【ガンダムSS】ネオジオン技術者「これがザクの後継機だと!?」 (105)

アクシズにて


ネオジオン技術者A「おい、見たか?このデータ」

ネオジオン技術者B「ん、ティターンズの機体か?」

技術者A「新型のザクっぽいのが映ってるだろ?」

技術者B「あぁ、『ハイザック』ってやつだろ。連邦が作った…」

技術者A「知ってるのか?」

技術者B「先に見せてもらったんだよ」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433421683

技術者A「そうか… それにしても連邦め、ザクを鹵獲して使うだけでなく新しいザクまで作りやがったのか、何考えてんだ…」

技術者B「そんだけザクが優れたMSだったってことだろ?一年戦争後にジオンの技術も吸収しただろうし…」

技術者A「そ、そうか。それなら、まぁ溜飲が下がるな…」

技術者B「なんだ?連邦がザクを作ったのが気に入らないのか?」

技術者A「そりゃあな!ザクはジオンの象徴だぜ!」

技術者B「まぁな…でも連邦としては、その『象徴』を支配下におくことで力を示してるんだろうよ」

技術者A「屈辱だぜ…」

技術者B「しかしな…」

技術者A「ん?」

技術者B「見てみろよ、この残念な性能を…」

~~~


デテコナケレバヤラレナカッタノニ!

ウワー!

チュドーン!!


~~~

技術者A「確かに…やられっぱなしだな…」

技術者B「ザクを参考にしてこれかよ、って感じだろ?」

技術者A「所詮は官僚主義な連邦の浅はかな考えだ」

技術者B「こうなったら俺達で作るか!」

技術者A「えっ?ザクを?」

技術者B「ただのザクじゃねぇ…06ザクⅡの正当な後継機体だ!」

そして……

ヘンケン艦長がふられたり、MK-ⅡからZに変わったり、
ヘンケン艦長がふられたり、Zがジ・オに突き刺さったり、
コロニーレーザーが発射されたりしてグリプス戦役が終わった…


その後…

ジークジオン!

ジークジオン!

ハマーンさま、ばんざい!




技術者A「ついにハマーン様の地球降下作戦が始まるな」

技術者A「いよいよ“こいつ”の出番だぞ…」

技術者B「あぁ、俺達の設計した『AMX-011 ザクⅢ』なら地上でも大活躍できるだろう」

技術者A「ザクⅢの性能が証明されれば、競合相手を押しのけて主力機体に正式採用されるだろうしな!」

続く
ザクⅢは名機

技術者B「ザクⅢのジェネレーター出力は既存のドライセンとほぼ変わらずだが…」

技術者B「高機動のスラスターに、ガンダリウム複合の装甲、武装はビームキャノンとメガ粒子砲装備で火力も確保してある」

技術者A「総推力はドライセンの70%増し(約17万)か。あの推進機を開発するのは苦労したぜ」

技術者B「そのおかげで可変機構をとらなくても高機動戦闘を実現できるしな…。シンプルな機体構造故に整備やオプション武装の搭載も容易だ」

技術者A「汎用性、生産性、戦闘力、そしてジオンの象徴性…こりゃあ量産されるのは間違いないな!」

技術者B「ハハハ!」

バターン!!

整備兵「大変です!」

技術者B「何か嫌な予感!!」キュピィィン

整備兵「え?よくわかりましたね!?」

技術者A「こいつ無駄に勘だけはいいんだ」

技術者B「いや、血相変えて飛び込んでくれば嫌な予感しかしないのだが… で、何があったの?」

整備兵「他の開発チームが作った機体なんですけどね」ピッピッ

技術者A「これがそのデータか…ん、『ドーベンウルフ』?」

技術者B「随分とゴテゴテした機体だな」

整備兵「見てくださいよ、これ。このスペック」

技術者A「ふむ、全身にミサイルとビーム砲、それに連結式のメガランチャー…砲撃戦用の機体か?」

技術者B「おや?この装備は…?インコム?」

整備兵「それですよ、こいつの特徴はその遠隔操作兵器です!」

技術者A「こんなのニュータイプでもなきゃ使えないだろうよ…」

技術者B「いや待て。このシステムなら…」

整備兵「それ、OSがサポートしてくれるみたいなんですよ。つまり誰でもオールレンジで攻撃ができるんです」

技術者A「そいつは…凄いな…」

技術者B「大型で重量もあるが、全身にバーニアをつけることで無理矢理機動力も持たせているのか…」

技術者A「うーん……いやだからってこんな怪獣みたいなMSじゃ量産には向かないだろ」

技術者B「まぁ小回りの効く機体ではないな」

技術者「だろ?時期主力は俺達の作ったザクⅢだって!」

整備兵「なんてったって『ザク』ですからね」

技術者B「だといいんだが…」
技術者B(上層部はハマーン様含め、1年戦争を実戦で経験していない若い人が多い。ザクの象徴性も心に響かないかもしれん…)




技術者B(なんかやたらと血筋だ騎士道だ一騎当千だにこだわる人も多いしなぁ…)ハァ

技術者A「いよいよハマーン様にザクⅢを制式採用してもらうためのプレゼンだ」





ハマーン「…ふむ、これが次期主力に推す機体か」


ザクⅢ『……』


技術者B「はい、MS-06のコンセプトを受け継ぎ、あらゆる作戦に対応できる汎用性を持たせ、かつ高水準な性能を持つことに成功しました。性能、生産性ともに量産機として自信をもってお勧めが…」

ハマーン「なぜ、“赤い塗装”を?」ズォォォン

技術者B「え?」(何だこのプレッシャー!?)


ザクⅢ(カラーリング:赤い彗星)『……』


技術者A「はいっ!!ザクといえば、一年戦争で初期から活躍したシャア大佐……当時は少佐ですか、その専用機が有名です。それに似せたカラーが縁起が良いと思いまして!」

ハマーン「……ほぅ」ズォォォォォン

技術者B(な、何だこの肌にまとわり付くようなザラついた感じは!?)

技術者A「ザクを赤く塗装すれば、今は行方不明のシャア大佐も帰還するかも……」

ハマーン「戯れ事はやめよッ!!」

技術者A・B「「ヒッ!?」」

ハマーン「奴はエゥーゴに与して戦っていた…今更こちらになど…」

技術者B「も、申し訳ありませんっ!」

ハマーン「この機体を主力に位置付けるかどうかは検討する……だが他の試作機は赤以外に塗装せよ。そうだな、グレーがいいだろう…」

技術者A「は?しかしザクといえば緑では?」

ハマーン「まだ正式に主力機とすると決めたわけではない!!」

ハマーン「……話はこれで終わりだ。失礼させてもらう」

技術者A・B「「ハッ!」」ケイレイ





ハマーン(チィッ…私としたことが一介の小娘のようにあたり散らすなど…)

ハマーン(あの技術者達からは邪気は感じなかったから、悪気があったわけではなかろうが……不愉快だな)

そして…




選ばれたのはドーベンウルフでした




技術者A「そんな…赤い彗星カラーならいけると思ったのに」ガックシ

技術者B(何かそれがいけなかった気がする…)

続く
ハマーン様はドム(シュネーヴァイス)には乗ってたけど、ザクには乗ってなかった気がする。
ドライセンが採用されてザクⅢが採用されなかったのはまさか…

技術者A「はぁ…結局ザクⅢの制式採用は見送りか…」

技術者B「ま、試作分を実戦で使ってもらえるだけでもありがたいか… そういえばこの前ロールアウトした最終生産分はどこに配属されるんだっけ?」

技術者A「ええっと…1機はオプションの強化パーツとともにエンドラⅡだな。もう1機は…」





技術者A「それじゃ整備兵、ザクⅢを頼んだぜ」

技術者B「採用を見送られたとはいえ、こいつの性能なら十分戦力になるはずだ」

整備兵「はい!気合い入れて整備します。必ず役立たせて見せますよ!」



技術者A「行っちまったな…」

技術者B「あぁ、ザクⅢに乗るパイロットが上手く使いこなしてくれることを祈ろう」

場面は変わって

ネオジオンと連邦が小競り合いを繰り広げる宙域…



ネオジオン兵「くっ、連邦め…トップはハマーン様に屈したんじゃないのか」

連邦兵1(ジムⅢ)「ちっ、ジオンの残党風情がいつまでもウロウロとォ!!」

連邦兵2(ジムⅢ)「上の連中の思惑はどうだか知らんが、現場でお前らを見つけたからには対処させてもらう…」

ネオジオン兵「まずい、隊長達とははぐれちゃったし…多勢に無勢…ここは…」

連邦兵1「さっさとくたばれぇ」ビームライフル

ネオジオン兵「このやろっ、機動力なら…」

リゲルグ(ネオジオン兵)『……』ヒラリ

連邦兵2「へぇ、ゲルググの改修機にしてはやるな。いい動きだ…」

ネオジオン兵「元練習機とはいえリゲルグの機動性ならこのまま振り切って…」

連邦兵2「だが俺達には…」

連邦兵1「予定通り追い込むぞ!」

ネオジオン兵「くっ、このリゲルグ、ナメてもらっては……」

リゲルグ『ピピピピ』

ネオジオン兵「!? もう1機反応!何て速さだ!モビルアーマー?」



連邦エース「ナイス連携だ、お前達!」

連邦兵1「やっと隊長が来た」

連邦兵2「機動力を活かして回りこむ作戦成功ですね」

連邦エース「さぁチェックメイトだ!」ガシャコン

ネオジオン兵「変形した!?」


Zプラス『……』ガシャン


ネオジオン兵「ガ、ガンダム!?エゥーゴのゼータって奴か!?」

連邦エース「ここまでだなっ!!」ビームスマートガン

ドカァァァン

ネオジオン兵「くっ…くそぉぉぉっ!」リゲルグ大破

連邦エース「さぁ、投降しないなら次はコクピットに当て……むっ!?」

Zプラス『……』バッ  ガキィッ

ネオジオン兵(今の攻撃はトライブレード!?まさか…)

連邦兵1「ちぃっ!増援か?」

連邦兵「ドライセンを2機確認」


ネオジオン隊長(ドライセン)「おぅ、みっともなく追い回されてんじゃねぇぞ!新入り!」

ネオジオン女性兵(ドライセン)「心配して飛んで来た癖に…」

隊長「うるせぇ…余計なこと言うな」

女性兵「部下思いの貴方を愛してるって言ってるのよ」

隊長「そいつはどうも!じゃ、いくぜぇ!」ギュイン

女性兵「えぇ!」3連ビームキャノン

連邦エース「くっ!」

隊長「おぉぉおりゃあ」ビームトマホーク

ジムⅢ『……!』中破

連邦兵1「うわっ、速い…?」

隊長「ついでにもういっちょ!」

連邦兵2「うっ…装甲を持って行かれた!?」

連邦エース「やる… あっという間に2機にダメージを」

女性兵「隙あり!」

連邦エース「む!?」

ドライセン『……』ビューン ガシッ

ネオジオン兵「え?」

女性兵「ずらかるわよ…… 隊長!リゲルグは確保したわ!」

隊長「よし撤退!」

ネオジオン兵「だ、駄目です!あのグレーのガンダム、変形して凄いスピードを…」

隊長「問題ない」

連邦エース「逃がすか!Zプラスのウェイブライダーなら……」

Zプラス『!』ビーッビーッ

連邦エース「な…背部バインダーに故障?」

連邦エース(ハッ!?)

連邦(最初の投擲武器が当たって……初めからこれを狙っていたのか)




連邦兵1「に…逃げられた。最初からヒットアンドアウェイだと…」

連邦兵2「あの2機は別の小隊と戦闘していたようです。向こうを片付けてこっちに…」

連邦エース「勢い任せにせずに、こちらに手傷を負わせて味方も救う、か。お見事…」

連邦エース「だが次は逃がさん!」

ネオジオン兵「……」

隊長「おい、怪我はないか?新入り」

ネオジオン「はっ!?はい!何とか…」

リゲルグ『……』ボロッ

女性兵「ボロボロになってるけど、持って帰るくらいはできそうね…」

帰艦~格納庫


ガヤガヤ

整備少女「随分派手にやられてきたわね~」

ネオジオン兵「ごめん…」

整備少女「まぁ命があっただけでも儲けモンよ。訓練機を改修したようなので連邦の新型とやりあうんだもの」

ネオジオン兵「直りそうか?」

整備少女「ちょっと難しいかも…肩のバインダーが全部持ってかれちゃってるし…」

ネオジオン兵「……」

隊長「おーい、新入り!」

ネオジオン兵「あ、隊長」

隊長「とりあえずパイロットのほうは無事みたいだな」

ネオジオン兵「ありがとうございました。おかげさまで俺は大丈夫です。けど機体を壊してしまいました…」

隊長「そうしょげるな…命があっただけ儲けモンだ。訓練機の改修機体で…」

整備少女「あ、それはさっき私が言いました!」

隊長「へ?」

女性兵「プッ…今いち決まらないわねぇ」クスクス

整備少女「そーいえば隊長!新しい機体が来るってホント?」

隊長「あぁ、今この艦はその補給ポイントへ向かっているそうだ」

女性兵「途中で運悪く連邦の部隊に見つかっちゃったわけだけど…」

整備少女「新しい機体にはやっぱり隊長が乗るのかな?そうすると隊長のドライセンをネオジオン兵君に乗ってもらう?」

隊長「いや…新型はネオジオン兵、お前が乗れ」

ネオジオン兵「お、俺が新型に!?いいんですか?」

隊長「新型とは言え、制式採用から外れた機体なんだと… 俺も女性兵も乗り慣れたドライセンが良いしな」

女性兵「そゆこと!」

ネオジオン兵「はぁ…」

隊長「それにスペックを見るかぎり、お前には相性が良さそうな機体だ」

隊長(ネオジオン兵の、リゲルグでの高機動戦闘には目を見張るものがあった。今度のも機動力重視みたいだしな)

女性兵「よかったね~新入り君。ところで隊長?新型ってどんなMSなの?」

ネオジオン兵「あ、俺も気になります」

隊長「あぁ……“ザク”だ」

ネオジオン兵「へ?」

ネオジオン駐留コロニー


整備兵「おお!エンドラ級が入港してきた。あれがザクⅢを含めた補給物資を届ける艦だな?」

整備兵「輸送部隊の手伝いも一段落したし、運搬は予定通りいきそうだな」






整備兵「補給のMS並びに物資をお持ちしました。同時に補充の整備要員として着任します、整備兵です」

艦長「うむ、補給物資の運搬、まことに感謝する。君の技術も我が艦の戦力として期待しているぞ。よろしく頼む」

整備兵「はい、よろしくお願いします」

格納庫

ザクⅢ『……』(運搬中)

隊長「あれが新型か…」

ネオジオン兵「うわ…ホントにザクなんだ…」

艦長「……ザクはジオンの代名詞とも言える機体だからな、しっかり乗りこなせよ」ヒョッコリ

ネオジオン兵「艦長!?」

艦長「我々は新しい作戦に従事する予定だ。そのための補充パイロットとMSも新たに着任する予定となっている。ネオジオン兵にも早くこの機体に慣れてもらわなければならん」

隊長「はい、急ピッチで仕上げさせます」

ネオジオン兵「しかし…今更ザクで大丈夫なんですか」

艦長「何を言う、ザクは良い機体だ、一年戦争のときから見て来たこの艦長が言うんだから間違いはない!」



整備兵「その通り!!」

整備兵「ザクⅡに現代的な技術を組み込み再設計している。ザクⅢは高水準でバランスの取れた万能機だ!」

ネオジオン兵「わっ!」

隊長「あ、あんたは?」

整備兵「おっと失礼。このザクⅢとともにお世話になる整備兵です!よろしく!」

隊長「よ、よろしく…」

ネオジオン兵「よろしくお願いします…」



ザクⅢ『……』(デッキに固定完了)

整備兵「さて、ネオジオン兵くん、君がこのザクⅢのパイロットになるわけだが…」

整備兵「君はコイツの特性をどう評価する?」

ネオジオン兵「え?…まだスペックデータを見せてもらったばかりですが……しいていうなら」

ネオジオン兵「高水準でバランスがとれている分、突出した所が無いですね。よく言えば特徴のないのが特徴、悪く言うと器用貧乏というか…」

整備兵「ははっ!器用貧乏で終わらせるかは君次第だ。かつてジオンのエースがパーソナルカラーの専用機を持てたのも機体のポテンシャルを限界まで引き出したからだ」

ネオジオン兵「やってみせろ…と?」

隊長「何だ、自信がないのか?」ククッ

ネオジオン兵「や、やってみせますよ!」

慣熟訓練中


女性兵「は~い、それじゃあ慣らしを始めるわよ」

ネオジオン兵「はいっ!」

女性兵「じゃあまずは隊長のドライセンと追いかけっこして頂戴。機動性のコツからね」

隊長「よし、まずは俺についてこい!」

ドライセン『……』ビューン

ネオジオン兵「シュミレーターではやってみたが、実際にコイツに乗るのは初めてだ……」

ネオジオン兵「おーし!行くぞ、ザクⅢ!」

ザクⅢ『!』ビコーン(モノアイ)

ザクⅢ『……』ドシューン

ネオジオン兵「速い、やっぱり推力は桁違いだ」

隊長「ほう…直線的な加速はたいしたもんだ。ならコレはどうだ?」

ドライセン『…』クイッ

ネオジオン兵「高速の切り返し!?さすが隊長…ッ」

ザクⅢ『…!』ギュン

隊長「ほう…反応したか」

ネオジオン兵「…凄い、スラスターの加速力だけじゃなく、機体反応や運動性もいい」

隊長「やはりMSとしての基本性能は高いようだな…」

隊長「ついでだ。このまま機動力を活かした模擬戦闘に移る!」

ネオジオン兵「了解ッ」

隊長「いっちょ揉んでやる!」



隊長「いくぞォ」
ドライセン『……!』ギュウウウン

ネオジオン兵「うおおぉぉっ!」
ザクⅢ『……!』ガキィィィン!

続く
試作機のテストみたいになっちゃったけど
あくまでパイロットの慣らし運転
言われてみればGジェネでもステータスはZガンダム並だ
強くて弊害が出るとはザクの名前は気難しい…

隊長「うおおおっ」

ネオジオン兵「てやぁぁぁぁ」

隊長「せぇぇい」

ネオジオン兵「そいやぁぁぁ」





整備兵「おお、彼、なかなかいい動きをするじゃないか」

整備少女「ネオジオン兵君はここのパイロットとしては一番新入りですけど、機動力を活かした戦い方は上手なんですよ」

整備兵「ほぅ」

整備少女「あのザクⅢも基本は高機動がウリですよね。特に総推力はハンパじゃない。出力はドライセンとそう変わらないのに」

整備兵「アレを設計した技術者たちがザクの信奉者でね。連邦の作ったハイザックやらマラサイやらをザクの後継機として認めたくなかったらしい」

整備少女「気に入らないなら自分達で高性能なMSを作ろう、ってこと?すごい執念ですね。でも今の流行だと一騎当千の機体にしませんか?」

整備兵「まぁね。実際、攻撃力にすぐれるMSが主力の座に据えられたし…」

整備「ただやっぱりザクはMSの原点だからね。巨大で複雑さを増す機体ばかりじゃ、いずれ開発系統は頭打ちになるだろうし。一度基本に立ち返った運用も必要だと思うよ」

整備少女「ふぅん」





ザクⅢ『…』ビューン ビューン

ネオジオン兵「すごいぞっ。最大加速力はリゲルグよりあるのに動きはマイルドで扱いやすい。これならスピードで隊長のドライセンを撹乱して…」

隊長「おぉ?なかなか小回りの効くことよ!だが!」

ドライセン『……』ジッ

ネオジオン兵「いくぞっ」

ザクⅢ『!』ゴォ

隊長「甘い…っ」

ドライセン『!!』ベシッ

ネオジオン兵「うわっ!?ビームトマホークの柄で叩かれた」

隊長「フ、ビームが発振していたらコクピットまで消し炭だぞ」

ネオジオン兵「うへぇぇ、撹乱から一気に距離を詰めたのに…」

ザクⅢ『……』シュン

隊長「機動力を活かしたのは良かったが攻撃の動きが直線的過ぎたな。運動性そのものは俺のドライセンより速いがな」

ネオジオン兵「う~む…」

隊長「まぁ、そのあたりは攻撃パターンを増やして……」


女性兵「はいは~い、じゃあ次の課題は…あら?艦から連絡!?」

ピピッ

艦長「隊長、緊急事態だ。我々のもとへ向かっている補充兵の乗るシャトルが連邦に追われている!MS部隊は至急援護に向かってくれ!」

隊長・ネオジオン兵「!!」

隊長「了解です。新入り…いやネオジオン兵。早速だが新しい機体で実戦だ。簡単に補給と武装を整えたら、俺と共に現場に向かうぞ!」

ネオジオン兵「はっ、はい!」

隊長「女性兵はこのまま艦の守りを頼む」

女性兵「わかったわ」

隊長「よし、ではいくぞ」

エンドラ級から少し離れた宙域


シャトル『!』ゴー

シャトル船長「くそっ、連邦の奴らを振り切れんか!?」



ジムⅢ『…』ギュ-ン

連邦兵1「偵察中に出くわすとはな」

連邦兵2「あのシャトル、丸腰か?ならば捕まえるか…」

シャトル船長「いかんな…」

???「船長、私がMSで出る。貨物ハッチを開けて」

船長「なにいってんだ。こっちはお前さんとMSをエンドラ級まで送り届けるよういわれてるんだぞ」

???「沈められちゃったら意味ないでしょ!」

???「ハマーン様から直接命ぜられた指令、こんなところでしくじるわけには…」

連邦兵1「それにしても先日の奴らといい、こうも偵察中にネオジオンと会うとはなぁ」

連邦兵2「この宙域はネオジオンが進駐してるコロニーにちかいからな。他から増援が来ないうちに片付けるぞ」

連邦兵1「よしきた!早速シャトルごと捕まえて……ん?

連邦兵2「シャトルからMSが!」



???「なんとか追い払わなくっちゃ!!行くよ、私の……バウ!」

バウ(緑)『!!』ビコーン

連邦兵1(ジムⅢ)「なんだぁ?このモビルスーツ、シャトルを守りながら俺達2体を相手にする気か!」

???(バウ)「ううっ…な、なんとか、シャトルから引き離して、追い払わないと…」

連邦兵2(ジムⅢ)「せめてもの抵抗のつもりか?たった1機でぇッ!」ライフル
バシューン


シャトル船長「うおっ!?…っと、それたか…」



???(バウ)「くぅっ、飛び道具を使われたら、シャトルが巻き込まれる…?」

???(バウ)「バウの特徴は活かせないけど…接近戦でやるしかない!」トツゲキ

連邦兵2(ジムⅢ)「ちっ!」ビームサーベル

???(バウ)「ていっ!!」サーベル

ガキィッ バチバチ(鍔ぜり合い)

連邦兵2(ジムⅢ)「連邦兵1、俺がこいつを押さえる。お前はシャトルを…」

連邦兵1(ジムⅢ)「よっしゃ、任せ……」

???(バウ)「させないっ」クルッ ギュン

連邦兵2(ジムⅢ)「なにっ?」

???(バウ)「アンタもこっちに付き合いなさい!」グレネード

ボカァン

連邦兵1「こいつ…2体相手にすばしっこい動きを…」

???(バウ)「撃墜しなくても、なんとかダメージを与えて退けなくちゃ」

連邦兵1(ジムⅢ)「おもしれぇ…」ビュン

連邦兵2(ジムⅢ)「ならば2人がかりでやらせてもらおう!」ビュン



???(バウ)「くっ…」

バシュン

ゴォー

ギュイーン

???(バウ)「うわぁぁぁぁっ!?」ボロッ

一方……


ネオジオン兵(ザクⅢ)「あれは…護衛目標のシャトル?」

隊長(ドライセン)「MSがシャトルを守って戦ってるな…」

ネオジオン兵(ザクⅢ)「2対1でやられてる……いけないッ!」ギュウウウン
隊長(ドライセン)「おっ、速いな」



連邦兵1(ジムⅢ)「とどめぇぇ!!」ビームサーベル

???(バウ)「うっ…」





ネオジオン兵(ザクⅢ)「待てえぇぇぇぃ!!」ショルダータックル

ドゴォン

連邦兵1(ジムⅢ)「ぐわっ」

連邦兵2(ジムⅢ)「何ッ!?何だコイツは…」

???(バウ)「味方の識別コード……これは…ザク?」


ネオジオン兵「いきなり実戦だが…頼むぞザクⅢ」

ザクⅢ『…』ビコォォン(モノアイ)

???(バウ)「味方の…機体? AMX-011…ザク、スリー…」

連邦兵1(ジムⅢ)「こんの…今更ザクが出てきたところで…」

ビュン!

連邦兵1(ジムⅢ)「え?」

ネオジオン兵(ザクⅢ)「遅い!」サーベル

ザシュ!

連邦兵1(ジムⅢ)「うわぁぁ」バチバチッ

連邦兵2(ジムⅢ)「連邦兵1ッ!?」

連邦兵1(ジムⅢ)「ぐっ……致命傷は避けた」

ネオジオン兵(ザクⅢ)「ちぃっ、浅かった……あのジムのマーキング、この前リゲルグで戦った奴らか…今度は負けないっ!」

ギュイイン

ネオジオン兵(ザクⅢ)「うおおぉっ!」

連邦兵2(ジムⅢ)「はやっ!?」

連邦兵1(ジムⅢ)「ちょこまかとッ!」

ネオジオン兵(ザクⅢ)「スピードだけじゃないぞ。くらえ!」メガ粒子砲!

連邦兵2(ジムⅢ)「口からビームだとぉっ!?」

ボガァァン!

連邦兵1(ジムⅢ)「2ぃぃ!!」

連邦兵2(ジムⅢ頭部破損)「ぐぅ…メインカメラが吹っ飛んだ…これは撤退だな」

連邦兵1(ジムⅢ)「あの新型ザク、やりやがる」


連邦兵撤退


ネオジオン兵(ザクⅢ)「やった…」

隊長(ドライセン)「やれやれ、一人で突っ込んで両方とも追い払ったか。俺にも残しとけよ…」スイーッ

ネオジオン兵(ザクⅢ)「あっ、すみません、隊長」

隊長(ドライセン)「冗談だよ。さて、あっちのバウに事情を聞くか…」

ネオジオン兵(ザクⅢ)「はい… そちらのバウのパイロット、大丈夫か?」ピピッ

隊長(ドライセン)「こちらはエンドラ級所属の2名だ。貴官とあのシャトルは我々への増援で間違いないか?」ピピッ

???(バウ)「はい…ハマーン様より直接の指令を受け、参上しました」ピピッ

???(バウ)「ハマーン様直属、少女兵です」

少女兵(バウ)「先ほどの援護、感謝するわ、ザクのパイロットさん?」

ネオジオン兵(ザクⅢ)「女の子!?」

隊長(ドライセン)「こちら隊長。敵と戦闘状態にあった友軍を保護した…着艦の許可を」

オペレーター「了解……許可が下りました。着艦どうぞ」


デッキ  ザクⅢ、バウ着艦


ネオジオン兵「ようこそ、俺達の艦へ」

少女兵「ありがと…」


整備少女「おおっ!新入り…じゃない、ネオジオン兵くんが女の子連れて帰ってきた!?機体の慣熟訓練やってて、女の子ひっかけてくるなんてやるぅ!」

ネオジオン兵「いや、そんなナンパしてきたみたいに言わないでよ」

隊長「はっはっは、どっちかってぇとナンパされてたのを助けたって感じだがな」

整備少女「うわっ、古風!旧世紀のマンガみたい!でもそこからラブストーリーが始まって…」

少女兵「始まりません!!私は少女マンガのヒロインになりにきたんじゃないの。ハマーン様からの特命、及びその支援にきたんですっ!」



艦長「ほう、これはまた可愛らしいメッセンジャーだな」

隊長「艦長…」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月08日 (水) 14:47:27   ID: mG9E3jii

アクトザク開発したのジオンのペズン工場やぞ

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