【安価キャラ】リトルバスターズ! (243)
キャラ作成項目
・名前
・性別
・初期メンバーか否か
・運動能力
・勉強能力
上記5項目を安価とコンマで決定
リトルバスターズSS少ないからこれを機に増えたらなぁと思ってます
とりあえず人いれば始めてみたい
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435072754
性格とか学年はないのかな?
もちろんGMさんの都合次第ですが
なんにせよ、面白そうなので期待です
本編外なのでsageますね
>>2
性格は決めます。学年は申し訳ないですが2年固定で
書き忘れてましたね、すいません
それじゃあ始めますね
まずは性別から
↓2でどうぞ
性別 女
男になると思ってたから正直驚いてる
次にリトルバスターズ初期メンバーか否か
これも↓2でどうぞ
性別 女
リトルバスターズ初期メンバー
これはどうなるのか……
次に性格。大まかな指針になるので選択式で
1 鈴タイプ(人付き合いが苦手)
2 葉留佳タイプ(少し明るすぎる性格)
3 来ヶ谷タイプ(いつも余裕を崩さない大人な性格)
4 西園タイプ(物静かな性格)
5 自由にどうぞ
↓2で
性別 女
リトルバスターズ初期メンバー
性格 クール系統の優しい子。普段は冷静だが極度の緊張になるとパニックになりアホの子気質に
これは大まかな指針になるので多少安価とブレてても多目に見てください
あと頻尿は多分本編で組込めれない(白目)
次は運動能力
50を基準にして直後コンマ判定
性別 女
リトルバスターズ初期メンバー
性格 クール系統の優しい子。普段は冷静だが極度の緊張になるとパニックになりアホの子気質に
運動能力 51(平均的)
次は勉強能力
これも基準を50として直後コンマ判定
性別 女
リトルバスターズ初期メンバー
性格 クール系統の優しい子。普段は冷静だが極度の緊張になるとパニックになりアホの子気質に
運動能力 51(平均的)
勉強能力 28(勉強は苦手)
それじゃあ名前。女の子の名前を↓2でどうぞ
名前 星空夢美(ほしぞらゆめみ?)
性別 女
リトルバスターズ初期メンバー
性格 クール系統の優しい子。普段は冷静だが極度の緊張になるとパニックになりアホの子気質に
運動能力 51(平均的)
勉強能力 28(勉強は苦手)
あと性別女になったので追加で寮のルームメイト安価
クドは本編でルームメイト探すイベントがあって小毬は笹美とルームメイトになってるので二人は除外して、それ以外の女子メンバー+二木さんのうち一人を選択するか一人部屋のどちらかで
これも↓2でどうぞ
名前 星空夢美(ほしぞらゆめみ?)
性別 女
リトルバスターズ初期メンバー
性格 クール系統の優しい子。普段は冷静だが極度の緊張になるとパニックになりアホの子気質に
運動能力 51(平均的)
勉強能力 28(勉強は苦手)
ルームメイト 西園美魚
決めるのはこんなものなのだろうか
あと名前の読み方はほしぞらゆめみで正解なのか……?
(ほしぞら ゆめみ)で正解です
専用武器とか、固有アイテムとか、野球理解度とか……?(ミニゲームにはまった者並感)
まあ冗談ですけど
あ、あと主人公が抱える悩みやらトラウマやら?
リトルバスターズはみんななにかしら背負っているし
理樹くんに攻略される可能性ありますけど(汗)
あとサポートやら恭介のような立場に徹するからなしというのもありますが
連投すみません
恭介の補佐役にするか
普通にトラウマとか悩み持ちなのかを多数決で決めるというのは?
>>44
>>45
それだ!
ってことで最後の最後で多数決安価
1 恭介の補佐をする
2 他メンバー同様トラウマor悩み持ち(トラウマor悩みの内容もあれば是非)
人数も比較的少ないので最速3票集まった方を採用
小さな頃の記憶が蘇ってきます。
「なあ、お前が星空夢美だよな?」
公園でぼんやりとベンチに座っていた私の前に立つのは三人の男の子と、一人の女の子。
その先頭に立つ、一人の男の子が私に向かって声をかけてきました。
「……そうですけど」
「君の力が必要なんだ!」
「え?」
どういう意味なのか。私がその疑問を尋ねるよりも前に男の子は私の手を引っ張りました。
「ど、どこに連れてくつもりなんですか!?」
「どこって、そりゃ――」
私がようやく絞り出した言葉に男の子はニヤリと不敵な笑みを浮かべます。
「――最高に楽しいところだ!!」
☆
5月13日。寮の部屋でのんびりと読書をしていると携帯にメールが一通届きました。
夢美「……理樹からメール?」
本にしおりを挟んで閉じ、携帯を操作してメールを確認します。
『恭介が帰ってきたんだ。今食堂にいる』
夢美「恭介さんが帰ってきた……?」
言われて気付く。そういえば今日は恭介さんが就職活動から帰って来る日でした。
こんな夜中に帰って来るというのはおかしな話かもしれませんが、恭介さんなら考えられます。
夢美「…………」
「星空さん、どうかしましたか?」
すると私が座っていたベッドとは違う、もう一つのベッドに腰掛け読書をしていたルームメイトの西園美魚さんが声をかけてくれました。
※ルームメイトにより呼び方決め安価
↓2
1 西園さん
2 美魚さん
夢美「美魚さん。……いえ、少し気になるメールが届いたので」
美魚「メール? ……ああ、携帯電話のですか」
夢美「はい。なんでも、恭介さんが帰ってきたらしくて……」
美魚「三年生の棗恭介先輩、でしたか」
良くも悪くも恭介さんやその周囲の生徒は校内では有名。当然美魚さんも恭介さんの悪名(悪名?)は知っているようで、そのことには苦笑いをせずにはいられない。
美魚「……なるほど。確かにあの人が帰ってきたとなれば他の周囲の人たちがまた騒ぎを起こしそうですね」
夢美「美魚さん、どうしてそこで私を見るんですか?」
美魚「その周囲の人たちに星空さんも入ってるからですよ?」
その言葉にグッと言葉を飲み込んでしまう。
確かに言われるまでもなく、私も恭介さんといつも行動を共にしている集団の一人。なので恭介さんが悪名を広げれば、それだけ私や他の理樹達の名前も有名になるわけで……。
美魚「あんまり騒ぎを起こしすぎると、風紀委員の人たちにマークされることになりますよ」
夢美「それは私じゃなくて恭介さんに言ってください……」
私たちが何かしら騒ぎを起こすときはほぼ確実に恭介さんが発端なんですから。
まあ、それを止めればいいんじゃないかと言われればそれまでなんですが……そう簡単に成功するようなわけでもなく。
夢美「…………」
さて、どうしましょう。このまま部屋にいても全然問題はないんですが……食堂に行って恭介さんの顔を見てくるという選択肢もあります……。
↓2
1食堂へ
2このまま部屋にいる
※理樹→理樹君に訂正
……このまま何をするわけでもなく部屋にいるのも悪くないんですけど、やっぱりどうしても気になってしまいます。
というのも、恭介さんが帰ってきて真人君や謙吾君が大人しくしているわけがないですし……理樹君があの二人を止めれるわけもない。
美魚「……星空さん?」
夢美「すいません。ちょっと食堂に行ってきます」
美魚「わかりました。それでは、行ってらっしゃい」
立ち上がり机に置いてあった鍵をスカートのポケットに入れ、美魚さんに断りを入れて部屋を出ます。当然目的地は食堂。
そうして足を進めようとしたとき――丁度良いタイミングで後ろから声をかけられました。
鈴「夢美!」
夢美「鈴さん」
茶髪のポニーテールを揺らしながらこっちにやって来るのは棗鈴さん。その苗字のとおり恭介さんの妹で、私の幼馴染でもあります。
鈴「きょーすけが戻ってきたんだってな」
夢美「はい。今は食堂にいるらしいですけど」
鈴「となると、真人と謙吾も一緒か」
夢美「多分……いえ、絶対」
あの二人は恭介さんがいない間は喧嘩をしないという約束を交わしていました。
運動能力がずば抜けて高い真人君と謙吾君の喧嘩を止められるのは恭介さんしかいないから。
鈴「むぅ……」
夢美「一緒に行きます?」
鈴「…………」
ちりん、と鈴を鳴らして頷く鈴さん。
そのまま歩くこと少し。ようやく食堂にたどり着き二人揃って中に入ります。
鈴「っ……!?」
夢美「これはまた……凄い人ですね」
既に食堂には多くの人が集まっていました。その人だかりの中央には真人君と謙吾君がいます。
謙吾『……お前はどうして猫を持っているんだ?』
真人『オレの武器なんだよ! 悪いのか畜生!!』
……よく見ると真人君は猫を抱えていて、謙吾君は拳銃(疑うまでもなく玩具でしょう)を持っていました。
事情を知らない私や鈴さんからすると、まさにどういうことなんだと疑問を浮かべるしかありません。
鈴「あっ! あの猫……!」
夢美「鈴さんの猫でしたっけ?」
真人君が抱えている猫は確か数日前に鈴さんが飼いだした猫……のはずですけど。
鈴「コラーッ!! 弱いものいじめはめっ、だっ!」
すると鈴さんが大声を出してその場に乱入していきます。
真人「弱いもの? 誰が?」
謙吾「お前だろう」
鈴「その猫だっ!」
真人君の手元から猫を奪い返し、改めて二人を見る鈴さん。
……このまま放置していたら何かさらに悪化しそうですし、助け舟に出てみましょうか……?
今回最後
↓2
1 助け舟を出す
2 とりあえず理樹と恭介を探す
※ やはり初期メンバーに対しては呼び捨てでいきます。以後変更は無し
……仕方ないですね。このまま鈴に任せたところで悪化することが目に見えてますし、一応助け舟を出してみましょう。
夢美「それで、喧嘩の原因はなんですか?」
真人「夢美まで来てたのか。しかしよくぞ訊いてくれたな!」
そうして待っていたと言わんばかりに真人が喧嘩の原因を説明し、途中で謙吾が補足してくれます。
その説明を纏めると――真人が謙吾に『目からゴボウ』という諺の意味を尋ね(当然そんな諺は存在しません)、謙吾が『急に事態がはっきりすること』と答えたとのこと。
謙吾の真意としては『目からウロコ』という諺だろうと思ってから、その諺の意味を答えたみたいです。
……物凄くどうでもいいです。
謙吾「これでわかっただろ、鈴に夢美。悪いのがどっちかってことが」
個人的にはどっちも悪いと思うんですが……まあ、いつもどおりの光景なので言うだけ無駄ということでしょうね。
謙吾「ではな」
真人「待てよ謙吾! 逃げるのか!? 猫爪で引き裂いてやぐぺぇっ!?」
なお猫を武器にして戦おうとする真人(どうしてそこまで猫にこだわるのかはわかりません)に鈴のハイキックが炸裂します。
スカートでハイキックをするのはいかがなものかと思うんですが……何度言っても聞いてくれません。
鈴「弱いものいじめはするなと言ったばかりだぞ!」
真人「てめぇ……恭介の妹だからって容赦はしねぇ! お前ら、武器を寄越せ!」
するとその掛け声に従ってバナナの皮やぬいぐるみなど、様々な物が投げられます。
……なんでしょう。今私の目の前でよくわからない光景が広がっている気がするのですが……。
理樹「夢美、こっちこっち」
ピリピリした空気に私が戸惑っていると、少し離れたところから理樹が手招きしてくれていました。
夢美「理樹……これは一体どういうことですか?」
理樹「えっと、これは……」
恭介「それは俺から説明しよう」
ヌッと姿を現したのは恭介でした。どこから姿を現したのか、なんて野暮なことは訊かないでおきます。
恭介「素手で喧嘩をすると真人が強すぎて危険だし、逆に謙吾が竹刀で喧嘩をすると謙吾が強すぎる」
恭介「ならいっそのこと周りのギャラリーが投げ入れたものを武器にして戦ったらどうだって話になったんだ」
理樹「くだらないものならくだらないものほど危険も少ないだろうしね」
なるほど、それは理解できなくもない――んですが。
夢美「そもそも喧嘩をさせないっていう選択肢はないんですか?」
恭介「ない」
なんでですか……。
恭介「それより見ろよ、始まったぞ二人のバトルが」
言われて視線を送るとそこは三節棍を持った鈴とうなぎパイを持った真人が。
って三節棍!? どこからそんなものを持ってきたんですかアレを投げた人は!?
夢美「ここまで酷い戦力差はある意味凄いですね……」
理樹「でも真人だって上手くうなぎパイを使いこなすかも……」
うなぎパイを使いこなすって「てりゃあっ!」どういう「うなぎパイがあっ!?」意味って私が思っている間に粉々に砕けている気がするですけど!?
謙吾「見事に沈んでいったな……」
恭介「所詮真人はその程度の器だったってわけか……」
理樹「恭介は何目線なの?」
そうやって騒がしい空気は次第に増していく。それは私たちだけでなく、この場にいる野次馬たちも同じでした。
この騒がしさももはやいつもどおりです。小学生の頃、初めて会ったときからずっと続いてきた騒がしさ。
昔近所にあった蜂の巣を全員で駆除したとき、恭介と謙吾の策で真人が火ダルマになったことは今でも忘れません(両方の意味で)。
よく考えなくてもとんでもないことのはずなのに、その光景がおかしかったのか私は無意識に笑っていました。
そして思いました。ああ、自分はきちんと笑えるんだ……と。
その日から私はただ笑いたくて、リトルバスターズの一員となってんです。
☆
夢美「ただいま帰りました」
美魚「……」
美魚「お帰りなさい」
自室に戻った私を出迎えてくれるのは美魚さん。丁度読書をしていたのか数秒遅れて顔をこちらに向けます。
……あの本……。
直後コンマ判定
50を基準に高ければ高いほど美魚の趣味を悪く思っていない
判定97 悪く思ってないよ。むしろ大好きだよ
夢美「……その本、もしかして」
美魚「……ええ。星空さんの思っているとおりです」
美魚「最近仕入れた最新の本ですよ」
やっぱり……見たことない表紙だなと思っていたんですが……。
夢美「あの……それ、今度貸してくれますか?」
美魚「はい、わかりました。他でもない星空さんの頼みですからね、後日お貸ししましょう」
美魚「よろしければ専門店の場所とかも教えますけど」
夢美「それは……私にはハードルがまだ高いかと思いますので……」
美魚「そういえば以前わたしと行ったとき、物凄い緊張していましたね」
美魚『買いたいものはそれですか? ではレジに行きましょう』
夢美『は、はいっ。……えっと、すいましぇ――すいません!』
美魚『噛みましたね』
夢美「思い出させないでくださいっ!」
美魚「顔を赤くして本を店員さんに渡そうとしていたあの星空さんはなかなか見れないですからね」
美魚「……ですが、ああいったところにいる人は同じ趣味を持っている人たちが多いんですからそこまで緊張することではないと思うんですけど……」
夢美「そういう問題じゃないんですよ……」
美魚さんの言ってることは理解できるんですけど……このあがり症が治らないことにはどうしようもないというか……。
その後は美魚さん秘蔵のコレクションの一部を借りて、就寝となりました。
仕事疲れがマックスなので短すぎますけど終わり(∵)
警告文うざすぎてパソコンどうにかなりそう
何かあったら是非お願いしますね
じゃないとこんな感じで進みそうな予感
翌朝。私はいつもどおり携帯の目覚ましより数分早く起きました。
美魚「おはようございます」
夢美「……おはようございます。相変わらず早いですね美魚さん」
起きたばかりの私とは違い、既にベッドから出て椅子に座っていた美魚さんが笑みを浮かべて私に声をかけてくれます。
美魚「わたしは朝に強い方ですから」
夢美「みたいですね……」
今のところほぼ必ず私より美魚さんが早く起きているので、その事実は否定できません。
美魚「それじゃあ、顔を洗って歯を磨いてきてください。わたしはそれまでに着替えて本でも読んで待つとします」
夢美「わかりました」
そうして近くの壁に掛けてある制服を手に取り着替えようとする美魚さん。
私も早く準備をしないといけないので、洗面所に行って顔を洗い歯を磨くことにしました。
☆
そうして数分が経過して改めて部屋の中に戻ると、言葉通り美魚さんが本を読んでいる姿が視界に入ってきました。
美魚「…………」
しかし、いつもそうですが美魚さんの読書中の集中力は見ただけで物凄いものです。なんというか、話しかけるのすら恐れてしまう……そんな感じです。
夢美「さて……」
今では読書中に話しかけても問題ない関係を築いた(つもり)とはいえ、自ら積極的に邪魔をする理由もないので自分も制服に着替えるとしましょう。
ハンガーに掛けられた制服を手に取り、寝巻きを脱いで制服を――
美魚「じーっ……」
――ダメです。どうしても美魚さんの視線が気になってしまいます。
夢美「ど、どうしました?」
美魚「……いえ、相変わらず立派なものをお持ちだなと」
夢美「立派?」
美魚「失敬、忘れてください」
私の疑問にはそうとだけ答え、再び視線を本に落とす美魚さん。
……なんとなく気にしてはいけないことだと思い、私はこれ以上詮索するのをやめて着替えを再開することにしました。
☆
美魚「今日はあの人たちと食事ですか?」
部屋を出て食堂に行く道中、隣を歩く美魚さんがそんなことを尋ねてきました。
あの人、というのは当然理樹や真人に謙吾、鈴に恭介のことでしょう。
夢美「そうですね……久しぶりに全員が揃うんですし、今日はあっちでご飯を食べるとします」
私の朝食はリトルバスターズのメンバーと食べる場合と、美魚さんと食べる場合の二つのパターンがあります。
今日はリトルバスターズ全員が久しぶりに揃う日なので、さすがに理樹達と一緒に食べないと後が怖いというか……。
美魚「わかりました。それではわたしは別の場所で食べることにしますね」
さもそれが当然のように、迷いなく美魚さんが言う。
実はこれまで何度か一緒に食べないかと誘っているものの、その全てを断られていたりします。理由としては『朝くらいは静かに食事をしたい』とのこと。
……否定したくても否定材料が皆無なので、無理に誘うことは断念したわけですが。
夢美「すいません」
美魚「お気になさらず。星空さんにも友人関係はあるのですから」
夢美「……でも、」
美魚「それでは、また後で」
気づけば食堂の前まで来ていた私たち。美魚さんが素早く話を打ち切って中に入って行ってしまいます。
そうされてもなお声をかけようとしたとき、不意に誰かに背中を叩かれました。
恭介「よっ」
夢美「……おはようございます」
その主は恭介でした。朝だというのに相変わらずの顔を浮かべ、私の方を見ています。
恭介「おはようさん。……どうした、寝不足か?」
夢美「寝不足……ではありませんけど」
恭介「そうか? それならいいけど」
そうして恭介を連れ添って二人で食堂に入ると、周囲にいた女子生徒の何人かの視線が集まりました。
恭介は校内の女子生徒からの人気が極めて高いので、朝から視線を集めるのも日常茶飯事と化しています。
……そしてその隣に立つ私には嫉妬が少し混じったような視線が注がれるわけですが。
恭介「ほれ、あっちに理樹達がいるぞ」
そんな私の心中など気にもしてないのか、恭介が少し離れたところに座っている理樹達を見つけました。
肝心の恭介がこうして少々周りからの視線に疎いので、その周りの女子(現状主に私や鈴)が苦労するのですが……そんなのも気づいていないんでしょうね。
真人「おう、二人ともおはようさん」
謙吾「おはよう」
理樹「おはよ」
恭介を先頭にして近づくと、私たちに気づいた三人が口々に挨拶をしてきます。
夢美「おはようございます」
恭介「みんなおはよう」
空いている席にそれぞれ座っていく私と恭介。
するとまず理樹が恭介に向かって話を振っていました。
理樹「それで? 恭介、今度はどこに行っていたの?」
恭介「ああ、今回は出版社だ。東京のな」
理樹「……徒歩で?」
恭介「ああ、徒歩で」
信じられないものを見るような顔で理樹が尋ねますが、そんな顔をされた本人は当然のように頷くだけ。
趣味等でお金の大半を浪費してしまう恭介にとって交通費のような費用は可能な限り節約したいのでしょう。だからといって徒歩で東京まで行くのは考えものですが。
真人「つーか……」
謙吾「アホだな」
恭介「金が無いんだ、仕方ないだろう」
夢美「節約すればいいだけなんじゃないですか? 漫画を買うのをしばらく控えるとか……」
恭介「それは無理な相談だな」
どうしてそこまではっきりと断言してしまうのでしょうか……?
そんなことを話していると、最後に鈴が食堂にやって来るのが見えてきました。
鈴「こらっ、お前達はダメだっ」
しかし中に入るわけでもなく、何か入口のところで立ち止まっているみたいです。
真人「鈴は何をしてるんだ?」
夢美「猫が食堂に入ってこようとしてるから、それを止めてるんじゃないですかね」
謙吾「お、威嚇して追っ払ったぞ」
謙吾の言葉通り、最後に威嚇の真似をして猫を追い払ったみたいです。
そしてそのままようやく私たちのところに来る鈴。
鈴「新入りだ」
唯一肩に乗せていた昨日の猫を指差して開口一番にそう言いました。
理樹「知ってるよ」
夢美「名前は何でしょうか?」
鈴「まだ決めてない」
恭介「名前は大事だぞ。ちゃんと考えてやれ」
話に加わってきた恭介を見て鈴が不服そうに答えます。
鈴「こんなにたくさん、覚えきれない」
そもそも鈴が飼っている猫は恭介が就職活動等で拾ってきた猫がほとんどです。
なので数のことを言われては恭介としても無理に強く言うことは出来ず――
恭介「なら俺が名前を考えてやる」
――どうしてそうなるんでしょうか。飼い主は鈴だったはずでは……。
鈴「頼んだ」
とはいえその飼い主がこう言っていては口を挟むこともできません。なので私たちは食事をしながらそのやり取りを見守っていました。
恭介「レノンだ」
理樹「これまた随分と大仰な名前を……」
謙吾「お前、名前が大事だと言ったくせに適当に考えてないか?」
夢美「主に有名人の名前を取ってますからね」
恭介「名前が大事なんじゃない。名前を考えてやることが大事なんだ」
確かにそれは理解できるんですが、だからといって名前を適当に考えても問題ないわけではないのではないでしょうか……?
鈴「レノンか。うん、可愛いかもしれないな」
夢美「可愛いですか……?」
たまに鈴のセンスがわからないときがあります。
恭介「これ食うかな」
すると恭介が味噌汁のわかめを箸で摘み、レノンの前に。
あ、食べました。
恭介「食ったな」
鈴「そんなもん食わすな! こっちの方が美味しいに決まってる!」
言いながら鈴が女子生徒のみについてくるカップゼリーを猫の前に置くと、レノンはカップに顔を埋めるようにして食べ始めました。
真人「この草みたいなのはどうだ?」
夢美「やめなさい真人」
鈴「ふかーっ!」
昨日喧嘩をしていたのが嘘のような光景。でも、これがいつもの光景でした。
何が起きても、私たちは少し経てば変わらず笑顔で騒ぎ出す。
理樹も、少し戸惑っていたようでしたが今では頬を緩めて笑っています。
そんなみんなを見て私もまた、笑みを浮かべてしまうのでした。
☆
食堂での朝食を終えて、登校。
とは言っても寮と校舎は隣同士なので渡り廊下を歩くだけなのですが。
真人「就職決まったら遊び放題なんだろ? いいねぇ」
恭介「そんなに気楽なもんじゃないさ。考えないといけないことがたくさんあるからな」
理樹「人生設計? 早いね」
夢美「真人には無縁な言葉かもしれませんね」
真人「なんだとっ! オレだって将来のことくらい考えてらぁ!」
私の言葉が不満だったのか、そうやって突っかかってきます。
謙吾「ほう? 具体的にはどう考えているんだ?」
真人「とりあえず、筋肉を鍛えてれば路頭に迷うことはねぇだろ」
凄い雑な考えでした……。
恭介「とは言っても確かに男なら力があるに越したことはないだろう。真人の考えもあながち間違いじゃないさ」
恭介「つーか、俺が言ってるのはそういうんじゃない。今しかできないことがあるって話だ」
理樹「そういう話か……」
夢美「でも、私たちにもまったく無関係って話じゃないですね」
今は恭介が就職活動をしていますが、それは当然一年後私たちもするわけですから。
真人「確かにな……」
真人「今まで一緒だったオレ達も、いつかは散り散りになるんだよな」
謙吾「少なくとも恭介は一年後、ここにはいない」
鈴「…………」
真人「あー! 考えたくねぇよそんな先の話!」
頭を抱えて少し大きめの声量で真人が叫びます。
恭介「そうだな……」
恭介「――今がずっと、続けばいいのにな……」
そんな真人を見て恭介が小さく――本当に小さく呟いた一言が耳に強く残りました。
今がずっと続いたらそれはどんなに幸せなことでしょう。
理樹と、鈴と、真人と、謙吾と、恭介。
いつものメンバーでずっと、毎日騒いで。遊んで。楽しんで。
……でも、それは。
理樹「それならさ」
ふと、理樹の声で思考が現実に戻されます。
理樹「またみんなで昔みたいに何かしない?」
鈴「は?」
謙吾「また唐突だな」
理樹「小学生の頃、いつもみんなで何かを悪に見立てて近所を闊歩してたじゃない」
夢美「蜂の巣駆除とかしましたね」
謙吾「真人が火ダルマになったあれだな」
真人「それは主にお前と恭介のせいだろうが!」
鈴「っていうか、お前らと一緒にするな!」
鈴としては一緒にされるのは不服らしいです。
私から見れば、鈴も意外とノリノリだったと思うのですが。
理樹「いつも恭介がリーダーだった。何かワクワクするようなことをするときはさ」
その言葉に私を含めた全員が恭介に視線を送ります。
そして全員の視線を集めた恭介は何を言うわけでもなく渡り廊下から中庭の方に出て、地面に落ちていた何かを拾いました。
恭介「それなら、今しかできないことをしよう」
それは、土で茶色く汚れた野球ボールでした。
恭介「野球をしよう」
理樹「え?」
真人「はぁ?」
謙吾「……は?」
鈴「は?」
夢美「……え?」
そのあまりの唐突な提案に私たちは全員、聞き返します。
しかしそれは聞き間違いなどではなかったらしく、恭介は小さく笑って続けました。
恭介「野球だよ。野球チームを作る」
恭介「チーム名は――」
一度ボールを上に放り投げ、それにつられて全員の視線が上に向きます。
そのまま重力に従って落ちるボールを追うように視線を再び下げると、そこには不敵な笑みを浮かべた恭介が。
恭介「――リトルバスターズだ!」
落ちてきたボールをキャッチしてその手を前に突き出し、恭介が高らかにそう宣言しました。
今回終わり。ここからは安価もそれなりに出せたら嬉しいです(∵)
何か意見やアドバイスがあったらお願いします
関係ないけどいい加減パソコンなんとかしないといけないかもしれない……
授業中。私は今朝の恭介の言葉がどうしても頭から離れずにいました。
恭介『野球チームを作る』
夢美(……どうして野球チームなんでしょうか)
恭介が『あること』を企んでいるのは知っていましたし、そのために何かをしようとしているのも理解はしていました。
ですが、改めて言われた結果どうしてそこに至ったのかがよくわかりません。
……わからない、のですが……。
夢美「ふふっ」
相変わらずの突拍子のない理論というか、思考に思わず笑わずにはいられません。
何をするにもいつもそうでした。恭介が何かを考え、それに理樹や鈴達が巻き込まれ、私はハラハラしながらそれを見守ったり――
教師「星空? 聞いてるのか、星空っ!」
夢美「は、はいっ!?」
先生の言葉で思考は中断され、私は慌てて椅子から立ち上がろうとします。
夢美「あたっ」
ガタンッ、という音を鳴らして膝を机にぶつけてしまいました。
途端、クスクスとクラスメイト達の笑い声。見ると様々な視線が私を眺めているのに気づきます。
……笑わなくてもいいじゃないですか。
教師「……何か考え事でもしていたのか? しかし今は授業中だ。考え事に没頭しすぎていて授業が疎かになるのはどうかと思うぞ」
夢美「すいません……」
教師「まあいい。とりあえず座れ。それじゃあ……井ノ原、この問題を前に出て解いてみろ」
真人「オレの筋肉に解けない問題はないんだぜ、先生?」
教師「問題を解くのに使うのは筋肉じゃなくて頭だぞ」
そうして私の代わりに指名された真人はやれやれと言わんばかりの態度で前に出て問題を解くのでした(結果は不正解でしたけど)
☆
理樹「夢美、さっきは災難だったね」
授業が終わり休み時間。理樹が私の席までやって来て声をかけてきました。その後ろには真人の姿もあります。
真人「へへ、まあオレとしては筋肉を披露する場ができてよかったけどな」
理樹「授業くらいは頭の良さを披露してよ……」
真人「つーか、何考え事してたんだよ夢美は」
夢美「それは……」
理樹「やっぱり今朝の恭介の言葉だよね?」
理樹は大方の予想はしていたのか、あっさりと真意を突いてきます。
真人「あー、あの野球しようぜっていう……」
理樹「何かしようとは言ったけど、まさか野球をしようなんてことになるなんてね」
そのまま理樹と真人が盛り上がっていると、黒板の方で話をしている女子三人が視界に入りました。
勝沢『ねぇ、棗鈴知らない? 日直なのに黒板消してないんだけど』
高宮『どうせ猫と遊んでるんでしょ? あの子、いっつも猫と遊んでるし』
勝沢『ちょっと男子に人気があるからって、調子に乗りすぎだよねぇ』
杉並『……』
……確かに教室を見ると鈴の姿は見当たりません。高宮さんの言葉通り、猫のところに行ってる可能性が高いでしょう。
それにしても日直の仕事をサボって猫と遊んでいるとは……今回ばかりは鈴を擁護しきれないかもしれませんね。
理樹「ごめん真人に夢美、僕用事思い出したから」
真人「あ? 用事?」
すると真人の言葉に耳を貸すこともなく理樹が教室を出て行ってしまいます。
……鈴のところに行くのでしょうか?
真人「しゃあねぇな。それなら授業までの間オレは夢美に筋肉について語るとしようか」
夢美「そういうむさ苦しい話は女子にするものじゃないと思いますけど」
↓2
1理樹の後を追う
2鈴の代わりに黒板を消す
3真人と話す
夢美「……真人」
真人「ん? なんだよ夢美。結局オレと筋肉談義をしたくなったのか?」
夢美「そうじゃないです。……ただ、恭介の真意についてです」
真人「どうして野球をしようって?」
普段はあまり頭の良い行動をしない真人ですが、だからといって完全に頭が悪いわけではありません。むしろ単純な知能よりも、こうした話の方が真人に向いていると思っています。
なので私は質問を投げかけたのですが、真人は黙って首を振るだけでした。
真人「オレはバカだから難しいことはわかんねぇ。でも、あの恭介が本当に無駄なことをするわけないだろ?」
夢美「野球という過程を経て何が得られるんですか?」
真人「そのへんは恭介に訊いた方が確実だと思うが……」
夢美「……謙吾は、どうでしょうか。今朝の恭介の話、どう思ってるんでしょう?」
チラリと謙吾の席を見ると、どこかへ行っているのかそこには誰もいませんでした。
真人「どうだろうな。今はまだなんとも言えないけど、両手を挙げて賛成するタイプじゃなさそうだぞ」
夢美「……ですよね」
真人「お前はどうなんだよ。恭介の言葉、賛成なのか反対なのか」
じっと私を見て真人がそんなことを尋ねてきました。
夢美「私は、賛成ですよ。恭介の言葉に従います」
真人「そんなら今のところはそれでいいんじゃねぇの? 後のことは追々決めてきゃいいさ」
夢美「……でも、」
私が真人の言葉に口を開こうとすると、そのタイミングでチャイムの音が鳴りました。
真人「じゃ、チャイムも鳴ったしオレは席に戻るわ。じゃあな」
夢美「はい……」
そうして真人が席に戻るのを見送った私は、一旦思考を切り替え授業へと意識を向けるのでした。
☆
そして放課後。私達は恭介から送られたメールに従い、野球部部室へと来ていました。
恭介「この学校の野球部は何か問題が起きて、事実上の廃部らしくてな。なのでしばらくの間この部室はリトルバスターズが使うことにした」
理樹「それはまた随分と強引だね……」
鈴「汚いなここ」
夢美「まあ、野球部の部室ってことはマネージャーとかを除外すれば全員男子でしょうし」
それにしても汚いです。男子の理樹や恭介達はともかく、女子の私や鈴にとっては結構重要な問題なのではないでしょうか。
真人「んで? どうして野球なんだ?」
近くのロッカーからグローブを取り出してそれを触りながら真人が恭介に尋ねます。
恭介「最近俺は就職活動をしながらふと思うときがあるんだ。何をしてるんだろうって」
理樹「就職活動じゃないの……?」
夢美「理樹。きっと恭介が言ってるのはそういう問題じゃないんですよ」
恭介「これからサラリーマンとして汗水流して働くんだろうさ。でも、それはなんだか周りに流されている気がするんだ」
恭介「周りがやってるから、俺もなんとなくやっておこう。そんな感じに」
ふむふむ。
恭介「だから俺は俺であるために野球をすることにした」
…………はい?
真人「待て恭介。オレが尋ねたのは『どうして野球をすることにしたのか』だ。その答えじゃ何一つオレの質問の回答になっていない気がするんだが」
恭介「考えてもみろよ。就職活動中に野球をしようなんて誰が考える?」
謙吾「誰も考えないだろうな」
恭介「だろう? だからこそ、俺は野球をすることにしたんだ」
恭介「そうすればこの学校に俺という存在がいた証拠が残せる気がしてな」
理樹「就職活動中に野球をした生徒がいるって残してもしょうがないと思うんだけど……」
夢美「えーっと、つまり恭介は在学中の間に何か大きなことがしたいってことですか?」
私が自分なりに纏めたことを言うと、恭介が「そうだっ!」と叫んで同意してくれました。
恭介「さすがは夢美。まさに以心伝心だな」
謙吾「…………」
恭介「って、おい謙吾。どこに行くんだ?」
恭介の言葉に呆れたのか、謙吾が部室を出ていこうとするのが見えました。
謙吾「剣道の試合が近い。副部長としての責任もある」
謙吾「じゃあな。俺は俺であるために、剣を振るう」
そう言い残して部室を去る謙吾。
鈴「……逃げた」
恭介「まあいいさ。謙吾もきっと、わかってくれる日が来る」
夢美「残ってる私たちも全員置いてきぼりなんですけど」
真人「ああ……」
理樹「あはは……」
そうやって全員から視線を浴びせられてもなお、恭介は素知らぬ顔をしていました。
直後コンマ判定
偶数なら恭介
奇数なら佳奈多と会話イベ
恭介「さて。それじゃあまずは軽く練習をするか。お前達、道具を持ってグラウンドに出ろ!」
真人「ったく、しゃあねぇなぁ」
理樹「わかったよ」
鈴「……仕方ない」
夢美「わかりました」
それぞれバットやグローブ、ボールを持ってグラウンドに出て行く。最後に出た私が部室の鍵を閉めたところで、近くに誰かが来た気配が。
夢美(謙吾でしょうか?)
そう思いそちらに顔を向けると、そこには予想外な人物が立っていました。
佳奈多「…………」
夢美「ふ、二木さん……」
腕に風紀委員と書かれた腕章を付け、私を睨むように立っていたのは氷の風紀委員と名高い二木佳奈多さん。
校則を破る生徒は決して許さず、どんな些細な校則違反でも厳重に取り締まることから生徒の間でそう呼ばれている……んだとか。
佳奈多「星空夢美さんね?」
夢美「そうですけど……」
キッと鋭い瞳で私を睨み、開口一番にそう尋ねてきます。
佳奈多「昨夜の食堂の件、私の耳にも入ってきたわ。酷い騒ぎが起きたんですってね」
夢美「あ……」
昨夜の食堂の件となると、真人と謙吾の喧嘩のことでしょうか。
……確かにアレは恭介の仕業もあって最後まで酷い騒ぎになりましたけど。
佳奈多「幸い机や椅子が壊れたなんてことにはならなかったみたいだけど、あんまりああいうことをされては困るの。理解してくれているわよね?」
夢美「それは……そうですね。すいません」
私たちの騒ぎは度を越せば風紀を乱す、とも捉えられる。そうなれば風紀委員が出てくるのも当然のことでしょう。
なので私はこの場にいない恭介や理樹たちに代わって二木さんに頭を下げるしかありませんでした(納得はしていません)。
佳奈多「わかってくれているならいいの。他の人たちにもきちんと言ってちょうだい」
夢美「言ってはおきますけど……あまり効果は期待しない方がいいと思いますよ」
佳奈多「そういえば棗先輩がリーダーなんだっけ。……確かに期待はしない方が良さそうね」
ふぅ、と疲れたように息を吐く二木さん。そんな二木さんに私は――
↓3までで自由安価。コンマ一番高いのを採用。
二木に振る話題をお願いします。
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