輝子「フヒ……サティスファクションタウンでライブ……?」 モバP「ああ」 (71)

鬼柳「サティスファクションタウンにアイドルを?」

ニコ「はい。この街にも、キラキラしたものを取り入れたらいいんじゃないかって」

ウェスト「この前テレビでアイドルのステージを見て、そう思ったんだ」

鬼柳「アイドル、ね……そういや、最近はブーム来てるんだったか。この町には縁がねえが」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1438637872

注)ニコはクラッシュタウン編で鬼柳のそばにいた女の子、ウェストはその弟です。
「さすがは伝説のチームサティスファクションのリーダーだ!」と言ったのがウェストです。

過去作 卯月「ネオ童実野シティでライブ、ですか?」 武内P「はい」(卯月「ネオ童実野シティでライブ、ですか?」 武内P「はい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438272921/))
これと同一世界観の話ですが、別に読まなくても話は理解できます



ニコ「たくさんのアイドルが活躍しているんですよ」

ウェスト「高垣楓とか美人だよなー。そういう人が歌ってるのを見たら、きっとこの町のみんなも満足できるよ」

鬼柳「満足か」

鬼柳「ま、多少はハイカラなもんを取り入れるのもありか。つっても、予算がきついから大物は呼べねえが」

ウェスト「やった!」

ニコ「ありがとう、鬼柳さん!」

鬼柳「治安改善はかなり進んだとはいえ、この町は血の気の多い奴にあふれている」

鬼柳「女に癒されれば、多少はそいつも収まるかもしれないな」

鬼柳「よし、そうと決まれば早速行動だ。ここに呼べそうなアイドルを調べるぞ」

ニコ「もう始めるんですか?」

鬼柳「おうよ。思い立ったら即行動。さっさと結果出して満足しねぇとな」

ウェスト「さすがはチームサティスファクションのリーダーだ!」

言い忘れてましたが

(アニメ)モバマス×遊戯王5D's
世界の命運をかけるようなデュエルは行われません
というよりあんまりデュエルしません

~電話で交渉中~


鬼柳「そうだ。この町、サティスファクションタウンでライブを開いてもらいたい」

鬼柳「俺を……満足させてくれよ?」

鬼柳「………」

ガチャン

鬼柳「断られた」

ニコ「当たり前です。なんでそんなに上から目線なんですか」

ウェスト「鬼柳兄ちゃんはリーダーなんだからしょうがないよ」

鬼柳「ウェストの言う通りだ。俺は誰かに敬語を使うなんて真似――」

ニコ「鬼柳さーん?」

鬼柳「……わかったよ。次はもう少し丁寧な態度をとる」

ニコ「お願いしますよ。鬼柳さんは町長なんですから」

鬼柳「(最近ニコの尻に敷かれてる気がするぜ)」

ウェスト「(女って実はめちゃくちゃ強いんだってさ。父ちゃんが言ってた)」

鬼柳「また断られた……」

鬼柳「ちっ。交渉事ってのはいまだに慣れねえ」

ウェスト「兄ちゃん……」

鬼柳「かっこ悪ぃよな。こんなんじゃ……満足できねぇぜ……」

ウェスト「諦めないで鬼柳兄ちゃん! 兄ちゃんならきっとできるよ!」

ニコ「そうですよ。あなたは私達の、この町の救世主なんですから!」

鬼柳「お前ら……そうだな。諦めるにはまだ早い」

鬼柳「今まで俺はデュエルだけで物事を解決してきた。それはこの町の連中の大半も同じだ」

鬼柳「だがこれからの世の中、それだけじゃ生きていけねえ。知性を使わなきゃ満足できねぇぜ」

ニコ「だからいろんな本を読んで勉強しているんですよね」

鬼柳「ああ。今の愛読書はドラッカーの『マネジメント』だ。一日30ページずつ読み進めている」

ウェスト「頑張れ兄ちゃん!」

鬼柳「おうよ。必ずアイドルをこの町に招待してみせるぜ」

~346プロ とある一室~


小梅「サティスファクションタウン……そこで、ライブ?」

P「ああ。向こうの町長直々に、ぜひにと言われてな」

輝子「フヒ……私は、初ライブなんだが……」

P「そうだな。輝子にとっては初のステージだ。頑張ってくれ」

P「小梅と穂乃香も、まだライブの経験は少ない。でも、できるだけ輝子のフォローをしてもらえると助かる」

穂乃香「けれど、その町ってすごく治安が悪いと聞いたことがあるんですけど」

P「いや、町長が今の人になってからはぐんぐん治安が良くなっているらしい。この前部長が訪れたらしいんだけど、あれなら心配いらないだろうって」

穂乃香「そうなんですか。なら、信用しますけど……」

P「とはいえ、言葉だけじゃみんなも心配するだろう。あちらもそれはわかっていたらしくてな。アイドルにはボディーガードをつけてくれると言ってくれた」

輝子「ボディーガード……フフ、なんか本格的だな」

小梅「ちょっぴり、わくわく……」

P「ライブの前日に現地入りすることになってるから、よろしく頼む」

~ライブ前日~


P「ここがサティスファクションタウン……今さらだけどすごい名前だよな」

輝子「け、景色がや、ヤバいな……」

小梅「まるで、日本じゃないみたい……」

穂乃香「こんな西部劇さながらの町が、この国に存在していたんですね……」

鬼柳「ようこそ、サティスファクションタウンへ」

鬼柳「町長の鬼柳京介だ……です」

P「今回は、どうぞよろしくお願いいたします」

3人「よ、よろしくお願いします」

穂乃香「(町長の格好まで西部劇みたい……)」

鬼柳「ひとまず皆さんの宿まで案内します。ついて来てくれ、いや、ください」

小梅「(敬語、苦手なのかな……)」

町民A「おい、見ろよあれ」

町民B「町長がアイドルを連れてきたらしいぜ」

町民C「とんだハリキリ☆ガールがやってきたじゃねえか」


穂乃香「………」

穂乃香「Pさん、Pさん」ボソボソ

P「どうした」

穂乃香「この町の人、町長さんも含めてマーカーがついている人が多くないですか」

輝子「ま、マーカー……って、なんだ……?」

P「顔に黄色のラインが引かれてるだろう。一部地域じゃ、あれは前科持ちの証らしい」

輝子「フヒッ……!?」

穂乃香「大丈夫、なんですよね?」

P「ああ、そのはずだが」

鬼柳「警戒するのも無理はない」

穂乃香「(聞こえちゃってた!?)」

鬼柳「ここに住んでいる連中は、大概が薄汚れた手をしている。もともとそういう町だったからな」

鬼柳「だが、少しずつ変わろうとしているということも、わかってほしい」

鬼柳「それと、子ども達にはなんの罪もない。出会ったら仲良くしてやってくれ」

穂乃香「は、はい」

輝子「(け、敬語とれてるな……)」

書き溜め切れたので中断します

参考資料
綾瀬穂乃香ちゃんの初登場時のプロフィールコメント

「綾瀬穂乃香。趣味、特技、どちらもバレエです。これまでいくつも賞を取ってきましたが、自分の表現力に限界を感じています…。自分自身に満足したいんです。ご指導お願いします!」

特訓後

「楽しい…楽しいですプロデューサー! 私に足りなかったのは「表現を楽しむこと」だったのかな? アイドルとして、この世界で自分の満足する結果を出して見せますね!」

P「あ、そういえばボディーガードをつけていただけるという話でしたが」

鬼柳「俺だ」

P「はい?」

鬼柳「いろいろ考えたが、俺が警護をするのが一番いいという結論に達した」

P「そ、そうなんですか……」

ニコ「心配いりませんよ。鬼柳さんはこの町で一番のデュエリストですから」

P「えっ……あなたは?」

ニコ「鬼柳さん……町長の秘書のニコです。よろしくお願いします」

鬼柳「遅いぞ、ニコ」

ニコ「ごめんなさい。少しお化粧に手間取ってしまって」

鬼柳「そうか。まあいい」

小梅「(あ……この人は、マーカーがない……)」

輝子「(敬語は苦手だけど、警護はできる……フフ、我ながらくだらなすぎる……)」

穂乃香「(デュエルが強いのって警護と関係あるのかな)」

~宿屋~


P「じゃあみんな。俺は町長さんと少し話してくるから待っててくれ」

鬼柳「何かあったら呼んでくれ」

ニコ「長旅だったでしょう。ゆっくり休んでくださいね」


バタン


穂乃香「……どう思います」

小梅「どう、って?」

穂乃香「町長さんですよ。私、なんだか怖い人のような気がして」

輝子「わ、わかる。マーカー、付きだし……雰囲気がや、ヤバい」

輝子「アレハナンニンカヤッテルメツキダヨー」

輝子「と、シイタケくんも言っている」

穂乃香「え、縁起でもないこと言わないでください!」

輝子「す、すまん」

小梅「私は……心配いらないと、思うけど……」

穂乃香「どうしてですか」

小梅「なんとなく、悪い人じゃなさそうだから……悪霊とか、恨みを持つ霊とか、憑いてないみたいだし……」

小梅「あの子も……大丈夫だって」

穂乃香「……小梅ちゃんの言葉は、なぜか説得力を感じますね」

輝子「そ、ソウダナ」




鬼柳「こんな町でも、うまい食べ物は十分に用意できる」

鬼柳「貴重な客人だ。腹いっぱい食って満足してくれ」

P「ありがとうございます」

鬼柳「ああ、それとかたっくるしい敬語はなしだ。なにぶん学がねえもんだから、そっちのほうが落ち着く」

鬼柳「もちろん、どうしても敬語が使いたいってんならそれでもいいけどよ」

P「いえ、そういうわけには……」

鬼柳「そう言わずによ。俺の招待に唯一乗ってくれたあんたは、もう仲間みてえなもんなんだ」

ニコ「鬼柳さん。プロデューサーの方、困ってしまっていますよ。いきなり敬語をやめろと言われても、あちらにはあちらの考えがあるんですから」

鬼柳「……わかった。ただ、俺はもう無理にかしこまった言葉遣いはしねえからな」

ウェスト「鬼柳兄ちゃんはね、伝説のチームのリーダーだったんだ!」

穂乃香「伝説って?」

ウェスト「ああ! それってキノコ?」

輝子「えっ……う、うん。シイタケくん、です」

ウェスト「へえ。シイタケ育ててるんだ」

輝子「………」コクコク

小梅「………」ジー

穂乃香「小梅ちゃん? どうかしましたか」

小梅「ううん……なんでもない……」



鬼柳「………ん?」

夕食後


小梅「……星が、きれい」

小梅「都会とは、違う空だ……」


~~~♪

小梅「?」

小梅「……ハーモニカ?」

小梅「外から……聞こえる……」

鬼柳「~~♪」(満足のテーマ演奏中)

小梅「あ……」

鬼柳「ん? おう、アイドルの……小梅だったよな」

小梅「は、はい」

小梅「………」

鬼柳「どうした」

小梅「い、いえっ……なんでも……」

鬼柳「言いたいことははっきり言った方が満足できるぜ。お前、晩飯の時も俺のこと見てただろ」

小梅「……あ、あの。私……霊感があって……」

鬼柳「霊感? ……なるほど、俺に悪霊か何かが憑いてるってか」

小梅「えっ?」

鬼柳「他人に恨まれるようなことはいくらでもやってきたし、まあ当然か」

小梅「ち、違う……違い、ます」

鬼柳「なに? 違うのか」

小梅「私……カードの精霊が、見えるんです」

鬼柳「カードの精霊?」

小梅「あの、カードの精霊っていうのは……その、カードには、魂というか、霊が宿っていて……」

鬼柳「そういえば、俺も聞いたことがあるな。世の中にはカードに宿る精霊が見える連中がいる、と」

小梅「信じて……くれるんですか?」

鬼柳「ああ。別にそんくらいのこと、信じられないほどのことでもねえからな」

鬼柳「それで? 俺のそばに、何かのカードの精霊が見えるのか」

小梅「う、うん。とても懐いてるように見える……だから、きっとあなたはいい人だって、あの子が……」

鬼柳「(あの子?)いい人ねえ……そんなんじゃねえけどな」

鬼柳「ちなみに、なんのカードの精霊が見えるんだ」

小梅「え、えっとね……」


小梅「トリシューラ……」

鬼柳「そいつはかなり心強いな」

小梅「……ハーモニカ、上手、ですね」

鬼柳「趣味みたいなもんだ。これを吹いてると落ち着く」

鬼柳「小梅は好きなのか? ハーモニカ」

小梅「ううん、普通……でも、鬼柳さんのハーモニカは……きれいな音だと、思ったから」

鬼柳「……ハハハ! お前、人を褒めるの上手いな」

鬼柳「しょうがねえ。もう少し吹いてやるよ」

小梅「ありがとう……」

輝子「……見てごらんシイタケくん。透き通った星空だよ」

輝子「あれがデネブ、アルタイル、そして」

鬼柳「今度は輝子か。アイドルは星を見るのが好きなのか?」

輝子「っ!?」ビクッ

バサッ(しいたけを落とす音)

鬼柳「あ、悪い。驚かせちまったか」

輝子「し、シイタケェェェェ!!」

鬼柳「……大丈夫か?」

鬼柳「そうか。シイタケはお前の友達なのか」

輝子「は、はい……そうです。変な趣味、しててすみません」

鬼柳「別に変でもない。俺だってカードは共に闘う友だと思っている」

輝子「な、なるほど」

鬼柳「明日のライブ、頼んだぜ。この町の馬鹿共を満足させてやってくれ」

輝子「………」

鬼柳「……どうした?」

輝子「な、なななんでも、ないです。き、緊張とかしてません……」

鬼柳「あー、そういえばお前は明日が初めてのライブだったか。そりゃ緊張もするよな」

輝子「……フフ、あっさり見抜かれた……ショック」

鬼柳「(誰が見てもわかると思うが……)」

鬼柳「さっきお前のプロデューサーから聞いたが、いい声で歌うそうじゃないか」

鬼柳「自信持ってやればいいんじゃないか」

輝子「ひ、人前は、ヤバいヤバい……なので」

鬼柳「(ガチガチだな。こんなんで本番大丈夫なのか)」

鬼柳「(何か緊張を和らげるようなことをしたほうがいいかもな)」

鬼柳「………」


鬼柳「よし、デュエルだな」

鬼柳「準備はいいか?」

輝子「な、なぜデュエルする流れに……」

鬼柳「なに、俺はこう見えても強いから心配するな」

輝子「そういう問題じゃ……」

鬼柳「デュエル! さあ、満足させてくれよ?」

輝子「でゅ、デュエルっ」



輝子「わ、私のターン」

輝子「モンスターを守備表示でセット。さらにカードを2枚伏せてターンエンド……」

鬼柳「守備表示か……まだデッキの型が読めねえな」

鬼柳「………」

鬼柳「(確かPは、輝子はテンションが上がるとデスメタル風になると言っていたな)」

鬼柳「(嫌な記憶も蘇るが、ちょっと試してみるか。俺は過去を乗り越えるぜ)」

輝子「? あ、あの、ターンエンドで」

鬼柳「く、ククク……」

鬼柳「ヒャーハハハハ! デュ↑エルだ!!」

輝子「フヒッ!?」

鬼柳「俺のターン! ドロー!」

鬼柳「さあ行くぜ! 永続魔法、インフェルニティガンを発動!」

鬼柳「1ターンに1度、手札からインフェルニティと名のついた
モンスター1体を墓地へ送る事ができる……」

鬼柳「ククク……俺は手札よりインフェルニティ・デストロイヤーを墓地に送る」

輝子「ま、まさかそれは……」

鬼柳「ヒャーハハハ! そうよ、こいつが俺のハンドレスコンボへの布石!」

鬼柳「さあ、てめえも全部を出し切ってかかってきな!」

輝子「ぜ、全部……フヒ……ひゃ」

その後


輝子「ヒャッハーー!! ゴートゥーヘール!!」

輝子「私のマタンゴで地獄を見せてやるぜぇーっ! フヒヒヒヒフハハッアッハッハ!!!」

鬼柳「ヒャーハハハ!! 来い、もっと来い! 俺のインフェルニティ共が満足を求めてやがるからよぉ!!」

鬼柳「ふう……」

鬼柳「俺の勝ちだな。満足させてもらったぜ」

輝子「フフ……わ、私も満足」

鬼柳「やはりデュエルはいい。お前の魂、心に来たぜ」

鬼柳「さっきの調子をライブ本番でも出せれば、きっと客も満足するだろうよ」

輝子「そうかな……」

鬼柳「おうよ。もし悪く言うような野郎がいたら、俺がぶっ飛ばしてやる」

輝子「そ、そこまでしなくていい……フヒヒ」

輝子「元気、出た。今まで、親しい人の前でしかゴートゥーヘルできなかったけど……おかげで、お客さんの前でもやれそうだ」

鬼柳「よかったな。明日は頼むぜ」

輝子「頼まれた……」

輝子「………」

輝子「鬼柳さん、友達になってくれる……?」

鬼柳「友達? ああ、いいぜ」

輝子「フヒヒ、ありがとう……なんだか、波長が合うような気がする」

翌朝


小梅「鬼柳さん……おはよう」

輝子「お、おはよう。友達」

鬼柳「おうお前ら、おはよう。今日は頼んだぜ」



穂乃香「いつの間にかふたりが町長さんと仲良くなっています……」

P「何かあったのかな」

穂乃香「小梅ちゃんや輝子ちゃんが懐くなら、悪い人ではないのでしょうか」

穂乃香「町長さん」

鬼柳「ん? どうかしたか」

穂乃香「いえ、特に何かあったというわけではないのですが……ありがとうございます」

鬼柳「……すまねえが、礼を言われる理由が思いつかない」

穂乃香「私達はまだ新人で、仕事もなかなか入らない身なんです。ですから、そちらからライブを開いてほしいとお願いされたと聞いた時、とてもうれしかったんです」

穂乃香「なので、お礼を言う理由はきちんとあります」

鬼柳「なるほど。だが、俺達も俺達なりの目的や打算があって依頼しているからな……かしこまって頭を下げられるほどのことじゃない」

鬼柳「俺はただ、今日のライブで観客を盛り上げて、満足させてやってほしいだけだ」

穂乃香「満足、ですか」

鬼柳「ああ」

穂乃香「私も、自分自身に満足したくてアイドルを始めたんです。自分の殻を破りたいと思って」

鬼柳「それは叶いそうなのか?」

穂乃香「まだ駆け出しですし、わかりません」

穂乃香「でも、プロデューサーやみんなと一緒なら、何かが変わる。そんな気がするんです」

鬼柳「なら、奴らとともに突っ走ればいい」

鬼柳「観客も、アイドル自身も満足する。そうなれば最高だ」

穂乃香「その通りですね」

穂乃香「ただ、私は少し頭の固いところがあるので……突っ走りすぎて失敗してしまわないか心配です」

鬼柳「その時はお前の仲間が正しい方向に導いてくれるさ」

鬼柳「だから、そいつらの言葉はちゃんと聞き入れることだ。じゃなきゃ痛い目を見ることになる」

穂乃香「町長さん……?」

鬼柳「おっと、おしゃべりがすぎたな。ライブ、頑張れよ」

穂乃香「はい。みんなと一緒に頑張ります」

鬼柳「俺も見せてもらうぜ。アイドルのライブってやつを」

~ライブ会場~


小梅「い、一生懸命歌うので……聞いてください」

輝子「ヒャッハー! 私の歌を聞けぇ!! ラ↑イブだぁ!!」

穂乃香「どうぞ、よろしくお願いします!」



鬼柳「………」

鬼柳「ステージに響く歌声、汗を散らしながら己自身をこれでもかと表現する少女たち」

オオオォォッ!!

鬼柳「これがアイドルの力……野郎どもが熱狂してやがる」

鬼柳「ハハハッ……こんなの、アイドルで満足するしかないじゃないか」

鬼柳「最っ高だぜ……!!」

半年後 とあるライブ会場


鬼柳「よう遊星、久しぶりだな!」

遊星「鬼柳。今日はお互い楽しめるといいな」

鬼柳「そうだな。しかし、お前がアイドルに興味を持っていたとはな。そういうのとは無縁な奴かと思っていたぜ」

遊星「あるチームと知り合って、ファンになったんだ」

遊星「ところで鬼柳、その袖なしジャケットとハチマキは……」

鬼柳「おう。応援する時はこの格好が一番気合いが入るからな」

鬼柳「お前のぶんのジャケットも用意してきたが、着るか?」

遊星「ああ、もらおうか」

鬼柳「チームサティスファクション時代を思い出すぜ」

輝子「フハハハハ! まだまだ歌わなきゃ満足できねぇぜ!!」

観客「俺達も満足できないぜ!」

観客「アンコール! アンコール!」

輝子「ゴートゥヘーーールッ!!」

ウオオオオォ!!


鬼柳「遊星! もっと声張り上げろ!」

鬼柳「あともっとペンライト思い切り振れ!」

遊星「あ、ああ」

遊星「(なんという気迫……鬼柳、これがお前の新たなる輝きなのか)」

鬼柳「まだまだ満足し足りないぜ!」

鬼柳「遊星、お前もまだついてこれるよな」

遊星「ああ。鬼柳、俺は友を裏切らない。俺なりに全力を尽くさせてもらう」

鬼柳「お前ならそう言ってくれると思ったぜ!! チームサティスファクション、最高だ!」

穂乃香「皆さんこんにちは」

忍「フリルドスクエアです!」

柚「今日はアタシ達の新曲を披露します!」

あずき「聞いてください!」


4人「新曲、『Satisfaction』!!」


鬼柳「新曲だろうがなんだろうがコールのタイミングは完璧だ」

鬼柳「さあ、俺を満足させてくれよ!」

鬼柳・遊星「俺達の満足はこれからだ!」


おしまい

おまけ


輝子「フフ……相変わらず、参考になる意見だ」

幸子「輝子さん、誰かとメールですか?」

輝子「うん。演技指導、もらってた……京介に」

幸子「京介? ま、まさかカレシですか!」

輝子「ち、違う……」

小梅「サティスファクションタウンの、町長さん、だよ?」

幸子「サティスファクションタウン? ああ、そういえば輝子さんが初めてライブに参加した場所でしたっけ」

輝子「その通り……すごく、楽しかった」

幸子「どんな町なんですか?」

小梅「西部劇……かな」

輝子「さ、最近は、空前のアイドルブームが到来しているらしい」

小梅「先週、ついに……一週間の喧嘩による重傷者、初のゼロを記録したって」

輝子「ようやく、あの町に満足が訪れようとしているんだな。フヒヒ……」

幸子「よくわからないですけど、なんだか普通じゃない町だというのは伝わってきました」

終わりです。お付き合いいただきありがとうございました
当初は穂乃香ではなく幸子をメインにしようとしていたのですが、たまたま他のSSを書いていた時に穂乃香のプロフィールを見て、入れ替えを決意しました
チームフリルドスクエア、最っ高だぜ!

次を書くとしたら、クロウか龍亜龍可がメインか、あるいは世界観一新してガッチャさんをメインにするかもしれません
あと相変わらずデュエル描写テキトーですみません

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