大臣「…どうなされたのです国王様？」

王「勇者が行かぬならワシが行くしかなかろう…」

大臣「国王様自ら……ですか」

王「久々の剣……結構重いのぉ……」

大臣「…国王様が昔剣士だったことは存じております…」

大臣「しかし……魔王討伐など…」

王「……わかっておる…だがやらねばならん…」

大臣「……国王様…」

王「どうしよう………」

王「魔王討伐……」

王「…ぶっちゃけ…無理じゃん」

王「大見得切っちゃったしなあ…」

王「剣士っつっても下っ端の下っ端だよクソ…」

王「俺は本当は魔法タイプなんだよ…」

王「それもこれも糞勇者のせいだ……」

王「…………強い奴仲間にして頑張ってもらうか…」

酒場

マスター「いらっしゃ……！？！？」

マスター「こ、国王様！？」ﾋｿﾋｿ

マスター「ど、どうなされたので…？」ﾋｿﾋｿ

王「悪い、急用で強い奴3人必要、お願い」ﾋｿﾋｿ

マスター「それは良いですけど…」ﾋｿﾋｿ

マスター「おーい！剣士と僧侶と…魔法使いー！」

剣士「あーい……なんだよ？」

僧侶「仕事ですか？」

魔法使い「手短にね……」

王「ええっと………んん……」

王「……魔王の討伐を手伝ってほしい」

剣士「…は？」

僧侶「魔王って……あの？」

王「その魔王だ」

魔法使い「無理、無理に決まってんでしょ馬鹿らしい…」

王「そこをなんとか」

剣士「俺は別にいいが……」

魔法使い「私はイヤ！！ぜっったい行かないからね」

僧侶「え、ええと……その……」

マスター (こいつら王の顔知らんのか…？)

王「頼むよ、魔法使いちゃん」

魔法使い「気安く呼ぶな！オッサン！！」

マスター(知らんのかよ…)

王「お…おっさん……？」

魔法使い「アンタのことだよ冴えないオッサン！1人で行っててよ！」

僧侶「ま、まあまあ………」

剣士「その辺にしとけよ、行かないならそれでいいじゃねーか」

剣士「なあ？おっさん」

王「おっさん言うな……」

魔法使い「それじゃ、私行かないから」

王「……じゃあ、行く人に先にお金、払っておくね」

王「はい、剣士君」

剣士「え、あ………え？」

僧侶「！？」

魔法使い「はあ！？」

王「前払いで1千万G、良かったかな？」

剣士「え、え、あ、ありがとう……ございます」

僧侶「わ、私も行きます！」

魔法使い「僧侶！？アンタ金に負けるの！？」

僧侶「き、教会はお金がかかるんです！！孤児達の為にも！稼がなくちゃいけないんです！」

魔法使い「う、うう……！」

王「じゃあ…僧侶ちゃんにも、はい」

僧侶「あ、ありがとうございます！！」

王「それじゃあ……3日後、ここで集合してもらえる？」

剣士「わかった」

僧侶「わかりました！」

魔法使い「ぐ、う、う、」

魔法使い「わかったわよ！！行けばいいんでしょ！？」

魔法使い「私も行く！！お金！！」

王「え……まあいいや……はい」

魔法使い「ぜっったい魔王倒してやるんだからあ！！クソぉ！！」

剣士家

剣士「…ただいまー」

剣士母「おかえり、ご飯どうする？」

剣士「食う……」

剣士母「………どしたよ上の空で」

剣士「………デカい仕事、貰った」

剣士母「なぁんだ………そんなことか、どんな仕事なの？」

剣士「………魔王、討伐」

剣士母「…………はぁ？？」

教会

僧侶「じゃあ、これ寄付で…」

牧師「本当にいいのかい？こちらとしてはありがたいが……」

僧侶「いいんです、まだお金少し余ってますし…」

牧師「なんでまた急にそんな大金を…」

僧侶「お仕事、入ったんです」

牧師「ああ、そういうこと……」

牧師「とりあえず、貰っておくよ、子供達の食事も些か豪勢になる」

僧侶「はい、よろしくお願いします」

魔法使い家

魔法使い「あああ！！！もう！！」

魔法使い「ほんっとーに腹立つおっさん！！」

母「どうしたのこの子は…」

父「おっさんに依頼貰って腹立ててるらしい」

母「よくわかんない子だわねぇ…」

父「とりあえず、がんばってきなさい」

魔法使い「おっさんは黙ってて！！！」

父「」

3日後

王「や、よく集まってくれた」

剣士「がんばりまーす」

僧侶「お役に立てるでしょうか…」

魔法使い「……フン！」

王「…それじゃあ、まず自己紹介とかから」

王「えー、王と申します、冴えないオッサンです」

王「剣も魔法もそこそこです、よろしく」

剣士「どっかで聞いたことある名前だなぁ」

僧侶「私も……」


剣士「俺は剣士、もちろん剣が得意だ」

剣士「レベルは37、がんばりまーす」


僧侶「そ、僧侶です！魔法をがんばります！」

僧侶「えと…レベルは24です、低くてすいません…」


魔法使い「………魔法使い、よろしく」

王「レベルは？」

魔法使い「ぐ、…………レベルは13」

王「えらく低いんだねぇ」

魔法使い「うううるさいうるさい！！！実戦経験があまりないの！！」

王「えーと……まずは最初の森かな」

剣士「なんだ、あそこから行くのか」

僧侶「それぐらいなら私も戦えます！」

魔法使い「………私も余裕だし」

王「それじゃあ行こうか」

剣士「おー」

最初の森

剣士「おらっ」

スライム「」ｽﾞﾊﾞｯ

僧侶「メラ！」

スライム「」ﾒﾗﾒﾗ


魔法使い「なななななにこいつ！！？」

魔法使い「よ、寄るな！！うああああ」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

スライム「ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ」

魔法使い「きゃああああ」


王「何やってんの……」

魔法使い「……」ｸﾞｽｯ

王「まさか酒場にスライムを怖がる子がいるとは…」

魔法使い「………怖がってない」

僧侶「ま、まあ最初は皆そんなものですよ、ね？剣士さん

剣士「え？あ、ああ……そうだな」

魔法使い「怖がってない！！！」

王「はいはい」

魔法使い「ぐぅぅぅ…！！」

魔法使い「私だって！！魔法使ったらすごいんだから！！」

僧侶「そうですよ！魔法使いちゃんも頑張ってるんです！」

王「うーん……」

剣士「………おい、なんか来たぞ」

ウルフ「……ゥゥゥ…」

僧侶「う、ウルフ！？何でこんなところに」

ウルフ「ガウガウ！！」

魔法使い「怖いぃ……」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

王「ほらもう…」

剣士「何してんだよ…」

僧侶「メ、メラ！」

ウルフ「ゥゥゥ……」ｼｭｳｳ

剣士「効いてないぞ」

僧侶「見ればわかります！！」

ウルフ「ガウ……」

魔法使い「こここ来ないで！！やだ！！」ｱﾀﾌﾀ

王「イオ！」

ウルフ「！！」ﾀﾞｯ

王「…逃げちゃった……」

魔法使い「う、う、」

僧侶「怖かったですね、よしよし」

剣士「何だったんだ……」

王「怖かったね」

剣士「アンタ動じてなかったじゃねえか……」

僧侶「一度町に戻りませんか？魔法使いちゃんも疲れてますし」

魔法使い「………」

王「そうだねぇ…」

酒場

王「明日朝ここ集合でいい？」

剣士「おー」

僧侶「はーい」

魔法使い「………」

王「じゃ、かいさーん」


魔法使い「………ねぇ」

王「え？何」

魔法使い「………ありがと」

王「………次からはちゃんとしてね？」

魔法使い「わ、わかってるわよ！！」