李衣菜「あ」泰葉「つ」加蓮「い」 (20)



―――事務所


加蓮「暑いね」

李衣菜「夏だからね」

加蓮「涼しいところ行きたいなぁ」

泰葉「たとえば?」

李衣菜「んー、海とか山とか?」

泰葉「どっちに行っても加蓮、倒れそう」クスクス

加蓮「た、倒れないよ!」

李衣菜「あははっ」


李衣菜「ちらっ」

泰葉「ちらっ」

加蓮「ちらっ」


P(この『どこか連れてって』の視線、もう慣れたなぁ)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437840493

P「仕事、レッスン。以上」

李衣菜「まだなにも言ってないじゃないですか」

P「『目は口ほどに物を言う』と昔の人は言いました」

泰葉「ではPさんの目は『どこかに連れて行ってあげよう』と言っています」

P「そうきたか。まぁ言ってないんだけどな」

加蓮「Pさんは優しいからね。そんなふうに言ってても実は……?」

李衣菜「実はー?」

泰葉「ふふっ、実は?」

P「…………水着グラビアの仕事がきてるんだけど、遊ぶ時間はそんなにないと思うぞ?」

李衣菜「おぉー! さっすがPさん分かってる!」

加蓮「んも~、もったいぶっちゃって♪」

P「あーもー、暑いからくっつくなって。遊ぶのもいいけど、仕事は仕事でしっかりやってくれよ?」

「「はーい♪」」

泰葉「ふふ、ありがとうございますPさん」

P「ああ。……こら、泰葉までくっつこうとしないの」

泰葉「……えへ♪」

李衣菜「そのグラビア撮影っていつなんですか?」

P「んー、まだ返事してないから分からないけど、すぐに連絡するよ」

加蓮「うん、よろしくねPさん! ってことで、今からみんなで水着買いに行こっ!」

李衣菜「いいね、行こ行こー」

P「あぁ、水着は向こうが用意してくれるはずだ。大丈夫だよ」

加蓮「そうじゃなくて、プライベート用。やっぱり自分で選んだのも着たいじゃない?」

P「へぇ、そういうもんか?」

泰葉「はい、そういうものですよ。ふふっ」

李衣菜「へへ、Pさんにはお仕事とはまた別の私たちを見てほしいですし!」

P「俺にか?」

加蓮「うんっ、セクシーな私たちをPさんが独り占め♪」

P「セクシーねぇ……はは、うん。期待しとくよ」


泰葉「……セクシー……」ジーッ

李衣菜「加蓮め……」ジトー


加蓮「え、なに2人とも?」

「「ふんっ」」プイッ

加蓮「えぇー! なんでなんで、私なにかした!?」

泰葉「あんなにモクドナルドやモフバーガー行ってるのに……!」ツンツンツン

李衣菜「どうして太らないんだ……絶対におかしい……!」ツンツンツン…!

加蓮「ちょ、いたっなになに!? なんでつつくの痛いってばぁ!」

李衣菜「このこのこのっ」

泰葉「えいえいえいっ」

加蓮「ひゃぁぁあ!? Pさん助けてー!」

P「ははは、楽しそうだな加蓮」

加蓮「楽しくなーい!」



―――


加蓮「ひぃ……ひぃ……! し、死ぬかと思ったぁ……!」グデー

李衣菜「どーだ参ったか加蓮!」

加蓮「い、意味が分かんないよぉ……はひぃ」


泰葉「……痩せるなら胸も痩せればいいのに……」ブツブツ…

P「いかん泰葉がダークサイドに堕ちている……とうっ」ペシー

泰葉「――はっ!? 私はなにを」

P「よし」

李衣菜「うんっ、鬱憤も晴らしたことだし水着買いに行こう!」

泰葉「ええ、行きましょう♪」

加蓮「鬱憤晴らされる身にもなってよぉ……。と、とにかく行ってくるね」

P「うん、気をつけてな。外はだいぶ暑いし、途中で具合が悪くなったら……」

加蓮「大丈夫だよ。えへへ、今は心配してくれて助けてくれる友だちが――」


李衣菜「…………」ツーン

泰葉「…………」フイー


P「……今日は助けてもらえそうか?」

加蓮「……ダメかも。ぐすん」

李衣菜「あはは、冗談だよ加蓮! 具合悪くなったらすぐ言ってよ?」

泰葉「遠慮なんてしないでね。……加蓮、すぐ意地張っちゃうんだから」

加蓮「張らないよ、もう……ふふっ」

李衣菜「えへへ。……さっきはごめん、加蓮」

泰葉「まだ脇腹、痛い? 加蓮、ごめんなさい……」

加蓮「ううん、もうへーき。……2人には、なにされたってへーきだよ。ほんとにひどいことはしないって分かってるし――」


加蓮「なにより私……李衣菜と泰葉のこと、大好きだもん♪」

泰葉「…………あぅ」

李衣菜「……おぉ……」

P「おおー……言うなぁ」

加蓮「あれ? 2人とも顔赤いよ――はっ、まさか熱中症!? 大変Pさんっ、氷、氷持ってきてたくさん! ありったけ!」

P「おおお、とりあえず落ち着け加蓮」

加蓮「これが落ち着いて――!」


李衣菜「そ、それじゃ行ってきまーすっ!」ピューッ

泰葉「か、加蓮っ、先に行くからね……!」アタフタ


加蓮「あっ!? どこ行くの李衣菜、泰葉ぁ! しっかり冷やして水分摂って、安静にしてないとダメだってばああああ――!!」


ばたーんっ


P「あんなに素直に言われたら恥ずかしいよなぁ……気をつけてな~、聞こえてないだろうけど」



―――


P「――さて、結局独りか……寂しい」カタカタ


P「クーラーも俺だけじゃもったないし……ちひろさん、どこ行ったんだろ」

P「『ぴよぴよさんと真夏の祭典について重要な会議を』ってなんだろ? ……そもそもぴよぴよさんって誰だ?」


P「まぁいいか……あ、アイス食べたいなぁ。加蓮たち、買ってきてくれないかなぁ……」カタカタ…



―――


???「ぴっへへへへ……! 楽しみですねぇ!」

ちひろ「ちっひひひひ……! まったくですねぇ!」


「「東京ビッグサイト!!」」



おわり

というお話だったのさ
地元が37℃超えたのでむしゃくしゃしてやった、後悔はしてない

加蓮はすぐ心配されるけど、反対にすごく心配もしそう

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