【俺ガイル安価】八幡以外のキャラの立場をシャッフルしてみる (201)


タイトル通りです

例えば、ゆきのんの立場(奉仕部部長)や、小町の立場(八幡の妹)を、本人以外のキャラにします。


では1巻から順を追ってやってくので、まずは先生の立場を先生以外で
>>3

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ゆきのん




八幡(放課後、俺は国語教員の雪ノ下雪乃に呼び出された。どうやら俺の課題の作文がお気に召さなかったらしい。)

八幡(雪ノ下先生は俺の作文を一通り読み上げると、手をこめかみに当ててやれやれと首を振った。)

雪乃「……比企谷君、私が出した課題はなんだったかしら?」

八幡「《高校生活を振り返って》というテーマの作文です」

雪乃「そうね?なのに何故貴方は犯行声明を書き上げているのかしら?出された課題もまともに書けないなんて、目の濁りが脳にまで侵食してしまったの?」

八幡「ちょっと?先生、生徒に向かってエッジききすぎてません?」

八幡(つーか、ろくに話したこともないはずなのに、俺の目のことそんな風に思ってたのかよ……)

八幡「言っときますけど、俺は高校生活をちゃんと振り返ってますよ。近頃の高校生はだいたいこんな感じじゃないですか?」

雪乃「屁理屈を言わないでくれるかしら、一丁前に文章力はあるくせに、中身は酷く幼稚なのね?」

八幡「まぁ、先生の年齢からしたら確かに俺は子供ですけど」

雪乃「へぇ……女性に年齢の話をするとはいい度胸ね?その目と同様、デリカシーも腐っているのかしら……?」ゴゴゴ

八幡「すいませんでした!」

八幡(睨んだだけで人を殺せる様な目で俺をみる雪ノ下先生にそれはもう綺麗な土下座を披露する。つーかマジこえぇ……)


雪乃「確認するけど、貴方、部活も入ってなければ友達も彼女もいない、特に虐められてもなければ認知すらもされていない悲しい生き物なのよね?ヒキコモリ谷君?」

八幡「悲しいは余計ですからね?まぁ、他はだいたい合ってますけど」

雪乃「そんなことで堂々と胸を張らないで欲しいのだけれど……」

八幡(呆れた様にため息を吐く雪ノ下先生。顎に手を当て数秒間考える仕草をとると、急に立ち上がった)

雪乃「ついて来なさい」

八幡「へ?」

雪乃「貴方には奉仕活動をしてもらうわ」


移動中

八幡「奉仕活動って、なんで俺が…」


雪乃「貴方の、心ない言葉に私が傷ついたからよ。罪には罰を与えないとね?」

八幡(むしろあんたの毒舌でチャラどころかお釣りが来ると思うんですがね……)

雪乃「ついたわ」

教室の前で立ち止まる雪乃。

八幡「せ、先生、俺、持病の教室に入ったら死んでしまう病が……」

雪乃「そんな病気ないわ。むしろ死になさい」

八幡(この人本当に教師かよ?さっきから毒吐きすぎなんだけど?PTAに
訴えたら絶対勝てるよね?)

八幡(そんなこと考えている内に、
先生は扉をノックする。中から「どうぞ」という声が聞こえると、その細い手で扉を開けた)


奉仕部部長
安価下2



八幡(そこにいたのは青みがかった黒髪をポニーテールにした不良っぽい少女が頬杖をついていた)

雪乃「こんにちは、川崎さん」

沙希「ちわっす……誰ですか?そこのぬぼーっとした奴」

八幡(おい、のっけから失礼な奴だな)

雪乃「この目の腐った男は新入部員よ」

八幡(こっちにもっと失礼な奴いたわ…)

八幡「っていうかおい、入部ってなんだよ」

雪乃「貴方には罰としてここでの部活動を命じます。拒否権はないわ。見ればわかる通り、彼は性の根が腐っているの。その捻くれた孤独体質の更生が、私の依頼よ」

沙希「そんなの、先生が殴るなり蹴るなりして躾けりゃいーじゃん。なんで私が…」

八幡(怖い女だな……)

雪乃「一昔前なら許されていたのでしょうけど、今は体罰は色々と問題があるのよ。」

八幡(あんたの毒舌も充分体罰だよ)




雪乃「貴女も社交性が高い方ではないのだし、いい機会になると思うのだけれど」

沙希「うっさいな………わかったよ。あたしは川崎沙希。あんた、名前は?」

八幡「……比企谷八幡だ」

雪乃「……あの、あなた達一応同じクラスなのだけれど……」

はちさき「「え?」」


短いけど、今日はここまで!

最後にゆいゆいの立場誰か決めときます。
安価下2
あ、ちなみに言い忘れましたが、原作キャラの年齢は問いません。人によって、ゆきのんみたいにこっちで修正しますので!

誰を何処のポジションにするかで、若干のキャラ崩壊が起こってしまうと思いますが、ご了承ください。
では投下していきます。

翌日、昇降口

八幡・沙希「「あっ」」

八幡(ばったりエンカウントしてしまった……落ち着け俺、クールに挨拶だ)

八幡「よ、よう!」

八幡(裏返った、死にたい)

沙希「う、うっす!」

八幡(お前も裏返るんかい)

その後2人気まずい無言のまま教室へと向かう。そう言えば同じクラスだった。

川崎に対して変な勘違いが起きない様に、数歩後ろに下がって俺も教室に向かう。教室の前まで着くと、川崎がこっちを振り向いた。

沙希「……じ、じゃあ」

目を泳がせながらそう言うと、扉を開け早足で入っていく。

確信した。川崎もまた、コミュ症。ボッチだ。


俺の予想通り、川崎は特に教室で誰と話すでもなく、休み時間には外をボーッと眺めていた。昼休みには机の上で弁当箱を開けていた。どうやら教室で一人で食べることになんら躊躇がないようだ。

そして早くも放課後、チラッと俺を一瞥した川崎はそそくさと鞄を持って教室を出て行った。

本当はサボりたかったが、そうしたらあの毒舌教師に何を言われるかたまったもんじゃない。何、俺昨日の内に躾けられちゃったの?

しぶしぶ特別棟へと足を運ぶ途中。件の毒舌貧乳教師に遭遇した。

雪乃「あら、ちゃんと向かっているのね。てっきりサボると思ってたのに……首輪とリードが無駄になってしまったわ」

八幡「校内でどんなプレイさせる気ですか…」

雪乃「冗談よ」

そう言って微笑む雪ノ下先生。一瞬、その美しさに目を奪われてしまう。本当、顔は良いのになんで結婚できないんですかね?まぁ答えは分かりきってるけど。

雪乃「貴方、典型的な高二病よね?」

八幡「高二病?」

雪乃「所謂、捻くれ者よ。嫌な奴、とも言うわね。でも、私は嫌いではないけれど」

八幡「……そうすか」

雪乃「そんな捻くれ者……ゴミのような貴方から見て、川崎さんはどう見える?」

八幡「言い直す意味あったんすか?より酷くなってんですけど……まぁ、ボッチな不良」

雪乃「あながち間違ってはないわね。」

八幡(認めちゃうのかよ)

雪乃「でも、1人でいることを悪いと思っていないところとか、人との付き合い方が不器用なところとか、何処か貴方に似ていると思わない?」

八幡「……二人ともコミュ症ってだけですよ。っていうか、そんな理由で俺を奉仕部にいれたんですか?」

雪乃「さぁ、それはどうかしらね?」

クスリと笑い、髪をかきあげるその表情は、まるで道端に咲いている花を見る少女のをような、優しい顔だった。

八幡「うーっす」

川崎「あ……来たんだ」

八幡「また呼び出されたくないしな……」

川崎「ふーん……」

そうして朝の様に無言の時間が流れる。朝はお互い同じ場所に向かわなければ行けない気恥ずかしさがあったが、同じ空間にいるだけとなれば、話は別だ。

2人じゃなくて1人と1人。赤の他人と思えば気まずさを感じる事はない。

しかしふと、雪ノ下先生との会話を思い出し、川崎に目を向けてみる。

川崎沙希。青みがかった黒髪のポニーテール。白い肌、長い睫毛、退屈そうな顔で頬杖をついて窓の外を眺めている。

川崎「……なに?」

視線を感じたのか、嫌そうな顔でこっちに顔を向ける川崎。いかん、ついボーッと見ててしまった。どもりそうになりながら、俺は用意していた質問をする。

八幡「お前ってさ……その、友達、とかいんの?」

オブラートに包もうとした結果、「とか」をつけるというよくわからないことになった。

川崎は俺の質問に対して露骨に顔を顰めたが、面倒くさそうにため息を吐くと太々しく口を開いた。

川崎「軽く話すだけの仲を友達っていうんなら、いないこともないけど?」

そう言う川崎の顔は毅然と俺を睨んでいる。「なんか文句あんの?」とでも言いたげな目だ。顔が整ってるだけに、睨まれるとマジ怖いです。

川崎「つーか、休み時間寝たふりしたり、昼休みどっかいったり、あんたこそ友達いんの?」

なんで知ってんだよ……

俺が川崎沙希という人物を観察してたように、どうやら彼女も俺を観察していたようだ。

深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いてるのだ。

確かニーチェの言葉だったか?
若干ニュアンスは違うけどそんなとこだろう。

まぁ好きの反対は無関心というが、どうやら互いが互いに興味がないというわけではないらしい。
そして川崎の質問に対して、愚問とばかりに俺は大げさに口を開く。

八幡「いない。」

俺はキメ顔でそう言った。

川崎「なんでそんな自慢気なのさ…」

八幡「別にいいだろ?友達いないことは悪いことでも、哀れむべきことでもない。好きで1人でいるんなら、問題なんてねーんだから」

川崎「………ぷっ、はは!なにそれ!ま、けどいい事言うね?あんたのその考え、嫌いじゃないよ」

川崎が初めて俺に見せた笑顔は、これまで俺が彼女に抱いてきたイメージとはかけ離れ、とても無邪気なものだった。
不覚にも、その笑顔に鼓動が高鳴る。恐らく紅潮してるであろう顔を誤魔化すために、俺はそっぽを向いた。

再び、雪ノ下先生の言葉を思い出す。

『何処か貴方に似てると思わない?』

ああ、確かに、俺と川崎は似ている。

孤独ながら、けれど、それを恥じずに生きていく彼女は、好感が持てると、柄にもなくそんなことを思ってしまった。


───なら。


───なら、俺と彼女は。

八幡「なぁ、川崎。なら、俺が友」

川崎「いや、それは無理。」

八幡「えーまだ最後まで言ってないのにー」

「うへぇ」みたいな顔で断固拒否する川崎。はい、少しでも期待した俺が馬鹿でした。ほんと、ラブコメとか爆発しろ!

今日の絶許ノートの内容が決まったところで、小さくノックの音が聞こえた。

それに川崎が応えると、ゆっくりと扉が開き、1人の生徒が恐る恐る顔を覗かせた。

「失礼します……えっと、奉仕部ってここでいいのかな?」


その生徒は、顔だけ覗かせた時は、一見ショートカットの小動物系の女の子だと思った(因みにかなりの美少女)。いや、そうにしか見えなかった。

だが、不安げに室内に入りその全貌が明らかになった時、俺の体が戦慄する。

首につけてるのは紐タイではなく、ネクタイ。つまり、この美少女顏の人は男という事になる。

俺が軽くショックを受けていると、その美男子(?)は俺と川崎を交互に見て驚いていた。

「か、川崎さん!比企谷君!?な、なんで2人がここに!?」

ま、まずいことになった。
俺は彼のことを知らないが、彼は俺の名前を知っていた。つまり、彼は同じクラスであることが互い。だって同じクラスなのに知らないやつがいるレベルで認知されてないこの俺が、他のクラスで知られてるわけがないのだから。幻の6人目どころかもはや幻の人。


俺はすぐに川崎の方を向き、目で問う。『知り合いか?』

川崎は俺の視線の意図を察したのか、困ったような顔をしながら恐る恐る口を開いた。

川崎「えっと……お、同じクラスの、戸塚彩加、だよね?」

戸塚「わぁ、僕の名前覚えててくれたんだ!」

川崎「そ、そりゃあ、クラスメイトの名前くらいは覚えてるよ。」

八幡「おい、お前俺の名前どころか俺の存在を知らなかったじゃねぇかよ」

川崎「はぁ?そんなのお互い様じゃん。だいたいあんたさっき戸塚のこと完全にわかってなかったよね?」

八幡「ば、ばっかお前!めっちゃ知ってたし、ただ俺を知ってくれてることに感動して言葉が出なかっただけだし!」

戸塚「……なんか、二人とも仲いいんだね?」

羨ましそうに言う戸塚。いや、さっき友達申請拒否されたばっかなんですけど……



ここではさいちゃんはテニス部じゃないので、男子制服verでお送りします。

今日はここまで。


人物安価のところでカマクラやサブレが来たらどうするんだろ?
擬人化or安価下?

>>41
無いとは思いますが、安価下にします。

寝る前に妹ポジを決めときましょー!
八幡の妹(小町以外、女子限定)
安価下


あ!すいません!妹ポジといいましたが、少し特殊な設定になると思います!

安価下

「両親が海外で仕事してるから一緒に住んでいる従兄妹」みたいな設定で苗字そのままにしようと思ったんだけど、はるのんだったらゆきのんと同じ苗字になっちゃうので、普通に妹って設定で比企谷陽乃にしようと思う。

現在書き溜め中

先の展開もある程度考えときたいし、材木座ポジを決めとこう。

材木座ポジ(八幡につきまとう役)
因みに女子でも可
安価下2

いっそ先にある程度決めた方がいいじゃない?


>>71
確かにある程度物語の想像を想像しときたいので、原作戸塚とあーしさんと海老名さんポジを決めたいとおもいます。

色々考えた結果、安価次第で葉山のポジは変わらないかもしれないです。いやほんと、今んところ他キャラで書ける気がしないんですんまそん。
まぁ、安価次第ですけど。

原作戸塚ポジ(テニス部。八幡に好意的。女子でも可能)
安価下2

原作あーしさんポジ(クラス女子カーストトップ。女子限定)
安価下4

原作海老名さんポジ(あーしさんポジと仲良し。BL好きになるかは未定。女子限定)
安価下6


せっかくだしルミルミ後輩にしよ。

あーしさん→同学年、別クラス。ルックス高いので話しかけられるけど、人付き合いめんどいと、無駄に威圧的なため、コミュ症じゃないのにぼっち。何故だか八幡につきまとう。

ルミルミ→高一。テニス部。八幡に好意的。戸塚と同中。

めぐりん→同じクラス。クラスのトップカースト。ポワポワめぐりんパワーの持ち主。

折本→同じクラス。めぐりんと仲良し。八幡とは別中。ウケることが好き。

こんな感じかな?
なんか八幡ハーレムの未来しか見えない……


地の文のクオリティ低いけど、お付き合いください。

それでは投下するのん


八幡「男らしくなりたい?」

思わず復唱してしまった俺に戸塚が恥ずかしそうに頷く。
戸塚はこの容姿ゆえに、女の子に間違えられることが多いらしい。まぁ、当然だろう。むしろスカートを履いてくださいお願いします。

いや、むしろこの以来チャンスなのではないだろうか。「真の男は女装しても男らしさがにじみ出るもの」とかいってメイド服着させて俺のこと「あにき」とか呼ばせて最終的に実は女だったとい脇腹に強烈な痛み!?

川崎「あんた、鼻の下伸びまくってるよ。気持ち悪い。」

隣で川崎が拳を握りながらこっちをにらんでいる。顔じゃなくてボディを攻撃するあたり、こいつ慣れてやがる。何にだよ。

まぁ確かに俺は目つきは悪いけど不良っていうよりただのボッチだもんな。なんなら川崎のことを兄貴と呼んでしまうレベル。

八幡「男らしさねぇ……」

腕を組んで思案してみる。最初にして結構難しい以来のように思える。そもそも男らしさってなんだろうか。男らしさと漢(おとこ)らしさは何が違うのか。
筋肉むきむきなら男らしいのか、イケメンなら、優しければ、運動ができれば…

漫画とかだとはっきり告白することが男らしいとか言ってたりするけど、それだと中学の俺マジ男らしい。
川崎も考えているのか、目を閉じたままむーっとうなっている。しばらくの沈黙の後、川崎が口を開いた。

川崎「よくわかんないけど、男らしいって言っても色々あるじゃん。戸塚はどんな感じになりたいの?」

戸塚「こう、誰が見ても男ってわかるような!」

八幡「無理だな」

川崎「無理だね」

ほぼ同時に出た俺たちの言葉に涙目の戸塚。
いやだって、見れば見るほど女の子にしか見えないし。整形でもしない限りそれは無理な話だろう。何で髭とかも生えてないの?ホルモンバランスが心配になるレベル。

見たところ華奢な体も相乗効果をもたらしているように思える。だからこの悩みを解決する方法はただひとつ。

川崎「体鍛えなよ」

はっきりという川崎。まぁ、それしかないだろうな。

川崎「っていうか、それだったら部活なり何なり入ればいいのに」

戸塚「あはは、実は僕、中学のときちょっと怪我しちゃって……激しい運動ってあんまりできないんだよね…」

川崎「あ…ご、ごめん……」

あれガハマポジションってことは戸塚のせいで事故に遭ったことになんのか

川崎さん、見事地雷を踏み抜く。

戸塚「あ!でももうすっかり良くなったし、日常生活には支障はないんだけどね!」

わたわたと慌てて手を振る戸塚(かわいい)
しかし、気まずい沈黙は続く。川崎は申し訳なさそうに俯き、戸塚は困り顔。俺はそわそわと落ち着かない。嫌だってこの空気ムリ!やだ吐きそう!
こ、ここは俺の爆笑ギャグでも披露するべきか……?

戸塚「えーっと、ごめん。元々変な相談だったよね」

そんなことを考えていると、後頭部をかきながら戸塚は席を立つ。

「自分でなんとかしてみるよ」と苦笑しながら扉まで歩いて行く。


川崎「ち、ちょっと待って!!」

バン!と机を叩いて立ち上がる川崎。思わず「ひっ」という声が漏れる。戸塚もビクつき、目を見開いて川崎をみている(かわいい)。

川崎「あ、あたしに、考えがある!」

普段大声を出しなれていないのか、ちょっとだけ裏返っていた。


一週間後、集まったのは家庭科室。

机には大量の衣服が積まれ、目の前には白シャツに黒ジャケットを羽織り、ダメージ加工のされたスキニージーンズを履いた戸塚がいた。

川崎「うん、これなら女に間違えられることはないね。かっこいいよ」

そう言う川崎の目の下には大きな熊ができている。

川崎の解決策とは、ズバリ、ファッションだった。

家にある、もう着なくなった親父の服などを拝借し、一週間かけ、ちょいちょいアレンジしていた。
聞くと、そういうのが得意で制服もちょいちょいいじっているらしい。
因みに俺も手伝った。なので俺の目の下にも熊ができ、目の濁りが1.5倍マシだ。

姿見の前で自分の姿を確認する戸塚。仕草は何処と無く女の子じみているが、服の効果かそれほど女っぽくはなくなっているように思える。

戸塚「うわぁ、すごい!ありがとう!川崎さん、比企谷君!」

嬉しそうに笑う戸塚。しかしやはりその笑顔はとても可愛くて、ついついときめいてしまうのでした。まる。

八幡「ほらよ」

翌日の放課後、俺は買ってきた飲み物を川崎の机に置いてやる。
まぁ、今回の依頼、ほとんどこいつが頑張ってたからな。俺に出来るのは労うことくらいだ。

川崎「……ありがと」

八幡「別に、ジュースの一本ぐらい」

川崎「そうじゃなくって。依頼のこと……手伝ってくれて、ほんと、助かった」

ボソボソとそっぽを向いて言う彼女の顔は、夕日に照らされて少し赤く染まっているように見える。

裁縫は不得手で、手伝うどころかむしろ足引っ張ってると思っていたから、その言葉はかなり意外だった。

思わず言葉に詰まる俺。部室内に流れる変な空気。川崎はごまかすように缶を開け、飲み物を口に流し込む。


川崎「ぅえ!あっま!?!なにこれ、あんた嫌がらせ!?」

八幡「は?お前、MAXコーヒーの美味さがわからんとか、まだまだだな」

川崎「こんなん飲めるわけ無いじゃん!そんなこというなら、あんた飲んでみなよ!」

八幡「おう、じょうとう……いやいや、やっぱ飲めねーわ」

川崎「ほら、やっぱ嫌がらせじゃないか!」

八幡「そ、そうじゃなくってだな……」

「何をやっているのかしら?」

ギャーギャーと騒いでいたことで、その存在に気がつかなかった。見ると雪ノ下先生が呆れたようにこめかみに手を当て、戸塚が楽しそうに笑っている。

戸塚「あはは、2人って本当に仲がいいね」

川崎・八幡「「どこが」」

八幡「それより戸塚に先生、なんか用ですか?」

俺の質問に、雪ノ下先生は胸ポケットから折りたたまれた紙を取り出し、それを広げる。入部届けと書かれたその紙には、奉仕部と戸塚の名前が書かれていた。

雪乃「先ほど受理したわ。今日から奉仕部部員になった、戸塚彩加君よ」

戸塚「二人とも、よろしくね!」

パアァと癒される笑顔でいう戸塚(かわいい)

突然の展開に同時にポケーっとしてしまう俺と川崎。ほぼ同時に出た返事は、やはり二人とも裏返っていた。


>>108
そこらへんの設定はちょっと変えるかもわかんないです。

とりま今日はここまでー

やっぱり葉山はそのままにして、戸部ポジと、追加でめぐりんと折本プラス女子もう一人のグループを作ろうと思う。

戸部ポジ(葉山側近?フルネーム出てなくても可、戸部選択可)
安価下2

+α女子(めぐりんと折本のグループ。女子限定。ゆいゆい、海老名さん選択可)
安価下5
男子の名前出た場合、そのレスの下3


材木座義輝→完全なる葉山の引き立て役。デブで中二病ってトップカーストに成り得ないので、今回は脱中二病設定で(ただし隠れオタク)。葉山には気に入られているのだが、そのルックスから女子にはそれほど好かれてるわけではない。


平塚静→本当の17歳。男性経験皆無。口癖「彼氏欲しい」。女子でありながら漫画(少年誌)、アニメ(結構昔の)、が好きであり、しかもそのことを隠そうとしなかったり、好きな食べ物ラーメンだったりと乙女をどっかに置いてきた残念美人。モテない。めぐりんと折本と仲良しで、よく折本には弄られる。因みに3人の中で一番巨乳。

こんなところですなー。
依頼の順番とか、原作と異なる時があるので、そこらへんごりょーしょーください。

あと別に贔屓するわけじゃないけど、誰かいろはす出して(切実)

テスト期間入るので、次の投下たぶん8月とかになるかもー


テスト期間の現実逃避で書いてたら1話分できたので、投下しまーす。


葉山隼人。我がFクラスのトップカースト。サッカー部のエースで時期部長候補。眉目秀麗、文武両道。ジャンプだったら確実に主人公に位置してるようなリア充野郎だ。
今日もクラスは奴のために回っており、奴の周囲は朝から騒がしい。別に聞こうとしていないのに、奴らの会話は耳に届いてしまう。

葉山「悪い、今日は部活あるから、無理かな」

「えー1日くらい良くない?今日サーティーワンでダブルが安いんだよ。あたし、チョコとショコラが食べたい!」

机に浅く腰掛ける葉山の前で、女子3人が席に座っている。

その中でも積極的に葉山に話しかけているのが、折本かおり。

ゆるく当てたパーマに、短いスカート。ある程度着崩した制服は、イマドキの女子高生って感じだ。

「それどっちもチョコじゃないか。それにかおり、お前この前ダイエットするとか言ってなかったか?」

呆れたようにため息を吐くのは平塚静。このクラスの学級委員長である。腰まで伸びた黒髪。女子制服の校則はわからないが、恐らくきっちり守っているのであろう膝上まで伸びたスカート。

真面目そうな平塚と遊んでそうな折本の組み合わせは、少しだけ違和感がある。

実は以前、平塚に話しかけられたことがある。学級委員長として、1人でいる俺を見過ごせなかったとか、真面目でいい奴だけど暑苦しい奴だ。
一見、折本がこのクラスの女子トップカーストなのだと見えるが、実は違う。奴は言わば影武者。真の頂点は彼女だ。

折本「全然ちがうし、ウケる!静はわかってないなー。ね、めぐり?」

「うん。私はショコラの方が好きだなー」

折本の言葉に頷くのは城廻めぐり。
柔らかい声音とその独特の雰囲気は、見聞するものにリラクぜーション効果をもたらす。通称めぐりんオーラを持つ者だ。
心なしか、葉山含む城廻の周りの人の顔が柔らかくなっている気がする。


葉山隼人。我がFクラスのトップカースト。サッカー部のエースで時期部長候補。眉目秀麗、文武両道。ジャンプだったら確実に主人公に位置してるようなリア充野郎だ。
今日もクラスは奴のために回っており、奴の周囲は朝から騒がしい。別に聞こうとしていないのに、奴らの会話は耳に届いてしまう。

葉山「悪い、今日は部活あるから、無理かな」

「えー1日くらい良くない?今日サーティーワンでダブルが安いんだよ。あたし、チョコとショコラが食べたい!」

机に浅く腰掛ける葉山の前で、女子3人が席に座っている。

その中でも積極的に葉山に話しかけているのが、折本かおり。

ゆるく当てたパーマに、短いスカート。ある程度着崩した制服は、イマドキの女子高生って感じだ。

「それどっちもチョコじゃないか。それにかおり、お前この前ダイエットするとか言ってなかったか?」

呆れたようにため息を吐くのは平塚静。このクラスの学級委員長である。腰まで伸びた黒髪。女子制服の校則はわからないが、恐らくきっちり守っているのであろう膝上まで伸びたスカート。

真面目そうな平塚と遊んでそうな折本の組み合わせは、少しだけ違和感がある。

実は以前、平塚に話しかけられたことがある。学級委員長として、1人でいる俺を見過ごせなかったとか、真面目でいい奴だけど暑苦しい奴だ。
一見、折本がこのクラスの女子トップカーストなのだと見えるが、実は違う。奴は言わば影武者。真の頂点は彼女だ。

折本「全然ちがうし、ウケる!静はわかってないなー。ね、めぐり?」

「うん。私はショコラの方が好きだなー」

折本の言葉に頷くのは城廻めぐり。
柔らかい声音とその独特の雰囲気は、見聞するものにリラクぜーション効果をもたらす。通称めぐりんオーラを持つ者だ。
心なしか、葉山含む城廻の周りの人の顔が柔らかくなっている気がする。

>>158 なんか連投されてた。サーセン


「うむ!俺はチョコが好きだな!なんなら毎日食べていたい!」

そんなめぐりんパワーの余韻に浸っていると、聞こえてきたのは打って変わって暑苦しい声。

まだ冬服のブレザーを着てる生徒が多い中で唯一の半袖シャツを着ている横幅のあるそいつは、材木座義輝。

葉山「お前はそろそろ控えないと、糖尿になるぞ?」

材木座「ぶひぃ!?そんなにやばくないからぁ!」

奇声を発しながら葉山に泣きつく材木座。「ウケる」という折本の言葉と共に周囲からドッと笑いが起こる。
デブで暑苦しくてモテない材木座に、イケメンで爽やかでリア充の葉山。

一応男子トップカーストに君臨する2人なのだが、葉山はわかるとして、何故そこに材木座がいるのかは謎だ。どう見ても引き立て役にしか思えない。

まぁ、リア充の考えることなんて理解できるわけもないか。

俺は外部の情報を遮断するべく耳にイヤホンをつけ、いつものように寝たふりに入るのだった。


―――

「あ!やっと見つけた!」

昼休み、ベストプレイスで、おそらくテニス部であろう女子生徒の壁打ちを視界に捕らえながら焼きそばパンを食べているときだった。聞き覚えのある声に振り向くと、戸塚がこっちに向かってかけてきている。

八幡「戸塚か、どうした?」

戸塚「比企谷君を探してたんだよ?比企谷君こそ、なにやってるの?」

八幡「…飯食ってんだよ。」

戸塚「そーなんだ。確かに、風も気持ち良いし、良い場所だね」

そういって隣に座り、気持ちよさそうに目を閉じる戸塚(天使)
しかしよかった、「教室で食べればよくない?」とか言われなくって、返答に困ってたわ。

八幡「そーいや、なんで俺のこと探してたんだ?」

戸塚「一緒にお昼食べようと思って。もう食べ終わっちゃった?」

八幡「いや、まだ残ってるけど…」

戸塚「じゃあ奉仕部の部室に行かない?川崎さんもいるし、みんなで食べた方がきっとおいしいよ!」

笑顔で提案する戸塚。寧ろその笑顔で白米3杯はいけるまである。
まあ、せっかくの誘いを無下にするわけにもいかないので(っていうか戸塚の誘いとか断れる気がしない。)ビニール袋を片手に立ち上がろうとした、その時だった。

「あ…戸塚先輩!」



声のした方を見ると、ジャージ姿の黒髪の女子生徒がタオルを首にかけてこっちに近寄ってくる。
ラケットを持っているところから、先ほど壁打ちしていた女子生徒だろう。

戸塚「鶴見さん!ひさしぶり!!」

どうやら戸塚の知り合いらしい、鶴見というその少女は戸塚の反応に、うれしそうな、安心したような反応をした。

戸塚「比企谷君、こちら僕の中学の後輩の鶴見留美さん。鶴見さん、こっちはクラスメイトの比企谷君だよ」

戸塚の紹介に「ども」と会釈すると、鶴見も軽く頭を下げてきた。
大抵のヤツは俺を見て顔をしかめるか、無視するかのどっちかだ。だから、鶴見はめっちゃ良い子に見えた。俺ちょろすぎじゃない?

戸塚「テニスの調子はどう?」

鶴見「は、はい。今度、団体戦のメンバーに選ばれました。」

戸塚「ほんと?よかったね!」

鶴見「あ、ありがとうございます」

どことなく鶴見の反応に親近感を覚える。



それから2,3言葉を話して、鶴見とは別れる、道中彼女の話を聞いた。
中学時代、テニス部の後輩で、もともと戸塚は人気ではあった中でも、とくに懐いてくれてたらしい。

ケガしてテニス部をやめ、疎遠になっていたから、彼女が総武高に来たことも知らなかったようだ。

戸塚「急にやめちゃって、みんなとも顔合わせづらくなっちゃってさ」

たははと笑う戸塚その顔はどこか寂しげだった。


それまで夢中だったものが急になくなってしまうというのは、どれだけの挫折なのだろう。少なくとも、俺には到底理解できないものであることは間違いない。
理解しようとすることが、おこがましいほどに。
そんな途方もないことを考えているうちに、奉仕部についたようだ。


戸塚の隣に立ち、扉を開けると、そこでは川崎がブレザーを脱いだワイシャツ姿で、腕をまくり二の腕を摘んだままこっちを向いて固まっていた。

瞬間、扉をばたんと閉め、戸塚とアイコンタクト。『何も見てないよな?』『うん、今来たばっかりだよ』無言の会話にお互い頷くと、再び扉を開ける。
川崎は小ぢんまりとして顔を真っ赤にして俯いていた。

戸塚「川崎さん、遅くなってごめんね。比企谷君、なかなか見つからなくって」

八幡「あぁ、なにせ普段ですら影薄いからな。そんな俺を校内から見つけるとか、もはや砂漠の中からダイヤモンドを見つけるに等しい。」

戸塚「そこまで言ってないよ!?」

わちゃわちゃと手を振って否定する戸塚。俺の決死の自虐ネタにも、しかし川崎は反応を示さず相変わらず顔を真っ赤にしたままだった。戸塚のときもそうだったけど、意外とメンタル弱いなこいつ。

それから三人での昼食は、終止俺と川崎がおどおどしてたが、戸塚のおかげで何とかなった。ほんと天使。


―――

戸塚が奉仕部に入って数日が経った。
相変わらず依頼は来ず、奉仕部で何気ない日々を過ごす。毎日部室に集まり、本を読み偶に戸塚と他愛のない話をするだけ。なにそれ最高なんだけど。

今日もいつも通り本を読んでいると、久しぶりにノックの音が聞こえた。
川崎が「どうぞ」と返事をすると、入ってきたのは知っている顔だった。

鶴見「し、失礼します…」


鶴見の依頼は、「昼休みの練習に付き合ってほしい。」という簡単なものだった。
まぁ、一人だと壁打ちぐらいしかできないしな。ソースは俺。

総武高校のテニス部はそれほど強いわけでもなく、さらに今年の一年は未経験者ばかりな上にやる気もない為、自分が中心になって引っ張っていきたいらしい。


運動と言う単語に一番に反応した川崎は、二つ返事で承諾、そういや二の腕ぷにぷにしてましたもんねなんでもないです睨まないで。

そして次の日から昼休みには鶴見の特訓に付き合うことが決定した。

戸塚によるコートでの練習指導、川崎による昼飯の栄養管理、俺はその補佐。戸塚の指示に従ってボールをコースに放り、川崎の買い物に付き合う。上司に従う下っ端の感覚だ。
まぁ俺だけ何もしないわけにもいかないしな。

そして一週間が経とうとしたある日の昼休み、鶴見がコート内で倒れた。

八幡「お、おい鶴――」

戸塚「鶴見さん!!


今まで聴いたこともないような、焦燥に包まれた大声に思わず固まる。

戸塚「鶴見さん、大丈夫!?」

鶴見「だ、大丈夫です、ちょっとこけちゃっただけで…」

鬼気迫るような戸塚に鶴見も戸惑い気味に答える。膝を少しすりむいていたが、それ以外は問題なく普通に立ち上がった。
その様子に安堵した戸塚だったが、すぐに立ち上がり、「救急箱もらってくる」と言って駆け出す戸塚。しかしその手を掴む。

八幡「俺が行く。」



今回の依頼を手伝っているうちに、戸塚のテニスに対する知識には驚かされた。
効率的な練習にストレッチ、食生活、歴代の有名なテニスプレーヤーとそのプレイ技術。

アニメに詳しいことをアニメオタクと言うように、戸塚に関してはテニスオタクだった。
そしてそれは、戸塚がテニスを本当に好きだからこそ、得た知識なのだろう。

俺はアニメやゲーム、本が好きで、コレクションもそれなりに持ってはいるが、たとえばそれが家事とかで全部無くなってしまえば、まぁショックかもしれない。
しかし、時間をかければまた集めることはできるだろう。

だが、戸塚の場合はちがう。どれだけ時間をかけても、どれだけ努力をしても、怪我という悪魔によって、その権利すらも奪われてしまった。

そしてその苦しみを知っているからこそ、先ほどの鶴見の軽傷に対してもあれほど過剰な反応を見せたのだろう。


そんなことを考えながら、保健室で救急箱を借りる。
少し駆け足気味に校舎を出ると、なにやらコートの方で人が集まっていた。
謎のギャラリーをすり抜けコートを見るとそこには…

八幡「はっ……?」


葉山と折本ペア、川崎と戸塚ペアが試合をしていた。

「む、比企谷じゃないか」


隣から呼ばれて顔を向けると、平塚が腕を組みフェンスに寄りかかっていた。その隣では城廻が楽しそうに応援している。

八幡「あの、これどういう状況?」

平塚「うむ、テニスコートが開いているのを良いことに、かおりがテニスやりたいといいだしてな。練習だからと断られたんだが、あいつがどうしてもやりたいらしく…」

それでコートをかけて戦うことになったようだ。いや、なんでだよ。



リア充らしく運動神経においても高スペックを持つ葉山だが、意外にも戸塚・川崎ペアが押していた。

やはりテニス経験者である戸塚のアドバンテージが大きいようだ。

ギャラリーからは、逆転を期待した葉山コールが鳴り止まない。

そしてあと一点で、勝利するというところで、それは起こった。
起こるべくして、起こってしまった。

戸塚「っ…」

スイングの瞬間、戸塚は苦痛に歪んだ顔でボールを返す。

それは先ほどまでの勢いはなく、ゆったりと浮き上がるボールを葉山に叩かれた。
ギャラリーが沸く中で、戸塚が膝に手をついて荒い息を吐いている。

川崎「戸塚!」

戸塚「だ、大丈夫……はは、う、運動不足だなー」

情けないね、と苦笑する戸塚の顔からは、この短時間でかいたとは思えないほどの汗が流れている。激しい運動をすると膝が痛む、と言っていたが、それのせいもあるのだろう。

それから、戸塚の動きは目に見えて悪くなり、点差は徐々に縮まっていく。川崎もサポートすべく奮闘したが、敢え無くデュースに持ち込まれてしまったところで、戸塚が地に膝をついた。

八幡「戸塚!」

たまらず戸塚に駆け寄る。

ラケットを杖のようにして俯いている彼は、左膝を抑え歯を食いしばっている。

鶴見「戸塚先輩。もういいです!もう……やめてください……」

鶴見も戸塚へと駆け寄り、泣きそうな顔になる。

しかし戸塚は「大丈夫」と言って笑うと、ヨロヨロと立ち上がった。

葉山「なぁ、もういいんじゃないか?引き分けってことでさ?」

折本「そ、それある!あたしたちも別に邪魔したいんじゃなくって、楽しみたいだけっていうか……」

爽やかな笑顔を浮かべる葉山の提案に、折本も戸惑ったような笑みで返す。
きっとそれは、彼らなりの優しさだったのだろう。

戸塚の様子を心配した、引き分けという譲歩。


しかし、それは彼らが勝ちを確信したということに他ならない。

「ごちゃごちゃうっさいな」

それを拒絶する声が響く。

川崎沙希は悠然と立ち上がり、きっと相手コートを睨みつける。

川崎「心配しなくても、こいつがきっちり決めてくれるから、大人しく負けてな」

川崎がラケットを向ける先には、俺がいた。念のため後ろを見てみるが、誰もいない。間違いなく俺のことを言っていた。

「……そうだね。僕もそう思うよ」

その声は俺のすぐ隣から聞こえた。汗だくになりながらボールを俺の手に渡す。

戸塚「だから、後は頼んだよ?八幡」

まるで、俺が勝利することを全く疑っていないような笑顔だった。

鶴見と目が合う。なんだその期待してるみたいな顔は。
川崎と目が合う。負けたら殴るみたいな顔をしないで怖いです。
小さく息を吐き、潮風と共に新鮮な空気を肺に入れる。

全くどうかしてる。今までの人生負け続けてきた俺に期待するのなんて、お前らぐらいしかいねーよ。




だからこそ、それに応えたいと。
柄にも無く、そんなことを思った。


───

トントントン

軽い音を立ててボールが葉山のコートの奥を跳ねる。

折本「なに、今の……?」

折本が呟く。今の光景が信じられないというような声音だ。
数秒前、俺が放ったサーブは緩やかで力のない、ただ上に放っただけのようなもの。

折本がチャンスと目を開き、ここぞとばかりに落下点を捉え構えに入る。

───瞬間、一陣の風が吹く。

その風に揺られたボールは折本のラケットをすり抜け、離れた場所にバウンドする。
その光景に呆気にとられていた葉山も我に帰り動き出すが、バウンドしたボールは再び吹いた風に更に流され、結局葉山のラケットが届くことはなかった。

シンと静まり返るコートの中で、城廻の「すごいすごーい!」というはしゃいだ声が響く。

平塚「今のはまさか……」

城廻「静ちゃん、知ってるの?」

平塚「聞いたことがある。風を意のままに操る技『風を継ぐ者・風精悪戯(オイレンシルフィード)』……まさか、彼がそうだというのか!?」

材木座「」うずっ

腕を組み解説する平塚。ってかあの人、あんなキャラだったの?美人なのに残念感が半端ないよ。

葉山「驚いた、本当に魔球だな。」

そう言ってボールを渡してくる葉山。負けそうだっていうのに爽やかな笑みを浮かべている。

あぁ、葉山。お前はわかんないだろう。

18人でわいわい楽しくやる野球を1人だけで楽しみ、テストのたびにみんなが現実逃避するなかで、どんな結果でも1人で受け止めてきた俺の気持ちが。

だからこれは、俺からお前らに下す裁きの鉄槌だ……



八幡「っ――!セーシュンのばっかやろーー!!」


アッパーカットでフレームをジャストミートしたボールは、天空へと舞い上がる。

平塚「あれは!?『空駆ける破壊神・隕鉄滅殺(メテオストライク)』!!

城廻「めてお?」

材木座「そうか、あれが…!」

いやマジで平塚さんなんなの?
天高く上がったボールは重力に引っ張られ、膨大な運動エネルギーと共に地面に落下し砂埃を撒き散らす。

折本「ぐっ……この!」

葉山「かおり!」

後方に下がったボールを追うべく駆け出す折本に葉山が叫ぶ。しかし折本は止まらない。このままだと、彼女はフェンスにぶつかってしまう。

ガシャーンと大きな音が響いた。

砂煙が晴れると、そこには顔を真っ赤にしている折本を所謂お姫様抱っこの形で抱えている葉山の姿が。



はい、その後はお察しの通りの展開である。
騒がしくその場を後にするリア充どもとは対照的に、テニスコートには勝利したとは思えないような静寂だけが残った。



なんだこれ?



試合が終わり、俺と戸塚はベンチで休んでいた。
川崎と鶴見は先に部室に戻っている。
試合終わりに鶴見が「かっこよかったです」なんて言ってきた。俺史に残る最高の賛辞だったかもしれない。鶴見の顔が若干頬が赤かったような気もするが、あれだ、たぶん駆け寄ってきたからだと思う。
そう簡単に勘違いしてたまるか。

八幡「…足、大丈夫か?」


俺の問いに苦笑しながら頷く戸塚。「心配かけてごめんね」と言いながら、左膝をさする。

戸塚「本当は今回の依頼、ちょっぴりやりたくなかったんだ。」

寂しそうに言う戸塚の声が、2人だけのコートの空気に溶けて消える。
テニスラケットをぎゅっと握り、コートを見るその表情はどこか懐かしいものを見るような。

戸塚「でも、やって良かったって、今は思ってる。比企谷くんと川崎さんと一緒に何かをすることが、すっごい充実してて、すっごい楽しかった!」

「奉仕部に入ってよかった」と、笑う戸塚に、俺も笑顔を返す。

こんな俺が戸塚彩加という人間の、新たな遣り甲斐の一部を担えるのなら、まぁ何だ。部活動と言うのも、悪くはない。

最近の俺はアイデンティティ崩壊しまくりだ。けど、不思議と嫌な気分はしなかった。

一際大きな風が吹く。「ありがとよ」と、小さくつぶやく、それは戸塚に向けたものなのか、川崎に向けたものなのか、あるいは、俺たちに勝利を運んでくれたこの潮風に向けたものだったのか。俺にもわからなかった。


八幡「うーす、お疲れー………」

奉仕部部室を開けたら、鶴見と川崎が思いっきり着替えていた。

ジャージを脱いだばかりの鶴見はスカートは履いていたが、上半身はスポーツブラだけだった。健康的に引き締まったスレンダーな体に水色のそれはよく合っている。

対して川崎はどうやらシャツのボタンは後から締めるタイプらしく、シャツを羽織ってスカートをあげている途中だった。形のいい臀部に黒のレースが映えており、こっちを向いた川崎のシャツからは同じ色のブラがチラチラと見えている。

お互い数秒固まってしまったが、やがて顔を真っ赤にした川崎から発射されたロケット(ラケット)が俺の額にぶち当たる。仰向けに倒れると、「死ね!」という捨て台詞と共に扉を締める川崎。
俺は額の鈍い痛みと心配そうに覗き込む戸塚の顔を見上げながら、「ハチ/マンにならなかっただけましか」なんてことを思うのであった。ぐふっ




後日、俺は「風精悪戯のヒキタニ(笑)」「テニスに技名をつけるイタイ奴」という噂が立ったらしい。

平塚許すまじ。



ルミルミは回を増すごとに生意気にしていく予定なので、今はこんな感じで許して下さい。

余談ですが、もし材木座ポジが葉山になってたら、軽いホモ設定にしようと思ってました。ホントに余談だな。

次回、待望のあーしさん登場でーす。


あと、サキサキポジって感じで、女子2人を姉妹にしたいと思います。

1人は中3でこっちのはるのんの知り合いって感じです。

両方フルネームわかってる女子限定で。

姉(サキサキポジ?)
安価下2



安価下4


姉→相模南

妹→由比ヶ浜結衣

巨乳の妹には巨乳の友達が……

あ、一応姉妹って設定なので、そんなに重要じゃないけど、次のレスのコンマが偶数なら苗字を相模、奇数なら由比ヶ浜にします。

それでわー。

沙希「そんなの、先生が殴るなり蹴るなりして躾けりゃいーじゃん。なんで私が…」

八幡(怖い女だな……)

雪乃「一昔前なら許されていたのでしょうけど、今は体罰は色々と問題があるのよ。」


じゃあ原作の先生はどうなんだよ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月30日 (木) 09:59:32   ID: XvgseX_Z

原作と違いものすごい爽やかな青春物になってる(笑)

2 :  SS好きの774さん   2015年08月02日 (日) 20:10:27   ID: Hf7tBqcP

面白いねこれw

3 :  SS好きの774さん   2015年08月11日 (火) 18:47:49   ID: ESYYl5pr

面白い。最初の依頼の解決策も納得。

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