指定校推薦 (11)
指定校推薦 それはバカでも学校の成績さえよければその大学へ入学できる魔法の切符。
主人公の前田もその一人。地元の高校は底辺県立高校。数学と物理の偏差値はわずか42。
そして彼が入学した先は、慶応義塾大学 工学部 情報学科。
己の自尊心との戦いが今、始まった。
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入学式当日。
前田(大学で友達ができるかどうかは、入学して最初の一週間ですべて決まる)
前田(そして今、俺は先ほど入学式で話しかけたやつと一緒に飯をくっている)
前田(ここがこれからの大学生活を有意義に暮らせるかどうかの分岐点・・・気合いれていくぞ)
A「どうした?前田くん」
前田「いやいや、やっぱ大学の飯って安いなーって思って」
B「確かに、この値段でこの量はすげえコスパいいわ」
A「ところでさ、みんな高校のとき偏差値ってどんくらいだった?」
前田(でた!大学入学時によくする話、偏差値!!)
前田(ここでもし、ウソでもついてみろ)
前田(その後4年間、ずっとだまし続けることになる)
前田(人間正直が一番いい・・・そう欺瞞は自分を苦しめる鎖になるんだ)
A「あ~、俺物理68あったんだけど、数学63しかなかったわ」
B「マジで?結構それぎりぎりだったんじゃね?」
A「まぁね、Bくんは?」
B「俺は物理64、数学は68あったよ」
A「おお~、すげえ」
AB「んで前田くんは?」
前田「・・・俺はどっちも68だったよ」
AB「やるねぇ~~」
前田(やっちまったぁぁぁぁぁ!!!)
前田(まずいまずい!!これはもう戻れない!)
A「じゃあさ!入試の時、数学の大問4番あれわかった?」
前田「ああ、あれね!あれは半分くらいしかわからなかったよ」
前田(知らね~~~!まず試験すら受けてねーよー!)
B「え!あれ半分解けたの!」
A「すごいな、俺なんて全然手が出なかったのに・・・」
前田「ままま・・・まぁね」
B「実はさ・・・その時の入試問題・・・たまたま今もってるんだよ」
A「おお~~!ちょっと教えてもらおうよ!」
前田(なんで持ってんだよくそやろおおおおお!)
前田「は・・・はははは」
前田「え~と・・・大問4だったよね」
前田「・・・・・・」
B「どうした?」
前田「は・・・ははは、ちょっと忘れちゃったかな」
前田「久しぶりにみるとわからんもんだね、ははは!」
A「え・・・でも流石に(1)番くらいまではわかるよね」
B「ああ、俺たちがわからないっていったのはこの(2)番からで・・・前田くん?」
前田「え!?ああ、もちろん!その通りだよ?」
B「・・・・・・じゃあそこも含めて教えてくれる?」
前田「!!??」
B「(1)番は簡単な漸化式の問題で公式に当てはめるだけなんだから、すぐにできるよな」
A「まぁ、さすがに(1)番はね」
前田「・・・ああ、あ!」
B「前田くん?」
柳「あれ?前田じゃん!久しぶり!」
前田「!!!!」
柳「中学の時以来だな!!まさかお前が慶応にいるとは思わなかったぜ!」
前田「や・・・やなぎ~~!久しぶり!」
前田「ちょっと久しぶりだなほんとに!!よし、立ち話もなんだしあっちに行こう!春だといってももう暑いからな!」
柳「え?いいのか?今友達と話してたところじゃなかったのか?」
前田「ああ、大丈夫!AくんBくん、ちょっとごめん席外すわー」
B「・・・まぁいいけど」
柳「しっかしまさかお前が推薦で慶応にくるとわな~」
AB「え?」
前田「・・・・・・!」
柳「あれ?確か指定校推薦だろ?」
柳「最初お前が慶応に受かったなんて噂聞いたときは度肝を抜かされたけど、推薦って聞いて納得したよ」
柳「昔からお前教師受けだけはよかったからな」
前田「ははは・・・」
柳「あと悪いんだけど俺も今から入ったばっかのサークルで話し合いがあるから時間ないんだ、ごめんな」
柳「んじゃまた今度な!!」
前田「・・・ああ、時間があったら誘うよ」
柳「じゃな!」
AB「・・・・・・」
前田「・・・ははは」
前田「あ・・・今の中学のときの友達・・・」
B「指定校推薦で入ったの?」
前田「・・・うん」
B「あ、そうなんだ」
B「ちょっと俺あっちの校舎いってみるわ」
A「あ・・・僕もいく」
前田「じゃ、また学校であったときに・・・」
B「うん、はい」
A「・・・・・・」
今日はこのくらいで失礼します。
迷走するかもです。
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