深夜 マンションの屋上

美少女「ここでいいかな…」

美少女「すぅ…はぁ…」

美少女「……………」ｽｯ

ﾄﾞｸﾝ

美少女「……………」ｷﾞﾝ

商店街

眼鏡「あむ…かぶ…んぐ…！」ｸﾞﾁｭ

サラリーマン「─────」

眼鏡「やっぱり、殺し立ての大腸は美味しいなぁ…」ﾄﾛﾝ

眼鏡「他の部分も余さず食べなきゃ…ママに怒られちゃう」

ｶﾞｯ ﾌﾞﾁ ｸﾞﾁｭ

美少女「…見つけた」ｼｭﾙ

美少女「……………」ﾊﾞｻ

美少女「見た目は10歳の女の子」ｶﾁｬ

美少女「でも、中身は殺人を楽しむ怪物」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

美少女「もう、これ以上…あの子みたいな犠牲者は増やしたくないの」

美少女「だから────」

ﾄﾞｸﾝ

美少女「───死になさい」ﾋｭﾝ

眼鏡「ふふ、あひひ…」ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

ﾋﾞｭﾝ

眼鏡「─────」ﾄﾞｽｯ

ﾊﾞﾀｯ

美少女「仕留めた」

ﾄﾞｸﾝ!

美少女「はぁ…はぁ…！」

ﾄﾞｸﾝ ﾄﾞｸﾝ ﾄﾞｸﾝ

美少女「くっ…！落ち着け落ち着け落ち着け！」ﾄﾞｻｯ

美少女「わ、私は…あいつらとは違う！」

ﾄﾞｸﾝ ﾄﾞｸﾝ

美少女「違う違う違う違う違う！」

ﾄﾞｸﾝ

美少女「はぁ…はぁ…すぅ…はぁ」ｼﾞﾜ

美少女「もう、帰らなきゃ…」ｽｸ

美少女「っ…！」ﾌﾗｯ

美少女「…たった一人仕留めただけで、情けない」ｷﾞﾘｯ

美少女「もっと…」

美少女「もっと強くならなくちゃ」

───
──
─
公園

美少女「…………」ｽﾀｽﾀ

美少女「ん………？」ﾋﾟｸ

美少女「人の気配がする」

美少女「…………」ｽﾀｽﾀ

兄「……遅いなぁ」

美少女「…………」

美少女（こんな時間に公園のベンチに座ってるなんて、自殺行為だわ）

美少女「あの…」

兄「っ…？！」ﾋﾞｸ

美少女「…あぁ、大丈夫」

美少女「私は、その…違いますから」

兄「そ、そうですか…」

美少女「こんな夜更けに何をしてるんですか？」

美少女（見た感じ私と同い年くらいか）

男「人を待ってるんですよ」

美少女「人を…？こんな時間に？」

男「えぇ…まぁ…」

美少女「でも、この時間は危険ですよ」

兄「まぁ、そうなんですけど…」

兄「でも、貴女も危険じゃないですか？」

美少女「私は、平気ですから…」

兄「……………」ｼﾞｯ

美少女「……………？」

兄「それ、弓ですか？」

美少女「え、えぇ…」ｻｯ

兄「こんな時間に弓なんて持って何してたんですか？」

美少女「練習が長引いてしまって…」

兄「熱心なんですね」

美少女「……………」

美少女「私はもう行きますね」

兄「あっ、はい…気をつけて」

美少女「…その台詞そのまま返します」

兄「あはは、そうですね」ﾆｺ

美少女「それでは…」ｽﾀｽﾀ

兄「はい」

美少女（変な人…）ｽﾀｽﾀ

美少女（まったく怖がってなかった）ﾋﾟﾀ

美少女「……………」ｸﾙ

男「ふぁぁ…眠くなってきた」

美少女「……………はぁ」

美少女「……………」ｽﾄﾝ

兄「あれ？どうしたんですか？」

美少女「このまま帰って貴方に死なれたら気分が悪いので…」

美少女「待ち合わせの方が来るまで一緒にいます」

兄「でも…」

美少女「もう決めましたので…それと敬語は止めてもいいですか？」

美少女「何だか、まどろっこしくて」

兄「あっ、全然いいですよ」

美少女「なら貴方も敬語じゃなくていいわ」ﾆｺ

兄「あっ…うん…」

美少女「それで、どうしてこんな真夜中に待ち合わせしてるの？」

兄「夜じゃないとダメなんだよね…」

美少女「どうして？貴方も分かってるでしょ」

美少女「真夜中にあいつ等は活動を始めるの」

美少女「出会えば殺されるわよ？」

兄「見つからないように気をつけてるよ」

美少女「そういう問題じゃないでしょ…」ﾊｧ

兄「君こそ大丈夫なの？」

美少女「私にはこれがあるから」ｽｯ

兄「弓か…」

美少女「自分の身は自分で守れるわ」

兄「そうだろうね…」ﾎﾞｿ

美少女「？何か言っ────」

ｶﾞｻｯ

美少女「？！」

男「やっと来たか」

女「ごめん男くん、遅くなっちゃった！」

男「ほんとに遅いぞ…」

女「うぅ…だって逃げちゃうんだもん」

男「ちゃんと約束は守ったんだろうな」

女「もちろん！男くんとの約束は守るよ」

女「それで、男くん」

女「その子は、だーれ？」ﾆｺ

男「えっ、あぁ…」ｿﾞﾜ

美少女「私は、たまたまここで会っただけよ」

女「ふぅーん……」ｼﾞｨ

美少女「一人だと危険だし、待ち人が来るまで一緒にいただけよ」

女「そっか…ありがとう」ﾆｺ

美少女「……それじゃあ、私はもう行くわ」ｽﾀｽﾀ

男「待って！君の名前は？」

美少女「美少女よ」

男「美少女…君にぴったりの名前だね」ﾆｺ

美少女「っ………？！//」ﾀｯﾀｯ

男「…何で走るんだ？」

ｶﾁﾁ

女「男くん、浮気は許さないよ？」

男「カッターをしまってくれ…」

男「じゃあ帰るか」

ｷﾞｭｯ

女「んー、男くん」ｽﾘｯ

男「お、おい…」

女「はむっ！」ﾊﾟｸ

男「ちょっ、ちょっと待て…！」

女「やーだ」ﾁｭｯ

男「んっ…」