比企谷小町 「ねぇーお兄ちゃん?」 (22)
八幡「あ?なんだよ」
小町「こまちぃ~受験頑張ったじゃないですかぁ~。それでね、そのご褒美に明日買い物に付き合ってくれない?」
八幡「まぁお前が頑張ってたのは知ってるしな。良いぞ別に」
小町「やった!それじゃ何買ってもらおっかなぁ~」
八幡「ちょっと待て。何で俺に買ってもらう前提なわけ?」
小町「え?だって明日付き合ってくれるんでしょ?」
八幡「ああ。買い物に付き合うだけな」
小町「うん。だから何買ってもらおっかなぁって」
八幡「そういうのは親父に頼めよ。俺あんまし金持ってないんだからさ」
小町「はぁ...お兄ちゃん?なんでお兄ちゃんは先に生まれてくるか知ってる?」
八幡「あ?それは後に生まれてくる妹や弟を守るためだろ?あれ名言だよな」
小町「違うよ。お兄ちゃんは妹を甘やかすために妹より先に生まれてくるんだよ。つまり小町を甘やかすのがお兄ちゃんの役目だよ♪」
八幡 (それはそれで良いかも知れない)
小町「っとまぁ冗談はこれくらいにして。買い物に付き合ってくれるだけで良いからさ」
八幡「へいへい。明日だな。了解」
小町「早くお父さん帰ってこないかなぁ~♪」
八幡 (こいつ親父に強請る気か。かといって俺の方に来られても困るんだがな)
小町「~♪」
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―次の日―
ガチャ
小町「おにいちゃーん!早く起きてー!」
八幡「あと一日」モゾモゾ
小町「それじゃ明日になっちゃうじゃん!もー!今日買い物に付き合ってくれるんじゃないのー?」ユサユサ
八幡「...分かったから揺らすな」
小町「最初から起きといてよ、まったくもう」
八幡「準備するから下で待ってろ」
小町「あっ着替えだしといたから。んじゃなるべく早く支度してね」
八幡「おう」(どんだけ早く行きたいんだよ)
八幡「準備出来たぞー」
小町「おっそーい!小町待ちすぎて死にそうだったんだよ!」
八幡「悪かったな。んじゃ行くか」
小町「れっつごー!」
八幡「んでどこ行くつもりなんだ?」
小町「うーん。まずはコートとか欲しいしアパレルショップかな」
八幡「了解」
小町「まだ冬物のセールやってるかな?」
八幡「やってるとこはやってんじゃね、知らんけど。とりあえず向かうか」
~
八幡「大体の所はもう春物ばっかりだな」
小町「あっ!あった!あそこ!」
八幡「あって良かったな。ってもう行ってるし」
小町「おにいちゃーん!早く早く!」
八幡「おう」
―店内―
小町「これ可愛い!あっでもこっちの方が良いかもー」
八幡「お前コートはどうしたよ」
小町「え?あー何か春物見てたらこっちの方が欲しくなっちゃったーみたいな」
八幡「そうでござんすか」
小町「ねーお兄ちゃん?どっちの方が似合うと思う?」
八幡「小町は何来ても可愛いと思うぞ」
小町「あーはいはい。今そういうの要らないから」
八幡 (ちょっと辛辣過ぎない?)
小町「ねーどっち?」
八幡「右のフワッとしたやつのが似合うんじゃね?俺のセンs「じゃあ左のにするね!」..あっうん、そうしたいならそうした方が良いんじゃない?でも聞いといてそれはないんじゃないかな?」
小町「次は帽子かなー」
八幡 (聞いちゃいねぇし)
小町「この黒のやつ良いかも。うぅーでもちょっと高いなぁ~」
八幡「仕方ないな。小町も受験頑張ったからな、特別に俺が買ってやろう。で幾らだ?」
小町「8000円なり!」
八幡「え、なんて?ごめん聞こえなかったわ」
小町「8000円!」
八幡「すまんな小町。この話はなかったことにしてくれ」
小町「ま、確かに買ってもらうにはちょっと高過ぎるよねー」
八幡「もうちょっと安いのなら買ってやるぞ?そうだな...5000円くらいなら大丈夫だ、たぶん」
小町「別に買ってくれなくて良いよ?今日付き合ってくれるだけで小町は嬉しいんだから。あっ!今の小町的にポイント高い!」
八幡「八幡的にもポイント高いぞ。本当に良いのか?後でやっぱって言っても買ってやらないぞ?」
小町「良いってば!それより最近出来たクレープ屋さんで何か買ってよ」
八幡「まぁお前がそれで良いって言うなら良いけどよ」
小町「それで良いよ!これ買ってくるね!」
八幡「おう。入口のとこに居とくわ」
小町「はーい!」
―クレープ屋―
ザワザワ ザワザワ
小町 「うわー結構並んでるね~」
八幡 「まぁ出来たばっかなら仕方ないだろ」
いろは 「あれ?先輩?」
八幡 「あ?なんだ一色か。お前も並んでんのか?」
いろは 「あっいえ。一緒に来てる男の子に並んでもらってるんです」
八幡 「お前、本当にいつか刺されるぞ」
いろは 「えーじゃあその時は先輩が守ってくださいね♪」
八幡 「丁重にお断りします。自分が一番可愛いんで」
いろは 「先輩のけちぃー」(とか言って助けてくれそうですけどね。先輩ってばお人好しですし)
小町 「総武高の生徒会長さんですよね?初めまして!」
いろは 「初めまして。ええっと...もしかして彼女さんですか?」(先輩に彼女...)
八幡 「こいつは俺の妹だ。血が繋がってなかったら彼女にしたい女子NO.1だけどな」
小町 「ども!比企谷小町って言います!あと血が繋がってなかったら関わりたくない男子NO.1だからね、お兄ちゃん」
八幡 (え?まじで...)
いろは 「そうですよね、先輩に彼女なんて居るわけないですもんね。えっと小町ちゃん、私は一色いろはです。でも一緒に出掛けるなんて仲良いですね」
八幡 「お前結構ひどい事言ったって分かってる?小町の受験が終わったご褒美に付き合わされてるだけだ」
小町 「私、総武高受けたんですよ!だから受かったら..受かったら...う、受かるかな?」
八幡 「まぁ無責任な事は言えないが、お前は俺の妹だ。だからまぁ大丈夫だろ」
小町 「それ聞いて余計不安になってきた」
八幡 「おいひどくないか?せっかく励ましてやったのに」
いろは 「ぷっ。本当に仲良いですね」
男子A 「一色さん、クレープ買えたよ!」
いろは 「ありがとうね。あとごめんね?一緒に並ばないで他の人と喋ってて」ウルウル
男子A 「き、気にしないで///。知り合いがいたら話しちゃうよね、うん」
八幡 (一色にはもったいないくらいの良い子じゃないか)
いろは 「それじゃあ私たちはこれで失礼しますね。小町ちゃん、総武受かってると良いね。もし受かったら私とも仲良くしてね?」
小町 「もっちろんです!」
八幡 「じゃあな」
小町 「良い人だね、いろはさん」
八幡 「まぁ良い奴ではあるんだがな」
小町 「あっもうすぐ私たちの番だよ?」
~
小町 「これは美味しい!注目されるのもうなづけるよ」
八幡 「注目されてたのか?まぁ人は多かったけど」
小町 「何言ってんの?TV番組で宣伝されまくりじゃん!果物のアレと果物のそれをふんだんに使ったかつてないほどの果物クレープ」
八幡 (いや抽象的すぎんだろその宣伝)
小町 「お兄ちゃんの美味しそうだね。一口ちょーだい?」
八幡 「あ?別に良いけど」
小町 「わーい!じゃあいただきます」
パクッ
八幡 「あっ、おい!」
小町 「もぐもぐ...うん!こっちも美味しいね!」
八幡 「一口がでかすぎんだろ...ったく。おい小町の食わせろよ」
小町 「え?嫌だけど?」
八幡 「なんでだよ」
小町 「だってお兄ちゃんの物は小町の物、小町の物は小町の物だからだよ♪」キャハッ
八幡 (くっ!悔しいけど可愛いから許しちゃう!)
小町 「うん美味しかった!次はどこいっこっかなぁ~」
~
―メガネショップ―
小町 「ねーお兄ちゃん!コレ似合ってる?」
八幡 「お前の綺麗な顔を遮るモノなんて要らないだろ?」
小町 「え?ドン引きだよ、お兄ちゃん」
八幡 「まだ俺の小町愛が届かないということか」
小町 「隙あり!」スッ
八幡 「うぉ!?いきなりはあぶないだろ」
小町 「おぉーメガネ結構良い感じだよ!濁りが分かりにくくて!」
八幡 「余計なお世話だっての。ほら次行くぞ?」
~
―靴屋―
八幡 「これ良いな」
小町 「お兄ちゃんいっつも似たようなのばっかじゃん!偶には冒険したら?」
八幡 「冒険して失敗でもしてみろ。ぼっちには致命的なダメージだぞ?だから同じようなので良いんだよ」
小町 「えーそれじゃつまんないじゃんか。あっこれとかどう?意外と似合うかもよ?」
八幡 「そんな派手なの履いたら目立っちゃうだろうが...こっちの方が俺に合ってる」
小町 「だ・か・ら!それじゃいつもと変わらないじゃん!もう後は小町に任せて!」
八幡 「お、おう」
~
―雑貨屋―
八幡 (結局買わされてしまった)
小町 「ねーお兄ちゃん!これ可愛いと思わない?」
八幡 「女の言う可愛いほど信じられないものはないな」
小町 「えーじゃあこっちはどう?」
八幡 「どっちも同じじゃねえかよ」
小町 「全然違うじゃん!こっちはこの模様が可愛くて、こっちは書いてあるウサギが可愛いんだよ」
八幡 「全然わかんねー。どっちのウサギも一緒だろ」
小町 「もっと女の子の気持ち勉強しないとこの先やってけないよ?」
八幡 「前向きに検討させてもらいます」
小町 「ま、無理にとは言わないけどね」
~
小町 「結構色んな所回ったね」
八幡 「まぁな。他に行きたい所は?」
小町 「もういいや。あっ!今日の夜ごはんの材料買わないといけないんだった!」
八幡 「んじゃ買って帰るか」
小町 「おっけー!」
―スーパー―
八幡 「ジャガイモ取ってきたぞ」
小町 「ちょっと!もっと良いの持って来てよ」
八幡 「えぇ~」
小町 「あと人参ももっと大きいのなかったの?」
八幡 「いや手前のやつ取ってきただけだから」
小町 「ジャガイモは粒が揃ってるのを選ばなきゃ」
八幡 「お、おう。しかしすごいな小町」
小町 「これくらい普通じゃない?食材買いに来てたら分かってくると思うけど?」
八幡 「そ、そうだね」
小町 「ていうかお兄ちゃん、専業主夫目指すんならこれくらい知っておかないと駄目だと思うんだけど?」
八幡 「おっしゃる通りでございます」
小町 「これからはお兄ちゃんも買い物に来なくちゃね」
八幡 「まぁ偶に来てるけどな」
小町 「自主的に、ね?」
八幡 「はい」
小町 「まったくもう...お兄ちゃんの奥さんは絶対苦労するね」
~
―帰り道―
小町 「あとは帰ってすぐに調理始めないとね」
八幡 「そうだな。てか何でカレー?」
小町 「小町が食べたかっただけ~」
八幡 「まぁ小町の作るものなら何でもいいけどな」
小町 「今日はお兄ちゃんも手伝ってもらうから」
八幡 「えー」
小町 「何か文句でも?」
八幡 「いえ、ないです」
小町 「野菜切ってくれるだけでいいからさ」
八幡 「それなら任せとけ!」
小町 「調子いいんだから」
~
小町 「ねーお兄ちゃん?」
八幡 「ん?どした?」
小町 「今日はありがとうね。楽しかった」
八幡 「それはなによりだな」
小町 「小町、総武受かってるかな?」
八幡 「どうだろうな。まぁ後は祈るしかないだろ」
小町 「もし受かってたら一緒に登校できるね」
八幡 「まぁ今より距離が延びるだけだがな」
小町 「もし受かったらこれからよろしくね、先輩♪」ニコッ
八幡 「・・・」ポカーン
八幡 「はっ!な、なぁ小町?今のもう一回言ってくれない?」
小町 「やーだよ♪」
八幡 「も、もう一回だけで良いから!」
小町 「やだ~♪」
―おしまい―
以上でおしまいです
お付き合いありがとうございました
このSSまとめへのコメント
よかった
やおい