「わんにゃんがるると禁忌の書物」 (5)


爺「王子、おやめくだされ!」

王子「止めてくれるな、私にはもうこれしかないのだ!!」



青年の前に、古びた3冊の書物が転がる。



王子「星を駆ける人食い獅子、レオ」
王子「神が恐れ封じた銀狼、フェンリル」
王子「死者をも屠る地獄の番犬、ケルベロス」


爺「どうか、どうか……」

王子「ええい、離せい!」





爺「いくら魔物を召喚しても、王子好みのかわいいおにゃのこは現われませぬ! どうか!どうか!」

王子「うるさい! 幼女への強い想いは、魔法に奇跡をもたらすのだ!」

爺「その強大な力と想いを国の未来に向けてくだされ! どうか!どうか!」

王子「爺や、控えよ!」バッ

爺「うぐっ! お、王子」ドサッ





王子「さあ今一度、この時代へと再臨せよ。神代の魔獣たちよ……!!」





爺「おおおお神よ、彼をどうかお救いくだされ……」

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王子「お、おおおおおお……」


爺「なんと、そんな……」


王子「おおお、おおおおおお」


爺「そんな、なんと恐ろしい……」



王子「ふおおおおおおおおおおお!!!!」



?「うん……」
?「ここは……どこ……」
?「ふぁふ、ねかして……」



爺「これが、これが神代の魔獣だというのか……」

王子「んあああああ幼女出たあああああああああ」

爺「いい加減うるさいですぞ!」





?「ん……おにいちゃん……?」トロン

王子「金色の柔らかい髪に覗く、真っ直ぐな瞳! ネコ科である事の伝承を示す、ピコピコお耳! 守りたくなる小さな身体、愛したくなる佇まい! まさに幼女!! THE・ようじょ!!」

?「あなたが、ご主人様ですか……?」オド…

王子「怯えた瞳と良い発育の身体、そのアンバランス! 美しく長い銀色の髪、深淵と誘われそうな白いおみ足、少し膨らんだ禁断の果実!! ああ私は狂ってしまいそうだ!!」

?「なんだよ、マスターか?」

王子「なんとなんと、一転快活そうな健康体! 見れば見える、私には見える引き締まった幼子特有の躰が!! うっすらと残る筋のすじ、そして自信と好奇心を宿したまなこ!!」



王子「あああああレディ達よ、私は王子! どうかその御名前をお聞かせください!!」

?「れお……」
?「えと、フェンリルです」
?「あたしは、ケルベロス!」

王子「おおお何と美しい……天よ!! 神は私を見捨てなかった!!」



…………


王「なにやっとんじゃいお前は」ゴン

王子「アウチ! も、申し訳ありません」

王「どーすんのよ、こんなに呼んじゃって」


れお「……」
りる「……」
ける「……」


王「まあお前の事だから意地でも返そうとはしないだろうけどさ」

王子「はいっ!!!」

王「元気良いなお前……そもそも召喚術を許してるのは、戦時中の今、戦力の増強になるからであって」

王「この子ら連れて戦場出れるのか? 出せないだろ?」


王子「そんな、このいたいけな子たちを戦場へなど……!?」
王子「うぐ!!」ブハッ


王「想像しただけで吐血してんじゃないよ。やめとけやめとけ、幼女3匹も飼うほど余裕ないの。分かったら、諦めて返してこい」

王子「そ、そんな……」





りる「あの、ご主人様」

王子「む?」


りる「あの、わたしたち、その」
れお「やるよ……」
ける「マスターのためなら、たたかうぜ」


王子「なんと!? それは、それだけは」

ける「でも、たたかわねーとダメなんだろ? あたしはいいぜー」

王「あ、そう。じゃあ決まったな」


王子「な」

王「その子たちを置いとくのは、軍に参加させるのが絶対条件。嫌なら返してこい」

王「ちょうど明日に大きな作戦がある。前線張れとは言わないから、お前も一緒に行ってこい」

王子「ななな、なんという事だ……」

王「返事ははい。お前らも、コレと一緒に居たいだろ?」



りる「は、はい」
ける「ん」
れお「……」ピトッ



王子「!」

王「よし、私はこの国の王だ。君たちを歓迎しよう。活躍に期待している」


りる「はいっ!」
ける「んー」
れお「……zzz」


王子「なんとしたものか……」


王『ベッドはおっきなの一つ送っとくから、部屋はお前んとこ使わせろ。言っとくけど、ヘンな事するなよ』


王子「しないっ!!!」

れお「!」ビクーン

王子「あ、ああすまない」

れお「……」



王子「しかしながら、どれだけ戦えるというのか……」

ける「あたし、つよいぜ!」
りる「わ、わたしも」

王子「本当なのか?」

れお「……zzz」


王子「ふむ。おい、お前今ヒマだな?」

兵士「はっ? 私は今装備の手入れを……」

王子「手合わせさせたい相手がいる。ただしお前は攻撃するなよ」

兵士「はっ!?」

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