佐天「テニスが上手くなる能力かぁ…」(12)



佐天「こんな能力…使い道ないよなぁ」

初春「どーしたんですか? 佐天さん」

佐天「初春…あたし能力者になったんだよ」

初春「え!? ほんとですか!? よかったじゃないですか?」

佐天「でも、その能力がさ…」

初春「え!? ほんとですか!? よかったじゃないですか?」×
初春「え!? ほんとですか!? よかったじゃないですか!」


初春「テニスが上手くなる能力、ですか…」

佐天「そ。使い道ないでしょ? あたし、テニスなんか別に興味ないし」

初春「ちなみにレベルはいくつなんですか?」

佐天「4だよ」

初春「たかっ!」


初春「それってどのくらい強いんですか?」

佐天「ん? さあねー。ためしてないから」

初春「ためしてみましょうよ!」

佐天「え~? いいよ、メンドーだし」

初春「ほんとに興味ないんですね…」


初春「せっかく能力者になれたのに嬉しくないんですか?」

佐天「嬉しくないこともないけどさ、あたしはもっとこう超能力っぽいかっこいい能力がー」

御坂「あっ初春さんに…ええと…そう! 無能力者の佐天さんじゃん! ちょうどいいとこにいたわ! よかったら これからテニスしない?」

佐天「な、なんなんですか御坂さん、やぶからぼうに。てか、無能力者っていわないでください。あと名前もいいかげん覚えてください」

御坂「ゴメンね。無能力者の名前ってなかなか覚えらんなくてさ」ハハッ


佐天&初春「……」

御坂「でさ、さっきの話なんだけど、これから町内会でテニスの大会があるのよ。その優勝賞品(等身大ゲコ太くん)がどおーっしても欲しくてさ、ダブルスのペアになってくれる人を探してるわけ。佐天さん、無能力者なんだしどうせヒマでしょ? 能力ない人は学園都市じゃやることないだろうしさ。わたしが組んであげるから大会出よ?」ニッ

佐天「い、イヤです! 人のことさんざんバカにして……ふざけないでください!」フルフル

初春「御坂さん、言い過ぎです……」


御坂「ハァ? なんなのよいきなり。なに突っかかってきてんのよ。このわたしが誘ってやってんだよ? 無能力者を。 レベル5のこのわたしが」

御坂「断るだけでも身の程わきまえず無礼なのに、文句まで言ってくるとかあり得ないわよ? アンタもこの学園都市じゃ能力こそが全てだって身に染みてんでしょうが? 身分の差ってものを考えなさいよ」

初春「御坂さん!」キッ

佐天「初春、もういいよ…。この人は、こういう人だから…。」

佐天「とにかく御坂さん、ペアは組めませんから」

御坂「フン、生意気ね…。レベル0とレベル1、役立たずの能無し同士、仲良く傷でも舐め合ってりゃいいわ。せっかくこのわたしが誘ってやったのに。まぁいい、黒子探すわ。どっかのデクよりは役に立つだろうしさぁ」スタスタ


初春「」ポロポロ

佐天「初春…」

初春「佐天さん、わたし悔しいです。佐天さんがあんなふうにいつもいつもバカにされて…」

佐天「……うん、悔しいね。わたしはもう無能力者じゃないけど。今日は初春まで一緒にバカにされた」

初春「佐天さん…」

佐天「だからさ、見返してやろうよ」

初春「でも…どうやってですか? 相手はあの学園都市第3位、御坂美琴なんですよ? わたしたちじゃあとても…」

佐天「なーにいってんの! ちょうど、うってつけの舞台があるじゃん!」ニッ

大会会場

御坂「オラァ!!」ドゴッ

運営係「やめてください! そのダンボールには参加賞のジュースが入ってるんですよ!」

御坂「知ってるわよ。だからこうして蹴ってるんじゃない。私、ジュースは蹴りだす派だから」

御坂「それとさ、あんまりカンに触る物言いしないほうがいいわよ。私、レベル5の御坂御琴だから」

運営係「えっ・・・あの電撃使いの・・・ですか?」

御坂「そ。もちろん気に入らないやつだからっていきなり電撃浴びせたりはしないわよ? でも、相手が無礼な態度だと制裁するのも正義だし。私、学園都市じゃvipだからさ、ジャッジメントも手下みたいなもんだし。立場の違い、わかるわよね?」

運営係「・・・・・・」ビクビク

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