モバP「ビデオレター?」 (23)


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モバP「ビデオじゃないじゃないですかそもそも」

ちひろ「確かにブルーレイですけど…気にならないんですか?姫川さんのですよ?」

モバP「気にならないことはないですけど…机の奥にあったんですよね?」

ちひろ「はい」

モバP「何かあったときのため……みたいなこと書いてあったんですよね」

ちひろ「はい」

モバP「じゃあなんで持ってきてるんですか?そもそもなんで見つけたんですか?」

ちひろ「持ち物検査は私の趣…寮の管理もしている私の仕事ですから♪」

モバP「戻してきたほうがいいと思いますよ……」

ちひろ「でも待ってください、こういうものを残す、ということは姫川さんに何かあったのかもしれません!」

モバP「へ?」

ちひろ「こういうものって、なにかきっかけがないと普通作りませんよ!Pさんは作ってます?」

モバP「いや…ないな」

ちひろ「もしかして何かに悩み、苦しんでいるのかもしれません…もしかすると恐ろしい前兆かも……」

モバP「まさかアイドルを……?」


ちひろ「それも大変ですが、最悪、自ら命を……」

モバP「!?」

ちひろ「あくまでも可能性のはなしですよ、私、どうしても最悪の結果も考えて行動しちゃいますから」

モバP「……」

ちひろ「他にも、何らかの事件に巻き込まれて…かも知れません、私に何かあったらこれを警察に……みたいな」

モバP「っ……そんなこと……なんで言ってくれないんだ…嫌われてるのかな…」

ちひろ「いえ、逆です、嫌いじゃない身近な異性だからかもしれません」

モバP「それってどういう…」

ちひろ「姫川ちゃんだって女の子だし、贔屓目に見なくても可愛いですよ。そんな子が、身近な異性に見せられなくて…最悪の結果を招きかねない…ナニかあったら証拠映像として警察に持って行ってほしいものといえば…」


モバP「……っ!」

ちひろ「お、落ち着いてください!あくまでも可能性ですから!ただの野球の名場面集かもしれませんし!自作のポエムの朗読映像かもしれません!」

モバP「でも、もしかしたら…」

ちひろ「ええ…どうします?Pさんが見ないのなら、私はこのまま元の場所に戻しておこうと思います」

モバP「…みます…もしもの可能性があるなら…」

ちひろ「分かりました…では、ポータブル再生機がありますので、どうぞ…」

モバP「わかり、ました…」

ちひろ「私も同席させていただきますね」

友紀「やっほー、おはようございます?いや、見てる時間はいつかなー?まぁいいや」

友紀「えーっと、これはあたしにもしも、があったとき…事務所のPさんにあてたものだから、そんなんじゃなくて見てるんならここでストーップ!いや、はずかしいしさ……」

友紀「……止まってないってことは、もしも、の時なのかな…?」

モバP「……」

ちひろ「あの姫川ちゃんがあんな表情を……やはり」

友紀「あはは、まぁ仕方ないよね、あたしだってか弱い女の子だからさ」

友紀「原因は何だろ?病気……なら少しは猶予あるからそれまでにいろいろ言えちゃうかも……そうじゃない可能性もあるけど。自己や事件は、嫌だけどしかたがないよね……そんなサヨナラゲームは嫌だけどさ……もしくは……考えたくないけど……かな?ごめんね」

友紀「あたしさ、レッスンはすぐサボるし、昼間からお酒は飲むし、キャッツの試合が始まると追記になっちゃってさ、迷惑ばっかりかけたよね」

友紀「ちひろさんにも、事務所のみんなにも迷惑かけて申し訳ないけどさ……でもさ、こんなあたしを見捨てずに、叱りながらも助けてくれたPさんには特に感謝してる」

モバP「……」

ちひろ「……席を、外しますね」

友紀「Pさんはさ、いっつも夜遅くまで、アタシがビール飲んで寝てるような時間まで残って仕事して、嫌な人にも頭下げて、レッスンまで見てくれて…すごく、頑張ってたよね」

友紀「すごく、カッコ良かったよ。ほら、見てくれだけならもっといい人いっぱいいるのは事実だけど……」

友紀「いつかは、あたしの恋……せ、正捕手に任命してあげようと思ってたんだよね!ま、まぁこれを見られてるってことは、ダメだったみたいだけど……」

友紀「ま、まぁ鈍感なPさんは気付いてないだろうし、あたしもPさんには意地悪してるからねー」

友紀「レッスンサボりとかもだけど、特にスターの球団については、うん…」

友紀「だってちょっとからかうと仕事の時は適当に流すくせに、スターの球団のことになるとすぐムキになるからねー」

友紀「あたしは弱点を見つけるとそこを徹底的にせめて打ち取りたくなるからさ!仕方ないよね!」

友紀「ほら、よく小学生の男の子が、好きな女子にいじわるするってあったじゃん、あれに近いものだったのかなー」

友紀「嫌がられても……その間はあたしを見てくれる、感情を動かしてくれるって思うとね、やめられなかったんだよ」

友紀「それに…ちょっとだけ、羨ましかったのかもね。Pさんはさ、ちょっとスターの選手が活躍するとべた褒めして……もうちょっとさ、Pさんは女の子を褒める大切さを覚えたほうがいいよ?以上、姫川監督のぼやきでした……」

友紀「あーあ、Pさんを正捕手にできなかったのは心残りだなー、でもさ、Pさん、できたら……いや、アタシのことは引きずらないでほしいな!」

友紀「そりゃ忘れられるのは、ちょっと寂しいけど、死んでまでPさんの重荷になりたくないし」

友紀「よし、これを見たPさんとの約束!Pさんは、だれか、大切な女性を見つけて……野球チームはこのご時世難しいか……せめてクリーンナップ組めるぐらいは作ること!そして、子どもたちがまた大きくなって……Pさんの子孫で打線が組めるようになるまでこっちにくるの禁止ね!さらし投げさせるよ!」

友紀「あたしに何かあったのは、運か、あたしが悪いんだから引きずらないで……切り替えていくんだよ?」

友紀「最後に……あたしは、もうPさんに何もしてあげられないけど……あたしをファンの皆様の夢の中でトップアイドルにして頂きますれば、これにすぐる喜びはございません……いや、あたしっぽくないかな?」

友紀「じゃあ、ありがとう!あたしの最初で最後の正捕手なプロデューサーさん!フレー フレー フレフレPさん!大好きでした!終わりっ!」

モバP「……っ……うっ……」

モバPは泣いた……ハンカチがぐしょぐしょになり、袖を濡らし…戻ってきたちひろさんが心配そうに見つめてもしばらく泣き続けた

ちひろ「落ち着きましたか……?」

モバP「……はい、なんとか」

ちひろ「その、内容は……なにか事件性は……?」

モバP「いえ……Living Will……遺言状、みたいでしたね。最後のメッセージみたいな」

ちひろ「……そう、ですか……でも姫川ちゃんは幸い元気に生きています」

モバP「はい……」

ちひろ「では……私は、これを元の場所に戻してきますね」

モバP「よろしくお願いします……私も顔洗ってきます」

ちひろ「何度もいいますが、姫川ちゃんは何の問題もなく……」

モバP「ええ、それに、今日、気がつけてよかったこともありますし……」

ちひろ「?? まぁ、なにかプラスに働いたのなら……では、失礼しますね」

モバP「褒める……か」

友紀「あれ?怒ってる?ほ、ほら、スターの球団も大型連敗してて辛いのはわかるけど……あ、慣れてるから平気かな~?」

モバP「っ……たまたまだよ、ちょっと歯車が噛み合ってないだけだ!」

友紀「あっという間に借金生活~いや~大変だね~」

モバP「姫川…じゃなくてユッキ…」

友紀「ん~な~に?参りましたとでもいうの?」

モバP「今日も苦しいながらよく頑張ったな、よくやった!」

友紀「え……?なにか悪いものでも食べた?それとも負けすぎておかしくなった?」

モバP「そういう訳じゃなくて……」

友紀「ま、いいか、不器用だけど……そういうとこ、Pさんって感じがする……アリガト♪」




おわりです

部屋にムカデが出て大変だったので、なんとなく温めておいたネタを出してみました
少しでも楽しんでくれた人がいれば幸いです

最後実はゆっきとちひろがグルって作ったものにしようかと悩んだのは内緒です

それではHTML化依頼を出してきます。


いつのまにかとりっぷ外れてた…ごめんなさい…

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