ルルーシュ「コジマは、まずい……」 (22)

[あらすじ]


皇暦2010年8月10日 、世界唯一の超大国神聖ブリタニア帝国は、日本と地下資源サクラダイトを巡って対立し宣戦布告、日本に侵攻した。

日本は占領され、ブリタニアによって「レイヤード」と呼称される。自由を奪われた日本人は「レイヴン」と蔑まれ、ブリタニアの総督により支配された。

ブリタニアは、「ナイトメアフレーム(KMF)」と呼ばれる人型兵器により世界の3分の1を支配下に収めた。しかし、その圧倒的な支配にも亀裂が生まれようとしていた。

日本侵攻から7年後、レイヤードでは新物質「コジマ粒子」が発見され、その物質から生み出されるエネルギーに注目した日本の技術者達は、世界各地で未だブリタニアへの抵抗を続けるコロニーに亡命を始めた。

一方同じ頃、ブリタニアへの恨みを持つ皇族の少年ルルーシュ・ランペルージは、妹のナナリーと共にコロニー・アナトリアに潜伏していた。

ブリタニアへの帰属を良しとしないアナトリアでは、既存のナイトメアフレームを遥かに凌駕する性能を持つ機体「ネクスト」の開発を極秘裏に進めており、その技術はアナトリアの基幹産業として確立する。

ルルーシュは、ネクスト技術の第一人者であるイェルネフェルト教授と、その娘のフィオナ・イェルネフェルトの下に身を寄せ、打倒ブリタニアのため、プロトタイプネクスト「00-ARETHA(アレサ)」のテストパイロットに志願した。

彼の、ルルーシュの過酷な物語は、この時から始まったのだ。

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[Chapter 0] the Next Forces -新たなる力-



{アナトリア/ネクスト研究所}


ルルーシュ「これがプロトタイプネクストか。KMFとは随分と形が違うな」

ナナリー「お兄様、どうしても乗るのですか?」

ルルーシュ「心配するな、ナナリー。AMS適性はクリアしている、俺にだって動かせるはずだ」

フィオナ「時間よ。始めましょう」

ナナリー「お兄様……死なないで」

――――
――――



フィオナ「プロトタイプネクスト、起動しました。まずは、指定したポイントまで移動してください」

ルルーシュ「機体の前進は……こうか」ゴォォォ

フィオナ「問題ありません。では次に、クイックブースト(QB)を試してください」

ルルーシュ「クイックブースト? 何だそれは?」

フィオナ「ブースターに貯蔵したコジマ粒子をプラズマ化させ、瞬間的に爆発的な推力を発生させるものです。これにより、ブースターを瞬間的に高出力で噴射して、前後左右への短距離移動と高速旋回を可能にさせます」

ルルーシュ「……わかった。やってみよう」カチッ


ドヒャァ!


ルルーシュ「っっッッッッ!!!」ブバッ

フィオナ「!! ルルーシュ、大丈夫ですか!」

ルルーシュ「……ぁ、がっ………(な、なんて馬鹿げた出力なんだ……)」ガクン

フィオナ「! アナトリアに接近中の、ナイトメアフレームを確認。テストは中止、至急、研究所に戻って!」

エミール「いや、続行だ」

フィオナ「そんな!」

エミール「アレサのテストパイロット、聞こえているな? このまま稼動試験を継続、こちらに接近するKMFの全滅を以て試験を終了する。君ならやれる、幸運を」

ルルーシュ「……ッ、くそぅ……」



ブリタニア兵A「ん? 何だアレは。高速で接近する機影あり」

ブリタニア兵B「ナイトメア? それにしては速すぎる……」


ドヒャァ!


ルルーシュ「ぬあぁぁッッ!!(さ、殺人的な加速だ!)」ガクン ガクン

ブリタニア兵A「で、デカい! あんなのが動くのか!?」

ブリタニア兵B「くそっ、応戦しろ!」


ドヒャァ! ドヒャァ!

バババババ


ブリタニア兵B「うぐぅあッ!!」ボボボカーン

ブリタニア兵A「あれがナイトメアの動きだってのか? じゃあ俺は何だ!?」


カッ

ボボボボ


ブリタニア兵A「死ぬってのか、俺が……」ボボボカーン

ルルーシュ「……(ナ、ナナリー……)」ゴボッ

フィオナ「KMFの全滅を確認、急いで帰投してください!」

{アナトリア/集中治療室}


ルルーシュ「……ぅ、ナナ、リー……」コヒュー コヒュー

ナナリー「お兄様!」

フィオナ「! 良かった、意識が戻ったのですね」

ルルーシュ「お、俺は……生きて、いる……のか」

フィオナ「あなた以外にも被験者が5人ほどいましたが、3人が死亡、残りは植物状態で棟内に収容されてます。あなたを含め……全員重度のコジマ汚染に晒されています。搭乗者にかかる精神負荷と深刻な健康被害が懸念されて、プロトタイプネクストの量産は中止です」

ルルーシュ「そうか……残念だったな」

フィオナ「今後は、アレサから採取されたデータを基に、さらに改良が加えられたネクストの開発を進めます。今はとにかく休んで、お疲れ様」

[Chapter 1] Destination Unknown -死への旅-



世界各地に散らばった技術者たちは、やがてそれぞれの「企業」を結成、密かに新兵器の開発を進めていた。

ブリタニアに反旗を翻すための力を、結集するためだ。

一方、アナトリアではイェルネフェルト教授の死後、独占していたネクスト技術が流出し、唯一の商品性を失ったアナトリアは経済破綻の危機を迎えていた。・

イェルネフェルトの弟子にして現指導者であるエミール・グスタフは、傭兵業によってアナトリアの経済を立て直そうする。

実験用ネクストと、教授の娘・フィオナに保護されていた「ブリタニアの皇族」……。

この2つが、アナトリアの新たな希望となった。

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