士郎「俺の印象が2chのレビュー通りになった?」 (40)

士郎「何だよそれ?????セイバー」

セイバー「いえ……私にも詳しくは。
しかし、世界から更新された知識によると
『セイバーのマスター???「衛宮士郎」には大規模な修正力がはたらく』との事です」

士郎「……確かに俺のやろうとしてる事は
我ながら傍迷惑な事ばかりだしな。
救われない筈の命の救済を願ったり、
ズレた時代から過去の自分を消そうとしたり???
世界の矛盾を促す事ばかりしてるから
腫物扱いされるのは当然かもしれないけど……」

セイバー「2chというのは匿名掲示板の事らしいですね。
虚構の捨て台詞は犬畜生の遠吠えにも及ばない反面、
リスクのない一方的な発言はその実何よりも真実味を帯びますから」

士郎「つまり俺には『本来のイメージ』が付加されるって事か?
おかしな話だな、まるで今までの俺への印象が作り物みたいじゃないか」

セイバー「正確にはシロウだけでなく『士郎全て』に影響がある様ですが。
確かに矛盾を嫌う世界は余程の事がなければ梃入れはしません。
しかしシロウはいずれ守護者となり世界に隷属する存在だ。
ギリギリのラインで貴方が生き残って世界の僕になる様に仕向けられていた様です」

士郎「なるほど、好き勝手するからもうフォローはしてやらないって事か。
ふん、望むところだ。
元から俺の理想はただの一度も理解されないんだから」

凛「うわっ、キモいのと会っちゃった」

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士郎「……? どうしたんだよ遠坂。
今、聞き間違いじゃなければキモいって聞こえたんだが」

凛「……」

士郎(誰からも嫌われる、って意味合いなのか?
なんだ、そんなの・・・・・この足が辿る結末に比べれば幼稚なもんだ)

凛「ほらそれ」

士郎「?」

凛「だからそういう厨房臭い思考回路が気色悪いって言ってるのよ、衛宮くん」

士郎「確かに普通に生きてる人間なら考えもしない大層な絵空事だからな。
俺だって理解してもらおうだなんて思わないよ。
最終的に一人になるのもアイツから知らされてる」

凛「キモいわねぇ、そうやってモテるのは所詮エロゲぐらいだっての」

士郎「俺が嫌いなのは良く分かった。
けど・・・・何で食ってかかるんだ?
確かに俺は嫌われる考えの持ち主だけど
決して自分の理想を誰かに押し付けようだなんて考えた事は無い。
嫌いなら疎遠になればいいじゃないか」

凛「あら、人を貶す人間に真っ当な誠実さなんてあると思ってるの?
わたし、いじめっ子だからね。
あんたが嫌がる顔を見れればそれでいいから」

士郎「……」

凛「じゃあね、知的障害者くん」

士郎「……」

セイバー「だ、大丈夫ですか? シロウ?」

士郎「いや、ちょっとびっくりしただけで心配ないよ。
ただ――――ちょっとだけ傷付いちまったけどな。
例え地球上の全人間から非難されても構わないけど、
やっぱり遠坂とか桜とか……それなりに親しいヤツの態度が豹変するのは精神的にキツイ」

セイバー「……」

士郎「そういえばセイバーは変わらないんだな」

セイバー「この身は英霊となり正常な輪廻からは外された存在ですから。
あくまで『世界からの修正力』ですからね。
使役される存在となり単一の世界の住人としての枷が外れた私にはさして影響は無い様です。
この分だと恐らくアーチャーを除く全ての英霊は普段どおりでしょう」

士郎「そっか、アーチャーも『俺』だからな。
イメージの改竄対象にはなってるのか」

桜「……」

士郎「桜……」

桜「……」

士郎「いや―――すまん、気安く話しかけて悪かった。
好きにしておいてくれ」

桜「いえ、その―――」

士郎(桜もやっぱり俺の事を嫌ってるんだろうな……
でもあの性格だ。
面と向かって口に出せる様なヤツじゃないし
ちょっと気を遣ってやるか)

桜(……何でだろう。先輩を見ると不快で不快で仕方ない。
わたし、そんなに先輩の事嫌ってないし、寧ろ―――)

士郎「……セイバー」

セイバー「確かにシロウには酷ですね。
少し場所を変えましょうか」

士郎「……はぁ」

セイバー「……」

士郎「直に藤ねぇやイリヤも帰ってくる。
けど、とてもじゃないが顔を合わせる勇気が無い」

セイバー「シロウ……」

士郎「覚悟はしていたんだ。
俺だってガキじゃないんだし、現実に出来る事、出来ない事があるのは分かってる。
誰も隣には寄り添ってくれないと確信してたし
この道はきっと一人で歩くものだと信じて疑う事は無かった。

でも――――初めから一人だと決め付けて歩むより、
既に紡がれた絆が振り出しに戻った事が何よりも―――辛い」

セイバー「普通の人間なら涙を見せる所でしょうね」

士郎「そんな余分は落とせない。
あの火災で何もかも置き去りにして、空っぽの中に唯一残ったものが『エミヤ』なんだ。
涙とか、苦しみとか、悦びとか、そういった感情は俺には分不相応。
あの火災で衛宮士郎が救われたものは体だけで、心は救われたんじゃなくて新造されただけ。

そうだな――――あの火災の後に何もかも亡くして、それでも先へ歩く選択をした時点で、
俺には『こうなる事』しか用意されて無かったんだろうな」

大河(うっわ~)

イリヤ(これは本当に重症ね、キリツグと同じで痛い中二患者だわ)

~遠坂邸~

アーチャー(「本来の認識」、か。
本来も何も、元から私は誰とも理想を分かち合えなかった存在だ。
未来に希望を抱くあの小僧ならまだしも、オレにとっては
遣い潰されるかつての機械的人生と何ら大差は無い)

凛「あ、アーチャー」

アーチャー「お帰り凛。さぞ私が憎らしくて仕方ないのだろう?」

凛「ううん、全然そんな事無いわ。
寧ろあんたにホント共感するわよ。
どっかの平和バカとは大違い」

アーチャー「……なに?」

凛「だってあんたは正しいじゃない。
全ての人間を救うなんて不可能だし
現実を見限るのは大人になるまでに誰もが通る道よ」

アーチャー「『平和バカ』とはあの小僧の事か?
珍しいな、昨日まであの小僧の話題を出す度に
雌の顔をしていた君が」

凛「んー、何でだろ?
でも普通に考えてきもいじゃないあいつ。
弱いクセに偉そうに高説垂れてさ。
自分を犠牲にして他人を助けるのは結構だけど、
弱虫のクセに周りを巻き込む自己満足なんてホント偽善者。

それに比べてアーチャーは力だってあるし、現実も見てる。
人生も死後も全て使い果たした上での言葉だから
あんたの一言は士郎の数千倍も重い。
普通に考えてあんたに共感するでしょ。
世の中無駄だらけで構成されてて、人間なんて一種族に自由なんてものは無いんだから」

アーチャー(……参ったな。生前は若さ故に誰にも振り向かれなかったが、
貫き通した結末の上での発言となればそれは深い重みとなるのか。
とはいえ、オレはあの戦いで小僧から答えを得ている。
八つ当たりに燃えていたあの頃の自分を認め直す気は毛頭無いのだが……)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月07日 (金) 17:59:02   ID: MpgAxLRp

これは辛い

2 :  SS好きの774さん   2015年08月16日 (日) 15:44:33   ID: 1JdL_-n6

くだらな

3 :  SS好きの774さん   2015年08月30日 (日) 21:55:27   ID: arorTgv9

↑お前らと2chがくだらない

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