夜神月「……3cm?」(20)
月「ははは……嘘だろ……おい……」
月「うあああああああああああ!!」ガリガリガリ
【頭を掻きむしり、絶叫するライト】
【チンチンが……3cmしかなかった】
【性染色体xyにとって最も辛い事実】
【チンチンが……3cmしかなかった】
リューク「ククッ。まさか新世界の神が『短小』とはな」ニヤッ
月「うあああああああああああ!!」ガリガリガリ
月「嘘だ! こんなことは……」
月「こんなことは……許されないんだ!!」
【もう一度、定規をアソコに当ててみる】
【だが3cm。また3cm――】
【贔屓目に見ても3.1cm(四捨五入)】
月「うあああああああああああ!!」ガリガリガリ
リューク「うるせぇぞ。さっさと認めろ」
月「嫌だ! 僕を誰だと思ってるんだ!?」
月「新世界の神のペニスが3cmなワケないだろ!」ガチャ
リューク「あっ! ライト!!」
【ライトは部屋を飛び出した。そこは廊下。廊下には全裸の父――】
総一郎「ふぅ……いい湯だった……(恍惚)」
【そして気づく――父もまた、『短小』であることを】
月「お前のせいか!」 総一郎「ぐぁっ……!?」
【父の首を締めるライト。憎悪に満ちたライト】
【復讐せよ! 短小の遺伝子に! 復讐せよ!】
総一郎「ぐが……が……が……」ブクブク
【計120キロの握力。両手に込める怒り】
【父は白目を向く。泡も吹く。だが許さない】
月「どう責任取ってくれるつもりだよ? 父さん……」グググ
月「 明 日 修 学 旅 行 な ん だ ぞ ?」グググ
総一郎「コポコポコポォ……」カクン
【失神する父。その姿を見て、ライトも我に返る……】
月(はっ……僕は何てことを……!)
【そう。復讐したところでチンチンは大きくならない……】
【父を殺しても、残るのは虚しさと後悔だけなのだ……】
月(ぐっ……どうしたら……一体どうしたら……いいんだ……)グスン
【溢れ出る涙。為す術もなく、ライトは自室へと戻る……】
【チンチンが……3cmしかなかった】
【チンチンが……3cmしかなかった】
【3cm。3cm。3cm。3cm。3cm……】
月「うがあああああああああああああああああああ!!!」バンバン
【男の象徴、すなわち男のレベル……それが3cmだったのだ】
【脳を襲う焦燥、恐怖、絶望……壁を殴る手は止まらない】
リューク「おいおい……それぐらいにしとけって……」
月「うるさいリューク! これが落ち着いてられるか!」バンバン
リューク「ったく。短小なんて今に始まったことじゃないだろ?」
リューク「てか何で今更チンコなんか測ろうと思ったんだよ?」
月「……はぁ……はぁ……話は今日の放課後まで遡る……」
月「あれはそう……友達と下校中の時――」
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友a「そういえばライトってチンコどれくらいあるんだ?」
月「えっ……18cmはあると思うけど……」キョトン
友b「うおっ! すげーなお前!」
友a「ぐぬぬ……下半身まで完璧とは……」
月「ハハッ。普通だよ普通」ググーン
友b「あっ、ライトの鼻が長くなった」
友a「ったく。自尊心が高ぶるといつもこれだ」ハァ
月「うるさいな。まぁ今夜ちゃんと測ってみるよ」
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月「――それで実際にペニスの長さを測ることになって……」
リューク「いざ測ってみたら、たったの3cmだったと?」
月「ああ……流石にここまで小さいとは思わなかったよ……」
リューク(いや、測らなくても普通気づくと思うが……)
リューク(……まぁ自尊心の高すぎるライトのことだ)
リューク(『新世界の神が短小であるはずない』と思うばかり――)
リューク(その事実を無意識に否定し続けてきたんだろうな……)
月「……」カチカチッ リューク「ん?」 月「……」カチカチッ
リューク「……おいライト。何してんだ?」
月「ん? ああ、ペニスを増大させる方法を調べてるんだよ」
リューク「ペニスを増大……? そんな方法があるのか?」
月「勿論あるとも。短小は男にとって最大の病だからね」
月「少々値は張るけど、即効薬なるものが出てるはずさ」カチカチ
リューク(おお……もう切り替えてやがる……)
リューク(流石はライト。相変わらず冷静だな……)
【ライトに感心するリューク。だが実際は違っていて――】
月(やばいやばい修学旅行やばい大浴場やばいやばい)カチカチ
【――その切り替えの早さは、『焦り』によるものだった】
◆その頃://キラ事件捜査本部◆
l(夜神月……物凄い焦り様だ……)
【監視カメラの様子を眺めるl】
【ライトの行動は全て把握されている】
l(それにしても、まさか夜神月が短小だったとは……)
l(この事実、もしかしたら使えるかもしれない……)メモメモ
【『夜神月は短小』――lはメモにそう書き残した】
l(さて、次に考えるは怪しい点……)
『夜神月は会話のような独り言を話していた』
『下半身が裸だったことから推察するに――』
『おそらくペニスに話しかけているのだろう』
『確か名前は……リュークと言ったか……』
l(ふっ。しかし自分のペニスに名をつける奴がいるとはな……)
夜神月――調べれば調べるほど怪しい奴だ。
ワタリ「l。そろそろアルバイトの時間ですが」
l「ん? ああ、分かった。今すぐ支度する」
ワタリ「何か食べていかれますか?」
l「じゃあ食パンをピーナッツバターで頼む」
ワタリ「かしこまりました。しばしお待ちを……」
l「ところでワタリ。《例のdvd》は用意できてるか?」
ワタリ「ええ。しかしあんなの代物に夜神月は引っ掛かるでしょうか?」
l「機会さえあれば大丈夫だ。私がそのように仕向ける」
ワタリ「だといいですが……おっ、どうやら焼けたようですね」
ワタリ「ではしっかり食べて、今日もコンビニのバイト頑張ってください」
l「ああ……全てはキラを捕らえるためだ」
◆その頃://夜神家/ライトの部屋◆
月(ついに見つけた……! これだ!)
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本当にそうなってびっくりしました【東京都・会社員(39)】
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これ知らない人って人生損してますよね(笑)【千葉県・学生(17)】
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冷静になったら背筋凍った
落としてくれ…
月「手に入れたぞウルトラマラ」
月「さあ、大きくなれ大きくなれっ」
ミサ「月~、なにしてんの~?」
月「う あ あ あ あ あ あ あ あ」
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