雪乃「ひっく…ひっく…」

結衣「ゆきのん大丈夫？」

雪乃「私のせいよ…私が…あんなことを言わなければ…」

結衣「誰も悪くないよ、ヒッキーも分かってるよ…」

雪乃「いいえ、私が…」
結衣(ゆきのんとヒッキーは、猫カフェに行く約束をしてて、猫が大好きなゆきのんは朝からヒッキーとの待ち合わせ場所に着いてて、小町ちゃんから急かされたヒッキーも

早めに合流して、ゆきのんがお店に急ぐあまり信号に気付かなくて…ヒッキーは意識がなくなる大怪我をした)

雪乃「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

結衣(ゆきのんがこんなに泣くなんて考えもしなかった、見てられなかった、自分を責め続けるゆきのんを慰めることは、あたしには出来なかった)

雪乃「比企谷君…もっと優しく接します…友達でも何でもなります…だから帰ってきて…」

小町「お兄ちゃん…ごめん…小町が追い出すようなことするから…」

結衣(ヒッキーの容態はかなり悪くて、全身でダメージが無い箇所の方が全然少ないと先生は言ってた)

雪乃「…」

小町「…」

結衣(骨だけならとにかく内臓も深刻な状態で、このまま目を覚まさずに心臓が止まる可能性がすごく高いらしい)

他の書いてる人は知らんけど機種の問題で俺は無理だったからコテコテやねん

結衣「二人とも、もう帰った方がいいって看護師さんが…」

小町「…わかりました…」

雪乃「比企谷君…ごめんなさい…比企谷君…ごめんなさい…」

結論から言うと、俺は死後の世界にまだ行けないらしい

雪ノ下と小町の嗚咽で意識を取り戻したはいいが、目も開けられない状態で、話すことは夢のまた夢といった具合だ

ひたすら謝る雪ノ下や小町を安心させたかったが、総合的に考えて俺は植物人間になったようだ


まぶたすら己の体と思えないほど俺の意志を無視する

ツンデレさんめ

しかしながら脳は無事(？)なのか、考えることは可能なようで、運命があるならその残酷さにドン引きする

医者や看護士から「うわっ」とか「こりゃひどい」とか言われてもリアクション出来ないもん、キザにウィンクとかしたいのに出来ないもん。

ともかく、人と意志の疎通が不可能な悲劇の英雄は自分が文字通り命懸けで助けた相手の無事を確認出来て不幸中の幸いを見出した。

スポーツに燃えるでもなく、趣味に生きるでもない、友達はゼロ、辛辣な言葉を浴びせてくる部活の部長様は俺が目を開けないことには友達になってくれない。

部活仲間はナイスな働きで看護士さんや先生の手をほとんど煩わすことなくスムーズに平謝りしてくる二人を帰らしてくれた、誉めてつかわす

無駄に頭を回していたら眠くなってきた、このまま死後の世界に行った方がみんながみんな楽になれるんじゃないのか？

俺はあればの話だが来世で強くてニューゲーム出来るかもだし、雪ノ下や小町や由比ヶ浜だって時間が解決してくれるだろうし。入院費もバカにならんだろうから…眠い…