葉山「いろはには悪いことをしたな」
八幡「罪悪感持つぐらいなら、振らなきゃ良かったのに」
葉山「無理だよ。分かってるくせにそういうことを言うのは性格悪いな」
葉山「いろはの気持ちは素直に嬉しい。でも違うんだ」
葉山「それは多分、俺は…君が…」
八幡「…?」
葉山「君は凄いな。そうやって周りの人間…俺を変えていく」
八幡「は? なんだよ急に」
葉山「言っただろ。俺は君が思ってるほどいいやつじゃない」
葉山「君を褒めるのは、俺のためだ」
葉山「俺は今から本当のことを言う」
八幡「お前、どうしたんだよ…おかしいぞ」
葉山「あんなの見せられたら、心動いちゃうだろ」
八幡「なにが…」
葉山「俺も…本物が欲しくなったんだ」
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八幡「聞いてたのかよ…」
葉山「声、普通に漏れてたよ」
八幡「忘れてくれ…」
葉山「忘れないよ。忘れられない」
葉山「だから今日踏み出そうと思ったんだ」
八幡「な、なんの話だ…」
葉山「君のせいだよ。俺がこうなったのは」
葉山「責任…取ってくれよ」
八幡「 」
「次は、海浜幕張~」
雪乃「では、私たちは次で」
結衣「うん」
八幡「俺は…責任を…」ブツブツ
雪乃「比企谷君、どうかしたの?元気がないようだけれど」
八幡「いや…なんでもない…」
雪乃「…」
いろは「先輩、荷物ちょー重いです」
八幡「ごめん…今は…無理…」
いろは「むぅ~…。先輩のケチ」
八幡「本物…俺が…本物…?」ブツブツ
いろは「さっきから何ですか?本物がどうとか。意味分かりません!」プイッ
雪乃・結衣「…!」
雪乃「一色さん。その荷物、私が持ってあげるわ」
いろは「えっ…?」
結衣「ゆきのん、降りないの?」
雪乃「ええ。ちょうど一色さんと話がしたかったの」
結衣「そっか…。分かった!」
いろは「あっ、やっぱり1人で持てるから大丈夫で~す…」
雪乃「あら、遠慮しなくていいのよ? 私、こう見えても力あるの」
いろは「で、なんですか?話したいことって」
雪乃「あなた、葉山君に告白したの?」
いろは「告白する気とか全然無かったんですけどね~…」
いろは「というか葉山先輩から告白されて…。流れで好きって言ったんです」
いろは「もちろん振られちゃいましたけどね…」
雪乃「…? その話、詳しく聞かせてもらえるかしら」
いろは「え~っと、まず戸部先輩に…」
戸部「あのさ、いろはす!」
いろは「はぁ、なんですか?」
戸部「なんかさ、隼人くんが大事な話があるって言っててさ」
いろは「えっ…?」
戸部「だから二人きりになりたいって言ってるんだよね~」
いろは「え、なんですかそれ、本当ですか!?」
戸部「まじまじ!信じてよいろはす~!」
いろは「嘘だったら許しませんから」ニコッ
戸部「ちょ、ほんとだって~!場所は…」
葉山「やあ、いろは」
いろは「なんですか…大事な話って…」
葉山「俺は、好きな人がいるんだ」
いろは「そ、それって…誰ですか?」
葉山「誰かは…言えない」
いろは「……私じゃ、ないんですね」
葉山「ああ」
いろは「私は…葉山先輩のことが好きです!」
葉山「それは、本物なのかい?」
いろは「えっ…?」
葉山「俺は本物が欲しい。だから俺のことを好いてくれているいろはに伝えたかったんだ」
葉山「いろはにも、本物を見つけて欲しい」
いろは「なんですか…本物って…」
いろは「私を…私を振るために呼んだんですか?」
葉山「すまない…。もうひとつだけ、言うことがある」
葉山「俺が好きな人は…男、なんだ…」
ヒューーー ド-ンッ!!
いろは「そう、ですか…」
葉山「優美子にはもう伝えた」
葉山「これから戸部たちにも言う」
葉山「そして、俺はその人に告白する」
いろは「…薄々、気付いてはいました」
いろは「だけど、いざ言われると複雑ですね…」
葉山「今までの俺は偽物だった。これが本物の俺なんだ…」
葉山「それでも、好きでいてくれるのか?」
いろは「すみません…ちょっと…無理です」ウルウル
葉山「俺こそ、すまない…」
いろは「いえ、応援してます。頑張ってください…!」ポロポロ
葉山「ああ…。ありがとう、いろは」
いろは「最後に…ひとつ聞いていいですか?」
葉山「ああ」
いろは「その本物は…今の関係がすべて壊れてでも、手に入れたいんですか…? 」
葉山「そうだよ」
いろは「私には…まだ分かりません…!」タッタッタ
葉山「…」(八幡…)
ヒューーー ド-ンッ!!
いろは「って感じです」
雪乃「えっ…。ちょっと待ってくれるかしら」
雪乃「頭の整理が追いつかないのだけれど、葉山君はホモだったの?」
いろは「雪ノ下先輩、知らなかったんですか?私、てっきり知ってるかと…」
雪乃「確かに怪しいとは思っていたけれど…本当に…」
いろは「あそこまで完全に振られると諦めも付きますよね~…」
雪乃「それと、葉山君は本当に本物が欲しいと言ったの?」
いろは「はい。何回も言ってましたね~…」
雪乃「ついこの間、比企谷君が同じ事を言っていたわ」
いろは「えっ…?先輩が?」
雪乃「それに、恐らく葉山君はその話を聞いていたの」
いろは「な、何が言いたいんですか…? 」
雪乃「さっき、比企谷君の元気が無かったでしょう」
いろは「えっ!? ま、まさか…?」
雪乃「その可能性は高いということよ」
いろは「えっ?どうするんですか!?」
雪乃「別に…どうってことないわ…」
いろは「いや、どうでもよくないですよね?」
雪乃「そうね…どうでもよくないわ…」
いろは「いいんですか?先輩が葉山先輩と付き合っても」
雪乃「比企谷君と葉山君が…付き合う?」ブッ!! クスクス
いろは「ちょ、笑っちゃダメですよぉ~」フフッ
雪乃「あなただって笑ってるじゃない…」クスクス
いろは「だって、先輩と葉山先輩が付き合うの想像したら…」フフフフッ
雪乃「一色さん、それ以上は葉山君に失礼よ…!」クスクス
いろは「だってぇ…」ハァハァ
雪乃「こんなに笑ったのは久しぶりだわ」ハァハァ
いろは「私もです…」
雪乃「とりあえず、このことは二人の秘密にしておきましょう」
雪乃「まだ葉山君の好きな人が比企谷君だと決まったわけではないし」
雪乃「比企谷君のことだから上手く切り抜けるでしょう」
いろは「ですよねー。同性同士のカップルってそう簡単に出来ないと思います」
いろは「雪ノ下せんぱーい!」ガラッ
雪乃「待っていたわ。一色さん」
いろは「先輩が休みって本当ですか?」
雪乃「ええ。由比ヶ浜さんがお見舞いに行ったわ」
いろは「やっぱり…本当に…」
雪乃「葉山君に告白されたのは間違いないようね」
いろは「もしかして本気で悩んでるんじゃ…?」
雪乃「人生で初めて告白されたのだから、悩んでいるんじゃないかしら」
いろは「男の人でも葉山先輩に告白されたら悩むんですかね~…」
雪乃「私が一色さんに告白されるようなものかしら」
いろは「なんですかそれ~…ちょーありえないです~」
雪乃「あくまで例えよ。特に深い意味はないわ」
いろは「で、もし私に告白されたらどーするんですか~?」
雪乃「相手が本気だったら、悩むかもしれないわね」
いろは「雪ノ下先輩、もしかして口説いてるんですか?」
雪乃「なんでそうかるのかしら」
結衣「やっはろー!」ガラッ
いろは「えっ、結衣先輩!?」
雪乃「由比ヶ浜さん、あなたお見舞いに行ったんじゃ…」
結衣「うん。なんか葉山君が行くって言って聞かなくてさー」
雪乃「由比ヶ浜さん……」
いろは「結衣先輩……」
結衣「えっ?どうしたの?」
雪乃「あなた、比企谷君を取られてもいいの?」
結衣「…? なに、どうゆうこと?」
いろは「もう手遅れかもしれないですね~…」
雪乃「そうね。背筋が凍るとはこういうことを言うのかしら」
結衣「??」
結衣「えーーー!? 葉山君がヒッキーに告白ーーー!?」
雪乃「声が大きいわ。誰かに聞かれたらどうするの」
結衣「あっ、ごめん…。でも!」
いろは「だからヤバいんですよぉ~」
結衣「えっ?なんで?だって男の子同士だよ!?」
雪乃「最近は同性同士のカップルも多いと聞くわ」
結衣「ちょっと…ごめん…目にゴミが…」ウルウル
雪乃「比企谷君がもし葉山君を選んだら、素直に祝福してあげましょう」
いろは「そうですね…」
結衣「……うん」
雪乃「…」
いろは(雪ノ下先輩…)
葉山「すまない…。俺のせいだよな…」
八幡「いや…そんなことはない…」ゴホッゴホッ
葉山「君は、好きな人がいるのか?」
八幡「…。いない、な」
葉山「…! そ、そうか…」
八幡「ただ、たった今…出来た」
葉山「えっ?」
八幡「本気…なんだな…」
葉山「ああ! 周りからどう思われてもいい…俺は、本物が欲しいんだ…!」
八幡「そうか…ありがとう」
葉山「…///」
八幡「俺の探していた本物は…お前だったみたいだ…隼人!」
葉山「八幡…!」ギュッ
小町(見てはいけないものを見てしまった)
いろは「雪ノ下先輩、一緒に帰りませんか?」
雪乃「あら、どうしたの?」
いろは「生徒会のこととか相談したいんです」
雪乃「…! ええ、いいわよ」
いろは「あと、クリスマスイベントのこともです」
雪乃「そうね。もうじきだものね」
いろは「雪ノ下先輩も、私に相談していいですよ? ……特に恋愛のこととか」
雪乃「……ちょっと、寄り道しましょうか」
いろは「はいっ」ニコッ
翌日
八幡「…」ガラッ
雪乃「…!比企谷君!」
結衣「ヒッキー!」
いろは「先輩!」
八幡「よう」
雪乃「風邪はもう大丈夫なの?」
八幡「ああ、こいつが看病してくれたからな」
葉山「…///」
雪乃・結衣・いろは「あっ…」
八幡「今日から付き合い始めたんだ」
葉山「そういうことだから、これからもよろしく」
結衣「お、おめでとー!」
いろは「おめでとうございます!比企谷先輩!葉山先輩!」
雪乃「…」
比企谷「奉仕部の活動は続けるから、安心してくれ」
葉山「よし、次はクラスの皆の所へ行こうか」ギュッ
八幡「ああ、そうだな」ギュッ
結衣(手繋いでる…)
いろは(これが…本物…)
雪乃「…」
八幡(やはり俺の青春ラブコメは間違っている)
八幡(でも、これが俺の探していた本物なんだ…)
いろは「私てきには結構演劇やりたいなとか思ってるんですよね」
玉縄「ただセパレイトするとシナジー効果が薄れるし、ダブルリスクじゃ…」
いろは「ですよねー。でも予算的なのってあるじゃないですかーみたいな?」
玉縄「それはみんなで考えていこうよ」
いろは「あっ…えっと…」チラッ
雪乃「ごっこ遊びがしたければ、他所でやってもらえるかしら?
雪乃「さっきからずいぶんと中身の無い事ばかり言っているけれど、覚えたての言葉を使って議論の真似事をするお仕事ごっこがそんなに楽しい?曖昧な言葉で話した気になって、分かった気になって、何ひとつ行動を起こさない。そんなの前に進むわけがないわ。何も生み出さない、何も得られない、何も与えない。ただの偽物」
いろは「ゆきのん先輩…」
結衣「ゆきのん…」
雪乃「これ以上、私の時間を奪わないでくれるかしら」
結衣「無理に一緒にやるより、二回楽しんでもらえるって思ったほうが良くない?それぞれの学校の個性とか出るじゃん。ね?」
いろは「はい!いいと思います」
結衣「ど、どうかな…?ね?」
折本「ああ、うん。それもあるんじゃない?」
玉縄「フー!フー!」
いろは「もう、雰囲気最悪ですよ~…」
雪乃「私は間違ったことを言ったつもりはないけれど」
いろは「正論かもしれないですけど、もっと空気を読むっていうか、いろいろあるじゃないですか?」
雪乃「…そうね。次から気を付けるわ」
いろは「はいっ! でも、助けてくれてありがとです ♥」
雪乃「だって、あんな子猫みたいな瞳で見つめられたら助けるしかないでしょう」
いろは「あっ、ゆきのん先輩口説いてるんですか?すみませんまだ心の整理がついてないのでちょっと無理です」
雪乃「そのゆきのん先輩って呼び方、やめてくれないかしら」
いろは「え~…結構気に入ってるんですけど~…」
雪乃「やめてくれたら一緒に帰ってあげえもいいわよ?」
いろは「素直じゃないですね~…雪ノ下先輩!」
雪乃「…」
雪乃「由比ヶ浜さん、クッキーの箱詰め終わった?」
結衣「うん。今出来た!私もクッキー焼こうか?」
雪乃「大丈夫よ。だから絶対に手を振れないでね?絶対によ?」
いろは「わー! このクッキー雪ノ下先輩が作ったんですかー?」
雪乃「ええ、そうよ」
いろは「すごーい!絶対おいしいですよこれ~」
いろは「雪ノ下先輩って何でも出来るんですね~!」
雪乃「そ、そんなことないわ…」
いろは「あっ、このエプロン可愛いー! 猫の尻尾付いてる~!」サワサワ
雪乃「ちょっと、あまり触らないでくれるかしら」
いろは「ちょー可愛いです」サワサワ
雪乃「ちょっと、一色さん…///」
結衣(あの二人、最近仲良しだな~…)
雪乃「それより一色さん、こんなところにいてもいいの?」
いろは「ああー、もう。絶対やばいですよ~」
雪乃「シナリオはよく書けていたし、そんなに心配いらないわよ」
いろは「シナリオはうちの書記ちゃんが頑張ってくれましたから。それに雪ノ下先輩が…」
いろは「あ、そうだ!私もう皆のとこいきますね!」
いろは「あ、それと、ケーキの方もよろしくです!」
雪乃「了解よ。会長」
結衣「おかえりー」
雪乃「お疲れ様、由比ヶ浜さん」
結衣「あ、お茶ありがとー…」
八幡「えっ、なんだこれ…?」
結衣「クリスマスプレゼント!」
雪乃「ひとりだけ紙コップというのも不経済でしょ?」
結衣「形はあたしが選んで、柄はゆきのん」
八幡「でも俺なんも用意してないんだけど」
雪乃「気にしなくていいわ。ただの紙コップ代わりだもの」
結衣「葉山君には用意してあげなよー?」
八幡「ああ…ありがとな。あと依頼も。助かった」
雪乃「どういたしまして」
いろは「あー、いいな~!クリスマスプレゼント~!」
雪乃「あなたは男子から貰えるでしょう」
いろは「貰えないですよ~…それに、雪ノ下先輩から貰いたいっていうか…」
雪乃「…また今度でいいかしら」
いろは「はいっ!」
結衣「ねえ、まだクリスマスだしパーティーしようよ!」
八幡「いや、しないだろ」
結衣「ゆきのんは予定、ある?」
雪乃「もしやるなら、空けておくとするわ」
結衣「ほんとに?やったー!」
いろは「雪ノ下先輩も来るなら私も参加したいですー!」
結衣「もちろんいいよー!」
八幡「俺には予定聞かねーのかよ。それとも、遠回しに誘ってないって言いたかったの?」
結衣「だって、ヒッキーは葉山くんと予定あるでしょ? あたしゆきのんのケーキ食べたいな」
いろは「私も食べたいです~」
八幡(もしも、願うものを与えられるのなら、欲しいものがもらえるのなら。やはり俺は、何も願わないし、欲しない。与えられるものも、もらえるものも、それはきっと偽物で、いつか失ってしまうから。だからきっと、俺は葉山隼人を求め続ける)
初詣
いろは「あのー、雪ノ下先輩の誕生日プレゼント買いに行くのどうしますか?」
結衣「じゃあ、明日とか…?」
いろは「はいっ。どんなものがいいですかね~?」
結衣「う~ん…。あ、優美子だ。やっはろー優美子!ああ、ちょっと待ってね。みんな、これからどうする?」
雪乃「私はそろそろ帰るわ。人混みは得意ではないし」
結衣「分かったー」
いろは「じゃあ、私は雪ノ下先輩と帰ります~」
結衣「うん。じゃあ、あのことはメールで!」
いろは「了解ですっ」
雪乃「一色さん、あなた…」
いろは「あっ、いろはちゃんって呼んでくださいよ!」
雪乃「……考えておくわ」
小町「あ、いっけなーい。小町ったらお守りを買い忘れてしまいましたー!
それに、絵馬も書き忘れちゃったので、ダッシュで戻りまーす!」
八幡「あー、お守りなら俺も買っとこうかな…」
小町「お兄ちゃん何言ってるの!ごみいちゃんのばか!ボケナス!八幡!」
八幡「八幡は悪口じゃねーだろ」
小町「葉山さん。では小町はここで~」
葉山「うん。今日は楽しかったよ」
八幡「んだよ、小町のやつ…」
葉山「良い妹さんだね」
八幡「だな」
小町「あ、いっけなーい!」
小町「小町ったらお守りを買い忘れてしまいましたー!」
小町「それに、絵馬も書き忘れちゃったので、ダッシュで戻りまーす!」
八幡「あー、お守りなら俺も買っとこうかな…」
小町「お兄ちゃん何言ってるの!ごみいちゃんのばか!ボケナス!八幡!」
八幡「八幡は悪口じゃねーだろ」
小町「葉山さん。では小町はここで~」
葉山「うん。今日は楽しかったよ」
八幡「んだよ、小町のやつ…」
葉山「良い妹さんだね」
八幡「だな」
結衣「これとかどうかなー?」
いろは「あ、これ可愛いです!」
結衣「メガネ掛けると頭良さそうじゃない?」クイッ
いろは「あ、確かに!それありますね~!」クイッ
陽乃「あっ、結衣ちゃんじゃん!」
葉山「やあ」
結衣「陽乃さんに葉山君!?どうしたんですか?」
陽乃「ちょっと親がねー」
いろは「あの~…」
陽乃「んー、誰?」
いろは「はじめまして。一色いろはっていいますっ」
陽乃「あ、もしかして生徒会長!?」
いろは「はい…」
陽乃「わー。なるほどー、うんうん」
いろは「あの、もしかして雪ノ下先輩のお姉さんですか…?」
陽乃「え。なんで分かったの?やっぱり似てる?」
いろは「お姉さんの話を雪ノ下先輩から聞いたことがあったので…」
陽乃「え。雪乃とそんなに仲良しなんだ?」
いろは「そうですね…最近は仲良くさせてもらってます」
陽乃「そっか~。これからも仲良くしてあげてね?」
いろは「はいっ!」
陽乃「あーそっかー。雪乃ちゃんもうすぐ誕生日だもんね、それでー…」
結衣「はい!」
葉山「俺たちは両親同士が親しくしてて、今日はそれに付き合わされてるだけさ」
陽乃「親なら今別のあいさつ回りにいってるよー。私達はそれ待ち」
いろは「ああ、なるほど~…」
陽乃「あ、そうだ。電話電話」
雪乃『もしもし』
陽乃「あー雪乃ちゃーん。お姉ちゃんですよー。今から出てこれるー?」
雪乃『切るわ』
陽乃「あれ?いいのかな?」
雪乃『なに』
陽乃「実はねー…結衣ちゃんといろはちゃんも一緒なの」
結衣「やっはろーゆきのん!」
いろは「雪ノ下先輩~!」
雪乃『はぁー、呆れた。どうしてあなたがそこにいるの?』
いろは「えっと、それは…」
結衣「しっー!」
雪乃『はぁ、すぐ行くわ』
--
---
いろは「雪ノ下先輩のお姉さんとお母さん、聞いた通りの人でしたね」
雪乃「ええ…」
いろは「雪ノ下先輩と葉山先輩が許嫁なんて…このままじゃ…」
雪乃「その事は由比ヶ浜さんや比企谷君には内緒よ」
いろは「分かってます。私、こう見えても口は堅いんです」
雪乃「葉山君と比企谷君の関係が母さんにバレたら…大変なことになるわ」
いろは「考えたくもないですね…」
雪乃「葉山君は助けてくれないし…結婚なんて…絶対に嫌よ…」
いろは「雪ノ下先輩!」
雪乃「…?」
いろは「私がどうにかしてみせます!」
雪乃「でも…悪いわ…。それに、どうやって…」
いろは「葉山先輩に知られずに、比企谷先輩にも気付かれずに、許嫁を解消させる方法があるんです♪」
雪乃「でも、なんで…そんなに…」
いろは「だって私たち、本物の友達じゃないですか」ニコッ
雪乃「…っ!」ドキッ
陽乃「どうしたの雪乃ちゃん。大事な話ってなに?」
雪乃「母さんが来ていないようだけれど」
陽乃「ああ、用事でちょっと遅れるって。 で、なんの話?」
雪乃「許嫁の件だけれど、無しにしてほしいの」
陽乃「やっぱり、ね。え、なに、彼氏でも出来たの?」
雪乃「もしそうだとしたら、無しにしてくれるのかしら?」
陽乃「厳しいんじゃないかなぁ?」
雪乃「でしょうね。じゃあ、私の恋人を紹介するわ」
陽乃「…うん?」
いろは「こんにちは~!お久しぶりです。お姉さん♪」
陽乃「……なに?コント?」
いろは「私たち、付き合ってるんです♪」
雪乃「そうなの」
陽乃「は、はぁ…」
陽乃「え、なに、雪乃ってそっちだったの?」
雪乃「いろはちゃんと出会うまではノーマルだったわ。でも今はそっちよ」
いろは「私もでーす♪」
陽乃「そんな小芝居で私が騙されると思う?」
いろは「あっ、酷いです。私たち本気で愛し合ってるのに…」
雪乃「そうよ。週5でデートしてるわ」
陽乃「ふーん。じゃあもちろん体の関係もあるわけだ?」
雪乃「も、もちろんよ」
いろは「当たり前じゃないですかぁ。もぅラブラブですよぉ~」
陽乃「じゃあ、キスして?」
雪乃「…! こ、ここで…?」
陽乃「もちろん」ニヤリ
いろは「せんぱぁい…目、瞑ってくださぁい…」
雪乃「え、ええ…分かったわ」
いろは「ん…」チュッ
陽乃「ほう」
いろは「先輩の唇、相変わらず柔らかいです♥」
雪乃「いろはちゃんこそ、柔らかいわよ」
いろは「もぉ~…♥ 」チュッ チュッ…
雪乃「ん…いろはちゃん…///」
陽乃「ワオ」
いろは「先輩、舌入ってますよぉ…♥ 」レロレロ
雪乃「先に入れてきたのは…そっちでしょう…」レロレロ
陽乃「も、もういい!もういいから!ね? 」
いろは「えぇ~…良いところだったのにぃ…」
雪乃「そうよ。邪魔しないでくれるかしら」
陽乃「見てるこっちが恥ずかしくなってくるわ…」
雪乃「…そういうことだから、葉山君以前に男性とそういう関係になるのは無理なの。考えただけで吐き気がするわ」
陽乃「なるほどね。じゃ、母さんが来るの待ちましょうか」
いろは「先輩、続きしたいです~…」サワサワ
雪乃「だ、だめよ、だめだめ…」
陽乃(演技と思ってたけど、もしかして本当に…??)
母乃「お待たせ、雪乃。あら、そちらの方は確か…」
いろは「お久しぶりです。……実は、私と雪乃さんは……」
母乃「…?」
タッタッタッタ…
葉山「やっと見つけました…!母乃さん!!」
母乃「隼人くん?ど、どうしたの?」
いろは「葉山先輩…!?」
雪乃「…!?」
陽乃「どしたの、隼人」
葉山「俺と雪乃ちゃんの許嫁を無しにしてほしいんです。今日はそのお願いに来ました!!」
母乃「あら、でもどうして…」
葉山「俺には…彼氏がいるんです!!」
母乃「……えっ?」
陽乃「!?」
葉山「相手は比企谷八幡!俺から告白しました!!」
母乃「え、ちょっと…」
葉山「証拠ですね!?ありますよ!プリクラにキス写メ、ハメ撮りだってほら!!!」
母乃「」気絶
陽乃「わ、え、ま、まじ?」
葉山「ああマジだよ!動画もあるぞ!?見ますか陽乃さん!?」
陽乃「え…うわ…ええ…」
葉山「許嫁、無しにしてくれますよね!?こんな俺と雪乃ちゃんじゃとても釣り合わない!!!」
葉山「もう俺の親には言ってきました!! 許嫁は無しということでいいですね母乃さん!?」
母乃「あ、当たり前でしょ…!!このガチホモ野郎!!!どっか行って!!!」
葉山「雪乃ちゃん、いろは…。本物は凄いよ。僕をこんな風にさせてしまう」
雪乃「葉山君…その、ありがとう…」
葉山「いいんだ。昔、助けてあげられなかったこと…。まだ後悔してる」
葉山「だから、今日のこれで少しは助けてあげられたかな」
雪乃「ええ…もちろんよ…」
葉山「いろは。君も早く本物を見つけるといい…。幸せを祈ってるよ。じゃあ」
いろは「葉山先輩…」
いろは「もう、見つけましたよ…。
私の、本物。」
おわりです。
ノープランだと上手く纏まらないなあ…。
もし希望があれば番外編書きます。
このSSまとめへのコメント
ワロタwww
ガハマさん取り残された(笑)
陽乃さんと母乃さんの仮面が・・・・・・