クラリス「フリークスどもめ」 (41)

下の作品の続きみたいな感じです

ちひろ「化け物どもめ」
ちひろ「化け物どもめ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433582996/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434184376

モバP「ふぅ、もうそろそろ夕方か……。櫻井家の3時のオヤツは美味しかった」

モバP「チョコレートブラウニーと紅茶は最高だったな」

モバP「営業から、戻りましたー」


ガチャ


クラリス「お疲れ様です」

モバP「あれ?真っ赤な服なんて珍しいですね」

クラリス「ああ、これは“救済”した折に、浴びた血ですわ」

モバP「救済?」

クラリス「神の代理人として、愚者を“救済”したのです」ニコッ

モバP「それは感心ですね……って、どんな救済をしたのですか!」

クラリス「この聖書を使って、愚者の魂を浄化し、救いました」


クラリスが懐より、取り出したのは血まみれの聖書であった。

紙は表紙のみで、他は金属で出来ている聖書。この書物とは言えない

聖書を扱える者は、熱心なキリスト教徒であるクラリスを、おいて他には存在しない。

モバP「ああ、なるほど。それで、事務所に肉片が散らばっているわけですね」

クラリス「主による祝福の儀を、施した鉄を仕込んであります故」

モバP「ほほう」

クラリス「どのようなフリークス(化け物)も“救済”することが可能ですわ」

モバP「ハハハ…お疲れ様です」

クラリス「いえいえ。それでは、レッスンに行って参ります」

モバP「いってらっしゃい」


ガチャ

キョロキョロ

モバP「よし…クラリスは出て行ったな。さぁて、そろそろ肉片になったシンデレラガール様を、お迎えしなきゃ」

みく「事務所内が生臭い」

モバP「あれ、いつから事務所に?」

みく「みくは何所にでも居るし、何所にも居ないにゃ」

モバP「妖怪化け猫パワーだね」

みく「シュレディンガー…って言って欲しいにゃ。その方がお洒落だと思うの」

モバP「ごめんね」

みく「それより、この肉片は誰?餡子みたいになっているにゃ……」

モバP「和菓子屋の娘なだけに、倒されるときも餡子に…なーんて、ハハハハ」

みく「笑えないにゃ」

モバP「ごめんね。俺は、それより周子の○ンコが…」

みく「もっと笑えないにゃ……で、どうするの?」

モバP「人間には食事を与えれば回復する。犬には餌を、ちひろさんには金を、ファンにはアイドルを」

みく「化け物には、人ってことかにゃ」

モバP「その通り!さぁ、やれ」

みく「モバPチャン、いくよー?」

モバP「さぁ、来い」

みく「ネコパンチ☆」


ぼちゅッ!!

グチャッ ……ドサッ


前川みくの拳は、プロデューサーの胴体を切断した。刃物を使わぬ素手であろうと

みくの拳は人体を、容易に破壊する。人は、1度のネコパンチで死ぬ。

第4回シンデレラガール総選挙2位のアイドルは、文武両道である。死角はない。

みく「モバPチャンの今日のオヤツは……」

みく(チョコ系。チョコケーキかチョコレートブラウニーだにゃ……)


ドロ ドロ

ぞるっ ぐちゃ ぐちゃ…

GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAアッああああああああああああ゙ああ゙!!


みく「肉片が集まって、モバPチャンの血液と首を取り込みはじめたにゃ」

周子「……ハァ…ああ゙アアアッ混ざってデデデるぅぅおおおあああああああああ」

周子「ああ゙アアアッ混ざって混ざってるぅぅぅう肉がッ血がががあああああああ」


ぞるっ …どろ


周子「血液がガッッガガあああ混ざりゅゅゔゔああミッグズゥゥッ!!ミ゙グすじゅーすズズズゥウウウ」


ドロッ とろとろ


周子「……ああっん…」

みく「おかえりー」

周子「ふぅ、まいったなー。体を餡子にされて、ただいマアンコー…なんて」

みく「……」

周子「あれー、モバPさん?さっきのは、笑うところだから」

みく「胴体が真っ二つになったから、再生にはしばらく時間がかかると思うにゃ」

モバP「   」

周子「聞いてないんかい」チッ


カツーン カツーン

カツーン カツーン


周子「足音…」

みく「誰か来たにゃ」

ガチャ

……ギィィイ


クラリス「………ごきげんよう」


周子「あ、撲殺シスターや」

みく「正体がバレたにゃ」

クラリス「お黙りなさい。フリークス(化け物)が口を開いてはいけません」

みく「ヒィッ!」

クラリス「この私の眼には、何も映りません。しかし、愚者の存在はわかります」

クラリス「フリークス(化け物)が歩き、不死者が集団を作り、人々に偶像をみせる」

クラリス「この世の理法を外れ、あの世の法理もって通過を企てる者を」

周子「………」

クラリス「主である神。その神の代理人であるシスター、そしてキリスト教徒である、この私が」

クラリス「このクラリスが、許しておけるはずがありません」

周子「へぇ」

みく「ぶっちゃけ、帰りたいにゃ」

クラリス「ご安心を、怯えなくて良いのです。貴方達は死ぬのではなく、神に救済されるのです」

周子「怯えてはいないってば」

みく「逢魔時に、みく達(化け物)に喧嘩を売るなんて」


ぐぼっ


クラリス「…あぁっ」

周子「勇敢なシスターだなって思って、さ?」


クラリスが周子を、鉄の聖書にて“救済”したのは、昼間であったが

この時、既に日が暮れようとしていた。あの世とこの世の境が曖昧となる時間帯、逢魔時。

キリスト教徒と言えども、化け物に勝てる道理はなかった。

くぱっ

クラリス「はッあ!……ああぁッ!」


 ずりゅ ずりゅ

ビチャ ビチャ


周子「ソーセージゲット~♪」

クラリス「お腹が………温か…い」

みく「ソーセージだにゃ☆輸入品の洋物ソーセージは、高級品」

クラリス「か…神よ」

周子「ついでに、ランプ、心臓、腿肉、タンもゲットしちゃおうか」

モバP「こらこら、いけないぞ」

みく「あ、モバPチャンが再生したにゃ」

周子「チッ」

モバP「その辺にしておくんだ。仕事があるだろう」

周子「はーい」

モバP「み~く、お金貸して」

みく「にゃあ!?モバPチャン、財布は?」

モバP「今、金欠でさー。ちひろさんから、エナジードリンクMAXを買って、クラリスを再生しなきゃ」

周子「アイドルに“ぶっかけ”なんて、お得な仕事だね」

モバP「シスターにぶっかけって興奮するキーワードだ」

――――次の日

瑞樹「若さっていいわね」

モバP「若さですか」

瑞樹「あの娘達……いつもデビューの頃と変わらない」

モバP「うーん、気のせいじゃないですかね?」

瑞樹「おとぎ話のようだけど、何度、誕生日を迎えても彼女達は、何も変わらない」

モバP「ハハハ、考え過ぎですよ」

瑞樹「皮膚は弛まない。肌にはシワもなく、シミの一つもできない」

モバP「十代だと、容姿が大きく変わることは少ないですし、そういうものですよ」

瑞樹「人付き合いで外食も多く、不規則な生活にも関わらず、体重も増えない」

モバP「体重に関しては、食事量が増えると自然と活発になって、消費カロリーが増加する傾向の人間がいます」

モバP「Non-Exercise Activity Thermogenesis ……NEATというやつです」

瑞樹「NEAT?」

モバP「これは遺伝的なもので、個人差が大きいです」

モバP「食事量が増えると、無意識に消費するカロリーが大きく増えることがあるんです」

モバP「たとえば、かな子と加蓮が良い例です。摂取カロリーの余剰があっても、体重の増加率に差が出ます」

瑞樹「……へぇ」

モバP「何も変わらない……老いることがないなんて、瑞樹さんの気のせいですよ」

瑞樹「…そう、解説ありがとう」

モバP「こんなことを言うのも何ですが、老いていく瑞樹さんは…」

瑞樹(老い…か)

モバP「人間として美しく、とっても素敵だと思います」

瑞樹「そう…そうね。ありがとう。モバP君に言われて元気が出たわ」

瑞樹「変なことを言いだして、ごめんなさいね」

モバP「いえ、良いんですよ。一緒に頑張りましょう」

瑞樹「あら?もうこんな時間、ダンスレッスンに行ってくるわね」

モバP「いってらっしゃい」

ガチャ


凛「……シワ」

周子「……シミ」

モバP「おはよう。あれ、お前ら居たの?」

凛「確かにないね、シミとかシワ」

周子「シューコちゃん、白いままやんなー」

モバP「真っ白だね。何か特別なケアをしているのか?」

凛「特にやってないね」ドヤ

周子「ドヤ顔で『何もしてない』という女こそ、頑張ってる法則」

モバP「いやいや。お前らアイドルだからね。肌の手入れとか」

モバP「体型の管理と維持に関しては、頑張ってほしいよ…」

周子「アイドルの義務ってやつ?」

モバP「そうだよ。撮影で衣装の上に脂肪が乗っているとかやめてね」

凛「まぁ…人ではない人狼といっても、“何も変わらない、不老不死”ではないけどね」

周子「それでも、人間より長生きするってば」

モバP「お前達が死ぬ前に、事務所がなくなる」

凛「事務所がなくなった後は、どうすればいい?」

モバP「他の事務所があるさ」

周子「あたし達はともかく、事務所がなくなった後、モバPさん老後はどうするんや?」

モバP「そうだなぁー……」

モバP「まだ決めてないかな」

凛「それなら、老後は花屋だね。安定した収入もあるし、取引先もガッチリある。そんな花屋がいいよ」

周子「和菓子屋やな。安定した収入と住居完備。働くならリピーターが多い老舗に限るねー」

凛「花屋の店長、これだね」

周子「和菓子屋の若旦那やりなよーオススメ」


凛「は?」

周子「あ?」

周子「駄犬は黙っててよ。元シンデレラガール様」

凛「妖怪古狐こそ黙ってなよ。芸能事務所よりも、京都の古臭い神社がお似合いだね」

周子「モバPさんも京都に、連れて行っちゃおうかな~」

モバP「やだー、こわい」

凛「いや、1人で帰りなよ」

周子「怖いわぁ、野良犬は黙ってておくれやす」

凛「野良犬?今、野良犬と言った?この私を、人狼そのものを馬鹿にしたね」

周子「ゴメン、凛ちゃんは人狼ヴァラヴォルフだったね」

周子「粗暴なんで狂犬病に、かかった野良犬と勘違いしちゃったよ」テヘッ

凛「プロデューサー、この女狐を食べていいよね?古いから美味しくないだろうけど、狐汁にしてあげるよ」


めきっ めきっ


モバP「コラー!尻尾と耳を出さない!」

周子「野犬狩りの時間やね。事務所に住みついた野良犬の処分は、塩見保健所にお任せ、なーんて」


ざわっ ざわっ


モバP「周子も尻尾を複数、出さない」

モバP「まったく……喧嘩をしてはダメだぞー」

ガチャ


ちひろ「そうですよ!」

事務所のドアを開けたのは、アシスタントのちひろ。事務所一の常識人である。


モバP「ちひろさん!ちひろさんからも、凛と周子に言ってやってください」

ちひろ「やるなら本気でやりましょう!ガチですよ、ガチンコ」

(凛ちゃん、周子ちゃん、喧嘩はよくありません!同じ事務所のアイドルでしょ?)

ちひろ「人狼ヴァラヴォルフ、稲荷の妖怪狐の肉片を採取できたら最高です…くひっ」

(アイドル同士で、仲良しゴッコしろとは、言いません。切磋琢磨するのは良いことです)

ちひろ「新しいエナジードリンクの開発材料にしますから!!ひっひひひ」

(それは、あくまでもアイドル活動においてです。喧嘩はやめましょうよ、ね?)

ちひろ「さぁ、もっとヤってください」

モバP「ちひろさん、本音が漏れていますよ」

ちひろ「さぁ、戦え!踊れぇ踊れぇ、化け物どm……おふっ」


バタッ


のあ「………フッ」

モバP「のあさん、こんちにちは」

のあ「メイドとして事務所のゴミ清掃に来たわ。事務所内が生臭いと苦情があるのよ」

モバP「それは困りましたね」


ぐっ るるっあああアアアアあああ゙

ぶるっアアアアッ!


のあ「狼と狐………まるで怪獣特撮映画のようね。ゴジラ、ガメラを思い出すわ」

モバP「古い映画をご存知ですね。のあさん、何歳でしたっけ?」

のあ「キングギドラもいたわ。今の娘達には、わからないだろうけど」

モバP「そんなの居ましたよねぇー、首が3つある怪獣ですよね」

のあ「モバP、貴方こそ古い映画を知っているのね」

のあ「貴方は、いつからプロデュースをしているのかしら……貴方は、いつからプロデューサー?」

モバP「秘密です。のあさんこそ、いつからアイドルをやっているのですか?」

のあ「さぁ、いつだったか………」

モバP「のあさん、どうみてもアイドル素人ではないですよね。強くてニューゲームな感じがしますよ」

のあ「そんな些細なこと、覚えていないわ」

モバP「ファンの皆のことは覚えているでしょう?ファンは、喜んでいました?」

のあ「とても喜んでいたわ。ローマ、カルタゴ、スペイン、板東の武士、金貸し坊主、塹壕と機関銃で狂った兵士」

モバP「ファンの層が厚いですねー流石ですね」

のあ「皆、良い顔をしたファンだった。彼らの国や所属はどうであれ、大切なファンだった」

モバP「やっぱり、アイドル素人ではなかったのですね」

のあ「そういうモバP……貴方こそ、どれ程のアイドルを食べてきたのかしら?一体、どれ程の女の夢と偶像を、摂り込んだのかしら」

モバP「これっぽっちも食べていませんよー」

のあ「嘘をついても無駄。貴方の口からは、昔の鎌倉の臭いがする。暗い路地を女が一人で歩けば、暴行される鎌倉を思い出す」

のあ「貴方の瞳には、懐かしい欧州の煌めきが映る。機関銃で男が虫のように、鏖殺される欧州の戦線を思い出す」

のあ「源平時代の白拍子、花を売って日銭を稼ぐ少女から遊女」

モバP「……考え過ぎですよ。私はただのプロデューサーですし」

のあ「そんな、ありとあらゆる女達の夢と偶像を、食べて摂り込んだようね」

モバP「うーん、のあさんには敵いませんね」

のあ「認めるのね……事務所には、多くの人ではない化け物がいるけれど……本当の化け物は、モバPのようね」

モバP「のあさん、皆には内緒ですよ?お爺ちゃんってバレたら、モテませんからハハハハ」

のあ「それより、そろそろあの二人の喧嘩を止めたらどうなの」

モバP「仕方ないですね。エナジードリンクMAXを飲んで頑張りましょうか」


ゴクゴクッ

めきっ めき


プロデューサーの体は、たちまち赤黒く変色し、膨れ上がった。


凛「!?」

周子「な…!!」

モバP「よしよしよし、可愛いでちゅね~凛ちゃん、しゅーこちゃん」


ワシャ ワシャ

もさっもさっ もふもふ

凛「あ、ちょっと!お腹を撫で……ヒャッ」

周子「そんな所をッ……あンッ!耳を舐め…!」

モバP「もごっ」


もがっもがっ

フゴフゴ


狼を超えた化け物である人狼ヴァラヴォルフと

狐を超えた化け物である妖狐と、心を通わせることは不可能に近い。

しかし、粘膜と粘膜のスキンシップを行えば、出来るのだ。

女子高生と接吻は、御法度であり、処罰される。しかし、化け物と接吻は禁じられていない。

のあ「違う生き物であろうと、粘膜と粘膜のスキンシップ心を通わせる……」

周子「れろ…れろ…」


ぴちゃ ぴちゃ


モバP「…じゅるじゅる」

のあ「まるで、ム○ゴロウさんのようね。凛、周子も良い顔をしているわ」

周子「れろ…じゅるじゅる」

モバP「ペロペロ」

凛「もごもごッフゴフゴ」

のあ「Good communication........」

おわり

訂正
>>37
のあ「違う生き物であろうと、粘膜と粘膜のスキンシップ心を通わせる……」

のあ「違う生き物であろうと、粘膜と粘膜のスキンシップで心を通わせる……お見事」

ありがとうございました
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