元気娘｢む、性差別する気？｣ﾋﾞｼｯ

男｢こら、れんげでとはいえ人を指すな｣

元気娘｢なんだよ注文ばっかりしてー｣ｽﾞﾙｽﾞﾙ

男｢指したまま片手で蕎麦すするな。そういうのも男みたいなんだよ｣

元気娘｢はー、美味しかった｣

男｢そりゃあんだけ豪快に食ってりゃな……｣

元気娘｢ふんふーん♪｣ｺﾞｿｺﾞｿ

男｢ちょっとまて、おまえそれなんだ？｣

元気娘｢なにって、おにぎりだよ｣

男｢それは見りゃわかる。そうじゃなくてだな｣

元気娘｢あ、具だね？これが明太子で、これがシャケ。これは醤油に浸けたベーコンが入ってて……｣

男｢そういう問題でもねえよ！食いすぎだ！｣

元気娘｢そうかなー。あたしいつもこんな感じだよ？｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

男｢そういえばおまえと二人で飯食うのってこれが初めてだったな……｣

元気娘｢男も一口いる？はい、あーん｣ｽｯ

男｢い、いや俺はもう自分の弁当食べたから……｣

放課後

友｢あのボスが倒せなくてよー｣

男｢俺もだ。じゃあ今度二人で協力して……｣ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男｢ん？母ちゃんからメールが｣

『急遽、お父さんと旅行に行く事になりました。お金は置いていくので、ご飯は自分で好きなものを食べてください』

男(……急遽旅行か。まあ今回のハチャメチャはまだ軽いほうだな)

友｢男ー、そろそろ門閉じられっから行こうぜー｣

男｢ん、もうそんな時間か。わかった｣

女｢あ、友くん｣

友｢お、女｣

女｢あ、あの……今部活終わったところだから、一緒に帰らない？｣

友｢だ、だな。一緒に帰るか｣

女｢うん……えへへ｣

友｢じゃあ男……悪いけど……｣

男｢……おう、お幸せにー｣

男｢くそう、俺も彼女欲しいな……｣

男｢夕飯はラーメンでもやけ食いするか……｣

元気娘｢おーい！男ー！｣

男｢ん？｣

男｢ああ、おまえも今部活終わったのか｣

元気娘｢うん。で、男見つけたから走ってきたの！｣

男｢バスケで動きまわった後とは思えないな……｣

元気娘｢それで男、この後は帰るだけ？｣

男｢あーいや、親が旅行行ってるからさ、夕飯にラーメンでも食べて帰ろうかと｣

元気娘｢ラーメン！？いいねいいね！あたしも行く！｣

元気娘｢ていうかね、あたしすっごい美味しいラーメン屋さん知ってるからさ！そこ行こうよ！｣

男｢ん、そうだな。そんなにおすすめなら行ってみたいな｣

元気娘｢うん！早く行こ！｣ｸﾞｲｸﾞｲ

男｢ちょ、引っ張るなって｣

男｢どのくらい歩くんだ？｣

元気娘｢んー、すぐだよ。あたしのアパートの近く｣

男｢あー、一人暮らしだもんなおまえ。家事とかできるのか？｣

元気娘｢あはは、全然ダメだよー。洗濯は溜めちゃうし、料理は自分が作ったもの食べたい時しかしないし｣

男｢ん、ひょっとしてあれか？ラーメン屋｣

元気娘｢そうそう。ふわあ、ここまでいいにおいするねー｣ｸﾝｸﾝ

ラーメン屋

店員｢ご注文をどうぞー｣

男(腹へったから、ちょっと多めにするか)

男｢醤油ラーメン大盛りと餃子で｣

店員｢かしこまりましたー｣

元気娘｢えーっと、辛味噌ラーメンと半炒飯セットで、ラーメンは大盛りの味玉とメンマトッピングで。あと、餃子を二皿で｣

男｢おい、おいおい｣

元気娘｢ん？｣

男｢なあ、おかしくないか？｣

元気娘｢なにが？｣ｷｮﾄﾝ

男｢食べる、量が｣

元気娘｢区切って言わないでよー。あ、注文は以上でーす｣

店員｢かしこまりましたー｣

元気娘｢もー、レジの前で話してたら迷惑になるでしょ。恥ずかしいなぁ｣

男｢そういう事は恥ずかしいと思うのか……｣

元気娘｢え？他になんか恥ずかしい事したっけ？｣

男｢…………｣

店員｢お待たせしましたー｣

元気娘｢きたきたっ♪｣

男｢お、うまそうだな｣

元気娘｢いただきまーすっ！｣ｶﾞﾂｶﾞﾂ

男｢いただきます｣ｽﾞﾙｽﾞﾙ

元気娘｢もーっ、おいしいーっ！｣ｶﾞﾂｶﾞﾂ

男｢そういえばさ、なんで餃子二皿も頼んだんだよ？｣

元気娘｢え？だってラーメン大盛りと半炒飯に対して餃子一皿だけじゃ主食とおかずのバランスとれないでしょ？｣ｶﾞﾂｶﾞﾂ

男｢……主食を減らすって選択肢は？｣

元気娘｢あるわけないじゃん。お腹すいちゃうよ｣ｶﾞﾂｶﾞﾂ

男｢…………｣

元気娘｢はー、美味しかったー！｣

男｢……ごちそうさまでした｣ﾁﾗ

カップル女｢うう、やっぱり大盛り多かった……｣

カップル男｢だから言っただろ｣

カップル女｢うう、ごめん食べてー｣

カップル男｢しかたねえなー｣

男｢…………｣

元気娘｢ん？どしたの男？｣

男｢や、なんでもない……｣

店員｢ありがとうございましたー｣

男｢よし、帰るか｣

元気娘｢あ、ごめん男、あそこ寄りたいんだけど付き合ってくれる？｣ｽｯ

男｢ん？あの本屋か？別にいいけど｣

元気娘｢ううん、その隣の店｣

男｢隣？｣

店員｢ありがとうございましたー｣

元気娘｢ふんふーん♪｣ｶﾞｻｶﾞｻ

男｢……いやいやいや｣

元気娘｢ん？なに？｣

男｢どうしてパン屋なんだよ？どうして夕飯直後に買い食いするんだよ？｣

元気娘｢ここのメンチカツサンド、キャベツがしゃきしゃきしててすごい美味しいんだよ。それにカツサンドも絶品で｣

男｢そうじゃなくてだな、量だ量！そのちっこい体のどこに入るんだよラーメン大盛りと半炒飯と餃子二皿にボリューム満点のパンが！｣

元気娘｢むっ！ちっちゃいって言ったな！？ちっちゃい言うな！｣

男｢いや、おかしいだろ！？体全部胃袋なのかおまえは！｣

元気娘｢美味しいのならいくらでも入るんだよ。ほらほら男も食べてみて｣ｸﾞｲｸﾞｲ

男｢俺はもう腹いっpもがあ！｣

元気娘｢どう？美味しいでしょ？｣

男｢……うまいけどさ｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

元気娘｢ありがと、送ってくれて｣

男｢もう暗いしな。ていうか、けっこういいアパート住んでるな｣

元気娘｢んー、そうかな｣

男｢……ひょっとしておまえのうちってけっこう金持ちだったりとか？｣

元気娘｢んー、まあバスケずっとお金出させちゃってるし。そうなのかも｣

男｢……食費もかかるだろうしな｣ﾎﾞｿ

元気娘｢それじゃ、あたしはお風呂入ってアイス食べて寝るからさ｣

男｢……ああ｣

元気娘｢じゃーね！おやすみー！｣

男｢じゃあな｣

ﾊﾟﾀﾝ

男｢ほんっとよく食うなあいつ……なんで太らないんだろ｣

翌朝

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男｢んん……？｣

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男｢誰だこんな休みの朝から……｣

ﾋﾟﾝﾎﾟﾋﾟﾝﾎﾟﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男｢あーうっさい！今行くって！｣

ｶﾞﾁｬ

元気娘｢やっほー男｣

男｢…………｣

元気娘｢わ、髪ボサボサだよ？今起きたの？｣

男｢なんで俺の家知ってるんだ？｣

元気娘｢なに言ってんのさ、前にみんなで男の家で騒いだことあったでしょ？｣

男｢ん……あーたしかに｣

元気娘｢まったく寝ぼけちゃって。お邪魔しまーす｣ｽﾞｶｽﾞｶ

男｢ちょ、勝手に入るなって｣

元気娘｢あ……｣

男｢ん？あ……｣

男(やべ、昨日風呂入る時誰もいないからここで脱いだんだった……)

男(服もパンツもそのままだ……)

元気娘｢……///｣ﾌﾟｲｯ

男｢あー、そのそれでなんの用なんだ？｣ｶｸｼｶｸｼ

元気娘｢う、うん。えっとね、サンドイッチ作ってきたから、昨日付き合ってくれたお礼にどうかなーなんて……｣

男｢お、マジか。それは助かる｣

元気娘｢へへ、でしょ？｣ﾆｯｺﾘ

男｢まあ、予想はしてたけどすごい量だな｣

元気娘｢ハムサンド、玉子サンド、キムチサンド、こっちはトーストで焼いたパンにハムと玉子とレタス挟んでるの｣

男｢おまえは朝食べたのか？｣

元気娘｢ううん、まだだよ。だからあたしもちょっと食べようと思って多めに作ったの｣

男｢まあこれだけの量、俺一人じゃな……｣

男｢じゃ、いただきます｣ﾊﾟｸ

元気娘｢いただきまーす｣

男｢あ、うまい……｣

元気娘｢えへへ、そうでしょー｣

男｢うん、うまいよこれ｣ﾊﾟｸ

元気娘｢もっと誉めて誉めてー♪｣