モバP「とある事務所の元旦風景」 (27)
・初SSになります。いたらない点は多めに見てもらえると助かります
・書き溜めてるので一気に投下します
・個人の解釈がありますので、コレジャナイと思った方はブラウザバック推奨です
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―CGプロ・談話室―
加蓮「……」
加蓮「……」グテー
奏「こっちには……あら、やっぱりいたわ」ガチャ
加蓮「ん…?あ、奏だ~。やっほー」グテーン
奏「…見事にだらけきってるわね、加蓮」ゴソゴソ
加蓮「この時季のコタツの魔力は凄いね。何もやる気を起こさせてくれないよ」グテーン
奏「…確かに、一度入ると気力を奪われるわね、これ」
加蓮「でしょ?で、奏は事務所に何しに来たのさ?」
加蓮「Pさんが新春LIVEツアーに参加しないアイドルとそのプロデューサー達には休みを言い渡したはずだよ?」
奏「ブーメランよ、その質問」
加蓮「あー、私は初詣に行こうかと思ったんだけどさ。凛はLIVEツアーだし、奈緒は撮り溜めしてるアニメ観るんだ―、て断られたし」
加蓮「事務所に行けば私と同じような人いるんじゃないかなー、って」
奏「で、まんまと同じような人がやってきた、と」
加蓮「ということは奏も?」
奏「ええ。周子さんはLIVEツアーに出てるし、他の人達も予定があるみたいだし」
奏「とりあえず事務所に来てみたはいいけど、鍵は開いてるのに誰もいないから談話室を覗いてみたら貴方がいたのよ」
加蓮「そっかー。奏も私と一緒かー」グテーン
奏「…とりあえず姿勢を直しなさいよ。で、Pさんは?事務所が開いてるってことはいるんでしょ?」
加蓮「Pさんなら仮眠室。なんか昨日の晩からいたらしく、昼過ぎまで仕事してて、終わらせたはいいけど流石に限界だから少し寝るって」
奏「…LIVEツアーに参加していないアイドルとそのプロデューサーは休みだったんじゃないのかしら?」
加蓮「プロデューサー業は休みだが、社長業は休みじゃない、だって」
奏「そういえば社長兼プロデューサーだったわね、あの人」
加蓮「そ。だから溜まってた社長の仕事を消化してたみたい。事務所で年越しながら」
奏「イヤな年の越し方ね…」
加蓮「折角だから手伝おうかな―、とか思ったんだけど、流石に私たちには見せちゃいけない部類の書類もあるからダメだって」
奏「…何かヤバイ書類でもあったのかしら」
加蓮「他のプロデューサー達の企画書も含まれてるんだってさ」
奏「ああ、なるほど」
加蓮「で、暇になった私は雑誌を読みながらダラダラしてたってわけ」
奏「テレビあるのに点けなかったの?ウチのLIVEツアーもテレビ中継されてるはずだけど…」
加蓮「んー、正月の特番ってなんか見飽きたし」
加蓮「それに、凛のLIVE見るとなんか悔しくなってくるし」
奏「……そう」
加蓮「あー、やめやめ!元旦からこんな辛気臭いのはイヤ!」
奏「貴女が振った話題じゃない…」
加蓮「そうだけどさ!そこはあえて触れないのが優しさってもんでしょ!?」
奏「どうどう」
加蓮「私は馬か!」
奏「今年は午年よ」
加蓮「いやそれはそうだけど…」
奏「立ち止まるつもりはないんでしょ?」
加蓮「何が?」
奏「Pさんが最高のプロデューサーだって、証明してみせるのよね?」
加蓮「……うん、そうだよ」
奏「だったら―――」
加蓮「それはそれ!これはこれ!簡単には割り切れないの!!」ウガー!
奏「……そう」ウフフ
加蓮「そこ!温かい目で見ないの!」
奏「可愛いわね、加蓮。キスしていいかしら?」
加蓮「………あの、奏さん?急に何を言い出すんでしょうか?」
奏「キスしていい?って聞いたのだけど?」
加蓮「それは分かってるよ!いや分かりたくないけど!」
奏「ダメかしら?」ズイッ
加蓮「あの、ちょっ、ちかっ―――」
奏「大丈夫、女の子同士ならノーカンでいいはずよ?」
加蓮「そういう問題じゃないと思うな!誰か―――」
P「おい、うるさいぞお前r―――」ガチャッ
加蓮「……」
奏「……」
P「……」
P「……あー、その、なんだ。スマン、邪魔したみたいだな。どうぞ、ごゆっくり―――」バタンッ
加蓮「Pさん待って!誤解!誤解だから!!」
奏「あら、別に私は構わないのだけど?」
加蓮「奏はちょっと黙ってて!というか冗談だよね?ねぇ!?」
……
P「まったく、人騒がせな……」
加蓮「Pさんが来なかったら危なかったかも……」
奏「ふふっ、慌てる顔がとても可愛かったわよ?加蓮」
加蓮「奏のは冗談なのか本気なのか分からないのが怖いんだよね……」
P「それはさておき、だ。奏も事務所に来た理由は加蓮と一緒でいいのか?」
奏「ええ、そうなるわね」
P「なら支度して初詣に行こうか。もう日も沈みかけてることだしな」
奏「あら、もうそんな時間なの?」
P「俺は2時間経ったら起こしてくれ、と言ったはずなんだがな……」
加蓮「だって、Pさん疲れてたでしょ?普段、私たちには無茶するなって散々言うくせに、自分は平気で無茶するんだもの」
P「返す言葉もございません……」
奏「無茶も程々にね?倒れたら私たち仕事どころじゃなくなるわよ?」
P「十分気をつけさせていただきます……。ん?メール……?」オゥコォメェー!オコメコメー!!
加蓮「何、今の着信音」
P「気にするな。それよりも、のあからのメールだったんだが、アーニャも交えて初詣行かないかだって」
加蓮「仲いいよね、あの二人。共通の趣味だからかな?」
奏「天体観測だったかしら?なかなかロマンチックよね」
P「さも当然の様にロシア語話せるからな、のあは。そのおかげか、アーニャがなつくのも早かったからな」
加蓮「Pさんも話せたよね?」
P「練習したんだよ。アーニャをスカウトしてすぐの頃の話だんだけどな?」
加蓮「うん」
P「本人に悪気は一切ないんだろうが、『ロシア語分からないのに、私に声かけたんですか?』と言われてな?」
加蓮「あー……」
P「ちょっとカチンときたから、アーニャにバレないようにしながら必死になって勉強したよ。お陰で三ヶ月ぐらいで日常会話は問題なくなった」ドヤァ
奏「たまに妙に負けず嫌いというか、子供っぽいところを発揮するわよね、Pさん……」
加蓮「ちなみに、初めてロシア語で会話した時のアーニャの反応は?」
P「すっごいはしゃいでた」
奏「ちょっと見てみたかったわね、その場面……」
加蓮「―――話を戻すけどさ、どうせなら皆で行かない?その方が賑やかそうだし」
奏「そうね、私も異論はないわよ」
P「了解だ。その旨を伝えておく。現地集合になりそうだが」
P「しかし、起きて出かけようってタイミングを見計らったかのようにメールが来たな……」
加蓮「偶然だと思うよ?………たぶん」
奏「のあさんだものね……」
P「怖いこと言うのはやめてくれないか?」
加蓮「さ、さあ、待たせるのも悪いし、すぐに準備しよう!」
奏「そ、そうね。そうしましょう」
P「露骨に話題を逸らさないでくれよ……。まあいい、支度しよう」
……
P「忘れ物はないか?鍵占めるぞ」
加蓮「私は大丈夫だよー」
奏「私も」
P「……よし、戸締まり完了、っと」ガチャリ
加蓮「それにしても寒いねー」
P「そう思うならお前はもう少し厚着したらどうなんだ。割と薄着に見えるんだが」
加蓮「ならPさんのコート貸してよー。前も借りたけど、凄く温かいんだよね、それ」
P「何故俺が寒い思いをせねばならんのだ……。風邪引かれても困るから貸すが」スッ
加蓮「わー、あったかーい」モフモフ
奏「Pさんは寒くないの?」
P「今ぐらいなら多少動いて、温かいモノでも飲めばなんとかなるだろ。後は気合だ」
奏「ああ、そう……。ウチのプロダクションって、個性的なプロデューサー多いけど、Pさんもなかなかのものよね」
P「待て、どういうことだそれは」
奏「ウチの“とても”個性的なプロデューサーたちを纏める立場だし」
P「俺が手綱を握ってないとすぐに暴走するからな、アイツら」
加蓮「料理上手だったり」
P「男の一人暮らしだからな。外食ばかりは避けたいし、どうせなら美味いメシを食いたいし」
奏「比奈さんや奈緒、紗南ちゃんの話についていけたり」
P「趣味の範疇なんでな」
奏「時折凄く残念な人に見えたり」
P「ちょっと、そこ詳しく」
加蓮「あとは他のプロデューサーたちに唯一、物理的にツッコミができたり。この前のドロップキックは凄かったよ」
P「きらりと茜のプロデューサーにやったアレか?アイツの暴走はああでもしないと止まらないからな……」
奏「あの巨体が吹っ飛んだんだから凄い威力だったんでしょうね…。やられた本人は平気だったみたいだけど」
P「アイツ、時々人間なのか疑いたくなるタフさだからな……」
加蓮「それ以外にも色々あるけど、やっぱり一番特徴的なのは、苦労人気質、ていうの?そんな感じのが滲み溢れてるところ」
P「どうして俺の周りにはきらりや茜のプロデューサーをはじめ、個性的なヤツが集まりやすいのかねえ……」ハァ
奏「類は友を呼ぶ、ってヤツじゃないの?それより、のあさんから返事はあったの?」
P「あったぞ。皆一緒で構わないらしい。アイツらは現地付近にいるから先に行って待っておくそうだ」
加蓮「なら急がないとね。行こう、Pさん、奏」
奏「そうね、急ぎましょうか」
P「そうだな―――ああ、すまん、大事なことを忘れていた」スッ
加蓮「どうしたのPさん?」
奏「急に姿勢なんか正して―――」
P「新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくな、二人共」ペコリ
加蓮「―――そう言えば、まだ言ってなかったっけ……」
奏「私もすっかり忘れてたわ……。こちらこそ、よろしくお願いするわね、Pさん」
加蓮「今年は去年以上に輝いてみせるから!だから、しっかりプロデュースお願いね、Pさん!」
P「おう、任された」
おわり
以上になります。この二人が好きなので、ユニット組んでくれた時は凄く嬉しかった。
思った以上にSS書くのって楽しいですね。もしまた何か思いついたら書いてみようかと思います。
これを読んだ誰かに少しでもほっこりしていただければ幸いです。
では、HTML化依頼出してきます。
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