ひなた「お嬢さん方」 (13)
ひなた「伊織お嬢さん、ハンケチ落としたよぉ」
伊織「あら、ありがと。そうだ、ひなたはもうお昼食べた?」
ひなた「ううん、これからだけども」
伊織「そ! じゃあ一緒にランチしましょ!」
ひなた「え、えへへ。あたしオベントこさえてきたから……」
伊織「そう? なら私も何か買って来るわ、一緒に食べましょ」
ひなた「うん、それじゃお茶入れて待ってるねぇ」
伊織「行ってきまーす」
ひなた「行ってらっしゃい、気を付けてねぇ」
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千鶴「あら、ひなた。ひなたもお昼ですの?」
ひなた「千鶴お嬢さんもかい? 伊織お嬢さんが帰って来たら一緒に食べるんだぁ」
千鶴「ふふっ、それでお茶の準備をしていたんですのね。そうだ、せっかくだから」
ひなた「これ、コロッケ……?」
千鶴「お裾分けですわ、余……げふん、頂き物ですが! わたくし一人では食べきれませんもの、二人でお分けなさいな」
ひなた「ありがとねぇ、千早お嬢さんにはお世話になりっぱなしだわぁ。いつかお礼せねば」
千鶴「お世話だなんてそんな大それたものじゃありませんわ、おーっほっほっほっほ……げほっこほ!」
ひなた「ん、精肉・二階堂……千鶴お嬢さんとおんなし名前だねえ」
千鶴「げふんげふんごっほかはっ! ぐっぐぐぐ偶然ですわね、おほ、おほほはほはほはほっではわたくしはこれで!」
ひなた「あ、お茶一杯くらい飲んでいけば……行っちゃったべさ」
伊織「ただいまー♪」
ひなた「おかえんなさい、伊織お嬢さん」
伊織「何抱えてるの? ふんふん、こんなにコロッケばっかりどうしたのよ」
ひなた「千鶴お嬢さんがお裾分けしてくれたんだぁ、二人ではんぶんこっこしなって」
伊織「って言ってもこの量……結構あるわよ?」
ひなた「だねぇ、こったらたくさんは余しちゃうべ」
貴音「すんすん、何やら心踊る香りが」
ひなた「貴音お嬢さんもお昼かい?」
伊織「あんた犬じゃないんだから……」
貴音「いえ、お昼は済ませましたが少々小腹に空きが」
ひなた「よかったらお一つ」
貴音「良いのですか? ではお言葉に甘えて」
伊織「一つと言わずに好きなだけ持って行きなさいよ」
貴音「なんと。いいえ、そのようなはしたない真似は」
ひなた「半袋で足りるかい?」
貴音「重畳!」
伊織「正直よねえ」
ひなた「お茶淹れるねぇ」
伊織「ねえ、給湯室が日に日に調味料の展示会みたいになって行ってるのって」
貴音「とんかつそぉす、ぽん酢、まよ醤油、いずれも甲乙付け難く……はふ、はむ」
ひなた「なまら美味しいねぇ」
伊織「はぐ……ほんとに美味しいわね。けど勝手に」
貴音「伊織、ひなた! こちらのそぉすもまた新世界の開けるような!」
ひなた「うんうん、あたしこんなの初めてだわぁ!」
伊織「……別にいいけど。あむ、怒られるのはあんた一人よ?」
貴音「もぐ、もく。律子嬢も小鳥嬢も、一度胃袋を掴んでしまえば後は他愛の無い物でした」
伊織「はむ、もう食べさせた後だったのね」
ひなた「癖になるねぇ、あたしこの味大好き!」
貴音「喜んで頂けて何より。もぐ」
伊織「一人でいくつ食べる気よ?」
ひなた「ふぅ、今日も一日けっぱったー」
ひなた「……毎日楽しくて面白くって、なんだかまだ夢でも見てるみたいだべ」
ひなた「東京はおっかないとこだって聞いてたけども、あっちゃもこっちゃも良い人ばっかりだわぁ」
ひなた「みんな、みーんな、優しくって、めんこくって、キラキラしてて」
ひなた「あたしなんかが……」
ひなた「……」
ひなた「せーの、えい!」
ひなた「っふはー、ちっと強く叩きすぎたべさ、ひりひりするー……けど、落ち込んでる場合じゃないべ!」
ひなた「もっとけっぱらねば。あたしと仲良くしてくれるお嬢さん方に、不細工なとこ見せられないっしょや!」
ひなた「じいちゃん、ばあちゃん、見ててねぇ。あたし、一等めんこくはなれなくても、一等性根のある子になっからね!」
おわり
ひなたカワイイ、乙でした
>>1
木下ひなた(14) Vo
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>>1
水瀬伊織(15) Vo
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>>2
二階堂千鶴(21) Vi
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>>3
四条貴音(18) Vo
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