if オネ
「もしも京太郎が女性に興味がなかった世界」

京太郎
「おう、おはよう咲」

咲
「あ、京ちゃんおはよう」

京太郎
「んー」

咲
「京ちゃんはもう部活、決めた？」

京太郎
「一応な。ほら、これ」

咲
「え？　…麻雀？」

京太郎
「うん。中々面白くてな、まだ始めたばっかりで全然勝てねーけど」

咲
「……麻雀部、入るの？」

京太郎
「そうすることにしようかとな。お前も来るか？」

咲
「うーん……私はやめておこうかな」

京太郎
「おーそうか。ま、ゆっくり考えな、時間はあるし」

咲
「う、うん……もう入部届けとか出したの？」

京太郎
「まだ。放課後にでも出すけどな」

咲
「ふーん………。私は文芸部とかにしようかなー？」

京太郎
「本の虫の咲にはお似合いだな。良いんじゃね？」

咲
「………京ちゃんと入部したかったのに…」ﾎﾞｿｯ

京太郎
「ははっ。いつまでも甘えてるんじゃねーぞ咲ー、高校入ったら自分で頑張るって宣言しただろ？」ｸﾞｼｸﾞｼｯ

咲
「あうあう…京ちゃん頭撫でないでよー…もー！」

京太郎
「本当に困ったら助けてやるからさ、ちょっとは自分で頑張れよ、咲？」

咲
「……うん…」

放課後

京太郎
「失礼しまーす」

久
「え？」

京太郎
「あ、竹井部長ですか？　俺、麻雀部に入部することになった須賀京太郎です」

久
「あぁ、須賀くんね。話は聞いてるわよ。私は竹井久、よろしくね」

京太郎
「はい、よろしくお願いします」

久
「えーと…須賀くんは麻雀歴は？」

京太郎
「まだ一週間ですよ」ﾊﾊｯ

久
「い、一週間か…うん、まぁ今は誰でも歓迎よ？　よろしくね」

京太郎
「はい、よろしくお願いします」

ガチャ

まこ
「おはようさん。ん？」

久
「おはようまこ」

京太郎
「あ、初めまして。須賀京太郎です」

まこ
「おう、新入部員か。歓迎するわ、私は染谷まこじゃ。よろしくのう」

京太郎
「はい」

まこ
「……っちゅうても、部員足りなくて麻雀やれんけどな」ﾊﾊｯ

京太郎
「あぁ、大丈夫ですよ。まずルールから覚えないといけないですから」

まこ
「おう……それならたっぷり教えがいがありそうじゃのぅ」

久
「……ふふ。えぇそうね。せっかくの新入部員だし、初心者だろうと関係ないわね。須賀くんが麻雀できるようになるまでミッチリ教えるわよ！」

京太郎
「お手柔らかにお願いします…」

数日後

京太郎
「……ここなら……これですかね？」

久
「そうそう、分かって来たわね須賀くん」

京太郎
「そりゃ毎日先輩方にしごかれてましたからね…」

まこ
「須賀は飲み込みが早いのぅ…」

京太郎
「昔から興味のあることは異様に覚えるのが早い子供でしたので」

まこ
「まだまだ駆け出しじゃが、このまま行けばどんどん強くなれるわ、須賀」

京太郎
「あんま褒めないでくださいよ……調子に乗るといけないんで」

久
「あら、照れてるのかしら？」

京太郎
「そんなんじゃないですよ……ほら、次やりましょう次」

バンッ

優希
「失礼するじぇー！」

和
「あ、優希！　もう…」

久
「ええと……？」

まこ
「お…もしかして、原村和か？」

和
「あ、はい。入部希望なんですが…」

久
「そんな話あったかしら……まぁ良いわ。歓迎するわよ」

優希
「まーったく…ようやく入部できたじぇ……のどちゃんが恥ずかしがるから連れて来るのに苦労したじぇ！」

和
「う……」

京太郎
「ようやくこれで四人で卓囲めますね」

久
「えぇそうね。じゃあ自己紹介しておきましょうか」

京太郎
「ですね。じゃあまず一番下っ端の俺から…須賀京太郎です。名前は適当に呼んでください」

まこ
「なら四天王の中でも最弱なわしじゃな。染谷まこじゃ、よろしくのぅ」

久
「四天王の人数に達してないけどね……私は部長の竹井久よ、よろしくね」

和
「よろしくお願いします。私は原村和です」

優希
「私は片岡優希だじょ！　よろしくするじぇ！」

和
「ゆーき！」

京太郎
「よろしく。えーと、多分同じ学園だよな？　タメで良いか？」

和
「あ、はい。だいじょうぶですよ、須賀さん」

京太郎
「(さん……ま、良いか……)よろしく、原村さん」

優希
「よろしくな、京太郎！」

京太郎
「(こっちは呼び捨てか…対極だな、この二人)おう、よろしく、片岡」

久
「せっかく四人でやれるし、さっそくやっちゃいましょうか」

京太郎
「良いですね。四人麻雀はアプリでしかやれてなかったので」ﾊﾊｯ

まこ
「さみしいのぅ…」

久
「原村さん…は、聞くまでも無いわね、全中チャンプの原村さん」

和
「は、はい」

久
「片岡さんはどれくらい打てるのかしら？」

優希
「けっこうやってるじぇー！」

久
「なら安心ね」

京太郎
「………」ガタッ

久
「あ、良いわよ。まずは須賀くん、まこ、原村さん、片岡さんの四人でやってみてちょうだい」

京太郎
「いや、良いですよ。部長もやりたかったでしょうし」

久
「良いの良いの。こうやって部員がやってるのを後ろで見るっていうのも夢の一つだったしね」

京太郎
「はは、大げさですね。でも分かりました、ここは部長の夢を叶えましょう。ありがとうございます、部長」

京太郎
「うし、じゃあよろしくお願いします」

和
「よろしくお願いします」

優希
「よろしくだじぇ！」

まこ
「よろしくのう」

東一局

優希
「リーチだじぇ！」

まこ
「早いのぅ……」

京太郎
「……………(んー……片岡にこれあたりそうだな……安目に見えるけど……)」

京太郎
「(流石に親振りたくはないから、崩すか、仕方ない)」

優希
「染谷先輩ローンだじぇ！」

まこ
「まだ安手で助かったわ……」

東二局

京太郎
「(牌の感じ悪いなぁ……片岡に引っ張られてる感じするな)」

優希
「今度は三順目リーチだじぇ！」

和
「………」コト

優希
「のどちゃんローン！　裏乗って跳ねたじぇ！」

和
「流石に読めません……」

京太郎
「(……こりゃ流石にキツいなぁ……でも)」

京太郎
「(ちょっと調子乗りすぎだな、片岡)」

ゴッ！！

東三局

優希
「(うっ……親回ってきたのに配牌悪いじぇ……)」

優希
「(タコスパワー切れ…？)」

京太郎
「っと、すいません、二順目リーチです」

まこ
「ん！？」

優希
「あー！　それ私のおかぶだじぇ！」

和
「………」

京太郎
「悪いな片岡、ほら、早く出せよ」

優希
「ぐぬぬ………これだじぇ！」

京太郎
「おう、それだ。ロン。裏が…ん、乗ったな、倍満だ」

優希
「ぎゃー！」

・・・・・・・・・・

久
「結局須賀くんと原村さんから全部毟られたわね、片岡さん」

優希
「うぐぐ…こんな筈ではー……」ガクッ

京太郎
「片岡、ちょっと荒すぎじゃねーか？　最初は勢いづいて好スタートだったけど、俺にあがられて一気に失速、そのあとは暴牌も目立ったしな」

和
「そうですよゆーき。もうちょっと集中して場を見ないと」

優希
「うぐぐ…」

久
「まぁ実力は分かったわ。今後の課題もね」

京太郎
「ま、出だしは良かったしさ、あとは基本を大事にしようぜ、片岡」ｸﾞｼｸﾞｼ

優希
「な、なんだじぇ！　頭なでるなー！」

京太郎
「おお、悪い悪い。ちょっとしょげてるように見えたからさ。一緒に頑張ろうぜ」

優希
「お……」

京太郎
「俺もまだまだ初心者だからさ、色々教えてくれよ？」

優希
「……し、仕方ないじぇ！　ならこの可愛い優希ちゃんが色々教えてやるじょ！」

京太郎
「ま、最初は基礎から一緒に学ばないといけなさそうだけどな」ﾊﾊｯ

優希
「そうだじぇ…のどちゃん、教えてほしいじょー！」ｶﾞﾊﾞｯ

和
「ゆ、ゆーき！　いきなり抱きつかないでください！」

京太郎
「なら俺も教えてもらおうかな。実はやってる時、原村さんかなり綺麗で周りを良く見てる打ち方してるの見てさ、終わったら教えてもらおうと思ってたんだ」

和
「あ、そ、その……」

京太郎
「っと、まだ慣れないよな。だいじょうぶだいじょうぶ、麻雀と同じでゆっくり慣れていこうぜ？」

和
「ご、ごめんなさい……」

久
「……ようやく、部活っぽくなってきたわね、まこ」

まこ
「そうじゃのぅ。期待の新人が三人も入ってきて、こりゃわしらもうかうかしとれんな」

久
「そうね。じゃあ次は私とあなたたち三人でやりましょうか！」

まこ
「じゃあわしは見学させてもらうわ」

京太郎
「あ、はい。お願いします！」

優希
「今度は負けないじぇ！」

久
「ふふ、簡単には負けてあげないわよ？」

ここまでにします。
遅筆で短くてすいません。
京ちゃんが強くなってるのは本来あったエロパワー全部麻雀に使ってるからです。
ではまた近いうちに。

なんでホモが溢れてるんですかねぇ……
イメージ的には「和？　あー確かに可愛いな」くらいの京ちゃんのイメージです
ホモはノーセンキュ。ノーキュ

リクエストしても良いですよー。
まだしばらくはホモ疑惑な京ちゃん続けますけど、その後にでも。

数日後

京太郎
「おはようさん咲」

咲
「京ちゃん。おはよう」

京太郎
「おう」

咲
「……麻雀の本読んでるんだね」

京太郎
「おー」

咲
「……麻雀部、どう？」

京太郎
「どうってことも無いぞ。部員五人になって楽しくやってる」

咲
「ふーん。全部女の子なんでしょ？」

京太郎
「なんで知ってるんだ？」

咲
「やっぱり………」ﾎﾞｿｯ

京太郎
「やっぱり？　まぁ良いか。咲はどうするんだ？」

咲
「………まだ決めてないよ」

京太郎
「そうかい。ただ、早めにしておいた方が良いぜ？」

京太郎
「遅くなって人間関係出来上がっていずらくなる、ってこともあるだろうしな」

咲
「……うん」

京太郎
「(なんか咲の奴元気ねーな……)」

京太郎
「ま、困ったらいつでも頼れって。一人で行けないってんなら、付添いくらいならしてやるから」ｸﾞｼｸﾞｼ

咲
「うにゅう～…髪乱れちゃうよぅ～」

京太郎
「頑張れ咲。お前は駄目な子じゃない、できるできる」

咲
「京ちゃんはお父さんなのかな…」

京太郎
「駄目な娘を持つ父親の気分ってこんな感じなのかな」

咲
「駄目って言っちゃった！」

京太郎
「ハハハ、冗談だって」

咲
「もー！」

帰宅

京太郎
「んー………最近は片岡にも勝てなくなってきたな……染谷先輩もマジになると強いし、原村は手も足も出ないし…」

京太郎
「…まだ素人だから仕方ないか。勉強勉強」

京太郎
「………これはこうかな……ふむふむ」

京太郎
「なるほど……ここはこうか？　……え、ちょっとまて次はこれ来ますからってそんなの分かる訳―――」

ドンッ！

京太郎
「っと！」

？？
「いたっ！」

京太郎
「すいません。だいじょうぶですか？」

？？
「大丈夫です。こちらこそごめんなさい」

京太郎
「いえ、別に大丈夫です。怪我は無かったですか？」

？？
「私は大丈夫です。そちらは…？」

京太郎
「問題ないです」

？？
「それなら良かったです」

京太郎
「はい。それでは失礼します」

？？
「……綺麗な金髪……どこかで見たことがあるような……」

？？
「気のせいかしら？」

短いけどここまでにしときます。
何も進んでない。

京太郎
「さてと……ネト麻でもするか」

ピンポーン

「京太郎ー咲ちゃんよー」

京太郎
「んー？　はーい」

タッタッタ

京太郎
「おー、どうした咲？」

咲
「暇だから遊びに来たんだけど…良い？」

京太郎
「おうそうか。ま、あがってくれ」

咲
「うん。お邪魔します」

京太郎の部屋

京太郎
「つーか連絡くらいすりゃいいのに」

咲
「ケータイ、家に忘れたから…」

京太郎
「お前相変わらずな」

咲
「たまにだよー！」

京太郎
「はいはい。んで、何する？　バイ○？　Ｆ○？　○Ｑ？　Ｓ○Ⅲ？」

咲
「なんでゲームばかりなの！？」

京太郎
「つっても、なにもすることなくね？」

咲
「その…お話とか…」

京太郎
「話か……なんかあった？」

咲
「う…それはその…」

京太郎
「ないのかよ……とりあえず座れよ」

咲
「…うん」ボフ

京太郎
「なんで俺の隣？　良いけど」

咲
「京ちゃんは、最近学校、どう？」

京太郎
「それなりに楽しくやってるぜ。って母親かよ」ハハッ

咲
「……それなら良かったけどね」

京太郎
「お前は相変わらずぼっちだよなー」

咲
「うるさいなぁ…」

京太郎
「お前まさか隠れて便所飯とかやってんじゃねーか？」

咲
「やってないよ！　って一緒にご飯食べてるじゃん！」

京太郎
「それなー。つーか、お前いつまでぼっちでいんだよ……流石に周りも友達作り出して入る隙なくすぜ？」

咲
「……京ちゃんは良いよね、誰とでも仲良くできるし」

京太郎
「あのな、嫌味言いに来たのか？　なら聞くけど」

咲
「聞いてくれるんだ」

京太郎
「たりめーだろ。唯一(笑)のダチの俺がお前見放してどーすんだよ」

咲
「今かっこわらいつけなかった？」

京太郎
「つけてないから(笑)」

咲
「笑ってるじゃん！」

京太郎
「悪かった悪かった。そんで？　その友達作れなくて絶賛ぼっち日数継続中な咲さんは友達でぼっちとは無縁なこの俺にただ嫌味を言いに来たのかい？」

咲
「……違うけど…」

京太郎
「怒るなって。どうにかしたいんだろ？」

咲
「……ちょっと違う」

京太郎
「ちょっと違うのか。やべぇ、ならもうわかんねぇ…」

咲
「………友達なんていなくても…京ちゃんがいればいいもん…」ﾎﾞｿｯ

京太郎
「あのなぁ……だから、いつまでもそのままじゃいられないから俺がいつも言ってるんだろー？」

咲
「なら京ちゃんと結婚するもん！　京ちゃんの奥さんになれば良いもん！」

京太郎
「スゲー大事なことを恐ろしい理由で決めやがった……って、んな訳にもいかねーだろ…」

咲
「なんでさ！」

京太郎
「自分で考えてみろって…」

咲
「とにかく！　私には京ちゃんがいればいいの！」

京太郎
「はぁ……こりゃ駄々っ子モードになっちまったな……分かった分かった、とにかく落ち着け咲」

咲
「………」

京太郎
「良いか、咲？　たしかに友達を作るって、スゲー難しいことかも知れないな」

京太郎
「俺みたいな、気づいたら友達になってたってパターンで友達作れる奴はわかんねーけど、意識して友達になろうとすんのはむずいよな」

京太郎
「んで、友達になったあとも人付き合いとか面倒な時もあるしさ」

京太郎
「だけどな？　そうやって面倒なこととか抜きにすると、一人でできないこととか、楽しいこととか、色々経験することができんだよ」

京太郎
「俺はな、咲。お前にはそういう、楽しいこととか面白いこととか、どんどん発見してもらいてーんだよ」

京太郎
「俺もお前の友達だけど、残念ながら俺だけでお前の友達との思い出枠を埋めてやることはできないんだ」

京太郎
「できることなら協力するし、失敗したら慰めてやるからさ。な？　やってみようぜ？」

咲
「………ぶする…」

京太郎
「え？」

咲
「麻雀部に入部する！！！！！！！」

京太郎
「どわっ！　き、急にどうした！？」

咲
「うるさい！　京ちゃんの馬鹿！！！！」

京太郎
「馬鹿ってことはないだろおい！？　って、帰るのかよ！？」

咲
「帰るよ！」

京太郎
「ちょっと待てって！」ｶﾞｼｯ

咲
「離してよー！」

京太郎
「ったく……ガキみたいなことしてんじゃねーって！　逃げ癖はあるわヘタレだわ…本当残念女子だなお前は…」

咲
「うるさいもん！」

京太郎
「はー……まぁ麻雀部に入部することを止めはしないけど、それはお前の意志なんだよな？」

咲
「そうだよ！」

京太郎
「分かったから怒るなって。ほらクールダウンクールダウン」ｸﾞｼｸﾞｼ

咲
「あうう……」

咲
「…寂しかったんだもん……」

京太郎
「え？」

咲
「…京ちゃん、ぜんぜん構ってくれなくて…」

京太郎
「朝と昼は絡んでただろ？」

咲
「前はずっと一緒にいたもん…」

京太郎
「その状況が流石にまずいと思ったからこそ、高校デビューする、って話しただろ、入学する前にさ」

咲
「………うん」

京太郎
「ふぅ…仕方ないか。んじゃまず、俺の目の届く範囲で頑張ってみるか。俺もいきなり距離離しすぎた気もするし」

京太郎
「普通は今くらいの距離で適切な気もするんだけどな……」

咲
「…ごめんね、京ちゃん……迷惑かけてばっかりで…」

京太郎
「ワガママお姫様の御守りは昔から俺の役割ですからね」

咲
「…ばか」

京太郎
「はいはい。んじゃ明日、入部届け提出して一緒に部活行こうぜ？」

咲
「…いいの？」

京太郎
「良いも悪いもねーよ。お前がこうなってんのも俺も悪い気がするし、俺と一緒なら大丈夫だろ？」

咲
「…うん！」

京太郎
「よーやく笑ったなーこのこの」ｸﾞｼｸﾞｼ

咲
「いたいよぅ…えへへ」

京太郎
「お前可愛いんだからさ、男子と仲良くすりゃモテモテだろうになぁ。もったいないことだ」

咲
「………」ﾎﾞｿｯ

京太郎
「あん？　なんか言ったか？」

咲
「なんでもない！」

京太郎
「そうか？　あー、可愛いって言えば、部活入ってきた原村和さんって人、ヤベーぞ？」

咲
「……」ﾋﾟｸｯ

京太郎
「美人つーか、アイドル？　周りの男子みんな見てたし。お前知ってるか？」

咲
「………知らない。京ちゃんの馬鹿」

京太郎
「あれ、また怒ってる。何故だ……女の子って分からん…」

咲
「………(原村…和…)」ｷﾞﾘｯ

寝る前にちょっとだけ投下。
おかしいな。なんでこんなことになったんだろう。

おやすみなさい。

今日はＴＲＰＧやるんでおやすみします

セッションかルールは何？
クトルゥフ？
ソードワールド？
ガープス？
Ｄ＆Ｄ？
他にもあるんだろうけど俺の知識じゃこの程度だ

>>42
シノビガミ

続けます

次の日

京太郎
「おー咲、おはよう」

咲
「おはよう京ちゃん」

京太郎
「お前マジで麻雀部入るの？」

咲
「駄目？」

京太郎
「おぉ…目が据わってる……まぁ止めはしないけどな、うん」

咲
「入部届け貰ってくる」

京太郎
「おー……」

・・・・・・

咲
「出してきたー。…あ」

男子生徒
「キョータロー……もう恋なんてしねー……」ｸﾞｽｸﾞｽ

京太郎
「その女はほら、あんまりよくない奴だったんだって。落ち込むなよ、いくらでも恋はできるんだから」

男子生徒
「もー俺は京太郎と結婚するぅー……」

京太郎
「お前は咲か…俺に男趣味はねーの。おら、元気出せー」ｸﾞｼｸﾞｼ

女子生徒
「京太郎くん…話聞いて…」ｽﾞｰﾝ

京太郎
「おー…こっちにも真っ暗闇。どうしたどうした？」

咲
「……(京ちゃん、大人気。中学の時と一緒)」

咲
「……あ…！」

京太郎
「おら、元気出せって。おらおら」ｸﾞｼｸﾞｼ

女子生徒
「ううう……京太郎くんの手あったかー」

咲
「……………」

京太郎
「………」

咲
「………」ゴッ

京太郎
「………(なんだこの威圧感。死んじゃう)」

京太郎
「つ、つきましたよ、お姫様…」

咲
「さ、行こう京ちゃん。すぐそこだよ」

京太郎
「なんでそんなこれから魔王倒しに行く勇者みたいになってるのお前……」

咲
「良いから早く！」

ガチャ

京太郎
「引っ張るなって！　いてて…失礼しまーす」

咲
「失礼します！」

久
「あら？　ええと…にゅうぶき」

咲
「今日から麻雀部に入部した、宮永咲です！　よろしくお願いします！」

まこ
「お、おお…」

久
「よ、よろしくね？」

京太郎
「(あれこいつこんなキャラだっけ)」

京太郎
「さ、咲はりきっ」

咲
「早速麻雀やりましょう部長！　部長誰ですか！」

久
「私だけど…」

咲
「原村さんは！？」

まこ
「ま、まだ来とらんわ」

咲
「待たせてもらいます！」

京太郎
「ええー……」

京太郎
「なぁ咲…どうしたんだよお前？」

咲
「……麻雀が私から全て奪おうとするなら、麻雀で全て奪い返せばいいんだよ？　京ちゃん？」

京太郎
「なにその理論。やだ怖い」

すいませんここまで。
ダラダラ書いてたらすごい遅れました

ガチャ

和
「おはようございます」

優希
「おはようだじぇー」

京太郎
「おう、おはよう」

優希
「ん？　新入部員か？」

京太郎
「おう。宮永咲だ」

咲
「…よろしくね」

優希
「よろしくだじぇ！　私は片岡優希！　こっちのおっぱいが大きいのが」

和
「ゆーき！　もう！　……原村和です。よろしくお願いしますね、宮永さん」

咲
「……原村…さん、よろしくね」ﾆｯｺﾘ

京太郎
「(なんだ、普通にできんじゃねぇか。俺といるからかな…ま、なんにしても良かった)」ｸﾞｼｸﾞｼ

咲
「わっ！　な、なに？」

京太郎
「おっ……悪い、なんでもない。よーし、じゃあ部長、早速やりましょう」

久
「ええ。じゃあせっかくだし、一年組で初対局といきましょうか」

京太郎
「分かりました」

優希
「やったるじぇー！」

東一局

京太郎
「……(３か……一通見えるけど、早上がりのほうがいいか…？)」ﾁﾗｯ

咲
「………」ゴッ

京太郎
「(咲が不穏なんだが。駄目だなこりゃ、さっさと和了って流した方が良さそうか)」コトッ

咲
「ぽんっ」カチャ

京太郎
「(鳴き…？　しかもオタ風、咲初心者か…？　あんまそんな感じしなかったが)」

優希
「咲ちゃん、それオタ風だじょ？」

咲
「え？　あ、うん。だいじょうぶだよ」

優希
「ん、ならいいじぇ」

京太郎
「(分かっててやったのか。ってことは混一か、対々か…)」ｺﾄｯ

咲
「…カン！　もいっこ加カン！　ツモ！」

京太郎
「……………」

咲
「……京ちゃんの責任払いだね」

しーん………

すいません、パソコンの無線と戦ってました。
再起動されるらしいので慌てて書いてる途中の奴投下しました。
今はここまでにします。
多分夜にまた再開しますね。

１２時まで暇になったので、ちょっとだけ書きます

京太郎
「……いやいや…なにその私狙ってましたみたいな顔」

咲
「え？」

京太郎
「え？」

久
「まさか…本当に？」

咲
「あ…ええと…私、なんとなく分かるんですよ。カン材が入りそうだな、って」

京太郎
「……嘘、だろ？」

和
「そんなオカルトありえません！」

咲
「さ、まだ東一局だよ？　続けよう？」

優希
「よく分からんけど、撃墜してやるじぇー！」

咲
「…(あぁ、京ちゃんが私を見て驚いてるよ……良いな、こういう顔も…ふふ)」

東二局

京太郎
「……………」ﾁﾗ

京太郎
「(咲の言ってることがハッタリじゃないとすると……咲にとっての嶺上開花は十分実現性のある役ってことになるよな…)」

京太郎
「(………いやいや…原村さんみたいに、オカルトと切り捨てると痛い目にあいそうだよなぁ……)」

京太郎
「(…だけど、このまま負ける訳には…いかねーよな…！)」ゴッ

京太郎
「(にしても……咲の言ってることが本当なら、だ…ある程度、牌が透けてるってことだよな…)」

京太郎
「(まさか、ネットで書かれてた都市伝説が実在したとは……ハハ、ただのヘタレお姫様じゃなかったってことだよな)」

京太郎
「(………で、だ。そうなると、鳴いて順番をズラしてやれば、咲の調子も狂うんじゃないか？)」

京太郎
「(ん…！)チー！」

優希
「ん、チーか」

咲
「ごめん、先にカン！」

優希
「おっ」

京太郎
「ぬ…」

咲
「…カン！　ツモ！　倍満だよ！」

優希
「ってぎゃー！　大参事になったじぇ！」

京太郎
「(チッ……遅かったか……)」

京太郎
「(だが…いつまでも調子に乗らせるか…！)」ゴッ！

東三局

京太郎
「うし、リーチ！」

優希
「おっかけリーチだじぇ！」

和
「(須賀くんもゆーきも調子が良さそうですね。……それに…)」ﾁﾗ

咲
「……ん」コト

和
「(宮永さんは、二人のリーチを特に気にかけていないみたいです…)」

京太郎
「………っし。(チラ)…カンッ！　もいっちょ、カンッ！」

和
「(！？)」

咲
「あ！？」

優希
「んお！？」

京太郎
「ツモ！　……三倍満のドラ爆だな」

優希
「ぐぅ……虫の息だじょ…タコスパワー足りんじぇ…」

久
「須賀くん、あなたも！？」

京太郎
「どうですか、部長？　けっこう決まったと思うんですけど」

咲
「きょ、京ちゃん、なんで！？」

京太郎
「え？　あー…んー…なんで、って……言われてもなぁ？」

和
「………(そんな、狙って…？　い、いえ…そんなオカルト……！)」

東四局

京太郎
「(咲の首根っこ捕まえた…！　点差は僅差だ……片岡か原村さんを飛ばせば、勝てる…！)」ゴッ！

咲
「(ぐっ……そんな…京ちゃんに嶺上開花を……それは…私の……ぜったいに…させない！)」ゴッ！

京太郎
「(………あぁ…勝てる……大丈夫だ、問題ない。俺にも…見える…何かが…！)」

久
「(これは………須賀くん、あなたは…)」

京太郎
「咲、それ、カンだ」

咲
「う…！」

京太郎
「…ツモ！　安いけど、仕方ないな」ﾆｯｺﾘ

咲
「(……………)」

南一局

京太郎
「(………点差は微妙にだが、逆転した…このまま、一位で駆け抜ける！)」

咲
「…………」

和
「(このままだと、負けて……何もできずに負けるなんて…！)」

京太郎
「ポン！」

優希
「(ぐぐぐ……手牌が悪いじぇ…このまま吹っ飛ぶのは嫌だじょー！)」

和
「(………！)」

京太郎
「カン！　加カン！　…ツ」

和
「ロン！」

京太郎
「ん……！？」

京太郎
「………あ！　槍槓…！？」

和
「跳満です、須賀くん

ミスりました。というか京太郎の手番どこだよみたいになってますけど、適当に脳内補完していただけると嬉しいです。

和
「跳満です、須賀くん」

京太郎
「クソ…並ばれたか…残念」ﾊﾊｯ

優希
「のどちゃんすげーじぇ、狙ってたのか？」

和
「どうでしょう？」

京太郎
「やっぱ原村さんは一筋縄じゃいかないなぁ」

咲
「(……………)」

南二局

京太郎
「(……なーんて言ったけど。スッゲェ悔しい！　今の和了って勝ってたのに…！)」

京太郎
「(………大丈夫だ、槍槓なんでそう出るもんでもない。このまま嶺上開花で…)」

咲
「………」ゴッ！！

中途半端ですが、ここまでです

夜更新するって言ってましたけど、今日は無理そうです。
起きたら更新します。

そろそろオネ終わりそうなので、もうしばらくお付き合いを。

昨日は、前日にオールでゲームやって、次の日も夜２時までゲームをして、死ぬかと思いました。
今更ですが、どっちもゾンビゲーだったので、死んだ後はゾンビになれる気がします。

２３時まで空いたんで続けます

京太郎
「(……さ、き…？　なんだ…この、重圧感…！)」

京太郎
「(息をするのが……辛い…！)」ｶﾊｯ

咲
「京ちゃん、どうしたの？」

京太郎
「え？　あ、いや…」

優希
「京太郎の番だじぇ！　はやくしろー！」

京太郎
「お、おう……悪いな…」

京太郎
「(く…とにかく集中しないと…)」

京太郎
「(次の片岡の牌をカンして)」ｺﾄ

咲
「ポン」

京太郎
「あ……」

咲
「………？」ﾆｺｯ

京太郎
「(終わった……)」

咲
「……加カン！　ツモ！」

京太郎
「……………」

南三局

京太郎
「(さっきまで完全に俺のペースだったのに、咲の独壇場じゃねぇか……！)」

京太郎
「(飛ぶ寸前の片岡を見下ろしてたと思ったら、一気に転落させられた…！)」

京太郎
「(クソッ…このまま落ちっぱなしは嫌だ……！　なんとか切り返さないと…！)」

京太郎
「(…あ！)」

京太郎
「(………片岡は…)」

優希
「………」ﾁｰﾝ

京太郎
「(あぁ駄目だ、完全に死んでる。原村さんは……)」

和
「そんなオカルト……そんな…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

京太郎
「(キレてる。咲を止められる気がしねぇ…！)」

咲
「カンッ！」ゴッ！

京太郎
「(だったら……)」

咲
「加カン！」

京太郎
「俺が止めるしかねぇだろ！　ロン！」ゴッ！！

咲
「………」ﾑｰ

京太郎
「悪いな、咲！　……っし、うまくいったぜ！」

久
「彼らは何をやっているのかしら」

まこ
「麻雀のような何かじゃな…」

南四局

咲
「………」ゴッ！！

京太郎
「(…っちゃー…さらに圧力強まったぁ……あーこりゃもう…)」

咲
「ポン！」

京太郎
「(止められねぇな)」

咲
「ポン！」

京太郎
「(だけど、次は…負けないぜ、咲)」

咲
「京ちゃん、それポン！」

京太郎
「(もっと勉強して、もっと強くなってやる……んで、絶対越えてやる！)」

「ロン！」

京太郎
「(……………)」

京太郎
「って、ロン！？」

和
「これで、逆転ですね……宮永さん！」

咲
「………」ﾎﾟｶｰﾝ

京太郎
「って飛んだぁ！？」

優希
「じぇー！？　繰り越し三位だじょ！」

京太郎
「あ、テメェなに三位になったからって喜んでやがる！？」

京太郎
「くしょぉ……一位からの大逆転劇だったよ……」

咲
「………(負け…ちゃった…)」

京太郎
「にしても咲！　お前強かったんだな！　嶺上開花ぽんぽん出してよ！　まぁ俺も運よく出せたけどな！」

咲
「……京ちゃん」

京太郎
「はっ！　麻雀って、楽しいよな、咲！」

咲
「………そうだね、楽しいね」ﾆｯｺﾘ

和
「フッ……私が勝ちました」ﾄﾞﾔｧ

優希
「おぉ…のどちゃんがドヤ顔なんて初めてみたじぇ…」

和
「あ……失礼しました！　……私はあなたを否定します！」

咲
「えー！？」

優希
「じぇー！？　のどちゃんが壊れたじぇー！？」

和
「間違えました！　これから切磋琢磨してお互い頑張りましょう！」

咲
「えっ！？　あっ！　はい！」

優希
「キャラクター崩壊だじぇ！　落ち着けのどちゃん！」ｽｺｰﾝ

和
「ハッ！　わ、私は何を…」

京太郎
「だ、大丈夫か？」

和
「近い！」ﾊﾞﾁｰﾝ!

京太郎
「痛い！」ﾄﾞｶ

久
「フフ……フフフ……」

久
「これから楽しくなりそうね、まこ」

まこ
「くく、そうじゃな」

久
「はいはい！　とりあえず顔見せも終わったし、練習はじめましょ！」

京太郎は、それから麻雀部で勉強を始めた。
これから立ちふさがる強敵(とも)達との戦いに備え……。
幾度も立ちふさがる困難…そのたびに乗り越えてきた。
そして………

衣
「よく来た！　京太郎！」

京太郎
「ころねぇ……」

衣
「さぁ、座れ！　戦いの場はそこだ！」

京太郎
「まずは麻雀から、ね……分かった。やろうか」

透華
「京太郎……お久しぶりでしたわね」

京太郎
「……ん」

京太郎
「じゃあ、やるか！」

京太郎の戦いは、これからだ！

完！！！！！！！！

終わりました。

この後のことは、特に考えてません。
一応、「京太郎、オフ会をする」とか考えてますが、リクエストがあればやります。
できるだけ詳しくリクエストしていただけると妄想が膨らみますので、よろしくお願いします。
何もなければオフ会します。
ではお付き合いありがとうございました。

それと、オネについては終わりにしても良いんですが、一応続きも適当に考えてます。
またいつか、近い未来再開するかも知れません。

仮面ライダー見ないので分からないです、すいません

京太郎が清澄でも運動部に入りエースになるが、ヒッサの策謀で、部活時間外は咲の面倒を見る羽目になる。

こちらを使わせていただきます。

if トウォ
「もしも京太郎が進学してもハンドボールを続けていたが、久にハメられて咲の面倒を見ることになった世界」

京太郎
「

(※私はハンドボールを知りません)

京太郎
「パスパス！　っし……っけぇ！」

バスッ

ウォオオオオオオオ！！！

京太郎
「ナイスパス！」

男子
「ナイッシュ！」

・・・・・・・・・

京太郎
「っふぅ…お疲れさまでした！」

咲
「お疲れさま、京ちゃん」

京太郎
「あれ？　咲じゃん、どうした？　麻雀部は？」

咲
「う、うん……まだ、どうしようかな、って」

京太郎
「まーだ悩んでるのか？　やるって決めたらやっちまえって！」

咲
「ううう……でも……」

京太郎
「また咲のイジイジモード始まった…もう良いから帰ろうぜー」

男子
「お、京太郎、今日は嫁さんと一緒か？」

京太郎
「嫁さんちげーって、茶化すなよ！」ﾊﾞｯ

男子
「おっと、邪魔する奴は馬に蹴られちまうなっと！　じゃあね、宮永さんとついでに京太郎！」

京太郎
「オマケかよー！　ったく、仕方ねぇやつ」

咲
「か、かえろ？」

京太郎
「ん？　お、おう…なんだよ急に…」

・・・ヒソヒソ・・・
　　・・・ヒソヒソ・・・

京太郎
「にしても、一緒に帰るの随分久しぶりだなぁ」

咲
「中学の時はずっと一緒に帰ってたからね」

京太郎
「マネージャー、なんで続けなかったんだ？」

咲
「……一緒にいると、噂されるから」

京太郎

んん、なんか調子悪いですね

京太郎
「なんだそりゃ？　あぁ、恋人ってこと？　んなもん、噂された傍から否定してやりゃいいじゃねぇか」

咲
「………そうだけどさ」

京太郎
「ま、いいや。俺は咲の新しい門出はいわわせてもらうぜ。頑張りな、咲」

咲
「うん…」

京太郎
「元気ねぇなぁ………」

咲
「…………」

京太郎
「…………」

咲
「…………」ｽﾞｩｳﾝ

京太郎
「だぁああああ！　相変わらず暗いなお前は！　おら、笑えコラ！」ｸﾞﾆｸﾞﾆ

咲
「ひはいよぅひょうひゃん！」

京太郎
「はー……よくわかんねぇけどさぁ…なんなら俺も付き添って部室一緒に行ってやるか？」

咲
「え？　…良いの？」

京太郎
「面倒くせぇけど、幼馴染が困ってんなら、助けてやるよ」

咲
「……………うん」

咲
「ありがとう！　ええと…じゃあ、明日…」

京太郎
「はいはい、明日な。りょーかい」

咲
「……京ちゃんは、いつまでも優しいね」

京太郎
「別に、これくらい普通だ普通」

・・・・・・

翌日

京太郎
「ほら、早く行けよ咲」

咲
「ううう…ちょ、ちょっと待って…心の準備が…」

京太郎
「うるせぇ、早く…入れっての！」

バンッ

京太郎
「失礼しまーす」

久
「…あら？　あなた確か…ハンドボール部の期待の新人とか言われてる、須賀京太郎くん？」

京太郎
「そんな風に言われてるんスか…えぇまぁ、その須賀京太郎です。で、こっちが宮永咲。ほら、咲」

咲
「あ、あうう……」

京太郎
「早く挨拶しろって！」

咲
「……う、うん…ええと…み、宮永、咲です……この度は、お、お日柄もよく…」

京太郎
「あーもうまどろっこしいなぁ！　入部希望ッス！　先輩、こいつを一人前の大人にしてやってください！」

まこ
「なんかおかしな意味に聞こえてきそうじゃのぅ……って、入部希望かい」

京太郎
「はい。っても、俺はちがくて、こっちの咲が、なんですけどね」

久
「あら、付添い？　熱いわね」

京太郎
「そんなんじゃないッスって。こいつほら、見て分かる通りあがり症で引っ込み思案でヘタレな奴なんですよ」

京太郎
「麻雀部に入りたいって言ってるのに、いつも悩んで結局行かないってんで、ひと肌脱がないとな、と」

久
「そうなの。よろしくね、宮永さん？」

咲

あー……改行するときに左手がシフトに触れる時があるみたいですね、すいません

咲
「は、はいぃ…よろしくお願いします…」

京太郎
「じゃあ俺部活だから、咲、頑張れよ？」

咲
「きょ、京ちゃんいっちゃうの？」ｳﾙｳﾙ

京太郎
「そんな捨てられた子犬みたいな目してもダメだっつの。ほら、気張ってこい、咲！　では先輩方、失礼します！」

バターン

優希
「げ、元気な奴だったじぇ…ちょっとかっこよかったな、のどちゃん」

和
「え？　なにがですか？」

優希
「まったく見てなかったみたいだじぇ…」

久
「とりあえず、部活を始めましょう。宮永さん、自己紹介を―――」

・・・・・・

数日後

久
「………うぅん……宮永さん、全然馴染めないみたいねぇ……」

久
「才能はありそうなんだけど、やっぱり性格的に厳しい…のかしら」

久
「どうしたものかなぁ…」

っかれさまでーす！

久
「ん？」

京太郎
「あれ？　竹井先輩ッスか。お疲れさまです」

久
「お疲れさま。一人かしら？」

京太郎
「はい。咲もそっち、順調そうみたいで、良かったです」

久
「え？」

京太郎
「……っつーことは、またあいつ、嘘ついてるみたいですね」

久
「…あー…はは、ごめんなさい」

京太郎
「いえ別に大丈夫ですよ。あいつ昔から周りの目ばーっか気にしてんスから。帰ったら説教だな」

久
「ねぇ、ちょっと話さない？」

京太郎
「お、放課後デートって奴ですか？」

久
「え！？　そ、そういうつもりじゃ…」

京太郎
「冗談ですよ？　はは、先輩なかなかウブなんですね」

久
「あ……もう、先輩をからかわないの」

京太郎
「はい。じゃあ帰りましょうか。家はどっちですか？」

・・・・・・

久
「宮永さんって、昔からあんな感じなの？」

京太郎
「俺の知ってる限りではそうですね。中学ん時はハンドボールのマネやってたんですけど、俺以外とは極力話そうとしないんで、皆もそんな感じで咲を扱ってたなぁ」

京太郎
「で、高校に入ったら…ま、ちょっと色々あって、麻雀部に入りたいって言いだして、応援してたまでは良かったんですけど…」

久
「そうだったの……困ったわねぇ」

京太郎
「咲、馴染めて？」

久
「優希と和はそれなりに話しかけてはいるんだけど、ちょっと壁がある感じで…」

京太郎
「ったく…仕方ねぇ奴…」

久
「麻雀の方は強いから、本当に残念なのよ…どうにかならないかしら？」

京太郎
「俺からは特に良い案が思いつきませんね。俺も一時期どうにかしてやろうとは思ったんですけど、正直どうにも」

久
「前途多難、ね…」

久
「…須賀くんとは普通に話せる、ということは、須賀くんが麻雀部に入れば問題解決ね？」

京太郎
「は！？　咲の御守りやれってことッスか！？　嫌っすよ、俺部活でも結構期待されてんスから…」

久
「別にずっとって訳じゃないわよ？　宮永さんが慣れるまでたまに部活サボって見に来てくれるだけで」

京太郎
「お断りします！　咲は麻雀部に預けたんですから、麻雀部で何とかしてくださいよ」

京太郎
「それに、いつまでも俺があいつの面倒見てられる訳じゃないんだ、そろそろあいつにも自立してもらわねーと」

久
「……お願い！　麻雀部未来がかかってるの！　このままじゃ仲間の連携が取れなくて、良い結果も残せない！」

京太郎
「こっちだって同じですよ！　一日サボったら周りに置いてかれるし、何回も続けば流石に文句が出てきますって！」

久
「そういうことなら、こっちで話しは通しておけるから！」

京太郎
「先輩の頼みでも、それだけは聞けないッスよ！　そりゃ咲のことは気になるけど……俺がなんとか言っておきますから、折れてください！　失礼します！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

久
「あっちょ！　って早！」

ここまでにします。
上手くできてるか疑問ですが、さっさとハメられましょう。
ではまた。

>>1を見ていただければ
何も考えてない
咲にわか

漫画を大分前にかじって、あとはＳＳだったので

キャラ崩壊の注意書きを書き忘れていましたね、すいません

・・・・・・

京太郎
「………」

咲
「……ごめんなさい」

京太郎
「いや、まぁ……良いんだけどさ。つーかこっち向けって」

咲
「………」

京太郎
「とにかく、竹井先輩も困ってるみたいだし、もうちょっと歩み寄ってみろよ」

京太郎
「……咲？」

咲
「…ごめん…頑張る…」

京太郎
「お…おう…そんな思いつめた顔されても困るんだが…」

咲
「………」

京太郎
「まだ人が怖い？」

咲
「……うん」

京太郎
「そうか…。すまん。ま、とにかく頑張ってみろ。皆良い人そうだったしな」

咲
「…うん」

京太郎
「(……大丈夫そう、だな、うん)」

・・・・・・

京太郎
「駄目でしたか」

久
「駄目ね」

京太郎
「どうにも？」

久
「どうにも」

京太郎
「そうッスか」

久
「………」

京太郎
「それで、今これはどういう状況なんでしょう」

久
「どういう状況だと思う？」

京太郎
「…押し倒してますね、俺が」

久
「そうね、押し倒されてるわ」

京太郎
「しかも制服の前、開いてますね」

久
「ブラジャー、可愛い？」

京太郎
「極力見ないようにしてます」

久
「そ。それで」

京太郎
「それで？」

久
「これ、撮影済みだから」

京太郎
「…………」

久
「………」ﾆｯｺﾘ

京太郎
「はぁああああああああああああああああああああああ！？」

久
「さて、じゃあ申し訳ないけど、悲鳴あげさせてもらうわね？」

京太郎
「待て待て待て待て整理させてください」

京太郎
「俺は、話があるって言われて呼び出されましたね？」

久
「そんな事実は無いわね」

京太郎
「………は…ハメられた…！」

久
「気づくのが数テンポ遅かったわね」

京太郎
「何が目的なんスか！　金ッスか！？　身体ッスか！？」

久
「そんなもの要求する訳無いじゃない。目的は、ズバリ麻雀部への入部よ」

京太郎
「またその話ッスか……いや、だから…」

久
「今の写真、バラまかれると須賀くん、困っちゃうわね？」

京太郎
「………………。こ・の…クソ女ァ…！」

久
「爽やか王子もそんな顔できるのね。それで？　どうする？」

京太郎
「どうするも何も……そんな話……」

久
「どっちにしても、あなたに選択肢なんて無いと思うのだけど」

京太郎
「……………最低だな、あんた…」

久
「悪いわね、私も必死なの。今年が最後だから」

京太郎
「そんな勝手な事情…！」

久
「前にも言ったけど、ずっとって訳じゃないわ。掛け持ちという形で良いし、宮永さんが麻雀部に慣れてくれれば、須賀くんは退部しても良いから」

京太郎
「クソ……拒否権ねぇじゃねぇか…！」

久
「それで、須賀くんはどうする？」

京太郎
「どうするもこうするもねぇだろ！　分かった分かった分かりました麻雀部にでもどこでも連れてけクソ野郎！」

久
「そう…ごめんなさいね？

京太郎
「謝るくらいなら最初からすんなよ………」

久
「ええと……それよりそろそろ退いてくれないかしら？」

京太郎
「………」ｽｯ

久
「え？」

チュッ

久
「！？」

京太郎
「悪いな、負けっぱなしは趣味じゃねぇんだよ。これで冤罪じゃなくなったし、心置きなく脅されてやるよ」

久
「あ…わ……」

京太郎
「あれ？　もしかしてファースト？」

久
「～～～～～！」

京太郎
「あー……ま、自業自得ってことで。これでチャラにしてあげますよ、先輩」

久
「あ、あた……」

京太郎
「じゃ、今日はこれで。明日にでもそっちに顔出しますから」

バタン

久
「…………………はぁあああ…」

久
「………彼が言った通り、自業自得よね…追い詰められてこんなことまでしてるんだから…」

久
「でも…ここまで来たら…退く訳にはいかないわ…」

ここまで。
ハメられました。
でもハメません。

一応、ifですので、キャラ崩壊は適当に大目に見てください。
咲さんがコミュ症なのは、そっちの方が展開しやすい(京太郎を絡めやすくなる)からというのは否めません。
でも久も本編だとここまで鬼畜じゃないので……あれ？

では失礼します。

あ、しまった。
今更だけど、オネの後に結果みたいなの挟む予定だったのに忘れてた。

if オネ
「もしも京太郎が女性に興味がなかった世界」
結果
「もしも京太郎が女性に興味がなかった世界は、京太郎の性欲が麻雀力に変換され、女性にモテモテになる可能性を大いに秘めた世界でした」

オネって何？

20時まで空いたので続けます

２０：００なっちゃったけどこれから更新？

>>124
one

・・・・・・・・・

京太郎
「変なことになっちまったなぁ………まぁこうなった以上もう仕方ねぇ、やれるだけやってさっさと解放されよう」

京太郎
「………麻雀部…と、失礼します」

ガチャ

久
「ん、来たわね」

咲
「京ちゃん？」

京太郎
「おう。今日から麻雀部で世話になるぜ」

咲
「え！？　ハンドボール部は！？」

京太郎
「ちょっと訳ありでな」ﾁﾗ

久
「ふふ」

咲
「え？　え？」

京太郎
「ま、なんでもいいだろ。えー、麻雀はまるで経験無いし、現状興味もそれほどありませんが、よろしくお願いします」

まこ
「おい、部長…なにやらかしたんじゃ？」

久
「なーんでも？　ほら、挨拶しないと」

まこ
「お、おう…染谷まこじゃ。よろしくのぅ」

京太郎
「あ、よろしくお願いします」

京太郎
「あれ？　確かもう二人程いませんでしたっけ？」

まこ
「ああ、和と優希ならもう少ししたら来るわ」

京太郎
「そうですか。あぁ、じゃあ咲に染谷先輩、よければ俺に麻雀を教えてくれませんか？」

京太郎
「実の所、ハンドボール一筋だったのでほんと、そういう遊びに疎くて」

咲
「う、うん…」

まこ
「あぁ、じゃあやるか」

久
「あれ、私は？」

京太郎
「あぁすいません、忘れてました！　じゃあ部長も一緒にやりましょうか！」ﾆｯｺﾘ

久
「………。爽やか少年って聞いてたけど、案外ねちっこいのね」ﾎﾞｿｯ

京太郎
「………。あんたに比べたら数百倍くらいはマシだと思うけどな」ﾎﾞｿｯ

久
「やだもう須賀くんったら！」

京太郎
「部長こそ！」

>>127
興味津々なゲームのＰＶが出てるのに気付いて食い入るように見てたらこんな時間になってました。申し訳ない。

・・・・・・・・・

京太郎
「え、なんでこの南が揃うと点数が貰えるんだ？」

咲
「だーかーらー！　今京ちゃんは南家にいるから南は京ちゃんの自風牌になって役になるんだってば！」

京太郎
「俺がナンチャ？　あー、東、西とかの？　えー、南にある家？　……………だあああああああああああ分からん！」

咲
「なんで分からないのさー！！！」

京太郎
「うるせぇ！」

和
「あ、あの………つまり、私が東、回って須賀くんが南、宮永さんが西、優希が北に今はいますので、その南にいる須賀くんは南を揃えることによって役が付き、得点に繋がるんです」

京太郎
「おおお、なるほど。あぁ、で、和以外がゴールすると、俺に東が回って来て、俺は東を揃えると点数になる訳か」

和
「そういうことです」

京太郎
「分かりやすいな！　ほら咲、お前の説明より和の説明の方が五倍くらいは分かり易かったぜー」

咲
「人に説明するの、苦手なんだもん」

京太郎
「ハイハイ。和、ありがとな」

和
「いえ……」

優希
「ちなみに、今は東場だから京太郎が東家になったら自風のほかに場風がつくじぇ！」

京太郎
「ばふう？」

優希
「得点が増えるって覚えとけばいいじぇ！」

京太郎
「得点が増えるのか！　それなら分かりやすいな！」

まこ
「…おーい、なんかザックリしすぎとる気がするんじゃが、ええのか？」

久
「良いのよ。ほら、須賀くんが入って宮永さんもあんまり緊張していないみたいだし」

まこ
「………須賀と裏取引したな？」

久
「裏取引なんてしてないわよ？」

まこ
「ほんとかのぅ…」

和
「では、実際に麻雀の流れを追いながら説明してみましょう。私が須賀くんの後ろで教えますので……えーと」

まこ
「ん、わしが入るわ」

和
「お願いします」

京太郎
「頼むわ、和」

和
「はい」

和
「須賀くんは、北家ですね」

京太郎
「そうなのか。ということは、北家を三つ揃えれば、点数が貰える訳だな」

和
「はい。東南西北の順番で、牌を四つずつ取っていってください」

優希
「京太郎はここだじぇ」

京太郎
「おうありがとう」

和
「これで全部そろいましたね。牌を見てみましょう」

京太郎
「おう。あれ？　お、もう北揃ってる。これでもう点数が貰えるのか？　それに、今は東場なら、東三つそろってるからさらに点数増えるんだっけ」

和
「………………せん」

京太郎
「え？」

優希
「ん？　京太郎はここから牌を取るんだじぇ」

京太郎
「これな。………で、どうすれば良いんだ？」

優希
「自分にとって必要のない役立たずを家から追い出すんだじぇ！」

京太郎
「そんな……そんな惨いことをしなきゃいけないのか……！　こいつらだって頑張って生きてるんだぞ！？」

優希
「現実は過酷だじぇ……使えない人間は、切り捨てられなければならないんだじょ…」

京太郎
「クソ……俺はそんな残酷無慈悲なゲームの世界に足を踏み入れちまったのか……！」

咲
「アハハ…麻雀でそんな深く考える人初めてみたよ…」

京太郎
「お前もそうやって弱者を排他して楽しむ魔女だったのかよ、咲ぃ！」

咲
「ええ！？」

優希
「咲ちゃんがそんな酷い奴だったなんて…見損なったじぇ！」

咲
「優希ちゃんも同じだよね！？」

まこ
「なんの話しとるんじゃ……ほれ、須賀、牌一つ出してみ」

京太郎
「あ、はい。で和、どれを出せば良いんだ？」

和
「………」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

京太郎
「あれ。和ー？　おーい」

久
「和？　どうしたの？」

久
「………えっ」

東東東南南南西西西北北北白白

京太郎
「今拾ってきたこの何にも書いてない奴はハズレでしたっけ。ならこれ捨てればいいのかな」

久
「……えっ？」

まこ
「それ白じゃ。おい優希」

優希
「テヘペロ」

京太郎
「あれ、違うの？」

咲
「白は三枚揃ったら東とか関係なく点数になるんだよ、京ちゃん」

京太郎
「へぇえ。じゃあ三つ揃えれば良いのか」

和
「和了ってます！！！！！！！！！！！！」

バンッ！

京太郎
「ひぎぃ！」

咲
「！？」

パタパタパタ

しーん………

優希
「………字一色に、大四喜、四暗刻単騎？」

まこ
「地和のオマケ付き、じゃのう、ここだけ見れば」

京太郎
「お、もうゴールしてんのか。点数いくつ貰えるんですか？」

まこ
「全員ぶっ飛びじゃ」

京太郎
「ぶっとび？」

和
「こんなオカルト、ありえませんんんんん！！！！！」ｽﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

バンッ！

久
「和！？　ま、待ちなさい！」ﾀｯﾀｯﾀ

優希
「のどちゃん！　待つじぇ！」ﾀﾀﾀﾀﾀ

京太郎
「？？？　え、ええと…すいません、いったなにがどうなってるんでしょう」

咲
「京ちゃん、ええとね、京ちゃん、明日死んじゃうよ？」

京太郎
「ええ！？　なにゆえ！」

咲
「麻雀って、出ちゃうと死んじゃう役もあるからね」

京太郎
「何かの魔術！？　怖い！　麻雀怖い！」

まこ
「それくらい奇跡的っちゅうことじゃ…お前、強運過ぎるじゃろ…」

京太郎
「昔からここぞって時とか、運が良い事はあったんですけどねぇ。たまたまボールを投げたらそのまま入っちゃったとか」

まこ
「……怖い奴じゃ……」

ここまで。
ちょっと大げさですけど、まぁこのくらいは…ＳＳですし。
私は今まで生きてた中で最高の役満は、大三元字一色のダブル役満までです。

それでは。

ちょっと時間空いちゃったんで続けます

京太郎
「にしても、すいません…部長も優希も和も飛び出しちゃって、練習になりませんよね」

まこ
「あー、いいいい。飽きたら帰ってくるじゃろ。暇ができたし、今のうちに基本叩き込んじゃろ」

京太郎
「ウィッス！　よろしくお願いします！」

咲
「あ、私も教えます。京ちゃん、見た目通り勉強とか大嫌いなんで、逃げ出さないように」

京太郎
「逃げねーよ！　勉強は嫌いだけど、こういう遊びとかはほんと、したことなかったから、今ちょっとワクワクしてんだよ！」

まこ
「ハンドボール王子は趣味がなかったんか」

京太郎
「やー、寝ても練習、起きても練習の練習漬けだったもんで。よく誘われてはいたんスけど、それよりも練習しないとなーと」

咲
「京ちゃん、凄いんですよ！　全中学最優秀選手に選ばれたこともあって！」

京太郎
「それなりに努力はしたからなー」

まこ
「ん？　にしても、なんで清澄に進学したんじゃ？　清澄のハンドボール部は強いって話は聞かんが」

京太郎
「やー…あはは。龍門渕高校とかには誘われてたんですけど、ちょっと揉めちゃいまして。もう面倒だから一番近い高校行こう、と思ったんですけど、やっぱハンドボールも捨てられなくて。みたいな」

まこ
「なるほどのぅ。ちなみに、揉めたとは？」

京太郎
「向こうの態度が気にくわなかったんスよ。うちに来たらあーだこーだ、他がどーだと。滅茶苦茶腹立って、ぶちギレちゃいまして。やー、龍門渕がなんぼ偉いんだよと」

まこ
「熱血じゃな。んで、そのハンドボール王子は、なんで突然麻雀部に？」

京太郎
「それは秘密です。部長の名誉に関わることになるんで」

まこ
「名誉……あー、ま…深くは聞かんどいてやるか…」

京太郎
「助かります」

ガチャ、スー

京太郎
「凄いなぁ、これ。勝手に下から出てくるんですもんね」

咲
「あ、駄目だよ京ちゃん、遊んじゃ！」

京太郎
「役とか教えてくれよー咲。何が良いのか分からんのだが」

咲
「何が良いとかは特には無いんだけど、最初に牌を取ったときに、ある程度形を決めておくのが大事だね」

まこ
「じゃ、四人でやってるのを過程して…須賀が牌出したことじゃし、配ってみるか」

京太郎
「はい。……四つずつ、四つずつ」

まこ
「ほいほいほい」

京太郎
「あれ？　お？」

咲
「京ちゃん、それじゃなくてもう一個隣だよ」

京太郎
「お、おお…」

京太郎
「……ほい！　おー綺麗」

咲
「……………」

まこ
「……………」

一一一二三四五六七八九九九

京太郎
「これで、牌を一個持ってくるんですよね。えーと、これかな」

五

京太郎
「うーん……なんだっけ、三つずつ？　なら、数字重なってない奴を捨てれば良いのか」

京太郎
「どれが引いてこれるか、だな…端の方は来無さそうだし、二を捨てよう」

まこ
「……………」

咲
「……………」

京太郎
「で、三つ除けて、ここか」

二

京太郎
「だぁああああ被った！　なぁ咲、全部で同じ牌は何個あるんだ？」

咲
「……………四つ」

京太郎
「ということは、あとは二つか…流石に来ないだろ。三つ除けて、ほい」

二

京太郎
「また被った！　運悪いなぁ俺……どっちにしても、もう駄目か。捨てよう」

まこ
「……………」

咲
「……………」

久
「……………」

和
「……………」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

京太郎
「ほいっ！」

二

京太郎
「モロ被った…オワタ。さらば二よ、来世でよろしく…」

京太郎
「次は…」

和
「最初に和了ってるじゃないですか！！！！！！！！　馬鹿ですか！！！！！！！！！　いや馬鹿なんですね！！！！！！！！！　白を喉に詰まらせて死んでください！！！！！！！」

京太郎
「えっ」

優希
「落ち着けのどちゃん！　奴は初心者だじょ！　悪気は…悪気はないんだじぇ！」

和
「離してくださいゆーき！　私は…私はぁ！」

咲
「ねぇ京ちゃん。死にたいの？」

京太郎
「なんで！？　なんでなの咲さん！　俺はまだ生きたいです！」

咲
「これは……流石の私も擁護できないよ…」

京太郎
「俺は悪くないだろ！！」

まこ
「偶然にしても出来すぎじゃ！　何をやったおどれ！」

京太郎
「それでも僕はやってません！　無実だ！」

京太郎
「というかロクに役も覚えてないのに何ができるんですか！」

久
「恐るべきは強運ね…」

京太郎
「これ、そんなにすごいことなんスか？」

久
「私の知り合いには、麻雀人生４０年、未だ九蓮宝燈見ず、って人もいるわ。九蓮宝燈は、今須賀くんが和了った役ね」

京太郎
「なんか、途端に凄まじく感じるようになってきました」

久
「さっきの複合役満もそれ以上に出ちゃうと色々とヤバイ役満なんだけどね…」

京太郎
「おっふ……」

和
「須賀くん！　私と勝負してください！　あなたを初心者とは認めません！」

京太郎
「俺は初心者です！　紛れもなく初心者です！　ちょっとビギナーズラック出ちゃった系の初心者です！」

優希
「確かに初心者なのは疑えないじぇ、のどちゃん。私が見てる限り、京太郎がやり慣れてると思うことは一切無かったじょ」

久
「………まぁ、これくらいにしておきましょう。須賀くんのことは一旦忘れて…」

京太郎
「ウッス」

和
「私はその人を討伐する義務があるんです！　離してくだしゃい！」

京太郎
「俺って魔王か何かか！　落ち着け！　猫だまし！」ﾊﾟﾝｯ

和
「ハッ！　わ、私は何を…」

京太郎
「気が付いたか…」

和
「………？　誰でしょうか？」

京太郎
「えっ」

優希
「のどちゃんが現実逃避しちゃったじぇ……ちょっとしたら直るから放っておいて良いじょー」

京太郎
「慣れてんな…ま、良いか。んじゃちょっと俺、見学させてもらいます」

久
「それが良いわね。ほら、和ー、練習始めるわよー」

京太郎
「……………」

京太郎
「……………」

ロン

京太郎
「……………………………」ﾌﾟｽﾌﾟｽｯ

久
「ちょっと、大丈夫？　頭から湯気出てるわよ？」

京太郎
「ハッ！　…………あ、ウッス…ちょっと見ながら考えてたんですけど、サッパリで」

久
「まだ基礎も知らないしねー。あ、ねぇ、色々裏のある入部だけど、しっかりやってみない？　どうせやるなら、楽しい方が良いでしょ？」

京太郎
「それは、まぁ……でもなー、今の咲みた感じ、あんま問題ありそうに見えないんスけど」

久
「ほんと。昨日までとはまるで違うのよ？　やっぱり須賀くんがいるっていう安心感があるんじゃないかしら」

京太郎
「ふーむ。ま、この調子でさっさと俺がいなくなっても大丈夫なくらいまでになってもらいたいんだけど」

久
「そのあたりは、ゆっくり観察していくわ。明日明後日は向こうだもんね、須賀くん」

京太郎
「はい。今頃みんな、練習してんだろうなぁ……はー、置いてかれないか心配っすわー」

久
「あら、嫌味？」

京太郎
「はい」

久
「素直ね。というより、あなたのレベルってうちのハンドボール部からすれば５、６段くらい下だし、問題無いんじゃないかしら？」

京太郎
「一日でも欠かすと、それがどこに影響するか分からないじゃないですか」

久
「須賀くんは真面目ね」

ぶーぶー

京太郎
「ん、メール？　うたちゃんか………え！？」ｷｮﾛｷｮﾛ

久
「どうしたの？」

京太郎
「あ、いえ……従姉から、その、メールが……」ｷｮﾛｷｮﾛ、ﾊﾟｯﾊﾟｯ

久
「メールが来た割りにはケータイも見ないで服をゴソゴソしたり窓の外を気にしてるのはなんでなのかしら…」

京太郎
「………ウッス……ちょっとマジで頭上がらん人なんで……へへ…」

久
「大丈夫？　燃え尽きてるわよ？」

京太郎
「……ウッス……チッス……ザッス…」

久
「なにその三段活用。メールの内容、気になるわね…ちょっと見せてくれない？」

京太郎
「あっ…まぁ…良いですけど…」

うたちゃん
件名：よー
本題
麻雀始めたん？　知らんけど。
まー別に止めはしないけど、適当にやりなよー。
なんでハンドボール一筋の京ちゃんが麻雀やってるのか知らんけど、困ったことがあったらいつでも言いなー。
嘘ついた場合は、極刑な。

久
「中々心配性な人みたいね」

京太郎
「この話の一番の問題は、俺はまだうたちゃんに麻雀部に入ったことを伝えてないということです」

久
「………」ｷｮﾛｷｮﾛ

京太郎
「そういう反応になりますよね！」

久
「…ええと、どういう従姉さんなの…？」

京太郎
「まず、第一に、あの人は俺を下僕だと思っています。本人は俺を心配してのことだ、と言っていますが、まず間違いなく楽しんでます」

京太郎
「第二に、あの人は気分屋です。一度決めたことは絶対にやりきりますけど、気が乗らないとのらりくらり」

京太郎
「第三に、あの人は神出鬼没です。気が付いたら家に遊びに来ていた、ということもあるくらいで……そうそう、中学ん時は、いつの間にか学校の近くまで来ていたことも」ﾁﾗｯ



京太郎
「部長、俺は疲れたようです。外の方で、うたちゃんが俺に手を振っていました」

久
「え！？　…だ、誰もいないわよ…？」

京太郎
「はい。絶対に幻覚です。ですが、俺は疲れたみたいなので、寝かせてもらってもよかですか？」

久
「え、ええ…良いわよ」

京太郎
「はい。部活が終わったら、起こしてください。それと、部活が終わるまでは絶対に起こさないでください。合言葉は、らりるれろ」

久
「須賀くん！？　ちょ、目がイッてるわよ！？　しっかりしなさい！」

京太郎
「羊が一匹羊が二匹羊が三匹羊が四匹羊がetcetc」

久
「この怯えよう…いったい何が彼を追い詰めたのかしら……」

京太郎
「………ｚｚｚ」

久
「あ、寝た。……うーん、こうしてみると、本当に王子って感じねぇ…爽やかイケメンハンドボール王子……」

久
「………私、後ろから刺されないかしら……そういえば彼、非公式ファンクラブがあるとかなんとか……」

久
「……………」ﾁﾗ



久
「うん、私も疲れてるみたい。ちょっと椅子で休もう」

久
「羊が―――」

ここまでにしておきます。
京太郎はただの強運なだけなので、あんまり気にしないでください。ただの蛇足です。

さて、もう少し進めればトウォも終わらせそうですので、それまでお付き合いお願い致します。
では。

あなたのレベルってうちのハンドボール部からすれば５、６段くらい下だし

下だとこれから追いつかなきゃいけないじゃないですかやだー

コテハンつけ忘れました
>>153
おー、本当ですね。まったく気づきませんでした。やはり死にかけてる頭で書くとミスが起こりますねぃ
下→上、か京太郎とハンドボール部の立ち位置を逆にしてあげてください

京太郎
「あ、なぁ、そういや聞きたいことがあるんだけどさ」

咲
「ん？　なに？」

京太郎
「なんか変な気配を感じないか？」

咲
「変な気配？」

京太郎
「うん。俺の近くに、いる気がするんだ」

咲
「え、え、なんの話…？　怖い話…？」

京太郎
「世にも奇妙な物語」

咲
「なんの話！？」

京太郎
「具体的に言うと、化け物の気配」

咏
「誰が化け物なのかなー」

京太郎
「………咲！　俺、新しい世界に飛び立たないと！」

咲
「え！？」

京太郎
「さらば！　青春の時代！　ドキッ、男だらけの新大陸！」

咏
「ちょい待てって」ｶﾞｼｯ

京太郎
「離して！　違うんだよマジで！」

咲
「あ、咏さん！」

咏
「よー咲ちゃんー。久しぶりー、知らんけど」

京太郎
「離してぇえええ！」

咏
「うるさい」ｸﾞｷﾞｯ

京太郎
「ぎえっ」

咲
「ええと……あれ？　こっちで仕事ですか？」

咏
「やー、最近京ちゃんの顔見てねーなーと。そしたら、京ちゃんが私の悪口言ってたから、絞めてやらないとなーって、知らんけど」

咲
「は、はぁ…」

京太郎
「すまなかったうたちゃん、俺は心を入れ替えた。つまるところ俺は正気に戻ったんだ」

咏
「知ってるか？　裏切者には死を、これ鉄則なー」

京太郎
「ぎにゃああああああああああああああああああああ！！！」

すいません、所用によりここまで。
今回も蛇足分しか進んでません。
昔から余計なものを付け足して色彩豊かにしようとする悪癖があるのですが、ノッてる時は気づきにくいもので……
ではまた。

よーやく時間取れました…
眠くなるまで続けます

咏
「なるほどねぃ、咲ちゃんの為に、かー」

京太郎
「はい、そういうことなんです。なので、心配しないでください」

咏
「別に心配はしてねーけど。京ちゃんは基本馬鹿だけど、馬鹿なことする奴じゃねーし」

京太郎
「ウッス……ハンドボールは普通に続けますし、咲も割りと大丈夫そうですし、一ヶ月ってとこじゃないですかね」

咏
「やーまぁそれはいいんだけど、京ちゃんは麻雀やっても大丈夫なん？」

京太郎
「え、なにがですか？」

咏
「覚えてないなら良いけどねぃ。京ちゃんは麻雀なんてやるべきじゃねーんだよ、知らんけど」

京太郎
「それはどういう…？」

咏
「極力麻雀には関わらん方がいーって話。またどこぞのアラフォーに目をつけられても知らんぜー」

京太郎
「……？？？ よく分からないけど、分かりました」

咏
「京ちゃんは運が強いけど、波が激しすぎんだよ。どっかで運を馬鹿みたいに使いすぎるとマジでヤバいんだから、無理しちゃうと死んじまうんだぜー」

京太郎
「えっ」

咏
「複合役満だの出たら死んじゃう役満だの派手にやっちまったしなー。京ちゃん今日死んじまうかもなー」

京太郎
「麻雀ってマジ怖い」

咏
「昔それで生死の境さ迷ったのも忘れちまってんのか？」

京太郎
「え、なんですかそれ……俺覚えてないんですけど……」

咏
「覚えてねーならそれが幸せってことだ。ま、さっさと麻雀から離れることをオススメするぜ」

京太郎
「麻雀怖い。マジ怖い」

咏
「麻雀と私、どっちが怖い？」

京太郎
「うたちゃん」

咏
「ほう」

京太郎
「うたちゃん怖いわぁ」

咏
「よーし京ちゃんがどう思ってるかよくわかったぜ。今夜は寝かさねーぞ」

京太郎
「元より寝れるとは思ってなかったのぜ！」

・・・・・・・・・

京太郎
「…………ふぁ～……」

咲
「京ちゃん、眠そう」

京太郎
「うたちゃんに一晩中弄ばれたからな……」

咲
「そうなんだ」ﾌﾌ

京太郎
「あ、なぁそれより咲。お前の言ってたこと、どうやら的外れでもないらしいぞ」

咲
「え？」

京太郎
「俺はもしかしたら死ぬかも知れん……」

咲
「え！？ なんで！？」

京太郎
「麻雀っていうのは呪いのゲームなんだ……」

咲
「……？？？」

京太郎
「……俺に何かあったら、カピーは任せた……」

咲
「えぇ！？ 京ちゃーん！！」

咲
「……って、なんの話なの！？)

京太郎
「俺って、運の波が激しいんだってさ。どこかで良い事があると、どこかでそのツケを払わされる…かもしれない、って感じらしい」

咲
「えええええ……それ、麻雀やっても大丈夫なの？」

京太郎
「知らん。麻雀のツケを麻雀で払わせられれば最良だって言ってたけどなぁ……例えば一か月くらいイーシャンテンから絶対進まなくなるとか」

咲
「なにそれ怖い……」

京太郎
「俺も怖い。ということで、何かあったら、に繋がる訳だ…」

咲
「う、うん…なるべく死なないように頑張ってね…？」

京太郎
「頑張る」

数日後

京太郎
「………………」

ヒソヒソ

京太郎
「……感じわり。言いたいことあんなら直接言えよ……」

男子
「なぁ京太郎、お前なんか色々言われてるみたいだけど、大丈夫か？」

京太郎
「大丈夫だよ別に……なに言われても気にしなきゃいいんだよ、こんなもん」

男子
「そうだけどさ。お前ただでさえ上級生とかの反感買ってるんだから、行動には気をつけろよ」

男子
「だいたいなんだよ、麻雀部って」

京太郎
「俺にも色々あるんだって。気にするな」

男子
「……困ったことあったらいつでも言えよ？」

京太郎
「おう、ありがと」

京太郎
「反感、ねぇ……」

京太郎
「つまるところ、麻雀部でハンドボールをサボってる俺に手も足も出せなくて悔しい訳だ」

京太郎
「馬鹿みたいだ。んなヒソヒソやってる前に練習でもしてろよ」

京太郎
「…………チッ」

・・・・・・・・・

京太郎
「………………」

京太郎
「…………ふぅ……結局、一日中か…部活中も執拗に攻撃されたし……」

京太郎
「…めんどく――」

ヒュッ……ガスッ！

京太郎
「！？ ってぇ……！」ﾄﾞｻｯ

「…………死ねや！」
「おらおら！」

バキッ！ バキッ！
どごっ！ ガスッ！

京太郎
「ッ！ ッ！」

「お、おい、人が襲われてるぞ！？」

「お前ら！　何してんだ！」

「チッ…！」

「逃げるぞ！」

ダダダッ

「おい、大丈夫か！？」
「きゃあああああ！」
「誰か警察！」
「血出てるぞ！」

京太郎
「……………ぅ……………―――」

京太郎
「……ん……？　あれ……？」

久
「あ……起きた！」

咲
「京ちゃん！」

京太郎
「……ここは……病院…か？」

咲
「京ちゃん、襲われて血流して倒れてたって……」

京太郎
「……ぁー……思い出した……いきなり後ろからバットで殴られたんだった…」ｽﾞｷｯ

京太郎
「…！　って…！」

咲
「だ、大丈夫！？」

京太郎
「あ、あぁ…うん…」

久
「………。本当に…ごめんなさい……」

京太郎
「え？　いや、別に部長が謝ることでも…」

久
「私の…私のせいだから……」

咲
「だから、そんなことないですって」

京太郎
「最終的に麻雀部掛け持ちすることにしたのは俺の意思ですから。そもそも襲った奴が悪いし…」

京太郎
「……っても、こんな怪我じゃ掛け持ちどころか専属になりそうですけどね」

咲
「右腕、折れて……」

京太郎
「…………みたいだな。ハハッ、にしてもマジでここまでするのかよなー。本気でやるとは思ってなかったわー」ﾊﾊ

咲
「……ひどいよ……京ちゃんは、頑張ってたのに……一生懸命……それを……！」

京太郎
「いーって。それより早く警察に捕まってくれることを祈っておこうぜー」

久
「……須賀くんのことは私が全力でサポートするから、安心してね？」

京太郎
「はい。これからも麻雀部でよろしくお願いします」

久
「もちろんよ」

咲
「…………………………」ｺﾞｯ!

久
「……私たちは今日はもう帰るわね。さ、宮永さん、行きましょ？」

咲
「……はい。京ちゃん、また来るね」

ガチャ

京太郎
「………………なんなんだよ…クソ…」

京太郎
「俺がなにしたってんだよ…………勝手な嫉妬で人の人生棒に振って良いってのかよ……ふざけんな……」

京太郎
「…………何もできなかった……いきなり襲われて、何も……クソッ…！」

京太郎
「………寝よう………悔しがっても、何もできねぇ……」

・・・・・・・・・

「京ちゃん。……大丈夫？」

京太郎
「………ん……？　……あぁ…」

「……痛い？」

京太郎
「…うん、痛い…」

「…そっか。…………無理、しないでね。ごめん」

京太郎
「なんで咲が謝るんだよ………お前のせいじゃ、ねーから…」

「……うん。………大丈夫、私に任せて。きっと京ちゃんを守るから」

京太郎
「お前に守られるほど、弱くねーよ………でも、ありがとうな……最近、ちょっと気を張り詰め過ぎてたみたいでさ……」

京太郎
「こうなって、一気に気が楽になった気もしてんだ……少しだけゆっくりするわ…」

「…ん…おやすみ、京ちゃん」ｻｽｻｽ

京太郎
「……おやすみ、咲…」

京太郎
「…………………」

「…………………」ｽｯ

・・・・・・・・・

短いけど、ここまで。
ふーむ………当初思い描いていたエンディングとは違うものになりそうだけれども、これはこれで……

またよろしくお願いします。

見てる人あまりいなさそうですが、細々とやっていきます

ウォッチメン見てたら遅れました。
ロールシャッハみたいな考え方が割と好みですね。自分では絶対にできない考え方なので、自分に無いものに憧れます。

・・・・・・・・・

京太郎
「やー、戻ってまいりました須賀京太郎」

久
「おかえりなさい！」

和
「その……怪我の方は…」

京太郎
「それなー。復帰したはいいけど、利き手が使えないってかなり不便で不便で…」

久
「その代わり、須賀くんの右腕に私がつくわよー」

咲
「私も京ちゃんのこと助けるね！」

京太郎
「おう、ありがとう。部長もありがとうございます」

優希
「それにしても、まだ犯人分からないって……京太郎、大丈夫なのか？」

久
「警察もこの辺りの警戒強化するらしいし、大丈夫だと思うわ」

京太郎
「だと良いんですけどねぇ……」

京太郎
「ま、ハンドボールから離れることになったし、俺を襲った奴らも満足したんじゃないですか？」ﾊﾊｯ

まこ
「京太郎…。犯人の目星はついてるのか」

京太郎
「こんな時に俺を襲うなんてことをする連中は、まぁ絞られるでしょうねぇ……」

まこ
「それを警察には言わんのか？」

京太郎
「言いませんよ。真面目に頑張ってる奴の足を引っ張ることになる。それに…証拠なんて出てくるんですかね」

京太郎
「突発的な犯行ならもう既に捕まってるでしょうし」

久
「………さ！　この話はもうやめましょう！」

京太郎
「そうですね。しばらくこっちでお世話になりますので、改めてよろしくお願いします」

久
「ええ。京太郎くんは見ての通り腕を怪我しちゃってるから、みんな無理はさせないでね？」

優希
「それはそうと、麻雀はできるのかー？」

京太郎
「あー………できないことは無いけど、しばらくは見学しておく。何があるか分からんしな…」

咲
「アハハ……」

数日後

和
「そうですね、これは―――」

京太郎
「あーなるほど。そこでこれを―――」

咲
「え、なんでそうなるの？」

京太郎
「違うのか？」

優希
「先にこっち出すべきだじょ！」

咲
「えっ」

和
「すいません咲さん、ゆーきはちょっとだけ残念なんです」

優希
「違うのか！？」

京太郎
「うぐぅ………分からん……」

咲
「まずここは―――」

和
「はい、そうですね、そうすれば―――」

京太郎
「なーるほど。よく分からんけど分かったぜ」

優希
「私も分かったじぇ！」

和
「………本当ですか？」

京太郎
「本当だとも！　な、優希！」

優希
「おう！　京太郎！」

咲
「すごく嘘っぽいのは気のせいかな…」

和
「私もそう思います…」

まこ
「もうすっかり咲も馴染んだみたいじゃのぅ」

久
「ええ、そうね。京太郎くんを引き入れて正解だったわ」

まこ
「京太郎を中心に一年部員も切磋琢磨しとるし。京太郎には悪いけど部活的には万々歳じゃな」

まこ
「で？　そろそろ聞きたいのぅ…どうやって京太郎を麻雀部に誘ったのか」

久
「ちょっとお話をね」ﾆｯｺﾘ

まこ
「脅しじゃろ？」

久

久
「どう取るかはその人次第じゃないかしら？」

まこ
「まぁええわ……これなら、間に合いそうじゃな」

久
「間に合わなくても、間に合わせるわよ。私も、絶対に逃したくないもの」

まこ
「おう。ワシらも、うかうかしとれんのぅ。っし、ちょっと張り切らせてもらうか！」

久
「……………絶対に…」

全国高校生麻雀大会予選団体戦終了

京太郎
「いやー、龍門渕に勝つなんて……本当、凄かったなぁ」

咲
「…うん！」

京太郎
「咲もライバルに最後、嫌味を残せたし、そのうち噂になるぜー？　魔王、降臨！　ってな」

咲
「い、嫌味じゃないよ！？」

京太郎
「ハハハ」

久
「次も頑張るわよ、みんな！」

おー！

京太郎
「あ、部長、あとでお話良いですか？」

久
「ん？　なにかしら？」

京太郎
「みんなは先に部活始めててくれー」

・・・・・・・・・

久
「……麻雀部を辞める？」

京太郎
「はい。もう咲も大丈夫そうだし、俺もまだ全快ではないですけど、そろそろ本格的にハンドボールに復帰しないといけないんで」

久
「……な、なんで？　でも、まだ腕は…」

京太郎
「まぁ、まだアレですけど、ちょっとしたトレーニングはできますしね。やっぱり、俺には麻雀は向いてないと思いますし」

久
「…京太郎くんがいなくなると、咲もまた…」

京太郎
「その点は大丈夫ですよ。あいつ、一度慣れちまえば割と気兼ねなくなるんで」

久
「でも………」

京太郎
「…あの、どうかしましたか？　俺、もう麻雀部には不要だと思うんスけど…」

久
「そんなことない！」

京太郎
「え…！」

久
「…あ、ごめ、ごめんなさい…」

京太郎
「いえ……。…たまに、遊びに行きますから。咲も、そりゃ心配ですし」

久
「………えぇ……分かったわ」

京太郎
「皆にはちゃんと、話しますんで」

久
「……先に、部室に戻ってて」

京太郎
「……え？　あ、はい。じゃあ行ってますね」

久
「………………どうしましょうね………」

今日はここまでにしておきます。
ちょっと改行数があれで削ったりしてる部分とかもあるので、次回からは行数のこと気にしながら投下しようと思います。
それでは失礼。

今更ですけど、それなりに見てる人いましたね。
ええと、あくまでifの世界であって、原作とはなんの関係もないです。
ので、キャラクターがどうなっても、これはこの世界の話だから、ということで、割り切っていただけるとありがたいです。
前にも言いましたが、キャラ崩壊ですね。
改めて、失礼します。

ちょっとだけ続けます。

Side　照

照
「…ん…おやすみ、京ちゃん」ｻｽｻｽ

京太郎
「……おやすみ、咲…」

京太郎
「…………………」

照
「…………………」ｽｯ

ガチャ

照
「……最後まで勘違いしてた。久しぶりに京ちゃんに会いに来ただけだったのに………誰がこんなことをしたのか、調べないと」

照
「……おかし食べたい」

照
「………うん」

フラー

照
「……………」ｳﾏｳﾏ

照
「…………………ん？」


「……………！」


照
「声………」ｽﾀｽﾀ


「なん…………って……！」


照
「喧嘩？」


「…………いわ………おう……だし」


照
「………」ｿｰ


「…………じゃ」ﾋﾟｯ

照
「…………」

「……え？」

照
「…………」

「………あの…宮永　照さん？」

照
「うん」

「…ええと…今の、聞いてました？」

照
「よく聞こえなかった」

「………」ﾎｯ

「あ、ええと…私は竹井　久。あなたの妹の咲の先輩よ」

照
「私に妹なんていない。ヘタれな妹なんていない」

久
「……そ、そう？」

照
「京ちゃん、誰に襲われたのか、知らない？」

久
「え！？　…ええと………な、なんとなく怪しいと思う人達はいるけど、証拠は…」

照
「………そう……じゃ、帰る」

久
「え？　あ、はい」

照
「………………………………」ﾁﾗｯ


久
「…………」ｷﾞﾘｯ


照
「………怖い」ﾌﾞﾙｯ

照
「……結局よく分からなかった。でも、時間は少しだけいっぱいある」

照
「京ちゃんの家……京ちゃんいない…」

照
「…………家……無い…」

照
「……………」

京母
「あら？　照ちゃん？」

照
「あ、おばさん。お久しぶりです」

京母
「あらあら、お久しぶりねぇ…前よりもっと可愛くなったわね」

照
「おばさんも、美人ですね」

京母
「お世辞もうまくなったわね。あ、もしかして京太郎？」

照
「…………」

京母
「京太郎はちょっと色々あって…今は病院に入院しているのよ」

照
「はい、会ってきました」

京母
「じゃあ入れ違いになったのかしら。あれ？　じゃあどうしてここに？」

照
「………京ちゃんの家に、お泊りしたかった…家には帰れないから…でも京ちゃんがいないから…」

京母
「あー、そういえばそうだったわね。照ちゃんなら気にしなくていいわよ、上がって上がってー」

照
「…良いんですか？

京母
「知らない仲じゃなし、気にしなくていいわよー」

照
「ありがとうございます」

京母
「親御さんが心配しない程度に家に泊まってって良いからねー」

照
「お世話になります」

・・・・・・・・・

照
「京ちゃんのお部屋、久しぶり。でも京ちゃんがいなくてさびしい」

照
「………京ちゃんの匂いは良い匂い」ｸﾝｸﾝ

照
「………おやすみ、京ちゃん」

ここまでにします。
迷探偵照編です、事件の真相に照が迫っていきます。
それでは。

照
「…………ごちそうさまでした」

京母
「お粗末さま。照ちゃんはこれからどうするの？」

照
「用事が済んだら、帰ります」

京母
「そう。あ、最近は物騒みたいだから、気を付けるのよ？　照ちゃんみたいな可愛い子は特にね」

照
「はい、ありがとうございます」

・・・・・・・・・

照
「………情報収集開始…」

数時間後

照
「うまうま」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

照
「…………………？　いつの間にかお菓子がいっぱい」

照
「全部、食べられてる……誰が犯人……？」

優希
「いや、それ自分で食べてたんだじぇ…」

照
「…誰？」

優希
「私は優希だじぇ」

照
「私は照。それで、なんでここに？」

優希
「凄い勢いでお菓子を食べ続けてる人間がいたから、気になって観察してたんだじょ」

照
「………思い出した…途中でお菓子分が不足して、それから記憶が…」

優希
「そろそろ日も暮れるじぇ。あんまり遅くなると怖い事になるかも知れないし、早く帰った方が良いじょー？」

照
「怖い事？」

優希
「私の同級生が最近通り魔に襲われたんだじぇ。ニュースでやってたけど、知らないのか？」

照
「同級生………もしかして、京ちゃん？」

優希
「京太郎のこと知ってるのか。そうだじょ」

照
「……何か、知らない？　それについて調べている」

優希
「うーん………もしかしたら、ってのはあるじぇ」

照
「それは？」

優希
「うちのハンドボール部だじょ。噂で聞いたんだけど、京太郎はハンドボール部の部員から割と嫌われてるらしいんだじぇ」

優希
「今回のことも、ハンドボール部の誰かが……とは言われてるんだじょ」

照
「ハンドボール部……分かった、ありがとう」

優希
「え？　…って行っちゃったじぇ。それにしても、京ちゃん……咲ちゃんと同じ呼び方だったじぇ」

照
「清澄高校……まだ部活はやってるかな」

照
「………まず、しのびこま「ん？　誰だお前？」……」

照
「私、宮永照って言います！　宮永咲の姉で、咲に急ぎの用事があったんですけど、ケータイを忘れたみたいなので、直接会いに来ました！　もしかして、入ると問題になっちゃいますか？」

教師
「お……あぁ、宮永照！　雑誌で見たことがあるなぁ……宮永まだ校内に残ってるかなぁ」

照
「探しに行っても大丈夫ですか？　ちょっと見ていなさそうならすぐに帰ります！」

教師
「あぁうん、入って良いぞ、宮永の姉なら心配はないだろう」

照
「ありがとうございます！　すいません、失礼します！」

照
「……危なかった……」

照
「さて、咲に会わないように、気を付けよう…」

・・・・・・・・・

照
「見つけた、ハンドボール部」

照
「………どうしよう」

照
「………………………待機」

男子
「……あのぉ……」

照
「！！！！！！」

男子
「も、もしかして宮永照さん、ですか？」

照
「ん…うん、私、宮永照です！　あなたは？」

男子
「あ、俺満田です！　うわぁ、本物だぁ！　な、なんでここに？」

照
「………昔馴染みの京太郎くんが事件にあったと聞いて、それについて犯人を探しているんです…何か、知りませんか？」

男子
「マジですか！　俺、京太郎と同じハンドボール部で、友達なんですけど、ちょっとそれについて俺も気になってたんですよねー」

男子
「でも、どうやらハンドボール部の奴らは関係無いっぽいんですよ。部活が終わったあとに、こんな会話を聞いちゃって……」

照
「どんな！？」

男子
「(顔が近い…うぇへへ…)ええとですね…」

～回想～

男子
「お疲れさまでーす。……ふぅ……京太郎がいなくなって、なんか変な空気になっちまったなぁ……」

男子
「だれてるっていうか、やる気がなくなったみたいな。今まで京太郎を抜かしてやろうと皆必死にやってたからなぁ………ったく……」

男子
「にしても、京太郎をボコした奴らって、やっぱり先輩たちなのかな………」


「やっぱああいう奴は痛い目見ないといけねーんだよなぁ」


男子
「おっ…」


１
「自分の手でやれなかったのは残念だけど、あいつ生意気だったから丁度良かったぜ」

２
「にしても、誰なんだろうな、須賀をやったの。３年の先輩たちも知らないつってたし」

１
「隠してるだけじゃねーの？　大っぴらにやったなんてバレたらまずいだろうし」

３
「それが、兄貴に聞いたんだけど、マジで誰も知らないらしいぜ。つーか須賀って３年にもやっかまれてはいたらしいけど、それでもやっぱハンドボールは上手いからうらやましがったり尊敬もされてるみたいでさ」

１
「えっ、マジかよ！？」

２
「まー須賀はマジでバケモンだからなぁ……」

３
「３年の先輩、特に部長は須賀の襲撃にマジギレしたらしくて、犯人とっちめてやるって息巻いてるらしいぜ」

１
「こわぁ……須賀ボコさなくて正解だったわ…」

２
「ははっ、そんな勇気もねーくせに」

１
「うるせー！　でも、２年でもなくて３年でも無いつったら、じゃあ誰がやったんだろう」

３
「わかんねぇ。少なくとも２年の連中は何もしらねーみたいだったし、先輩たちは関係ないっぽいし」

１
「一年の連中はどうなんだよ？」

２
「それも無いだろ。一年は須賀のこと慕ってるみたいだったから」

１
「となると、部内であいつを襲った可能性がある奴はいないのか。んじゃ外か？」

２
「さぁなぁ………でも人当りは良さそうだし、敵を作る性格にも見えないぜ、須賀。考えられるとしたら３年の先輩たちだったけど、そっちも違うってなると…」

１
「あ、じゃあアレは？　ほら、一年の水谷。あいつ中学ん頃から須賀に煮え湯飲まされてたみたいだし、動機十分じゃね？」

２
「そっちももっと無いんじゃないか？　水谷は須賀のことライバルみたいな感じで見てる所あるし、あいつの性格からしてハンドボール以外の所で須賀を排除しようとなんてしないだろ」

１
「………まーそうか。ってなると、マジでわかんねぇな」

３
「そのうち警察から聞きこみされるかも知れないから気をつけろって兄貴がいってたぜ」

１
「後ろめたいところなんて無いんだ、堂々としてりゃいいんだよ堂々と」

２
「お前明らかに須賀のこと煙たがってた上に虐めてただろ…」

１
「あっ………」

～回想終了～

男子
「って」

照
「…………振りだし…でも、少しだけ分かった。ありがとうね！」

男子
「いえいえ、あの、よければメー」

照
「じゃあ急ぐから行くね！　本当にありがとう！　ばいばい！」

男子
「あっ！　……いっちゃった……実際に見ると、マジでかわいかったなぁ！」

・・・・・・・・・

照
「………犯人はハンドボール部内にはいない可能性が高い……」

照
「………一歩前進したけど、これ以上は分からない」

照
「そもそも突発的な犯行だった可能性…夕方とは言え、人通りがあるところで襲うなんて、素人」

照
「誰でも良かった可能性もある…のかな…それだと本当に手詰まり」

咏
「いや、それは無いだろうねぃ」

照
「…！？」

咏
「よぅ照ちゃん、久しぶりだねぃ。元気してたー？」

照
「うたちゃん……なんでここに？」

咏
「京ちゃんが襲われたって聞いたから、ほら、やっぱ、報復しないと」

照
「報復……相変わらずだね」

咏
「はっはっはー、それで照ちゃんはどこまで知ってるの？」

照
「ハンドボール部は関係ない可能性が高い、ということだけ」

咏
「………やっぱりね。となると、なんとなく答えは見えてきたぜ」

照
「答え？」

咏
「あぁ。おそらく多分知らんけど」

照
「教えて」

咏
「その前に場所を移そうぜ。立ち話もなんだしねぃ」

照
「パフェ？」

咏
「パフェでもなんでもいいぜぃ」

ここまでにします。
咏と照の性格がこんな感じだったか曖昧になってきました。
でも咏さんが可愛いのでなんでもいいです。

それでは失礼します。
おやすみなさい。

結局寝れませんでした。
ちょっとだけ進めます。

咏
「今回、京ちゃんを襲撃する可能性がありそうな人物をまとめてみようかねぃ」

照
「おおー」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

咏
「まず、ハンドボール部の誰か、だ。これはまぁ一番考えられそうな所だ

咏
「２年、３年は後から入ってきた京ちゃんに劣ってるからねぃ。更に最近京ちゃんは麻雀部と兼部をし始めた」

咏
「調子に乗っている、と思われる可能性がある行為だねぃ。「俺は遊びながらでもハンドボールを上手くできる」みたいなねぃ。こういうのは実際の京ちゃんの思考はまるで関係ねーし」

照
「だね」ｳﾏｳﾏ

咏
「んだけど、照ちゃんの情報が確かなら高確率でここの線は消えちゃうんだよねー。ま、いったんおいておこうか」

咏
「次に他校のハンドボール部。これも清澄のと同じような理由で、可能性は追える訳だ」

照
「そうなの？」

咏
「中学三年間京ちゃんにボコボコにされてきた連中はいっぱいいる訳だしね。何か逆恨みを買って…うん、十分考えられる話だねぃ」

咏
「ただ暴行を加えたかった、あるいは金銭略奪…という線は消していいぜ。なんせ今回の事件は、人通りがある所で行われた訳だからねぃ」

照
「うん、私もあり得ないと思う」

咏
「他はまぁ日常生活で恨みを買って、って線だけど、これについてはお手上げだ。どうやっても犯人なんて絞り込めない。他人がどんな理由で京ちゃんを恨むかなんてわかったことじゃないからねぃ」

咏
「じゃあ次に、今回事件が起こって喜ぶ人間を考えてみようか」

咏
「ハンドボール部の連中。京ちゃんを痛めつければ鬱憤が晴らせるから」

咏
「単純な理由だけどねぃ」

咏
「次に、竹井久。咲ちゃんが部活に馴染めなくて困っていたみたいだったし、京ちゃんを引き入れて咲ちゃんと他の部員の仲介役をしてもらい、咲ちゃんを馴染ませられる」

咏
「だけど、これは現実的じゃないかもねぃ。なんせ京ちゃんは兼部とは言え麻雀部とハンドボール部を行き来してた訳だし」

咏
「気になるのは京ちゃんが麻雀部に入った時のことだけど、ちょっと聞いた話だと竹井に呼び出された京ちゃんは不満顔で戻って来た、らしいよ」

照
「…不満顔……」

咏
「裏取引か、脅しか……分からんけど、京ちゃんにとって麻雀部入部は不本意だったんだろうねぃ」

咏
「次、宮永咲」

照
「咲はそんなことしない」

咏
「私もそう思うけど、やるなら徹底的にしないといけねー。咲ちゃんはそのまま、京ちゃんが麻雀部にいてくれた方が安心できるって理由でやった可能性もある訳だ」

照
「……………」

咏
「ただ、これも聞きこみの情報なんだけど、咲ちゃんはどうやら京ちゃんが麻雀部と兼部していることに対してあまり良い顔をしてなかったみたいなんだよねぃ」

咏
「麻雀部に入った京ちゃんに依存して、暴挙に……あまり現実的じゃねーなー」

照
「うん」

咏
「情報不足過ぎる訳だけど、とりあえずここから当てはめると……」

照
「一番可能性が高いのは……」

咏
「１、京ちゃんに恨みがある人間
　２、ハンドボール部
　３、竹井久
　４、宮永咲
と、こうなるんかねぃ」

照
「……………１は、もうどうにもならない」

咏
「さっきも言ったけど、こっちはもう手に負えんねぃ。ちょっと様子見するしかない」

咏
「ハンドボール部は正直、照ちゃんの話がなければぶっちぎりだったんだけどねぃ。ま、その２年３年が密かにやっちまってだんまりを決め込んでる可能性も無きにしも非ず」

照
「竹井久、も、可能性としては…」

咏
「もしかしたら、兼部させることに成功したは良いけど、それだけじゃ物足りなくなった可能性がある」

咏
「時間が無い事に焦りを覚え、京ちゃんを完全に引き入れて咲ちゃんを早く仕上げてやろう。そう考えた時には、京ちゃん襲撃の動機は成立しちまう」

咏
「咲ちゃんは正直まったく疑ってないぜぃ。仮に麻雀部に引き込みたいんなら、咲ちゃんなら乱暴な行動には出ないと思うし」

咏
「身内びいきかも知れんけどなー」

照
「他に３人の部員がいる。そっちはどうかな」

咏
「うーむ……私もそっちはあんまりだけど、可能性は低いと思う。断言はできんけどなー」

照
「………結局、答えは出なかった……」

咏
「と、思うだろ？」

照
「え？」

うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ
大事な伏線の所で盛大にミスってるううううううううううううううううううううううう
馬鹿あああああああああああああああああああああああああああああ

>>168
咲
「だから、そんなことないですって」

↓
京太郎
「だから、そんなことないですって」

です……なんだこのミス……

咏
「実は、咲ちゃんに会いに行った時に、咲ちゃんがちょっと気になることがあった、って言ってたんだよねぃ」

照
「…気になる？」

咏
「というのもね、京ちゃんのお見舞いに竹井と二人で行ったときに、こんなやりとりがあったみたいなんだ」


久
『………。本当に…ごめんなさい……』

京太郎
『え？　いや、別に部長が謝ることでも…』

久
『私の…私のせいだから……』

咲
『だから、そんなことないですって』

京太郎
『最終的に麻雀部掛け持ちすることにしたのは俺の意思ですから。そもそも襲った奴が悪いし…』


咏
「まーなんてことは無さそうな感じの受け答えに聞こえるだろ？　でも、咲ちゃんは竹井をどこかおかしいと感じたらしい」

咏
「京ちゃんと話してる時、罪悪感と、安心感を感じ取った、らしいんだぜ」

照
「…罪悪感と…安心感？」

咏
「なー、おかしな話だろ。罪悪感は……まぁ分からんでもないねぃ。自分が引き入れたことで襲われる原因に繋がった、のかも知れないと考えた可能性はある訳だ」

咏
「でも安心感ってなんだって話になっちまうんだよなー。つまり、竹井は京ちゃんが襲撃され、大怪我を負って、ホッとした訳だ」

咏
「なんでだろうなー？　わっかんねー、すべてがわっかんねー」

咏
「何にしても、それなりに大きな情報だと思わねー？」

照
「普段から人の顔色ばかり窺う咲だからこそ、見抜けた情報……でも」

咏
「そうなんだよなー。こんなの証拠になんねーんだよ。あくまで個人の主観な訳だしなー」

照
「………でも」

咏
「あぁ。アタリはついた。んなら、どう行動するか決め易くなるぜぃ」

照
「……………うん」

咏
「正直、私はもう京ちゃん襲撃は起こらないと思う。勘だけどねぃ」

咏
「でもさー、京ちゃんをあんな目にあわせてまで自分を満足させようって根性がきにくわねー。だから、制裁しなきゃいけねーんだよねぃ」

照
「うん。私も、そう思う」

咏
「んじゃ、協力しようぜぃ。照ちゃんがいるだけでもっと色々対策できるしねぃ」

咏
「報酬は毎日好きなだけお菓子をプレゼントしてやるぜぃ」

照
「やる」ｼｭﾋﾞｯ

咏
「だよねぃ。んじゃ……ま、たまに頑張るかー」

照
「おー」

ここまでにします。
いやー、書いてる時って本当にミスに気づきませんね。
気を付けないと。

さて、物語も終盤。
京ちゃんの運命やいかに。

では失礼します。

直前に訂正しておきながら>>215で訂正できてない件

>>217
絶句過ぎて何も言えないッス。

コピペ多用するとこうなるっていう典型的な例ですね。
脳内補完お願いします

ボチボチ進めていきます

Side　京太郎

京太郎
「あー……やり難いったらありゃしない。ふんぬっ…！」ｸﾞｸﾞｸﾞ

男子
「おいおい、無茶すんなって……左手だけじゃ辛いだろ」

京太郎
「いや、大分休んじまったし、多少無理してでも追いつかないと……ふんぬぐぐ…！」

男子
「だからって片手で逆立ちして腕立ては無理だって……」

男子
「ミスったらせっかく治りかけてる右腕もまた壊しちまうだろ？」

京太郎
「まぁ…確かにな…よっと」

男子
「まったく……本当無茶するよ、お前」

京太郎
「まぁな」ﾊﾊｯ

「おい」

京太郎
「え？　…って、部長！　どうしました？」

ハンド部長
「おう、ちょっと顔貸せよ」

京太郎
「あ、はい」

男子
「…………お、おい…お前、やべぇんじゃねぇのか…？」

京太郎
「あのガタイは本当ヤバイな……アメフトとかやった方が絶対有能な選手になれるだろ……」

男子
「マジで行くのか！？」

京太郎
「行くしかねーだろ……」

男子
「き、気をつけろよ……」

京太郎
「あぁ………無事を祈っておいてくれ……」

・・・・・・・・・

ハンド部長
「おう、来たか」

京太郎
「…はい(３年の先輩５人か………)」

ハンド部長
「…おう、須賀ぁ。お前を襲撃した犯人、捕まえてやったぜ」

京太郎
「え？」

ハンド部長
「連れてこい」

３年Ａ
「はい。…おら、さっさと歩け！」

「ひぃいい」

「た、助けて…」

京太郎
「………この二人、ですか？」

襲撃犯Ａ
「お、俺は関係ない！　何も…」

ハンド部長
「とぼけるな。お前らが自慢話してたって話は聞いてんだよ」

襲撃犯Ｂ
「な、何かの勘違いじゃないスか！？」

京太郎
「この声……」


『…………死ねや！』
『おらおら！』

『チッ…！』
『逃げるぞ！』


京太郎
「あの時の…二人組の…！」

ハンド部長
「やっぱりか。……おう、もう逃げられねーぞ…」

襲撃犯Ａ
「クソッ……」

ハンド部長
「おい、なんで須賀ぁ狙った？」

襲撃犯Ａ
「しらねぇよ……俺は電話で頼まれただけだ…」

ハンド部長
「電話だぁ？」

襲撃犯Ａ
「あぁ。須賀京太郎を襲えば金を払うってよ」

ハンド部長
「相手は？」

襲撃犯Ａ
「だからしらねぇって。電話がかかってきて、それに出たら相手だったってだけで。声も変声機を使ったような声だし、男か女かもわかんねぇ」

ハンド部長
「チッ……」

京太郎
「………それは一回だけか？」

襲撃犯Ａ
「あ？　いや、一回目は依頼の電話で、二回目はお前を襲った次の日だったか。電話でブチギレられてよ」

襲撃犯Ａ
「まぁ金は貰ったけどな」

京太郎
「ブチギレられた？」

襲撃犯Ａ
「依頼は「適当に痛めつけてくれ」ってものだったんだけど、お前の腕を折ったことでかなりイラだってたみたいでな。ったく、知るかっつの」

ハンド部長
「チッ、使えねぇ野郎だな。おい、連れてけ。こいつらの家とかも押さえとけよ」

３年Ａ
「はい、分かりました」

京太郎
「……………いったい、だれが……」

ハンド部長
「………」

京太郎
「部長……なんで、あの二人を捕まえてくれたんですか？」

ハンド部長
「腹が立ったからだよ」

京太郎
「え？」

ハンド部長
「須賀ぁ…俺はお前が嫌いだ。大嫌いだよ。俺がどんなに頑張っても手に入らないもん持ってるからなぁ」

ハンド部長
「だが嫌いと同時に、お前を応援してんだよ。一人のハンドボールプレイヤーとしてよぉ」

ハンド部長
「お前なら、いつか世界で活躍できる。俺はそう思ってんだ」

ハンド部長
「そのお前をよぉ、こんな形で傷つけられたら……腹も立つってもんだろぉが」

京太郎
「部長………ありがとうございます！」

ハンド部長
「犯人捜しはこっちでもやっとくから、お前はしっかり療養しろ。さっさと直して、復帰しやがれ」

京太郎
「はい！　…あ……それと、麻雀部と掛け持ちした件、しっかり謝らせてください。すいませんでした！」

ハンド部長
「そっちも気にするな。竹井が絡んでるのは知ってるからよ。あの女は昔から何かするためなら手段を選ばない奴だったからな」

ハンド部長
「お前も何か弱みを握られたんだろ？」

京太郎
「えぇ、まぁ。…お前も、ってことは、部長も？」

ハンド部長
「………まぁな…」

京太郎
「………ちなみに、それは」

ハンド部長
「くだらないこと言ってないで、腕使わんでできる運動でもやってろ！　どうせお前は止めろって言っても止めねーんだろうしな！」

京太郎
「は、はい！　失礼します！」

・・・・・・・・・・・・

京太郎
「お疲れさまでしたー！　失礼します！」

京太郎
「…………くぅー、早く身体いっぱい運動してぇなー！」

咏
「その前に、こっちに付き合ってもらおうかねぃ」

京太郎
「うたちゃん？　え、なんでいるの？　帰ったんじゃ」

咏
「私がここにいたら不都合でもあるのかねぃ京太郎は」

京太郎
「いやそれは無いけど……」

咏
「ちょっと話そうぜ。ほら、着いてきなー」

京太郎
「あ、うん」

・・・・・・・・・

咏
「襲撃犯の方は捕まえたけど、肝心のそれを依頼した人間は分からん、と」

京太郎
「うん、そういうことらしい」

照
「こんにちは、京ちゃん」

京太郎
「照さん！？　え、なんで照さんもここに！？」

照
「うたちゃんと、捜査してるの」

京太郎
「照さんもですか……」

照
「京ちゃんが入院してる間、京ちゃんの部屋を使わせてもらってて、その後こっちのうたちゃんの家に」

京太郎
「え？　母さんそんなこと言ってなかったのに…」

照
「おばさんには、内緒にしててって言ったから」

京太郎
「なんでですか…」

照
「内緒」

京太郎
「なんでですか！？」

咏
「でも、犯人は、特定できたかもしれないねぃ」

照
「………うん。京ちゃんが襲われた次の日、竹井さんを見かけた。どこかに電話をかけてて、怒ってる感じだった」

京太郎
「え………どういうことですか？」

・・・・・・・・・

京太郎
「…………そんな……竹井部長が……俺を襲わせた犯人…？」

咏
「もちろん違うかもしれんねぃ。だけど、今の所それが有力かな」

照
「私も、そう思う」

京太郎
「いったい、なんで……」

咏
「多分、京ちゃんを麻雀部に縛りつけたかったんだろうねぃ」

京太郎
「………そんなこと……なんで……」

咏
「わっかんねー。他人がどう考えるかなんてわっかんねーけど、それが全てだと思うぜ」

照
「………でも、許せないこと。ぜったいに」

咏
「だな。許せねーってのは、どうあっても変わらない」

京太郎
「……………………すいません、竹井部長のこと、俺に任せてもらっても良いですか？」

咏
「………私がこんなにカッカしてんのにそれを抑えて自分に譲れってことか」

京太郎
「はい。正直うたちゃんがやると何をするか……」

咏
「おー言うようになったなー、私はそんなふうに育てたつもりはないんだけどなー、わっかんねー」

京太郎
「すいません。そのかわりと言ってはなんですが、今度うたちゃんが休みな時にでも、一緒に遊びに行きましょう」

咏
「うーし交渉成立だな。二日間こき使ってやるぜー」ｳｷｳｷ

照
「ずるい。京ちゃん、私は？」

京太郎
「あ、はい…照さんも、それで良いですか？」

照
「構わない。一日中お菓子を京ちゃんと食べる」

京太郎
「それは駄目です」

照
「………残念……」

京太郎
「…………よし。二人とも、本当にありがとうございました。あとは、俺が決着、つけておきます」

咏
「おー頑張ってねぃ」ﾌﾘﾌﾘ

照
「お菓子……京ちゃんと……」ﾎﾟﾜｧ

京太郎
「もう二人共どうでも良いって感じですね……」ｶﾞｯｸﾘ

京太郎
「でも俺の為にここまでしてらもったんだ。………あとは、俺がやらないとな」

ここまで。
次回最終回(予定)

やめて！京ちゃんの運は、凄く良い事が起きるほど他のことで反動が来ちゃうの！

お願い、死なないで京ちゃん！

京ちゃんが今ここで倒れたら、咏さんとお姉ちゃんが真の魔王として覚醒しちゃう！

力の許すかぎり戦って。ここを耐えれば、健夜さんにだって勝てるんだから！

次回「京太郎死す」

リーチスタンバイ！

くだらないことしてすいませんでした。
こういう展開になったことは、完結した後にでも説明します。
それでは、失礼します。

乙です。
しかし開始時点ではスポーツ青春物語になると思っていたのにいつの間にかこの深刻さよ

>>235
私は開始当初、久に嵌められた京太郎は渋々久に付き合って咲の面倒を見、そのうえでハンドボールに情熱を燃やす京太郎に恋心を抱き、恋愛青春物語になると思っていました(目逸らし

さて…終わりまで向かいます。

・・・・・・・・・

久
「…それで、京太郎くん。話って、何かしら」

京太郎
「…あー、えーと………俺、竹井先輩に聞きたいことが、あるんです」

久
「なに？」

京太郎
「実は、俺を襲った二人組が見つかったんです。ハンドボール部の先輩方が見つけてくれたらしくて」

久
「え？　そう、良かったじゃない…これでもう安心ね」

京太郎
「それが、そうもいかないんですよ。そいつらが言うには、自分達はただ依頼されただけで、黒幕は別にいるらしいんですよ」

久
「へぇ……デタラメなことを言っているだけじゃないかしら？　罪逃れの為に」

京太郎
「俺はそうは思いません」

久
「それはなんでかしら」

京太郎
「そいつら以外に、怪しいと思える人物が一人だけ、見つかってしまったからです」

久
「………それは？」

京太郎
「………あなたです。竹井先輩」

久
「どういうこと？　何故私が京太郎くんを襲わせなければならないの？」

京太郎
「すいません、確実な証拠は、無いんです、残念ながら。全てただの証言でしか無いんです」

京太郎
「まず、第一に。ハンドボール部は俺の襲撃についてまったく関与していない、と見ています」

京太郎
「俺の友達で同じハンドボール部員の証言、それとハンドボール部の部長直々に襲撃犯を見つけ出してくれたこと。この二点から、俺はハンドボール部内に犯人はいないと考えています」

久
「でも、もしかしたらハンドボール部員がその襲撃犯に依頼をした可能性はあるわよね？　それで、その後その襲撃犯と自分達を無関係のように扱って京太郎くんの信用を得ようとした、そうは考えられないの？」

京太郎
「………。そうですね、その可能性は、あるかも知れませんね」

久
「でしょう？」

京太郎
「続けさせてもらいます。次に、あなたを目撃したという人の話に移らせてもらいます」

京太郎
「その人は、残念ながら断片的にしか聞き取れなかったようですが、襲撃犯が話の内容を、覚えてる限り教えてくれたみたいです」

京太郎
「一回目の通話は、ただの依頼電話だったので省かせてもらいます」

京太郎
「二回目の通話の時の、相手の人間との会話は、こんな感じでした」

～以下回想～

襲撃犯Ａ
『もしもし』

犯人
『どういうこと！？　ただ痛めつけろって言っただけなのに、腕を折るなんて！』

襲撃犯Ａ

ミス

京太郎
「一回目の通話は、ただの依頼電話だったので省かせてもらいます」

京太郎
「二回目の通話の時の、相手の人間との会話は、こんな感じでした」

～以下回想～

襲撃犯Ａ
『もしもし』

犯人
『どういうこと！？　ただ痛めつけろって言っただけなのに、腕を折るなんて！』

襲撃犯Ａ
『は？　あぁ、あんたか』

犯人
『なんてことをしてくれたの！　しかも頭をバットで殴られたって言ってたわ！』

襲撃犯Ａ
『そ、それは…』

犯人
『死んだらどうするつもり！？　……まぁ、良いわ……一応、目的は達成したみたいだし」

襲撃犯Ａ
『あ、あぁ…悪かったよ……』

犯人
『お金は、あなたの店に送っておいたわ。それじゃ』

～回想終わり～

京太郎
「目撃者が断片的に聞いた感じ、久さんの電話での会話と似ていたと、言っていました」

久
「………」

京太郎
「……さて、少しだけ話を戻しますが。竹井先輩。なんで竹井先輩は、【ハンドボール部員と襲撃犯に面識は無かった】と思ったんですか？」

久
「え？」

京太郎
「さっき言ってましたよね。「それで、その後その襲撃犯と自分達を無関係のように扱って」と。俺が見た限り、確かに部長たちと襲撃犯には面識が無かったように見えました」

京太郎
「抜群の演技力で俺を騙しとおした可能性もあるかも知れませんが、少なくとも俺の判断は、そうです」

京太郎
「つまり、部長達を庇う必要がないんです、襲撃犯の二人には。襲撃犯は学校外の人間。自分達だけが捕まっては面白くありませんからね」

京太郎
「彼らはプロで、絶対に口を割らない……というタイプには見えなかったですしね」

京太郎
「そうなんです。部長達が襲撃犯を無関係のように扱うためには、双方に面識が無いという事実がなければなりません」

久
「……………」

京太郎
「なんで、依頼人と襲撃犯の間に面識が無い事を、あなたは知っていたんですか？」

久
「………なんとなく、ふとそう思っただけよ。ドラマとかでも、よくある話だしね」

京太郎
「そうですか。良いでしょう」

京太郎
「さて、次です。これは質問なんですが」

京太郎
「竹井先輩、咲と一緒に俺のお見舞いに来てくれましたよね？」

久
「……えぇ…」

京太郎
「その時、竹井先輩は俺に謝罪をしましたね。あの時、咲は竹井先輩から違和感を感じた、と言ってたみたいです」

久
「違和感……」

京太郎
「はい。竹井先輩から、罪悪感と安堵感を感じた、と」

久
「………！」

京太郎
「俺に謝ったときに安堵感を感じたのって、なんでなんでしょうか」

久
「それは…その、命に別状は無かった、からで…」

京太郎
「本当ですか？　罪悪感というのは？」

久
「……私が、麻雀部に誘ったから、襲われたのかと…」

京太郎
「俺が襲われたことについて、瞬時にハンドボール部と俺との関係に思い至ったんですか」

久
「え、えぇ……」

京太郎
「………本当は違うんじゃないですか？」

京太郎
「罪悪感を感じたのは、自分の依頼のせいで俺の腕が折れたことに対して」

京太郎
「安堵感を感じたのは、俺が大怪我を負ってハンドボール部の活動ができなくなり、麻雀部に来ると思ったから」

京太郎
「……違いますか」

久
「そんなこと…！」

京太郎
「そうですか。分かりました」

京太郎
「じゃあ、これが最後になります。今回の俺の襲撃事件で、では誰が得をしたのでしょうか」

久
「ハンドボール部でしょう。彼らは京太郎くんをやっかんでいたし」

京太郎
「そうですね。確かに、ハンドボール部の人達には結構やっかまれてましたね」

京太郎
「ですが、他に俺が襲われたことで得をする人間が、いるんですよ」

久
「…………」

京太郎
「あなたです。竹井先輩」

久
「………………」

京太郎
「あなたは焦っていた。咲が中々麻雀部に馴染んでくれなく、咲や他の部員が上手く連携を取れない状況に」

京太郎
「咲も緊張で実力を発揮できず、このままでは大会に勝つことはできない」

京太郎
「最初に俺をハメたのが、その証拠です。あんな風に俺を脅してでも、あなたは俺を麻雀部に入れましたよね？」

京太郎
「それは何故か。咲が一番気兼ねなく話せる相手が、俺だったからですよ」

京太郎
「俺がいれば、咲の緊張もいくつか和らぎ、徐々に壁が薄くなっていってくれると思った」

京太郎
「ですが、時間がかかり過ぎてしまった。俺の見ている限り、咲は徐々に馴染むことに成功しました」

京太郎
「でも、それでは足りなかったんです。もっと早く馴染んでもらい、もっと早く部全体の力をつけさせなければならないと」

京太郎
「そのためには何が必要か。……俺を麻雀部に常駐させること……」

久
「…………！」

京太郎
「最初に言った通り、全部証言でしかありません」

京太郎
「ですが………あなたは、完全に白とは、言えなくなりました」

京太郎
「襲撃犯の会話の証言と、あなたが電話をしている所を目撃した人の証言。何故かすぐに思い至った、襲撃犯と依頼主の面識無しの事実。罪悪感と安堵感。俺が大怪我をしたことで得をする人物であること……」

京太郎
「それともう一つ………あなたの態度にも、疑問を感じざるを得ません…」

久
「……態度…？」

京太郎
「…あなたは、どうあってもハンドボール部を犯人にしたいみたいですね？」

久
「……！」

京太郎
「いかがですか、竹井先輩！」

久
「…………………………～～～～～～～～～～！！！！！！！！！！」

久
「きゃあああああああああああああああああああ！！！！」

いつから逆転裁判が始まってたんだ

・・・・・・・・・

久
「…………えぇ、そう………あの二人に依頼したのは…私よ……！」

京太郎
「………！」

久
「………本当に、ごめんなさい…」

京太郎
「………はい」

久
「私、どうにかしなきゃって………宮永さんが馴染めなくて、これじゃあ、勝てないって……どうしよう……って…」ｸﾞｽｯ

京太郎
「…………………」

久
「………ちょっと痛めつけてもらって、ハンドボールから遠ざかってくれれば、良いと思ってたの……でも……大怪我になっちゃって……」ﾋｯｸ

京太郎
「………………」

久
「隠し通さなきゃ、麻雀部が終わっちゃうって…………ずっと…怖くて……」

久
「ごめん……なさい…！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

京太郎
「…………！」ﾊﾟｼｰﾝ!

久
「…！」ﾄﾞｻｯ

京太郎
「バカヤロウ……なんで、もっと皆を……俺を信じようとしなかったんだ！」

久
「………ぇ…」

京太郎
「確かに咲は人見知りで臆病者だけど、馬鹿じゃねぇ！　みんなで力を合わせれば、咲だって心を開いてくれただろうさ！」

久
「…………ぁ…」

京太郎
「…あんたは、逃げたんだ。どうにもならないと諦めて、汚い手を使ってでもなんとかしようとして…………もっと、信用してやれよ！　仲間だろうが！」

久
「…………」

京太郎
「俺は色んな人に助けられて、今、ここであなたと対面しています。一人の力は弱くても、みんなで力を合わせれば、どうにでもなるんスよ…部長…」

久
「……ごめん、なさい……ごめんなさい………ごめ…」

京太郎
「今回のことは、無かったことにしましょう、部長。ここで部長の不祥事が知れたら、麻雀部は活動できなくなります」

久
「…………なん、で…」

京太郎
「俺は、あの麻雀部が好きなんですよ。幸い、あの二人もまだ警察に突き出してはいません。俺が警察の方に話して、犯人と和解してもう問題が無いとでも伝えておきます」

京太郎
「被害者の俺が言えば、それ以上のことは多分しないと思いますし」

久
「あり…ありが、とう…」ｸﾞｽｯ

京太郎
「そのかわり！　部長にはちゃんと罪を償ってもらいます！」

久
「…うん……なんでも、言って…できることならなんでも、するから」ｸﾞｽｯ

その後……俺は警察に事情を説明し、もう問題が無いということを伝え、事件は解決となった。
俺が竹井先輩に科した罰…それは……
「ちゃんと、部長として皆を信じ、皆を導いていくこと」
竹井先輩は俺の言ったことが信じられなかったのか、目をパチクリさせていた。
麻雀部、ハンドボール部には、事情を説明した。
竹井先輩が、それだけはキッチリとケジメをつけたかったとのこと。
ハンドボール部員は軽く納得してくれた。俺が良いならなんでも良いとのことだ。
麻雀部は、咲以外は少し怒ってから、これから頑張ろうと先輩を慰めていた。
咲だけはぷりぷり怒っていたが、俺が一時間ほど説教をしてやったところ大人しくなった。
照さん、うたちゃんにも迷惑をかけた。
後日、二人を誘って遊園地に行き、何故か待ち合わせの場所で両方の頬に紅葉をつけることになった。
二日間かけて、俺の財布はスッカラカンになった。
事件については、京ちゃんが許すなら不問、との判決だった。うたちゃんがそう言ってくれて、俺は心底安心した。

そして……

京太郎
「久先輩ー、調子はどうスかー？」

久
「………あ、京太郎くん。それなりに順調よ。新しい部員も増えて、私が卒業した後も安泰そうね」

京太郎
「そいつは良かった」

久
「そっちも世界大会優勝おめでとう」

京太郎
「ありがとうございます。いやー、やっぱり世界は広いですよねー、強い人達がゴロゴロいて」

久
「それでも優勝しちゃう京太郎くんだけどね」

京太郎
「久先輩の見てる前で負ける訳にはいかないッスからねー」

久
「…ふふ。かっこつけだもんね？」

俺と、久先輩は今、恋人関係となった。
あんなことをされて何故、と思う人もいるかも知れない。
だが、当然だろう。
和解した後、久先輩に猛烈にアプローチをかけられたんだ。
俺は元々そんなに怒ってる訳じゃなかったし、久先輩は美人。
こんな人に毎日強烈なアプローチをされては、折れざるを得ない。

久
「あれから随分、経ったわね」

京太郎
「なんですか？　まだあのこと気にしてるんスか？」

京太郎
「俺は別に本当に久先輩に怒ってた訳じゃなくて、ただ先輩に非を認めてほしかっただけなのになー……」

久
「…京太郎くんは本当、優しいね」

京太郎
「…………あ。そうだ、あの時のことで一つ、言い忘れてたことがあったんですよ」

久
「え？　なにかしら」

京太郎
「ほら、久先輩が電話していたのを聞いてた人がいるって話、俺目撃者は断片的に聞いていた、みたいなこと言いましたよね？」

久
「そうね」

京太郎
「あれ、実は嘘なんですよ。本当は照さん、殆ど何も聞き取れなかったらしくて。でも、そういう事実があることを久先輩は認識してる筈だから、カマかけてみたんです」

久
「そうなの？　…まんまとやられた訳ね…」

京太郎
「ハハハ。でも、結果的にこうなってよかったです。久先輩みたいな、美人な彼女ができましたし」

久
「…ありがとう、京太郎くん。これからも、よろしくね？」

京太郎
「こちらこそ、よろしくお願いします」

しかし何一つ悪くないのになんか根本の原因になってしまっている咲さんである

カンッ！

if トウォ
「もしも京太郎が進学してもハンドボールを続けていたが、久にハメられて咲の面倒を見ることになった世界」
結果
「もしも京太郎が久にハメられて先の面倒を見ることになった世界は、犯罪の香り」

終わりました。
最後の部分どうしようか悩んだんですけど、当初予定していた終わりにしました。
結局ヒロインは久だったので、まぁ…くっつけておこう、と。

で、ですが。
最初の構想ではそもそも、京ちゃんは襲撃される予定はありませんでした。
普通に兼部して、その中で久との青春物語を…と考えていたのですが、方向転換して、ハンドボール部に襲われて、ハンドボール部は廃部になって…
で、ここでまた方向転換して、「タイトルが久にハメられた、だからここの犯人は久にしよう」と急遽伏線を張り。
エンディングは精神的に追い詰められた久が、京ちゃんにナイフを刺して…と思ったんですが、私は報われない終わりが嫌いなので、最初に考えていたエンディングに帰結させました。

納得いかないと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、適当に納得していただけると嬉しいです。

納得いかないという意見もあることを認識しつつ次回に生かせばいいんじゃないかな

次のヒロインは誰なのか期待

最後の追い詰める場面、何度もおかしいところは無いかと確認をしながらやってましたが、もし穴を見つけたら指摘してくださるとありがたいです。

>>242
逆転裁判を意識してやってました。流石です

>>250
今回は、咲のコミュ症によって追い詰められた久が、突発的な犯罪を……という感じのイメージでやっていたので、まぁ、それなりに問題があったかな、と……

さて、次回ですが…
何かリクエストがあれば、それを始めます。
できるだけ詳しくリクエストしていただけると妄想が膨らみますので、よろしくお願いします。
何もなければオフ会します。

>>258
本当は咏か照と、と思ったんですけど、やっぱり、メインヒロインは久なのかな…と。
まぁその久を作中で極悪なキャラに仕立て上げた俺が言うのもなんですが。
でも、書いてる途中で不満がでそうだな、これと思いながら投稿しました。
安易な似非ハッピーエンドは本当はやってはいけないんですがね……

それでは、失礼します。
もし私の作品に対して、納得がいかない、お前は何をやってるんだ、という意見を持った方は、今後もこういうことが発生してしまう可能性があるので、今後の閲覧は止めた方が良いかもしれません。
>>1にある通り、基本的には何も考えてません。申し訳ない。

やはりというか、評判は良くないみたいですね。
なら、あまり得意では無いですが、ちゃんとエンディング考えてみます。
それでは後程。

照と咏が出てくる意味も殆どなかったしねぇ。
探偵役なら咲やまこでも成立しただろうし…

>>268
咏さんを出した理由は、単純に京太郎の運について関連付けるためだけですね。
照を出したのは、確かに咲やそこらの人でも良かったんですが、麻雀部の人以外(探偵役は関係者ではない誰かが良い)というのと、あの時点で京ちゃんと知り合いということにしても不思議ではない人は誰か、と考えた時に真っ先に照が出てきたというだけの話ですね。
理由はシンプルに、咲の姉であるということです。咲と京ちゃんは幼馴染と言っておきながら、中学からの知りあいなんですがね、原作では。

さて、では流石に書きなおそうと思ったので、トウォエンディング、書き直していきます。

すいません、遅くなります

>>241から分岐


久
「…フフ…フフフ……」

京太郎
「……………先輩？」

久
「そうよ。アレに依頼したのは、私。あなたがどうしても必要だったからね」

京太郎
「やっぱり………！」

久
「でも、仕方ないわよね？　それが必要なことなんだから、やって当然。京太郎くんだって必要があれば他人の一人二人くらいは傷つけるでしょ？」

久
「あぁ、あなたの場合はそれじゃあ利かないか。ね、ハンドボールの王子様？」

京太郎
「な、何を…！」

久
「あなただって色んな人を蹴落として来たじゃない。あなたに蹴落とされた人は心に深い傷を負ったんじゃないかしら」

京太郎
「違う！　俺は、色んな人たちと切磋琢磨してただけで」

久
「あなたの心情がどうとか関係ないわ。相手がどう思ってるかが問題でしょう。私は私の大切なものの為に利用できるものを利用しただけ」

久
「できる限りの手を尽くした。それだけよ？」

京太郎
「なんて、人だ…」

久
「あーあ…でも残念、まさかあなたにバレちゃうなんて。絶対大丈夫だと思ってたんだけどなぁ…」

京太郎
「お願いします、竹井先輩。自首してください。そうすれば、罪も軽く」

久
「はぁ？　何を言っているの？　今私がここで自首なんてしたら、麻雀部がどうなると思う？」

京太郎
「そんなこと…！」

久
「私の方こそお願いするわ。京太郎くん、あなたが黙っていてくれれば、色々と良い事をしてあげても良いわよ？　今更形振り構ってられないし」ｽﾀｽﾀ

京太郎
「ふざけないでください！　俺はそんなこと望んじゃいない！　俺は別にあなたのことは憎い訳じゃないんです…自首してください、竹井先輩！」

久
「あら残念……私、意外とあなたのこと、好きだったのに……」ｽﾀｽﾀ

久
「なぁ！！！！」

バッ！！

…ザシュッ！！！

京太郎
「………え…？」

久
「………！　あなたは…！」

咏
「間一髪、念のため見張っておいて正解だったねぃ」

久
「くっ…！」ｽｯ

京太郎
「う、うたちゃん…！」

咏
「それにしても、ここまでするなんて想定外だぜ。そのねじれ狂った情熱をもっと他の所に使えりゃよかったのになー、わっかんねー、すべてがわっかんねー」

照
「警察は今呼んだ。すぐにここに来る」

久
「……あははははは！　なら今この場で三人共処理しないとね！」

京太郎
「竹井先輩！　なんであなたはそんな風になってしまったんですか！　分からないんですか！？　あなたが麻雀部を潰そうとしているんですよ！？」

久
「だから、あなたたちを消せば問題解決じゃない！」

照
「け、警察も…」

咏
「駄目だ、もう正気じゃないぜ。頭ぶっ壊れて正常な判断ができてないみたいだ」

久
「……殺す……殺す殺す…殺す殺す殺す殺す……宮永咲も…須賀京太郎も……………皆！！！」ｶﾞｯ！

その後、ナイフを振り回す竹井先輩を取り押さえ、間もなく到着した警察官に連れて行かれた。
引きずられるように連れて行かれた竹井先輩は、パトカーに押し込まれるまで、俺と咲に対する恨み言を喚き叫んでいた。
パトカーが遠退いても、それはいつまでも耳に残る。
まるで、悪夢のような時間だった。
もしかしたら、と俺は思う。俺のやったことは、間違いだったのでは？　竹井先輩を刺激せず、俺は大人しくハンドボールを辞め、麻雀部に在籍して咲のことを見ていてやれていれば、全員が幸せだったのでは、と。
だが、もう後悔をしてもいられない。
事件を起こした竹井先輩は退学処分、その後どこかに引っ越したらしい。
麻雀部も、和は父親に反対され、渋谷先輩も事件のショックから退部し、優希と咲も続くように退部。清澄高校麻雀部は、消滅した。
事件を受け、両親が引っ越しをすることを決意し、俺は東京に移り住んだ。

東京のハンドボール部では、かなり苦戦した。
俺と同じくらいのプレイヤーがいっぱいいて、毎日が輝いていた。
何れ、俺は事件のことを頭の片隅に追いやっていた。

そして……

京太郎
「うたちゃん、残念だったね」

咏
「あのアラフォー、容赦ねーから。今度は絶対押し切る…」

京太郎
「はいはい。ほら、カッカしない」

咏
「京ちゃん、今夜は寝かさないからねぃ。覚悟しとけよ」

京太郎
「分かりましたわかりました。あ、照さんー」

照
「ん、こんにちは京ちゃん。咏ちゃんも、お疲れさま」

咏
「………照ちゃんも来てたのか。ま、知らんけど」

京太郎
「じゃ、今日は残念会ってことで、朝まで盛り上がろー」

照
「お菓子は？」

京太郎
「いっぱい買いましょう。照さんはお酒でいいですか？」

咏
「もー知らん。死ぬまで飲んでやる。付き合え京ちゃん」

京太郎
「俺は未成年です」

…………俺は、うたちゃんの家に入り浸っている。
頭の片隅に追いやれたのも、うたちゃんの助けがあってこそだ。
照さんも暇があれば遊びに来て、三人でよく遊ぶようになった。
今度こそ、この幸せが永遠にあってくれ、俺はそう思っている。
そのために、俺は俺の努力をする。もう二度と、間違えないように。間違われないように。

咏
「それはそうと、照ちゃん近すぎね？」

照
「離れると、迷子になっちゃうから」

京太郎
「最近照さんのポンコツ化が著しいですね…」

照
「ポンコツで京ちゃんが介護してくれるならそれでもいい。毎日お菓子を要求する

渋谷先輩ってたかみー清澄に在籍してんのか

ミスった

その後、ナイフを振り回す竹井先輩を取り押さえ、間もなく到着した警察官に連れて行かれた。
引きずられるように連れて行かれた竹井先輩は、パトカーに押し込まれるまで、俺と咲に対する恨み言を喚き叫んでいた。
パトカーが遠退いても、それはいつまでも耳に残る。
まるで、悪夢のような時間だった。
もしかしたら、と俺は思う。俺のやったことは、間違いだったのでは？　竹井先輩を刺激せず、俺は大人しくハンドボールを辞め、麻雀部に在籍して咲のことを見ていてやれていれば、全員が幸せだったのでは、と。
だが、もう後悔をしてもいられない。
事件を起こした竹井先輩は退学処分、その後どこかに引っ越したらしい。
麻雀部も、和は父親に反対され、渋谷先輩も事件のショックから退部し、優希と咲も続くように退部。清澄高校麻雀部は、消滅した。
事件を受け、両親が引っ越しをすることを決意し、俺は東京に移り住んだ。

東京のハンドボール部では、かなり苦戦した。
俺と同じくらいのプレイヤーがいっぱいいて、毎日が輝いていた。
何れ、俺は事件のことを頭の片隅に追いやっていた。

そして……

京太郎
「うたちゃん、残念でしたね」

咏
「あのアラフォー、容赦ねーから。今度は絶対押し切る…」

京太郎
「はいはい。ほら、カッカしない」

咏
「京ちゃん、今夜は寝かさないからねぃ。覚悟しとけよ」

京太郎
「分かりましたわかりました。あ、照さんー」

照
「ん、こんにちは京ちゃん。咏ちゃんも、お疲れさま」

咏
「………照ちゃんも来てたのか。ま、知らんけど」

京太郎
「じゃ、今日は残念会ってことで、朝まで盛り上がろー」

照
「お菓子は？」

京太郎
「いっぱい買いましょう。うたちゃんはお酒でいいですか？」

咏
「もー知らん。死ぬまで飲んでやる。付き合え京ちゃん」

京太郎
「俺は未成年です」

…………俺は、うたちゃんの家に入り浸っている。
頭の片隅に追いやれたのも、うたちゃんの助けがあってこそだ。
照さんも暇があれば遊びに来て、三人でよく遊ぶようになった。
今度こそ、この幸せが永遠にあってくれ、俺はそう思っている。
そのために、俺は俺の努力をする。もう二度と、間違えないように。間違われないように。

咏
「それはそうと、照ちゃん近すぎね？」

照
「離れると、迷子になっちゃうから」

京太郎
「最近照さんのポンコツ化が著しいですね…」

照
「ポンコツで京ちゃんが介護してくれるならそれでもいい。毎日お菓子を要求する」

咏
「じゃあ私も京ちゃんに毎日お世話してもらって楽に過ごすねぃ」

京太郎
「割と今の生活に当てはまってるじゃないですか、それ…」

京太郎
「でも……これからも、よろしくお願いします、二人とも」

カンッ！

if トウォ
「もしも京太郎が進学してもハンドボールを続けていたが、久にハメられて咲の面倒を見ることになった世界」
結果
「もしも京太郎が久にハメられて先の面倒を見ることになった世界は、新しい世界の幕開け」

>>276
何回も確認したのになぁ、おかしいなぁ。そう思う>>1だった。
染谷先輩です。谷だけで判断してました。ごめんなさいまこ先輩。

というわけで、分岐カンです。
こっちを書く予定だったのですが、流石に…とオクラにしようと思っていました。
全国の久先輩ファンに、謝罪を。私は久先輩はそれなりに好きなキャラです。

さて、次回作ですが、
もし豊音と京ちゃんが幼馴染みで共依存ぎみだったら
もし京太郎が幼い頃から照と麻雀仲間だったら
この二つのリクエストを確認しました。
どちらも、おっ、と思ったので、豊音→照という順に書いていきます。
今度からはタイトルにあるキャラを焦点にして物語を展開していきたいと思います。
なんであんな似非ミステリーにしたのか……

それでは、失礼します。
もし夜に元気があれば、豊音編開始します。

すまんが没

>>283
これ以上の修正を行うには、ハンドボール部が犯人にするorそもそも襲撃なんてなかった
で書き直す必要が出てくるので、エンディング二つのうちもっとも納得の行く方を選択してあげてください
申し訳ない

>>278
当初→「久にハメられる京太郎が、咲の御守りの傍らハンドボールに打ち込む青春物語」

>>278
途中→「エンディングは久と京太郎が恋人だな」
途中２→「ちょっとハンドボール部の闇を見せつつ、京太郎に打ち勝ってもらおう」
途中３→「久には麻雀部を大切にしてもらおう」
転機→「京ちゃんがハンドボール部に襲撃されるも立ち直り、久にはサポートしてもらおう」
途中４→「待てよ？　タイトルが久にハメられて、なんだからここの襲撃犯は久が妥当なんじゃないか？」
途中５→「京太郎の麻雀能力に関係する説明付けの咏さんは優秀な相棒役に据えて、京太郎に真相を追ってもらおう」
途中６→「いや待てよ？　京太郎を探偵役にするよりも、何も知らない所で進行させた方が面白そうだな」
途中７→「一番使いやすいのは、照だな、咲の姉だし京ちゃんとも繋がりが持てるだろう」
途中８→「エンディングは京ちゃんが久に殺されるとかどうだろう。ミステリーの終わりとしては無難か？」
途中９→「さて、伏線は張った。後は京ちゃんに回収してもらいつつ、久を追い詰めよう」
途中１０→「逆転裁判みたいに華麗な逆転がしたいなぁ……やってみよう」
転機２→「これじゃあ久が最初から最後まで悪役になっちまう。そんなの久が可哀想やん…やっちまった……ここから心を入れ替えたことにして、京ちゃんには許させて、当初のハッピーエンドにつなげよう」
結末→「これ投下したら批判きそうだなぁ……久との恋愛フラグの伏線張ってなかったもん……いいややっちまえ！」
結果大ブーイング

こんな感じでしたね。
長々と言い訳ですが、今後は一貫性を持とうと深く思いました。

最初にヒッサにはめられたんだからタイトル通りなんだろうけど、もしどうしても久ヒロインで終わらせたかったんならもう一度肉体関係を最後まで完遂した後でなんかそれらしいこと言って京太郎を落とすんだけど実際には久のほうが落ちていたエンドで良かったんじゃねーかなって。
良くある話で恐縮だけど

>>291
実は、恋愛フラグ構築しておかないと…と須賀くん呼びを京太郎くん呼びに変えたんですよね。
京太郎に好意を抱いた瞬間だったのですが、いかんせんエンディングの説明が無さ過ぎました。
反省課題ですね、申し訳ありません。

if ツァレエ

俺が初めて彼女に抱いた感想は「殺される」だった。

エピソード１
「彼女は巨大なプリティ」

去年まで女子高だった、宮守高校。俺は女子が多いと思う、そんな理由で宮守に決めたのだが、それが地獄だと理解するのにはそれほど時間は必要としなかった。
似た理由で男子は入学すると思っていたのだが、大きく的を外れて、なんと同年代男子の数は俺を抜いて一人もいなかったのだ。
明らかに俺が女子目当てに入学したかのように見られてしまうこの状況は果てしなく形見が狭い。
初日から俺は自分のミスに気づいたものの、最早後戻りはできない。
となれば、なるべく早くコミュニティを形成する方が良い。そう思い、俺は部活に入部することにした。
好奇の目に耐えること数日、運動部は無理だったので一番手っ取り早いものにすることにした。
麻雀部。ルールは知らんが、初心者お断りなんてことはないだろう。
若干緊張しながらドアノブに手をかける。

豊音
「え？」

扉の向こうには、黒いなにかが立っていた。
それに、物凄くデカイ。
それは、俺を見ていた。人間だった。え、ていうか。

京太郎
「お……女……？」

そう、それなりな大きさの我らの夢が二つも実っていた。
デカくてデカい。
思考が真っ白になった俺はただそのおもちを見つめ続けていた。
ゆっくりと、手が肩に伸びてくる。
蛇に睨まれたカエルとでも言うのだろうか、俺はその場から動くことができなかった。
ガシッと、力が加わる。俺は死ぬのか、と。ただおもちが好きなだけなのに、と。
まったくくだらないことを考えていた。

豊音
「もしかして、須賀京太郎くん？」

京太郎
「男須賀、ここに土を埋める覚悟でやす！」

おもちのことを考えていたせいでよく分からないことを言い出してしまった。
慌てて訂正しようとしたが……

豊音
「入部希望ー！？ ちょー嬉しいよー！」

物凄い握力によって改めて思考が寸断される。
万力で肩を絞められた、そんな感覚に陥った。
いや実際万力なんて見たこともないし、ただのイメージだが。

京太郎
「おっ……ぐ……ぅんぬ……！」

豊音
「あっ！ ごめんねー！ だ、大丈夫ー？」

京太郎
「だ、大丈夫です……はは……」

京太郎
「ええと……すいません、入部希望なんです……ここは本当に麻雀部であっていますでしょうか……」

豊音
「あってるよー。宮守高校麻雀、部員は五人しかいないけどねー……」

京太郎
「そうでしたか……それは、良かったです……」

豊音
「私は姉帯豊音だよー、よろしくね？」

京太郎
「あ、はい。俺は……知ってるみたいですが須賀京太郎です。よろしくお願いします」

豊音
「うん！ みんなもう少ししたら来ると思うから、座ってていいよー」

京太郎
「あ、はい」

京太郎
「それにしても、姉帯先輩……大きいですね……」

豊音
「よく言われるよー」

京太郎
「ですよね」

……会話が続かん。
チラチラこちらを伺っているその瞳は、本当に純粋そうで、引き込まれそうになる。
にらめっこしてみる。一方的にだが。
あ、見つめ返してきた。
……………………………………。
照れて、目をそらす。負けた、完膚なきまでに……。
なんの話か忘れてしまったが、とにかく敗北感を噛みしめていた。

豊音
「ちょーかわいいよー……」

京太郎
「え？」

豊音
「照れて目をそらす京太郎くん、ちょーかわいいよー！」

京太郎
「ぐえっ！」

抱きつかれた。抱擁されたギュッとされた。
つまるところ、胸を押し付けられたということだ。
気持ちが良い！
が、それは慈愛の女神の抱擁であったと同時に、鬼神の力強い抱擁でもあった。
死と隣り合わせの天国、だが……今だけは……。
味わう！　全力で！　全身全霊で！　おもちを受けきる！

豊音
「あ、ごめんねー？　大丈夫？」

京太郎
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」

豊音
「それならよかったよー。それにしても京太郎くんって外国人なのー？」

京太郎
「あぁ、これですか？　いえ、両親共に黒髪なんですけど、俺だけ生まれた時からこうだったんですよね」

豊音
「そうなんだー」

京太郎
「ちょっと燻ってる色で、綺麗ではないんですけどね。こればっかりは生まれつきなのでどうにもこうにも」

豊音
「そうかなー私は好きだけどなー」

京太郎
「はは、ありがとうございます」

白望
「だる……邪魔…」

京太郎
「え？　あ……すいません！」

胡桃
「あれ？　男子？」

塞
「ん、君は？」

豊音
「あ、おはよーみんな！」

白望
「ん……」ﾀﾞﾙﾀﾞﾙ

京太郎
「ええと……俺は、須賀京太郎です。麻雀部に入部しにきました」

胡桃
「あ……そっか、一年唯一の男子の！」

京太郎
「はい、それです」

胡桃
「女の子に囲まれる生活を夢見て来たんだけど、逆に女の子しかいなくてオロオロしてるって聞いたけど、本当？」

京太郎
「否定しません！　なのでそれ以上言わないでください！」

塞
「凄い潔さだな…」

京太郎
「俺だってもっと男が入ってくると思ってたんですよ……でもまさか俺以外に誰もいないなんて考えもしてなかったので、多分分かりやすくキョドってたと思います」

塞
「ふむ、ということは入部するのも女目当てということ？」

京太郎
「違いますよ！　純粋に単純にこれ以上長引くとまずいと思ってどこかに入部しようと思っただけなんです！」

塞
「あぁなるほど……」

京太郎
「運動部はなんか入りづらいんで、一番入りやすい所に、と思って選んだのが麻雀部だったんですよ」

豊音
「なるほどー、京太郎くんはぼっちだったんだねー」

京太郎
「まぁ端的に言うとそういうことなので、やましい気持ちは半分くらいしかないので入部を認めてください！」

胡桃
「半分はあるんだ！」

京太郎
「俺のモットーは正直に生きるなので……」

豊音
「京太郎くんって変態なのー！？」

京太郎
「どちらかというと妄想で楽しむタイプなので大丈夫です！」

京太郎
「いやこれも変態か……」

京太郎
「すいません、訂正します。俺は変態です」

その瞬間、部室にいるだるそうに椅子に座っている女子以外の全員が俺から明らかに距離を取った。
俺は泣いた。正直に生きれば道は作られる、そう俺に教えてくれた父さんよ、すまない、あなたの言葉を否定するような生き方をして。

閑話休題

胡桃
「改めまして、私は鹿倉胡桃！　よろしくね、京太郎くん！」

塞
「私は臼沢塞。一応部長だよ、よろしく、須賀くん」

白望
「……………」

胡桃
「ほら、シロ！」

白望
「………白望」

京太郎
「あ、はい」

豊音
「そして、私が姉帯豊音だよー。さっき自己紹介したけどねー」

京太郎
「今は部員はこの四人という訳ですね」

豊音
「あれ？」

塞
「エイスリンさんがいないね。どうしたんだろ？」

エイスリン
「オクレタ！」

京太郎
「おお………」

エイスリン
「キャァアアアアアアアアアアア！！！」ﾊﾞﾁﾝ!

京太郎
「ほげぇ！」

そして、俺は意識を落とした。
これは所謂、突然の死という奴だ。
この時何故俺は彼女に叩かれたのか(グーパンだった)、まったく分からない。
後に聞いた話によると、いきなり男が目の前に現れて(現れたのはエイスリンさんの方だったのだが)、しかも視線がいやらしかったので(可愛いと思っただけなのに…)つい、とのこと。
世の中は色々間違えている気がする。
気がするのだが、こんな可愛い人なら、と許してしまう俺は、やっぱりどこまで言っても男なのだなと痛感させられた。

エピソード１　カンッ

ここまで。
ちょっと宮守高校あんまり見てなかったので、キャラが掴めなく難産しています。
キャラおかしいよとかありましたら遠慮なく仰ってください。
あと、書き方が変わりましたが、基本は会話だけで進めていくとは思います。

乙豊音かわいいけどもこれは幼なじみじゃない感じ？

>>301
オーケーまだ修正は利きます
幼馴染の部分完全に欠如してました
ぐあー、幼馴染の方が書きやすかったのに……
すいません、何とかしますので…

すっかり忘れていましたが、タイトルは
「もしも京太郎と豊音が幼馴染で互いに共依存するような関係になった世界」


俺は彼女によく懐いた。

エピソード２
「彼女はその日憧れに」

俺が麻雀部に入って少し過ぎた。
皆、男子である俺にもよくしてくれた。
胡桃さんはどんどん俺に構ってくれて、色々教えてくれたりお世話してくれた。
塞さんも時に厳しく、時に優しく、理想の先輩像で俺に教えてくれた。
エイスリンさんは天使だ。いるだけで明るい気持ちになれる。
白望さんは………俺にお世話をさせているな、うん。
そして豊音さんは……。

豊音
「京太郎くん、おはよー」ｷﾞｭｯ

京太郎
「おっと…あ、豊音さん、おはようございます！」

よく抱き着いてくる。

京太郎
「あ、豊音さん…当たってますよ…」

豊音
「あ……ごめんねー」ｻｯ

京太郎
「いえむしろありがとうございます！」

豊音
「京太郎くんを見るとつい抱き着きたくなっちゃうんだよーなんでだろ？」

京太郎
「それは嬉しいお話ですね」

少しだけ胸が躍るような発言。
最近豊音さんと一緒にいても、いつの間にか笑っている自分に気付く。
そのたびに、豊音さんを視界に入れないようにしてしまう。
照れくさくなるからだ。彼女は、本当にいつも楽しそうにしている。
どんどん彼女の魅力に惹きこまれていく自分がいた。

麻雀の方も、それなりに理解できるようになってきた。
といっても、鳴いたらヤバイってことを今しがた学んだばかりだが。

胡桃
「なんでぽんぽん鳴くのかと思ったら、意味はなかったんだね」

塞
「京太郎にはもう少し勉強が必要のようだ…」

京太郎
「申し訳ないッス…」

豊音
「大丈夫だよー、ちょっとずつ覚えていこうねー」ｻｽｻｽ

京太郎
「豊音さん…！」ｳﾙｳﾙ

白望
「だる………」

エイスリン
「キョウタロー、オベンキョウ！」←麻雀の勉強をする京太郎の絵

京太郎
「頑張ります……」

実の所、俺は熊倉先生にハッキリと「才能無し」と告げられている。
むしろ相手に気持ち良く勝たせることができる才能ならあるみたいなことも言われている。
なのだが、それならそれでどこまで行けるか挑戦してみたいとも思った。
………ハンドボール部に挫折した俺ではあるが、それでも、本当に終わるまで諦めないという信念だけはいつまでも忘れない。

結局三度目のぶっ飛びを味わって今日の部活も終了した。

京太郎
「あー…難しいですね、麻雀」

豊音
「そうだねー。私も最初は時間かかったよー」

豊音
「でも、皆が教えてくれて覚えたんだー。私で覚えられるなら京太郎くんもすぐだよー」

京太郎
「そうですかね。そうだと良いのですが」

豊音
「私もいっぱい教えるよー！」

京太郎
「是非お願いします」

豊音
「任せてよー！」

京太郎
「……………」

豊音
「～♪」

京太郎
「(機嫌良さそうだな)」

京太郎
「(………懐かしいな、この感じ)」

京太郎
「(懐かしい？　何故そう思ったんだろう。ま、良いか…)」

京太郎
「あ、じゃあ俺はこっちなので。また明日」

豊音
「あ……う、うんー」

豊音
「また明日だよー」

京太郎
「はい」

豊音
「…………」

豊音
「京太郎くん！」ﾊﾞｯ

京太郎
「はい！？」

豊音
「さ、最近このあたり、変質者が出るって噂があるって聞いたんだよー！」

京太郎
「えっ！？　そんな話、聞いたことないですけど……」

豊音
「胡桃がそう言ってたんだよー！　私にも気を付けてねって！」

京太郎
「そうなんですか？　うーん……それなら、すいません、豊音さんのこと家まで送らせてもらっても良いでしょうか？」

京太郎
「流石にそんなことがあるなら、俺も気になりますしね」

豊音
「うん！　……実は、不安だったのよー。京太郎くんに言おうか、な、悩んでたんだけどー」

京太郎
「それならいつでも言ってくれてよかったのに」

豊音
「………京太郎くん、馬鹿にしないのー？　私みたいなおっきな女の子なんて襲われないって…」

京太郎
「えっ。いや、そんなこと思ってないですけど…」

京太郎
「そりゃその辺の男なら敬遠しちゃうかも知れないですけど」

京太郎
「俺は豊音さんだって十分魅力的だと思いますから」

豊音
「あ、ありがとうだよー」

京太郎
「じゃ、行きましょうか」

豊音
「(ごめんね、嘘なんてついてー…)」

京太郎
「こっちの道、豊音さんと歩くの初めてですね」

豊音
「う、うんー。京太郎くんは麻雀部に入って初めて麻雀を覚えたのー？」

京太郎
「はい。それまでは興味も無かったですね」

豊音
「それはなんでなのー？」

京太郎
「ええと……他に部活をやってたんです」

豊音
「他に？」

京太郎
「はい。ハンドボールを」

豊音
「なんでやめたのー？」

京太郎
「………あ…足を、怪我したので……」

豊音
「え………」

京太郎
「……俺、走れないんです」

豊音
「ご…ごめんなさい…」

京太郎
「いや、大丈夫です。走れなくても、幸せはありますから」

豊音
「………」

京太郎
「もしかしたら、今後走れるようになる可能性もあるみたいですし、俺は悲観してませんよ」ﾊﾊﾊ

豊音
「う、うん……本当に、ごめんねー…」

京太郎
「だから気にしないでくださいって！　別にハンドボールに未練はありませんし、俺は最後に結果を残せましたから」

京太郎
「ん……豊音さん？」

豊音
「…………」

京太郎
「本当に気にしないでくださいってば！　まったく気にしてませんから！　ね？」ｷﾞｭｯ

豊音
「あ………」

京太郎
「行きましょう」

豊音
「……うん！」

豊音
「(京太郎くんの手、あったかいなー)」

京太郎
「うお…手なんか握ってすいません…」

豊音
「離さないで！　……このままで」

京太郎
「うえっ。はい、豊音さんが良いなら…」

豊音
「こっちの方が安心できるのよー！」

京太郎
「そ、そうですか。分かりました」

豊音
「えへへ……」ｷﾞｭｯ

京太郎
「(………なんだこれ幸せ……)」

京太郎
「(それにしても、こうしてみると本当に身長高いなぁ……)」

京太郎
「(若干腕が上がってらぁ。咲と手を繋いだ時なんか)」

豊音
「ん……」ｽﾞｷｯ

京太郎
「ん……」ｽﾞｷｯ

豊音
「あ、い、家ここなのよー！」

京太郎
「ん………あ、あぁ…はい……それじゃ、失礼します……」ｽﾙｯ

豊音
「あ………き、気を付けてねーありがとー」ﾌﾙﾌﾙ

京太郎
「はい………」ｽﾀｽﾀ

豊音
「…京太郎くん、元気無かった…のかなー…？」

豊音
「………でも、今一瞬だけ、なんか、悲しかったなー…」

豊音さんと別れて、俺は足はやに家で向かった。
馬鹿だな、俺……嫌なこと思い出しちまった……。
忘れようとしてたのに………。

キィイイイイイイイイイイイ！！！！
ドンッ！！！！！

京太郎
「……………あーダメだダメだ！　忘れよう！」

いつのまにか家に着いていた。
重い足取りで部屋に入る。
気分が悪くなったらさっさと寝た方が良い。
………メール………ハハ、まだ連絡してきてくれるんだな。

咲。

ここまで。

大丈夫です。この作品は豊音さんがヒロインです。

それでは失礼します。

翌日、俺の目覚めは最悪だった。
俺自身は覚えてはいないが嫌な夢を見ていたような気分だ。
いつもなら少しグダつくのだが、さっさと起きて顔を洗う。

家を出ると、何故か豊音さんが立っていた。

豊音
「おはよー」

京太郎
「おはようございます。なんでここに？」

豊音
「一緒に学校に行こうかとー。あと、昨日の京太郎くんの様子が気になったからだよー…」

京太郎
「え？　あ、あぁ……そうか、ごめんなさい心配させて」

京太郎
「なんでもないんです、ちょっと昔のこと思い出してただけなんで」

豊音
「う、うん。京太郎くんの顔が見れたからよかったよー」

京太郎
「ありがとうございます。じゃあ行きましょうか」

豊音
「うん、いこー」ｷﾞｭｯ

京太郎
「え？」

豊音
「んー？」ﾆｺﾆｺ

京太郎
「あ、いえ。なんでも……」

豊音さんに手を握られ、動揺してしまう。
どう解釈しようか悩んだが、単純に俺を心配して、というものだと思うことにした。

朝からご機嫌な豊音さんに、憂鬱としていた俺の気分も晴れやかなものになる。
ふと、視線を感じた。
男二人がこちらを見ていた。というか主に豊音さんをだが。
ニヤニヤ嫌らしい笑みを浮かべ、それに苛立たしさを覚える。
明らかに豊音さんのことを笑っている。

京太郎
「豊音さん、早く行きましょう」

豊音
「えっえっ！？　あ、うんー！」

豊音さんを引っ張っていく。
豊音さんのことを嘲笑われるのは、心の底から不快だった。

放課後、今日も麻雀部で鍛えられていた。
牌効率だの捨牌を見るだのと詰め込まれたが、最終的に俺の頭がパンクした。
ついでにぶっ飛んだ。

豊音
「大丈夫大丈夫ー、ぜったい上手くなるのよー」

京太郎
「デスカネー」

豊音
「大丈夫なのよー！」

白望
「……………京太郎は考えるより考えない方が良い……」

京太郎
「え？」

白望
「………どうせ考えても分からないなら感性に頼るのも大事………」

京太郎
「そ、そんなんで良いんですかね？」

塞
「駄目に決まってるでしょ。こら、シロ、変な事教えて癖になったらどうするの？」

白望
「……ダル……」

エイスリン
「カンセイ！」←京太郎が力こぶを作ってる絵

京太郎
「それは感性ではないと思います…」

胡桃
「最初は基本ルール覚えて、それから色々試してみるのが良いんじゃないかな？」

京太郎
「考えると上手くなる人もいるのと同様、考えない方が上手い人もいるってこと、ですよね？」

白望
「……………」ｸﾞﾃﾞｰﾝ

京太郎
「あ、ありがとうございます白望さん！　そのアドバイス、覚えておきます！」

塞
「だから駄目だと言ってるでしょうって。京太郎も、考えるのが面倒だからって適当なこと覚えないように」

京太郎
「ぐっ………」

白望
「ダル………」

塞
「二人共、良い度胸だね。わかった、説教の時間だな」

白望
「私はただアドバイスしただけで受け入れた京太郎が全面的に悪い」

京太郎
「速攻で俺を売り払った！？」

塞
「この口か？　この頭か？」ｸﾞﾈｸﾞﾈ

京太郎
「ひはいでふぅ！」

豊音
「……！」

ガッ

塞
「いたっ」

豊音
「京太郎くんが痛がってるからそこまでー」

塞
「うそ？　ごめん、大丈夫？　そんなに痛かった？」

京太郎
「え？　いや、別に平気ですけど…でも、ありがとうございます」

豊音
「大丈夫だよー京太郎くんは私が守るのよー」ﾆｺﾆｺ

エイスリン
「トヨネ、オコッテル？」←オロオロしてるエイスリンの絵

塞
「お、怒ってるの？」

豊音
「えー？　怒ってないよー？」

塞
「そ、そうだよね、ならよかった」

京太郎
「そうですよエイスリンさんも塞さんも、豊音さんがこんなことで怒る訳ないじゃないですかー」

エイスリン
「ソウダヨネ！　ヨカッタ！」←満面の笑みの豊音の絵

白望
「………。ダル……」

・・・・・・・・・

今日も京太郎くんに送ってもらうことになった。
変質者がいるから心配だ、と言ってくれた。
他の皆にも聞いていたけど、、
「え？　なにが？　別に大丈夫だよ？」
と言っていて、慌てて京太郎くんを引きずっていく。
嘘をついていたことがバレたら京太郎くんに嫌われる。
それだけは絶対に嫌だ。

京太郎
「それにしても、変質者ってなにを考えてそんなことしてるんですかねぇ」

豊音
「わからないけどちょー怖いのよー」

京太郎
「ですね。万が一のことがあったら、俺が盾になるので逃げてくださいね？」

豊音
「一緒に戦うよー！」

京太郎
「なんでですか！？」

豊音
「京太郎くん一人を死なせるくらいなら一緒に死んだ方がマシなのよー」

京太郎
「死ぬこと確定なんですね……なるべく死なないように頑張りますよ…」

豊音
「うんー」

会話が途切れる。
京太郎くんは、他の人と話す時は楽しそうなのに、私と話す時だけ何故かよそよそしい感じがする。
嫌われてるのかな？　それとも、苦手に思われてるのかな？
不安で押しつぶされそうになる気持ちを、なんとか抑える。
でも、今もこうして手を握ってくれているから、嫌われてないと思いたい。
………私とも、楽しそうにしてほしい。
やっぱり大きいのが、嫌なのかな？
分からないのよー………。

京太郎
「………あいつら……朝の…」

京太郎くんが怖い顔をしている。
視線の先には、男の人が二人いた。
私と京太郎くんを見て笑っている。あの笑いは、悪意のあるもの、だ。

男１
「なぁ、お前ら付き合ってんの？」

豊音
「え！？」

京太郎
「なんだよお前ら」

男２
「どうなんだよ？」ｸｽｸｽ

京太郎
「関係ねぇだろうが」

男１
「え？　なにお前そんなムキになってんの？」

男２
「ダセェ」ﾌﾞﾊﾊﾊﾊ

京太郎
「……あ……？」

豊音
「きょ、京太郎くん……」

京太郎
「大丈夫ですから…俺の後ろに」

男１
「うわ、そんなデカい癖にビビってんの？　だせぇ」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

京太郎
「身長大きかろうと女性なんだから当たり前だろうが。馬鹿じゃねぇのかお前ら？」

男１
「は？　こっちは友好的に話してんのになにその態度？」

京太郎
「うぜぇ絡みしてんじゃねぇよ。行きましょう、豊音さん」

豊音
「うん……」

男２
「おう待てや。なんだその態度って聞いてんだよ！」

京太郎
「黙れ。お前らみたいなのに絡んでる暇ねぇんだよ。さっさと消えろ」

男２
「あんだとこのガキ！」ﾊﾞｷｯ!

京太郎
「ぐあっ！」ﾄﾞｻｯ

豊音
「………………」ﾌﾞﾁｯ

京太郎
「ってぇ……え？」

男２
「あ？　んだよ、お前も殴られてーの？」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

豊音
「流石に許せないのよー」ｶﾞｯ

男２
「え？」

ゴキッ

男２
「か……」ﾄﾞｻｯ

男１
「あああ！？　な、なんだお前！？」

豊音
「京太郎くん傷つけるなんて許せないよー」ｽｯ

男１
「く、来るんじゃねぇ！」ﾊﾞｯ

京太郎
「あぶなっ」

ガッ

豊音
「………」ｸﾞｯ

男１
「ああああああああああああ痛い痛い痛い痛い！」

豊音
「もう京太郎くんに近づかないって言ってほしいのよー」

男１
「分かったから離してくれええええ」

豊音
「……約束だからねー」ニッコリ

男１
「ひ、ひぃいい…うわあああああ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

豊音
「京太郎くん、いこー」

京太郎
「あ、はい」

豊音
「………ごめんね、京太郎くん……私のせいで…」

京太郎
「いや、そんなことは！」

豊音
「私と一緒にいるから、こんなことに……頬、赤くなってるのよー…」

京太郎
「……豊音さん。助けてくれてありがとうございます。情けない話ですけど」

京太郎
「んで、この話はここまでにしましょう。もし何か要求があれば言ってください、可能な限り叶えます」

豊音
「え、ええ！？　そんなの…！」

京太郎
「ね？　俺は豊音さんと帰りたいから帰ってるだけですし、何にも気にしないで良いです」

豊音
「……私も京太郎くんと帰りたい！」

京太郎
「分かりました。じゃあ一緒に帰れるときは帰りましょうね」ﾆｺｯ

豊音
「…ありがとう、京太郎くん！」

京太郎
「いえ」

………俺が殴られたとき、気が付いたら豊音さんは俺の前に立っていた。
そして俺を殴った男の首を絞めて、一瞬で落としていた。
殴りかかってきた男のパンチを受け止め、そのまま握りしめ、相手を降参させた。
凄すぎた。普段はおとなしい人だけど、怒るとあんなに……。
………やはり、昔にもこんなことがあったような気がした。
思い出せそうで思い出せない。
今覚えてるのは、豊音さんの勇姿。
正直、かっこよかった。って女の人に思うことでも無い気がするのだが。
だが、これだけは伝えたい気持ち。

京太郎
「豊音さん。さっき、凄いかっこよかったんです」

京太郎
「見惚れるくらいかっこいいって思っちゃいました。男の俺でもできないことだったし…」

豊音
「……えへへ」ﾃﾚｯ

言って恥ずかしくなり、目を逸らしてしまう。
やばい、多分今耳まで真っ赤だ。
走って逃げだしたくなるが、そうもいかない現実に泣きそうになってくる。

豊音
「…かわいいのよー…」

京太郎
「え？」

豊音
「やっぱり京太郎くんはかわいいのよー！」ｶﾞﾊﾞｯ

京太郎
「のわぁ！」

マジで落ちる十秒前。
この後俺は豊音さんの自宅で目覚める訳だが、そこで起こったことはあえて口にはしない。
ただアニメや漫画の世界でよくあるラブコメ展開が起こってしまった。それだけのことなのだから…。
豊音さんのおもち、ステキでした。

エピソード２　カンッ

ここまで。
多分エピソード５か６くらいで終わる予定です。

乙です
たまにのよーさんが豊音さんに憑依してるような

>>323
見直してきました。
これは酷い(笑)
脳内変換お願いします
眠たい時ってほんとう凡ミスしやすくなりますねぇ…

俺は彼女に恋をした。

エピソード３
「彼女と俺と恋心」

朝は家に来て、昼は一緒にご飯を食べ、放課後は一緒に帰る。
そんな毎日が過ぎていき、土曜日。
今日は麻雀部全員で遊びに出ていた。
胡桃さんの提案に、俺と豊音さんとエイスリンさんが乗っかる形だった。
塞さんは少し渋っていたのと、白望さんはダルそうにしていたが、何とか説得したのだ。

さて、遊園地に来た訳だが。
胡桃さんとエイスリンさんと豊音さんと塞さんは来た途端にはしゃぎまわっている。
その高すぎるテンションに若干ついていけてないのは俺と白望さんで、つまり白望さんのお世話を俺がしなければならないということで。
遊園地に来て俺は何をしているかと言うと、白望さんをおぶりながら皆について行くという形になっている。
普段なら手を貸してくれる塞さんだが、こちらに気付いてもくれない。それは他の三人にも言えることだが。

白望
「……ダル……暑い……なんとかして……」

京太郎
「どうにもなりませんよ…というか俺にくっついてるから余計に暑いと思うのですが…」

白望
「離れるとずっと暑くなるから……」

京太郎
「さては俺から降りたら動かないつもりだな！？」

白望
「………ダル……」

京太郎
「はぁ………」

背中から一定間隔で聞こえてくる、ダル、ダルという言葉に俺までダルくなってくる。

胡桃
「次はあれに乗ろうよ！」

豊音
「ちょーこわそーだよー！」

胡桃さんが指さしたそれは、この遊園地自慢のジェットコースター。
５回転くらいしているそれは頭がおかしいんじゃないかと思われる。

京太郎
「白望さん、乗ります？」

白望
「ダル………無理……」

京太郎
「すいません、白望さんが休みたいらしいので俺も一緒にいます」

豊音
「…！」

胡桃
「そう？」

豊音
「あ、じゃあ私も休むよー。ちょっと休憩だよー」

塞
「早く並ぼう！」

エイスリン
「ＧＯＧＯ！」←ジェットコースターから吹き飛ばされるエイスリンの絵

京太郎
「エイスリンさん、それは事故です」

京太郎
「豊音さんも着いてくれてすいません」

豊音
「大丈夫だよー。シロ大丈夫？」

白望
「……ダル……」

豊音
「大丈夫そうだねー」

京太郎
「くぁ、疲れたぁ……」ﾄﾞｶｯ

豊音
「あ、京太郎くんずっとシロのことおぶってたんだねー…ごめんね、気づかなくてー」

京太郎
「やー皆が楽しんでくれていれば俺はそれで大丈夫です」

白望
「……京太郎は胸の感触を楽しんでいたから大丈夫」

京太郎
「間違いないです。言い訳はしません」

豊音
「むー……」

白望
「ダル……」

京太郎
「おー…回ってる回ってる」

豊音
「ちょーすごいよー」

豊音
「……ね、京太郎くん、あのさ……」

京太郎
「はい？」

豊音
「……………あ。いや、次は乗ろうねーって！」

京太郎
「そうですねー。その時は白望さんも」

白望
「ダル……」

豊音
「……はぁ…」ｼｭﾝ

・・・・・・・・・

京太郎
「で。遊園地から帰ってきたと思ったら何故俺の家で麻雀をしているのでしょう」

京太郎
「胡桃さんと塞さんは寝てるし……」

エイスリン
「ロン！」

京太郎
「飛んだ……」

豊音
「ちょーおしかったー！」

白望
「……ダル……」

エイスリン
「エヘヘ。キョウタロウ、ゴメンネ！」←倒れる京太郎の上に乗って万歳するエイスリンの絵

京太郎
「俺ってエイスリンさんに嫌われてるんですかねぇ」

エイスリン
「ダイスキダヨ？」←京太郎と手をつなぐエイスリンの絵

豊音
「わ、私も大好きだよー！」

京太郎
「うう……嬉しいやら悲しいやら……もう飛びたくないよぉ…」

白望
「………ダル…」ｺﾃ

京太郎
「もう１０時ですもんね。皆さん家の人は大丈夫なんですか？」

豊音
「私は大丈夫だよー」

エイスリン
「ワタシモ！」

白望
「………電話来たから、説明しておいた…」

京太郎
「なるほど。じゃあそろそろ解散します？」

京太郎
「胡桃さんと塞さんは俺が家に送って行きますし」

エイスリン
「ドウジンシミタイニ？」←狼になった京太郎の絵

京太郎
「違いますから！」

白望
「ダルいから泊まっていく……」

豊音
「え！？」

京太郎
「泊まっていくんですか？」

白望
「家に帰るの、ダルいし……」

エイスリン
「オトマリ！」←皆で並んで寝ている絵

京太郎
「うーん……まぁ皆が良いなら俺は大丈夫ですよ。豊音ｓ」

豊音
「私も良いよねー」ﾆｯｺﾘ

京太郎
「あっ……は、はい……」

京太郎
「じゃあ布団とか持ってきますので待っててくださいね」

エイスリン
「フタリトモグッスリ！」←羊になった塞と胡桃の絵

豊音
「…ねぇシロ、シロって京太郎くんのこと、好きなのかなー？」

白望
「………普通？」

豊音
「本当に？」

白望
「………多分」

エイスリン
「ナンノハナシ？」

豊音
「なんでもないよー！」

白望
「トヨネは好きなの？」

豊音
「大好きだよー」

白望
「………頑張って…」

豊音
「…ありがとうだよー」

京太郎
「お待たせしましたー。敷きますのでちょっと廊下に出ててくださいなー」

・・・・・・・・・

京太郎
「さて、じゃあ俺は下で寝ますのでおやすみなさい」

豊音
「えー京太郎くん一緒に寝ないのー？」

エイスリン
「ナンデ？」←頭に？を浮かべるエイスリンの絵

京太郎
「え、いや…普通そうでしょうよ…」

白望
「京太郎は私たちにエッチなことをしたくなっちゃうから駄目なんだって」

京太郎
「何を言うんですか！　そんな訳ないですよ！」

白望
「なら大丈夫だね………おやすみ…」

京太郎
「…なん……だと……」

エイスリン
「ダイジョウブ！」ﾆｺﾆｺ

京太郎
「……………いやいやいや、すいません俺は下で寝ますムラムラしちゃう変態ですすいません！」ﾊﾞﾝｯ!

エイスリン
「アッ！」

豊音
「行っちゃったよー」

白望
「…………ヘタレ……ダル……」

居間に敷いた布団の中でうとうとしていた。
いや、既に夢を見ているのかも知れない。
ふわふわとした意識の中で、誰かが近づいてくる気配を感じた。
誰だろう…顔は見えない。真っ暗だ。
近づいてくる……幽霊？
……暖かい………唇が………。
キス…され…

京太郎
「ん！？」

飛び起きる。既に外は明るくなっていた。
なんだ、夢か……びっくりした…。
布団をたたみ、押し入れにしまっていると、上の方から声が聞こえてくる。
皆も起きたようだ。下に降りてくる音が聞こえてくる。

塞
「お、おはよう…ごめんね、泊まりになっちゃって…」

エイスリン
「オハヨウ！」ﾆｺﾆｺ

京太郎
「おはようございます。いえ、家は誰もいないので大丈夫ですよ」

豊音
「………おはようー、京太郎くん」

京太郎
「眠そうですね？　大丈夫ですか？」

豊音
「大丈夫だよー…」

京太郎
「あれ、胡桃さんは？」

塞
「まだ寝てるよ。起こしても起きなくて…」

京太郎
「白望さんもいないですね」

白望
「なに？」

京太郎
「うおっ！？　い、いつから下に！？」

白望
「ごはん、勝手に作ってた。駄目だった？」

京太郎
「なん……だと……」

塞
「ご、ご飯を作ってた！？　シロが！？」

京太郎
「うお、すげぇ。白望さんって料理できたんですね…」

白望
「京太郎寝てたから」

京太郎
「美味そうだ……あ、胡桃さん起こしてきますよ」

豊音
「駄目！　私が起こしてくるよー！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

京太郎
「え？　あ、はいお願いします」

塞
「胡桃の服凄いことになってるから、京太郎は見ない方が良いよ」

その後、寝惚けてる胡桃さんを水浸しにしたりと色々騒動はあったが、白望さんの朝食を皆で食べた。
凄い美味しくておかわりしまくったり、喉につまらせたエイスリンさんをみんなで助けたり、騒がしくも楽しい朝食だった。
皆は家に帰り、あとでまた会おうということになって一度解散した。

白望
「……ダルいからここにいる……」

豊音
「わ、私も残るよー！」

そう言って二人ほど家に残留することになったが。

京太郎
「風呂沸かしたんで、二人とも入ってください」

白望
「一緒に？」

京太郎
「白望さん……からかわないでください本当に…」

白望
「……トヨネ、一緒にはいろ…髪洗って…」

豊音
「う、うんー」

ここまで。
やはりノベル形式って人寄り付き難いのかしら…
もっと読みやすいＳＳ書きたいよー

それではまた…

コメントがあればあるほどモチベーションが上がる(レス乞食)
私のじっちゃがそう言ってました(責任転嫁)

とふざけて誤魔化そうとしましたが、純粋に１コメがつくと嬉しくなりますね
少しだけですが進めます

そういえば今日仕事中にまた余計なことを思いついたんですけど、見ている皆さんってラブコメディの方が好きですかね？

これホラーにした方が面白いんじゃないか、とか思いついたんですけど、前回の思いつきだけで行動するとロクなことにならないという結果があったので。

通常のラブストーリーにするかホラーラブストーリーにするか……と思ったんですが、今書いてるの投下しちゃうともう修正利かないので。
もしホラーの方が見たいという方がいましたら、そちらに変更します。

一応通常の方書き溜めて来ますので、アンケートにお答えしていただけると嬉しいです。

ラブコメ好きだが正直カプによる
本編で全く絡む可能性がない相手はよほど上手い描写がないとふーんで終わってしまう

>>349
京太郎が主人公の時点で……

普通にラブにします。
それはそれとして、全然かけてませんが投下を。

白望
「覗いてもいいよ…」

京太郎
「早く行ってください！」

豊音
「だ、駄目だよー？」

京太郎
「そんなことしませんってばぁ！」

風呂場

白望
「………ダル…」

豊音
「もー、シロー洗い難いよー」ｺﾞｼｺﾞｼ

白望
「ねぇ、トヨネ」

豊音
「なにー？」

白望
「トヨネって京太郎のこと好きだよね」

豊音
「……………」ﾋﾟﾀｯ

白望
「皆も気づいてるけど」

豊音
「な、なんで…？」

白望
「見てたら分かる」

豊音
「………う、うう……」ｶｧ

白望
「いつから？」

豊音
「ええと……あの……会った時から……」

白望
「なんで？」

豊音
「そのー……ええとー……む、昔の友達に、似てる気がして…かなー…」

白望
「村にいた時の？」

豊音
「う、うんー。一か月くらいだけ遊びに来てた、近所のおばあちゃんのお孫さんだったんだけどねー。毎日私に会いに来てくれたんだー」

豊音
「とっても可愛くて、私の後についてきて、トヨネートヨネーって……可愛かったんだよー！」ｸﾞｲｯ

白望
「…う、うん…」ﾋｷｯ

豊音
「だから、帰るって言ったとき、寂しかったなー……どうにか留まらせられないかなぁって思ってたんだけど、それっきりで……」

白望
「京太郎なの？」

豊音
「違う、と思う。あの子はもうちょっと髪は金色に近かったし、オドオドしてたし、小さかったし…」

白望
「人は成長する」

豊音
「京太郎くんも全然見覚えあるって感じじゃないしー…」

白望
「聞いてみれば？」

豊音
「う、うー……でも……」

豊音
「京太郎くんに失礼かもしれないし……うう……」

白望
「初恋は大切にしておきたい？」

豊音
「…………京太郎くんだったら嬉しい。でも違ったら、京太郎くんに嫌われるかもしれない…」

白望
「…………え？　な、なんで？」

豊音
「だってー…あの子に似てるから、もっと知りたくなって、いつの間にか好きになってました、って…京太郎くんを代わりにしてるみたいで…」

白望
「…多分考え過ぎだと思う」

豊音
「そ、そうかなー？　そうなのかなー？」

白望
「多分」

豊音
「……………そ、そうだよねー。京太郎くんは優しいもんねー」

豊音
「うん！　分かったよー！　ありがとうねシロー！」

白望
「別に……頑張って」

………………ダルい。

殆ど進みませんでしたが、ここまで。
ちゃんと最初のお題覚えていればこんなシーン書かなくてよかったのになぁ……

それでは失礼します。

京太郎
「さて、改めて集結した訳ですが。どこか行きます？」

エイスリン
「オデカケ！」←６人が笑顔で手を繋いでいる絵

塞
「うーん……このメンバーが集まるとどうしても麻雀麻雀ってなっちゃうからねぇ。ボーリングとか？」

白望
「…ダルい…」

豊音
「動物園とかー」

白望
「…ダルい…」

胡桃
「じゃあ水族館？」

白望
「…ダルい…」

京太郎
「全部ダルいんじゃないですか！？」

白望
「……家でゴロゴロ…」

京太郎
「もー…俺がおぶりますから、どこか行きましょうよ」

白望
「なら良い…」

豊音
「…」

豊音
「そうだ、登山しようよー」

京太郎
「いきなりどうしたんですか…」

豊音
「たまには身体をおもいきり動かすとか！」

胡桃
「えー、登山かー……」

エイスリン
「トザン？」

塞
「山を登ることだよ」

エイスリン
「トザン！」←山を跳びこえる巨人の絵

京太郎
「それは違うと思います…」

エイスリン
「チガウノ？」←キョトンとするエイスリンの絵

京太郎
「白望さんをおぶるとなると登山は厳しいですねぇ…あ、じゃあ川原で焼き肉とかどうですか？」

胡桃
「それだー！」

エイスリン
「ヤキニク！　タベタイ！」←自転車で坂を下る人達の絵

京太郎
「それも違うと思います…」

塞
「焼肉か、いいね。そうしようか、トヨネ？」

豊音
「うんー焼き肉やろー！」

家の倉庫に色々あったことを思い出し、エイスリンさんと豊音さんとでコンロやら木炭、軍手などなど必要なものを外に出す。
昔に父さんと母さん、田舎の婆ちゃん、それと……誰だったかな、女の子としたＢＢＱ以来、一度も使ってなかった。
父さん、凝り性の癖に飽きっぽいからなぁ……こんなに良い物ばかり揃えて最初は楽しそうだったのに数回やった後は面倒くさがってたし。
白望さんは………ダラダラしている。向こうまでは俺がおぶるんだろうなぁ…。
胡桃さん、塞さんの二人は買い出しに行っている。塞さんがいれば安心だろうとお金を渡しておいた。
俺が出します、と言うと皆(珍しく白望さんも)それぞれの方法で反対してきたが、適当に受け流した。
二人とは川原で合流することにしてあるので、俺達は荷物をまとめて家を出ようとした。

豊音
「シロは私が背負うよー」

京太郎
「え？　でも」

豊音
「えー？　なにかなー？」

京太郎
「いえ…」

流石に大変だろうと思ったが、豊音さんの顔がまるで笑っていなかったことに恐怖を感じ、俺は大人しく辞退した。
やっぱりいくら仲良くなろうと、以前からの友人である白望さんの身体を男子に預けたくないということだろう。
俺も軽率だったな、と申し訳なく思い謝ると、逆に豊音さんの方が申し訳なさそうにし、その後しばらく謝罪合戦が始まった。
白望さんの
「……どうでもいいから京太郎、お願い…」
という言葉で豊音さんも何も言えなくなり、自動的に俺がおぶっていくことが決定した。

さて、川原では胡桃さんと塞さんが待っていた。
二人共俯いて大きめの石の上に座っており、その手には花火やら何やら色々握られている。
更に服はびしょ濡れと来た。俺は慌てて荷物を置くと二人に近寄る。

京太郎
「塞さん…何があったんですか…」

塞
「ごめん京太郎…私は意思の弱い人間なんだ…」

京太郎
「落ち着いてください！　まずはその花火と水鉄砲を置きましょう！」

胡桃
「うう……なんでこんなことに…」

京太郎
「胡桃さんも水風船を置きましょう……とにかくなんとなく現状は察しましたので…」

塞
「お金は身体を売ってでも払うから許して…」

京太郎
「それはしないでください！　というからだから落ち着いてくださいってば！」

塞さんの顔の前でパンッ、と手を叩くと、ようやくその顔を上げてくれた。
潤んだ瞳にドキッとしてしまうが、おぶっていた白望さんに脇腹を蹴られる。

京太郎
「いやまぁ、はい、気にしないでください。ほら、これで後で遊ぶのも面白そうですし」

京太郎
「もし俺が行ってても買ってたと思いますから。花火良いですね花火！」

塞
「京太郎ぉ……」ｸﾞｽｯ

京太郎
「はい、よしよし」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

縋りついてくる塞さんの背中を撫でてあげる。
右手で白望さんを支えながらという無理な体制だったが、前に美少女後ろに美少女とサンドイッチになっており、男の意地で耐えきるしかなかった。

京太郎
「よし、じゃあ俺が買い物行ってきますね」

塞
「私がお金を！」

胡桃
「私も！」

京太郎
「良いですから。二人は服を乾かしてください」

塞胡桃
「はい…」

豊音
「あ、じゃあ私も一緒に行くよー！　一人じゃ大変だもんねー！」

京太郎
「本当ですか？　ありがとうございます」

エイスリン
「イッテラッシャイ！」

白望
「二人共、風邪ひくから……これ、火つけよう…」

京太郎
「あ、くれぐれも火傷とかしないように気を付けてくださいね」

豊音さんに手を引かれるように、スーパーへ向かっていく。
なんとなく力強く感じる豊音さんの手。

京太郎
「いやー、それにしても塞さんがあんなことになるなんて思ってもいませんでしたねー。アハハ、塞さんもたまにはハシャギたくなることもあるんですね」

豊音
「………」

京太郎
「胡桃さんが危険かなと思っていたんですけどね」

豊音
「………」

京太郎
「……ええと…豊音ｓ」

豊音
「あの！」ｶﾞｯ

京太郎
「はい！」

豊音
「聞きたいことがあるの！」

京太郎
「なんなりと！」

豊音
「私のこと知ってる！？」

京太郎
「知ってます！」

豊音
「本当に！？」

京太郎
「当たり前です！」

京太郎
「豊音さんのこと忘れる訳ないじゃないですか！」

豊音
「あ……ええと…そうじゃなくて…」

豊音
「……昔、会ったことないかなー…？」

京太郎
「昔？　ですか？」

豊音
「うんー…」

はて、昔……昔…うーん…そういえば、たまに豊音さんと誰かが被る気がする。
誰だったかな………うーん…。
俺は豊音さんの顔をジーっと見つめる。
じー…………………。

豊音
「あうう…」ﾃﾚｯ

京太郎
「どこかで…見たことが……ええと………………確か………」

『キョークン！』

『一緒に遊ぼうー！』

『かえっちゃうの？』

『駄目……帰っちゃ…やだ…』

『キョークン！　また会おうね！』

京太郎
「………え？　いやいや……え？」

豊音
「ど、どうしたのー？」

京太郎
「トヨネ？」

豊音
「あ………うん！」

京太郎
「トヨネ！？　え？　本当に！？」

豊音
「そーだよー！」

京太郎
「うわ、懐かしい！　俺のこと覚えてますか！？ いや覚えてますよね！」

豊音
「うん！　もしかしたら違うかも、って思ってたけど、やっぱりキョークンだったんだねー！」

京太郎
「俺もですよ！　というか大きすぎません！？　分かる訳ないじゃないですか！」

豊音
「キョークンもおっきくなったよー！」

京太郎
「うわぁ、全然気づかなかった！　というかトヨネのこともたまに思い出すだけだったんですけど、そう言われてみると面影ありますね！　あのころの可愛いねーちゃんのままです！」

豊音
「もー！　そんなこと言わないでよー！」ﾃﾚﾃﾚ

京太郎
「え、いつから俺かも知れないって思ってたんですか？」

豊音
「実は、最初から…もしかしたら、って」

京太郎
「言ってくれればよかったのに！」

豊音
「でも、あってて良かったよー…」

京太郎
「俺も、会えてよかったです。あれから何度か父さんに遊びに行きたいって言ったんですけど、忙しくなっちゃったみたいで」

豊音
「私もずっと会いたかったよー！」ｷﾞｭｯ

京太郎
「ふぎゅ。と、豊音さん、あんまり抱き着いちゃうと…」

豊音
「んっ！」ﾁｭｯ

豊音さんに唇を塞がれ、俺の頭が真っ白になった。
俺の方が上を向いている格好でのキスに、笑いがこみあげて来そうになる。
というどうでも良い事が頭に浮かんでくる程度には混乱が起こる。

京太郎
「ふは…と、豊音さん！？」

豊音
「私、京太郎くんの事が大好きなんだよー…もう抑えきれないくらいに、好きなんだよー…」

京太郎
「あ、ええと…」

京太郎
「お、俺も…好きです！　豊音さんのこと、好きになってます！　俺と付き合ってください！」

豊音
「え！？　……うんー、私も、よろしくお願いします！」

豊音
「……えへへ…両想いだねー…」

豊音
「初恋、叶っちゃった。ずっと京太郎くんのこと、想ってたんだ。いつかまた会いに来てくれるんじゃないか、って…」

京太郎
「ぐ…ごめんなさい…」

豊音
「ファーストキスも、京太郎くんにあげられたし……もうこのまま死んでもいいよー！」

京太郎
「いやそれは勘弁してください！　これからもっと一緒に幸せになりましょうよ！」

豊音
「うん、そうだねー」ｱﾊﾊ

ラブラブバカップルになった俺と豊音さんが戻ると、皆が何かを察したように祝福してくれた。
早速焼き肉中にフーフーしたりあーんしたりとやっていると、塞さんに水鉄砲かけられたりエイスリンさんに幸せ家族な俺と豊音さんと未来の子供達の絵をかかれたり、なんとなく白望さんが不機嫌だったりと楽しい時間が過ぎていった。
花火を楽しんだあと、大会に向けて頑張るぞー！　と気合を入れて、その日は解散となった。
俺は豊音さんを送っていき、名残惜しそうにしながらも帰宅する。
自分より身長が高くて、力も強いけど、でも優しくてとっても可愛い彼女が出来た。しかも初恋相手。
俺は天にも昇る気分で、就寝する。

「……ダル…」

そんな呟きは、誰の耳にも届かない。

エピソード３　カンッ

ここまでです。
遅れてしまい、申し訳ありません。

トヨネとかキョークンとか言ってんのになんで気づかないんだよとかそういう野暮な突っ込みはやめてください死んでしまいます

あ、あれですよ…疲れてたんですよ………

さて、次回は大会に負けたあとの話です。
あとエピソード２くらいで終わると思いますので、もうしばしお付き合いくださいませ。
それでは失礼します。

すいません、遅くなりました。
明日投下できるように頑張ります。

遅くなりました、本当に申し訳ありません。
仕事が終わりましたので、今から書きます……書き溜めはありません！
出来次第投下しますので、お待ちください

修羅場と二人の気持ち。

エピソード４
「彼女と俺と……あと一人」

突然だが、俺は白望さんに腕を拘束されて体重をかけられ、キスをされていた。
まったく、これっぽっちも、状況が理解できない。
ふと、意識を取り戻した時のことを思い出す。
確か……。

それは県予選当日のこと。
これから試合、という時に白望さんがこんなことを言い出した。

白望
「京太郎。頑張ったら、ご褒美が欲しい」

全員が目をパチクリとさせて白望さんを見ている。
そんな白望さんは至って真面目な顔でそんなことを言っていた。

白望
「だめ？」

京太郎
「いや、駄目ってことは無いですよ。はい、俺にできることならなんでもしますよ！」

俺の回答に満足そうにした白望さんは、ゆっくりとした…ではあるが、いつもよりは早歩きという感じで向かっていった。

そして、気がついたときには相手校全員ぶっ飛んでいた。
何が起こっているのかまるで理解できず、結局白望さん一人で県予選を優勝してしまうのだった。
そしてなんだか釈然としないメンバーだったが、とりあえずは良いということになり、祝賀会をすることになる。
白望さんは「ダルい……」とだけ言って、だるだるしはじめたので、結局は俺がおぶることになった。
豊音さんが物凄い視線で見てきたが、適当に宥めて事なきを得た。

京太郎
「今日はすごかったですね、白望さん」

白望
「ダルい……」

京太郎
「アハハ……でも凄いやる気でしたね、なにかあったんですか？」

白望
「京太郎がなんでもいう事聞いてくれるって言ってたから」

京太郎
「なんでもなんて言いましたっけ！？」

豊音
「なんの話かなー？」

京太郎
「違うんですよ豊音さん！？　白望さんに頑張ったらご褒美が欲しいって言われて…」

豊音
「ふーん……」

京太郎
「あ、そうだ、ご褒美って何がほしいんですか？」

白望
「あとででいい」

そう言うと白望さんは寝息をたてはじめた。
俺も豊音さんも首を傾げて、とりあえず気にしないことにした。

その後、俺の家で皆で今後について話したりとりあえずお祝いしたりしていたが、気が付いたら眠っていたようだ。
目をあけると、周りから寝息が聞こえている。
そして、話しは冒頭に戻る。

京太郎
「………白望さん…なに、してるんですか…」

白望
「ご褒美をもらっただけ」

京太郎
「ご褒美って…むぐ」

また口を塞がれた。
ハッキリしかけていた頭がまた真っ白になる。
ヤバイ……頭がボーッと……。

「京太郎くん」

ガバッ！　と白望さんを突き放した。

京太郎
「じょ、冗談やめてください、白望さん…」

白望
「………」

心臓の音が早まる。豊音さんの頭に浮かび、無意識に白望さんを拒絶した。
白望さんは、何を考えているか分からない無表情のまま、俺をじっと見ている。

白望
「………………ダル」

京太郎
「なんで、こんなことを…」

白望
「京太郎は、どうでも良いと思う相手にこんなことをする女だと、私を思っているの？」

明確な好意を突き付けられる。
白望さんの目を見つめてられず、俺はオロオロと視線を動かし始めた。

京太郎
「お、俺は……」

白望
「多くは望まない。ちょっとだけでも、京太郎を感じたいから」

愛人宣言までされ、白望さんのおもちを胸に当てられて、それでも豊音さんの顔や声が浮かび、俺はどうしていいか分からなくなってしまった。
その時、物凄い力が俺と白望さんの襟首を掴み、引きずられていく。

京太郎
「ぐっ……！？」

ポイっと外に投げ捨てられ、俺の上に白望さんが落ちてきた。
掴んでいた人が誰なのか見当がついていたが、その姿を見て、絶句してしまった。

豊音
「なにしてるの、二人共」

豊音さんの無表情と殺気が、俺の心臓を突き刺す。

京太郎
「い、いや俺は」

白望
「………浮気」

俺の上から退いた白望さんは、豊音さんの殺気を軽く受け流してそんなことを言った。

豊音
「シロ………信じてたのに………」

白望
「信じるのはそっちの勝手。もちろんトヨネが信じてくれた分は応えるつもりではある。でも例外だってある」

豊音
「その例外が京太郎くんなのかな」

白望
「………ダル…」

豊音
「でも絶対にそんなこと許されないよー。シロも分かるよねー？」

白望
「他人のものに愛情を向けてはいけないなんて法律は存在しない…」

豊音
「そういう問題じゃないよね！？　ねぇ！」

豊音さんが白望さんに掴みかかりそうになり、俺が慌てて二人の間に割って入る。

京太郎
「豊音さん！　お、落ち着いてください！」

豊音
「なんで邪魔するのー…？　京太郎くん、もしかしてシロのこと…」

京太郎
「違います！　俺は豊音さん一筋ですから！」

白望
「私は愛人でも大丈夫」

京太郎
「白望さんもやめてください、豊音さんを挑発するの！」

豊音
「絶対にだめ。京太郎くんは全部私のものだよー」

白望さんから引きはがすように俺を抱きしめる豊音さん。
あまりの力に、情けないことに俺はされるがままにされてしまう。

白望
「………………私が、我慢しないといけない理由が無い」

豊音
「あるよ！　京太郎くんは私の彼氏だもん！」

白望
「別にそんなことどうでも良い。トヨネと京太郎が仲良くする分には、異論無い」

白望
「ただ、独占するのは、ズルいと思う」

豊音
「意味わからないよー！　私、頑張って京太郎くんに選んでもらったもん！」

白望
「京太郎は？　私のこと、嫌い？」

京太郎
「いや、それは…嫌いな訳ないじゃないですか……でもそれは…」

白望
「さっき、私にキスされた時、京太郎は私で満たされてたよね？」

京太郎
「…………ひ、否定はしません」

豊音
「京太郎くん！」

京太郎
「でも！　そういうことしたいって思うのは、豊音さんだけです！　白望さんのことは好きです！　大好きです！　でも、そういうんじゃないんです！」

白望
「……ダル………」

豊音
「…シロ。もしこれ以上京太郎くんに手を出すなら、たとえシロでも許さない」

白望
「……………」

白望さんは振り返らず、俺の家へ入っていく。
後には、豊音さんと、抱きしめられたままの俺だけが残った。

京太郎
「………ごめん、なさい…」

豊音
「京太郎くんは悪くないよー。悪いのは私の京太郎くんに手を出すシロだよー」

京太郎
「…お願いですから、白望さんのこと、そんな風に言わないでください。俺は、仲良くしてる皆が好きなんです…」

豊音
「ご、ごめんなさい…」

京太郎
「………………ん」

豊音
「！　………ちゅっ…」

俺は、しゅんとする豊音さんに口づけをした。
幸せで胸がいっぱいになった。と同時に、白望さんへの罪悪感のようなものを感じる。

京太郎
「俺が好きなのは、豊音さんだけです。麻雀部のメンバーも好きです。でも、俺がこうやって自分からキスしたいと思うの、豊音さんだけです」

豊音
「わた、私も……ぐすっ」

京太郎
「と、豊音さん！？」

豊音
「ご、ごめんなさい……ひっく……京太郎くんが、取られちゃうかもって思ったら、本当に、こわ、怖くて……」

京太郎
「俺はずっと豊音さんの隣にいますから！　絶対ここから動きませんから！」

ギュッ、と豊音さんを力いっぱい抱きしめる。

豊音
「う、うんー！　私も、ずっと京太郎くんと一緒にいるよー！」

そうやって数分間抱き合ったあと、気恥ずかしくなった俺と豊音さんは家の中へ戻った。
白望さんは既に寝ており、なんとも言えない気持ちになりながら全員に布団をかけてあげ、豊音さんにおやすみの挨拶をして居間に戻る。

俺と豊音さんのやりとりを見ていた白望さんがくすっ、と笑ったあと、少し真面目な顔に戻す。

白望
「私、京太郎が好き」

京太郎
「……はい。ありがとうございます。でも、ごめんなさい。俺は、豊音さんしか見ていません」

白望
「うん。知ってる。でもね、京太郎」

京太郎
「え？」

白望
「私、二番目でも三番目でも良いよ？」

豊音
「………」

京太郎
「凄い魅力的な話ですけど…俺はやっぱり、一番愛されたいし、一番愛したいです」

京太郎
「誰かを二番目に愛するとかそんな器用なことできませんし、二番目に愛されるとかそんなものを白望さんに押し付けたくないです」

白望
「………ん。分かった。ごめんね？」

豊音
「私も、ごめんねー……ついムキになっちゃって…」

白望
「でも私、諦めてないから。もしちょっとでも京太郎が振り向きそうなら仕掛けるし、遠慮なんてしない」

豊音
「そんな隙なんて作らないよー！」

白望さんが俺の腕を掴む豊音さんを見て笑っていた。
それを見るに、今のは白望さん流の冗談だったのだろう。
二人が仲直りしてくれて、本当に良かった…。
もしかしたら、俺と白望さんが恋人になっていた世界があったのだろうか、とふと考えてしまう。
でも、隣で笑っている豊音さんの顔を見て、そんなもしはすぐに忘れた。

エピソード４、カンッ