P「女尊男卑の世界」 (140)

P(間違えた)

P(俺は、選択を間違えた)

P(女の立場が強いこの社会で――)

P(俺は、よりにもよって女性アイドル事務所のプロデューサーになってしまった)

P(間違えた)

P(テレビに映った表の顔にだまされて、)

P(俺は、『アイドルは他の女とは違うんだ!』と思ってしまった)

P(だから、怪しげなおじさんのスカウトに飛びついて、)

P(あまつさえ、それをチャンスだ! などと喜んでしまった)

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P(女男差別をしない女の子たちに囲まれて、)

P(彼女らのために働くことができる)

P(そう信じて疑わず、祝杯を挙げた日から一年)

P(俺は、日常的な女男差別と、深刻なセクハラ被害に悩まされていた)

P「おはようございます」

春香「あっ、プロデューサーさん! おはようございます!」

P「春香か。早いな」

春香「はい。今日も一番乗りでした」エヘヘ

P(彼女の名前は天海春香。我が765プロ所属のアイドルだ)

P(人気上昇中の正統派アイドルで、芸能界では珍しく、裏表のないいい子だが……)

春香「すみません。収録があるので、そこ、通りますね」

P「ああ、頑張ってこい。……っ!?」

春香「それじゃ、行ってきまーす!」

P(近くを通る際の、軽いボディタッチ)

P(怒るに怒れない微妙なセクハラに、俺はいつも悩まされている)

千早「おはようございます」

P「ああ、千早。おはよう」

P(今度は千早か)

P(この子もいい子なのだが、やはり、少々問題があって――)

千早「プロデューサー」

P「……はい」

P(事務所内では、俺の膝をいつも椅子代わりにしている)

千早「~~~♪」

P(ソファーに座った俺の膝に座る千早)

P(いわゆる『もの扱い』だが、俺なんてまだ軽い方だと聞く)

P(女尊男卑がひどい事務所だと、男性プロデューサーを四つん這いにさせて、その上にアイドルが座るとか……)

P(それに比べたら、千早はいたって健全だといえる)

千早「プロデューサー? もぞもぞしないでください。雑誌が読みにくいです」

P「す、すまん」

P(もちろん、納得しているかいないかは別問題だが)

響「はいさーい!」

P「おっ、響か。おはよう」

響「はいさい、プロデューサー! それに千早も!」

千早「ええ、おはよう」

P(……今度は響か)

響「今日も千早とボイトレかー。そろそろオーディションを受けたいぞ」

千早「そうね。でも、実力がなければ受けても仕方ないわ」

響「それもそうだなー」

P(この子も、悪い子ではないのだが……)

響「ん? プロデューサー、シャンプー変えた?」

P(会うたびに俺の匂いを嗅いでくるのは、どうかと思う)

響「シトラス系の匂いがするぞ……それに、耳の後ろがちょっと匂う」

響「昨日、お風呂でちゃんと洗った?」

P「あー……体はスポンジで洗ったんだが、耳の後ろは、シャンプーのついでに手で……」

響「ちゃんとスポンジで洗わなきゃ、汚れと匂いは取れないんだぞ!」

P「す、すまん」

響「まったく、もう。プロデューサーが臭かったら、みんな恥ずかしいんだからな!」

P「以後、気をつける……」

P(男性の体臭を、大声で追及するなんて……セクハラだ)

P(毎日のことだが、俺は顔から火が出そうだった)

千早「それでは、行ってきます」

響「頑張ってくるさー!」

P「おう、しっかりやれよ」

P「……ふう。ようやく落ち着いたか」

P「これで自分の仕事ができる」

亜美「おっはー☆」

真美「あれ、兄ちゃん。おはよーん」

P(仕事は、無理か……)

P(入れ替わりで事務所に入ってきた双子)

P(事務所のアイドルの中でも、こいつらのひどさは飛び抜けている)

亜美「おやおやー? 兄ちゃん、ヒゲのそり残しがありますなー」ニヤニヤ

真美「だらしないよ、兄ちゃんー」ニヤニヤ

P「ちょ、止めろって」

P(会うなり、身だしなみのチェックか)

P(全身なめ回すような視線に、背筋がぞっとする)

亜美「ほら、見て。このグラビアアイドル、胸板がせくちー☆」

真美「うわっ、ほんとだ。胸板厚いねー。それに比べて……」

P「……」

亜美「兄ちゃんはひんそーだねー」ペタペタ

真美「胸筋、もっと鍛えないとダメだよー?」ペタペタ

P(事務所で大っぴらにグラビア雑誌を広げたかと思ったら、)

P(今度は俺の胸をまさぐる双子)

P(女子中学生は猿みたいな性欲を持っていると聞いたことがあるが……)

P(まさしく、この二人は猿だった)

亜美「じゃあ、仕事に行ってくるねー」

真美「夕方のお迎え、よろしくー♪」

P「……」

P「ふう、行ったか」

P「まったく、おちおち仕事もできないな」

P「あいつらには、ほんと、困ったというか……」

P「セクハラだ! って言い返せればいいんだろうけど……」

P「女尊男卑の社会だからな。司法もとりあってくれないよ」

P「それが嫌で、理想的な女の子……アイドルたちがいる世界に飛び込んだんだけど」

P「まさか、男の立場がより低いなんてな」

P「聞いてないよ、そんなの……」

小鳥「お疲れみたいですね、プロデューサーさん」

P「あっ、小鳥さん」

小鳥「はい、お茶です。あまり思いつめず、リラックスしてくださいね」

P「すみません……」

小鳥「あんなこと、業界じゃ当たり前のことなんですから……」モミモミ

P「こ、小鳥さん!? 肩はこってませんから……!」

小鳥「気にしていたら、身がもちませんよ?」ピエヘヘヘ

P「や、止めてくださいぃ……!」(小声)

~夜・居酒屋にて~

P「くそっ、女の奴らめ!」

P「子どもが産めるからって、調子にのるなよ!」

P「な、何が、『男が世界にひとりしかいなくても人類の未来は続くが、その逆はない』だ!」

P「女がそんなに偉いのか! 男はただの『種まき機』か!」

P「くそう、ちくしょう……あんまり調子にのってると、俺ぁ、フェミニストになっちゃうぞ……」ヒック

律子「荒れているようですね、プロデューサー殿」

P「んあ? り、律子か……」ヒック

P「出たな、男の敵めー。女性社会の尖兵めー」ヒックヒック

律子「はいはい。お水を飲んで」

律子「あんまり酔っぱらうと、明日に響きますよ」

P「水……水、水」ングング

律子「ふふっ」

P「あー、酒。酒が抜けた。店員さーん」ウイー

律子「ダメですって。さっ、もう出ますよ」

律子「ほら、肩を貸しますから」

P「あっ、すま、すまない……」ヒック

律子「いえ、お気になさらず」

P「律子……お前は、女だけど、いい奴だな……」

律子「そうですか?」フフッ

P「ああ……そう、だ――」ガクッ

P(……)

P(……ん?)

P(しまった、寝ていたのか)

P(そんなに飲んだかな……いや、飲んだか)

P(今、何時だ?)

P「起きなきゃ……」ギシギシ

P「……は?」

P「な、なんで俺の手が布で縛られているんだ!?」

P「そ、それにこの丸いベッド! いかがわしいピンクの壁!」

P「これって、もしかしてラブホじゃないのか!?」

P「ど、どうして俺がこんなところに……!?」

律子「お目覚めのようですね、プロデューサー殿」

P「律子!」

P「ど、どうなってる! 俺に何をするつもりだ!?」

律子「分かっているくせに」クスクス

P「っ!」ビクッ

律子「女に幻想を抱いているプロデューサー殿」

律子「いつも『優しい女』を探している夢見がちな人」

律子「そんな貴方に、今日は現実を教えてあげようと思いまして」

P「現実だと!?」

律子「ええ、現実です」

律子「この世界は女尊男卑の世界」

律子「女は男の上に立ち、」

律子「男は女に奉仕する」

律子「それこそが現実であり――」

律子「くつがえせない常識です」

律子「今日は、夢見がちな貴方に、それを思い知らせてあげます」

律子「心に――体に、ね」ニヤリ

P「くそう、止めろ、離せ!」

P「強姦は! 強姦は犯罪だぞ!」

律子「そんなこと言って、ここは元気じゃないですか」スリスリ

律子「男が出すものを出してしまえば……和姦と見なされるんですよ?」ニコ

P「くそーっ!!」

律子「さあ、覚悟してください!」ハァハァ

律子「いつもスーツ姿で私を誘って……」ハァハァ

律子「ここまで我慢するのが、どれほど大変だったか!」

P「そ、そんな勝手な理屈!」

律子「悪いのはプロデューサー殿なのですからね!」ガバッ!

P「や、止めろーっ! 俺は、俺は、童貞なんだーっ!」

律子「安心してください。私も初めてです!」クチュ

P「あっ、あっ……ああああーっ!?!?!?」

………………

…………

……

チュンチュン、チュンチュン……

律子「よかったですよ……」フー

P「ううっ、ううう……もう、お婿にいけない」

律子「そんなこと言って……最後にはあんなに喜んでいたじゃないですか」

律子「ふふふ……自分で腰まで振って、ね」

P「この、この、鬼畜メガネぇ!」

P(同日、警察に提出した被害届は受理されなかった)

P(それどころか、俺が出すものを出したと聞くと、)

P(受付の婦警たちは大笑いして、エイプリルフールにはまだ早いと俺を追い返した)

P(惨めだ……庶民の味方であるはずの警察は、男の味方ではなかったのだ)

P(男の社会的地位がここまで低いだなんて……俺は打ちのめされた気分だった)

P「くそっ、あの鬼畜メガネめ」

P「このまま、このまま、泣き寝入りすると思うなよ!」

P「泣き寝入りなんて、するもんか……」グスグス

ドンッ!

???「うっ!?」

P「あっ、すみません」

P「……って、貴方は!」

~続く~

キラートマトが放送していたので、今日はここまで

続きは、???の正体によって分岐

社長なら→765逆ハーレムルート

黒井社長なら→男女革命ルート

涼ちんなら→絶望のホモルート

適当に決めますが、希望があればどうぞー

再開だー!

お待たせ

P「貴方は……社長!」

社長「おお、君か」

社長「半休を取るという話は律子君から聞いていたが……」

社長「泣きながら歩いているとは大事だ」

社長「何かあったのかね?」

P「はい、実は……」

社長「なるほど、律子君に強姦された、と」

P「そ、そうなんです」

P「もしも律子に子どもができて、」

P「それをきっかけに結婚することになったら……」

P「ううっ、ううう……俺の人生、めちゃくちゃだ!」

社長「相手が律子君でよかった。そうは考えられないかね?」

P「俺にだって選択の自由というものがあります!」

P「確かに、律子はいいやつでしたが……」

P「強姦魔が結婚相手だなんて、考えられません!」

社長「ふむ……」

P「社長! 社長から釘を刺しておいてください!」

P「律子に、罪を悔い改めるようにって……」

P「そして、産婦人科に行くようにって!」

社長「――――――」

社長「――それは、無理だ」

P「なぜです!」

社長「君が知っての通り、この世は女尊男卑の社会だ」

社長「女が偉くて、男は奴隷」

社長「私が若かった頃よりはマシになってきているが……」

社長「それでも、女男の上位関係は絶対的だ」

P「そんな……でも、社長は社長じゃないですか……」

社長「肩書きだけはね」

社長「芸能界も、表向きはクリーンなイメージを作りたいらしくて……」

社長「女男共同参画を推進していますと、トップに男を置いているのだ」

社長「しかし、実権は何もなく、」

社長「まともな仕事は与えられない」

社長「私も、していることといえば、スポンサーのご機嫌取りだけさ」

社長「昨夜だって、女社長たちの前で裸踊りをした」

社長「枕営業をしたことも、一度や二度ではない」

P「そんな……」

社長「芸能界とは、そういうところなのだ」

社長「君も諦めて、女性に尽くしたまえ」

社長「幸い、765プロのみんなはいい子ばかりだ」

社長「女としては、かなりマシな方だといえる」

社長「君のような純情な青年は、ここでしか生きていけない」

社長「そう思って、私は君に声をかけたのだ」

P「……」

社長「ここが天国なのだ」

社長「そう思わなければ、やっていけないよ」

P(男子校しか通っていなかった俺にとって、社長の話は衝撃的だった)

P(強姦さえもまかり通る、女性上位の世界)

P(それが、社会)

P(ひどい、ひどいとは聞いていたし、この一年、そう思ってはいたが……)

P(まさか、ここまでだったなんて……!)

P(……抵抗するか?)

P(力の限り、反抗の意思を貫くか?)

P(フェミニストの闘士となって、女性との戦いに身を投じるか?)

P(……いや、俺にそんな気概はない)

P(社会から白い目で見られることが分かっていながら、)

P(己を貫くことなどできはしない)

P(諦めよう……)

P(社長も言っていたじゃないか)

P(765プロは天国なのだと)

P(他はもっとひどいのだと)

P(そうだな……初心なネンネだった俺が、女だらけの職場で一年も働けたんだ)

P(あそこは天国なんだ)

P(そう、思おう……)

~一か月後・765プロ~

あずさ「あら~。プロデューサーさん、少し痩せました?」

あずさ「お尻のお肉が、少し薄くなっていますよ?」サワサワ

P「そんなことはないと思いますが……」

伊織「本当ね。ろくな食事をとってないんでしょ」

伊織「今夜は家に来なさい。フルコースを食べさせてあげるわ」

亜美「それで、デザートは兄ちゃんってわけ?」

亜美「いーね、いーね! 亜美も行っちゃおっと!」

伊織「ちょっと!」

P「ははは……」

雪歩「竜宮小町のみんなは、今日も元気ですね」フフッ

雪歩「プロデューサー。はい、お茶ですぅ」

P「ああ、すまない」

P「女の人に淹れてもらうなんて……」ズズズ

雪歩「いいんです。私がしたくてやっていることですから」

雪歩「それに……」

P「うっ!? 体が……熱く……!?」

雪歩「ふふふ、役得もありますから」

雪歩「プロデューサー? 具合が悪そうですね?」クスクス

P「う、ぐ……ちょっと、外に……」

雪歩「無理はいけません。介抱してあげますぅ」

P「やめ……!」

真「雪歩ー! やり部屋……じゃなくて、仮眠室に布団しけたよー!」

雪歩「ありがとー、真ちゃん」

P「ぐぐぐ……!」ズルズル

亜美「あっ、ずるーい!」

伊織「ちょっと! 抜け駆けはダメよ!」

あずさ「私も、まざっちゃおっと♪」

雪歩「よかったですね、プロデューサー」

雪歩「ふふふ……大人気ですよ」

P「はぁ……はぁ……」

雪歩「あっ、そこ、そこですぅ、プロデューサー!」

P(律子に犯された日からしばらくして……)

真「いいですよ、んっ、いいっ、そこです!」

P(俺は、プロデューサーではなく、男娼扱いされるようになった)

伊織「ちょっと! こっちもなめなさいよね!」

P(どうやら、若きアイドルたちは、みんな俺の体を狙っていたようで……)

あずさ「ふふふ、プロデューサーさんは本当におっぱいが大好きですね」

亜美「いやいや、ちっぱいも好きだもんねー?」

P(貪るように、俺は連日連夜、犯され続けた)

P(……これでいいんだ)

P(男が女に使われる)

P(これが社会の真実だ)

P(むしろ、内輪だけで事を済ませてくれる分、)

P(765プロは、やはり天国なのかもしれない)

P(俺のためではないが、避妊に気をつけてくれる)

P(痛いことや、過激なことはされない)

P(ショーのように誰かに見せびらかさない)

P(……これでいいんだ)

P(これが最善だと思って、生きていこう)

P(そう思い込んで生きていたある日のこと)

P(俺は、ひとりのアイドルと出会うことになる)

???「もしもし、律子姉ちゃん?」

P「ん? あの子は……」

P(この出会いは、運命を変える)

P(しかし、今の俺には、そのことを知る由もなかった――)

~続く~

結局、765奴隷ルート→涼ちんルート→革命ルート→???エンドの流れにしました

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