料理人エリーチカ(3)
第一チカ ハラショーなビーフストロガノフ
「今日は海未と真姫にエリーチカ特製、ハラショーなビーフストロガノフをご馳走するわ」
こんにちは、園田海未です。今日は私と真姫で、絵里の家に泊まりに来ています。ちなみに絵里の妹の亜里沙は高坂家に泊まるらしいです。『いつか自分も家にいるときにお泊まりに来てくださいね!』と懇願されました。
絵里は陽気に歌など口ずさみながら、台所へ向かいます。
「いーざ、すーすーめーやーキッチーン♪めーざすーはージャーガーイモー♪」
いけません、絵里!その歌を歌いながらだと違う料理が完成してしまいます!
「大丈夫かしら……」
真姫がいつものように髪をくるくる弄りながら呟きました。
「大丈夫ですよ、真姫。あれでいて、絵里はかしこいんですから……」
私は真姫だけではなく自分も納得させる為にそう口にしました。
「……………………揚げれーば、コロォーッケだーよ♪」
どうやら絵里は途中ほとんどの歌詞を忘れてしまったようです。それではフライドポテトになってしまいます!
「そうして完成したのが──このハラショーなカレーよ」
「イミワカンナイ!」
真姫の言うようにまるで訳がわかりません。料理が運ばれてきたとき、私はビーフストロガノフなんて見慣なれてないので『まるでカレーのようですね』なんて思いましたが、作った本人がカレーだと認めています。
味は普通に美味しかったです。
つづく
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