夏陽「ここな、今日は何の日だと思う?」 (54)
◆ひなビタ♪SSです
◆6月5日から秋葉原駅にひなビタ♪の広告が設置されたので、近い人は是非
◆そして今日6月12日からはチョコレートスマイルが6機種に収録!何のお祝いでしたっけ?
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心菜「バザーの日だね」
夏陽「は?バザー?」
心菜「1884年6月12日に鹿鳴館で日本初のバザーが開催されたことに由来するんだって…」
夏陽「あ、あのねえ」
心菜「3日間開催されて、入場者は1万2千人にもなったらしいよ?」
夏陽「そう……」
心菜「それでねなっちゃん」
夏陽「う、うん?」
心菜「今日は商店街の方でバザーの日に因んでバザーをしてるらしいよ」
夏陽「この前ちくわバンドがやってたようなの?」
心菜「それが好評だったから、だって」
夏陽「今度は古本に紙魚がいないといいけど…で、それが?」
心菜「だからなっちゃん、一緒に行こ……?」
夏陽「え、で、でも……」
心菜「でも?」
夏陽「え、えっと」
夏陽(あ、もしかしてこれって、デートのお誘いかしら……?
今日は二人っきりで過ごすつもりだったけど、まぁ賑やかななのもいいわね、
場所はちょっとチープだけど、まぁここなから誘ってくれるなら……うん……)
夏陽「い、いいわよ」
心菜「わぁ、よかったー」ニパー
夏陽(ああ、あたしの妹はいつもとっても可愛いわっ)
~日向美商店街~
ワイノワイノ
ゼンピン10エン!
ホリダシモノメウヨー
ヤスイ、ヤスイ、ジッサイヤスイ
心菜「~♪」
夏陽「……」
夏陽(それにしても、ここな、本当に忘れちゃってるのかしら……)
夏陽(今日はバザーの日なんかじゃなくって、あたしとここなのお誕生日でしょっ!)
夏陽(デートするにしてもやっぱりこんな行き慣れた商店街じゃなくって、もっと、こう……)
夏陽(……今の金銭状況じゃ贅沢は難しいわね)
夏陽(ならこういうところでちょうど良かったのかしら……)
心菜「なっちゃん、なっちゃん」クイクイ
夏陽「んー?」
一舞「いらっしゃ…あ、ここなつ!」
夏陽(早速身内と会ってしまった)
一舞「今回も来てくれたんだ~なんというか、お得意さん?」ニヤニヤ
夏陽「こ、ここなに誘われたからよっ!」
一舞「はいはい、そうだねー」
夏陽「むぐぐ」
心菜[ナニカ アル?]
一舞「何かって……う~ん、古着だから服は全部安いけど、あんたたちに合う服があるかどうかは……」
夏陽「そうねえ、前見た時もピンと来るのは無かったし……」
一舞「は、はっきり言わなくても……えっと、じゃあこれは?」スッ
夏陽「えっと、それは……」
一舞「はぎれ」
心菜[ハギレ]
夏陽「つまり布の切れ端じゃない、そんなの……」
一舞「そう?元々の生地がいいから色んな物に使えるよ?
破れた服の修復にも使えるし、裁縫の技術があればパッチワークだって出来るしー」
心菜「なるほど……」
夏陽「ふうん……」
一舞「どう?今なら1枚100円!破格の値段だと思うけどなー、結構売れ行きいいから、すぐなくなっちゃうかもよ?」
夏陽「う、う~~~ん……」
心菜「なっちゃんなっちゃん」
夏陽「どうしたの?もしかして欲しい?」
心菜「ギンジのおふとん……」
夏陽「あれに布団はいらないんじゃない…?」
一舞(ギンジ?)
夏陽「まぁ今回はいいわ、見せてくれてありがとね、いぶき」
心菜[バイバイ]
一舞「ちぇっ、いいセールストークだと思ったのに」
夏陽「そうね、60点ってとこかしら」
一舞「それ良いのか悪いのか分かんないしっ!あ、そうだ、まだバザー見て回るなら、
他のメンバーも出店してると思うからさ、見ていってね」
夏陽「元からそのつもりよ?」
一舞「へえ?全く、なつひも随分丸くなったよねえ」シミジミ
夏陽「ふ、太ってないわよ!最近は寧ろ痩せたのよ?」
一舞「そうじゃない」
夏陽「えっと次は……」
心菜「ねえなっちゃんなっちゃん」
夏陽「どしたの」
心菜「おなかすいた」
夏陽「えー?朝ご飯食べたでしょ?」
心菜「それでもすいたの……ほら、ちょうどあそこで路上喫茶してるよ、食べよう?」
夏陽「ここな……最初からそのつもりだったでしょ?」
心菜「さあ?」
咲子「あ、ここなちゃん!なつひちゃん!いらっしゃいませっ!」
心菜[イラッシャッタ]
夏陽「やっほ、それにしてもバザーなのに路上喫茶って…」
咲子「一応クッキーとかも売ってますよ?ただそれだけじゃ物足りないかな、って思って
お試しちくわパフェ(150円)を販売したらそっちの方が受けちゃっただけで……」
夏陽「ふうん……」
咲子「それで何か食べていきます?」
心菜[チクワパフェドレッドノート]
夏陽「あ、あたしはそんなにお腹すいてないからアップルティーだけでいいわ」
咲子「はーい、かしこまりましたっ」
夏陽「なんだかこれじゃいつもと一緒じゃない」
心菜「嫌だった……?」
夏陽「い、嫌じゃないわよ、正直な話、胸たゆんたゆんのアコギの淹れてくれるアップルティーは美味しいし……」
心菜「ちくわパフェドレッドノートサイズもおいしいよ……?」
夏陽「そ、そんなにいっぱい食べられないわよっ!あ、そこでちくわパフェをガツガツ食べているのは……」
まり花「もぐもぐ…あ、なつひちゃんとここなちゃん!」
心菜「……キーボード……」
夏陽「あんた、バザーは?」
まり花「今お父さんがお店番してくれてるんだー、えへへっ」
まり花「それにしてもここなちゃん、来るの早かったねっ」
夏陽「?別に普通だけど……」
心菜[マダナイショ]
まり花「あっ、ご、ごめんね、なんでもないのっ」
夏陽「???」
まり花「そ、そうだ、ここなちゃん達はバザーで何かお買い物した?」
心菜「まだ」
夏陽「まぁまだ来たばっかりだし、これからじっくり見ていくつもりよ」
まり花「そっかあ」
咲子「ここなちゃん、お待たせしました、アップルティーと、ちくわパフェドレッドノートサイズですっ」デーン
心菜「わぁ」
夏陽(相変わらず凄い迫力…)
まり花「ふぉおおおおっ!ここなちゃん凄いよっ!わたしでもドレッドノートサイズさんは
それなりの覚悟さんがないとなかなか注文出来ないんだよっ!」
咲子「ここなちゃん残した事ありませんもんね」
心菜「頂きます……」モグモグ
夏陽(凄い速度でパフェが掻き消えていくわ……)ズズー
心菜「なっちゃん」
夏陽「ん、なあに」
心菜「あーん」
夏陽「え"っ」
夏陽「ちょ、ちょっとここな!ここ人前だし!キーボードとアコギも……」
心菜「ちくわパフェ、食べたくない……?」
夏陽「そ、そうじゃなくって……」
心菜「私からあーんってされるの嫌……?」
夏陽「い、嫌な訳ないじゃない!」
心菜「じゃああーん」
夏陽「あ、あーん……もぐもぐ」
心菜「美味しいでしょ?」
夏陽「そ、そうね、なかなかね」
心菜「じゃあ今度はなっちゃんの番……」
夏陽「うぇっ!?」
夏陽「それってあたしがここなにあーんってしろってこと?」
心菜「うん」
夏陽「……も、もう、仕方ないわね」
心菜「えへへ」
夏陽「じゃあここな、あーんして」
心菜「うん、あー……」
夏陽「はい、どう?美味しい?」
心菜「うん、とっても美味しいよ、なっちゃん」ニコ
夏陽「ここな可愛い」
心菜「声に出てる」
心菜「じゃあ今度は私……」
夏陽「ま、まだやるの?」
心菜「うん」
イチャコライチャコラ
咲子「ここなちゃんとなつひちゃん、とってもとっても仲良しさんですっ……」
まり花「はうう、りんちゃんとちくわパフェの食べさせ合いさんがしたくなっちゃったよっ……」
咲子「まりかちゃんもですか?実は私もとってもとってもイブちゃんと……」
一舞「やっほさきこ、ミルクティー飲みたくなったんだけど、何してんの?」ヒョコ
咲子「あっイブちゃん!ちょうどいいところに!私とちくわパフェの食べさせ合いをしましょうっ!」ガバッ
一舞「き、急に何だしっ!?」
……
心菜「おなかいっぱい…でもまだ八分目……」
夏陽「綺麗に平らげといて何を言うのかしら」
心菜「大分なっちゃんにあげたしね」
夏陽「そ、そう?3,4口よ?」
凛「あら、赤アイドル屋に青アイドル屋……今は中華屋……?」
夏陽「あっ黒髪エレキ……好きな呼び方でいいわよ」
凛「意外と早く来たのね……まぁいいわ」
心菜「うん」
夏陽「?」
夏陽「あ、あんたの古書はもう懲り懲りよっ!虫が出て来た時思わず悲鳴上げちゃったじゃない!」
心菜[ギンジ]
凛「紙魚入りって書いてあったじゃない……」
夏陽「別に漢字強くないんだから読めないっての!全く、身内じゃなきゃリコールしてたわよ」
心菜[ギンジ アリガト]
凛「ギンジって……あれ、飼育してるのかしら?べ、別にいいけれど……まぁ前回ので貴方と同じような意見が相次いだから、
今回販売しているものに紙魚は生息していないわよ、多分」
夏陽「たぶん?」
心菜[(´・ω・`)]
夏陽「しょんぼりしない」
凛「それで今回は買い取ったはいいけどお父さんの向に合わなくて倉庫に仕舞いっぱなしになっていた古本を販売しているわ」
夏陽「まぁ、確かに前に比べたら比較的新しいように見えるわね……」
心菜「……」パラパラ
夏陽「ここな、紙魚を探さない」
心菜「……」シュン
夏陽「う……い、いいけど、多分いないわよ」
凛(いたら困るんだけど……)
凛「そうそう赤アイドル屋、貴方に薦めたい本があるの」
夏陽「何よそれ」
凛「これよ」サッ
夏陽「えっと……世界姉妹愛大全?」
凛「血が繋がりながらも愛を捨てなかった姉妹の愛が掲載されているわ」
夏陽「あの」
凛「お父さんは絵柄が古書らしくないし、内容も幾らか間違いがあったのが気に入らなくて倉庫に押し込んでいたみたいだけれど……
全てが間違っている訳でもないし、貴方にはぴったりじゃないかしら?」
夏陽「ど、どういう意味よ」
凛「貴方達の関係も見つめ直せば新しい発見があるかもしれないわよ……?」
夏陽「え、えっと」
心菜「……」ペラペラ
夏陽「よく分かんないけど…100円でしょ?さっきちくわパフェで結構使っちゃったからもうお金が……」
凛「いいわよ、貴方達に贈呈するわ」
夏陽「ええっ?」
凛「だって貴方達、今日は特別な日なんでしょう?」
夏陽「し、知ってたの?」
凛「ええ、調べたもの」
夏陽「そ、そこまで言うなら貰ってあげなくもないわよ……ありがと」
凛「ふふふ、どういたしまして……」
夏陽「ま、全く、調子狂うわね……」
心菜「………」シュン
夏陽「ここな、紙魚が見つからなかったからってがっくりしないの」
夏陽「じゃ、またね」
心菜[バイバイ]
凛「……」フリフリ
凛「……」
凛「……流石に18指定の書籍をあの二人に渡したのは不味かったかしら……?」
凛「……でも私も官能小説を読み始めたのはあの二人より若い頃だし……」
凛「あんな題名して内容は卑猥で淫靡なんだから、本って分からないわよね……」
まり花「りんちゃーんっ!」
凛「あら、レコード屋?」
まり花「りんちゃんりんちゃんっ!一緒にちくわパフェ食べよっ!ねっ!」グイグイ
凛「ちょ、ちょっと、いきなり来て随分と強引なのね……もう」
めう「あっここことなつつ!」
心菜[ドーモ]
夏陽「そういうあんたはちくわドラム……あんたもバザーしてんの?」
めう「あったりまえめうーっ!さささ、めうのばざざ見て欲しいめう!
掘り出し物があるかもしれないなりよ?」
夏陽「そう?」
めう「そうめう!家の倉庫から引っ張り出したよく分からないものに加え、
めうのコレクションの一部も豪華放出なのだっ!」
夏陽「よく分からないものって?」
心菜[アア!]
夏陽「ここな?まぁ暇だし、見ようかしら」
めう「めうふふふ」
夏陽「えっと、壺に古い刀に皿とか掛け軸とか…骨董店?」
めう「そういうのまだまだ倉庫にあるめう」
心菜「なっちゃん、このお皿、きれい……」
夏陽「そうね、ってこれ5000円もするじゃない!ダメよ!」
心菜「ぷう」
めう「二人にはこっちのめうコレクションの方がお手頃かもしれないめう」
夏陽「なるほどこれは100円とか300円とか…あ、レイシスさんのぬいぐるみ」
心菜[プギュット]
めう「なつつ、ぼるる分かるめう?」
夏陽「分かるというか、一緒に仕事をした仲なのよ、最近は回ってこないけど、
お仕事があるならいつでも呼んでって連絡先交換したくらいなんだから」
めう(え、レイシスって実在してたなりか…?)
めう「ぷ、ぷぎゅぎゅならほかにもあるめうよ、こっちはめうたちのぷぎゅット、があっためう」
夏陽「空じゃない……」
めう「一個500円で売り出したらあっという間に無くなっちゃっためう」
夏陽「いぶきのもないのね、残念」
心菜「む……」
めう「いぶぶのなら販売直後にさききに買い占められためう…
ちなみにまりりのはりんりん先生が、さききのはいぶぶが買ってっためう」
夏陽「それ身内で売買してるだけじゃない!」
めう「そうなりね……」
心菜[アナタノハ?]
めう「めうの?めうのぷぎゅぎゅならひなひなに全部あげためう!」
夏陽「売る気はなかったんだ……」
めう「ひなひな笑顔で受け取ってくれためう!それから頭なでなでしてくれためう!はぁ、ひなひな……♪」
心菜(ロリコン……)
めう「そういえばなつつとこここ、ぷぎゅぎゅ化おめでとめう!」
夏陽「ふふふ、6月18日から全国のアミューズメント施設に入荷されるから、
無くならないうちにちゃんとあたしとここなのを揃えてゲットしなさいよね!」
心菜「誰に向かって話してるの……?」
夏陽「あ、これは……指輪?」
めう「めう?なつつ、おめめが高いなり、
めうが倉庫を漁ってたら出て来た銀色の指輪めう」
夏陽「赤と青のデザインがされてるのね、結構いいじゃない」
めう「気に入っためう?」
夏陽「まぁ、少しね、ここなはどう思う?」
心菜「…………」コクコク
夏陽「そう、ここなも気にいったのね!」
心菜「……」
めう(言葉を交わさないで会話してるめう)
夏陽「で、これ、いくらかしら?」
めう「うーんと、1500円めう!」
夏陽「うっ……」
めう「あ、めうの場合はパセリ払いでもいいなりよ」
夏陽「持ってないわよっ!も、もう少しまからない?」
めう「値段交渉めうか?うーんと……じゃあ1400!」
夏陽「も、もう少し」
めう「むう…じゃあ1300円!」
夏陽「せ、1000にはならない?」
めう「えっと……じゃあ1100」
夏陽「じゃ、じゃあそれでお願い」
めう「仕方ないめう、なつつだから特別めうよ?」
夏陽「分かってるわよっ」
マイドアリーメウー
心菜「買っちゃったんだ、それ」
夏陽「たまにはこういうアクセサリーもいいじゃない」
心菜「そうだね」
夏陽「…?ここな、なんか不満なの?」
心菜「いや、不満というか……」
夏陽「というか?」
心菜「ペアリングだったら良かったのに、って」
夏陽「うーん……じゃあ似たようなデザインのがないかはんこドラムに頼んでおこうかしら」
心菜「あるかな……」
夏陽「なんかドラムの倉庫は奥が深そうだし、探せば出てくるかもしれないわよ?」
心菜「そうだね」
心菜「なっちゃんなっちゃん、あっちで何か催し物やってるみたいだよ」
夏陽「今回バザー以外にもなんかやるの?」
心菜「そうみたい……えっと、マルバツクイズ大会、だって」
夏陽「何のクイズなのかしら」
心菜「最後まで残った人には豪華景品、って書いてあるよ」
夏陽「豪華なの?ひゃくまんえん?」
心菜「現金はないんじゃないかな……あ、始まるまであとちょっとだね、行こう?」
夏陽「うん」
~会場~
ガヤガヤ
ワイノワイノ
夏陽「あら、結構立派なステージが用意されてるのね、それに人も結構いるし」
心菜「ライブでもするんじゃないかな……?」
夏陽「まぁ確かにちくわバンドもいるし、やるかもしれないわね…あ、何か出て来た、きぐるみ?」
心菜「あれはこの商店街のマスコットキャラクター……ひなちくん……」
夏陽(妙なデザインだわ)
ひなちくん「やぁ良い子のみんな!元気かな?ボクはひなちくんだよー!」
ワーワーキャーキャー
夏陽「え、に、人気あるの!?あれが!?」
心菜(声に聞き覚えがあるような気がする)
ひなちくん「今からボクが○×クイズを出すから、みんな答えてね!
最後まで残った人にはこの商店街で使える商品券を3000円分プレゼントするよ!」
夏陽「さ、3000円!?か、勝たなくっちゃ……」ブツブツ
心菜「さんぜんえん…ちくわパフェがいっぱい食べられるね、なっちゃん」
夏陽「しょ、食費とかに当てようと思ってたんだけど」
心菜「食費だけど……?」
ひなちくん「あ、問題は日向美ビタースイーツ♪のみんなが考えてくれたよ!ありがとー!」
ひなちくん「それでは第一問!」
ひなちくん「この写真のお菓子はマカロンさんである、○か×か?」
夏陽「何よ気張った割には簡単な問題じゃない、間違いなく○よ」
心菜「うん」スイスイ
ひなちくん「それでは正解を発表するよ!正解は……○!」
夏陽「ようし、一問目はクリアよ、このまま優勝しましょうね、ここな」
心菜「うん」
ひなちくん「次の問題!東京タワーの高さは322mである、○か×か?」
夏陽「333mよね」
心菜「うん」
夏陽「きっといぶきが考えたのよねこの問題」ケラケラ
心菜「……うん」
ひなちくん「それでは正解は×!」
ひなちくん「東京タワーは333mもあるんだよ、すごいよね!でも最近はスカイツリーの方が有名かな?」
ひなちくん「あ、外れちゃった人は少しだけ外に避けてね!」
ひなちくん「では次の問題!ちくわパフェというのがあるけどちくわぶパフェというのも……」
……
夏陽(大分勝ち進んできたわね……残り人数もあと僅か……)
夏陽(急に「デイドリのドラムのMASTER難易度は9.60である」って問題が出て来た時は冷やっとしたけど…そのおかげかしら)
夏陽(ここなもあたしに合わせてたみたいで残ってるし、いける、かな?)
ひなちくん「次の問題!これが最後かな?えーっと、なになに……
芸術運動と言えば主義・主張・立場などを同じくする芸術家たちが行う芸術上の活動ですが」
夏陽(芸術運動……?)
ひなちくん「その中の1948年から1852年に行われたコブラという前衛芸術運動はタシスムを批判したものである、○か×か?」
夏陽「はぁ?分かんないわよそんなの!」
心菜「……」
夏陽「これは勘で行くしか……○にしましょ」
心菜「……」スー
夏陽(あれ、ここな、×に行っちゃうの?)
ひなちくん「いやー難しい問題だね!今なら移動してもいいよ、大丈夫かな?」
夏陽「……」
心菜「……」
夏陽(変える気はないみたいね)
ひなちくん「じゃあ正解!正解は……×!」
夏陽「えっ」
ひなちくん「解説によると……コブラという活動は前の世代のシュルレアリスムの顛末を批判したものなんだね!」
ひなちくん「そもそもタシスムが誕生したのはコブラと同年代だということを理解すればあまりに簡単な問題、って解説には書いてあるよ」
ひなちくん「正解者は……おっ、そこの水色髪で眼鏡掛けたお嬢さん一人!
おめでとう!景品の3000円分の商品券をプレゼントします!みんな拍手!」
パチパチパチパチ
心菜「……」グッ
夏陽「……」
夏陽「ここな、あのえっと…コブラがサイコガンみたいな問題、分かったの?」
心菜「ううん、適当」
夏陽「そ、そうなんだ」
心菜「だって、なっちゃんが○を選んでたみたいだから、私が×に行けば、どっちかが正解するでしょ?」
夏陽「まぁ、確かに」
心菜「それとも、なっちゃんが正解したかった……?」
夏陽「そ、そういう訳じゃないけど……なんというか、ここなはあたしに合わせてたみたいだったから」
心菜「うんとね、途中まではそうだったよ」
夏陽「そうだったの?」
心菜「でもやっぱり、どっちか残ればいい訳だし、だから私が……」
夏陽「……」
心菜「でねなっちゃん、この商品券渡しとくね」
夏陽「え、いいの?でも……」
心菜「なっちゃんの方が計画的に使えそうだし、それに……」
夏陽「それに?」
心菜「なっちゃんが喜んでくれた方が、嬉しいから」
夏陽「っ!」
心菜「ふふふ」
夏陽「あ、あたしだって、ここなに喜んで欲しいのに……」
心菜「なあに?」
夏陽「なんでもない!」
ひなちくん「お待たせしました!」
夏陽「ん?」
ひなちくん「今から日向美ビタースイーツ♪のミニライブを始めますっ!」
ワー!
イエーッ
マッテマシタ!
ムシロコノタメニキタ!
イブサマ!
オッシャ!
ブットンダゼ!
ハーエーマーシーターー
イトカシコシ
イトヲカシ
スキ!!!
夏陽「あー、やっぱりあるのね」
心菜「……」
まり花「やほほやほ!みんな!日向美ビタースイーツ♪ですっ!」
ワーワー
まり花「今回はミニライブだから、4曲演奏したいと思います!」
まり花「では早速、凛として咲く花の如く!」
チャッチャッチャッ
夏陽「ふふふ」
心菜「……」
夏陽(そういえば、こうやってちくわバンドの演奏をお客として聞くのは久々かもしれないわね)
夏陽(彼女たち、いいチームワークよね……)
夏陽(それは、まぁ、あたしとここなも負けてないけどね!)
心菜「…………」
ワー!ワー!
ギャボボーン!
まり花「みんなありがとー!」
まり花「それでは早速次の曲……の前に特別ゲストをご紹介しますっ!」
心菜「……」
まり花「それは……ここなつのここなちゃんですっ!」
ウオー!
ココナツ!?ココナツナンデ!?
夏陽「えっ」
心菜「じゃあなっちゃん、ちょっと行ってくるね」
夏陽「ちょ、ちょっと」
心菜「どうも、東雲心菜です」
ココナチャン!
シャベッタ!
デビューカラファンデス!
心菜「今日は実は、私となっちゃんのお誕生日です」
心菜「それでサプライズとして、ライブに参加させて頂きました」
心菜「今なっちゃん口ぽっかり開けてびっくりしちゃってるけど……メッセージがあるから読むね」
心菜「なっちゃん、お誕生日おめでとう、それは私も同じだけど、ね」
心菜「少し前までは二人だけでお祝いしてたよね」
心菜「他に祝ってくれる人もいなかったし」
心菜「でも今はお友達も祝ってくれてるよ?」
心菜「それって、とっても良い事で、嬉しい事なんじゃないかな?」
心菜「だから、そんな気持ちを歌うね?」
心菜「では……キモチコネクト」
心菜「……ありがとうございました」
ワー!ココナチャンー!
カワイイ!
夏陽「……っ!」タッタッ
まり花「あ、なつひちゃんがステージに」
凛「まだ呼んでないわよ……」
一舞「気が早いしっ」
夏陽「い、いいじゃない!もうここな!」
心菜「うん」
夏陽「ここなばっかりずるいわよっ!あたしだって、ここなに伝えたい事あるのに」
心菜「いつも言ってるし、知ってるよ」
夏陽「そ、それでも、よっ!だからあたしも、あの、ちくわバンド、急だけど、その」
まり花「分かってるよなつひちゃんっ!なつひちゃんも歌う、よね?」
夏陽「当たり前じゃないっ!じゃあ、お願い出来る?」
まり花「大丈夫だよっ!」
夏陽「じゃあ、聞いて下さい、ツーマンライブ」
イエー!ワオー!
ナツヒチャン!
ココナツー!
ココナチャンハタチ
夏陽「ふう」
心菜「なっちゃん、次は一緒に歌おう?」
夏陽「勿論よっ!」
心菜「できる、かな……?」
まり花「大丈夫だよっ、えっと次は、あれでいいのかなっ?」
心菜「うん」
夏陽「そう、あの曲」
心菜「私となっちゃんのデビュー曲……」
夏陽「ミライプリズム!」
イエー!ヒューヒュー
夏陽「みんなありがとー!」
心菜「……」ペコリ
一舞「なんだかここなつのライブみたいになってるしっ」
咲子「まぁまぁ、お二人は今日お誕生日ですからね」
めう「練習しておいてよかっためう」
凛「で、もう4曲目も終わったけれど……」
まり花「えーっとね、じゃあ、もひとつおまけして、もう一曲やります!」
ウオオーー!
ワオー!
まり花「ここなつちゃんもいるし、あの曲、やっちゃおうかな?いい?」
イイヨー!
ヨッシャ!バッチコイ!
まり花「じゃあ、いくよっ!最後の曲、チョコレートスマイル!」
ワー!ワー!イエー!
6ガツ12ニチカラカクキシュデ…
ナンテスゴイバンドナンヤ!
……
夏陽「ここな、今日があたしたちの誕生日だって覚えてたんじゃない」
心菜「覚えてないとは一言も言ってないよ?」
夏陽「さっきのライブのために知らないふりしたんでしょ」
心菜「うん、ごめんね」
夏陽「いいわよ、別に」
心菜「そう?」
夏陽「だって、ここなはあたしをびっくりさせたくてああしたんでしょ?その気持ちのほうが嬉しいもの」
心菜「でもなっちゃんが急にステージに上って歌い出した時はどうなるかと思ったよ?」
夏陽「アイドルだもの、いつでも歌くらい歌えなくっちゃ!」
心菜「流石だね」
夏陽「にゃははは」
夏陽「で、ここな」
心菜「どしたの」
夏陽「黒髪エレキから貰った本を読んだら、なんというか、妙な気分になっちゃって…」
心菜「本?んーと……うわあ、如何わしい内容だね」
夏陽「でしょー?あいつ、何を考えてるのかしら」
心菜「でもさ、こんな本が無くてもなっちゃんはするつもりだったよね」
夏陽「あら、バレちゃった?うふふ」
心菜「でもなっちゃんから誘われなかったら、私から誘ってたかもしれない……」
夏陽(それなら今度は我慢しようかしら……)
夏陽「だからここな、まずはちゅーってしましょ?」
心菜「うん、それはいいけど……いつもしてることだよね、これ」
夏陽「ええ」
心菜「なら、毎日が私となっちゃんの記念日なのかもしれないね」
夏陽「そう……?」
心菜「でも、今日は特に特別なだけで」
夏陽「ええ、日が変わっても、寝かせてあげないんだから」
心菜「ふふふ、それは楽しみだね……♪」ニコ
夏陽(逆になりそうな気がするわ)
心菜「じゃあいつものしてからね」
夏陽「うん……こほん、ここな」
心菜「なあに」
夏陽「ここな、愛してる」
心菜「私もなっちゃんの事、愛してる」
夏陽「来年もこうやって出来たらいいわね」
心菜「なっちゃんのえっち」
夏陽「ここなも、そうでしょ」
心菜「ふふ、そうだったね」
心菜「ここな」
夏陽「なっちゃん」
ちゅっ。
おわり
お疲れ様でした
当日の0時にスレッドが立てられなかったのは少し心残りですが、ここなつお誕生日おめでとうございます
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