【響け!ユーフォニアム】二人の県祭り (37)

ユーフォニアムアニメ勢です。
八話の県祭り中の妄想SS。
実際の地形とSS中の表現で異なるところがあるかもしれません。そこは妄想ということで。
書き溜めあり。
百合っぽいので苦手な方はご遠慮ください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433761457

優子「はぁー、せっかくのあがた祭りなのに・・・」

優子「ど、う、し、て!あんたと二人で回らないといけないのよ!」

夏紀「そりゃこっちの台詞だって・・・」

優子「うぅー!かおり先輩と来たかったー!」

夏紀「振られたんだからしょうがないじゃん」ニヤ

優子「うっさい!」ガー

夏紀(知り合い数人とテキトーに祭りを楽しもうと思っていたのだが、みんな塾だとかデートだとかで忙しいらしく、私たち二人だけになってしまった)

夏紀(よりによってなぜこのリボンなんだろう。まあ一人で回るよりはマシかなぁ)ハァ

優子「あーーーかーおーりーせーんーぱーいー」ギャー

夏紀「・・・そうでもないかも」

優子「何か言った!?」ギロ

夏紀「なんでもない(こいつめんどくさい・・・)」

優子「まっ!いいわ。愚痴っても変わんないし。さ、回るわよ」ケロッ

夏紀(マイペースだなあ)

ガヤガヤ
パーン パーン


優子「あ!射的!私得意なのよ!」

夏紀「そーなんだ」

優子「む・・・信じてないわね・・・おじさん!一回!」500エン

おじさん「あいよー」

優子「見てなさいよ・・・とおっ!」パン

スカッ

オシイネー

夏紀「・・・」

優子「い、今のは肩慣らし!今度こそ!たぁっ!」パン

スカッ

オジョーチャン ヨク ネラッテー

優子「・・・」

夏紀「これは結構な腕前で」フフフ

優子「ち、違うのこれは!その、なんというか・・・ぶらんく?そう!ブランク!」

夏紀「・・・」

優子「も、もう一度・・・!」パン

スカッ

アトイッカイダヨー

夏紀「・・・」

優子「・・・なによ。笑いなさいよ」

夏紀「・・・構え方が、違う」スッ

優子「えっ?」

夏紀「右手は、こう」ギュッ

優子「えっ?えっ?」

夏紀「左手が、こうで・・・」グイッ

優子「っ!?!?」カァァ

夏紀「狙いやすいように、銃に顔を近づけて構える・・・」

優子(な、なんか後ろから抱きつかれてるみたい!?)

優子(うぅー、なんか背中にやわらかいのが当たってるぅ・・・)ドキドキ

夏紀「景品の真ん中よりやや下らへんを狙うほうが・・・って聞いてる?」

優子「あっ!?ひゃい!きいてます!?」

夏紀「・・・ならいいけど。ほら、撃ってみて」

優子「は、はいっ!」パーン

ビスッ

ドサッ

ネエチャンヤルネー

優子「あ、落ちた!すごい!」ワー

夏紀「ほら、私の言うとおりにしたら、出来たでしょ?」フフン

優子「うん・・・あり、がとぅ」ボソッ

夏紀「え・・・?どういたしまして・・・?」

夏紀(てっきり『これが実力よ!』とか開き直ってくるかと思ったけど・・・調子狂うなぁ)ウーン

夏紀「で、何とったの?」

優子「え?えーと・・・『チューバくん目覚まし』だって!」テレレレーン

夏紀「だって、って・・・欲しいからやったんじゃなかったの?」

優子「べつにー?射的がやりたかっただけ!」ニカー

夏紀(・・・謎なやつだ)

―――

優子「うー、おなかすいたー」グー

夏紀「あたしも。そういえばまだ何も食べてないや」グー

優子「あ!りんご飴だ!食べたい!」ピュー

夏紀「あたしはいいや。あんまり好きじゃないから・・・ってもう買いに行ってるし」ハエー

夏紀「・・・戻ってくる前に隠れたらどうなるかな」

夏紀(・・・リアクションが想像つかないけど、面白そう)

優子「おまたせー!」ダダダ

夏紀「はやっ!」オモシロミニカケル・・・

優子「ふふ・・・お祭りならではの味よね、りんご飴!」

夏紀「ふーん、あたしはいい思い出無いなー、りんご飴」

優子「えっ?どういうこと?」

夏紀「小さいころ、思いっきりかじりついて乳歯が抜けたり、飴のかけらで口の中切ったりした」

優子「ふ、ふふっ、ばかじゃないの?」クスクス

夏紀「えっ!?なに?そのくらいみんな普通にやるでしょ!?」

優子「や、ら、ないわよっ、ふふっ」クスクス

夏紀「そ、そうだったんだ・・・」ガーン

優子「あんたってちょっと抜けてるところあるわよね・・・」

優子「いーい?りんご飴はね、まずこうやって周りの飴をなめて、薄くするの」ペロペロ

夏紀「へー」

優子「それから、りんごにかじり付くのよ」ペロペロ

夏紀「なるほど」

優子「いきなり飴ににかじり付くような人がいるなんて思わなかったわよ」ペロペロ

夏紀「うぐっ、言ってくれるなぁ」グヌヌ

優子「あー甘くておいしー!」ペロペロ

夏紀「・・・」ジー

優子「この外側の飴って、何味って言えばいいのかしら?」ペロペロ

夏紀「・・・」ジー

優子「この飴とりんごを一緒に食べるのもまた・・・!」シャク

夏紀「・・・一口ちょうだい」ゴクリ

優子「え?さっき好きじゃないって」

夏紀「見てたら食べたくなったの。ほら、射的教えてあげたでしょ。そのお礼に」プリーズ

優子「え、ええぇ!?」

優子「え、ええぇ!?」

優子(一口・・・この状態でひとくちって・・・ことは・・・)カァァ

優子(それって・・・間接キス・・・?)カァァァ

夏紀「隙あり!もーらいっ」シャクッ

優子「あ、ああぁぁあっ!?」ガガーン

夏紀「え、うそ、ごめん、そんなに食べたかった!?」

優子「い、いやそうじゃなくてっ、その・・・かんせつ・・・」ゴニョゴニョ

夏紀「? 関節?ひじでも痛いの?」

優子「ち、ちがっ、なんでもない!」シャクッシャクッ

夏紀「おー食べるのはやーい」

優子「シャクシャクシャク」カァァ




夏紀(いや、まさか、『間接』キスって言おうとしたわけじゃ・・・ない、よね?)ドキ

―――

夏紀「あ、たこ焼き屋」グー

優子「そういえばまだあんたほとんど食べてないわよね」

夏紀「おいしそう」ダッシュ

優子「私はどちらかといえばお好み焼きのほうが・・・ってもういない!?」ガーン

優子「まったく・・・食べ物屋台にダッシュなんて・・・女子高生なのにはしたないわねぇ」ヤレヤレ

優子(なんかあいつだけ人ごみの中でも目立ってる気がする)ジー

夏紀「おまたへー」モグモグ

優子「食べるのはやっ!?あと口に物入れてしゃべらない!」コラー!

夏紀「はいはい」

優子「はいは一回よっ!」ガー!

夏紀「はい」パクパク

夏紀(こいつ意外とちゃんと躾けられてる・・・)

優子「まったくもう・・・」トテトテ

夏紀「・・・」モグモグ

優子「・・・」トテトテ チラ

夏紀「・・・」パクモグモグ

優子「・・・」チラ チラ

夏紀「・・・♪」モグモグ

優子(・・・歩くたびにポニテがゆれて面白い)ジー

夏紀「・・・」モグモグ

優子(なんか前から冷めてて大人びてるなーって思ってたけど)ジー

優子(こうしてたこ焼きほおばってると子供みたいね)クス

夏紀「・・・?」モグモグ

優子(・・・まつげ長い・・・笑ってる顔、けっこーかわいい・・・)ジー

夏紀「・・・食べたいの?」

優子(・・・ってわたし、何考えてんだろ・・・)ポケー

夏紀「ほい、あーん」ヒョイ

優子「はい!?あー・・・ん!?」パクッ

夏紀「まったく、特別だぞー」ヤレヤレ

優子(んんっ!?なんでわたし『あーん』されてるの!?)カァァ

優子(いや、ここはとりあえず・・・)

優子「あ、ありがとね」カァ

夏紀「う、うん(素直・・・)」ドギマギ

夏紀(・・・あーなんか調子狂うなぁ)モンモン

優子(とりあえずなんか話題を・・・あ!)

優子「あ!あれ!あれって、後藤と長瀬じゃない?」

夏紀「あ、ほんとだ!ちょっと、声かけ・・・」



梨子「はい、あーん♪」

後藤「おぅっ・・・」モグモグ

梨子「どう?おいしい?」

後藤「あ、ああ・・・おい、しい」テレ

梨子「ふふ、もうひとつ、どーぞ♪」



夏紀「・・・るのは、やめとこうか」カァァ

優子「そ、そうね・・・」カァァ

夏紀(よ、余計気まずくなっちゃった・・・)

優子「・・・」モジモジ

夏紀(う、うぅ・・・なんなんだこの空気)

優子「・・・」ソワソワ

夏紀(今度こそ何か・・・あ!あいつ!)

―――

夏紀「なんだよー、塾で来れないって言ってたじゃん」

モブ「ふっふっふっ、授業の合間を利用しての、超綱渡り的なお祭りの楽しみ方!というわけで10分くらいしかいられないから!」

優子「そこまでしてお祭りに来たいの?」

モブ「もっちろん!お祭りのときにしか出来ないこと、たくさんあるもん!」

優子「塾行ってると大変ねぇ」

モブ「まあねぇ・・・あーっ!射的だ!射的やりたーい!お祭りといえば射的!」ワーイ

優子「えーっ、もう私さっきやったんだけどー」

夏紀「いーじゃん、今度はあたしがやるよ」

優子「えっ、いや、じゃあ私もやる!」

モブ「よしっ決まり!おっちゃん!三人分の銃よろしくぅ!」


アイヨー

モブ「よーし、たくさん落とすぞー!」グッ

夏紀「今度は、あたしのサポートは無しで大丈夫だよね?」

優子「もっ、もちろんよ!もうコツはつかんだわ!」

優子(うぅ・・・別に残念だなんて、思ってないんだから!)シュン

夏紀「よーし、いけっ!」パン パン


ビシビシッ

コロン


夏紀「やったっ!もういっちょ!」パン パン


ポテン


モブ「うわっ上手い!意外な特技だねー」パチパチ

夏紀「どーよ」エヘン


優子(負けてられない・・・ここは!)

優子「とおっ!」 パンパン


スカッ


優子「うぐぅ・・・まだまだ!」

優子(真ん中より、下・・・!)パンパン

夏紀「おっ・・・」


ビシッ

ポトッ


優子「やったっ!」グッ

夏紀「おめでとー」パチパチ

モブ「二人ともすごいなぁ・・・私なんか的にかすりもしないよ・・・」トホホ・・・

夏紀「あー、それはたぶん構え方かどっかおかしいんだよ。ちょっと見せて・・・」ス・・・


優子「だ、ダメーーーっ!!」ガー!!


夏紀「え、えっ?」アゼン

モブ「やっぱ私の構え方・・・だめ?」シュン

優子「えっ?・・・ああうん、駄目よ!」ダメ

優子「まず左手をこうして・・・」ギュッ

モブ「ふむふむ・・・」

夏紀「・・・あ、あれ?」ポツン

―――

夏紀「結局、最後に一発だけ当てて塾に戻ってったね」

優子「私の教え方がよかったのかしら」フンス

夏紀「落とせなかったけどね」クス

優子「それは・・・まあ、本人満足そうだったし良いじゃない」

夏紀「ふふっ、そーだね・・・ところで、私が構え方教えようとしたとき、止めたじゃん?」

優子「」ギクッ

夏紀「あれ、なんで?」

優子「えー、いや、それは、なんというか・・・」モジモジ

夏紀「私の教え方、なんか問題あったかな・・・」

優子(・・・なんかよくわかんないけど、こいつが、他の人にも教えるのが嫌だった、っていうか・・・)モンモン

優子(あーなんだろ!わかんない!わかんない、けど・・・たぶん、こいつのせい・・・)カァァ

夏紀「!?(なんか顔赤い・・・怒ってる?聞いちゃまずかった?)」

優子「・・・」モジモジ


夏紀(ここは・・・!)キョロキョロ

夏紀「くじ引きだ!くじ引きでもやろうかな!」

夏紀(何だこのキャラ・・・)

優子「くじ引き・・・?」

夏紀「ほら、あそこ!」

優子「!!」リボンピーン

夏紀(何か景品で欲しいものでもあったかな?)

優子「そ、そうねっ!せっかくお祭りに来たんだし、一回ぐらい、くじ引きするのが普通よねっ!」アセアセ

夏紀(欲しいものがあったのか・・・)ワカリヤスイ

夏紀「んじゃー一回運試しっと」チャリン

優子「わ、私も、わたしも!」チャリン

コノナカカライチマイヒイテネー


優子「ふんぬぬぬ・・・」ゴゴゴ

夏紀(すごい気迫を感じる・・・わたしはテキトーでいいや)ソレッ

ピリッ

夏紀「28番・・・(これって良いの?悪いの?)」

優子「せいやぁーっ!これっ!」ビシッ

ピリッ

優子「411・・・番」ガックシ

おっちゃん「リボンのお嬢ちゃんは・・・残念!そこのお菓子から好きなの3つもってっていいよー」

優子「うーん・・・」ザンネン

おっちゃん「ポニーテールのお姉さんは・・・おめでとう!クマのぬいぐるみでぇーっす!」カランカラン

優子「!!!」ガクゼン

夏紀(あっ・・・もしかしてこれ・・・)ヒヤアセ

おっちゃん「もう一回やってくかい?」

優子「いいです・・・」ガックシ

夏紀(まさかこいつが欲しがってたのって、これ!?)

テクテクテク・・・



優子「・・・」ショボーン

夏紀(沈黙が痛い)

優子「・・・」ジー

夏紀(そして視線が痛い)

優子「はぁ・・・」ズーン

夏紀「そ、そー気を落とさないで!その分何か良いことあるよ!たぶん」

優子「うぅ・・・何でわたしがお嬢ちゃんでこいつはお姉さんなのよぉ・・・」ブツブツ

夏紀(・・・なんかぼやき始めた!)ウワ

優子「同い年だし・・・身長もそんなに変わんないのに・・・」ブツブツ

夏紀(別にこのぬいぐるみをあげるのは構わないんだけど・・・)

優子「そういえば・・・最初の射的の店でもお嬢ちゃんて・・・」

夏紀(こいつの性格からしてぬいぐるみなんて素直に受け取らないよなぁ・・・)

優子「ううぅ・・・なに?リボンは子供でポニテは大人なの?・・・」ブツブツブツ・・・

夏紀(やばい!何とか早く手を打たないと・・・!)

優子「どうせわたしなんか・・・先輩にもフられて・・・」ブツブツブツブツ・・・

夏紀「(もう考えてる時間が無い!)あの、さ!今日はありがとう!」

優子「ワタシナンカ・・・えっ!?何?」

夏紀「だから、一緒に回ってくれて、ありがとう。あん・・・優子がいなかったら、きっと退屈だったよ」

優子「・・・!?」ドキッ

夏紀「だから、その・・・あたしが今日楽しめたのは、優子のおかげであって、つまり、その・・・」ワタワタ

優子「・・・」ドキドキ

夏紀「ありがとう!そのお礼に!これ、あげる!」バッ

優子「ふえっ!?これ・・・さっきのぬいぐるみ・・・いいの?」

夏紀「もちろん!あたしあんまこういうの興味ないし・・・」アハハ・・・

優子「・・・あり、がとう。大事に、する」ギュッ

夏紀(・・・あれ!?素直・・・なんか今日、こいつ、変、だ・・・?)タジタジ

優子「えへへ、すごく、うれしい」ニコ

夏紀「!」ドキッ

夏紀(う、ぅ?なにこれ・・・)ドキドキ

夏紀「そ、そっかー、よかったー、アハハ」ドキドキ

優子「・・・」ドキドキ

夏紀「・・・」ドキドキ

優子「・・・あ、あの・・・」

夏紀「ん、な、なに・・・?」

優子「え、えーと・・・あっ、いつの間にか、祭りの通りから離れてるわね!」

夏紀「あっ!・・・本当だ・・・」

夏紀「いつの間にこんな神社の隅っこに・・・」

優子「・・・まわり、だれも、いないね」モジ

夏紀「!?・・・そ、そうだね・・・」タジ

優子「・・・」ドキドキ

夏紀「・・・」ドキドキ

優子(な、何か・・・)ドキ

夏紀(この空気を変える・・・)ドキ

優子(きっかけが・・・)ドキ



(欲しい・・・!)


♪~~♪~~




「!!」


優子「・・・この音!トランペットと・・・!」

夏紀「ユーフォニアム・・・?」

優子「・・・いい音」

夏紀「なんて曲だっけ・・・これ・・・」

優子「たしか・・・『愛を見つけた場所』」

夏紀「これ・・・吹いてるの二人だけ、だよね・・・」

優子「うん・・・でもすごく息ぴったりで、きれいなハーモニーね」

夏紀「本当に。ただ上手なだけじゃなくて、なんていうか、心がこもってる」

優子「そうね・・・お互いをちゃんとわかってる、って感じがするわ」

夏紀「ふふ、思わぬ、素敵なプレゼント、だね」ニコッ

優子「!!」ドッ

優子(胸が・・・くるしい・・・でも)ドキドキ

優子(今なら・・・今なら、言える気がする!)バクバク

優子「あの・・・な、夏紀」

夏紀「!・・・何?」

優子「ちょっとまって・・・」スーーハーー

夏紀「・・・?」ドキドキ

優子「わ、わたし、夏紀のことが、・・・すき」

夏紀「!?・・・えっ?隙・・・好き?・・・って、えぇ!?」

優子「・・・」コク

夏紀「す、好きって、どういう、好き?」タジ

優子「もちろん、恋愛的な意味!愛してる!そばにいたい!かまってほしい!」

優子「・・・独り占めに、したい」ボソッ

夏紀「っ、そんな、急に、言われて、も」タジ

優子「それで、どう、なのっ?嫌?それとも、良い?」ズイ

夏紀「だ、だから、急に、言われても、わかんない、って」タジタジ

優子「もう言っちゃった以上、後には引けない、の。わたし、は!」ズイズイ

夏紀「う、わ、ぁ!?」ドサッ

優子「あっ、夏紀、大丈夫!?」

夏紀「へ、へいき・・・」ハァ

優子(後ずさりしすぎて尻餅ついたのね・・・)ハァハァ

優子(なんか・・・これじゃ私が押し倒したみたいじゃない・・・)ハァハァ

夏紀「・・・ゆーこ?」

優子(もう・・・いくしかない・・・!先輩みたいに、答えを貰えないまま、ズルズル食い下がるなんて嫌・・・!)グッ

優子「夏紀・・・」グイッ

夏紀「きゃっ!?・・・な、なに?」

優子「今からわたしがキスするから、嫌だったら抵抗して」ギュ

夏紀「えっ!?」

優子「抵抗しないなら、良いって解釈、するから」ググ

夏紀「いや、そんな、無茶苦茶だよっ・・・」

優子「嫌だったら引っぱたいてもいいわ。私・・・本気だから!」ハァ・・・ハァ・・・

夏紀「う、うぅ・・・?(どうしよ・・・本当に顔がちかづいてくる・・・!)」


夏紀(どう・・・しよう?どうすればいいの・・・?)

優子「・・・」スー

夏紀(いや・・・違う)

夏紀(あたしは・・・『どうしたい』の?)

優子「・・・」スー

夏紀(中学では帰宅部、高校で吹部に入ったのも楽そうだったから・・・)

夏紀(今は真面目に吹奏楽に取り組んでるけど、それは周りの人のおかげで・・・)

夏紀(結局あたしは、なにも選んでない。いや、選ぶのが怖かったんだ)

優子「・・・」フゥ…フゥ…

夏紀(自分を曝け出すのが。それを否定されるのが。だから何事にも無関心を装った。中立であろうとした)

夏紀(でもそれは間違ってた。自分の意思で踏み出さなきゃ、何も始まらない)

夏紀(自分の意思で。そう。目の前の・・・彼女のように)





優子「・・・イヤならイヤだって言いなさいよぉ!!!」

夏紀「え・・・」

優子「何よ!そんな難しい顔して!嫌がれば私が傷つくとでも思ったの!?」

優子「そんな、むり、して・・・あわせてあげるの、なんて・・・やさしく、ない・・・」ポロポロ

夏紀「あ・・・っ」

優子「すき・・・なん、グスッ、だから、むりやり、ズッ、なんて、きすできるわけ、ないじゃない!」グスグス

夏紀「・・・優子」グイッ

優子「なに、よぉ、なぐさめ、なんて、よけ、ぃ・・・!?」グッ




チュッ

夏紀「ぷは・・・はぁ、はぁ」カァァ

優子「え・・・?なん、で・・・?どうして・・・」ポロポロ

夏紀「ごめん・・・考えるのに時間、かけすぎた・・・」

優子「こ・・・!この、バカ!ばかぁ!どんだけ、つらかったと、おもってっ・・・」ポロポロ

夏紀「ご、ごめん、ゆるして、ごめんって、ちょ、いたいっ」ポカポカ

優子「・・・もう、いっかい」グスン

夏紀「えっ?」

優子「いきなりだったから、もういっかい、してくれたら、ゆるしてあげる」グス

夏紀(うぅ、キスするのってかなり恥ずかしいんだけど・・・)カァ

夏紀(その顔は、反則だよ・・・)スッ

優子「ん・・・」スッ



チュッ チュッ

―――

夏紀「・・・いくら、恋人になったからってさぁ・・・」

優子「え?」

夏紀「毎日デートは、無いと思うんだけど・・・」バテ

優子「いいじゃない!楽しいし、まさに恋人って感じ!」キラキラ

夏紀「もっと家でゆっくりしてたいよぉ・・・」グテ

優子「夏紀はインドア過ぎ!もっと外に出る習慣付けないと!」ハキハキ

夏紀「確かに楽しいけど、きつい・・・」ハァ

優子「あ、ほら、もうすぐつくわよ!大阪!ちょうど来たかったのー!」

夏紀(休みの日まで一日中これだよ・・・)

夏紀(まあ、これもあたしが選択した結果だし、気に入ってはいるんだけど・・・)

夏紀「来週の土日はあたしの家にしようよ、午前中練習あるし」ダルーン

優子「えーどっか出かけたーい」ブーブー

夏紀「土日は親いないから、泊まりで来ても、いい、けど?」フフ

優子「なっ・・・!?な、に、考えてんの?変態!」カァァ

夏紀「え?あたしは『泊まり』としか言ってないけど?何想像したの?ねえ?」ニヤニヤ

優子「あっ・・!う、ぅうるさいわね!ど、どうしてもって言うなら泊まってあげないこともないわよっ!」カァァァ

夏紀「ふふ、ありがと。じゃあお礼に、そのときして欲しいことがあったら、なんでもしてあげるよ」

優子「えっ・・!?なんでも・・・?あ、あう、あぅぅ!?」プシュー

夏紀(あれ、ちょっとからかい過ぎちゃったかな?)


オオサカー オオサカー


優子「あっ!おおお降りないと!とにかく降りるわよっ!」ギュッ

夏紀「えっ!?わぁっ!」タタッ



夏紀(彼女についていくのは苦労が絶えなそうだけど)

夏紀(彼女となら、その苦労も一緒に楽しめるって気になる)

夏紀(優子。あんたが、あたしの――『愛を見つけた場所』)




おわり

そしてまた、次の曲が始まるのです――


ご覧頂いた方、ありがとうございました。
響け!はくみれいももちろん素晴らしいですが、他の準レギュラー達もキャラが立っていて、(百合的な)妄想の余地があるのが素晴らしいと思います。
しかしリボンさんのほうは特に、今までの出番が少ないため、キャラがブレがち・・・というか材料不足感が否めませんでした。
原作を2巻まで買ってきて読みはじめたので、読み終えたらまた響けSSを書きたい!
あとこないだヤマハに買い物に行ったら原作単行本が売っていてびっくりしました。ヤマハすごい

では依頼出してきますー

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