ビスマルク「Admiral、改装がおわったわ」
提督「ああ、お疲れ」
ビス「それだけ?もっと褒めてもいいのよ?」
提督「えーっと………dreiまでの練度上げ、よく頑張ったな」
ビス「………」
提督「………」
ビス「………Admiral、鳳翔の店にいきましょう」
提督「なんで?」
ビス「私がこの艦隊に来て一ヶ月。まだAdmiralとお酒の席で話したことは無かったわよね。日本で言う”腹を割って話す”ってやつよ」
提督「ああ、わかったよ。来て以来出撃ばっかりだったもんな………」
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ビス「鳳翔、お邪魔するわね」
鳳翔「あらビスマルクさんと………、提督?珍しいですね」
提督「ビスマルクがどうしてもって言うんでな………」
ビス「鳳翔、ビール二人分お願い」
鳳翔「え?でも提督は………」
提督「あー、すまんビスマルク。言いにくいんだが」
隼鷹「提督はビール飲めないもんね~」
ビス「そうなの!?ごめんなさいAdmiral。じゃあ他の………」
長門「提督、すまん。急ぎの用事だ!至急来てくれ」
提督「そうか。すまんビスマルク。腹を割って話すのはまた今度、機会を見てな」
隼鷹「いやぁ~、フラれたね」
ビス「なに?」
隼鷹「いや、提督行っちゃったし一緒に一杯どうかなって」
ビス「いいけれど」
隼鷹「やっぱりアレかい?提督と二人でシッポリ呑んだ後は………って感じかい?」
ビス「Nein!そういうワケじゃないのよ!」
隼鷹「まあ、そういうことにしといてあげるけどさ、提督の好み、知っておいて損はないんじゃない?」
ビス「ああ、さっきビールがダメって言ってたわね」
隼鷹「まあ好みってワケでもないけどさ、提督はお子様舌だから、ビールとか日本酒よりは甘ーいお酒が良いんじゃない?」
ビス「そうだったのね」
隼鷹「他にも提督と付き合いの長い連中に色々聞いてみたら」
ビス「そうするわ隼鷹、Danke!」
隼鷹「Bitte schoen」
ビス「提督の好みを知ってそうな人………、気が進まないけどあの人かしら」
コンコン
ビス「金剛、居る?」
比叡「お姉さまは今出撃してて留守ですけど」
ビス「あら、ごめんなさい。なら出直すわ」
比叡「なにかご用だったら伝えておきますけど」
ビス「えーっと、ちょっと聞きにくいんだけど………Adramilの好きなお酒とかって………分かる?」
比叡「司令のですか?」
ビス「別に深い意味はないのよ。ただビールが苦手って聞いたからね。断られてショックだったわけじゃなくて、それで好きなお酒を知ってればもっと自然に誘えるかなって思っただけで………」
比叡「司令はお姉さまと張り合うくらいの紅茶好きですよ」
ビス「………そんな、出会ってまだ一ヶ月なんだからいきなり過ぎるわ。もっと段階を…ってダメよそんなところ………えっ?紅茶?」
比叡「大丈夫ですか?」
ビス「大丈夫。なんでもないわ。Admiralは紅茶が好きなのね?」
比叡「ええ、お姉さまが淹れる本格的なものからリプトン、午後○ィー、ジャ○ティーまでなんでも飲みます。効き紅茶でお姉さまが淹れた紅茶を当てられます」
ビス「そうなの?あなた随分詳しいのね」
比叡「そっそんな事ないです。ただお姉さまを見ていると一緒に紅茶を飲んでる司令が目に入ってくるから知ってるだけで私はお姉さま一筋なんです。司令はお姉さまを巡る恋のライバルであって決して気になるとかそういうわけでは………」
ビス「大丈夫?」
比叡「ダメです司令、ダメですお姉さまが見てます………ハッ、なんですか?寝てません!寝てませんってば!」
ビス「Oh、これはダメそうね………他へ行きましょうか」
明石「いらっしゃいませ、明石の酒保へようこそ」
ビス「明石。お酒ってどれくらい取り扱いがあるの?」
明石「お酒ですか?ビスマルクさんの好きそうなビールならそれなりに揃えてますよ」
ビス「Ah、ビールじゃなくて………。甘めのお酒とかはあるかしら」
明石「うーんと、ビールや日本酒が皆さんに人気なのでカクテルやサワーはあまり扱ってないんですよねぇ………」
ビス「そう………、あら、これは………“アイスティーサワー”?」
明石「ああ、それは間違って仕入れちゃったんですけど売れないんですよね」
ビス「アイスティー………これならAdmiralも一緒に飲んでくれるかしら………」
明石「なにか言いました?」
ビス「なっ、なんでもないわ!これ、1ケース頂くわね」
明石「ありがとうございまーす」
明石「提督………ああいうお酒が好みなんだ………」
ビス「あとは誘う理由よね………」
Uー511「ビスマルク姉さん、お帰りなさい」
ビス「ユー、先に戻ってたのね」
U「何買ってきたの?」
ビス「これ?これは………ちょっとね、お酒よ」
U「ビールじゃなくて?」
ビス「ええっと、ちょっとビール以外も飲んでみたくなってね。ユーも一本飲む?」
U「うん、だんけ」
ビス「私も一本飲んでみようかしら………」
ゴクゴク
U「………………」
ビス「………………これは」
U「ちょっと良くないです………………」
ビス「とてもじゃないけど紅茶とは呼べない味ね………」
U「まだいっぱいあるね……」
ビス「………今度ローマに分けてあげるわ」
ビス「アレじゃダメだわ。もっと提督に楽しんでもらえるような味じゃないと」
大淀「ビスマルクさん。どこへ行かれるんですか?」
ビス「ちょっと明石の酒保にね」
大淀「さっき明石さんの所から大きな段ボール持って出てきませんでした?」
ビス「ああ、あれはつい勢いでね」
大淀「どんな勢いですか」
ビス「えーっと話すと長くなるんだけど………」
………………
大淀「なるほど、提督のために紅茶の味がするお酒を」
ビス「でもアレはおいしくなくて」
大淀「あ、私紅茶の味がするカクテルがあるって聞いたことがあります」
ビス「ホント!?」
大淀「ちょっと詳しい内容を通信室のコンピューターで調べてきますね」
大淀「プリントアウトしてきました」
ビス「Danke、大淀」
大淀「どういたしまして。フフッ、頑張ってくださいね」
明石「いらっしゃいませー。ってビスマルクさん。またですか」
ビス「明石、このメモにあるお酒ってあるかしら?」
明石「ハイ、すぐに用意しますね」
明石「これでメモにあるのは全部ですね」
ビス「Danke、これでイケるわ」
明石「ありがとうございました」
U「ビスマルク姉さん。今度は何作ってるの?」
ビス「今度のはちゃんと紅茶の味がするはずよ」
U「……ん、っく。う……ん。さっきのよりおいしいよ」
ビス「……うん。これなら提督にも納得してもらえるわ!」
U「Admiralがどうしたの?」
ビス「なんでもないわ。ほら、明日も朝から出撃なんでしょ?はやくねなさい」
U「うん、Gute Nacht.Bis Morgen」
提督「ふぅ、やっと長門の急用が片付いた…もう12時過ぎてるな…ビスマルクの約束もすっぽかしちゃったし、怒ってるかな」
ビス「Admiral、まだ仕事してたのね」
提督「ビスマルク。ごめんな急に出てっちゃって」
ビス「Das macht nichts.それより、こんな時間までお疲れ様………これ、私が作ったんだけど」
提督「これって、紅茶か?よく俺の好みを知ってたな」
ビス「ビールが苦手って言っていたから皆に聞いて回ったのよ」
提督「………ありがとうなビスマルク」ゴクゴク
ビス「Bitte.私の分も作ったのよね」グビッ
提督「うん、レモンティーか………ヒック、うん。美味い、ヒック」
ビス「ちゃんとレモンティーの味がするでしょ?このカクテ………」
提督「………zzz」
ビス「あら、Admiral?」
ビス「寝ちゃってる。疲れてたのかしら?」
提督「zzz」
ビス「しょうがないわね…ヒック、部屋まで運んであげるわ…ヒック」
ガチャ
ビス「はい、着いたわよ、ヒック」
提督「ウーン、………ムニャムニャ」
ビス「………可愛い寝顔してるわ、ヒック」
ビス「私も眠くなっちゃった………」
チュンチュン
提督「うーん、朝か?………頭痛てぇ…」
ビス「…zzz」
提督「………」
提督「なんでビスマルクが俺のベッドに?」
ビス「うーーん、あら、制服のまま寝ちゃって………Admiral!?なんで?」
提督「こっちのセリフだって!なんで俺の部屋に?」
ビス「えーっと、昨日は………提督にアレを出して…」
比叡「司令!おはようございます!今日もっ!気合ッ!入れて……」
ビス「Admiral、昨日の良かったでしょ?」
提督「ああ、うまかったな………あ、比叡…」
比叡「ひえぇーー!失礼しましたっ!!」
提督「あ、待て、比叡。絶対なんか誤解してるだろ!」
ドタバタ
<テェートクゥー、比叡に何したネー!
<待て金剛、比叡が誤解してるんだ!
大淀「………」
大淀「上手く行ったみたいですね。ビスマルクさん」ピラッ
『ロングアイランドアイスティーレシピ:ラム、ウォッカ、テキーラ、ドライジン、グランマルニエ、レモントニック、シュガー、コーラ、レモン』
明石「提督、買ってくれるかなー?」ワクワク
『発注:アイスティーサワー×10ケース』
リットリオ「ローマ?その缶いっぱい、どうしたんですか?」
ローマ「ビスマルクが日本の“オスソワケ”だって」
リットリオ「紅茶のお酒ですか?面白いですねー」
ローマ「そうね、ドイツの艦にしては気が利いてますね」ゴクッ
ローマ「………これだからドイツの艦は…」
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