伊織「アモアムで取材?」 (73)
伊織「なによそれ?」
P「アモーレ・アムールって雑誌だよ」
あずさ「オシャレな雑誌なんですよ~?」
伊織「へぇ」
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律子「新進気鋭のアーティスト特集に竜宮小町が選ばれたのよ」
亜美「なかなかわかってますなー!」
P「取材の日は他の子達は休みだから俺も行くぞ」
律子「休めばいいのに……」
P「実は俺この雑誌のファンでさ!特に“カフェで聞く音楽”ってやつが!」
伊織「ま、まぁそんなに来たいのなら来ればいいんじゃないの?」
亜美「おやおや?なんだか少し嬉しそうですなー?」
伊織「だ、誰が嬉しそうなのよ!!」
あずさ「あらあら~」
律子「大丈夫かしら……」
─────
───
─
取材当日
都内某所 オシャレなカフェ
相川「アモアム編集の相川由利です、よろしくお願いします」
P「あれ?相川さん?」
相川「え?P君?」
律子「お知り合いですか?」
P「大学時代の同級生なんだ」
相川「卒業以来だね!」
相川「実は私、765プロの大ファンなんです!」
あずさ「私もアモアム大好きなんですよ~?」
相川「光栄です!特に竜宮小町が大好きなんです!」
亜美「姉ちゃんなかなかわかってるじゃん!」
律子「こ、こら!亜美!」
伊織「アンタもしかしてあの女と……」
P「ん?」
相川「そうそう!P君!この前根岸君に会ったんだ!」
P「根岸君?懐かしいなぁ!」
亜美「姉ちゃんの彼氏?」
相川「え!?そ、そういうわけじゃないけど……」
亜美「おやおや?なにやら顔が真っ赤ですぞ?」
P「佐治君とかも元気かなぁ」
律子(よ、よし!これでこの人が……)
あずさ(プロデューサーさんの元カノという腺は……)
伊織(消えたわね!!)
相川「あっ!そろそろ開始しないと!」
P「すっかり話し込んじゃったな……みんな頑張ってこいよ!」
伊織「言われるまでもないわよ!」
亜美「当然っしょー!」
あずさ「頑張ります~」
───
─
???「今日の路上ライブも誰も聞いてくれなかったな……」
???「こんな日はオシャレなカフェで紅茶でも飲みながらカヒミ・カリィを聞こう」
律子「いい感じで進んでますねプロデューサー殿」
P「そうだなぁ。ってあれは?」
???「ドゥワドゥワ ハ~~ン♪」
???「やっぱりミルクティーはアッサムに限るなぁ」
P「もしかして根岸君?」
根岸「え?」
P「やっぱり根岸君だ!」
根岸「もしかしてP君?久しぶり~!」
P「今日は偶然が重なるなぁ!」
根岸「偶然?」
P「実は相川さんもそこに──」
律子「またお知り合いですか?」
根岸「えええ!?あ、あ、秋月律子ちゃん!?」
律子「知ってて貰えて光栄です」ビクッ
P「実は同僚なんだ。今もそこで竜宮小町の取材をしててさ」
根岸「竜宮小町!?僕ファンで七色ボタンも買ったんだよ~!」クネクネ
律子「あ、ありがとうございます」
根岸「という事はP君は今765プロで働いてるの!?」
P「まだまだ新米だけどね!根岸君はまだ音楽を続けてるの?」
根岸「僕もまだ全然有名じゃないけどねー」
根岸(ある意味では有名だけど……)
相川「それではありがとうございました!」
相川「って根岸君?」
根岸「相川さん!」
P「ははっ、まるで同窓会だな」
伊織「なによ?また知り合い?」
根岸「うわぁ!本物だぁ~!」
伊織「な、なにこの人」ビクッ
P「俺と相川さんの同級生で根岸崇一君っていうんだ」
根岸「こんにちは~」クネクネ
あずさ「こ、こんにちは~」
亜美「りっちゃん…なんだか気持ち悪いYO…」ヒソヒソ
律子「あんまりそういう事言わないの!」ヒソヒソ
根岸(本物の竜宮小町はみんな可愛いな~!)
根岸(律子ちゃんも可愛いし、P君はなんて羨ましいんだ)
相川「そうだ根岸君!せっかくだから弾き語りでもしてみたら?」
根岸「え?」
P「お!もしかしたらTV局の人に紹介出来るかも!なぁ、律子?」
律子「は、はぁ」
根岸(TV局だって?これはもしかしてメジャーデビューのチャンスかも…)
根岸「僕も丁度今凄いインスピレーションが湧いてきた所でさ~」
P「おお!」
根岸(ここでみんなに認められて…)
ホワン ホワン
P『さすが根岸君だ!プロデュースさせてくれ!』
律子『素晴らしい才能ですね!』
亜美『オシャレだねー!』
伊織『サインくださーい!』
あずさ『素敵でした~!抱いてくださ~い!』
根岸(コッチの世界でやっていきたい!)
根岸(よーし、ここは一番の自信作の甘い恋人だ!)
根岸「ワン、トゥー ワン、トゥー、スリー!」
根岸「朝目が覚めるとキミがいて~♪」
根岸「チーズタルト焼いてたさ~♪」
根岸(あ~最高っ!)
根岸「スウィーツベイビー キミはそうさ~♪」
根岸「甘~い 甘~い 僕の恋人~♪」
根岸(ふふふっ、みんなも最高かい?)
P「……」
律子「……」
亜美「……」
伊織「……」
あずさ「……」
相川(根岸君がんばれっ!)
根岸(あれ?みんなの目が死んでる……?)
根岸「さ、さぁ~みんなここからは一緒だよ~!」
根岸「甘~い 甘~い 僕の恋人~♪」
根岸「コ・イ・ビ・ト コ・イ・ビ・ト~♪」
P「……」
律子「……」
亜美「……」
伊織「……」
あずさ「……」
根岸「ど、どうだったかな?」
P「この業界に入って色々経験積んだからわかるんだけど……」
P「プロとしてはちょっと……」
根岸「うわぁー!!」ダッ
相川「根岸君っ!」
──
根岸家
根岸「結局、俺にはDMCしかないのか……」
根岸「ちくしょう!俺はデスメタルの帝王だぞ!」
根岸「くそっ!何がプロとしてはちょっとだ!」
根岸「DMCはインディーズだけど……」
根岸「しかもPの奴!あんなに可愛い子を侍らせやがって!」
根岸「事務所ではお姫ちんと面妖オシャレファックか!!」
根岸「なめやがって!!」
───
─
─
765プロ
P「──これで今度のフェスの説明は以上だ」
律子「参加は千早と竜宮小町ね」
P「今回はインディーズも参加する大規模な奴だからな。気合入れていけよ?」
千早「たくさんいるんですね」
P「そうだな」
律子「ジュピターもいるわよ」
千早「あら、デトロイト・メタル・シティ?凄い名前ね」
律子「似たような名前でテトラポット・メロン・ティってのもいるわよ」
P「あ!それ俺の大学時代の後輩なんだ!」
伊織「はぁ?」
P「どうした伊織?」
伊織「アンタの後輩って大丈夫なんでしょうね?」
P「相川さんにCD借りたけど、凄い良かったぞ!」
伊織「なら良いんだけどね……」
亜美「いおりん、気持ちはわかるよ……」
千早「なにかあったの?」
あずさ「なんというか……」
P「なんかスマン」
─
デスレコーズ
社長「オマエら!今度のフェスは死ぬ気でレジェンド作ってこい!」
和田「任せてください社長!」
西田「おま○こ」ギィ
社長「おい和田、根岸はどうした?」
和田「それが携帯にも出なくて……」
社長「シット!あの野郎何してやがんだ!」
ガチャ
???「……」
社長「なんだテメェ、気合は十分じゃねぇか!ファッキン・クレイジー・イエス!」
社長「ヒャーハハハハ!最高に濡れちまったぜ!ファック!」
─────
───
─
フェス当日 ○○県某所
冬馬「今日は765プロの連中に格の違いを見せてやるぜ!」
翔太「冬馬くん気合入ってるね~」
北斗「えっと俺たちの最初の相手はと……」
─
P「千早!よくやった!」
千早「ありがとうございます。かなり手強い相手でした」
P「タカコちゃんの“青い音符”だっけ?」
千早「ジャンルは違いますけど、いい勉強になりました」
P「さて、次はテトラポット・メロン・ティか」
千早「プロデューサーの後輩という?」
P「ああ!次もかなりの強豪だから頑張れよ!」
千早「はい!」
─
律子「みんな!お疲れ様!」
伊織「このスーパーアイドル伊織ちゃんにかかれば楽勝よ!」
亜美「当然っしょー!」
あずさ「次の相手は誰なんですか~?」
律子「順当にいけばジュピターでしょうけど」
ワー ワー
伊織「向こうが騒がしいわね」
律子「どうしたのかしら?」
───
─
「ゴートゥDMC」 「ゴートゥDMC」
北斗「まさか完敗とはね……」
翔太「怖いよ……」ガクガク
冬馬「こ、こいつら本物の悪魔だ!」
───
─
P「そ、そんな!ジュピターが初戦で敗退だって!?」
千早「それでジュピターを破った相手というのは?」
律子「なんでもインディーズでカリスマ的人気を誇るバンドで……」
『デトロイト・メタル・シティ』
P「デトロイト・メタル・シティ……」
律子「悪魔系デスメタルバンドで、メンバーは麻薬中毒者やらの犯罪者だとか……」
千早「だ、大丈夫なの律子?」
律子「それでも私たち竜宮小町が勝つわ!」
千早「律子……」
律子「それじゃあ決勝で会いましょう」
千早「……ええ!」
P「言ってくれるな!よし、俺たちも行くぞ!」
千早「はい!」
─
社長「ファーック!最高のパフォーマンスだったよ!アンタ達!」
和田「ありがとうございます!」
西田「ク○ニ」
社長「おかげで股間が大洪水よ!」
社長「このまま地獄のパフォーマンスで私をイカせてくれ!」ジュー
社長「和田」
社長「いや、“アレキサンダー・ジャギ”」
シャギ「任せてください!」
社長「西田」
社長「いや、“カミュ”」
カミュ「ア○ル」ギィ
社長「そして!」
社長「根岸!いや……」
社長「ヨハネ・クラウザーII世!!」
クラウザー「我が憎悪がこの下界を制する時……貴様は死の運命を辿る事を知るだろう」
ジャギ(やっぱりお前はメタルモンスターだぜ!根岸!)
ジャギ「よし!いくぜクラウザー!」
クラウザー「恨みはらさでおくべきか……恨みはらさでおくべきか……」ブツブツ
ドンッ
???「きゃっ」
クラウザー「この魔王に狼藉を働くとは何事だ貴様!」
???「うぅ……」
クラウザー(あ、あれ?この子見た事あるぞ……確か765プロの)
クラウザー「貴様は確か高槻やよいと言ったか」
やよい「そ、そうです!」
やよい「わ、わたし、千早さんと竜宮小町の応援に来ていて……」
クラウザー(こんなに小さい子を驚かせて僕は何をやっているんだろう)
やよい「あの!ぶつかってごめんなさい!」
クラウザー「もうよい!折角だから貴様の知り合いの所まで案内しよう」
やよい「ほ、本当ですか!ありがとうございます!じつは道に迷っちゃってて……えへへ」
クラウザー(まるで天使の笑顔だな~!最低な僕の心が浄化されていくようだ~!)
クラウザー(さっきまでの記憶はあんまりないんだけどね)
クラウザー「さて、着いたぞ」
やよい「本当にありがとうございました!」ガルーン
クラウザー「気にするでない!ではさらば!」
やよい「うっうー!良い人だったな~!」
クラウザー(いやぁ、本当に良い子だったな~!)
クラウザー(それで僕は何をやってたんだっけ)
クラウザー(う~ん……)
ジャギ「おい!遅いぞクラウザー!」
クラウザー「わ、和田君」
ジャギ「そろそろ出番だ!準備しとけよ?」
クラウザー「じゅ、準備って?」
ジャギ「何言ってるんだよお前?次は……」
ジャギ「竜宮小町のライブに乱入するんじゃないか」
クラウザー「え!?」
ジャギ「さっきみたいな猟奇的なパフォーマンス期待してるぞ!」
クラウザー(えええぇ!?ら、乱入って!?)
ジャギ「よし、いくぞ!」
カミュ「剃毛ブルマ」
クラウザー「ちょ、ちょっと~!」
─
「知らぬが 仏ほっとけない~♪」
「くちびるポーカーフェイス~♪」
律子(結局デトロイト・メタル・シティはステージには現れなかったわね)
やよい「伊織ちゃん達すごいですー!」
律子「今回も勝ちはいただいたわね!」
やよい「あれ?あの人はさっきの……」
律子「え?」
ジャギ「貴様らの行いはDMCに対する冒涜だ~!」
クラウザー(うわああぁ!ごめんなさーい!)
伊織「きゃっ!何よアンタ達!」
亜美「うあうあ~!」
ファンA「うお~!竜宮小町のライブに乱入だ~!」
ファンB「あれこそがクラウザーさんだ~!」
ファンC「ゴートゥDMC!」
ファンB「カミュさんは一体……」
ファンA「あっ!あれを見ろ!」
あずさ「あっ……あんっ……そ、そこはっ……んっ!」
カミュ「……」
ファンA「あれはカミュさんの“絶対性感”だ~!」
ファンC「さすがだぜ……もうこのライブを掌握してしまうとは……」
クラウザー「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ」
ファンA「で、出たー!クラウザーさんの1秒間に10回レイプだー!」
クラウザー(うぅ……僕はなんて最低な事をしているんだ……)
亜美「なんなのさー!この人たち!」
伊織「じょ、冗談じゃないわ!次は“七色ボタン”よ!」
あずさ「はぁ……はぁ……」
「キミが触れたから 七彩ボタン~♪」
『貴様が触れたから 七つの大罪』
「全てを恋で染めたよ~♪」
『全てを血で染めたよ』
「どんなデキゴトも越えてゆける強さ~♪」
『どんな死体の山も超えてゆける強さ』
「キミがボクにくれた~♪」
『貴様が我に授けた』
ファンA「うお~!さすがクラウザーさんだ~!」
ファンB「あれは“七つの大罪”だ~!」
やよい「……」
律子「……」
クラウザー(うわ~!やよいちゃんと目と目が逢う瞬間~!ごめんよ!)
ジャギ(さすがメタルの帝王だ……俺も負けてられないぜ!)
ファンA「で、出た~!ジャギ様の炎だ~!」
律子「……」
やよい「り、律子さん!どこに!」
伊織「も、もう嫌……」
亜美「いおりん……」
あずさ「伊織ちゃん……」
クラウザー(みんなゴメン……もうなるべく早く終わらせよう……)
ファンA「そしてこのイントロはー!」
ファンB「“SATSUGAI”だ~!」
「俺は地獄のテロリスト」
「昨日は母さん犯したぜ」
「明日は父さんほってやれ」
やよい「み、みんな……」
クラウザー「サツガイせよ サツガ──ぐはっ!」ドゴォ
ファンA「うわぁ!クラウザーさんが殴られた~!」
ファンB「一体何が……」
ファンC「み、見ろ!あれは!」
ファンA「魔界でクラウザーさんと敵対していたという“ONIGUNSOU”だ~!」
鬼軍曹「あなた達いい加減にしてください!」
伊織「り、律子!?」
亜美「えええ!?」
あずさ「あらあら~」
やよい「う~?」
ファンA「うお~!魔界の頂上決戦だ~!」
ファンB「この世の終焉だ~!逃げろ~!」
─────
───
─
765プロ
千早「ありがとうございます」
P「優勝なんてやるじゃないか!」
律子「……」
伊織「……」
亜美「……」
あずさ「……」
やよい「みんな元気出してくださ~い!」
─
根岸家
DMC 対 竜宮小町 の勝負は中止になり
根岸「うう……みんなゴメン……ゴメン……」
クラウザー 対 鬼軍曹 の対決は伝説となっていた
おわり
おまけ
千早(実はあの時に横で少し聞いていたのだけれど……)
千早(律子達には悪いけど衝撃を受けたわ!DMC!)
千早「ゴートゥDMC!ゴートゥDMC!」
春香「ち、千早ちゃん!?」
今度こそ終わり
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