黒ヤギさん「白ヤギさんからお手紙ついた」 (23)

カタン

黒ヤギさん「ん? うちに手紙なんて珍しいな……」

黒ヤギさん「あっ! こ、これは私の親友の隣の隣町の白ちゃんこと白ヤギさんからの手紙!」

黒ヤギさん「最近会ってないから寂しかったんだよね、何が書いてあるのかな」

黒ヤギさん「……なんか、心なしかいい香りがする気がする。白ちゃんからの未開封の封筒、つまり処女レター……」

黒ヤギさん「ちょっとくらいかじっても、ばれないでしょ」ムシャ

黒ヤギさん「ああ^~うめぇな! やっぱり白ちゃんの書く手紙を……最高やな!」ムシャムシャ

黒ヤギさん「……」

黒ヤギさん「あああああああもうやだああああああああ!!」

黒ヤギさん「はーつっかえ……バカか私なぁ!? これじゃ返事が書けないじゃん!」

黒ヤギさん「どうしよ。『すいません私が食べちゃいました、もう1通送って下さいオナシャス』なんてアホな返事は出来ないし」

黒ヤギさん「わざわざ向こうから連絡とってくるってことは、大切な用事だったかも……」


黒ヤギさん「うー……よし!」

黒ヤギさん「こうなったら今から白ちゃんのとこに行って素直に謝ろう。そんで手紙の内容を聞こう。それしかない」

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隣の隣町

ピィィィンポォォォン(ねっとり)

ガチャ

黒ヤギさん「こ、こんちわ」

白ヤギさん「黒ちゃん! わーい黒ちゃんだー!」むぎゅー

黒ヤギさん「ひゃっ」

白ヤギさん「久しぶりだね、会いたかったんだ。今日は遊びに来てくれたの?」

黒ヤギさん「ん、まあちょっと……」

白ヤギさん「あっ、どうぞ入って! いいよ上がって上がって」

黒ヤギさん「お邪魔しまーす」

……


…………



白ヤギさん「食べたぁ? 私の手紙を?」

黒ヤギさん「ごめんなさい! 許して下さいなんでもしますから!」

白ヤギさん「そっか……読まないで食べちゃったんだ」

黒ヤギさん「ごめんね……」

白ヤギさん「ふふっ。いいよ、許してあげる!」

黒ヤギさん「し、白ちゃん……!」

白ヤギさん「その代わりもっと抱っこさせて?」

黒ヤギさん「いいよいいよ、一日中でもしててよ!」

黒ヤギさん(とは言え、白ちゃんの顔がこんなに近いと照れるなー……)

白ヤギさん「ねえ黒ちゃん。私が手紙になんて書いてたか知りたい?」

黒ヤギさん「うん。もし大切な用だったらどうしようって、それも聞こうと思ってたんだ」

白ヤギさん「じゃあ教えてあげる。あの手紙にはね、『大好きな黒ちゃんに会いたいです』って書いてあったの」

黒ヤギさん「えっ……」

白ヤギさん「遊びに来てください、都合が悪ければ私がお邪魔します、ご飯だけでもいいです、黒ちゃんの顔が見たいですって」

白ヤギさん「黒ちゃんは黒ちゃんで、私から何も伝えられてないのにこうして来てくれたでしょ?」

白ヤギさん「理由はどうあれ私の願いを黒ちゃんは叶えてくれた訳で、二人の心が通じあってるなぁってすごく嬉しかったの」

黒ヤギさん「白ちゃん……」

白ヤギさん「……それで、お返事を聞かせてほしいな。私は黒ちゃんのこと大好きだけど、黒ちゃんは?」

黒ヤギさん「そりゃもちろん好き……大好きだよ。私は白ちゃんが好き」

白ヤギさん「じゃあキスして?」

黒ヤギさん「キスぅ!?」

白ヤギさん「うん」

黒ヤギさん「……い、いいよ」

白ヤギさん「じゃ目つぶって……キスするの初めて?」

黒ヤギさん「あ、当たり前じゃん」

白ヤギさん「うふふ、私も……ちゅっ」

黒ヤギさん「んっ! ん……」

白ヤギさん「……っは、む……あむっ」

黒ヤギさん「ぁん……はぁ、ちゅっ、ちゅ……」




白ヤギさん「……ぷぁ」

黒ヤギさん「あ、あぅ……」

白ヤギさん「……黒ちゃん、好きだよ」

黒ヤギさん「あぅぅ……」

白ヤギさん「ねぇねぇ、私の手紙と今のキスと、どっちがおいしかった?」

黒ヤギさん「えっ、それは……き、キスの方が……でも手紙も……」

白ヤギさん「ん?」

黒ヤギさん「……頭がくらくらして、よく分かんないよ」

白ヤギさん「じゃあもう一回しよっか。ちゅっ!」

黒ヤギさん「んぅっ!?」



白ヤギさんの手紙を食べちゃった黒ヤギさんは無事白ヤギさんに食べられて終了

終わり!閉廷!

普通に考えてヤギそのまんまなわけないだろ……

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