P「今日は4時30分からTHE iDOLM@SCLETERか・・・」 (64)

今日は年に一度の、

『芸能事務所対抗!ドキッ☆筋肉だらけの大運動会!~ムキリもあるよ~』

の収録日だ。

沢山の猛者がひしめくこの業界、エントリーするだけでも大変らしいのだが、

今年は我らが765プロも、竜宮小町の活躍で優先参加のお声がかかったというわけだ。

ところでムキリって何だ?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437584839

P「しかしまあなんというか……これだけ並ぶと流石に壮観だなあ」

見渡す限りの筋肉!筋肉!筋肉!

広いスタジアムを所狭しと立ち並ぶ、お手本のようなマッスルたちがそこにいた。

何が恐ろしいかと言えば、これ全部アイドルだということだ。

P(俺の知らない間に芸能界はこんなに筋肉に染まっていたのか……)

以前音無さんから聞いた筋肉系アイドル史によれば、一時期は色物で埋め尽くされていた筋肉業界だが、

最近はその肉体から生み出されるダンスだけでなく、ビジュアルやボーカルにも関心を持たれているようだ。

竜宮小町がその切っ掛けとなってくれたのならば……素直にとても嬉しい。

もちろん、律子もだろう。それも俺とは比べ物にならないぐらい。

で、そんな力に溢れた彼女たちを集めて運動会をしようというこの企画。

どう考えても使用後のスタジアムが無事なわけがない。

さては企画考えたやつは建設業と繋がってるのかなと思っていたのだが……



春香「頑張れ響ー!」

美希「もう少しでゴールなのー!」



意外とこれが、見ごたえがあって実に面白い。

今レーンを走っている彼女たちが担いでいるのは、自分の身長の三倍はあろうかという巨大な米俵。

そしてそれをこともなげにヒョイと担ぎ猛ダッシュするアイドルたち。

重量のある物体が猛スピードで動く姿は、とても迫力があって思いのほか良いものだ。

P「いけー!響ー!」

応援にも熱が入ろうというものだ。


ちなみに好奇心から開始前にちょっと米俵を触らせてもらったが、俺の力では引きずることも出来なかった。

響「うがー!ラストスパートー!」

そんな米俵を片手で振り回しながら駆けていく響。

そして、そのまま1位でゴール!

やよい「響さん、すごいですー!」

真「やった!これでまたポイントゲットだよ!」

沸き立つチーム765プロ。

ちなみに参加事務所は一部の特別な人たちを除いて、みんなスタジアムの壁の方にシートを敷いた区画があてがわれている。

彼女たちのスケールを考慮した結果だろう、随分と広いスペースだ。

響「たっだいまー!」

P「よくやったな、響!」

響「ふふーん、まあ自分にかかればこんなのどうってことないさー!」

といいつつ褒めてオーラが体中からダダ漏れな響。

響がもし身長152cmぐらいの年齢の割に小さな子だったなら頭の一つも撫でたところだが……

P(背伸びしても届くかなあ……)

その頂は俺にはあまりにも高すぎた。




ところで。

恥ずかしながら、今の今まで筋肉祭りのインパクトに負けて気づかなかったのだが。

重くて動かぬ米俵を必死に引きずろうとしている、あの女の子……誰だ?


 

この番組は

P「今日は0時00分からTHE iDOLM@SCLETERか・・・」

から始まる一連の話の続きとなっていますが

とりあえず筋肉だということだけわかっておけばなんとかなるかもしれません


 

~CM~

アイドルマスター10周年記念切手シートセット

ローソンにて予約受付中!

~CM~

 


               第
               十
脚力で、少しでも前へ  話


 

のぞみ「ちょっとプロデューサー、どういうことよ!」

新幹P「どうやら応募する運動会を間違えたみたいだな……」

のぞみ「普通のアイドルが出るのは来週だって、どこかで気づかなかったの!?」

新幹P「運営だって手違いでエントリー受理してしまいましたとか言ってたんだぞ!俺だけのせいじゃない!」

のぞみ「とにかく!今からでも棄権を申し出るべきよ!こんな筋肉、私たちのいていい世界じゃないでしょ!」

ひかり「ちょっと待ちなさい!」

のぞみ「ひかり!?」

ひかり「つばめを見なさい!あの動かない米俵に必死で挑む姿を!」



つばめ「んぎぎぎぎぎぎ!」グイッグイーッ

スタッフ「あのー、そろそろ次の競技の用意するんですが……」

つばめ「ううぅぅぅごぉぉぉけぇぇぇぇ!!!」グイグイーッ

スタッフ「あの、片付けますので引き上げて頂けると……」


ひかり「ほら、あんなアイドルがしちゃいけないような顔してまでつばめは参加してるのよ……」

ひかり「あんな姿見ても、まだ棄権しようなんて言えるの!?」

のぞみ「言える」

ひかり「もはや私たちに出来るのは、今日この大会をやりきることだけなのよ!」

のぞみ(あ、聞いてない)

ひかり「そして、こだまプロここにあり!ってところを、この筋肉どもに見せつけてやるのよ!あーっはっはっは!」

のぞみ(ああ、もうマトモじゃないのね)

のぞみ「話にならないわ……プロデューサー、大会棄権の申請してきて」

新幹P「すまん、断られた」

のぞみ「なんでよ!」

新幹P「『いい映像が撮れるから』って……」

のぞみ「それあれよね?熊の檻に入ったウサギを見る目よね?」

新幹P「勝ち目はない!だが逃げられない!スタジアムのドアは物理的に重すぎて開かない!」

のぞみ「ええいこうなりゃヤケよ!派手なところ魅せつけてやろうじゃないの!」



運営「えー、次回種目は腕相撲となりまーす。参加予定の方は受付テントまでお越しくださーい」




ひかり「この種目は辞退しましょう」

のぞみ「ひかり、あなた正気だったのね」

つばめ「なんでよ!あたし出るわ!」

のぞみ「ひかり、つばめを縛って」

P「あの様子……間違えてエントリーしたのかな?」

青い子とツインテールの子はやる気なようだが、茶髪の子とプロデューサーは随分怯えている。

まあ筋肉に耐性がなければ無理もないだろう。

俺だってここに就職してから一週間は毎日筋肉の夢を見たものだ。

やよい「うっうー!じゃあいってきまーす!」

千早「高槻さん、頑張って!」

響「ファイトだぞやよい!」

P「へえ、腕相撲はやよいなのか。てっきり伊織かと思ってたが」

伊織「まあね。相撲だったら私だったかもしれないけど、腕相撲は色々コツがあるのよ」

貴音「関節は外してはならないということで、私も出場を見送りました」

そりゃ関節攻めに行ったら腕相撲じゃないものね。

やよい「あうぅ~、惜しかったですー……」

P「いや、二位なんて大健闘だぞ!」

律子「ポイントだって結構とってるし、十分な活躍よ……と、もうこんな時間」

律子「あずささん、伊織、亜美、ステージに移動よ。竜宮小町として挨拶するから」

亜美「あーい、ほらいおりん行くよー」ドスドス

伊織「ほらあずさ、ちゃんと飲んでる?ステージで暴れたら面倒なんだから気を付けてね」ドスドス

あずさ「大丈夫よ、伊織ちゃん~」ドスドス

P(ああ、そういえば酒が切れると暴れるんだっけ……)

飲んだり走ったり大変だな。俺ならとっくに朝食が口から出ていってるだろう。

やよい「あれ?伊織ちゃんたちどこいくの?」

真美「お昼にステージあるから、裏で準備するんだって」

春香「そうなの?凄いね!」


出て行った竜宮小町たちは、何やらスタッフと打ち合わせ中。

近くにはカメラに映されながらインタビューを受けていたり、脚立に乗ったスタッフに髪型を整えてもらっている他事務所のアイドルもいる。

それは、まさしくみんなの憧れの『芸能人』の姿であった。

そこに竜宮小町がいる。

そこに自分たちがいない。

見えないけれど、この間には確かに大きな壁があるようで。

なんだか複雑なものを感じて押し黙ってしまう彼女たちだった。

春香「よーし!私たちも負けないように、競技でもっと頑張ろう!折角のテレビに映るチャンスなんだから!」

けれど、そんな空気を吹き飛ばしてくれるのも、また彼女たちで。

美希「うん!ミキもそう思うな!」

響「自分、また一番取るぞ!」

雪歩「私も頑張りますぅ!」

気合いの入った彼女たちは、より一層筋肉を隆起させるのであった。

その気合の入りようと言ったら服が破けるかと思うほどだが、多分破けても嬉しくない。

午前の部も終盤に差し掛かる。

並み居る相手を文字通りバッタバッタと薙ぎ倒し、765プロは午前の部終了時点で3位といい位置につけていた。

1位から4位までが10ポイント以内に収まっているデッドヒートだ。ここに食らいついたということは大いに優勝の可能性がある。

P(ところで……)

あちらさんは、元気でやっているだろうか。

ひかり「はあっ……はあっ……な……なんなの……こいつら……」

のぞみ「み、見りゃわかるでしょ……ゴホッ……バケモノよ……」

つばめ「ヒュー……ヒュー……」

新幹P「ほら、ポカリと酸素缶貰ってきたぞ。悪いがお前らでつばめを介抱してやってくれ」

のぞみ「まったく、なんでこんなに頑張るのよ……」

ひかり「しかもこんなに頑張っても1ポイントも取れないって、本当嫌になるわね」

のぞみ「50m先の的にボール当てろとか無理でしょ……」

つばめ「シュー……コー……シュー……コー……」

のぞみ(酸素缶でつばめがダースベイダーみたいになってる)

新幹P「なんか食えるか?栄養つけとかないと昼からヤバいぞ。サンドイッチとウイダーならあるが」

のぞみ「固形物が喉を通る気はしないわね。ウイダーちょうだい」

ひかり「あたしもウイダー。つばめは?」

つばめ「シュー」フルフル

ひかり「後でちょうだいって」

のぞみ(なにこれちょっと面白い)

のぞみ「なんで私たちがこんな肉体派なことしなきゃいけないのよ……」

ひかり「あら、そういうのぞみだって、随分頑張ってたじゃない」

のぞみ「もう参加しちゃったものはしょうがないでしょ。あとはプロデューサーのドジを責めるだけよ」

新幹P「うぐ……だから悪かったって言ってるだろ」

のぞみ「つばめはなぜか全力だし、ひかりも感化されちゃうし。プロデューサーの失敗は今後十年悔やみ続けてもらわな……」

バンッ

のぞみ「きゃっ……いきなり電気が消えたけど、停電?」

ひかり「いや、これは暗転?昼にミニライブやるのは知ってたけどこんな演出あったかしら……」

観客「キャー!ジュピターよ!本物だわ!」


ひかり「え、マジ?ジュピター来てんの?」

新幹P「ああ、今日だけの特別ゲストらしい。俺もさっき初めて聞いた」

のぞみ「ナイスよプロデューサー!よく今日参加させてくれたわ!ちょっと行ってくる!」

のぞみ「キャーーー!とーまくーーーん!!!」

新幹P「あっという間に黄色い声で飛んでいったな」

ひかり「まだまだ元気あるじゃない」

つばめ「シュー」

いきなり暗転したかと思うと、ステージ上に男性ユニットグループが現れた。

筋肉系アイドル運動会のゲストなのに、驚くべきことに普通の体型だ。

美希「あ、ジュピターなの」

千早「凄い歓声ね……」

雪歩「今、ジュピター凄い人気ですよね」

真「天ヶ瀬冬馬だっけ、真ん中の人。観客に向かって凄い手を振ってるね。人気者はサービスも一生懸命だなあ」

P「いや、あれ観客に向かって手を振ってると言うよりは……」

観客席ではなく、一点を見て手を振っているように見える。そしてその先にいるのは、

千早「春香に向けて手を振ってないかしら?」

春香「わ、私ぃ?」

翔太「どうしたの冬馬君、さっきからやたら興奮してるけど」

冬馬「だって凄いだろ!見渡す限り筋肉だぞ!」

北斗「そうだな、これだけのエンジェルちゃんに囲まれれば熱くなるのも仕方ないさ」

翔太「北斗君は凄いね、僕はそこまでは辿り着けないや」

北斗「でも、冬馬のお目当ては……あれだろう?765プロの天海春香ちゃん」

冬馬「そりゃ、俺に筋力系の凄さを教えてくれた最初の人だからな!」

翔太「え、冬馬君までまさか目覚めて……」

冬馬「凄いなあ……俺も鍛えてるけど、天海さんにはまだ遠いなあ……格好いいなあ……」

北斗(あ、恋とかそういうのではないのか)

翔太(ただの憧れっぽいね)

冬馬「あとでサイン貰いに行っていいかな?」

北斗「ステージが終わったらすぐ移動だって黒井社長が言ってただろ?」

冬馬「ちくしょう……じゃあせめて手を振って気付いてもらうぜ!」ブンブン

P「一体何のアピールなんだろう」

春香「そういえば私、前に廊下であの人と会ったような……」

響「会っただけでこんな風になるのか?」

真美「はるるん、正直に話したほうがいいよ……脅したんでしょ?」

春香「や、やめてよ真美、ちょっとぶつかっただけだよ」

真美「わかってるってー、はるるんったら虫も殺せないほどの人畜無害ですからなぁ」

事務所は破壊してるけどな!

律子「みんなー、陣中見舞いが来たわよー」

愛絵理涼「お久しぶりです、皆さん!」

ステージから戻ってきた律子が連れてきたのは、これまた普通の体型のアイドルたち。

876プロ所属の三人組で、大人しそうな子が水谷絵理、中性的な子が秋月涼、元気な子が日高愛だ。

俺が事務所に来る前に何度か仕事を一緒にしていたらしく、既にみんなは顔見知りである。

ところで涼という子、律子の親戚というからにはこれまた凄い筋肉かと思っていたが、これがなかなか可愛らしい。ちょっと好みかもしれない。

愛「差し入れ持ってきました!」

絵理「午後からも、頑張ってください?」

涼「律子姉ちゃんが試合前にいつも食べてたものです!」

P「へえ、何?」

律子「エビカツですよ。敵よりもまず己に勝つ、ってね。ついでに何かの拍子でスポンサーがつかないかと……まあ来ませんでしたけど」

P「なるほど……いや、律子の必殺技は『逆エビフライ固め』だろ。エビカツじゃ無理じゃん」

律子「……………………しまった、それが原因でしたか」

約一年越しの真実だった。

大量のエビカツは瞬く間に消え去り、午後の部が始まった。

そういえば本当は伊織と真がケンカしたりやよいが誰かに悪口を言われて沈んでたりってイベントがあるような気もするけどそんなこと全然なかったぜ!

そんなわけで午後の部も筋力全開な競技を筋力全開にこなしていくムキムキなアイドルたち。

100mトラック走が5トントラックを引いて100mを走る競技だとは思わなかった。

この時点でスタジアムは3割ほど損壊していた。


気が付けばあと2つで全ての競技が終わるところまで来ていた。

点数はこの時点で1位と12点差の2位だ。

午後の部は配点が高い競技が多かったため差が開いてしまったが、どうせ最終種目は大量得点競技だ。この点差なら焦ることはない。

P「よしみんな、どうせここまで来たんだ、事務所に優勝杯を飾ろうじゃないか!」

皆「おー!」ビリビリビリ

のぞみ「あと2つでやっと終わり……」

ひかり「うちの点数は相変わらず0点、か」

ひかり「……もうっ!何なのよ一体!こんなに頑張っても1点も取れないなんてある!?」

のぞみ「もうつばめだけじゃなく皆アイドル捨ててるってのに、こんなのって……」

つばめ「シュー」

のぞみ「つばめ、酸素缶気に入ったの?」

つばめ「シュー」

ひかり「いいえ、つばめは凄く頑張ってる。ただあいつらが凄すぎるだけよ」

のぞみ「なんでひかりはシューで意思疎通できてるの?」

のぞみ「プロデューサーもなんか言ってよ。さっきから黙りこくってどうしたの?」

新幹P「ん?ああ……いや、ちょっと考えてただけだ」

ひかり「何をよ?なんとか会場から逃げる方法?」

新幹P「なんとか1点でも取る方法はないか、とな」

ひかり「そんな方法あるの?次の種目アレだよ?」

新幹P「ああ……だが、そうだな、うん、アレならいけるかもしれない」

新幹P「いいか、これはもはや勝つための戦いじゃない。たった1点でも取れるかどうか、そういう戦いだ。それでもいいか?」

ひかり「当然よ」

のぞみ「ま、ここまで来たらね」

つばめ「あたしたちでも出来るってところを見せてやるのよ」

のぞみ「今日初めてつばめの理性的な言葉を聞いたわ」

新幹P「よし、じゃあ作戦だが……」

のぞみ「籠の位置が高いだけで助かったわ」

ひかり「玉が一個10kgとかだったらお手上げだしね」

のぞみ「しかし、あんな作戦考え付くなんてね」

ひかり「普通はあんなことやってみようとすら思わないわ。でもこの状況だとそれぐらいしかないものね」

のぞみ「さて、じゃあ見せてやりますか。こだまプロの団結力ってやつを」

ひかり「先にバテないでよ?」

のぞみ「ひかりこそ、途中でヤケにならないでね?」

審判「それでは玉入れ競争、開始!」ピーッ!

次の種目は、運動会お馴染みの玉入れ競争だ。一分間にどれだけ籠の中に玉を放り込めるかというシンプルなもの。

ただそこは筋肉運動会。もちろん普通の玉入れとはわけが違う。

具体的には籠の位置が高い。驚くほど高い。俺が全力で投げて届くかという位置にある。狙って投げるなど到底できないだろう。

それをポンポン入れていく筋力系アイドルたち……かと思いきや、意外と苦戦している。

驚くほど高い位置にある籠のそのまた上を通過していくものが相当数あるのだ。

P「俺からすれば普通の玉なんだけど、あいつらにとってはピンポン玉投げてるようなもんだもんな」

筋肉系の彼女たちにとって普通の玉は小さすぎて軽すぎる。

では、筋肉系でないあちらの子たちにとってはと言えば、逆に籠が高すぎて届かないだろう。

こちらから見てる限り、やはり玉は籠よりずっと下の地点で勢いを失って落ちてきているようだ。

P「……ん?なんか不思議だな」

春香「どうしたんですか?」

P「いや、ほらあそこの……こだまプロだっけ?あの子たちなんだけど」

春香「一生懸命投げてますよね?全然届いてないですけど……あれが何か?」

千早「なんで二人いるのに一人ずつ交代で投げてるのかしら」

響「一緒に投げたらお互いの玉が当たって弾いちゃうからじゃないか?」

真「でも交代で投げても投げるタイミングが近いから、何回かに一回は当たってますよ」

千早「投げる位置も近いわね。あれでは殆ど同じ場所から投げてるみたい」

やよい「当たってる……というよりは、当ててるような……」

P「当ててる……?」

投げた玉に向かってさらに玉を狙って投げ当てる。

そんな野球選手でも難しいような芸当をして何の得になるというのか。

今だって当たった玉が弾かれて上へ飛ばされて、

P「上?……まさか……!?」

ひかり「はいっ!」

のぞみ「それっ!あぁ、外した!」

ひかり「コントロール荒れてるわよ、もっと真下から狙って」

のぞみ「言われて出来れば苦労しない、わ!」

ひかり「やっ!ごめん外した!」

のぞみ「大丈夫、最初より当たるようになってる!」

ひかり「ところでこれ何回弾けば入ると思う?」

のぞみ「5回ぐらい、かな。無理だと思う?」

ひかり「無理なら最初からやってないわよ!次行くわよ!」

千早「一回じゃ届かないから後ろから当てて届けようっていうの?」

響「二回でも無理だ。当てて跳ね返ってきた玉にさらに当てて、その玉を最初の玉に当てることまでしないと……ハム蔵の計算では、約5回当てて届くらしいぞ」

春香「えっと……どういうこと?ちょっとよくわかんなくなってきた……」


まず、最初に投げた玉をAとする。Aだけでは当然籠まで届かない。

後から投げたBをAに当て、Aをさらに上に弾き飛ばす。これで普通に投げるよりも高い位置にAは届く。だが、これでもAは届かない。

そこでCを投げ、落ちてきたBに当て、上に弾き飛ばしたBをさらにAに当てる。

同じことをD、Eと繰り返し、Fまで来てようやく届く……というのがハム蔵の説明だ。


P「そんなデタラメな……サーカスじゃないんだから」

それも日頃から今日のために練習していたのではなく、たった1分のぶっつけ本番で。

考えるほうも実行しようとする方も、普通の発想ではない。

千早「そんな出来そうもない事に挑戦して、一体なんのために……?」

審判「残り10秒!」

ひかり「あーあ、もう時間がないわ」

のぞみ「肩どころか一分で全身ヘトヘトね」

ひかり「次がラストチャンス、かな」

のぞみ「なら、絶対掴み取らなきゃ」

ひかり「今までアイドルやってて色々あったけどさあ……」

のぞみ「今日ほど無力感ってのを感じたことはなかったわね」

ひかり「そういう、直接的な意味の力は求められてないはずなんだけどね」ヒュッ

のぞみ「でも、それでも精一杯やってみて……」1HIT!

ひかり「つばめと一緒に、アイドル捨ててるような無茶もしてみて……」2HIT!

のぞみ「アイドル捨てた私たちは、何でこんなことやってるの?」3HIT!

ひかり「見映えのアイドルを投げ捨てた私たちにも、残ってるのよ……!」4HIT!



ひかりのぞみ「アイドルの誇りってやつがね!」5HIT!

新幹P「よしっ!」

つばめ「凄い、二人とも……!」

新幹P「さあ、あいつらはちゃんと得点を取ってきたぞ。次はつばめの番だ」

つばめ「うん……任せて」




春香「凄い……成功させちゃった……」

P「ああ、凄いな……」

明らかに筋肉系用に作られた種目。それを、たった一回とはいえ、二人のチームワークで乗り越えた。

あれほどの団結力……今の俺たちにあるだろうか?


とはいえ点数から言えばなんと現在うちが2位と15点差で1位だ。

先程1位だったチームは力任せすぎてほとんど玉を入れられなかったらしい。

そして、競技はいよいよ最終種目、借り物競争へと移る。

借り物競争といえば、レースの途中でお題が書かれている紙を拾い、そのお題に適したものをゴールまで運ぶものが一般的だろう。

この借り物競争はちょっと違い、ゴールまで運ぶ代わりに自分のチームのシートを敷いているところに設置された台に持ってくることと、お題の書かれた紙がボルダリングした先にある。

高さでいえばビルの4階ぐらいだろうか、毎日のように9階……今は8階になっているが、そこまで上っているうちのアイドルたちにとっては楽勝だろう。

また、レースの制限時間は10分間で、お題の品を持ってきて残った秒数がそのまま点数になるという、いわゆる大逆転競技でもある。

まさに知力・体力・時の運が必要だとかなんとからしいが、体力のステータスがデカすぎるのとそもそもパクリじゃないかこのフレーズ。

P「というわけで、うちからは足の速い真に出てもらうぞ」

真「任せてくださいプロデューサー!あっという間に帰ってきますからね!」

P「うん、頼りにしてるぞ真。早とちりして別のものは持ってこないでくれよ」

いささか脳筋の気があるようなのが不安の種だ。

P「さて、あっちからは……」

玉入れに出てなかった残り一人の、ツインテールの子が出場するようだ。

残りの二人はと言えば疲れ果てているようでまだ戻ってきていない。まあ、競技をする場所が違うので支障は無い。

というわけで号砲一発、最終種目が始まった。

突起のついた壁をいつものようにスイスイと上っていく真。

ぶっちぎり一位かと思いきや、意外と他も速い。このままではボルダリングでは差はつかないだろう。

P「頼むぞ、どうか簡単なものであってくれ」

鉛筆消しゴムハンカチ程度の用意はある。日用品系なら鞄に入ってるもので何とか対処を……

真「プロデューサー!」ズドドドド

P「早いな真!もう見つけたのか、これで一位確実……」

真「牛肩ロースってどこにあるんですか!」

P「そんなもん書いてんのか!えっと、どうせ会場内には無いから外の肉屋で買ってこい!はい財布!」

真「行ってきますプロデューサー!うおおおおおお!!!!」ズドドドドド

P「……借り物?」

これでは買い物競争じゃないか。

うちの紙がハズレなのかと思いきや、紙を手にしたチームはどこもてんやわんやでスタジアム内を、あるいは外を探し回っている。

なるほど、どうやらこの種目、思った以上に運営が意地悪なようだ。

ところで、他のチームはとっくにスタジアムを破壊したり駆けずり回っているのに、1チームだけまだ上りきってもいないところがある。

言わずもがな、こだまプロの……名前なんだっけ?

新幹P「さっきはよくやったお前たち!」

ひかり「な、なんとか一個だけね……はぁ、はぁ……」

のぞみ「も、無理、腕上がんない……」

新幹P「とりあえずこの台に座って休んどけ、また酸素缶取ってくるから」

ひかり「あれ、2点……?一個しか入れてないよね?」

新幹P「残り10秒ボーナスで得点二倍だったらしいぞ、お前らの頑張りのおかげだ」

のぞみ「頑張りとか、そんなんじゃないわよ。でも、プロデューサーがあんなバカみたいなこと考えるから……」

ひかり「やってやんなきゃ、プロデューサーをただのバカにはしたくないじゃない?」

新幹P「ばっ……え、偉そうに言うんじゃない!」

ひかり「あら?ひょっとして照れてる?」

新幹P「うるさいうるさいうるさい!今はそれよりつばめの応援だろうが!」

―――――――――――――――

つばめ「よい……しょっとぉ!」ガシッ

あー……しんどい。体中が痛い。腕が上がらない。

おっかしいなあ。なんであたしこんなことやってんのかなあ……。

本当なら今日はアイドル対抗の運動会で、適当にキャラ作りつつカメラに映って、人気を高めてるはずだったんだけど……。


朝来たら周りは凄い筋肉だらけで、プロデューサーは登録間違えたとか言い出して。

正直もう帰ろうって、みんなそんな顔してた。

でも、あたしはそう思わなかった。

つばめ「そぉ……いっ!」ガシッ

ウォーミングアップしてるあの筋肉たちを見て、気付いてしまった。

ここには、全力のアイドルの姿がある。

適当に笑顔と愛想を振りまいて、ズルく芸能界を渡っていこうと思っていたあたしとは、あまりにも違う姿。

何事にも一生懸命立ち向かうと決めていたはずの、過去の自分が目指していた姿。

それを忘れていたのが、急にとても恥ずかしくなってきて。

だから。せめて今日だけは。

つばめ「ふっ……くっ!」ガシッ

あたしの突然の奇行に、ひかりものぞみもプロデューサーも面喰らっていたようだった。

でも、ひかりは何も聞かずに、あたしと調子を合わせておかしいふりをしてくれた。

本当に体が壊れそうな競技の時はあたしを止めたり休ませたり、心配もしてくれた。

プロデューサーだって、本当は辞退して帰れるのに嘘ついて残ってくれた。

ドアが開かないなんて、そんなこと無かったのに。あたしにやれるだけやってみるチャンスをくれた。

のぞみは、最初は本当に嫌そうだった。

でも、今はあたしと一緒に無茶してくれる。ひかりと一緒に、身体がボロボロになるまで踏ん張ってくれる。

みんな、ありがとう。みんなのおかげで、今日から自分に嘘をつかずにやっていける。

でも、感謝は言葉だけじゃ薄っぺらいから。

だから、行動で示さなきゃ。

つばめ「っ……くぅっ!」ガシッ

一個一個、掴めそうな石を探して、握って、体重を支える。

腕が痛い。足が痛い。腰も痛い。ツインテールが邪魔だ、ポニーにすればよかった。

あと何段上れば頂上だろう?

考えるな、一個ずつ上っていけば絶対辿り着く。

ああでも意識と視界が朦朧としてきた。

次掴もうと思ってる石が3つに分裂して見える。

掴みそこなったら危ない、慎重に左手を伸ばす……。

つばめ「……あっ……」

あれ、右手から力が抜ける。こんなに握力減ってたっけ。

左手が石を掴んでないのに、右手から石が滑っていく。身体がゆっくりと後ろに傾いていく。

ごめんね、ひかり、のぞみ、プロデューサー。あたしどうやらここまでみたい……。



P「頑張れー!つばさー!」



つばめ「……えっ?」

―――――――――――――――

春香「ぷ、プロデューサーさん?」

気が付いたら声が出ていた。自分でも驚いたぐらいだ。

だが、あの必死な姿を見て、とても応援したくなってしまったのだ。

P「他事務所のアイドルだとか、そんなの関係ない。頑張ってるから応援したい……なんて、プロデューサーとしては失格かな?」

春香「プロデューサーさん……いいえ、そんなことないと思います!」

真「あんな小さな体であそこまでやるなんて、凄いと思います!ボクも応援します!」

先程牛肩ロース(よりによって和牛)を手にギリギリ一番で戻ってきた真も賛同してくれた。

響「ちばりよー!つばさー!」

あずさ「もう少しよー!つばさちゃーん!」

続々と応援を始める765プロのアイドルたち。


観客「ファイトだぞつばさちゃーん!」

観客「つばさちゃん頑張ってー!」


気が付けば、観客たちも声援を送りはじめていた。

その波は一瞬でスタジアムを飲み込み、つばさコールとなって彼女の元へ降り注ぐ。


ところで、名前つばさで合ってたよな?

―――――――――――――――

つばめ「ぅあぁっ!」ガシッ

突然の声援のおかげで、意識が戻ってきた。

間一髪で右手に力を込めて石を掴みなおす。

なんとか落ち着いて、改めて左手の石を狙い、今度はしっかりと掴む。

上を見れば、もう頂上はさほど遠くない。

後ろからは、なぜか会場中を巻き込んだ声援。

見えないけど、のぞみもひかりもプロデューサーも何が起こったのかわからずオロオロしてるのが伝わってくる。

あたしだって何でこうなってるのかわからない。

でも、確かにわかることが二つある。

つばめ「ん……しょっとぉ!」ガシッ

一つは、この声援があたしに力をくれること。

この真っ直ぐな声援は、きっと今日あたしが真っ直ぐ頑張ったことへの、多すぎるぐらいのご褒美。

こんなに沢山の声援、今まで受けたことは無かった。これからも滅多にそんな機会はないだろう。

でも、今日のこれのおかげで、あたしは頑張っていける。しっかりと心に刻みつけたから。



つばめ「もう……少し!」ガシッ

あと一つは、

つばめ「あたしは…………」ガシッ

こいつらあたしの名前知らないってこと。

つばめ「つばめだぁーーーーー!!!」ガシィッ!

―――――――――――――――

実況「上りきったー!こだまプロのつばさ選手、制限時間を大幅に超えるも、なんとか上りきりました!」

新幹P「よしっ!」

ひかり「やったわね、つばめ……」

のぞみ「ええ……つばさって誰よって感じだけどね」

新幹P「まあいいさ、今日の件できっと皆知ってくれるだろう」

のぞみ「間違って覚えられるんじゃない?」

ひかり「ふふっ、『さくら』とかに改名したほうがいいかしらね?」

実況「それでは結果発表です!」

しばらくの休憩の後、ようやく待ちに待った瞬間がやってきた。

P「お、来たぞみんな!準備はいいか?」

春香「もちろんです!」

元々一位だったうちのチームが最後の競争も一位でゴール。つまり、

響「真が最後頑張ってくれたから優勝できたさー!」

真「いやあ、最後もギリギリだったし、みんなが得点稼いでくれたおかげだよ!」

律子「小鳥さんが祝勝会の準備して待ってますよ!」


実況「優勝したチームは…………」

ダラララララララララ……

デン!

実況「こだまプロだ!」



P「やった…………え?」

新幹P「え?」

P「ど、どういうことだこれ」

春香「プロデューサーさん、あれ!得点板見てください!」

P「えっと?うちが最終競技前で354点で、最後真が2分47秒残して帰ってきたから+167点の、合計521点だろ?」

P「で、こだまプロが最終競技前で2点で、借り物競争で+520点!?8分40秒残しだと!?」

実況「えー、皆様混乱していらっしゃいますので、ここで大会委員長より補足説明があります」

大会委員長と呼ばれて出て来たのは、うちの社長ほどではないが中々筋肉的な初老のおじさんだった。

委員長「えー、最後の競技におきまして、開始から1分ですでに他のチームの皆様が借り物の札を取っていましたので、こだまプロの取る札の中身はすでに一枚に決まっておりました。ちなみにこれですな」

と、手に持っていた紙を掲げる委員長。そこに書かれていたのは、

『非筋肉系女性アイドル』

新幹P「まさか……」

委員長「で、我々の計測では競技開始1分20秒でひかり選手、のぞみ選手が台に乗っております。つばさ選手も……あ、つばめ選手でしたかな?つばめ選手も時間切れとはいえ上りきりましたので、競技成立としてこだまプロに520点を与えました。以上です」


つばめ「ってことは……」

ひかり「あたしたち、優勝……?」

のぞみ「マジで……?」

つばめ「いいのかな……あたしたちが優勝なんかしちゃって……」

新幹P「なーに言ってんだ。途中の歓声聞いただろ?ほら行って来い」

つばめ「プロデューサー……うん、じゃあ行ってくるね!のぞみとひかりも!」

ひかり「やれやれ、こんなことになっちゃうとはね」

のぞみ「疲れすぎて、あの表彰台にあがるのでさえ精一杯だっていうのに」

新幹P(とかいいながら、良い顔してるじゃないか三人とも……ま、俺もだろうな)

実況「というわけで、まさかまさかの筋肉系アイドル大運動会優勝は、非筋肉系アイドルのこだまプロチーム!身体のスペック差に負けず、よく頑張りました」

愛「すごいんだねー、あの人たち」

涼「筋肉系じゃなくても、勝つんだもん」

絵理「あれが本当の……結束?」



つばめ「あー重い重い、本当にこの優勝杯重いわ」

ひかり「三人で抱えてやっとだものね」

新幹P「うお、本当にでかいなこれ……」

のぞみ「あのね、プロデューサー、私たち考えたんだけど」

ひかり「今日誰が一番頑張ったかって。そしたら、やっぱりプロデューサーじゃないかなって思ったの」

つばめ「あたしたちのケアもしてくれたし、勝つための手段も考えてくれたし」

新幹P「い、いやあ、まあ色々考えはしたが、しかしこう正面から言われると照れるな」

のぞみ「だから、これはプロデューサーが持つべきだと思うの」

新幹P「これって……優勝杯か?いやいや一人じゃこんなの無理だろ」

つばめ「遠慮しなくていいのよ」

ひかり「プロデューサーがMVPなんだから」

のぞみ「はい、渡すわよ」

新幹P「待てお前ら笑顔だけど目が笑ってないぞ、あ、わかった、さてはやっぱり間違えて登録したの恨んでるだろ、いや待て落ち着け一回そこに置け無理だって俺最近腰痛が酷いんだかぐおぁっ」ズシン

新幹P「うおぉ……重い……これ重いです……」

ひかり「……ふふっ」

のぞみ「ふふふっ」

つばめ「あははははっ」

P「いやいや待て待て」

春香「どうしたんですかプロデューサーさん、もうGOMYWAYが流れるところですよ」

P「流れたらおかしいだろ。いや、あれ?うちの優勝は?」

千早「何を見ていたんですかプロデューサー、うちは2位ですよ」

律子「あ、小鳥さん?はい、祝勝会は取りやめに……え、準優勝おめでとう会でやってくれる?ありがとうございます」

響「今日はたまたま運がなかっただけだぞ!次頑張ればいいさー!」

P「響は前向きだな。だけど、今はそれぐらいでいいのかもな……」

響「あーあ、優勝してプロデューサーを胴上げしようと思ったのに」

優勝しなくて本当によかった!胴上げなんてされたら最低でも入院してしまう!

P(最近、俺は慢心してたかもしれないな……)

最初に筋肉運動会と聞いたときは、もうう765プロの勝ちは間違いないと思い込んでいた。

だけど実際には筋肉系のアイドルはいっぱいいて、いくつもの競技で1位を取れなかったり、総合でも負けてしまったり。

世界は広い。彼女たちをトップアイドルにするためには、こんなところで立ち止まってられない。

そして、今日見たこだまプロの彼女たちの信頼と団結力。

いつか俺たちにもそれが試される日が来るだろう。それもそう遠くない未来に。

願わくば、その日までに皆の中に確かな絆が育まれていますように。

次回のTHE iDOLM@SCLETERはー?

菊地真です!皆さん、いい汗かいてますかー?

上半身を鍛えながらでも下半身は鍛えられますから、

次回もいい汗かきながら、『腹筋、背筋、そして懸垂』を

お楽しみにー!

☆NOMAKE

~用語集9~

・筋力系(3)

現代医学によって、投薬もしくは運動制限により、
筋力系特有の筋肉が肉体に定着する年齢(20歳ごろ、個人差あり)までならば
一度筋力系となっても一般体型に戻ることが出来る
また、生後間もなくから同様の処置を継続することで
そもそも筋肉を肥大させることなく成長することも可能
反対に、投薬によって年齢に関わらず一時的に一般体型を筋力系にすることも可能であるが、
その場合骨はほとんど変化しないので骨格にかなりの負担を強いることになる
そのうえドーピングで変化した肉体では筋力系と認められないため、
違法ではないが一般的にはあまり見かけない

~アイドル名鑑No.EX1&2&3~

日高愛
876プロ所属のアイドル
筋肉系の素質はあるが、親の方針で筋肉をつけない育ち方をしている
親曰く、「本人がどちらにするか決められる判断力がつくまではこのままでいい」とのこと


水谷絵理
876プロ所属のアイドル
筋肉系の素質はあるが、長い間ロクに動かない生活をしていたため筋肉がついていない
本人もデカい身体になるよりはこのままがいいと思い、体型を維持するよう努めている


秋月涼
876プロ所属のアイドル
筋肉系の素質は無い上に、鍛えてもさほどムキムキにならない
その容姿からよく女性と間違われているが本当は男性

という感じで十話おしまいです
最終的にスタジアムは8割が崩落しました
つばさ大ブーム
それでも小鳥さんはお祝いしてくれたよ

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