提督「精液を素材に使おうwwww」 (37)
提督「大型艦建造で大和が出なさ過ぎて禿げ上がりそうだwwww」
提督「もっ、もう、変な笑いしか出ないwwww」
提督「こうなったらヤケだwwww」
提督「大型艦建造の際wwww」
提督「素材入れに、俺様の精液をぶちまけてやるwwwww」
~十時間後~
北方棲姫「パパー」
提督「どうしてこうなった……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432808787
ザワッ
吹雪「えっ、うそっ……」ヒソヒソ
長門「提督に隠し子が……?」ヒソヒソ
神通「いえ、でも、あの子は建造ドックから……」ヒソヒソ
利根「では、新しい艦娘ということか……?」ヒソヒソ
北方「パパー」ペシペシ
提督「違う、違う……」オロオロ
扶桑「でも、提督を父と呼ぶ艦娘は今までいませんでした」
山城「じゃあ、本当に父親なのでは……!?」
初春「人と艦娘の合いの子、ということか」
足柄「相手は誰よっ!?」
明石「あの時、秘書艦を務めていたのは――」
加賀「上々ね」ホッコリ
北方「ママー」スリスリ
提督「ひいぃ……!」
赤城「加賀さん! あなた、まさか……」
赤城「提督と……!?」
加賀「……」
加賀「ええ」
加賀「一夜を共にしたわ」
艦娘「っ!?」
提督「っ!?」
加賀「そうして生まれたのが、この子」
加賀「提督と私の血を色濃く表す、プリティベイビー」
加賀「――ほっぽちゃんよ」
電「似てないのです! 似てないのです!!」
雷「欺瞞よ! きっと養子だわ!」
金剛「提督! 本当にカガとベッドインしたのデスカ!?」
提督「身に覚えがありません」ガタガタ
霧島「――では、なぜ、あの子が生まれたのですか?」
鳥海「提督は昨晩遅くまで、大型艦建造に励まれていましたね」
大淀「そこで何か――特別な材料を使った、とか」
提督「っ!」ドキンッ!
提督「は、ははは」
提督「……まっさかぁ~?」
提督「そんなはずない……あ、あるわけないじゃないか」ハハハ
艦娘(怪しい)
長門「……」ジー
陸奥「……」ジー
加賀「歓迎パーティーのプレゼントは何がいいかしら」ウフフ
北方「ゼロ! レップウ!」ピョンピョン
赤城「……」ジー
提督「くっ……」
提督「し、司令官を疑うとはな!」
提督「こんな魔女裁判のような場所にいられるか!」
提督「わ、私は部屋に帰らせてもらう!」スタスタ
吹雪「あっ、逃げた」
~提督の私室~
提督「くっ……」
提督「な、何たることだ」
提督「まさか精液があのように作用するとは……」
提督「加賀はともかく、DNA鑑定をされれば、言い逃れはできないぞ!」
提督「どうする……どうする、私!?」
ガチャ
提督「……ん?」
北方「……」ヒョコッ
提督「なんだ、お前か」
提督「私は今、忙しい。みんなのところに戻りなさい」
北方「……」
テテテッ
ポスン
北方「パパトイッショガ、イイ」ギュッ
提督「……!」キュンッ
提督「そ、そうか」
提督「パパといっしょがいいか!」
北方「ウン!」
提督「よ、ようし」
提督「じゃあ、ジェンガでもして……」
提督「遊ぼうか!」ニッコリ
北方「ワーイ!」
提督(こうして、私はほっぽちゃんの可愛さに負け)
提督(彼女を認知し、私の子どもとして鎮守府に迎え入れた)
提督(ほっぽちゃんが来てからの鎮守府はにぎやかで――)
提督(戦時中だというのに、みんな明るくなって――)
提督(私は、ずっとそんな日々が続けばいいと思っていた)
提督(しかし――)
提督「なにっ!? 深海棲艦の大群が押し寄せてきているだと!?」
大淀「はい! 南西より続々と現れ――」
大淀「海が黒く染まって見える、とのことです!」
提督「なんということだ――!」
大淀「提督。ここは撤退も視野に入れるべきでは――」
提督「――いや、駄目だ!」
提督「ここは重要拠点の一つ。落とされれば、人類の生存圏は大きく減衰する」
提督「援軍が来るまで……持ちこたえるんだ!」グッ
大淀「……はい!」
提督(……)
提督(……これで大勢、死ぬな)
提督(死力を尽くさねば、この進行は食い止められない)
提督(多くの艦娘が――おそらく、私さえも)
提督(死兵とならねば、この鎮守府は守れない)
提督(だが、それでいい)
提督(続く者たちが、私たちの遺志を継いでくれるのならば――)
北方「……」
~軍港~
提督「どうしたんだ、ほっぽちゃん」
提督「こんなところまで連れてきて――」
北方「……」
北方「テキノタイグンハ、ホッポガ、タオス」
提督「――なっ!?」
北方「ホッポヒトリデ、タオシテクル」
提督「無茶だ!」
提督「お前はまだ幼い――戦えるはずがない!」
提督「い、いや、それ以前に、出撃などさせるものか!」
提督「ほっぽちゃんはみんなの希望だ。この鎮守府の太陽だ」
提督「せめて、お前だけは逃がして――」
ドスッ
提督「うっ……!?」
提督「ほっぽ、ちゃん……」ドサッ
北方「……」
北方「ココデ、マッテテ」
北方「スグニカエッテクルカラ……」
北方「マッテテネ――」
北方「パパ――」
提督(薄れゆく意識の中、それが、最後に聞いたあの子の声となった)
提督(果たして、何がどうなったのか――)
提督(それからほどなくして、深海棲艦の大群は消滅した)
提督(あの大規模進行から、早くも一週間が経った)
提督(惨劇は回避され、私たちは生き残った)
提督(――ほっぽちゃん、ただ一人を除いて)
提督(艦娘たちによる懸命な捜索が続いているが)
提督(ほっぽちゃんは残骸さえ、見つかっていない――)
~建造ドック内~
提督「う、ううう……」
提督「どうして親より先に逝ってしまったんだ……」
提督「この親不孝者め……」
提督「閻魔様に叱られても知らないからな……」グスン
提督「駄目だ、何をしていても、どこにいても」
提督「ほっぽちゃんとの思い出がよみがえる……」
提督「胸にぽっかりと穴が開いたみたいだ」
提督「そしてそこから、血が流れて――」
提督「うっ、ううう……」
提督「――この悲しみは、耐えられない」
提督「こんなに苦しいのなら、いっそ――」
シュッシュッ!
~同時刻 建造ドック前~
北方(ヤットモドレタ)
北方(コンナジカンニナッタケド)
北方(パパ、ヨロコブカナ……)テクテク
シュッシュッ!
北方(……?)
北方(ナンノオト……?)
北方(ダレカ、イルノカナ……?)ヒョコッ
提督「う、うおおおおお!!」シュッシュッ!
提督「ほっぽちゃん! ほっぽちゃんカムバーック!」シュッシュッ!
提督「それが駄目なら、せめて――!」シュッシュッ!
提督「あの子の代わりにはならないが――!」シュッシュッ!
提督「第二子を作ってやるぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」シュッシュッ!
提督「う、うおおお!! 孕めぇ!!」ドピュッ!
提督「建造ドック孕めぇぇぇぇえええ!!!!」ドピュルルルルゥッ!!
北方「」
こうして――。
こうして、ほっぽちゃんは鎮守府に帰ってきて。
同時に、大人の階段を一つ、上った。
自分はああやって生まれたのだ――。
ほっぽちゃんは生命の神秘を知ると同時に。
しばらくの間、パパへの生理的嫌悪感が拭えなかった。
当の提督はなぜ、ほっぽちゃんに避けられるのか、分からなかったが――。
艦娘たちといっしょになって、彼女の帰還を大いに喜んだという。
めでたし、めでたし
このSSまとめへのコメント
ちょっと建造ドック行ってくる
イ級「パパー」