってきちゃった」

勇者「らん♪ らららーん♪」


勇者「ん? なんか聞こえるな」


「………て…………………ぃ………………」


勇者「あっちの方かー」

勇者「んー人の声だねぇ……どうしよっかな」

勇者「この剣も試し切りしたいし人助けも悪くないし………」

勇者「きっと盗賊に閉じ込められちゃったんだねーかわいそうに」

勇者「よし、決めた!」

勇者「解放してあげてーそれから殺そう♪」

勇者「きっといい顔が見れるぞーきゃー楽しみ♪」

勇者「こんばんは♪」

タニア「……あなたは!?」

勇者「んー? 通りすがりの正義の味方だよー」

タニア「お願いします! ここから出してください!!」

勇者「いいけどなんでこんなところにお姉さんいるの」

タニア「恋人のグプタと一緒に

勇者「あーごめんやっぱりいい……どうでもいいや」

タニア「……は、はぁ」

勇者「じゃ、ちょっと離れててね? いくよ」


グプタ「タニアーーーーーー!!!」

勇者「ん?」

タニア「……グプタ……? グプタなの……?」

グプタ「タニア!」

タニア「グプタ!? どうしてここに!?」

グプタ「君が連れ去られて……もしかしたらと思ってここに来たんだ!!」

タニア「そんな……盗賊たちは!?」

グプタ「それが


勇者「あーそれなら私が皆殺しにしたよ♪」


タニア「……へ?」

勇者「みんなよわっちくってさー斬ってもなーんも楽しくないの」

勇者「腸やら脳みそやらぶちまけて汚いしさーもう最悪」

グプタ「………」

勇者「でも弱いくせにいいモン持ってたよー! 見てこの剣! かっこいいでしょ!」

グプタ「あんた……なにを……」

勇者「だからさーちょっと試し切りしたくなっちゃって!」

タニア「……! グプタ! 逃げてェ!!」

勇者「ちょっと殺させてよ、ね?」

勇者「あははは」

グプタ「……ッ!」

タニア「グプタぁー!!」



キンッ!!!



勇者「もー邪魔しないでよー」

戦士「ぐぅっ!!」

勇者「はぁ……そのまま潰れちゃえば」

戦士「重ェ…なんだこの力は」

勇者「あははー逃げないと肩壊れちゃうよ? まぁ力抜いて瞬間顔がふたつになっちゃうけどねー」ギリギリ

戦士あぁああぁぁ!! やれ! 魔法使い!!」


魔法使い「……メラゾーマ」



ゴオオォォォォォォンッ!!!


勇者「なになに? やるの? いいよぉー! 楽しそう!!」

勇者「ちょっとどいて」ゲシッ

戦士「がぁッ!?」


スパン


魔法使い「……!?」


勇者「あははは魔法まで斬れるようになっちゃったよ私」

遊び人「こっちじゃグプタ!」

グプタ「はい!!」

勇者「んー? なんでー逃げちゃうの? まぁ弱いやつには興味ないからいいんだけどさ」


魔法使い「……あなたの相手は私たち」

遊び人「そういうことじゃ! 睡眠魔法、ラリホー」


勇者「ん、眠くなるのは嫌だなぁ、えいっ」ブン

魔法使い「……剣を投げた?」

遊び人「くっ…! 危ないわっ!」


ガシッ


勇者「誰も投げた剣で殺すなんて言ってないよ?」

遊び人「しまった…!」


勇者「…ッ!?」


シュンッ



勇者「動かないでよー? 動いたら戦士ちゃんの心臓握り潰すよ?」


マオ「…………」


魔法使い「……マオ?」


勇者「あんたヤバい匂いがぷんぷんするよー! 一体何人殺してきたの?」

魔王「さぁな」

勇者「ねぇねぇ本当に君人間? もうさ、溢れてるよヤバさが! ヤバすぎるよーゾクゾクしちゃう!!」

魔王「お前を見ていると何故だか滾ってしまうのだ」

勇者「え、なに? 私で興奮しちゃった? いいよ? 私は君になら抱かれても全然いい!」

魔王「ふん、下品な女だ」

勇者「そんなこと言わないでよつれないなぁ。 君の圧倒的な強さでもう私……我慢出来ない……」

戦士「ぐぅっ……!! がっ……!!」

魔王「…………」


シュンッ


勇者「ひゃぁぁぁぁぁ!!!」


ブォン!!!


勇者「うわぁっ!!」

魔王「ふん、戦士は返してもらうぞ」

勇者「あっぶなぁ!! 何今の!? あんなの直撃したら蒸発しちゃうよ!」


勇者「君ほんとにすごいよーゾクゾクする!!」


カンッ!!


勇者「初めて私の攻撃についてこれる人だよ!!」


ガンガンガンガガンガンガンガン


勇者「うっそぉ! すっごーい!!」

魔王「…………」



ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ



魔王「邪魔だ」

魔王「暗黒束縛魔法」

勇者「はぁっ!!」


ザンッ


魔王「……私の魔法を斬り伏せるとは」

勇者「……ヤバかったよ今のは」



魔法使い「……なにが起きてるのかまったく分からない」

戦士「いててて………改めて思ったけどマオの動きやばすぎじゃね……あーいてて」

遊び人「あやつ……」

勇者「これならどう!?」

魔王「貴様の動きは直線的すぎるぞ?」


ガンッ
ゴッ


勇者「がぁッ!!?」

魔王「だからこうやって簡単に予測できない蹴りが入るのだ」

勇者「うぅー!! いったぁ………」

魔王「逃げるなよ、勇者」シュンッ


ガンッ!!!


勇者「うー……なんて馬鹿力」ギリギリ

魔王「お前が言うか?」

勇者「こっち……くんなっ!!」ガンッ

勇者「……ははは、楽しい」

魔王「そうかそれはよかった」

魔王「ならばこの戦いの中で死ぬが良い」

勇者「あははは! それもいいかもねぇ!!」


ガンッ!!


勇者「防御かたっ……」

魔王「暗黒火炎魔法」



ゴオォォォオオオオオオオオオオオ


勇者「やばいねこれ! 来たれ雷撃、ライデイン!!」


ゴオオオオオオオオオオオオオン!!!!






戦士「な、なぁ!? ここやばくないか!?」

遊び人「にげるぞおおおおおお」

魔王「…………!」


ブォン


勇者「ふんっ!!」



ガァンッ

ギリギリ


勇者「ねぇ、あんた名前は?」

魔王「名など聞いてどうする? お前はここで私に殺されるのだぞ」ガキンッ ブォン

勇者「ひぃっ!!」

勇者「あぶない! 早すぎだよ!!」


魔王「貴様に名乗る名などない」

勇者「あっそ。 でもなんとなく検討がつくよ」

魔王「ほう?」

勇者「私とあんたは惹かれあう運命だ」

魔王「言っている意味が分からんな」

勇者「私ね、君が近くにいるとき、意味が分からないほど胸がドキドキするんだ」

魔王「………」

勇者「異常だよこれは。 見えない力に引き寄せられてるような、言葉に出来ないなにかがあるんだ」

魔王「だからなんだ」

勇者「だーかーらー。 勇者が惹かれるものなんてひとつしかないでしょ?」

魔王「…………検討がつかんな」

勇者「あ、そ」

勇者「ま、君の正体なんてどうでもいいよ!!」


シュッ


勇者「戦って楽しければ誰だっていいよ!!」

魔王「……攻撃が直線的すぎると」

勇者「まだ思ってるの?」クイッ


シュッ


魔王「…………」

勇者「あははー! 初めて下がらせたよ」

魔王「…………」

勇者「ちょっとは見直してくれた?」


魔王「どうでもいい」

魔王「暗黒即死魔法」



「…………………」


勇者「なに……?」


「…………………」


勇者「なに……?」


「…………………」

勇者「なに? なに? なに? なに?」

「…………………」

「なになになになになになになになになになになになになになになに」

勇者「やめてええ!!! 入ってこないで!! 私の中に来ないでえええ!!!」

「ああああああああああああああああああああああああああああああ」

勇者「いやあああああ!!!!」

「あ」

「ああははははははははははははははははは」

勇者「やばい! やばいやばい!! 死ぬ!! 殺される!!」ガタガタガタ


勇者「転移!! ルーラ!!」

勇者「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

勇者「なによ……今の……」

魔王「気に入ったか?」

勇者「なっ……?」

魔王「転移魔法など小賢しいものをよく使えるものだ。 伊達に勇者ではないということか」

勇者「なんて……ここに……」

魔王「さぁ? 惹かれあうからだろう?」ニヤァ

勇者「…………!!」

勇者「くそおおおおお!!!!!」ブォォン

魔王「遅いな」


勇者「来るなぁ!! 来るなぁ!!」

魔王「なにをそんなに怯えているのだ」

勇者「ちぃ!!」

魔王「先ほどまでの洗練された動きはどこへいった? 隙だらけだぞ」ゲシッ

勇者「ごぁッ!?!?」


魔王「哀れな勇者よ」

勇者「が……はぁっ……!うっ……」

魔王「次は逃がさんぞ?」


魔王「暗黒即死魔法」

勇者「ああああああああああああああああ!!!!!!」

魔王「さぁ抵抗しろ。 気を抜けば一瞬で死ぬぞ?」

勇者「はぁっ!! はぁっ!! はぁっ!!」

魔王「くっくっく……いい表情を浮かべるではないか」

勇者「来るなぁッ!! 来るなああああ!!!!」


勇者「あぁぁ……ママ……」

魔王「うん?」

勇者「ママ……ママ……?」

魔王「なにをみているのだ」

勇者「ママ……ママ……ママを……ママを殺さないでぇ……」

魔王「…………」

勇者「いやああああああ!!!!」

勇者「ママ、ママ、ママ、ママ、ママ、ママ、ママ、ママ、ママ、ママ、」

勇者「ママママママママママママママママ」

勇者「ああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

勇者「ぎぎぎぎぎぎいぎぎぎぎぎぎぎぎいぎいぎぎぐぐぐごっぎががぎぐげごごごごお」

魔王「滑稽なものだな。 あれほど狂ったように笑っていた奴がまだ狂えるとは」

勇者「あぁ……あ……あぁぁ………」

勇者「ぁ………ぁ………」

魔王「よく耐えているものだ。 常人なら一瞬で死ぬというのに」

勇者「はは……あははは…………あはは………」スッ

魔王「………ん?」

勇者「あはははははははは」

魔王「…………」

勇者「あははははっはははははははははは」カチャッ

魔王「…………」



ズブリッ



勇者「あ…………」

魔王「……………」



バタッ



魔王「やっと死んだか」

魔王「暗黒即死魔法とは名ばかりだな。 全く即死ではない」

魔王「暗黒即死魔法などという名前はやめよう」

魔王「今度からは……暗黒自殺魔法とするか」

魔王「んっ……くっ……」

魔王「くふ……くふふ」

魔王「くははははは!!」

魔王「ふはははははははは!!!」

魔王「……いかん……勇者に当てられてしまったか……ぐふ……」

魔王「みんなのところへ……戻らねば……」

魔王「ふっ……ふふ……ははは………」



………………………………………………

ちと休憩します


タニア「あぁ……グプタ……」

グプタ「タニア……」

タニア「愛しているわ」

グプタ「僕もだよ」



クルクルクルクル



戦士「なにやってんだこいつら」

魔法使い「……ラブラブ」

遊び人「お主たちも負けておらんから安心せい」

魔法使い「…………」キョロキョロ

戦士「なにきょろきょろしてんだよそんなにマオが心配か?」

魔法使い「……うん」

戦士「うわっ、のろけられた」

遊び人「それはそうじゃろうなんていったって相手はあの狂人勇者じゃ」

戦士「だよなぁ……」

魔法使い「……マオ」

遊び人「そんな湿気た面をするでないわ。 ほれ、踊れ」

魔法使い「…………」タッタッタッタ

戦士「誘う踊りを真顔でやられてる図ってすごいぞ」

マオ「……なにやってんの」

魔法使い「……ッ!」バッ

戦士「あ、おかえり」

魔法使い「……おかえりマオ」ギュッ

マオ「ん? おぉ、ただいま」ナデナデ




タニア「グプタ!」

グプタ「タニア!」

むちゅううううううううううう



マオ「…………」

魔法使い「…………」

戦士「あははは……」

遊び人「やらんのか?」

マオ「誰がやるかッ」

戦士「勇者は?」

マオ「……殺したぞ」

魔法使い「…………」

戦士「そっか」

遊び人「…………」

マオ「ふふっ」

戦士「どした?」

マオ「いや、なんでもない。 バハラタにいくぞ」

魔法使い「……賛成」

戦士「うぃーっす」



タニアッ!!
グプタ!!



マオ「ぐふっ!」

戦士「うわっあれ見て笑ってんのかよマオ」

魔法使い「……意外」

マオ「いや……なんでもないんだ本当に」

遊び人「…………」

………………
…………
……

~バハラタ~


タニア「ありがとうございます」

グプタ「本当になんとお礼を言っていいやら」

マオ「いえ、構いません」

戦士「黒胡椒さえくれればいいんだって」

グプタ「そうでしたね、では僕の家まで来ていただいてもいいですか?」

魔法使い「……わかった」



「ぐああああああ」


遊び人「なんじゃ今の悲鳴は!?」

グプタ「ねぇ、今の声!?」

タニア「おじいちゃん!!」ダッ

戦士「なんだなんだ?」

マオ「……はぁ。 どうしてこう問題ばかり起きるんだ」

魔法使い「……マオ?」

マオ「分かっている。 行こう」

老人「ぐぅ………」

兵士「じゃあな老人」

タニア「おじいちゃん!!」

老人「タニア…!? いかん! こっちにきてはならん!!」


ザシュッ

ゴトリ



タニア「……ひっ!?」

タニア「いやああああああああ」

グプタ「タニア! まずい逃げろ!!」

タニア「いやああ! おじいちゃん! おじいちゃん!!!」

兵士「お前もすぐにおじいちゃんのところへいけるぞ」

タニア「いやあぁぁ……おじいちゃん……」

兵士「死ね」

グプタ「タニアぁぁ!!」


ゴギィッ!!


マオ「獲物に舌舐めずりとは三流のすることだぞ」

グプタ「マオさん…!」

魔法使い「……大丈夫?」

タニア「……おじいちゃん……おじいちゃん……」

グプタ「タニア……」

遊び人「……魔法使い、ついててやってくれ」

戦士「なにが起きてるか分からねえが人間が人間を殺してる。 ちょっと周り見てくる」

魔法使い「……分かった」


グプタ「タニア……ここは離れよう」

タニア「いやぁ! 離して!!」

グプタ「……タニア」

タニア「……うっ……なんで……なんでこんなことに……」ボロボロ

魔法使い「……よしよし」

タニア「…うっ……」

魔法使い「……ごめんね助けてあげられなくて」

タニア「うぅぅ……ひっく………」

魔法使い「……一緒に泣いてあげることしか出来なくてごめんね」

タニア「………ぐすっ……」

魔法使い「……いっぱい……泣いていいんだよ」

タニア「うっ……うわああああああああん……」

戦士「マオ! やべぇぞ街の人が一か所に固められてる!!」

遊び人「一気にそこで虐殺する気か!」

マオ「私がそこへ行く。 戦士と遊び人はツーマンセルで行動、兵士を見つけ次第止めてくれ」

戦士「了解」

遊び人「………わしに指図をするでないわ」


マオ(……くふふっ……これで心おきなく"人間"を殺せる!)


「い、命だけはぁ!!」

兵士「……へ、命だけは、なんだよ」ぶしゃぁっ




「た、たすけてくれええええ」

兵士「うるせぇな……」ブシャァ




「こ、子供だけは助けておくれよ! 慈悲の心も

兵士「ねえんだよ」ブシャァ




「ままー! ままぁー!!」

兵士「ママ? あぁ、首から上がないこれか?」ブシャァ



「あなた! やめて!」
「妻に手出しはさせん! うおおおおおお」

兵士「一般人がなんだというのだ」ブスッ

「ぐおおお!!」
「あなた!」

兵士「手出しはさせん? はっはっは! かっこいいじゃねえか」

「ぐあぁぁ」

兵士「お前たちはみんな俺の獲物なんだよ? 殺される運命なんだよ? 分かるか?」

「うぅっ………」

兵士「お前らは獲物! 俺たちは狩人ってわけだ! はーっはっははは!」


グシャァッ


マオ「………………」


…………………………………………


兵士「これで街人は全部か?」

兵士「そんなことはねえだろうよみんな逃げてるか殺されてる」

兵士「無傷なのはここの奴らだけか」

兵士「あーあーみんなガタガタ震えちまって……可愛そうに」

兵士「ま、今すぐ震えは止めてやるよ」

兵士「ははは! 命も止めちまうんだろ?」

兵士「ちげーねえや! あははははh

兵士「ん? おい、どうしt……ゴハァッ!!!」

兵士「……ひっ!?」


マオ「こんにちは諸君」

兵士「がっ……がっ……」

マオ「……んー……贓物を握りつぶすのは気持ちが良い……」

兵士「なんだてめぇ!!」

兵士「いくぞ! ぶっ殺せ!!」

魔王「あぁ……活きが良い」

兵士「おらぁっ!!」ブォォォン


ガシッ


魔王「活きだけ、な?」

兵士「なっ……! 剣を素手で止めた!?」

魔王「ふんっ」


ごしゃあああ!!


魔王「おっと? 顔面をパンチしたらミンチになってしまった……パンチミンチ……ミンチパンチ……うーむ」

兵士「なっ!! よくもおお!!!」

魔王「ふむ? 暗黒自殺魔法」

兵士「んぐっ!? ………………………………」ザシュッ

兵士「ひぃ!? おい! なにやってんだ!!」

魔王「……やはり勇者以外には即死レベルで自殺をしてくれる優秀な魔法だ」

兵士「な、なんなんだよ!!」

魔王「ふふ……楽しませてくれよ? 人間諸君」

兵士「……っ!」ジリ

兵士「…………」ジリ

兵士「…………」ジリ


魔王(数はおよそ20といったところか)


魔王「どうした? 来ないのか?」


兵士「くそ……!」

兵士「このやろおおおおおお!!」


ザシュッ


「おおぉぉっ………」ゴトリ


魔王「上半身だけになっても少しの間は叫んでいられるらしいぞ?」

兵士「ち、畜生……」

兵士「なんなんだよこいつ……」


兵士「やってられるか!」

魔王「なんだ? 逃げるのか?」

兵士「ひっ!?」

魔王「……ふん」グリッ

兵士「ああああああああ!!! 腕があああああああ!!!」

魔王「いい声じゃないか」ブチィ

兵士「ぎゃああああああああああああああああ」

魔王「可愛そうに腕が無くなってしまったのか」

兵士「あああああっ!!」

魔王「楽にしてやるぞ?」ガシッ

兵士「あっ……あっ………」ミシミシミシミシ


ゴギャアアアッ!!!


兵士「い、いやだ……死にたくない……」

兵士「くそ……くそ……」

魔王「さぁ? どうした? 逃げるのか? かかってくるのか?」

兵士「に、逃げられるかあんな化け物……」

兵士「死にたく、ねえよぉぉ」

魔王「……はぁ……なんとか言ったらどうなんだ」

兵士「ち、ちきしょおおおおおお!!!」ダッ

魔王「……戦うことも出来ない愚か者め」

魔王「暗黒浮遊魔法」


フワッ

兵士「う。、うわあああ!! なんだよ! なんだよこれぇ!!?」


魔王「……ふふ」


兵士「あっ……あっ……なんだ……なんだ!?」

兵士「う、うぅ…むぷ……むぷぷぷ……」


パァン!


兵士「なっ………」

兵士「中から爆発した……?」

兵士「も、もうやだ……」

魔王「ふはははははは!!」


魔王「軽い……実に軽い……」

魔王「命は軽い、そうは思わんかね諸君?」

兵士「………くそぉ」

兵士「一思いに殺してくれ……」

魔王「そう言われると、いたぶりたくなるのが性ではないか?」

兵士「……!!」


ゴンッ

兵士ぐっ!?」

ゴンゴンゴン

兵士「ぶ! おっ! ううぇぇぇ!!」


バババババババババババンッ!!!


ゴドンッ


魔王「全身で折れてない骨がないだろうな」


兵士「ひぃぃぃ……」

兵士「なんなんだよ……なんなんだよおおお!?」


魔王「どうだ? 先ほどまで狩人の気分を味わっていた獲物くんたち」

魔王「少しは、獲物の気持ちも分かったかね?」

兵士「あ……あぁぁ………」

兵士「正義の味方気取りかよ……えげつねえことしやがるくせに……」

魔王「私が正義の味方? そんなわけないだろう」

魔王「私は………………」

兵士「ひ、ひいいいいいいい」

魔王「残った兵士もお前だけになってしまったな?」

兵士「こ、殺せよおおおおお!? どうせ殺すんだろう!!?」

魔王「いやいや、最後まで生き延びた幸運なお前にチャンスをやろう」

魔王「今から俺の質問にすべて答えろ。 そうすれば……」

兵士「分かった! 分かったから!! 鎌を近づけないでくれええええ」

魔王「ではまずひとつ。 貴様等はなぜ街人たちを殺して周っている?」

兵士「め、命令されたんだ!!」

魔王「誰に?」

兵士「王様だ!! サマンオサの王様だ!!」

魔王「サマンオサ?」

兵士「ここから東の大陸にある国だ!!」

魔王「なぜそんな遠方からわざわざ?」

兵士「知らねえよ!! 王様の考えることなんか!!」

魔王「そうか……」

魔王「では最後の質問だ」ゲシッ


兵士「ごふっ!!!」


魔王「お前は生きたいか? 死にたいか?」グリグリ

兵士「……ぃ………ぎっ…………」

魔王「……時間切れだ」


ぐちゃっ


兵士「ぁ…………」

魔王「…………ふぅー」

魔王(命が尽きる瞬間の空虚な表情……)

魔王(絶望と苦痛に染まりきった目の輝き……)


魔王「御馳走様」

疲れました終わります

あ、今日は終わりですから
まだ続けますから!

グプタ「ありがとうございましたマオさん」

マオ「いえ……気になさらないでください」

グプタ「ははは…… 街の者もみな感謝しておりました」

マオ「いえもっと来るのが早ければ……」

グプタ「そんな! マオさんのせいではありませんよ!」

マオ「私が勇者に手こずりさえしなければ」

グプタ「マオさん……」

マオ「ところで黒胡椒を売っていただきたいのですが」

グプタ「あぁそうでした!!」

マオ「お代はいかほどに?」

グプタ「そんなそんな! 命の恩人どころか街の恩人からお金なんて取れませんよ! ぜひ持って行ってください!」

マオ「しかし、それでは……」

グプタ「ポルトガの王様からの命令ですよね? 安心してくださいいつものことなので。 お金も後から頂けますし」

マオ「そうですか。 ではありがたく」

グプタ「はい! ありがとうございました!!」

タニア「魔法使いちゃん……ありがとうね」

魔法使い「ううん……気にしないで」

タニア「もういっちゃうの」

魔法使い「……うん」

タニア「寂しいわ……」

魔法使い「……大丈夫だよ、タニア。 また遊びに来るね?」ナデナデ

タニア「絶対よ? ぐすっ……」ギュッ

魔法使い「……うん」ギュ

タニア「ふふ、次会う時はきっとグプタと……」

魔法使い「……頑張って」グッ

タニア「うん! あの鈍感さんのお尻をひっぱたいてあげないとね」

魔法使い「……かわいい子供が生まれたら教えてね」

タニア「……絶対よ」

魔法使い「……また来る。 仲がいい2人を見に来るから」

タニア「……魔法使いちゃんもマオさんと仲良くね」

タニア「既成事実を作っちゃえばいいのよ」ボソボソ

魔法使い「……なっ///」


タニア「ふふ、またね! 魔法使いちゃん!」

魔法使い「……ばいばい」

………………
…………
……

~ポルトガ~


国王「そうか! 御苦労だったな!」

マオ「はっ……」

国王「しかし試すようなことをして悪かったな。 かの山岳を超えるだけでなく、盗賊たちを壊滅し、街の危険まで救うとは……そなたたちこそ真の勇者だな!」

マオ「勿体なきお言葉……」

国王「約束通り船を渡そうではないか」


………………………………

戦士「いぇーい!!」

遊び人「船じゃー!」

魔法使い「……わーい」

マオ「……ふん」

戦士「なんだよマオ元気ねえな」

マオ「……そうか?」

魔法使い「……国王とお話するの、いつもありがとね?」

戦士「あーそりゃ緊張もするよなー」

遊び人「わしらは後ろで黙ってればいいだけじゃからな」

マオ「いやいいんだそれは」

戦士「……ん?? そう?」


マオ「……偉そうな奴だ」ボソッ

魔法使い「……なに聞こえなかった」

マオ「いや、なんでもない」


………………………………

遊び人「船を手に入れたはいいがどうするのじゃ?」

マオ「問題はそれだな。 次にどうするかを決めていないんだ」

戦士「そんなの適当にぶらぶらしてりゃいいじゃん」

魔法使い「……遭難する」

遊び人「それはさすがに遊び人もびっくりする遊び方じゃな」

旅人「おや? あなた達は冒険者なんですね」

マオ「む?」

旅人「失礼、私も魔王討伐のために旅をしている者なんですよ」

戦士「お、兄ちゃん1人で旅してんの!? すげーな」

旅人「ははっそんなことありませんよ。 船が手に入るという情報があってここまで来たのですが黒胡椒を持ってこいなんて言われちゃいまして」

遊び人「あーあれか」

魔法使い「……船がほしい旅人はみんなあれをやるんだね」


旅人「なんだか話を聞いてると大きな山を越えなければならないとか?」

戦士「そうなんだよー馬鹿みたいにデカい山でさー。 超疲れたよ」

魔法使い「……でも山のふもとを迂回すれば楽に行ける」

旅人「ほう?」

マオ「私たちが山のふもとを牛耳っていた盗賊たちを壊滅させました。 なのでその道も安全に通れるのでそちらの方がバハラタまでは生きやすいでしょう」

旅人「なるほど! ありがとうございます!」

旅人「いやー助かっちゃいましたよあはは」

戦士「おう、じゃあ気をつけてな兄ちゃん」

旅人「はいありがとうございます。 みなさんもお気をつけて」

遊び人「あー待つんじゃ若いの」

魔法使い「……あなたは船を手に入れたらどうするの?」

マオ「せっかく船を手に入れたのに、情報が無くて困っていたんですよ」

旅人「あーなるほど! そうでしたか! そうですねぇ僕もあまり大きな情報はないのですが」

旅人「ここから北にまっすぐ向かうとエジンベアという国があるそうです。 そこには最後のカギが隠されているという噂ですよ」


戦士「最後のカギだってよ」

遊び人「噂程度でしか聞いたことがないがな。 なんでもどんなカギでも開けられる魔法のアイテムだとか」

魔法使い「……便利」

マオ「そのカギがないと魔王城にも入れないぞ」

戦士「へ? そうなの? めっちゃ大事じゃんそれ」

魔法使い「……なんでマオそんなこと知ってるの?」

マオ「あぁ…… 一人旅をしていたらそういう話を聞いたんだ」

戦士「へーさすがマオだな物知りだぜ」

魔法使い「…………えっへん」

遊び人「なんで魔法使いが得意気なんじゃ」


………………………………


ガヤガヤガヤ


遊び人「なんじゃか騒がしいのぅ?」

戦士「なんだなんだ?」

水着の女性「あら、綺麗な旅人さんたち! どうちょっとやっていかない?」

魔法使い「……なにをしているの?」

水着の女性「これから水着美少女コンテストをやるのよー! 参加してもらうだけで可愛いピアスもプレゼントしてるから良かったらどう?」

戦士「水着コンテスト!? なにそれおもしろそー!!」

遊び人「やるわいやるわい!!」

マオ「ババアもかよ」

水着の女性「ほんとー!? じゃあそこでエントリーシート書いてね♪ ち・な・み・に! 優勝賞品はきえさり草っていうレアアイテムなのよ!」

魔法使い「……きえさり草?」

水着の女性「そうなの! 食べると一定時間身体が透明になって見えなくなっちゃうの! すごいでしょ!」

戦士「へー」

遊び人「便利なアイテムじゃのぅ…… 浮気現場の尾行も堂々と出来るわけじゃ」チラッ

魔法使い「……む」

マオ「してねえよ浮気なんて……」

水着の女性「あはは、そうね色々役に立つアイテムだと思うわ! 水着は各自で好きなものを着てきてね! じゃあまたあとでねー♪」

マオ「本当にやるのか」

戦士「楽しそうじゃんやろうよ」

マオ「私に言うのかそれを」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 楽しみじゃのぅ何を着るかのぅ」

戦士「婆さんはやめといた方が良いだろ」

遊び人「何を言うんじゃ!? 楽しそうなことはやらねばならんじゃろうが!!」

魔法使い「……二人とも頑張って」


ガシッ


魔法使い「………」ビクッ

戦士「なにいってんだ魔法使い?」

遊び人「お主も出るに決まっておるじゃろう……?」

魔法使い「……いやです」

戦士「なんで!」

魔法使い「……そんな大勢の人が見てる前で見世物になりたくない!」

遊び人「なんでじゃ!!」

魔法使い「……いやなものはいや!」

戦士「マオ!!」

遊び人「お主はどうなんじゃ!!」

魔法使い「……止めるよう説得して」

マオ「…………えー」

マオ「いいんじゃね?」

魔法使い「……!!」

戦士「いよっし!!」

遊び人「ひゃっほーーーー」

……………………………………

魔法使い「…………」

戦士「いい加減機嫌直せよ」

魔法使い「……だって」

戦士「いいじゃねえかマオも見たいって言ってたぞ?」

魔法使い「……マオはもういっぱい見たもん」

戦士「また魔法使いの身体見せられるチャンスじゃん」

魔法使い「……変な言い方しないで」ベシッ

戦士「いてぇ」

魔法使い「……はぁ。 いっぱい人がいる」

戦士「本当だな。 なんかちょっとしたさびれた企画かと思ったら………」



ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ



戦士「……なんかめっちゃ大きいんですけどこれ」

魔法使い「……綺麗な人いっぱい」

戦士「んなことねえって!! 魔法使いだって十分綺麗だよ!!」

魔法使い「……なんで上から目線なの」

魔法使い「……はぁー」

???「……大丈夫ですか」

魔法使い「……へ?」

???「……大きなため息をついていたから」

魔法使い「……あっ…すいません」

???「……いえ。 緊張、されてるんですか」

魔法使い「……はい。 あまり人の前に立つようなことは……得意じゃなくて」

???「……分かりますそれ」

魔法使い「……あなたは?」

???「……私は……マ、マコです……」

魔法使い「……私は魔法使いです」

???「……お互い頑張りましょうか」

魔法使い「……はい」



戦士「なんだこの弾まない2人の会話」

戦士「今の綺麗な人だったな」

魔法使い「……綺麗な髪だった」

戦士「胸もあるし。 ま、私ほどじゃねえけど」

魔法使い「…………」シュン

戦士「そんな気にするなよ! 揉んでデカくすりゃいいんだから!」バシバシ

魔法使い「……痛いしうるさい」

戦士「ほれほれ? こうやってマオに揉まれてんのか?」ムニムニ

魔法使い「……触んないで」

司会「さぁ始まりました水着美少女コンテストおおおお!!!!」

司会「今年の輝く海に最も似合う水着美女は誰か!!」




ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ




魔法使い「……戦士! すごい人!」

戦士「うわっ、まじかよ! なんだこの人の多さは!?」

魔法使い「……帰りたい」

戦士「弱気になるなって、な?」

マコ「……最初はステージを歩いていくだけだそうです」

戦士「あ、さっきの」

マコ「……その中から投票制で1回戦を勝ち抜きするみたい」

魔法使い「……そうなんだ」

戦士「へっ! 負けるのも癪だからな! 目指せ優勝だぜ!!」

魔法使い「……がんばって」

マコ「……魔法使いさん」

戦士「やる気なさすぎィ……」

休憩

だめだ書こうと思ったけど筆が乗らないんじゃー水着とかやめときゃよかった感が


>>783

2回戦目のアピールポイント的なお題plz

遊び人の後をあるけば投票アップだ

申し訳ないテンションあがらないから飛ばすね
本当ごめんなさい


………………………………


魔法使い「…………」

戦士「機嫌直せって、な?」

魔法使い「……なんかマオに負けたのがムカつく」

遊び人「わしデザイン、モシャス、女装、完璧」

マオ「ババアの魔法も役に立つことがあるんだな」

戦士「でも確かになんか釈然としないよなー男に負けたんだもん」

遊び人「強くて顔も悪くは無くて女装も似合う。 いいではないか」

戦士「そこらへんの女の子より可愛いってのはダメだよな」

魔法使い「……うん」ベシッ

マオ「いたいぞ」

遊び人「じゃがこのきえさり草はどう使えばいいんじゃ?」

戦士「誰にも見えないってのは使い道多そうだけどな」

遊び人「スロットの景品を奪ったり」

戦士「いい武器を持ち逃げしたり!」

マオ「…………」
遊び人「女湯を覗いたりー」

魔法使い「……マオはそんなこと言わないよおばあちゃん」

遊び人「本当は覗きたいんじゃろ?」

マオ「……ふん」

戦士「覗きたいってさ」

魔法使い「…………」

マオ「言ってないが」

魔法使い「……マオがどうしてもっていうなら……」

マオ「……!?」

戦士「うわー」

遊び人「罪な男じゃー」

魔法使い「……しゅっこー」

戦士「ひゃっほーー!!」

マオ「動いたな」

遊び人「おぉー! これはすごいのぅ」

魔法使い「……思ってたより静か」

戦士「動いたああああ!! すっげーーーー!!」

遊び人「一人テンションあがり過ぎてうるさいがの」

マオ「……だが……思ってたよりゆっくりだな」

遊び人「それもまた船の醍醐味じゃろう」

魔法使い「……風が今日はあまりないから」


マオ「……竜巻魔法、バギ」


遊び人「な、なにやってるんじゃ!?」

魔法使い「うわわ!」

戦士「うおー!! すげー加速してるーーー!!!」

遊び人「こ、これはちょっとやりすぎじゃろう!?」

魔法使い「……あははは、でも楽しい」

戦士「いけいけー! もっとスピードだせー! ふぅー!!」

マオ「……ふふ」

遊び人「ま、いいか」

戦士「目指せ! 海を越えて! エジンベアー!!」


戦士「なぁみろよ! 魚泳いでるぞ!」

マオ「大きいぞ」

遊び人「あれは魚ではないぞ。 イルカという動物じゃ」

戦士「へー! 動物が泳いでんのか! すっげーな!!」

魔法使い「……ジャンプしてる。 かわいい」

戦士「あはは! 近づいてきたぞ! こんにちはイルカさん!」

遊び人「好奇心旺盛じゃな!」

魔法使い「かわいぃー……」

戦士「お前たちはどこへ行くんだー!?」


クィークィー


戦士「おぉすげぇ! 返事してくれた!!」

魔法使い「……お利口さん」


魔法使い「……海を滑ってるみたいで気持ちいい」

戦士「ほんと……いい風だなぁ」

遊び人「昼寝が捗るわい」

魔法使い「……ぽかぽか太陽」

戦士「ちょっと暑いけど……でも気持ちいい」

魔法使い「……マオおいで」ポンポン

戦士「たまには私とも寝ろよーほれほれ」

マオ「…………」

遊び人「なんともいえぬ顔をしておるのぅ」

魔法使い「……マオは私とがいいんだって」

戦士「いやいやもうそろそろ魔法使いには飽きてきたんじゃねえの?」

魔法使い「……そんなことあるわけない」

戦士「大人の魅力ってのが恋しくなるんだよ」

魔法使い「……むむむ」

戦士「………へへへ」

マオ「……はぁ」

遊び人「戦士も分かっててやるからたちが悪いのぅ」


グラグラグラグラ


戦士「ん? なんだ?」

魔法使い「……波が立ってる」

遊び人「……天気はいいんじゃがなぁ」



ザバァッ!!!



戦士「なっ…!?」

マオ「大王イカか」

遊び人「危ない!!」


ビターーーーン


魔法使い「……なんておっきいの」

戦士「おい攻撃してきたぞ!!」

マオ「戦うぞ」

遊び人「じゃがまた海に入りおった!」

魔法使い「……どこから来るか分からない、注意して」

戦士「おう!!」

ザバアアアアアアアアア

「ギェェェェェェェェェェェ」



戦士「魔法使い! 後ろだ!!」

魔法使い「……!!」

戦士「おっりゃああ!!」ザシュッ



「ギィィィィィィィィィィィ」


魔法使い「あ、ありがとう」

戦士「へっ、どんなもんだ」

遊び人「まだ来るぞ! 下にもぐっただけじゃ!」



ザバアアアアアアアアン


遊び人「こっちにきたか愚か者め! 拘束魔法!!」


ガシッ


遊び人「そのまま海から引きずりだしてやるわ!」

戦士「おぉ! 婆さんイカの1本釣りか!!」

魔法使い「……ダイナミック」



「ギ、ギゲゲエエェェェェェェェェェ」

ブウウウウウウウン



遊び人「こやつ! まだ動けるのか!」

戦士「婆さん! 伏せてな! おらあ!!」ガキンッ

戦士「ぐっ!! 負けるかあああ!!」ザシュッ


「ギェェェェ………」バタン



戦士「よっしゃ!」

魔法使い「……ほっ」



ザバアアアアアアアアアア


「ギエエエエエエエエエエエエエエ」


ブゥゥゥゥゥゥン



戦士「なっ!」

魔法使い「もう一体…!?」


バシイイイイイイン


戦士「ぐあぁぁ!!!」ゴトゴト

遊び人「戦士! 回復魔法、ベホイミ!」

魔法使い「おばあちゃん! そっちに!」

遊び人「ぐっ!? しまった!!」



バシィィィィィィィィン


遊び人「ぐはっ!!」

魔法使い「おばあちゃん!!」

戦士「やべぇ!! 海に投げ出されたぞ!!」



ザバアアアアアアン


戦士「まずいまずいまずい!!」

魔法使い「大王イカが追いかけちゃった……」

戦士「海の中は……」ゴクリ

魔法使い「……おばあちゃんお願いあがってきて……!!」


マオ「ちっ」


ザブゥゥゥン


戦士「マオ!!」

遊び人(くっ! この!! こっちに来るな!)

遊び人(海の中では……魔法の詠唱が出来ん!)

遊び人(なんとかして海面まで上がらねば!!)



「ギエエエエエエエエエエエエ」


遊び人(……!! この!!)


ガンッ


遊び人「……ッ!!」

遊び人(ま、まずい……このままでは……喰われる!?)

遊び人(ち、力が入らん……)

遊び人(あぁ……なんということじゃ……こんなところで……)


「ギエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」


遊び人(ここまでか…!)


「ギャアアアアアアアアアアアア」


遊び人「……!!」


マオ「…………」キーン


ブゥン


「ギエエエエエ………ギギッ………」


ぶしゃあああああああああああ



遊び人「………!!」

マオ「…………」ガシッ

遊び人(こやつ……わしを助けに海まで…!?」

マオ「…………」

遊び人「はぁ……はぁ…………」

魔法使い「おばあちゃん!」

戦士「大丈夫か!?」

遊び人「はぁ……はぁ……危うくイカに食われるところじゃったわい……」

戦士「婆さんが海にブッ飛ばされてからマオが海に飛び込んでよ」

魔法使い「……2人とも無事で本当に良かった……」ペタン

遊び人「あぁ……助かったわい。 礼を言うぞ若造」

マオ「……海に落ちるのはさすがにまずいからな。 さすがに手を出させてもらった」

魔法使い「……心配で思わず助けてしまったと言ってる」

遊び人「ふん、素直じゃないのぅ」

戦士「なら最初っから一緒に戦ってくれってんだ……」


マオ「私がすべての敵を倒していたらみんな強くなれないだろう」

戦士「まぁ、確かに」

遊び人「時と場合は見極めてほしいもんじゃ」

マオ「あの状況ならみなで固まって対処すべきだった。 皆の位置が遠かったから前衛の戦士の動線が長くなりああいう結果になってしまったんだ」

遊び人「うぐ……」

魔法使い「……ごめんなさい」

戦士「ま、まぁ! そういう時だってあるって! みんながこれでひとつ学べたんだからいいじゃん! な?」

マオ「……そうだな」

魔法使い「……うん。 気をつける」

遊び人「さ! 気を取り直して昼寝じゃ!」

戦士「婆さんは先に身体拭いてこいよ」

遊び人「なーにこんなの寝てれば乾くじゃろうて」

魔法使い「……マオ」ポンポン

マオ「…………」

戦士「膝枕だぁ? あめえよ女なら胸枕ぐらいなー」

魔法使い「……戦士はうるさい」

戦士「なにをー!?」

魔法使い「……なに」

多分更新終わります

夜に気が向いたら書くかもです


ポツ


マオ「……うん?」

マオ「いつの間にか寝ていたのか……」

マオ「陽も傾いてきているし……かなり曇ってきたな」

魔法使い「……んぅ……マオ……?」

マオ「おはよう魔法使い」

魔法使い「……おはよ」ギュ

マオ「もうすぐ陽が暮れるぞ」

魔法使い「……保存食持ってくる。 ご飯にしよ」

マオ「そうだな」

魔法使い「……じゃあみんな起こしておいてね」

マオ「分かった」


マオ「おい起きろ」ゲシッ

遊び人「ぐえぇっ!!」


戦士「しっかし本降りになってきたなぁ」

遊び人「航海を始めた最初の夜が雨とは……なんともいえぬ気持ちになるわい」

魔法使い「……雨強い。 風もある」

マオ「船が流されないか心配だな」

戦士「えー大丈夫なのかよ?」

マオ「普通なら大丈夫だと思うが…… さすがにシケてきたら徹夜で航海だな」

遊び人「帆船も楽じゃないのぅ」

魔法使い「……マオ、魔法でなんとかならないの?」

マオ「……出来るな」

戦士「出来んのかよ!!」

遊び人「なんでもありすぎじゃろお前」

マオ「だが、そんなことをしたら旅の楽しみも薄れるだろう?」

戦士「まぁ、確かに」

遊び人「楽出来るならなんでもいいわい」

魔法使い「おばあちゃんは遊び人なのにあんまり遊ばないね」

戦士「そうかぁ!?」

遊び人「わしは楽をする遊びが仕事じゃ」

マオ「働かぬ者食うべからずだ」

遊び人「働かずして食う飯はうまいぞー」

戦士「ただのクズじゃねえか!!」

魔法使い「……ご飯はみんなで一緒に食べるのがおいしい」

遊び人「いいこと言うのぅ」

戦士「汗をかいた後の飯が最高だぜ」

マオ「………」

遊び人「若造はどんな飯がうまいと思うのじゃ?」

マオ「……うーむ」

戦士「魔法使いの作った飯だろ」

魔法使い「………!」ポン


マオ(人を殺した後に食う飯とはいえないな)


ピカアアアアアアアアアアアン



魔法使い「ひっ…!!」

遊び人「うおぉぉ雷が落ちたぞ? 近いな」

戦士「さすがにビビったぜ!?」

魔法使い「……ま、マオ……」ビクビク

マオ「……雷もダメなのか」

魔法使い「…………」ブンブン

遊び人「情けないのぅ」



ドカアアアアアアアアアアアアアン



遊び人「うわっはっはっはデカいわい」

魔法使い「……………」プルプル

戦士「さすがに魔法使いじゃなくてもこえぇだろこれ」

マオ「………ふん」

遊び人「なんじゃ、若造。 魔法使いに寄られて鼻を伸ばしおって」

マオ「……黙れ」

魔法使い「…………」ビクビク

戦士「当の本人はそんな余裕なさそうだぞ」



ピカアアアアアアアアアアアアアン



魔法使い「………ッ!!」

戦士「今日魔法使い心臓止まるんじゃねえの」


魔法使い「……ほんとにむり」ビクッ

戦士「小動物か」

遊び人「丸くなっておるしまさにそれっぽいわい」

魔法使い「……笑い事じゃない」

戦士「じゃあみんなで怖がるフリをすれば魔法使いも怖くなくなるかもな」

マオ「なんだその謎理論は」

遊び人「怖がるのがアホらしくなるかもしれんな」




ドガアアアアアアアアアアアアン



魔法使い「…………!!」ビクンッ

戦士「おわあああああああああああああああ!!!!」

遊び人「ぎゃーーーーーー!!! 雷ぃぃぃぃぃぃ!!」

マオ「…………」

魔法使い「……なにしてるの」

戦士「なにやってんだよ、ほらお前らもやるんだよ」

遊び人「その気にならんでどうする」



ドガアアアアアアアアアアアアアアアアン



戦士「うおおおおおおおおおあああああああああ!!!」

遊び人「死ぬーーーーー怖いんじゃーーーーー」

魔法使い「…………」

戦士「マオおおおおおおこええだろおおおおお!!?」

マオ「……怖いな確かに」


戦士「って、おいおい外霧まで出てきたぜ?」

遊び人「……本当じゃな。 雷は幾分よくなったが」

魔法使い「……雷よりはマシ」

マオ「そうでもないぞ。 霧だと視界が悪い分、もし陸や浅瀬があっても気付かないで乗り上げてしまう危険だってある」

戦士「……え、それわりとヤバい感じ?」

魔法使い「……そうなったら一貫の終わり」

遊び人「まぁ、もし浅瀬に乗り上げても若造がなんとかするじゃろう」

魔法使い「……確かに」

マオ「お前らは私を何だと思っているんだ」

戦士「でもさーこんな大海原で陸とかあるかぁ?」

遊び人「常識で考えればないじゃろうな。 それにそんな大きなものなら見えることもあるじゃろうて」

魔法使い「……このまま進む?」

マオ「そうだな。 それに私は目が利く。 なにかがあっても見えるだろう」

戦士「やっぱりなんでもありじゃねえか」


戦士「それよりもさぁ、霧が出てくると思うことがあんだよ」

遊び人「なんじゃ?」

戦士「……お化けが出そうだよな」

戦士「ヴァーーーーー」

魔法使い「……こっちに来ないで」

戦士「怖がる魔法使いにお化けは寄っていくぞぉ…… うらめしやぁーー」

魔法使い「……怖くないもん」ベシッ

戦士「本当にかぁー? 怖がらない魔法使いには……こうだー!」ガバァッ

魔法使い「うわっ…! ちょっと、やめて!」

戦士「こちょこちょこちょ!」

魔法使い「やめて! やめてってば! あはは!!」

遊び人「お化け関係ないじゃろそれ」

マオ「じゃれたかっただけだろ」

遊び人「うらやましいのか?」

マオ「……黙れ調子に乗り過ぎだ」


戦士「こちょこちょこちょ!!」

魔法使い「……いい加減に! して! メラ!!」

戦士「あっつ! あっついわ!!!」


戦士「なぁ、おい、なんだあれ!?」

遊び人「ん? なんじゃ?」

戦士「窓の向こう! ほら!」

遊び人「うーん?」

魔法使い「……船?」

マオ「大きいな」

戦士「こっちに近づいてきてないか?」

遊び人「まさかそんなわけないじゃろう。 船と船で衝突を避けるために進路は被せないのが鉄則じゃろう?」

戦士「でもよぉ」

マオ「確かに近づいてきてるな」

魔法使い「……あっちの船でなにかあったのかもしれない」

戦士「なにかって、なんだよ」

魔法使い「……それは分からない」

遊び人「じゃが、もしなにかあったのだとしたら助けを求めてくるというのは分からんでもないな」

マオ「だが信号となるものもなにもないぞ」

戦士「うーん…… 一体なんだってんだ?」

魔法使い「……分からない」

マオ「とりあえずはこのまま維持し、ぶつからないように舵だけは取るぞ」

戦士「ラジャー、キャプテン」


戦士「うっひゃああああでっけぇ!」

魔法使い「……近くで見ると圧倒的」

戦士「一体なんなんだろうな!? 軍艦か!?」

マオ「この船おかしいぞ」

戦士「へ?」

遊び人「……確かにおかしいな」

魔法使い「……どういうこと?」

遊び人「普通の船なら夜になれば明かりをつけるじゃろう?」

マオ「この船も一緒だ。 船首、マストの見張り台、あとは船内にも明かりは必ずある」

遊び人「じゃが、あの船には明かりなど一つも灯っておらんわい」

魔法使い「………?」

遊び人「それに……近くになって初めて分かったが……この船、異様なほどボロボロではないか?」

戦士「た、たしかに…… 帆なんかボロボロで穴だらけだ……」

遊び人「……これは、なにかあるぞ?」

戦士「なにかって……なんだよ」

遊び人「これは……もしかすると……」

魔法使い「……やだ、聞きたくない」ギュー


遊び人「幽霊船ってやつじゃないか?」

今日の更新終わります


魔法使い「……なにも乗りこまなくたっていいじゃん」

遊び人「お宝があるかもしれないじゃろう! 金銀財宝! がっぽがっぽじゃ!」

戦士「あー……財宝はともかくガイコツならごろごろあるな」

マオ「この船員だったんだろう」

魔法使い「……もうやだ……帰る……」

戦士「あっはっは! ビビってたら心臓がいくつあってもたんねえぞ?」

魔法使い「……元はといえば戦士がお化けの話なんかするのがいけない」

戦士「えー関係ないだろ」

マオ「いいから行くぞ」

魔法使い「……やだ」

遊び人「じゃあ魔法使いはここで待っておれ」

戦士「じゃあなー」

魔法使い「……え?」


ガタガタ


魔法使い「……ッ!?」

魔法使い「な、なに……?」



・・・・



魔法使い「………?」

魔法使い「……待ってよみんな!」

魔法使い「……本当に置いていくなんてひどい」



ガチャガチャ



魔法使い「……え?」


ガチャガチャガチャ


魔法使い「……あれ、おかしいなドアが開かない」

魔法使い「………」


スッ


魔法使い「……ッ!?」


戦士「あれ、魔法使いは?」

遊び人「甲板じゃろう」

マオ「……本当に置いてきたのか」

戦士「骸骨があるだけだし甲板で待ってるってのは案外一番良かったりしてな」

遊び人「そのうち怖くなって追いかけてくるじゃろう」

戦士「とりあえず探索しようぜー」

マオ「まずはこの部屋から入るか」


ガチャ


戦士「……うへぇ骸骨さんが……」

遊び人「これは手を繋いでおるのか」

戦士「手繋いだまんま死ぬとかどんだけラブラブだったんだよ」

マオ「男と女かは分からんぞ」

戦士「同性愛!? うはーやめろよ」

遊び人「なしじゃなかろう?」

戦士「えー私はなしだな」

マオ「……とりあえずこの部屋には何もなさそうだ」

遊び人「奥にまだ扉があるぞ?」

戦士「いってみっか」


ガチャ


戦士「げっほげっほ! 埃っぽいな!」

遊び人「ここは寝室か…… ベッドしかないのぅ」

マオ「狭い部屋だ。 こんなところにベッド2つは窮屈ではないか?」

戦士「船の中のスペースだって限られてるからさ、仕方ないんじゃねえの」

遊び人「布団めくったら骸骨がぁーとかあるかのぅ?」

戦士「やめろよ……さすがにそれはビビるぜ」

マオ「……ここも何もなさそうだ、次の部屋へ行こう」


マオ「…………」

戦士「どうしたマオ?」

マオ「……その仲良し骸骨を見てみろ」

戦士「んー?」

遊び人「なっ……!?」

戦士「おいおい……まじかよ」

マオ「……片割れがいなくなっているぞ」

戦士「……どこ行っちまったんだよ」

遊び人「ちょ、ちょっと待て! 常識的に考えて骸骨がいなくなるとかありえんじゃろう!?」

マオ「そうだな」

戦士「いやーそもそも幽霊船が常識外れだからさ、なんか……なんでもありかなーって」

遊び人「なんでお主らそんなに冷静なんじゃ!?」

マオ「いいから行くぞ。 襲ってくるわけじゃないなら問題ない」

遊び人「魔法使いじゃないがビビってきたぞ……」


戦士「ここは?」

遊び人「食堂か。 大きなテーブルじゃな」

マオ「ここで船員が並んで飯を食っていたわけか」

戦士「楽しそうじゃん! 賑やかだったんだろうな」

遊び人「ここにはお宝はないじゃろう! さっさと行くぞ!」

戦士「なんだよーちょっとくらい観光しようぜ」

遊び人「観光なんぞするところか! お宝を頂いたらさっさと逃げるぞこんな気味が悪いところ」

マオ「……元気なババアだ」

戦士「分かったから押すなって出るからさ」

遊び人「うまい飯のひとつでも出るなら居座りたいがのぅ……」

戦士「それは贅沢言いすぎだって」

マオ「……階段があるぞ」

戦士「お! なんかありそうじゃん!」

戦士「婆さん階段急だぜ、手を……あれ」


・・・・


戦士「婆さん?」


戦士「おいマオ! 婆さんがいねえ!」

マオ「…………」

戦士「ちょっとやべえんじゃねえか!?」

マオ「そうだな、探すぞ」

戦士「手分けして探そう」

マオ「ダメだ危険すぎる。 気配を全く感じさせず人を連れ去ることの出来る能力など厄介すぎる」

マオ「そんな相手がいるかもしれないのに単独行動は自殺行為だ」

戦士「……そうだな」

マオ「まずは各部屋をしらみつぶしにしていく。 この階段を上がるぞ」

戦士「分かった」


マオ「…………」

戦士「操縦室か」

マオ「のようだな」

戦士「……敵の気配はねえな」

マオ「それみろ」

戦士「ん?」

マオ「舵が勝手に動いている」

戦士「うひゃー……心霊現象以外の何物でもないな」

マオ「…………」

戦士「この骸骨が船長さんか。 おいせんちょーこの船ヤバすぎだぜどうすんだよぉ」

マオ「いいから行くぞ次だ」

戦士「へいへい」


ブッブーーーーーーーーーー!!!!


戦士「おわぁっ!?」

マオ「……!」

戦士「なんだ今の音!?」

マオ「……汽笛か?」

戦士「はぁ…!? 誰が鳴らしたって言うんだよ!?」

マオ「そりゃ、幽霊だろう」

戦士「えぇ……」


マオ「ドア、開けるぞ」

戦士「おう、カバーは任せろ」


ガチャッ


マオ「…………」

戦士「どうした? なにかあったか」

マオ「……いや、宝物庫のようだ」

戦士「宝物庫!? お宝か!?」

マオ「といってもガラクタばかりだな。 どれも痛んでる」

戦士「なんだよ……じゃあ金目のものはなさそうか?」

マオ「一応調べてみる。 ドアを閉めろ、入口はそこしかないから何かが入ってきてもすぐに気がつく」

戦士「ほっ……ちょっと休憩がてら漁ってみるか」

マオ「魔法使いが心配だ。 すぐにいくぞ」

戦士「婆さんも心配してやれよ……」

戦士「ってこれ、お宝じゃないか?」

マオ「うん?」

戦士「これ、綺麗な剣だ。 まだ全然使えそうだぞ」

マオ「……飾り用の剣だろう? 実戦では使えないぞ」

戦士「でもいいじゃん持っていこうぜ。 高く売れるかもしれないしさ」

マオ「分かった」

戦士「よし、じゃ行こうぜ」

マオ「……開けるぞ」


ガチャ



マオ「……ッ!?」



シーン・・・・・・


マオ「やられた!!」

マオ「ありえない! 完全な密室だぞ!」

マオ「くそ! 魔力も気配もなにも感じなかった!」

マオ「……まずい」

マオ「敵が強すぎる…… 私が感知することが出来ないほど圧倒的な存在がいるとは」

マオ「脱出するか?」

マオ「元々はお遊びで始めた旅だ…… ここでやめるのもいいだろう」


マオ「いや……」

マオ「仲間が捉えられているなら…… 助け出すのが仲間というものだな」

マオ「それにパーティは守るって魔法使いに言ってしまったしな」

マオ「……助け出してみせるぞ」


ガチャッ

マオ「…………」



ガチャッ

マオ「……………」



ガチャッ

マオ「………………」




ガチャッ

マオ「……ここもいないか」




マオ「…………」

マオ「船内はすべて制圧した」

マオ「残るは甲板のみか?」

マオ「……もしそこにいなかったら……」

マオ「……くっ、考えるのはやめだ! 見つける前に諦めてどうする!」


マオ「……はぁ~……」

マオ「…………」



ガチャッ


戦士「あはははは!!」

遊び人「骸骨が酒を飲んでも流れ出るに決まっておるじゃろうが! わははは」

魔法使い「……おもしろい」



マオ「…………」


「へへ、次はライブの時間だぜぇ!?」

「聞いてってくれよな。 タイトルは……」

「海の上の病気でボーン・ボーン」



マオ「…………」


マオ「……なんだこれは」

遊び人「おぉ、遅かったな若造」

魔法使い「……おかえり」

マオ「なんなんだこの宴会騒ぎは」

戦士「あっはっは! こいつらおもしれえの!」

遊び人「この船の船員たちらしいぞ」

魔法使い「……航海中に全滅したらしい。 でもなんでか知らないけど毎晩骸骨の姿で目が覚めるんだそう」

戦士「そんで毎晩はしゃいでるらしいぜ!」

マオ「……は?」

遊び人「そこでわしらも一緒に楽しんでもらおうとここまで連れてきたらしいぞ」

マオ「……ありえないだろ」

戦士「こまけえこたぁいいんだよ! 飲もうぜほら!」

魔法使い「……楽しまなきゃ」

マオ「……なんだこれは」

「姉ちゃんたち、どっから来たのよ」

戦士「私らはアリアハンからだよ」

「アリアハンってぇとあの南の島か! かぁーそりゃ偉い長旅だったんだなぁ!!」

魔法使い「……色々ね」

「へぇー。 それにしてもこんなべっぴんさんばっかり連れてよぉ。 兄ちゃんもやるじゃねえかこのこのー」

マオ「…………」

遊び人「べっぴんだなんてうまいのぉ。 なかなか骨があるわい!」

「ま、骨しかねえけど! なーんちゃってな! あはははは!!」

マオ「………………」


遊び人「そういえば宝はあったのか!?」

戦士「いやー特になんも」

「はは、そりゃそうだろうな! この船はただの兵隊の船だからな。 ボロ切れくらいしかねえだろうよ」

マオ「……見つけたのはこの剣くらいだな」

魔法使い「……綺麗」

「良く見つけたじゃねえか兄ちゃん。 それ、持っていきな」

マオ「いいのか」

「おぉ、あたりめえよ」

戦士「やったぜサンキュー骸骨さん! こんな綺麗な剣見たことねえよ」

「へへっ、いいだろ? だがそれはただの飾りじゃないんだぜ」

魔法使い「……?」

「その剣はな、ガイアの剣って言うんだ」

戦士「ガイアの剣?」

「そう。 それを火山に投げ入れると、噴火して道を作れるっていう代物よ」

戦士「火山が噴火ぁ!?」

遊び人「死ぬじゃろうが!!」

「ははっ、俺らは元々それを遂行するための捨て身の部隊だったのさ」

魔法使い「……そうなんだ」

「おう、なんでもその剣で作の道は魔王城への道になるって話だぜ?」

戦士「魔王城の!?」

「本当かどうかは分かんねえよ? ただ俺らはそう説明を受けて……みんな世界のために死ねるならってんでよ……」

「ま、途中で病気になってみんな死んじまったけどな! あははははは!!」

マオ「…………」


「だから…… その剣を……使ってくれよ」

「俺らの悲願を…… 俺らの代わりに叶えてくれよ」

「骨からの……一生のお願いだ」

魔法使い「……もう一生を終えてる人から一生のお願いは聞けない」

戦士「へっ、そうだぜ。 そんなこと言われなくたって私らに任せろよ

遊び人「魔王はわしらが必ず倒してみせるわい。 安心して酒を飲んでおれ」

「へへっ…… ありがとうよべっぴんさんたち!」

「俺ぁ……嬉しくて涙が出ちまうよ……!」

「目ん玉ねえけど!」

戦士「ぶふっ!」

魔法使い「……いい話なところでそれはやめて…」プルプル


……………………………………


「じゃあな骨のある旅人さんたちー!!」

戦士「またなー!! あんまり飲みすぎるんじゃねえぞー!!」

魔法使い「……身体からすり抜けるだけなんだからね」

「へっ! 俺らの命! あんたらに託したぜ!」

戦士「おうっ!! 任せろー」

遊び人「達者での」





……………………
………………
…………

今日は終わります

勇者さんは……まだ秘密です

たまには安価しましょうかね、自分だけで話書いててもおもしろくないね


……………………………………

~エジンベア大陸~



マオ「やっと陸についたか」

戦士「うおー! 大地だぁー! 地面かってー!」

魔法使い「……草のいい香りがする」

戦士「へへ、海もいいけど陸もいいもんだなー」

遊び人「船が進んでくれるわけじゃないからのぅ老体にはきついわい」

魔法使い「……おばあちゃんはいつも元気」

戦士「まぁまぁ。 自分の足で歩くのも悪くないだろ」

遊び人「そうじゃな。 船の中だけというのも飽きたわい」

マオ「よし、じゃあ行くぞ」

戦士「おー!」

魔法使い「……おー」


……………………………………

魔法使い「……はぁ……はぁ……」

戦士「やっぱり、山はしんどいな……」

遊び人「なんじゃもう根をあげているのか。 情けない」

マオ「……もうすぐに頂上だ。 あと少し頑張れ」

戦士「陸やっぱりダメだな海が最高だ」

魔法使い「……賛成」

遊び人「さっきの元気はどこへやらじゃな」


戦士「……やっと、頂上だー」

魔法使い「……わぁ!」

遊び人「これはこれは…… 立派な街がみえるのぅ」

戦士「すっげぇな! なんてデカさの城だ」

魔法使い「……あれがエジンベア?」

マオ「だろうな」

戦士「ひえぇー今までいったどんな街よりも圧倒的にデカいな!」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 あれだけデカければ遊ぶところもさぞかし沢山あるのじゃろうな!」

魔法使い「……楽しみ」

戦士「なぁおい! 早く行こうぜ!」

マオ「今から行くんだ。 そんなに急ぐこともないだろ」

魔法使い「……少し休憩」

遊び人「そうじゃな、休憩してから街に入るぞい」


……………………………………

~エジンベア~



戦士「うっぉー! 人も多いなー!」

魔法使い「すごい…… 人がギュウギュウになりながら歩いてる……」

遊び人「ずいぶんと栄えておる街じゃのぅ」

「ふふ、こんにちは田舎の人」

マオ「ん?」

「旅の方かしら」

戦士「あぁ、そうだぜ!」

「まぁ! ようこそエジンベアの街へ」

魔法使い「……お邪魔します」

「あなた達のような田舎者には似合わない街ですが、ゆっくりしていってくださいね」

戦士「は?」

「おほほほ、ではごきげんよう」


遊び人「何じゃ今のは」

マオ「さぁな」

戦士「なんかムカつくな今のおばさん」

魔法使い「……とっても綺麗な人だったよ」

戦士「それとこれとは話が違うの! なんだよあれ……」

魔法使い「……落ちついて」ナデナデ

戦士「へっ……やめろよ恥ずかしい」

遊び人「どっちが年上か分からんな」

マオ「……全くだ」

戦士「私の方が年上だー!」

魔法使い「……落ちついて」ナデナデ

戦士「だからやめろって!」

マオ「…………」

遊び人「よしよししてやろうか?」

マオ「……黙れクソバババア」


マオ「まずは宿屋を見つけなければな」

魔法使い「……でもこう人が多いと、歩くのも大変…!」

戦士「盗賊とかの職業ならするする抜けられるんだろうけどなぁ」

魔法使い「……私たちには出来ない」

遊び人「人に溺れるわいっ!」

魔法使い「……おばあちゃん大丈夫?」スッ

遊び人「ふぅ助かったわい……」

マオ「はぐれないように手を繋ぐのはなしじゃないな」

遊び人「なんじゃ若造。 魔法使いと手を繋いでるのを嫉妬しておるのか?」

マオ「どうしてそうなる」

戦士「じゃあ私と繋ぐか! マオ!」ギュッ

マオ「……やめろっ歩きづらい」

戦士「えーなんでだよ! 今手繋ぐのなしじゃないって言ったじゃん」

魔法使い「……ん~!」

遊び人「まぁまぁ、落ちつかんか」

戦士「へへっ」ドヤァ

魔法使い「……!?」


ドンッ


戦士「いてっ! 悪い!」

「ちっ!! 前見て歩けよ! あー……汚れちまったかな……」スタスタ


戦士「……なんだあいつ」

マオ「…………」

魔法使い「……大丈夫、戦士?」

戦士「あぁ、別になんともないぞ。 ただ肩がぶつかっただけだし」

魔法使い「……よかった」

遊び人「じゃがなにも肩がぶつかっただけで怒ることはないじゃろうに」

戦士「人通りも多いし、なぁ?」

魔法使い「…………」コクコク

「それはあなたたちがよそ者だからですよ」

戦士「ん?」

「そんな汚れた服をこすりつけられていい気がするわけないですよ」

魔法使い「……汚れてなんかない。 ちゃんと洗ってる」

「そういう問題じゃないんですよ。 服の質や値段だって大きく違いますからね」

遊び人「失礼な話じゃ」

「そういう街なんですよ。 ここは。 そこでどうです?」

「是非、うちの服屋、見ていってください!」



戦士「ほんと腹立つ……! なんなんだよ貧乏人だの田舎者だの!!」

魔法使い「……いい気はしない」

遊び人「ここは裕福すぎる街なんじゃな。 その中でわしらのような旅人は浮いている存在なんじゃろう」

戦士「だからってよ! あんまりだぜ?」

マオ「こらえるしかないさ。 そういう街なんだと諦めるしかないだろう」

戦士「……ちっくしょー。 なんか癪だな」

魔法使い「……なでなで」

戦士「……ありがとよ魔法使い」

魔法使い「……うん」

遊び人「……ふっ」

マオ「黙ってろババア」

遊び人「なにも言っておらんぞ? わしはただ仲が良くていいことじゃ、と思ってただけなんじゃがなぁ?」

マオ「……次元の狭間に閉じ込められたいか?」

遊び人「おぉ、こわいこわい」


……………………………………

~宿屋~


「……いらっしゃいませ」

マオ「部屋を借りたいんですが。 2部屋か、3部屋で」

「申し訳ございませんが、お客様には当店のご利用は難しいかと」

マオ「……どういうことでしょう」

「当店は値が張りますので」

マオ「……なるほど。 では他に安い宿とかはありますか?」

「いえ、うちが最低価格でサービスを提供させていただいております」

マオ「……はぁ。 ではここで2部屋借りたいのですが」

「ですから、先ほども申しました通りお客様のような旅のお方にはうちは……ちょっと」

戦士「おい、さっきから聞いてりゃなんだよそりゃ? うちらに街の外で野宿しろって言ってるのか?」

「いえ、そうは申しておりませんが……」

戦士「だったらなんだってんだよ? あんた言ってることがおかしいじゃねえか」

「ですから旅のお方にこの街の宿のご利用は


チャキッ


戦士「がたがたうるせえんだよおっさん。 グダグダ言ってねえで部屋貸せって言ってんだよこっちは」

「……!!」

マオ「やめないか戦士。 申し訳ございませんうちの者が」

「い、いえ……」

マオ「1部屋で構いません。 貸していただけますね?」


戦士「ほんといい加減頭きたぞ私は!!」

マオ「落ちつけ戦士」

戦士「落ちついていられるか! あいつらはここに泊まってほしくなくて街の外で寝泊まりしろって言ってたんだぞ!?」

遊び人「そんなこと分かっておるわい」

戦士「じゃあなんで!!」

マオ「街の人がみんな旅人に優しいかどうかということだ」

遊び人「その国によって考え方も違うじゃろうて。 この街では旅人はあまり歓迎されないんじゃろう」

戦士「……なんだよそりゃ」

魔法使い「……でも気分がよくないのは本当」

マオ「そうだな。 さっさとこの街にあるという最後のカギを手に入れよう」

戦士「そんでさっさとずらかろうぜ」

遊び人「本当はもっとゆっくりしたかったんじゃがのぅ」

魔法使い「……この街の人はみんな上品。 おばあちゃんが好きな類の娯楽は少ないかもしれない」

遊び人「そうなんじゃよ。 ちぃとこの街はわしには窮屈な感じがするわい」

戦士「ばあさんだけじゃねえよ。 私だって一緒だ」

魔法使い「……戦士が一番怒ってる」

遊び人「しわが増えるぞ」

戦士「うるせぇ!」


マオ「とりあえずは城に行こう。 国王からカギについて情報が得られるかもしれない」

戦士「この国の王様に会うのかよ!? ぜってぇ嫌味なやつだぞ?」

遊び人「間違いないじゃろうな」

魔法使い「……戦士は待ってる?」

戦士「行くよ! 行くけどさ!」

マオ「どんな国王でも黙っていろよ」

戦士「ちっ。 分かったよ」

魔法使い「……戦士がイライラしてたらなでなでしてあげるね」

戦士「あぁ、頼むわ」

魔法使い「……うん」ニコ


マオ「よし、行くぞ」

戦士「おう!」



ヒソヒソヒソ

「まぁ、あの田舎者が店員に剣を向けたっていう?」

「やっぱり教養がない人って野蛮なのね。 人に向かって剣を向けるなんて」

「お金も持っていないのに脅して無理矢理部屋を使っているらしくてよ」

「まぁ! 旅なんてしてるとこうなってしまうのね。 旅をしなければいけない田舎者は怖いわ!」



戦士「……てめぇら」

マオ「やめないか」

魔法使い「戦士、落ちついて」ナデナデ

遊び人「城どころかまだ宿屋の建物を出ていないうちからこれではな」

戦士「ちっ! いこうぜ!!」



「まぁ! 本当に野蛮なのね田舎者は」

「信じられませんわあんな下品な言葉遣い!」

「怖いわ。 早く街から出ていってくれないかしら」

ちと休憩します


……………………………………………

~エジンベア城~

門番「貴様ら、何者だ」

マオ「旅の者です。 国王に話を伺いたく参りました」

門番「ダメだ。 ここは由緒正しきエジンベアの城! 田舎者に国王陛下が割く時間はない」

戦士「ちょっと! どういうことだ!」

マオ「なんとか会わせてもらうことは出来ませんか?」

門番「ダメだ。 田舎者は帰れ帰れ!」

戦士「この街はどいつもこいつも!!」チャキッ

魔法使い「戦士! ダメ!」

マオ「うちの者が申し訳ございませんでした。 失礼します」

門番「ふんっ。 さっさと失せるんだな」


戦士「なんで止めんだよ! ぜってえあいつぶっ飛ばす!!」

遊び人「アホ! やめんか!」

魔法使い「落ち着いて、ね?」ナデナデ

戦士「もう我慢なんねえよ!! わりぃけどあいつだけは殺す」

マオ「国一つを敵に回す気か?」

戦士「でもそうしねえと気が収まらねえ!!」

マオ「落ち着け。 きえさり草を使えば姿を隠して門番を抜けられるだろう」

戦士「そういう問題じゃねえ!」

魔法使い「戦士……」


マオ(このままでは埒が明かない。 本当に戦士に切りかかりそうだ)

マオ(国王に話を聞くには穏便に済ませる必要がある。 兵士を殺して一国を敵に回すなど、不可能ではないが面倒なことになる)

マオ(どうやって戦士を落ち着かせるか)



>>891

①諦めて戦士の好きにさせる

②気絶させて遊び人に見張っていてもらう

③キスでもして黙らせる

④自由安価

魔法で精神を操って落ち着かせる


戦士「もう我慢ならん!」

魔法使い「……戦士!」

マオ「抗精神魔法」


戦士「……!」

魔法使い「……どうしたの?」

戦士「いや、さっきまであんなにイライラしてたのにそれがすーっと無くなったんだ……」

遊び人「何をしたのじゃ若造?」

マオ「精神安定魔法を使った」

戦士「精神安定魔法?」

魔法使い「……聞いたことない」

マオ「そうか? この魔法は精神的に何かしら高ぶっている時に使えるのだ」

マオ「興奮している時、嬉しい時、勇気に満ちている時、怒っている時、悲しい時、辛い時、様々な精神状態を平常時のように落ち着かせる魔法だ」

遊び人「あまり使いどころがなさそうじゃな」

マオ「そうでもないぞ。 覚悟を決めて戦いに来てる敵に使えば戦意を削ぐ事もできるし、恐れ戦いている味方に使えば勇敢な戦士にもなる」

魔法使い「……すごい魔法」

遊び人「ふーむなるほど。 使い方次第じゃな」

マオ「そういうことだ。 落ち着いたか戦士?」

戦士「あぁ……なんかあんな奴にキレてたのが馬鹿らしくなっちまったよ」

マオ「ふっ、それはなによりだ」


マオ「では、きえさり草を使うぞ」


パーティはきえさり草を使った
みんなはなんと透明になり、姿を隠した


マオ「いくぞ」

戦士「おう!」

魔法使い「……戦士、しーっ」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 本当に透明になるとはのぅすごいアイテムがあったものじゃ」

魔法使い「……みんな見えない」

戦士「確かにな…… これははぐれちまう」

マオ「手を繋いで進入する。 私が先頭でいく」





門番「…………はぁ、暇だ」



マオ「……………」

戦士「……………」

魔法使い「……………」

遊び人「ふぇ……ふぇ……ぶぇっくしょい!!」

魔法使い「………っ!」ビクッ

マオ(あのババア………)


門番「ん? なんだ?」キョロキョロ

マオ「……………」

戦士「……………」

遊び人「…………ぁー」ズビビ


門番「…………? 気のせいか」



マオ「………侵入成功だな」

戦士「やりぃ!」

魔法使い「……おばあちゃんがくしゃみしたときはびっくりした」

遊び人「すまんすまん。 なんだか鼻がむずむずしてのぅ」

マオ「見つからなければいい。 いくぞ」




メイド「………? なにか声が聞こえますね」

メイド「どなたかいらっしゃるのですか?」

戦士「!? やべえぞ誰か気づいたみたいだ!」

魔法使い「……!」






メイド「あれ……? 誰もいませんね……?」

遊び人「神に仕えるメイドよ。 わたしのこえがきこえるか。」

メイド「……!? 神よ! あなたなのですか!?」

遊び人「左用。 今日も日々の勤め、ご苦労である」

メイド「い、いえ! そんな!」

遊び人「今後も精進して励むが良い。 仕事にもどれ」

メイド「はい! ありがとうございます神よ!」



戦士「……………」

マオ「何やってんだお前は」

遊び人「ふぉっふぉっふぉっ。 神の振りをするとは。 わしも罰当たりじゃな」

魔法使い「……でもおばあちゃんのおかげで助かった」

戦士「ちょっとヒヤヒヤしたけどな」

マオ「次はどうせなら魔王のフリをして脅かしてみたらどうだ?」

戦士「うわー……」

遊び人「一生もののトラウマになるじゃろうな」

多分今日終わります


兵士「…………」



マオ「ドアの前に兵士? あそこはなにか特別な部屋なのか?」

遊び人「分からんが…… 気になるのぅ」

魔法使い「……気を逸らして潜入する?」

戦士「そうしようぜ」


戦士「ごほん……あーあー」



戦士「きゃー! 誰かー! 手を貸してくださーい!」



兵士「ん? どうした!?」ダッ


戦士「へへ、ちょろいぜ」

遊び人「ナイスじゃ戦士」

マオ「いくぞ」



ガチャッ



兵士「……? なんだ誰もいないじゃないか」


マオ「ここは?」

魔法使い「……とっても豪華なお部屋」

戦士「ベッドでっけぇー! ふわっふわだぞおい!」

遊び人「ここはもしや国王の寝室ではないか?」

魔法使い「……それなら部屋の前に兵士がいたのも納得」

マオ「泥棒のようだが、少し中を調べさせてもらうか」





魔法使い「……へそくり発見」

遊び人「ふぉっふぉっふぉ。 それは王妃のではないのかのぅ」

戦士「……ガーzzz ……ガーzzz」

魔法使い「……戦士はベッドで寝てる」

遊び人「のんきなもんじゃ」

マオ「見つかったら打ち首だな」


マオ「みろ、これ」

魔法使い「……わぁ、綺麗なドレス」

遊び人「ほぉー…… これは立派じゃのぅ」

マオ「これを着ていれば堂々と行動が出来るんじゃないか」

魔法使い「……もらっちゃう?」

遊び人「どうせ同じようなものが何着もあるんじゃ。 わしらのくらい貰っても罰が当たるまいよ」

マオ「ふっ、そういうことだ」

魔法使い「……王様ごめんなさい」

戦士「……グガーzzz  ……グガーzzz」


マオはおしゃれなスーツを装備した

魔法使いはパーティドレスを装備した

戦士はパーティドレスを装備した

遊び人は危ない水着を装備した



マオ「こんなもんか」

戦士「おぉー! マオかっけぇじゃん! 見違えたぜ!」

マオ「そうか? 戦士も魔法使いも似合ってるぞ」

戦士「へへ、だろー? 私もまだまだ捨てたもんじゃないぜ」

魔法使い「……こんな綺麗なドレスをきたの初めて」

戦士「魔法使いかわいいなー…… 若いってうらやましいぜ」

魔法使い「……戦士もすごく綺麗」

戦士「おー? 魔法使いもお世辞が言えるようになったかーこのこの」ワシャワシャ

魔法使い「……お世辞じゃない」

戦士「へへ、さんきゅ。 魔法使い、こっち来いよ。 髪の毛結ってやる」

魔法使い「……あ、ありがと」


遊び人「…………」

マオ「…………」

魔法使い「…………」

戦士「~~♪ ~~♪」


遊び人「なんで誰も突っ込んでくれないんじゃ!?」

マオ「…………」

遊び人「皆がドレス着てる中わしだけ危ないビキニて! おかしいじゃろ! 突っ込めよ! 完璧にすべっておるじゃろうが!」

マオ「…………」

戦士「あ、ネタだったの? マジで着てんのかと思ってなんか言うのも悪いかなって」

遊び人「そんなわけあるか! わしだって常識くらいはあるわ!」

魔法使い「……おばあちゃん似合ってるよ」

遊び人「ありがとう! でも複雑じゃ!!」

マオ「なにがしたいんだババア」

遊び人「突っ込めよ! ボケたんじゃから突っ込めよ! ボケ殺しにもほどがあるじゃろう!」

戦士「あー……えっと…… ばあさんなんでビキニなんか着てんだよ!」

遊び人「遅いわ! なにもかもが遅すぎるわ!!」

遊び人「もうやっておれんわ…… このまま今日は行動してやろう」

魔法使い「……え」

戦士「……そ、そうなんだ」

遊び人「だから止めんのか!!」


戦士「よし、出来た!」

魔法使い「……? 頭が重たい」チョンチョン

戦士「髪を束ねてあるからな、少しくらい我慢してくれ。 ほら鏡見てみ?」

魔法使い「……わっ! すごい…… ありがとう戦士」

戦士「へへ、どういたしまして。 魔法使いの髪の毛さらさらで気持ちよかったなぁ」

戦士「な、どうよマオ?」

魔法使い「……///」

マオ「あぁ。 よく似合ってる。 本当に綺麗だ」

魔法使い「……ぁ…ありがと」ポンッ

戦士「茹でダコになってら」

魔法使い「……恥ずかしい」


マオ「……かわいいぞ」グイッ

魔法使い「……!?」カァッ

戦士「ひゅーひゅー」

魔法使い「…………」ベシッ


遊び人「なぁ! わしは!? わしはどうじゃ!?」

戦士「婆さんうるせぇ」


ドタドタドタドタドタドタ!!


大変だー! 敵が攻めてきたぞー!

動ける者はすぐに用意しろー! 

隊列を組め! 全員武装を整えろー!!




遊び人「なんじゃ? 外が騒がしいのぅ?」

戦士「なんだ!? なんだなんだ!?」

魔法使い「……もしかして私たちが侵入したのがバレた?」

マオ「それはないだろう、ここまで変な行動はしてないしな」

戦士「いいから聞いてみようぜ」

マオ「お、おい戦士!」



戦士「もし、そこの兵隊さん? お聞きしてもよろしいかしら?」

兵士「む? なんだ!? 私たちは急いでいるんだ!」

戦士「一体なにがあったのかしら?」

兵士「どうやらサマンオサの軍隊が攻めてきたらしい! 外は危険です絶対にこの城から出ないでください!」ダッ


戦士「だ、そうだぜ」

魔法使い「……サマンオサ?」

マオ「バハラタを襲ってきた国だな。 なぜかこの街にも攻めてきたようだな」

遊び人「なんのためにじゃ!?」

マオ「さぁ? そこまでは知らない」




敵が多いぞー!! 数が多すぎるッ!!

畜生!! 戦えるものは全てついてこい! エジンベアを守れー!!




戦士「なんだかヤバそうな雰囲気?」

遊び人「遊び呆けてこの国はたいして訓練も行ってそうな雰囲気だしのぅ」

魔法使い「……滅ぼされちゃう?」

マオ「どうだろうな。 サマンオサの軍隊の多さに寄るだろう」

戦士「どうする? 加勢に行くか?」

遊び人「行ってどうするのじゃ! 危険すぎるじゃろう!!」

魔法使い「……でもバハラタの時みたいなことが起きるとしたら…… それだけは避けなければならない」

遊び人「戦いに手を加えれば危険、じゃが見過ごすわけにもいかん」

戦士「どうするマオ?」


マオ「……>>919


①戦いに加勢する。 そこで活躍して国王に取り繕う

②知らぬフリをする。 最後のカギを探し、街から脱出する

③自由安価

1


マオ「私たちも手を貸すぞ。 これは好機だ。 ここでサマンオサの軍勢を止めれば私たちのこの街での行動は取りやすくなる」

マオ「それにうまくいけばこの街から旅の支援や情報も引き出しやすいだろう」

戦士「おーけーマオ! いっちょやるか!!」

遊び人「だが危険すぎではないか? 相手は訓練された兵士じゃぞ? それも数も多いと聞く」

マオ「もちろん危険があればすぐに退避する。 相手は人間だ、殺されたらそこでおしまいだからな」

魔法使い「……自分たちの命を最優先に攻撃する」

マオ「そういうことだ。 おもに私が攻撃する。 みんなはサポートをしてほしい」

遊び人「仕方がないの。 了解じゃ」


…………………………………………

~エジンベア大陸~



「なんだこの敵の数は……!!」

「1万や2万じゃないぞ!!」

「敵は推定8万人!! 本国の兵団1万を遥かに凌駕する規模であります!!」

「恐れるな! 我々が負ければ街が滅ぼされるぞ! なんとしても止めるんだ!!」



「突撃イイイイィィィィィィ!!!!」


「ウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」




マオ「始まっていたか」

魔法使い「……!! すごい数」

戦士「マジかよ…… ちょっとこれは兵力差がありすぎるぜ!?」

遊び人「地の利があるとはいえこれは…… あまり長くは持たないぞ」

マオ「構うものか。 私がいればあの程度の人間たちの集まりなぞ……」

戦士「いくらマオでもさすがにあれは無理だろ! 敵1国の兵団だぞ?」

魔法使い「……私たちがどうこうなる規模じゃない」

遊び人「これは……まずいのぅ」

マオ「腹をくくれ。 どの道あの街にいても死を待つだけだ」


マオ「瞬間転移魔法」




戦士「………なっ!?」

魔法使い「……マオ!?」

遊び人「アホ化貴様!! いきなり敵地のド真ん中に転移させるやつがどこにおるか!!」

マオ「ふん…… 敵地に一気に距離を詰めれば弓矢や魔法は使えん。 周りの敵からなぎ倒せばいい」



サマンオサ兵「なんだ!? こいつら! いったいどこから!!」

サマンオサ兵「殺せ!! 俺たちはあの街を壊滅させる命を受けている! 何人たりとも生かしておくな!!」



戦士「おいおい!! いきなり囲まれてるぞ!?」

魔法使い「……マオのばか!」

マオ「ふっ…… 私に刃を向けるとは愚か者たちめ」


魔王「我こそは全てを滅ぼす者…… 全ての命をわが贄とし絶望と苦しみを私に捧げよ」


魔王「中範囲消滅塵化魔法」



「殺せえええええええええ!!!!」


戦士「ちっ!! やるしかねえのか!!」

魔法使い「……! おばあちゃん補助魔法をお願い!」



シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!



遊び人「なんじゃこの黒い球体は!?」

魔法使い「……恐ろしい魔力! 一気に膨れ上がっていく!!」

魔王「死ぬが良い、愚かな人間共よ」



ヒュン




戦士「………なっ?」

魔法使い「……うそ……?」

遊び人「……ぐっ!?」


サマンオサ兵「……なにが起きた?」

サマンオサ兵「は……? は? なんだ!? なんなんだよ!!」


サマンオサ兵「目の前にいた兵士たちは!! どこにいっちまったんだよ!!?」


魔王「ふんっ」


エジンベア兵「あっ……あ………」

エジンベア兵「な、なにが起きた……!?」

エジンベア兵「そ、それが……突如として敵地に現れた冒険者たちを中心に……」

エジンベア兵「存在していたサマンオサ兵、約5万人ほどが…… 跡形もなく消失しました……」

エジンベア兵「消失!? なにを馬鹿なことを言っている!?」

エジンベア兵「し、しかしあれは!! あの一帯のの無の空間は……」

エジンベア兵「ば、ばかな……! そんなことが人間に可能であるはずがない…!!」





魔王「ふむ? この魔法で跡形もなくなったということは対して強い存在はいないということか」

魔王「拍子抜けにもほどがあるな」



魔王「最早この程度の存在、私が手を下すほどのものでもない、か」


魔王「食らい尽くせ。 暗黒魔法-黒狼召喚」




「グオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」



サマンオサ兵「ひっ……!!」

サマンオサ兵「なんだこの化け物たちは!?」

サマンオサ兵「デカいなんてもんじゃないぞ!!」



「グルルルルル……… グァオオオオオ!!!!」



サマンオサ兵「ひっ、ぎゃあああああ!!!!」

サマンオサ兵「く、来るなあああああ!!」

サマンオサ兵「やめろおおおあああああああああああ」



サマンオサ兵「なぁ、……なんだよこれ……」

サマンオサ兵「なんの悪夢だよ…… 味方が一瞬で殺されたと思ったら…… こんな化け物が……」

サマンオサ兵「ありえない…… 信じられるかこんなもの……」

サマンオサ兵「逃げるぞ…… 逃げるぞおおおお!!!」

サマンオサ兵「撤退だ!! 撤退だあああああ!!!!」



「グルルルルル……? グオオオオオオオオン!!!!」


サマンオサ兵「ひぃぃぃぃぃぃ!!!」

サマンオサ兵「剣を構えろ! 戦え! 助かりたいと思うなら剣を抜け!!」

サマンオサ兵「ば、馬鹿を言うな! 一瞬であの数を殺す奴が召喚した魔物だぞ!! 勝てるわけがないだろう!!」

サマンオサ兵「や、やめろ!! こっちに来るなあああああ!!!」

サマンオサ兵「あ・・・」




ブチイイイイイイイイイイイイイイ



「ぎゃあああああ!!!」
「や、やだ! 助けて! 助けてくれえええええ」
「うわぁぁぁぁああああああああ」
「いやだあああ!! ああああああ」




サマンオサ兵「撤退だ! 撤退をしろ!!」

サマンオサ兵「退避! 追いつかれたら殺されるぞ!!」



魔王「無駄だ。 黒狼は風よりも早く駆け抜け、巨人よりも力が強い」



グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。
グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。 グチャ。
ブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチ。
チブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブチブチチブチブブチチブチブチブチチブチブチブチ。




エジンベア兵「あっ……あぁぁっ………」

エジンベア兵「……虐殺だ…… これは……戦争なんかじゃない……虐殺だ……」

エジンベア兵「……あんなものが……あんな虐殺者がいていいはずがない……」

エジンベア兵「……このままでは……世界が……世界が……滅ぼされる……!」




魔王「ふはははははは!! 弱い、弱すぎるぞ人間!!」

魔王「虫けらのように踏みつぶされ、蜘蛛の子のように散っていくしか能がない愚か者共め」


遊び人「マオ…… やはり貴様は……ここで!!」

戦士「ばあさん!! なにやってんだ!!」ガシッ

遊び人「離せ!! 離すのじゃ戦士!! やはりこやつは殺さねばならん!! ここで殺さねば!!」

戦士「落ちつけって!!」

遊び人「貴様は危険すぎる!! ここで刺し違えても殺す!!」

魔王「…………」

戦士「やめろってばあさん!! マオは仲間だろうが!!」

魔王「……ふん」




魔法使い「……マオ?」

魔王「なんだ魔法使い」

魔法使い「……あれは……なにをしているの」

魔王「見て分からぬか? 敵を踏み、食らって殺しているのだ」

魔法使い「……どうしてあんなことをしているの」

魔王「あれらは敵だからだ。 その敵を倒すために蹂躙している」

魔法使い「……どうしてマオはあんな恐ろしい魔法を使ったの」

魔王「殺さねば殺される。 だからだ」

魔法使い「……わからない」

魔王「魔法使い?」スッ

魔法使い「来ないで!!!」

魔王「…………」

魔法使い「分からない…… 分からないよマオ……」

魔法使い「……あなた、どうしてそんなにうれしそうな顔をしているの?」

魔王「魔法使い……」

魔法使い「来ないで!! いやぁ!!!」

魔王「…………」


魔王「帰還しろ黒狼」


魔法使い「……ひっ」

魔王「…………」

魔王「瞬間転移魔法」


……………………………………………………


エジンベア国王「あんな恐ろしいものがあるか!!」

エジンベア兵「撤退していった兵を追いますか」

エジンベア国王「さらにあれを追撃しろというのか! あの哀れな軍勢にさらに刃を向けろと!?」

エジンベア兵「はっ!! 申し訳ございません!」

エジンベア国王「あの旅の者は危険すぎる…… もしあの力をこのエジンベアに向けられたら……」

エジンベア兵「……壊滅は免れないかと」

エジンベア国王「なんなのだあの化け物は…… あんなものがこの街に入り込んでいたとは……」


兵士「国王!! 失礼いたします!!」

エジンベア国王「なんだ騒々しい!!」

兵士「申し訳ございません急ぎの伝令です。 かのサマンオサを壊滅に導いた男が国王に謁見したいと申しております」

エジンベア国王「なんだと!? その男はいまどこに!?」

兵士「城門の前に待たせております」

エジンベア国王「すぐにお通ししろ!! 御仁は虐殺者にして唯一の戦争の功労者だ! 丁重に扱え! 良いか! くれぐれも粗相のないようにだ!!」

休憩します


今日で終わりませんしばらく終わりません早く終わらせたい(白目)


マオ「失礼します」

エジンベア国王「よく来てくれた旅の者よ。 そしてまずはこの国を救ってくれた礼を言わせてほしい」

マオ「いえ、頭をあげてください国王陛下。 ただの旅人にそのように頭を下げるのは国王らしくないですよ」

エジンベア国王「そ、そうかもしれんな。 だがあのような強大な力を持つ貴公に敬意を表したいのだ」

マオ「その必要はありません」

エジンベア国王「して、何用か用件を聞いても良いかな?」

マオ「は、申し遅れました私は旅をしておりますマオと申します」

マオ「この度は、国王陛下にお願いがあり、こうして謁見させていただいた次第です」



エジンベア国王「してそれは?」

マオ「はっまずはこの国にあるといわれる最後のカギをいただきたいと考えております」

エジンベア国王「最後のカギだと…!」

マオ「はい。 あれは魔王城を開けられる唯一のカギです。 魔王討伐を目指す我々にはそのカギが必要なのです」

エジンベア国王「……なるほど。 お主ほどの力を持つものであれば魔王討伐も可能であるかもしれんな」

エジンベア国王「しかし……正直それは難しい話なのだ。 あのカギは世界に現存する残りが少ないもの。 とても稀少価値が高いのだ」

エジンベア国王「そしてなによりあれは悪用も出来てしまうものだ。 あのカギひとつさえあれば強固なカギであろうとたちまち開けてしまう恐ろしいものだ」

エジンベア国王「それを今この国から持ち出されるのは心苦しい」

マオ「……なるほど、国王陛下は私に最後のカギを渡すつもりはない、と?」

エジンベア国王「い、いやそうは申していない! 本当はお主に世界の命運を

マオ「渡さない、だから他の最後のカギを探してくれ。 そう仰りたいのでしょう?」

エジンベア国王「ぐっ……!」

マオ「それは手間なのですよ。 今から最後のカギの情報収集から初めていたら世界はどうなるか…… 魔王に滅ぼされてしまうかもしれません」

エジンベア国王「…………」

マオ「それならば、この国にあるものを頂戴して世界をすくった方がマシではありませんか?」

エジンベア国王「この国を……滅ぼすというのか?」

マオ「ふっ…… いえいえそんなことは言っておりませんよ」

マオ「ただ、そう考えてしまいます。 私は短期ですから」ニコ


マオ「そしてもう一つ、エジンベア国に私の力を使わせていただきたいのです」

エジンベア国王「なに……?」

マオ「私の力は先の戦いでも示した通り、この国でも最強を誇るでしょう。 その力を是非、エジンベアの国に使わせていただきたいのです」

エジンベア国王「それはありがたい申し出だが、マオ殿にメリットはあるのか? それに旅を続けるのであろう?」

マオ「はい、もちろん旅は続けさせてもらいます。 しかし旅は危険も金も様々な問題が付き物。 定期的にこの街に戻り力を貸す代わりに私たちの旅の保証をしてほしいのです」

エジンベア国王「…………」

マオ「保証といっても、装備やアイテムの補充、休息の約束をさせていただければいいのです。 どうでしょうか」

エジンベア国王「ぐぅ……」

マオ「私の力があれば力で解決出来る諸問題は解決出来ます。 どうですか?」

エジンベア国王「貴様ぁ……!」

マオ「ふふっ。 国王陛下は聡明な方だ」

マオ「あぁ、そうだ、忘れるところでした。 最後のカギは、頂けますか?」

エジンベア国王「……分かった。 兵に話をつけておく。 宝物庫で受け取るが良い」

マオ「ありがとうございます。 では、失礼します」


エジンベア国王「くそっ!! してやられたわ!!」

側近「どうなされたのです国王陛下!? 最後のカギは貴重なもの! あれをみすみす旅の者に渡すとは!?」

エジンベア国王「断れるわけがないだろう!! 奴は脅していたのだぞ? あのカギを渡さねばこの国を潰すことも厭わないとな!」

側近「なんと……」

エジンベア国王「あのようなふざけた力を持つ者を相手にしてみろ…… 一瞬でこの国は消滅だ」

側近「……しかしその強大な力が手に入ったと思えば……」

エジンベア国王「なにを言っておるのだ! あの者はこれからもこの国に潜り込み続けるのだぞ!?」

エジンベア国王「奴が言っている真の意味は力を貸すことでも旅の保証をすることでもない! これからの旅でどんな無茶苦茶なことをしても全て奴が所属するこのエジンベアの国の責任になるということだ!」

エジンベア国王「奴がどのようなことを行ってきたかは分からん! だがエジンベアという囮を手に入れたことで全ての責任はエジンベアに降り注ぐということだ!!」

側近「そ、そんな…… ならば先の話は断れば……」

エジンベア国王「そんなことが出来ると思ったか!? あいつを敵に回してお前が責任を取れるというのか!?」

側近「ぐっ……!」

エジンベア国王「……どうすればいいのだ……」


……………………………………


魔法使い「…………」

戦士「…………」

遊び人「…………」

戦士「お茶でも、飲むか?」

遊び人「いや、よい」

戦士「……そう?」

魔法使い「…………」

遊び人「…………」

戦士「えっと…… あー! それにしてもマオ遅いな! どうしたんだろあいついつまで帰ってこない気だ?」

魔法使い「…………」

戦士「どっか転移したと思ったら全然顔見せねえでさ! 今何してんだろうな! 早く帰ってきてくれねえとこれからどうすんのかもさ分かんねえよなぁ?」

遊び人「そうじゃな……」

戦士「ったくよー本当にリーダーとしてさぁ……」

魔法使い「……マオは」

戦士「ん?」

魔法使い「マオは……なんで笑ってたんだろう」

戦士「…………」

魔法使い「どうして…… あんなに楽しそうに人を殺してたんだろう」

戦士「それは……分からねえけど」

魔法使い「……どうしてあんなことが出来るんだろう」

遊び人「…………」

魔法使い「……分からないの。 彼が……怖いの……」


魔法使い「……普段の優しいマオの裏には、あんな恐ろしい顔をするマオがいて」

魔法使い「……分からないの。 どっちが本当のマオなのか」

戦士「で、でもよ! マオはマオじゃねえか!! どっちが本当とかじゃなくて……どっちも合わさってマオなんだろ」

魔法使い「……それはとても恐ろしいこと。 あんな凶悪性があって、力もあんなにあるなんて私知らなかった……」

魔法使い「……あんなおぞましい魔法が存在することだって……そしてそれを使いこなすマオが……怖い」

戦士「魔法使い……」

遊び人「わしらは若造の本質を知らなかったのじゃ。 無理もない話よ、奴はそれをひた隠しにしていたのだからな」

魔法使い「……隠してたのかな」

遊び人「それはそうじゃろう。 あの女勇者ほどではないが奴も十分に人を殺すことに快を求めるタイプじゃろうて」

戦士「そんなこと……! ない……だろ」

遊び人「それを受け入れるのか! 目に見えないフリをするのかは別の話じゃぞ戦士!」

戦士「でもさ……そんなのいきなり受け入れろなんて無理だよ」


遊び人「奴の今まで見えなかった本質を見たのじゃ。 衝撃は大きい」

遊び人「それでもこのまま奴とともに旅をするのか」

遊び人「それともあの凶悪な者とは離れるのか」

遊び人「わしらは選ばなければならないのじゃ」

戦士「そんなこと……! いきなり選べるかよ……」

魔法使い「……マオは……まだ私たちと一緒にいたいって思ってるのかな」

遊び人「さぁな」

魔法使い「……私は……>>953



>>953

①魔法使い「……私は……マオを信じる」

②魔法使い「……私は……怖い……もう一緒にいてはいけないと思う」

③自由安価




今日は終わります

>>950


魔法使い「……私は……まだ決められない。 マオが何を考えているのか私たちはまだ何も知らないもの」

戦士「……そうだな」

魔法使い「……マオの強さは異常 そしてなによりあの邪悪な力を感じる魔法は特に」

魔法使い「……マオが本当は何者なのか。 私たちをどう思ってるのか、聞きたい」

遊び人「……そうじゃな。 その上でどうするかを決めるべきじゃろうな」

戦士「決まりだな」

魔法使い「……私は……マオを信じたい……」ポロ

遊び人「…………」


マオ「これが最後のカギか」

マオ「なるほど、確かに強力な魔法が施されているようだな。 超一級の物だ」


「…………」
「…………」
「…………」


マオ「…………」

マオ(尾行か)


マオ「…………」スタスタ

マオ(仕掛けてこないことを考えていると人目につかないところに行くのを待っているのか)


マオ(いいだろう、策に乗ってやる)ニヤァ



マオ(……そろそろか?)


「……やれ」


マオ「……!」

マオ(魔封じの杖か。 使えば上級魔法である魔法封じのマホトーンと同じ効果を持つもの)

マオ(決して当たりやすい魔法ではないがそれを4人が同時に使うことで当てる確率をあげてきたか)


「……死ね!」シュンッ


マオ「…………」


シュッ


がしっ!!


「……!!」

マオ「…………」

マオ(残念だったな。 魔法を封じたところで私には遠く及ばない……)

マオ「   」



グシャァッ!!!!



マオ「…………」

「……ッ!!」

「こいつ魔法だけでないぞ。 何人か死ぬぞ」

「構わん…… 任務を遂行する」


マオ(ほう? 体術しか使えない相手に数で勝負するとはいい判断だ。 例え何人も殺されようがそれを盾に1人の刃でも届けばいいのだからな)

マオ(だが……あまいぞ)ニヤァ


「……こいつ……笑ってやがる」

「……引くな。 必ずここで殺さねばこの国に未来はない」

「いくぞ」


マオ「…………」


「……!」


ブシャァッ!!


「……ちっ! 早い!」

「構うな! やれ!!」

マオ「…………」


ヒュンッ

がしっ


「腕を掴まれたか! 構うものか!!」

ゴギィッ

「うぐぁっ!! まだまだぁぁーー!!」

ビュンッ


ブシャァッ

「………………」バタン


「くそ! 足止めにもならんか!!」


ごぎッ!!


「………………」バタッ



マオ「…………」ニィ

「ちっ……化け物め」


ヒュン

がしっ


「……やはりだめか……」

マオ「…………」ニヤ


マオ「……ふぅ、やっと喋れるようになったか」

「……化け物め! 貴様にこの国を壊させるものか」

マオ「うん? なにを勘違いしている? 私はこの国を壊すなど一言もいっていないが?」

「…………」

マオ「哀れな弱者に聞こう」ドッ

「ぐあぁぁ!!」

マオ「貴様等に命令を出したのは誰だ?」

「……貴様に離すことなどなにもない!!」

マオ「そうか…… まぁそんなことはどうでもいいのだ」

「……?」

マオ「愚かな貴様の主人に伝えろ」

マオ「今日の日付が変わる時間に街で一番安い宿屋に来い。 そこにいる私の目の前で首を切れば許してやる」

マオ「だがもし姿を見せないのなら、この国に明日の太陽は登らないと思え、とな」


短いですが今日は終わります

忙しくてなかなか更新出来なくて申し訳ないです


コンコン


マオ「戻ったよ」

戦士「おかえり」

魔法使い「おかえりなさいマオ」

マオ「……ただいま。 どうしたみんなしてそんな畏まって」

遊び人「……話があるのじゃ。 まぁ座れ」

マオ「…………」


魔法使い「……マオ。 本当にごめんなさい」

魔法使い「……あなたが戦ってくれてるのに、ひどいことを言って……ごめんなさい」

マオ「そんなことか? 気にする必要はないぞ」

魔法使い「……でも、まだどうしても分からないの。 あなたがどうしてあんなに人を楽しそうに殺すのか」

魔法使い「……おばあちゃんがどうしてあんな様子でマオのことを殺そうとしてたのか。 おばあちゃんは聞いても答えてくれないし」

遊び人「……これはお前の口から説明すべきことじゃろうと思ってな」

マオ「…………」


マオ(なるほど、遊び人は私の出方を伺っているわけか)

マオ(私の正体を勝手に明かせば殺される可能性がある。 しかし嘘をついて仲間内の信頼関係を壊す危険も回避した、といったところか)

マオ(そこで私の出方を見て今後の身の振り方を考えようという魂胆だろう?)


マオ(確かに私がここで正直に魔王だということを伝えればパーティの消滅、もしくは殺し合いは確実だろうな)

マオ(だが正体を隠して嘘を重ねればいつかは破綻もするだろう。 しかしこのままここで殺し合いになるということは避けられ、遊び人としても今後不意打ちをする機会を作っているのかもしれん)

マオ(どうするか)


マオ「>>980


①正直に言う

②正体を隠す


①であればパーティは解散
②であればパーティ存続


ラストは一応2通り考えてあります

連投可なら2で


魔法使い「……あなたは何者なの」

マオ「…………」

マオ「前も言っただろう? ただの一介の冒険者だ」

魔法使い「……本当にそれだけなの」

マオ「それだけだ。 昔に色々あってな、死よりも辛い修行を経て強大な力を手にしただけだ」

魔法使い「…………」

マオ「それ以上でもそれ以下でもない」

魔法使い「…………」

魔法使い「……分かった。 マオがそういうなら私は信じる」

遊び人「…………ふん」


魔法使い「……ちょっと外の空気を吸ってくる」

マオ「……私も」

魔法使い「……いい。 一人にさせて」

マオ「…………」

魔法使い「……ごめんね」



バタン



戦士「そんな捨てられた子犬みたいな顔すんなよ」

マオ「……してない」

戦士「魔法使いは…… 本当はお前の正体を知りたいんだと思うぞ。 とてもあんな言葉で納得するわけがねえ」

マオ「…………」

戦士「それでもお前を信じるって言ったんだ。 気持ちの整理だってしたいだろうさ」

マオ「そうか」

マオ「戦士は聞かないのか?」

戦士「マオの正体か? 教えてくれんなら聞かせろよ」

マオ「……だからただの冒険者だと」

戦士「んなわけねえことくらい子供だって分かるぞ? でも私は聞かない。 魔法使いがお前を信じるって言ったんだ、私も信じてみるよ」

戦士「魔法使いの決意も、お前がいつか本当のことを言ってくれるってことも」

マオ「…………」

戦士「はぁーあ。 なんか色々考えて疲れちまったよ。 私は寝るぜ、おやすみー」


遊び人「アホじゃなお主」

マオ「……そうだな」

遊び人「それほど皆が大事か?」

マオ「……別に」

遊び人「くくっ、正直に言ってしまえば楽になるものを」

マオ「…………」

遊び人「味方に疑われながら嘘をつきとおしてまでこの関係を守りたかったとは…… 人間味がありすぎじゃろ魔王よ」

マオ「……黙れ」

遊び人「まったく…… お主はなにがしたいのじゃ? ただ旅を続けたいだけか? 魔王がなんのために人間の中に混じって旅をする必要がある?」

マオ「……最初はただの暇つぶしだった」

マオ「人間と同じように旅をして飽きたら殺してまた魔王に戻ろうと考えていた」


マオ「だが考えが変わった」

遊び人「ほう?」

マオ「……旅をしているうちに魔法使いのことが好きになった」

遊び人「……惚気かのぅ?」

マオ「黙れ」

マオ「そのうちに魔法使いともっと一緒にいたいと、これからもいたいと思ってしまった」

遊び人「……魔王ともあろう者がちょろいのぅ」

マオ「本当にその通りだ。 だが魔法使いは人間、そして私は魔王」

マオ「旅を続けている間は私も人間であると錯覚していた。 しかし現実は違うのだな」

マオ「勇者を殺した時、私は人の負の感情に喜びを感じることを思い出してしまった。 やはり私はどうあがいても魔王、人間の中に紛れ込んでも人間にはなれない」

マオ「そう自覚してしまった。 魔王である自分を恨んでしまった」

遊び人「……愚かな」

マオ「このまま魔法使いと共にいられない世界なら。 こんな世界は滅ぼしてしまおう。 そう考えた」

遊び人「………!!」


遊び人「貴様っ……!」

マオ「だがしかしそれはやめた。 そんなことで魔法使いが喜ぶはずがない」

マオ「私はただ魔法使いの喜ぶ顔が見ていたいだけなのだから」

遊び人「…………」

マオ「だがそれももう難しいだろう。 だから私は決めたのだ」



マオ「……魔法使いと共にこの世界で生きることが出来ないというのなら」

マオ「私はせめて愛する者の手によって死のうと」

マオ「魔法使いの幸せを願い、恐怖で満ちた世界から身を引こうと」


今日は終わります

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バッドエンドは許されないんですよね知ってる(白目)
今日は夕方に更新するかもですがあまり期待しないでください

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