少女「ランラランララーン♪」
男「ずいぶんと機嫌がいいみたいだが、どうした?」
少女「ひゃぅ!? き、聞いてたの!?」///
男「聞いてたも何もそれだけ大きな鼻歌嫌でも聞こえるわ」
少女「あぅ~」///
男「で、どうしたんだ?」
少女「えっとね、えっとね!! 商店街のねガラガラでね、とぉってもいいものが当たったんだー!!」
男「そうかそうか、それはよかったな」ナデナデ
少女「えへへ」///
男「で? 何が当たったんだ?」
少女「旅行のチケットだよ!! 旅行の!!」
男「おぉ、それはよかったな」
少女「でしょ!! でしょ!!」
男「で、どこに行くチケットを貰ったんだ?」
少女「ねぱーるだって」
男「ネパールか」
少女「うん、ねぱーる」
男「で、いつ行くんだ?」
少女「あした」
男「明日か… 明日!?」
男「親には言ってあるのか?」
少女「まだだよ」
男「うわぁ…」
男(そんな急に言われて、OKが出るとは思えないのだが…)
少女「お父さんとお母さんと行こうとおもってるんだ~」
男「そ、そうか」
少女「早く明日にならないかな~」
ランララーンという鼻歌
少女「早くお家帰ってお父さんとお母さんに言おーっと」
~2時間後~
男(そろそろ次の会議が始まる時間か…)
男(次の会議はなんだっけか…)
少女「」シクシク
男(あぁ、あれだ。 この前買収した企業をどうするかだ)
少女「ヒック」ポロポロ
男(考え無しに買っちまったからな。 ちゃんとその辺話し合わないとな)
少女「ううっ…」ポロポロ
男「…ダメって言われたろ」
少女「…うん」ポロポロ
男「やっぱりか…」
少女「お父さんがね、『そんな急に会社を休めるかー!!』ってね言ってね」ポロポロ
少女「お母さんはね、『着替えとかいろいろと準備しなきゃいけないし… 無理ね』って…」シクシク
男(そりゃそうだろ)
少女「うぅ… 行きたかったな…」
男「・・・」
男「」prrr
女性『お電話ありがとうございます。 株式会社』
少女「うぅ… 行きたかったな…」
男「‥‥」prrr
女性『お電話ありがとうございます。 株式会社白浜でございます』
男「あぁ、俺だ」
男(これ一度やってみたかったんだよな)
女性『…失礼ですが、どなた様でいらっしゃいますか?』
男「……っ!!」///
少女「はっずかしー」
男「なっ…!! ひ、人の電話を勝手に聞くな!!」
少女「……人の鼻歌は勝手に聞いてたくせに」
男「俺から言わせてもらえば、あんなの鼻歌じゃなかったね!!」
少女「アナタが、自分で鼻歌って言ってた……」
男「え、いや、そ、そんなこと言ってないね!! 断じて……」
少女「……うそつき」
男「俺は、嘘つきと言うか、天の邪鬼なだけであってだな……」
少女「あまのじゃく?」
少女「」サッ
男「どうした? いきなり携帯なんて取り出して」
少女「あま」ピッピッ
男(意味を知らなかったのか……)
少女「の」ピッピッ
男(携帯使い慣れてないのか……)
少女「じゃく」ピッピッピ
女性『あ、あの~ そろそろご用件を……』
男「あぁすまない、忘れてた」
少女「けんさく!!」ピッ
少女「……?」
男「用件と言うのはだな……」
少女「!!」ハッ
男「副社長の……」
少女「ほとんどおんなじ意味じゃんか!!」ゲシ
男「グハッ!!」
男「いきなりなりすんだよ!!」
少女「『いきなりなにすんだよ』じゃないの!!」
少女「さっきのうそつきとほとんど同じ意味じゃないの!!」
男「さっきの?」
少女「そう! さっきの!!」
男「さっきのってなんだ?」
少女「え、えっと・・・」
少女「えっあ、あまの‥‥じゃき?」
男「読めないのか? さっき声に出しながら検索してたのに?」
少女「うっ‥‥ うるさい!!」///
男「おバカちゃんいいか」
少女「おバカちゃんじゃない!!」
男「俺はいま大事な電話をしてるのです」
男「ここで問題、そこでおバカちゃんが取るべき行動は何でしょう」
少女「だから、おバカちゃんじゃないってば!!」
男「何回も言わなくてもわかるから」
少女「わかって無いから言ってるんだよ!!」
男「答えは黙るか、静かにするか、大人しく口を塞いでいろ」
少女「・・・誘拐犯みたい」
男「おっ、正解」
少女と・・・え?
男「あ、もしもし、用件と言うのはだな・・・」
少女「い、今のはどういう意味なの?」
女性『ご要件より、まずは貴方様のお名前の方を伺ってもよろしいでしょうか?』
少女「・・・カッコ悪いね」
男「う、うるさい!!」
男「この会社の社長と言えばわかるかな?」
女性『あぁわかりました。詐欺ですね』
男「いやいや、これホント」
女性『最近我が社で流行ってるんですよね』
女性『社長になりすました輩からの電話が』
女性『会議休むと電話が来たのに社長がいたり』
女性『1時間くらい遅れるとか電話来たのに社長定時にいるとか』
男(これ、全部俺がやったことだ・・・)
男「あ、いや、えっと、それはだな・・・」
女性『なので、当社では社長を名乗る者から電話を受けるなと副社長に言われておりますので』
男(・・・あのクソじじィ!!)
女性『失礼しますね』
男「ちょっとまて!!」
ガヂャ
男「お、おい!!」
プーップーッ
男「もしもし!! もしもーし!!」
少女「よくドラマでそう言う事をやってる人いるけどね」
少女「電話って切れたあと繋がらないよ?」
男「知ってるわ!!」
少女「おバカな私でもわかるのに・・・」
少女「ははーん、さては相当おバカだな!!」
男「いや、だから知ってるって」
少女「・・・ん?」
男「・・・どうした?」
少女「・・・・ハッ!!」
少女「私はおバカじゃないよ!!」
男「いや、俺言ってないし」
少女「いやー危ない危ない、自分がおバカって認めるところだったよ」
男「・・・もう認めてるのと同じだと思うのだが」
少女「違うよ!! 同じじゃないよ!!」
男「こんな事やってる間にも会議の時間に・・・」
少女「ねぇ!! 聞いてるの!?」ユサユサ
男「あ~ 聞いてる聞いてる」
少女「こう言う人は大概話し聞いてないんだよなー」
男「じゃあ、なんて言い返した奴が聞いてる様に思えるんだよ・・・」
少女「う~ん・・・」
少女「それな・・・とか?」
男「それな」
少女「・・・うざい」
男「お前が『それな』がいいって言ったんだろ!!」
少女「そうなのか?」
男「そうなんだよ!!」
少女「遭難!? そりゃ大変だー」
男「うざっ」
少女「この場を和ませてあげようと思ったのにこの始末」
少女「私って可哀想な子」
男「和ませる程悪い空気じゃ無かったろ」
少女「悪い空気だって!? それなら、空気清浄機動作開始!!」
少女「こぉー」
男「・・・馬鹿過ぎて会話にならない」
少女「バカじゃ無いもん!!」
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