速水奏Pごめんなさい
好きゆえの作品です
モバP「濡れ場ありのセフレの役だって!?」バン!
ちひろ「最近ドラマで過激な作品多いですからいつかは、と考えていましたが…指名したアイドルは……?」
P「速水だっ…!だから挑発的なキャラで売るなってあれほど言ったのに……!」ぎりっ
ちひろ「断りましょう!」
P「当然です…!」
速水奏「私なら受けても良いけど?」ガチャ
P「速水!?いつから…いや、本気で言ってるのか……!」
ちひろ「そうです!アイドルがセフレ役で濡れ場なんて!!」
奏「別に実際にそういうことするわけじゃ無いでしょう?精々下着で抱き合う程度…元々そういう仕事が来るように演技してたのは私だし、受けないと失礼よ?」
P「ッ!!」パン!
奏「痛っ!」
ちひろ「え…!?」
P「来い、速水…!千川さん、休憩室借ります。速水がアイドル止めたらすみません」グイッ!
ちひろ「え、それって!?」
奏「手引っ張らないで…痛いって!」
P「他に誰か来ても…休憩室に来ないように言ってください……!」ガチャ
休憩室
P「……!」バン!
奏「っ!壁ドン…期待しても良いのかしら……?」
P「速水、ヤった事はあるか?」
奏「何を…って、ふざけている場合ではないわね。勿論無いわ」
P「男に裸を見せたことは?」
奏「無い」
P「……ディープキスの経験は?」
奏「あると思う?」
P「今言ったことを知らない共演者、見ず知らずの男とする覚悟は」
奏「……あるわ」
P「嘘だな」
奏「くっ……セクハラよ、普段私の発言に狼狽えてる貴方の台詞じゃ無いわね」
P「……お前、今震えてるぞ。そんな状態で現場に立ってみろ、ディープキスも知らない、裸を見せたこともない、そんな奴が現場にいたら何回リテイクすると思う?何時間裸を周囲に晒すと思う?」
奏「っ!!」
P「怖いだろ、怖いはずだ……!初めてのディープキスがカメラの前なんて、普通なら一生の心の傷になる」
奏「……」
P「芸能界を舐めるな、良いから引き下がれ……」
奏「舐めてない!私はただ……!!」
P「そうか……なら荷物をまとめろ、辞表を書け、お前には失望した、俺はお前にこういう仕事をさせる為にスカウトしたんじゃない……!」
奏「っ!」
P「今だけ諦めたフリをすれば良い、とか投げ槍に考えても無駄だ、目で分かる。一度討論したことは今後何度も起きる、その度に一々言う義理はない」
奏「ッ!」グイッ!
P「んむっ!?(速水の口が俺の口に!?)」
奏「んっ…はぁ…んんっ!」
P「んんっ…!ぷはっ!や、やめっ!んっ!」
奏「んんっ!!」
P「ぷはぁっ!やめろって!」バンッ!
奏「痛ッ!」
P「はぁ…はぁ……なんのつもりだ……!!」
奏「できるでしょ、ディープキス…!貴方が監督ならOKだす……?」
P「ダメだ、舌が入ってこなかった、恐怖心が抜けてない証拠だ。それよりもお前、今泣いてるぞ……!」
奏「えっ?」ツツ……
P「どうしてそんなにやりたがるのか、俺には理解できない……本格的に問題だ、こんな奴うちでは扱えない。」ガチャ
奏「待って!!」
P「……」バタン!
事務室
ちひろ「おかえりなさい……どうでした?」
P「すみません、速水は辞めさせます。彼女はここで止めないと、いずれ取り返しがつかなくなります」
ちひろ「何か…あったんですね?」
P「聞かないでください……」
ちひろ「聞きますよ!だって貴方泣いてるじゃないですか!」
P「くっ」ツツ…
ちひろ「奏ちゃんを言い聞かせるだけじゃダメなんですか…?奏ちゃんが辞める必要なんて……!」
P「無理だ、速水はまた指名が来たらやりたがる!」
ちひろ「何度も何度も断れば良いじゃないですか!!」
P「事務員ごときが芸能界を語るな!!!このままだったら奏にそういう仕事しか来なくなるって分かれよ!……あっ」
ちひろ「……!」
P「すみません……今日は早退します……」
ちひろ「奏ちゃんは辞めさせませんよ……」
P「……なら担当を変えてください、もう面倒見きれません」ガチャ、バタン!
ちひろ「プロデューサーさん……」
奏「……」ガチャ
ちひろ「あっ、奏ちゃん!」
奏「辞表、書き方教えてください」
ちひろ「え……」
奏「アイドル辞めます……プロデューサーに嫌われちゃったし、もうここには居られない……」
ちひろ「!……本気で言ってるんですか?だとしたら、奏ちゃんはやっぱりマセただけの子供なんですね」
奏「どういう意味?喧嘩を売っているの?」
ちひろ「プロデューサーさん、泣いていました。嫌いな人と別れて嬉しい人の表情じゃありません」
奏「……プロデューサー」
ちひろ「傷ついて欲しくないから突き放す……それに気づけないのに大人を演じるなんて、大人に失礼です……奏ちゃんを辞めさせるのは流石に判断を急ぎすぎだと考えていましたが、妥当かもしれません……間違いが起きる前に」
奏「ま…待って……!続ける!続けさせて!!」
ちひろ「はい?今辞めるって言いましたよね?プロデューサーが自分を嫌ってないからやっぱり続けるなんて、大人を舐めないで下さい」
奏「で、でもっ!」
ちひろ「……私も鬼じゃありません。奏ちゃんが辞めた場合の損失を考えると、担当プロデューサーの変更、アイドルとしての方向性の変更が落とし所ですね」
奏「え…プロデューサーの変更……?」
ちひろ「はい、当然です。プロデューサーにここまで迷惑かけたんですから……」
数ヵ月後
P(そして、奏は俺の担当から外れて別のプロデューサーが担当することになった。彼女が辞めないと決まったとき俺は反論したが、『辞めた場合の損失を誰が払うのか』と言われて言い返せなかった。彼女の方向性を年相応のアイドルに変更することぐらいはしてくれたのが救いだった)
ちひろ「プロデューサーさん……」
P「どうしました?」
ちひろ「後悔してるんですか?あの日の事……」
P「してませんよ、ああしなきゃ速水を守ることは出来ませんでした。ちひろさんこそ憎まれ役をしたこと、後悔してるんですか?」
ちひろ「してますよ……あの時、奏ちゃんの側について一緒にプロデューサーさんを説得していたら……」
P「あのテレビ局からセフレ役と言えば速水奏って言われてたでしょうね」
ちひろ「それは……臆病すぎですよ……」
P「……そうなんでしょうか、あ…速水の出てる番組の時間ですね」ピッ
スタジオの司会『速水さんはキスとかしたことある?』
スタジオの速水『えっと私ですか?……キスは、全然無いですよ。そういうことを話さないように『プロデューサー』にキツく言われてますので、これ以上は事務所NGです』
ちひろ「奏ちゃん…柔らかくなりましたね……」
P「そう見えますか…?俺にはただ演技が下手になったなって感じます、それに嘘も下手だ。」
奏「ただいま……あ」ガチャ
ちひろ「奏ちゃん、戻ったんですね」
P「ならテレビは録画か」
奏「うん、この前にね」
P「速水…演技、下手になったな……」
奏「年相応、元々嫌いな演技だからね」
P「そっか……速水、すまなかった」
奏「……」
P「俺のせいで、速水がアイドルとしてしたかったことが出来なくなった」
奏「いいよ、あの頃の私は本当にマセただけの子供だったんだから……プロデューサーの言うことも聞かずに、ただワガママ言って……あの役も、大人になりたかったからやりたくて、否定されたとき私は子供なんだって言われた気がして反発して……結果が今の私」
P「速水……」
ちひろ「奏ちゃん……」
奏「気にしないで、あのことのお陰で少しだけ本当の大人になれたから……」
P「そっか……そうだ、今度一緒に食べに行かないか?」
奏「……ふふっ、キスしてくれたら良いよっ♪」
おわり
超短いけどこれにて終了です、
息抜き程度に見て貰えれば幸いです。
もっと速水奏のSSが増えますように……
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