【響け!】久美子と麗奈のお祭後妄想SS【ユーフォニアム】 (37)

 タイトル通り

 口調変&キャラ改変はお約束。無理なら回れ右
 関西弁を文字で読むのは無理だから原作未読
 なのでアニメ設定

 以上まで注意点
 次から投下

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432820049

~~~帰り道~~~

秀一「そういえば久美子、お前お祭りの時はどうしてたんだ?」


久美子「どうしてたって?」


秀一「高坂と一緒に回ったんだろ?」


久美子「あ~……」


秀一「中学の時の仲直りとか出来てたんだな、お前ら」


久美子「なんで?」


秀一「いや、そうじゃなかったら一緒にお祭りなんて行かねえだろ」


久美子「まあ厳密にはお祭りにも行ってないんだけどね」


秀一「えっ?」

秀一「じゃあお前、祭りの日はどうしてたんだ?」


久美子「どうしてたって……っていうかなんで秀一にそんなこと言わないといけないの?」


秀一「いや、まあ、なんとなく……気になるし」


久美子「そんな気にしなくて良いよ」


秀一「いいから答えろよ」


久美子「ウルサイなぁ……秀一には関係ないことだし、あんまり言いたくないことなの」

久美子「その辺察してよ」


秀一「察して、ってお前……」


久美子「本当、なんにも無かったから」


秀一「…………」

~~~翌日~~~

秀一「なあ、高坂。ちょっと話があるんだけど……」


麗奈「なに?」


秀一「いや、その……県祭りの時ってさ、久美子――黄前と、何してたのかなって」


麗奈「…………」


秀一「いや、答えづらかったら良いんだけど……」


麗奈「……別に」

麗奈「久美子とは、ずっと一緒にいただけ」


秀一「そ、そっか……」

秀一(……ん?)


麗奈「一緒に歩いて、沢山話をした」

麗奈「それだけ」


秀一「あ、あー……うん。ありがとう」


麗奈「もういい?」


秀一「あっ、いや、それよりもさ、高坂って、久美子のこと、名前で呼んでたっけ?」


麗奈「……呼ぶようになっただけ」


秀一「あ、あー……そう」

麗奈「塚本さ」


秀一「ん?」


麗奈「もっとちゃんと久美子のこと捕まえとかないと、ダメだよ」

麗奈「あの子の性格が悪いの、知ってるでしょ」


秀一「えっ」


麗奈「じゃあ」


秀一「え、ちょっ、おい……!」

秀一「……なんなんだ、一体?」

秀一(整理しよう)

秀一(久美子と高坂は一緒に県祭りに行った)

秀一(その時二人は仲良くなって、高坂は久美子のことを名前で呼ぶようになった)


秀一「…………」


秀一(普通に考えればこう、だよな……)

秀一(でも、この仲良くなる、のに何かキッカケがあったはずだ)

秀一(ただ普通に話をしただけで仲良くなるとは思えない)

秀一(だってあの高坂だぞ? 誰かと仲良くなるって意識が人一倍欠けてる)

秀一(まして久美子は高坂に苦手意識を持っていた)

秀一(いや、でも県祭りに誘えるぐらいには気まずさも解消されてたってことだし……)


葉月「おっす塚本」


秀一「ん? おう、加藤か」


葉月「何悩んでんの?」


秀一「いや……」


葉月「なになに? 久美子のこと?」


秀一「久美子……といえば、そうなのか?」


葉月「? どういうこと?」


秀一「あのさ、加藤」

秀一「最近、久美子と高坂って特に仲良かったりするか?」

葉月「え~? いや、どうだろ」

葉月「でもそれって、塚本の方が分かるんじゃないの?」

葉月「私は途中の駅で降りるから分かんないし、その後二人になれる機会だってあるじゃん」


秀一「いや、そうなんだけど……」

秀一「久美子、俺には話そうとしないし……なんか聞くなって言われるし」


葉月「そもそもさ、高坂さんと久美子が仲良くなったら何かマズイの?」


秀一「そりゃ、別に何もマズくはねぇけど……ちょっと、気になるっていうか……」


葉月「……はぁ~……しゃあないなぁ」

葉月「仲を取り持つって言ったのは私だしね」

葉月「良いよ。久美子に聞いてきてあげる」


秀一「頼む」

秀一「なんか、こんなこと頼める立場じゃないってのも分かってるんだが……」


葉月「いいからいいから。ま、任せなさい」

~~~個別練~~~

葉月「ねえ久美子、県祭り高坂さんと回ったんだよね?」


久美子「え?」


緑輝「そうだったんですか?」


久美子「いや……っていうかなんで葉月ちゃんがそんなことを?」


葉月「だって塚本呼び出す時そう言ってる現場に私いたし」

葉月(その時は呼び出すことに一杯一杯でそんなこと意識もしてなかったけど)


久美子「あ~……そういえばそうだったね」


葉月「で、どうなの?」


久美子「どう、って言われても……お祭りは一緒に回らなかったというか……」


緑輝「え? じゃあ葉月ちゃんのために嘘ついたってことですか?」


久美子「まあ、その時はね」

久美子「でも結果的に一緒にはいたんだけど」


葉月「あれ? でもお祭りは一緒に回れなかったんだよね?」


久美子「お祭りは、ね」


緑輝「じゃあ、一緒にはいたってことですか?」


久美子「ま、そういうこと」

緑輝「じゃあ久美子ちゃん、高坂さんと仲直り出来たんですね」


久美子「仲直り出来た、っていうか、元々喧嘩もしてなかったっていうか……私が一人勝手に苦手意識持ってたっていうか……」


葉月「でも、解決はしたんだ?」


久美子「うん。まあ」


葉月(なぁんだ。じゃあそれで仲良くなっただけじゃん)

葉月(元々同じ中学だし、塚本も気にしすぎだな~)


緑輝「でも、お祭りにはいなかったんですよね? どこに行ってたんですか?」


久美子「あ~……山?」


葉月・緑輝「「山っ!?」」


葉月「なんでお祭りの日にそんなことしてんの!?」


緑輝「それって山登りしたってことですかっ!?」


久美子「あ~……二人一緒にそう問い詰められると困るって言うか……」

久美子「まあ、人とは違うことがしたかったから、かな?」


葉月「人とは」

緑輝「違うこと?」

葉月「それってどういう――」


あすか「こら~! 一年!」

あすか「いつまでもくっちゃべって無いで、さっさと練習に入るっ!」

三人「「「は、はいっ」」」


葉月(人とは違うことがしたくて山に登った……?)

葉月(ん~……分からん)

葉月(みどりなら分かるかな?)


緑輝(久美子ちゃんと高坂さんが二人で夜の山登り……)

緑輝(これは……これは間違いありません!)

緑輝(禁断のラブロマンスですっ……!)


葉月(なんか目が輝いてるし、分かってるのかな?)

葉月(……でもなんだろう。なんか、間違えてる気はする)

~~~合奏練習後~~~

久美子「それじゃあ、ごめん。今日はちょっと先帰るね」


緑輝「え? さっきのお話の続きは?」


久美子「ごめん。ちょっと麗奈と帰る約束してて」


葉月・緑輝「「麗奈っ!?」」


久美子「あ……ん、まあ、ともかく、そういうことで。ごめんねっ」


葉月「あ、うん……」


緑輝「また明日ですっ。久美子ちゃん」


久美子「うんっ。また明日」


葉月「…………」

緑輝「…………」


葉月「みどり、どういうことだと思う?」


緑輝「どう、とは?」


葉月「高坂さんのこと下の名前で呼びましたよ」


緑輝「そうですね」


葉月「高坂さんもさっさといなくなったし、本当に二人で帰るのかな」


緑輝「たぶん。おそらく。いえ、絶対にそうですね」


葉月「……どれ?」

葉月「まあいいや」

葉月「で、どう思う?」

葉月「二人、県祭りに行かずに何してたと思う?」


緑輝「そうですね……マンガで読んだことで良ければ、分かることがあります」


葉月「ん?」


緑輝「久美子ちゃんと高坂さんはきっと……付き合ってますっ!!!」


葉月「えっ!?」

ドヨ…!

葉月「あ、みどりちゃん声が大きい……!」


緑輝「あ、ごめんなさい……!」


あすか「なになに? 久美子ちゃんとトランペットの子がどうしたって?」


夏紀「なに? 黄前が誰と付き合ってるって?」


優子「ちょ、ちょっとその話詳しく聞かせなさいよっ」


晴香「ほらみんな、ダメだよ。そういうのに口挟んじゃ」


香織「そう言って、晴香も気になってるじゃない」


晴香「そ、それは……!」

葉月「あわわわわわ……!」


緑輝「何か大事になってしまいました……!」


葉月「みどり、ここは一旦逃げよう!」


緑輝「そですねっ!」


あすか「逃すと思っているのかい? 加トちゃん、サファイアちゃん」


葉月「あすか先輩!?」


あすか「なるほどなるほど。個人練の前に話してたのはそういうことだったのか」


葉月「いや、あの、それは……!」


あすか「いいからいいから」

あすか「で、どういうこと?」


優子「高坂と」

夏紀「黄前が」

夏紀・優子「「付き合ってるって本当?」」


葉月「あの、あのあのあの……!」

緑輝「……仕方ないです、葉月ちゃん」


葉月「みどりっ!?」


緑輝「ここは事情を話しましょう」


葉月「でも……」


緑輝「大丈夫です。葉月ちゃんと塚本くんのこととか、久美子ちゃんがどうして高坂さんを苦手としてたのかは話しませんから」ボソボソ

葉月「ん~……じゃあ話しても大丈夫なのかな」ボソボソ

葉月(塚本は……)チラ

塚本「」

葉月(あ、魂抜けてる。……じゃあ大丈夫か)


あすか「ちょっと~。どうしたのサファイアちゃん」


緑輝「みどりですっ!」

緑輝「じゃあ、皆さんにもお話します」

緑輝「あの、それで手遅れかもしれませんが……出来れば、他の人には言わないでくださいね」


夏紀(いやもうこれだけ聞き耳立てられてたら意味ないと思うんだけど……)

~~~説明終了~~~

晴香「う~ん……でもそれで付き合ってるって決めつけるのはちょっと無理があるような……」


優子「そうですか? 苦手だった子とお祭りで急に仲良くなってそのまま……かもしれませんよ」


香織「でも、ただ仲直りしただけかもしれないよ?」


優子「ですよねっ。香織先輩」


夏紀「どっちなのよアンタは……」


あすか「でもそうなると、じゃあ今日一緒に帰った理由は?」


夏紀「仲直りして積もる話が出来た、とかですかね?」


あすか「それこそ昨日の段階で全部話してるんじゃない?」


夏紀「確かに……」


あすか「っていうか、そもそも山登りってなに?」


晴香「それを言われると……」


あすか「それ自体久美子ちゃんの嘘かもしれないし」


香織「でも嘘で山登りなんて出てくるかな?」


あすか「じゃあ、山登りは本当だとして、それで結局どうして山登りして仲直り出来るの?」


晴香「う~ん……苦難を共にしたから、かな?」


葉月(先輩たちがノリノリで会話に入れない……)

香織「夜に山登りなんて危ないことしたんだもの。やっぱり、そういうのが芽生えるんじゃないのかな?」


優子「さすが香織先輩ですっ」


夏紀「…………」ハァ…


あすか「そっから仲直りの流れ? おかしくない?」

あすか「そもそも、ある程度仲直りしてないと山登りなんてしなくない?」

あすか「っていうか、そもそもなんで喧嘩みたいな関係になってたんだっけ?」


葉月(まずい……! みどりがボカして話した部分にやっぱり引っかかられた……!)


緑輝「あ、そういえば、人とは違うことがしたかったから、って行ってました」


葉月(みどりナイスッ!)


あすか「人とは違うこと? 二人で楽器担いで山頂に登って吹きに行ってたとか?」


晴香「そんな、あすかじゃあるまいし」


あすか「さすがのわたしでも夜の山に登って吹きには行かないって」

あすか「ユーフォ担いで山登りとか、無理無理」

あすか「でも、だからこそ、人とは違うことでしょ?」

~~~~~~

久美子「へくちっ」


麗奈「どうしたの?」


久美子「いや、なんだろ……急に鼻がムズムズして……」


麗奈「大丈夫? 風邪?」


久美子「大丈夫……だと思う」


麗奈「お風呂あがり薄着でいるんじゃないの?」


久美子「そんな麗奈じゃあるまいし」


麗奈「……変態」


久美子「先に振ってきたのは麗奈の方だよ」

久美子「それで先に照れるなんて卑怯」

久美子「それも可愛いく。その上エロいし」

久美子「麗奈の方が卑怯の極みだね~」


麗奈「……やっぱり久美子、性格悪い」


久美子「麗奈に剥がされてる間だけだよ」

~~~翌日~~~

ガラッ

ピクッ

久美子「……?」

久美子「ねえ、葉月ちゃん、みどりちゃん」


葉月「ん、んっ!?」


緑輝(葉月ちゃん怪し過ぎますっ!)

緑輝「はい?」


久美子「なんか今日、音楽室の空気おかしくない?」


緑輝「あ~……そうですか?」


葉月「そ、そんなことないんじゃないかな~?」


久美子「ん~……私の気のせい?」


緑輝「だと、思いますよ。はい」


久美子「そっか。なら良いんだけど」


緑輝「はいっ」


久美子「……で、葉月ちゃんは何を隠してるの?」


葉月「か、かかか、隠し事なんて何も無いよっ!?」


久美子「いやあるの丸わかりじゃん、それ」

緑輝「久美子ちゃん……」


久美子「ん?」


緑輝「あの、怒らないでくださいねっ」


久美子「えっ?」


緑輝「実は昨日、久美子ちゃんに聞こうと思ってたこと、今日高坂さんに聞きに行ったんです」


久美子「なんで?」


緑輝「それは……あすか先輩がそうした方が良いって」

緑輝「しかもそれで、誰かが――たぶんあすか先輩が聞き耳立ててたみたいで……気付いたら、先輩方に伝わってて……」


久美子「え、いや、ちょっと待って。なんかよく分かんないんだけど」

久美子「そもそも、なんであすか先輩?」


緑輝「……その辺も、色々とありまして」

緑輝「ともかく、その時に高坂さんが言ったのが――」


久美子「…………っ!」

ガラッ

久美子「麗奈ちゃん……!」ガシッ


麗奈「どうしたの? 久美子。音楽室に入るなり腕を掴んで」

麗奈「ほら、机の運び出しをやらないと」


久美子「その前にさ~……山登ってお話して演奏しただけの話がさ~」

久美子「どうして麗奈が私に愛の告白をしたって話になってるのか教えてくれないかな~?」


麗奈「え? でも私、あの時もちゃんとそう言ったでしょ?」


久美子「言ったけど! 言ったけどもっ!」

久美子「アレ告白でもなんでもなくただの悪口だったじゃん!」


麗奈「酷い久美子……私の告白をそんな……!」ウル

久美子「おーいそれはちょっと酷すぎるんじゃないかな」


ザワザワ…


久美子「ほらもう音楽室ザワつき始めちゃったよどういうこと?」


麗奈「久美子の性格が悪いのが悪い」


久美子「ちょっとどういう理屈なのか説明してくれないそれ?」


麗奈「ほら、やっぱりつい仕返ししたくなるでしょ?」


久美子「やっぱりって何。そんなはた迷惑な感情抑えこんでよ」


麗奈「あと久美子は私のだって皆に言いたくて」


キャー!


久美子「おいこら麗奈話をややこしくするな」

麗奈「でも久美子、私のこと分かってくれるって言ってくれたし……」


久美子「言ったけどもさぁ!」


麗奈「じゃあ久美子を独占したい気持ちも、分かってくれる?」


久美子「そりゃ……! そりゃ私も、麗奈を独り占めしたい時はあるけど……」


ザワザワザワ……!


久美子「ってああ! 今の無しにして!」


あすか「それは無理だよ、久美子ちゃん」


久美子「ひっ!? ってあすか先輩!?」


夏紀「全部聞かせてもらったよ」


久美子「夏紀先輩までっ!?」


優子「高坂……私、アンタのこと勘違いしてた!」

優子「応援、するからねっ!」


麗奈「ありがとうございます、吉川先輩」


あすか「いや~……こういうめでたいニュースがあると、皆のモチベーションが上がるから良いなぁっていつも思うんだ~」

あすか「これで吹部公認だ! やったねっ。黄前ちゃん!」


久美子「いえ、本当そういうの結構です」


麗奈「そういう冷めてるところも素敵だなあ」


久美子「だから麗奈話をややこしくしないでって」

晴香「じゃあ一年、早く机移動させてっ!」


久美子「部長っ!?」

久美子「いやちょっとまだ私の誤解が……!」


晴香「大丈夫だって、黄前さん」


久美子「へ……?」


晴香「吹奏楽部みんな、二人のこと応援してるからっ!」


久美子「何も大丈夫じゃない!」

久美子「ソレは何も大丈夫じゃないよっ!」


香織「葵がいてくれたら、きっと喜んでくれただろうな……」


晴香「あ、ちゃんと報告しないとね」


久美子「止めてっ!」

~~~放課後~~~

久美子「は~……今日はもう散々だったよ……」


麗奈「どうせ皆ふざけてるだけだって」


久美子「そうかなぁ? そんな気しないんだけど」

久美子(特に吉川先輩なんて結構ガチっぽかったし)


麗奈「ま、これで塚本に久美子を取られずには済む、かな」


久美子「え?」


麗奈「ん?」


久美子「……まさか、そのためだけにこんなこと……?」


麗奈「さあ。どうかな」


久美子「悪魔だ……悪魔がここにいる」

麗奈「……ねえ、久美子」


久美子「なに?」


麗奈「その……怒らないの?」


久美子「怒らないよ」

久美子「だって言ったでしょ。独り占めしたい気持ち、分かるって」


麗奈「……っ」


久美子「だから、良いの」

久美子「どうせ私のことなんて、皆すぐに話題に上らなくなるし」


麗奈「……ごめん、久美子」


久美子「だから良いって」


麗奈「そうじゃなくて」


久美子「ん?」


麗奈「私、塚本に嫉妬してた」


久美子「え?」

麗奈「性格悪い久美子のこと――それ以外の久美子のこと知ってるかと思ったら」

麗奈「なんだか、心の中がモヤモヤするの」

麗奈「だからつい、こんなことしちゃった」


久美子「秀一にそんな警戒する価値無いのに……」


麗奈「久美子にとってはそうでも、私にとってはそうじゃないの」


久美子「え~……?」


麗奈「不安なの」

麗奈「久美子が、私のところから離れるのが」

麗奈「やっと出来た友達が、私にとって離れたくない人が、離れていくのが」


久美子「じゃあ……」

ギュッ

久美子「これで良い?」


麗奈「え?」


久美子「こうして手が繋がってる限り、私は麗奈の側から離れないよ」

久美子「は、恥ずかしいから……人前では出来ないけど……」


麗奈「…………」


久美子「……えと、ダメ……?」


麗奈「…………」クスッ

麗奈「本当、久美子って性格悪い」



終わり



なんか違う
から
もう一本

~~~演奏後~~~

久美子「じゃあ、そろそろ帰ろうか」


麗奈「そうだね」


久美子「いっぱい吹いたね~」


麗奈「うん」


久美子「さて、と……よいしょっ」


麗奈「あ、帰りは私から……」


久美子「良いよ。高坂さ――」


麗奈「麗奈」


久美子「あ……れ、麗奈」


麗奈「うん」

麗奈「で?」


久美子「え?」


麗奈「なんで私からじゃないの?」

麗奈「そういうとこキッチリしないと気がすまないって、私言ったよね?」


久美子「言ったけど、そんな足痛めてる麗奈に無理はさせられないし」


麗奈「痛いのも嫌いじゃないって言ったけど?」


久美子「でも、痛がってる麗奈を見るのが、私はイヤだから」


麗奈「……っ」

久美子「真っ暗だね……」


麗奈「待って。明かり、点けるから」


久美子「これ、滑り落ちたら大惨事だね」


麗奈「そうならないように注意しないと」


久美子「じゃあ……はい」


麗奈「? なに?」


久美子「手」


麗奈「て?」


久美子「繋いで降りよ」


麗奈「……いや、その方が危ないし」


久美子「大丈夫。ゆっくりだから」

久美子「それに、下り坂のほうが足の痛み酷くなるだろうし」

久美子「いい場所に連れてきてもらったし、そのお礼にさ」

久美子「手伝わせてよ、麗奈」

~~~~~~

久美子「今日はありがとね、麗奈」


麗奈「なにが?」


久美子「色々なこと、教えてくれて」


麗奈「…………」


久美子「私、ずっと麗奈のこと苦手だったけど」

久美子「今日、色々聞けて、良かった」


麗奈「……そう」


久美子「今度さ、どっか行こっか」


麗奈「えっ」


久美子「ちゃんとしたスケールの方、やろ?」

久美子「麗奈となら、きっと楽しいから」


麗奈「……急に積極的だね」

麗奈「どうしたの? 久美子」


久美子「ん~……どうしたんだろうね」

久美子「ただ、皆と違うことしてるのとか、頂上で演奏した余韻とか、この真っ暗な景色とか、手から伝わってくる麗奈の熱さとか……」

久美子「そういうので、心がフワついてるのかも」

久美子「麗奈なら、分かるでしょ?」


麗奈「……分かるかも」

麗奈「登っていた時の私が、きっとそうだった」


久美子「それと同じだよ」


麗奈「そっか……」


久美子「うん」


麗奈「…………」


久美子「…………」


麗奈「……私の手、そんなに熱い?」


久美子「うん。汗とかいっぱいで、気持ち悪い」

久美子「でも、私も同じ」

久美子「そういうのが、なんか混じってる気がして……気持ち悪いのに、気持ちいい」


麗奈「……変態」


久美子「麗奈には負けるよ」

久美子「あ、でも」


麗奈「なに?」


久美子「きっと今キスを迫られたら、私断れないかも」


麗奈「……っ」

麗奈「やっぱり、久美子って変態」///



終わり

 これもなんか違う。
 これじゃああの8話をただただ穢してる。
 またいつかチャンスをくれ。
 さっさと依頼出してきます。

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