にこ「真姫に呼び捨てされたい」 (30)

にこ「真姫って他の人は呼び捨てにするくせにニコのことだけはちゃん付けよね」

にこ「まあ、そっちの方が特別感があっていいといえばいいんだけど……」

にこ「でも、一度でいいから言わせたい!」

にこ「あとついでに録音したい!」

にこ「どうにかして『ニコ』って呼ばせてやるわ!」

――

真姫「っ?」ゾクゾク

凛「真姫ちゃん風邪?」

真姫「なんだか寒気がして……」

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――――
――


にこ「まずは『コーヒーの砂糖何個入れる?』作戦ね」

にこ「きっと真姫ってば意外と子供だから2個くらい入れるはずよ!」ニシシ

凛「にゃんにゃんにゃーん!」

真姫「こんにちは、ってニコちゃんだけ?」

にこ「何よ、悪い?」

真姫「悪くはないけど……。ってこの匂いコーヒー?」

にこ「そうよ。真姫も飲む?」

真姫「いただくわ」カミノケクルクル

凛「凛もほしいニャ!」ハーイ

にこ「入ったわよ、ドリップだからあんまりおいしくないかもしれないけど」

にこ「砂糖は何個入れる?」ニヤッ

真姫「いらないわ」

にこ「っ!?」

真姫「ブラックでお願い」

にこ「!!??」

にこ「な、なな、何大人ぶってんのよ? ブラックで飲めたから大人なんてことはないわよ?」

真姫「大人ぶってなんかないわよ!」

真姫「パパがいつもブラックだったし、夜に作曲とか勉強してる時によく飲むのよ」

凛「真姫ちゃんおっとなー!」

凛「凛は2個ほしいニャ!」

にこ「あんたじゃないわよ!」

真姫「?」キョトン

凛「??」キョトン

にこ「いいもん、ニコもブラックよ」ゴクッ

にこ「……にがっ」

真姫(かわいい)

にこ「次は『これ数えて』作戦!」

にこ「ここにいくつかの髪飾りあるわ、これを数えさせて途中で2個って言わせる作戦よ」

真姫「何1人でブツブツ言ってるのよ?」

凛「キモチワルイ」カミノケクルクル

真姫「……凛?」

凛「別に真姫ちゃんの真似なんて誰も言ってないよ?」アハハ

真姫「くっ……」

にこ「真姫!」

真姫「な、何よ?」

にこ「ここにある髪飾りを数えて」

真姫「はあ? なんで?」

にこ「数えてほしいのよ」

真姫「自分で数えればいいじゃない」

にこ「それだと意味ないの」

真姫「……めんどくさい」プイッ

にこ「ニコの一生のお・ね・が・い」ウルウル

真姫「かわいい」

真姫(キモチワルイ)

凛「真姫ちゃん、逆逆」

真姫「仕方ないわね、数えればいいんでしょ?」

にこ「一応1個ずつ数えてね」

真姫「まあ、そっちの方が確実だしね」

真姫「1つ、2つ、3つ……」

にこ「そうじゃなーい!」

真姫「ヴェエエ……。な、何よ?」

にこ「何個あるか数えてほしいの!」

真姫「だから数えてるじゃない!」

にこ「数えてるけど……」

花陽「こんにちはー。何してるの?」

真姫「なんかいきなりニコちゃんがこれ数えてって言ってきたのよ」

真姫「それで数えてたら急に邪魔してきて」

にこ「だから数え方が違うのよ!」

真姫「1つずつちゃんと数えたでしょ!?」

花陽「? それじゃあ真姫ちゃんがダメなら花陽が数えるね」

花陽「1個、2個、3個……」

にこ「だからあんたじゃないのよ!」

花陽「ピャア!?」

にこ(一応録音したけど)

にこ「今度こそ……。今度こそは成功させるわ」

にこ「『なにこれ?』作戦」

にこ「真姫に急にプレゼントを渡して『な/にこ/れ?』って言わせる作戦よ!」

にこ「いつかあげようと思ってたものもあるしそれを渡すわ」

真姫「また何かブツブツ言ってる」

花陽「ニコちゃん疲れてるのかな……?」

凛「疲れてなくてもおかしいニャ」

真姫「それもそうね」

にこ「真姫」

真姫「今度は何よ?」

にこ「これ、プレゼント」

真姫「? 何よこれ」

にこ「惜しい!」

真姫「はぁ? 何が惜しいのよ?」

真姫「……。開けてもいいの?」

にこ「あぁ……。どうぞ……」ハァ

真姫「いきなりなんなのよ」ガサガサ

凛「何かニャ?」ズイッ

花陽「り、凛ちゃん。ニコちゃんが真姫ちゃんにあげたものなんだからあんまり見ちゃダメ!」グイグイ

真姫「なっ……!」カアアアアアアアア

凛「指輪?」キョトン

花陽「す、スクールリング!?」パナァ

にこ「あっ!」

にこ「や、やっぱさっきのなし! 返しなさい!」アセアセ

真姫「もう開けちゃったわよ!」アセアセ

真姫「えっと……。これ、どういうつもり?」

にこ「それはその、えっと……」

にこ「いつか真姫と交換したいなって、思ってたり思ってなかったりしてたんだけど……」

真姫「っ!」カアアアアアアアア

花陽「凛ちゃん、ちょっと外行こう」グイッ

凛「えー、凛見てたいよー」ブーブー

花陽「いいからっ」グイグイッ

凛「かよちん痛いニャー!」

真姫「……今日のニコちゃんが変だったのってそれが原因?」

にこ「近いけど、スクールリングが原因ではないわ」

真姫「じゃあなんであんなわけわからないことしたのよ?」

にこ「……。言わなきゃダメ?」

真姫「言いなさいよ。結構気になってるんだから」カミノケクルクル

にこ「……されたかったの」

真姫「え?」

にこ「真姫ちゃんに呼び捨てにされたかったの!」

真姫「呼び捨て……?」

にこ「だって、真姫ってニコのことだけちゃん付けだから」

にこ「もしかしてニコのことあんまり好きじゃないのかなって……」

真姫「そんなことあるわけないでしょ!?」

にこ「じゃあなんでニコだけちゃん付けなの?」

真姫「そんなの……」

にこ「そんなの?」

真姫「恥ずかしかったから」カアアアアアアアア

真姫「ニコちゃんのこと呼び捨てにするのが恥ずかしかったからよ!」

真姫「呼び捨てにしてほしいんだったらいくらでも言ってやるわよ!」

真姫「ニコ! ニコ! ニコニコニコ!」カアアアアアアア

にこ「なっ……!」カアアアアアアアア

真姫「ニコニコニコニコニコぉっ!」

にこ「あんたがそのつもりならこっちだって……!」

にこ「真姫真姫真姫真姫真姫ぃっ!」

真姫「うるさいわね! そんな口こうしてやる、んっ」チュッ

にこ「んんっ! ひょ、ひょっとまひぃっ」バタバタ

真姫「ふん、うるさいからよ」プイッ

にこ「真姫こそうるさかったわよ、それならこっちだって。ちゅぷっ」

真姫「ひょ、ひょっと! ひ、ひたはいってう!」バタバタ

にこ「んちゅっ、ちゅるっ。ちゅぅっ」

真姫「んっ、に、にほひゃん。らめぇっ!」

真姫「もう、信じられない!」

にこ「真姫が先にやってきたんでしょ!?」

真姫「ニコちゃんが先に舌入れてきたのよ!」

にこ「またちゃん付け」ムッ

真姫「あ、え、えっと……」アセアセ

にこ「ぷっ。いいわよ、そのままで」

にこ「1回呼んでもらいたかっただけで真姫のちゃん付け嫌いじゃないし」

真姫「ナニソレ、イミワカンナイ」テレテレ

真姫「………。ニコちゃん、これ」スッ

にこ「何、これ?」

真姫「開けてみたら?」

にこ「開けてみるわね」ガサガサ

にこ「こ、これっ……!」

真姫「わ、私だってニコちゃんにあげるために用意しておいたのよ」カミノケクルクル

にこ「真姫っ!」ギュッ

真姫「ヴェエエエエエ……」

にこ「大好き!」

真姫「な、なによ」カアアアアアアアア

にこ「……真姫はニコのこと嫌いなの?」ウルウル

真姫「き、嫌いじゃないわよ……?」カアアアアアアアア

にこ「嫌いじゃないだけ?」ギュッ

真姫「なっ……! す――」

にこ「す?」ニヤニヤ

真姫「好きよ、ニコ!」カアアアアアアアアアア

にこ「っ!」カアアアアアアアアア

にこ「こんな時に呼び捨てなんて卑怯よ!」

真姫「ニコちゃんこそそんなにあざとくてかわいいなんて卑怯よ!」モウッ

おわり

にこと真姫には仲良くケンカしてほしいですまる

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