雪歩「じゃあ…じゃんけんで順番決めようよ」

美希「いいよ？」

雪歩「最初はグー」

美希「じゃんけんぽんっ」ｱｲｺ

雪歩「しょっ」

美希「あっ、えっ？ま、待って雪歩」

雪歩「えっ、な、なに？」

美希「しょ、じゃなくて、あいこでしょ、って言ってほしいの。タイミングが分からないの」

雪歩「ご、ごめんね？」

雪歩「気をとりなおしてもう一回やるよ」

美希「あいこでしょ、だよ？」

雪歩「最初はグー！」

美希「じゃんけんぽん！」

雪歩「あいこで、しょっ！」

美希「あーいこーで、しょ！」

雪歩「勝った！」

美希「あ…い、今の無し、練習！」

雪歩「えー、だめだよ。あからさまな後付けルールは」

美希「じゃあ、三回！三回勝ったらそれで勝ち！さっきの入れて！」

雪歩「うん、いいよ？」

美希「さーいしょーはぐー！」

雪歩「じゃーんけーんぽん！」

美希「ま、また負けたの…」

雪歩「後一回だよ」

美希「最初はぐーっ！」

雪歩「じゃんけんぽーん！」

美希「や、やった！勝ったの！」

雪歩「うぅ…あ、後一回なのに」

雪歩「さーいしょはぐー！」

美希「じゃんけん、ぽん！」

雪歩「あ、ま、負けた…」

美希「ふーっ、ふー…お互いに、後一回勝てば勝ちなんだね」

雪歩「絶対勝つ…！」

美希「最初はグー！！」

雪歩「じゃんけんぽん！！」

美希「あいこで、しょっ！！」

雪歩「ああっ、ま、まけ、負けた…」

美希「やった…か、勝ったのー！」

雪歩「だ、だって…最初は、私が、勝ってたのに…美希ちゃんが、三回ルールとか、言うからっ」ｸﾞｽｯ

美希「あ…ゆ、雪歩、ごめんなの…無しにするの、別の方法で順番決めよう？」

雪歩「うん…ごめんね」

美希「どうやって決める？」

雪歩「うーん、どうしようかなぁ」

真(さっきまで凄い気迫だったのに何かちょっと仲良くなってる…訳分かんないよ…)ﾁﾁﾞｺﾏﾘ

美希「かけっことか」

雪歩「えぇ…私、遅いよ…？」

美希「んー、じゃあ、どれだけ真クンの事を愛してるか話して、二人で勝負するの！」

雪歩「あ、愛しっ…！？そ、それ、誰が勝敗決めるの…？」

真(そもそも本人の目の前で語らないでほしいし…)

美希「それもそうだね、どうしよう？」

雪歩「うーん…真ちゃんは何が良いと思う？」

真「えっ、そこでボクに話を振るの？」

雪歩「だって、さっきから全然喋ってないし、元気ないのかなぁって」

真(むしろさっきの状況でペラペラ喋れる人はいるのか)

美希「むー…二人だけでいちゃいちゃしてないで、ちゃんと考えてよー」

雪歩「えぇっ？い、いちゃいちゃなんて…でも考えなきゃだね、どうしよう…」

真(あれ、これってボクも案出さなきゃいけない感じかな？)

美希「ちなみに、真クンはどっちと先にお喋りしたい？」

真「えっ」

雪歩「み、美希ちゃん！」

真「ええぇ…そんな事言われても…」

美希「はぐらかさないで、ちゃんとハッキリ言ってほしいな」

ちょっと中断

真「急に言われても困るよ…」

雪歩「そ、そうだよ美希ちゃんっ！！今は順番を決めるんでしょ！？うん、さっきのどっちが真ちゃんを愛してるかでもいいんじゃないかなぁ！？」

美希「えっ！雪歩も賛成してくれるとは思わなかったの！じゃあそれに決定なの！」

雪歩「あっ」

雪歩(あぁ…やっちゃった…)

真「……でも、さっき勝敗を判定する人がいないって」

美希「えぇー…ミキ、それなら勝つ自信あるのに」

雪歩「そ、そうだよ！勝ち負けを決める人がいないんじゃどうにも＿＿＿＿」

伊織「ねぇ…外まで声聞こえてきたんだけど…何かあったの？」ｶﾞﾁｬ

雪歩「」

美希「…いるじゃん」

伊織「何よ、皆固まっちゃって。私が来て何か悪い？」

真「中々に悪いかな…」

美希「ミキ的にはむしろ来てくれてラッキーなの！」

雪歩「」

伊織「何なの…？良く状況が分からないんだけど。何で雪歩は一点を見つめてるの？」

真「…まぁ、ちょっとね…実は……」ｶｸｶｸｼｶｼﾞｶ

伊織「ふぅん……私帰ってもいい？」

美希「ダーメーなーのー！でこちゃんにはミキ達の真クンへの熱い想いを聞いてもらう使命があるの！」

伊織「いやよそんなの！後でこちゃんゆーな！」

雪歩「ひぃ～ん…真ちゃんの目の前で愛を語るなんて…恥ずかしいよ…」

美希「ね、ね？いいでしょ？」

伊織「だから嫌だって言ってんでしょお！」

美希「お願いなの～。ミキがやよいの家にお泊まりした時の話を聞かせるから～…」

伊織「そんな情報いらな…うぅ…地味に気になる……」

美希「だから、ね？いいでしょ？」

伊織「…まぁ、ちょっとだけなら」

美希「やったー！」

雪歩「えぇ…」