─── 魔王の宮殿にて ───
魔王「うー、もうちょい寝たい。」
執事「今日の正午頃に勇者一行がこの城に到着する予定です。」
メイド「低血圧の魔王様には早めに日向ぼっこしていただいて万全の体制でいて貰わないと……。」
魔王「んー、んじゃ紫外線ライトつけて、うたた寝してるとこ襲われたらやだし。」ガバッ
執事「恐れ入ります。」
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ガサガサゴソゴソ
魔王「うーん、でも勇者に会うにしてもいい服がないなあ。」
メイド「そうですね……このマントを羽織ってみてはいかがでしょうか?」
魔王「これ高いからあまり着なかったけど似合う?」
執事「かなりお似合いでございます魔王様。」
メイド「めちゃめちゃ可愛いです魔王様。」
魔王「てれる。」
魔王「一応私も魔族の総元締めってことだし冠は付けるべきだよね。これとか威厳あっていいと思う。」
執事「お言葉ですが魔王様、ただでさえ見た目が厳つい魔王様にその冠は小さ過ぎて可愛らしくなってしまいます。
あまり魔王様が愛らしいと勇者が変な目で見てくるのではないかと。」
メイド「ギャップ萌えしてしまいます。」
魔王「なるほ。」
魔王「勇者一行のスペックってどんな感じ?」
執事「資料をお持ちしましたのでこちらのスクリーンをご覧ください。」
メイド「よっこらえっこら」
カシャ
執事「勇者は異世界から棒状の召喚します。見てくれはただの突起の付いた棒ですがこれを使い西の山のドラゴンを倒したそうです。」
魔王「ああ、西の山の・・・・年だったしねあのドラゴン。これ、前世で見たことある。映画に出てた、ロケットランチャーだっけ……あとマシンガンもある。」
カシャ
執事「次に魔法使い、魔術アカデミーを主席で卒業。魔法学最高権威である魔法学会次期会長を蹴り、自身の力を試す為勇者一行に加わったということでございます。」
カシャ
執事「デブです。異世界から来たようです。異世界での知識は豊富で全てが的中。参謀を務めています思い描いた食べ物を実体化する能力を持っています。」
魔王「便利。」
魔王「ミリタリーチート、学歴チート、転生パワー系チート、チートのグランドスラムでトリプル役満死亡フラグ確定。互助会入ろうかな。」
執事「問題ありません。魔王様の前世の言葉で言えば『余裕のよっちゃん』です。楽勝です。
万物を確実に捉える六つの眼孔、ドラゴンの火弾の直撃も無傷で耐えうる鱗、
鋼の鎧を貫く触手、一振りで岩をも砕く尾、
そして魔力を封じた合金ですら噛み切る顎を持つ魔王様の敵ではございません。」
魔王「不安。」
魔王「とりあえず作戦を立てようと思う。先代や先々代はどうやって倒されたの?」
執事「二の丸への門を突破されオークの近衛部隊を本丸の正面前に固めて撤退への時間稼ぎを計ったのですが。」
┌────────┐
┌───┘ 二の丸 |
│ └──────────┬─┐
│ ┌──────┐ │大┃
│ │ │ ● │手┃
│ │ 本丸 | ● △三三 .│門┃
│ │ │ ● 勇者 │ ┃
│ └──────┘オーク .┌────┴─┘
└──────────┐ ┌┘
│ │
└──────┘
ブラッドバス
執事「勢いを殺せず城に突破され城全体が血風呂というのがこれまでのパターンです。」
魔王「残酷。」
┌────────┐
┌───┘ ヽ人 |
│ <>・;(,, ";,;⌒.'ノ从・└──────────┬─┐
│ ヽ:;*゙ヘ(´:(´;⌒;从;人;<> │大┃
│ r(⌒;''':`..’て,,(;;::ソi],;)j> │手┃
│ (´⌒;人;;从; ;:人;:`)三三 .│門┃
│ <・;*';※;:・;:.;.'て │ ┃
│ //;ヽ_,、{-=;'ヽ\゙Y`ヾ .┌────┴─┘
└──────────┐ ┌┘
│ │
└──────┘
魔王「しかし策はある。今回その逆を行う。」
執事「逆・・・と言いますと?」
魔王「全ての城門を開け私が城の広場に鎮座する。皆は勇者一向が城に入ったら門を閉めて外で待ってて。」
執事「何をなさるおつもりですか?」
魔王「こういうものは相手を勢い付かせてはならない。あえて楽してラスボスと対面させてやる。
これまでとことんチート使ってズルして舐めプレイして楽してここまで来た連中に肩透かしさせ、ガッカリさせ、後悔させ、もう魔王討伐なんて行きたく無いと思わせてやる。」
執事「・・・・・魔王らしくなられましたね。良い笑顔です。」
メイド「うぅ・・・・魔王様怖いです。」
魔王「あ、勇者の前で言う台詞書いてもらっていい?緊張してるからカンペ無いと多分噛む。」
執事「かしこまりました。」
魔王「ありがと。」
今日はここまで。
初投稿ですがよろしくお願いします。
─── 魔王の城の正門前 ───
勇者「着いたが魔物がいる気配は無いな」
デブ「モグモグ・・・ムグムグ・・・ンブッ、モグモグモグモグ」
魔法「先客でもいたのかしら?あとデブ、汚いからスペアリブを束で食べるのやめなさい」
デブ「ムシャムシャ・・・・ングッ、罠らしい罠は本当に罠。JRPGの鉄則」
勇者「まぁ、何が出ようと鉛玉ブチ込めば動けなくなるさ。行くぞ。」ジャキ
─── 場内広間 ───
バタンッ
魔王「ここの①のとこからだよね。ふっふっふ……よくぞここまで来たのう。敬意を表するぞ勇者よ。」カンペヨミヨミ
勇者「はぁ、魔王の姿はある程度は覚悟していたが・・・・アレを直視するな!正気を失うぞ!!」
魔法「うわっ、え、何アレ…鳥肌が止まらない…怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い」
デブ「うおええぇぇぇぇえぇぇええええぇぇ」ビチャッビチャビチャビチャ
魔王「妾を屠りに来たのであろう?えー、妾も他の魔物と同様に貴様ら人類の妬み、憎しみ、殺意から生み出された化身ぞ。恐怖すべくは貴様ら人間の中に宿る業では?」
勇者「クソッ、デブッ!魔法使いッ!奴を見るな!!畜生、畜生!目を合わせるな!目を合わせるなぁぁぁ・・・。」
魔法「怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い・・・・帰りたい孵りたい還りたいカエリタイ」
デブ「おえええええぇぇぇぇぇぇぇおえええええぇぇぇっぇえっぇぇぇっぇぇぇっぇ」ビチャビチャビチャビチャグチャグチャグチャ
魔王「えー・・・・っ、ここで妾を屠ったところで貴様ら人類が戦争を繰り返したり誰かを騙したりうんたらをしている限り何度でも、何度でも存在し続ける事が出来るの・・・ね。」カンペペラペラ
勇者「ハァ、ハァ・・・・手の震えで照準がブレやがる!殺される殺される殺される殺される、殺され・・・・っ!」バンッバンッ
魔王「ここは漢字読めないからパスで・・・・えーっと貴様らの勇気が人の業のソレを乗り越えることを証明したいならば私を殺してみ・・・・・・・はひんっ」
カキンッ
魔法「ヒギッ!?ゆ、勇者・・・・っ、なんで、なんで・・・」ガクッ
勇者「え、えっ!俺は、俺は、違う・・・・違うっ!俺はっ!俺は何も、何もしてないっ!!弾が兆弾したんだ!俺は違う!!」
デブ「おえええぇぇぇぇぇおえええええぇぇぇうえっ!うえっぇぇぇっぇぇぇっぇ」ビチャビチャビチャブチャビチャビチャブチャ
魔王「えー・・・・っ、ここで妾を屠ったところで貴様ら人類が戦争を繰り返したり誰かを騙したりうんたらをしている限り何度でも、何度でも存在し続ける事が出来るの・・・ね。」カンペペラペラ
勇者「ハァ、ハァ・・・・手の震えで照準がブレやがる!殺される殺される殺される殺される、殺され・・・・っ!」バンッバンッ
魔王「ここは漢字読めないからパスで・・・・えーっと貴様らの勇気が人の業のソレを乗り越えることを証明したいならば私を殺してみ・・・・・・・はひんっ」
魔王「ひやぁ・・・頭が、ぐわんぐわんする・・・」
勇者「はぁ、魔王おおおおお!!!!お前、お前がやったんだろうお前が、魔法使いを!!!」ジャキッ!ジャキッチャキッガコンッ
魔王「ふえぇ・・・?耳鳴りで聞こえない」キィーーーーン
勇者「ふ、ふざけるなあああああああああ!!!!!」ダダダダダッ!!!!ガガガッ!!!
魔王「へうっ!ちょっと待っ!あうっ!痛いっ痛いっ」
ガキンッ!キンキンキンッ
デブ「えぐっ!?勇者おま、え・・・なんで・・・ガクッ」ビチャビチャッ、ドチャ
勇者「デブッ!デブウウゥゥッ!き、貴様よくもデブを!!!はあ、はあ・・・・」
すいません>>17はこれでした申し訳ありません。
魔王「ひやぁ・・・頭が、ぐわんぐわんする・・・」
勇者「兆弾・・・・魔王おおおおお!!!!お前、お前がやったんだろうお前が、魔法使いを!!!」ジャキッ!ジャキッチャキッガコンッ
魔王「ふえぇ・・・?耳鳴りで聞こえない」キィーーーーン
勇者「ふ、ふざけるなあああああああああ!!!!!」ダダダダダッ!!!!ガガガッ!!!
魔王「へうっ!ちょっと待っ!あうっ!痛いっ痛いっ」
ガキンッ!キンキンキンッ
バスバスッ
デブ「えぐっ!?勇者おま、え・・・なんで・・・」ビチャビチャッ、ドチャ
勇者「うぐっ!ぁ・・・・俺は、なにもして・・・・」ガクッ
魔王「いっ、痛いー・・・・全く、ちゃんと話聞いてよっ!」フラフラキョロキョロ
勇者「」
魔法「」
デブ「」
魔王「え、ええー・・・・」
執事「お見事です魔王様。」
─── その夜、魔王の部屋にて ───
執事「魔王様、失礼します。」
魔王「うーん、入って良いよ。」
執事「本日は勇者討伐お疲れ様でした。今回勇者迎撃は十回目ということで配下の者達から迎撃記念パーティの提案がありました。わたくしからも、魔王様の気分転換の為にも宴は一考かと。」
魔王「私は構わないよー・・・・あれ、私ってさ、本当に可愛いかなあ。」
執事「はい、魔王様は大変可愛らしいでございます。」
魔王「まじか。」
おしまい。
めっちゃ焦りました。
おやすみなさい。
魔王は爬虫類のイメージで書いてました。
拙い文章を読んでくださりありがとうございます。
ではでは。
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